JP7153520B2 - ねじ付きボトル缶の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、キャップが装着されるねじ部を有するねじ付きボトル缶の製造方法に関する。
飲料等の内容物が充填される容器として、ねじ部を有する口部にキャップが装着されるアルミニウム合金製のボトル形状の缶(ボトル缶)が知られている。
このボトル缶は、特許文献1に開示されるように、アルミニウム合金板を絞り加工及びしごき加工(DI成形)により底部と円筒状側面部とが一体となった筒体に成形し、その開口部を縮径することにより、小径の首部よりも上方部分に、ねじ成形のための拡径した筒状部を形成した後、この筒状部にねじ部とねじ部の下方の膨出部とを成形し、開口端部にカール部を成形することにより製造される。
このボトル缶の製造工程において、ねじ部は、筒状部内に挿入した中子(内駒)と筒状部の外側に配置した外子(外駒)との間に筒状部を挟み込み、これら中子と外子とを缶の軸心回りに公転させながら転動させることにより形成される。
また、このボトル缶にキャップを装着するには、天板部と円筒状のスカート部を有するキャップ素体をボトル缶の口部に被せ、キャップ素体を成形ローラ(キャップ側ねじ部を成形するスレッドローラと、スカート部を膨出部に巻き込むスカートローラ)によって半径方向に押圧しながら、口部のねじ部に沿って倣うようにしてキャップ素体を成形するとともに、キャップ素体の下端部をボトル缶の膨出部に巻き込むことにより行われる。以下では、ボトル缶にキャップを装着する操作をキャッピングと称す。
国際公開第2013/146470号
ところで、近年このようなボトル缶では、その缶本体を形成する金属材料の省資源化や材料製造の際の省エネルギー化のため、あるいはコスト低減のために缶本体の軽量化が求められている。このような缶本体の軽量化を図るには、缶本体に成形される金属板の元板厚を薄くすることによって胴部や口部を薄肉化することが考えられる。
しかしながら、元板厚を薄肉化して製造したボトル缶であると、キャッピング時に成形ローラによって半径方向に押圧される際に口部が楕円形等に変形するおそれがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、薄肉で、かつ口部の変形が生じにくいボトル缶を提供することを目的とする。
本発明の製造方法により製造されるボトル缶は、開口部を形成する口部の周囲にねじ部を有するボトル缶において、前記ねじ部における最も薄肉の部分がねじ山に形成されている。
ボトル缶の口部はねじ部などの複雑な加工が施され、凹凸形状となるため、厚肉の部分と薄肉の部分とが生じ易い。元板厚が厚い場合は、肉厚に若干のばらつきが生じても、特に問題にはならなかったが、薄肉化すると、肉厚のばらつきによる強度のばらつきによって支障が生じる場合がある。特に、キャッピング時に成形ローラによって缶軸方向と直交する方向に押圧力が作用し、これによって口部が変形するとキャッピングが損なわれる。
このキャッピング時の成形ローラ(スレッドローラ)は、ボトル缶のねじ部に被せたキャップ素体をボトル缶のねじ山の下側斜面に沿わせるようにねじ部を外側から半径方向内方に押圧する。このため、ボトル缶のねじ山には、その下側斜面に半径方向内方に向けて押圧力が作用する。言い換えると、ねじ山の下側斜面に沿ってねじ谷に向けて押圧力が作用する。このため、最も薄肉の部分がねじ谷に生じていると、キャッピング時の押圧力によってねじ谷が変形するおそれがある。
これに対してねじ山の頂部はキャッピング時に成形ローラ(スレッドローラ)が接触することがないため変形が生じにくい。したがって、最も薄肉の部分をねじ山に配置することで、キャッピング時の変形を抑えて、良好なキャッピングを行わせることができる。これにより、薄肉でありながら、口部の変形が抑制される。
この場合、前記ねじ山は二巻き以上形成されており、三つのねじ山が缶軸方向に沿って並ぶ部位において、前記最も薄肉の部分が、開口端から数えて3番目のねじ山に配置されているとよい。
