JP7275664B2 - ボトル缶の製造方法 - Google Patents

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本発明は、飲料等の内容物が充填されるボトル缶の製造方法に関する。
飲料等の内容物が充填される缶として、ストレート状の缶や、ボトル形状の缶(ボトル缶)が知られている。このような缶は、例えば、特許文献1に記載の製造方法により製造される。この特許文献1に記載のDI缶の製造方法は、アルミニウム合金等の薄板金属の板材を打ち抜いて絞り加工することにより、有底筒状体(カップ)を形成し、これに再度の絞り加工及びしごき加工(DI加工)を加えて有底円筒状のDI缶(中間成形体)を成形する工程を備えている。このしごき加工は、軸線方向に進退可能に支持されたパンチ及び該パンチと同軸上に配設された複数のリング状のしごきダイスを備える製造装置により実行され、パンチがカップの内部に挿入されて軸線方向に前進することにより、カップの外表面が複数のしごきダイスの内表面により順次しごかれて、薄肉とされた中間成形体が形成される。
特開2009-82989号公報
ところで、近年、飲料等の内容物を多く充填できる大容量(例えば、500ml以上)の缶が望まれている。この要望に対応するため、缶の外径を拡大して対応することも考えられるが、缶の外径を拡大すると、缶の製造工程におけるしごき工程において用いる金型の大部分を新たに製造する必要もあることから、製造コストの面から缶の外径を拡大することは難しい。このため、現状では、缶の高さ寸法を従来よりも大きくすることにより、充填量の拡大に対応している。
しかしながら、単に缶の高さ寸法を従来よりも大きくすると、上記カップにしごき加工を施して中間成形体を形成する際に、該中間成形体の板厚が薄くなり、しごき加工時に中間成形体(缶)の胴切れが生じるおそれがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、しごき加工による缶の胴切れの発生を抑制できるボトル缶の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の缶の製造方法は、円筒状胴部の外径が65.0mm以上67.5mm以下、缶高さが180mm以上220mm以下の缶の製造方法であって、板厚が0.4mm以上0.55mm以下のアルミニウム又はアルミニウム合金からなる金属板をブランク径150mm以上180mm以下で打ち抜いて絞り加工を施して有底筒状体を形成するカップ形成工程と、前記有底筒状体に絞り加工を施した後、しごき加工を施して、前記有底筒状体よりも胴部の外径が小さく、かつ高さが大きい中間成形体を形成する絞りしごき工程と、前記中間成形体の開口端部側に円筒状胴部の上端から凸状外面となる凸湾曲部を有する縮径部を形成すると共に前記縮径部の上方で缶軸方向に延びる円筒部を形成する縮径部形成工程と、前記円筒部をキャップ装着用のねじ部及びカール部を有する口部に成形する口部形成工程と、を備え、前記絞りしごき工程におけるしごき加工は、3回行われ、1回目のしごき率が25%以上30%以下であり、2回目のしごき率が30%以上39%以下であり、3回目のしごき率が40%以上50%以下であり、かつ、総しごき率が65%以上75%以下であり、前記絞りしごき工程後の前記中間成形体の胴部における底部側の最薄部の板厚が0.110mm以上0.150mm以下であり、前記中間成形体の前記胴部における底部とは反対側の前記縮径部形成工程で前記縮径部の前記凸湾曲部となる部分よりもよりも缶軸方向上方部分の板厚が0.200mm以上0.240mm以下であり、前記絞りしごき工程では、前記1回目のしごき率<前記2回目のしごき率<前記3回目のしごき率であり、前記口部形成工程では、前記縮径部の前記凸湾曲部から前記口部の前記カール部の上面までの高さを40mm以上85mm以下に形成する
なお、上記しごき率(%)とは、下記式(1)により表される。
式(1)…しごき率={(加工前の板厚-加工後の板厚)/加工前の板厚}×100
上記しごき率における加工前の板厚は、カップの胴部における底部側の板厚であり、加工後の板厚は、中間成形体の胴部の底部側の板厚である。なお、以下では、中間成形体の胴部における底部側の最薄部の板厚をウォール厚と呼び、中間成形体の胴部における底部とは反対側、すなわち、開口側の板厚をフランジ厚と呼ぶ。
本発明では、缶に成形される金属板の板厚が0.40mm以上0.55mm以下と厚いので、絞りしごき工程におけるしごき加工のしごき率及び総しごき率を従来よりも大きくして缶の高さ寸法を180mm以上220mm以下としても、中間成形体のウォール厚及びフランジ厚が小さくなりすぎることがなく、しごき加工による中間成形体(缶)の胴切れの発生を抑制する他、製造された缶の強度を高めることができる。また、中間成形体が3回のしごき加工により構成され、各回のしごき率及び総しごき率が上記範囲内であるので、中間成形体のウォール厚が0.110mm以上0.150mm以下、フランジ厚が0.200mm以上0.240mm以下となる。さらに、金属板を打ち抜く際のブランク径が150mm以上180mm以下と、従来の缶(例えば、内容量が350ml等)と同じブランク径に設定でき、カップ形成工程における金型を新しく製造する必要がないため、製造コストの増大を低減できる。
なお、1回目のしごき率が25%未満であると、2回目及び3回目のしごき率を大きくする必要があり、この場合2回目及び3回目のしごき加工により缶の胴切れが発生する可能性があり、1回目のしごき率が30%を超えていると、その1回目のしごき加工により缶の胴切れが発生する可能性がある。また、2回目のしごき率が30%未満であると3回目のしごき率を大きくする必要があり、この場合3回目のしごき加工により缶の胴切れが発生する可能性があり、2回目のしごき率が39%を超えていると、この2回目のしごき加工により缶の胴切れが発生する可能性がある。また、3回目のしごき率が40%未満であると、缶のしごき残しが発生してフランジ厚を上記範囲内とすることができず、3回目のしごき率が50%を超えていると、この3回目のしごき加工により缶の胴切れが発生する可能性がある。
ここで、3回のしごき加工のしごき率を順に小さくした場合、しごき残しが発生する、若しくは、初期のしごき加工のしごき率が高すぎて、缶の胴切れが発生する可能性がある。
これに対し、上記態様では、3回のしごき加工のしごき率を順に大きくするので、