三つのねじ山が缶軸方向に沿って並ぶ部位は、二つのねじ山が並ぶ部位よりもねじ成形時の加工が厳しくなり、薄肉になり易い。そこで、最も薄肉になる部分を3番目のねじ山に配置するようにしている。
キャッピング時に成形ローラ(スレッドローラ)は、ボトル缶の開口端側からねじ山に沿って移動しながらキャップ素体にキャップ側ねじ部を形成する。したがって、三つのねじ山のうち、3番目のねじ山の部分での成形が最後になる。そして、この3番目のねじ山の部分を成形する際には、その上方の二つのねじ山についてキャップ素体も成形が終了しており、このため、これら二つのねじ山にキャップ素体が螺合した状態となっており、高い強度を有する。したがって、最も薄い3番目のねじ山についてキャップ素体にねじ加工する際には、ボトル缶の強度が高められており、したがって、薄肉部の近辺での加工であっても変形が生じにくくなる。
本発明のボトル缶の製造方法は、筒体の開口部を縮径して縮径部を形成するとともに、この縮径部よりも上方に筒状部を有する中間成形体を形成する中間成形体形成工程と、前記筒状部の内側に配置した内駒と、前記筒状部の外側に配置した外駒とを接近させて、前記筒状部にねじ部を形成するねじ部成形工程とを有しており、前記内駒の外周部に右ねじ状凸部が設けられるととともに、前記外駒の外周部に前記内駒の右ねじ状凸部に対応する左ねじ状凸部が設けられており、前記ねじ部成形工程において、前記筒状部を前記内駒の前記右ねじ状凸部で半径方向外方に押し広げ、この押し広げた位置で前記筒状部を前記右ねじ状凸部と前記左ねじ状凸部とで挟み込み、その挟み込み状態で前記内駒と前記外駒とを転動させながら前記中間成形体の軸線周りに回転させることにより、前記ねじ部を形成する。
内駒の右ねじ状凸部によって筒状部を半径方向外方に押し広げた状態で外駒の左ねじ状凸部との間で挟み込むので、内駒の右ねじ状凸部によって押し広げられて形成されるねじ山の頂部が薄肉になり易い。これにより、最も薄肉の部分がねじ山に形成されたボトル缶が製造できる。
本発明によれば、薄肉で、かつ口部の変形が生じにくいボトル缶を提供することができる。
本発明の一実施形態におけるボトル缶の口部の缶軸を通る断面図である。 ボトル缶とキャップ素体の正面図である。 ボトル缶の製造工程の前半の段階を工程順に示す模式図である。 ボトル缶の製造工程の後半の段階を工程順に示す要部の断面図である。 中間成形体を示す筒状部付近の正面図である。 ねじ成形用の内駒及び外駒と、筒状部にねじ部を成形している状態を示す断面図である。 キャッピング装置の例を示す模式図である。 ボトル缶の口部の肉厚分布を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について説明する。
この実施形態は、内容量として310ml充填される、310ml用ボトル缶である。このボトル缶1は、アルミニウム又はアルミニウム合金の薄板金属からなり、底部2を有する円筒状の胴部3に、図1に示すように、上方に向けて漸次縮径する縮径部4と、この縮径部4の上端に接続された小径筒状の首部5と、この首部5の上端に接続された口部6とが形成されている。口部6は、その外周に形成されたねじ部7と、ねじ部7より下方で首部5の上端に接続状態に形成され、キャップ10のスカート部11を固定する膨出部8と、ねじ部7より上方に形成され、開口端部を形成するカール部9とを有する。
このボトル缶1は、アルミニウム合金板から絞りしごき加工により有底円筒状の筒体を成形するDI工程と、該DI工程の後に筒体の開口部を縮径するボトルネッキング工程と、該ボトルネッキング工程により縮径された小径部分にねじ部7及びカール部9を形成する口部成形工程とを備えている。
これら工程を順に説明する。
<DI工程>
まず、板厚t0が0.260mm~0.310mmのアルミニウム板材を打ち抜いて絞り加工することにより、図3(a)に示すように比較的大径で浅いカップ51を成形する(カップ成形工程)。次いで、このカップ51に外径の小さい金型を用いてDIプレス機で再度の絞り加工及びしごき加工(DI加工)を加えて、所定高さの有底円筒体を成形し、その上端をトリミングにより切り揃えることにより、図5(b)に示す筒体52が作製される。
このDI加工により得られるDI缶52は、その底部2は最終のボトル缶1としての底部2の形状に成形され、胴体53は円筒状に形成される。この筒体52の胴体53は、その開口端部から所定高さまでの部分は厚肉に形成され、それより下方の底部2付近は薄肉に形成される。開口端部付近の厚肉部53bをフランジ部と称し、底部2側の薄肉部53aをウォール部と称している。
このDI工程では、胴体53の厚肉部53bの厚みt2を0.180mm以上0.230mm以下とするとともに、底部側(底部2の上端から開口部に向けて所定高さまで)の薄肉部53aの厚みt1を0.115mm以上0.130mm以下とするとよい。
<ボトルネッキング工程>
次いで、ボトルネッキング工程により、筒体52の上端部を縮径して、図3(c)に示すように、円筒状の胴部3の上に、縮径部4、小径筒部54を形成する。このボトルネッキング工程では、成形部の直径の異なる複数のネッキング型(図示略)を径の大きい順に用い、そのネッキング型により筒体52の上端部を缶軸方向に押圧しながら縮径する、いわゆるダイネッキング加工である。このボトルネッキング工程によって得られた缶をボトルネッキング缶55とする。
<口部成形工程>
口部成形工程は、筒状部形成工程とねじ部成形工程とカール部成形工程とに分けられる。
(筒状部形成工程)
図4(a)に示す状態から図4(b)に示すように、ボトルネッキング缶55の小径筒部54について、その下端部を除き縮径部4の上端より若干上方位置から再度拡径し、拡径筒部56を形成する。この拡径筒部56の加工により、小径筒部54の下端部で拡径加工されなかった部分が首部5となる。
次に、図4(c)に示すように、拡径部56の下端部を除き、この下端部より上方部分を再度縮径することにより、縮径筒部57を形成する。そして、図4(d)に示すように、縮径筒部57の上半分程度を上端に向かってさらに縮径し、その縮径した開口筒部58を形成する。この開口筒部58の加工により、その下方に形成される円筒部59aとテーパ部59bとからなる筒状の部分が筒状部59となる。これにより、図5に示す中間成形体60が形成される。
中間成形体60において、開口筒部58の外径D1は、成形すべきねじ部7のねじ谷径D2(図1参照)よりも小さく設定される。また、筒状部59における円筒部59aの外径D3は、成形すべきねじ山径D4とねじ谷径D2との中間の径に設定される。例えば、ねじ山径(ねじ山が最大となったときの径)D4が36.0mm以上38.0mm以下、ねじ谷径D2が35.0mm以上37.5mm以下で、ねじ山のピッチ(一周目と二周目の間隔)が3.0mm以上3.3mm以下である場合、筒状部59の円筒部59a外径D3は36.0mm以上37.0mm以下に設定される。円筒部59aと開口筒部58との間を連絡するテーパ部59bは、缶軸方向に対して10°~30°の傾斜角θに設定される。なお、この筒状部59の厚さは0.28mm以上0.39mm以下に形成される。
(ねじ部成形工程)
ねじ部成形工程は、中間成形体60の首部5より上方の部分を加工し、膨出部8を形成するとともに、筒状部59からねじ部7を形成する。具体的には、開口筒部58から筒状部59の内側に内駒21を挿入するとともに、筒状部59の外側に外駒22を配置し、これら内駒21と外駒22との間に筒状部59(の円筒部59a及びテーパ部59bの下端部)の壁を周方向の一箇所で挟み込み、その状態で筒状部59の周囲に中間成形体60の軸線C1を中心に内駒21と外駒22とを転動させながら旋回することにより、ねじ部7を形成する。このねじ部7は、ねじ山が二巻き以上、例えば2.2巻き形成される。また、ねじ部7の下方で首部5を整形しつつ膨出部8を形成する。
内駒21は、図6(半分を正面図としている)に示すように、略円柱状の先端部外周面に、右ねじ状のねじ部7を形成するための右ねじ状の凹凸形状(右ねじ状凸部23及び右ねじ状凹部25)を有し、軸線C2を中心として回転可能に支持されている。一方、外駒22は、略円柱状の先端部外周面に、右ねじ状のねじ部7を形成するための左ねじ状の凹凸形状(左ねじ状凸部24及び左ねじ状凹部26)を有し、軸線C3を中心として回転可能に支持されている。
なお、これら内駒21及び外駒22の外周面に形成された凸部23,24及び凹部25,26は、螺旋状に、かつ互いに対応する形状でそれぞれに形成されている。また、これら内駒21と外駒22とを支持している成形装置本体(図示略)は、中間成形体60を保持し、該中間成形体60の筒状部59内に内駒21を挿入するとともに、内駒21と外駒22とを離間接近させる方向に移動し、また、内駒21及び外駒22をそれぞれの軸線C2,C3を中心に回転させるとともに、中間成形体60の軸線C1を中心に全体を回転(旋回)駆動することができる。
そして、このねじ部成形工程において、図6(a)に示すように、筒状部59内に内駒21を挿入し、筒状部59の外側に外駒22を配置して、これら内駒21と外駒22とを接近させる。このとき、内駒21の右ねじ状凸部23がまず筒状部59(テーパ部59b及び円筒部59a)の内面に当接し、その壁を半径方向外方に押し広げ、その押し広げた位置で内駒21の右ねじ状凸部23と外駒22の左ねじ状凸部24とで筒状部59の壁を挟み込む。その挟み込み状態で内駒21と外駒22とを転動させながら中間成形体60の軸線C1周りに回転させる。
内駒21の右ねじ状凸部23により筒状部59の壁が半径方向外方に押し広げられた後に外駒22の左ねじ状凸部24との間で挟み込まれるので、内駒21の右ねじ状凸部23により押し広げられた部分が外駒22の左ねじ状凸部24により引っ張られて、薄肉になり易い。
この場合、内駒21の右ねじ状凸部23によりねじ部7のねじ山7aが形成され、外駒22の左ねじ状凸部24によりねじ部7のねじ谷7bが形成される。そして、実施形態の場合、ねじ山は2.2巻きで形成されるので、周方向の大部分では缶軸方向に沿ってねじ山が二つ並ぶが、特定の範囲においてはねじ山が三つ並ぶ部位が形成される。具体的には円周上の1/5程度の範囲では、缶軸方向に沿って三つのねじ山が並んだ状態となる。この三つのねじ山が並ぶ部位は、二つのねじ山が並ぶ部位よりも、ねじ部成形工程における加工が厳しいために薄肉になり易い。
この三つのねじ山のうち、開口端から数えて1周目のねじ山S1は、筒状部59のテーパ部59bに形成されるため、内駒21の右ねじ状凸部23の上方に配置される外駒22の左ねじ状凸部24による変形も小さく、このねじ山S1においては筒状部59からの肉厚の減少は少ない。2周目のねじ山S2も、筒状部59の円筒部59aの上端付近に形成されるため、これを形成する内駒21の右ねじ状凸部23の上方に配置される外駒22の左ねじ状凸部24による半径方向の食い込みが小さいため、外駒22の1周目のねじ山S1と同様に筒状部59からの肉厚の減少は少ない。これに対して、3周目のねじ山S3は、ほぼ垂直な円筒部59bの壁に形成され、内駒21の右ねじ状凸部23の上下で外駒22の左ねじ状凸部24により半径方向内方に強く押圧されるので、内駒21の右ねじ状凸部23で押し広げられた部分が、その上下の部分で外駒22の左ねじ状凸部24により半径方向内方に引っ張られる。このため、内駒21の右ねじ状凸部23で押し広げられた部分の肉厚の減少が大きくなり、薄肉になり易い。
したがって、三つのねじ山S1~S3が缶軸方向に沿って並ぶ部位において、最も薄肉の部分Tが3周目のねじ山S3に形成される。
なお、缶軸方向に沿って三つのねじ山が並ぶ部位においては、3周目のねじ山S3において最も薄肉の部分Tが形成されるが、二つのねじ山が並ぶ部位においても、三つ並ぶ部位に近い部分では、1周目のねじ山が筒状部59のテーパ部59bに近い位置で成形されるのに対して、2周目のねじ山が筒状部59の円筒部59aの壁を成形するため、1周目のねじ山より2周目のねじ山が薄肉になる傾向にある。
このねじ部7を成形すると、ねじ部7の上方に、一部残ったテーパ部59bを介して開口筒部58が配置され、ねじ部7の下方に膨出部8が形成される(図6参照)。
(カール部成形工程)
ねじ部7の上方部分にカール部成形工程を施して、カール部9を成形する。
このカール部成形工程では、図示略の折り返し用金型と整形用金型の双方が開口筒部58に沿って旋回しながら、折り返し用金型によって開口筒部58の上端から缶軸方向下方に押すことにより開口筒部58を半径方向外方に押し開くようにして折り返し、折り返した部分をさらに整形用金型によって半径方向外方から押すことにより、図1に示すほぼ円形のカール形状に整えるように成形する。これにより、テーパ部59bの上端から連続するカール部9が形成される。
なお、カール部9の外周部を半径方向内方にわずかに押圧して、若干の潰し加工を施してもよい。
このようにして製造されたボトル缶1は、三つのねじ山S1~S3が缶軸方向に沿って並ぶ部位において、最も薄肉の部分Tが3周目のねじ山S3に設けられている。
このボトル缶1に装着されるキャップ素体10´は、アルミニウム又はアルミニウム合金の薄板金属からなり、図2に示すように、円板状の天板部12と、天板部12の外周縁から垂直下方に延びるスカート部11と、天板部11の内面に設けられたライナ40(図7参照)とを有している。また、スカート部11には、その上部の天板部12に近い位置に、開栓時に手に摩擦力を付与するナール凹部13と、開封時に内圧を開放するためのベントホール14とが周方向に複数ずつ形成されている。
スカート部11の下端部には、周方向に断続的にスリット15が形成されており、このスリット15を介してスカート部11が筒上部11aと筒下部11bとに分けられるとともに、スリット15の間に形成される複数のブリッジ16によって、筒上部11aと筒下部11bとが連結した形状とされる。
そして、ボトル缶1の口部6にキャップ素体10´を被せて、図7に示すキャッピング装置70を用いて密栓する(キャッピング工程)。
この場合、キャップ素体10´の天板部12をキャップ押さえ71で缶軸方向に押さえ、天板部12の周縁部をプレッシャーブロック72によって絞り成形し、その状態でスレッドローラ73及びスカートローラ74によってスカート部11を半径方向外方から内方に向けて押圧しながら、スレッドローラ73によってスカート部11にボトル缶1のねじ部7に倣うキャップ側ねじ部17を成形するとともに、スカートローラ74によって筒下部11bを膨出部8に巻き込んで固定する。
このようにキャッピングされることで、キャップ10内のライナ40が、ボトル缶1のカール部9に押し付けられ、内部を密封する。
このキャッピング工程において、ボトル缶1の口部6は、スレッドローラ63によって半径方向内方に押圧される。具体的には、スレッドローラ63は、ボトル缶1のねじ部7の上からキャップ素体10´のスカート部11をねじ山7aの下側斜面に沿ってねじ谷7bに向けて押圧する。このため、最も薄肉の部分がねじ谷7bに生じていると、キャッピング時の押圧力によってねじ谷7bが変形するおそれがある。
これに対して実施形態のボトル缶1は、最も薄肉の部分Tがねじ山7aに形成されており、このねじ山7aの頂部はキャッピング時にスレッドローラ63が接触することがないため変形が生じにくい。したがって、キャッピング時の変形を抑えて、良好なキャッピングを行わせることができる。
特に実施形態では、最も薄肉の部分Tが開口端から数えて3番目のねじ山S3に配置されているので、この3番目のねじ山S3の部分を成形する際には、その上方の二つのねじ山S1,S2についてキャップ素体10´も成形が終了しており、このため、これら二つのねじ山S1,S2にキャップ素体10´が螺合した状態となっており、高い強度を有している。したがって、最も薄肉の3番目のねじ山S3についてキャップ素体10´にねじ加工する際には、口部6全体の強度が高められており、したがって、薄肉部の近辺での加工であっても変形がより生じにくくなる。
したがって、このボトル缶1は、口部6の変形が抑制されるので、中間成形体60の筒状部59の肉厚、言い換えればDI工程時のフランジ部53bの肉厚を薄くすることができ、その分、元板厚を削減することが可能であり、薄肉化、軽量化を図ることができる。
なお、ねじ部成形工程において、筒状部59を内駒21の右ねじ状凸部23によって押し広げながらねじ部7を形成しているので、薄肉化しても、ねじ部7の外面のプロファイルを従来のボトル缶から大きく変更することなく成形することが可能になり、キャップ素体10´やキャッピング装置70等への影響も少ない。
図8は、ボトル缶の口部における各部の肉厚を測定した結果である。このボトル缶は、元板厚が0.305mmのアルミニウム板を用い、フランジ厚が0.210mm、ウォール厚が0.120mmのDI缶を成形し、カール部の外径が33.50mmの口部とした。ねじ部は2.2巻きのねじ山とした。肉厚は、ねじ始まり部からねじ山に沿って15°進んだ部位の断面を測定した。図8の横軸の番号1~3はカール部、4はテーパ部を示し、5~10がねじ部、11及び12が膨出部を示す。そして、5,7,9がねじ山で、6,8,10がねじ谷である。縦軸は肉厚(mm)を示す。
この図8から明らかなように、ねじ山の9番で最も肉厚が薄くなっている。
このボトル缶にキャップ素体を被せてキャッピング装置によりキャッピングしたところ、特に変形等の支障もなくキャップを装着することができた。
なお、上記実施形態では、筒状部59を内駒21の右ねじ状凸部23で半径方向外方に押し広げ、この押し広げた位置で右ねじ状凸部23と外駒22の左ねじ状凸部24とで筒状部59を挟み込み、その挟み込み状態で内駒21と外駒22とを転動させながら中間成形体60の軸線C1周りに回転させることにより、開口端から数えて3番目のねじ山S3に最も薄肉の部分を形成したが、この方法以外の方法を用いてもよい。例えば、内駒の右ねじ状凸部の形状や、内駒と外駒とのクリアランス等を調整することにより、3番目のねじ山に最も薄肉の部分を形成するようにしてもよい。
1 ボトル缶
2 底部
3 胴部
4 縮径部
5 首部
6 口部
7 ねじ部
7a ねじ山
7b ねじ谷
8 膨出部
9 カール部
10 キャップ
10´ キャップ素体
11 スカート部
12 天板部
11a 筒状部
11b 筒下部
21 内駒
22 外駒
23 右ねじ状凸部
24 左ねじ状凸部
25 右ねじ状凹部
26 左ねじ状凹部
51 カップ
52 DI缶
53 胴体
53a 薄肉部(ウォール部)
53b 厚肉部(フランジ部)
54 小径筒部
55 ボトルネッキング缶
56 拡径筒部
57 縮径筒部
58 開口筒部
59 筒状部
59a 円筒部
59b テーパ部
60 中間成形体
70 キャッピング装置
71 キャップ押さえ
72 プレッシャーブロック
73 スレッドローラ
74 スカートローラ
S1 1周目のねじ山
S2 2周目のねじ山
S3 3周目のねじ山
T 最も薄肉の部分

Claims (1)

  1. 筒体の開口部を縮径して縮径部を形成するとともに、この縮径部よりも上方に筒状部を有する中間成形体を形成する中間成形体形成工程と、前記筒状部の内側に配置した内駒と、前記筒状部の外側に配置した外駒とを接近させて、前記筒状部にねじ部を形成するねじ部成形工程とを有しており、
    前記内駒の外周部に右ねじ状凸部が設けられるととともに、前記外駒の外周部に前記内駒の右ねじ状凸部に対応する左ねじ状凸部が設けられており、
    前記ねじ部成形工程において、前記筒状部を前記内駒の前記右ねじ状凸部で半径方向外方に押し広げ、この押し広げた位置で前記筒状部を前記右ねじ状凸部と前記左ねじ状凸部とで挟み込み、その挟み込み状態で前記内駒と前記外駒とを転動させながら前記中間成形体の軸線周りに回転させることにより、前記ねじ部を形成することを特徴とするボトル缶の製造方法。
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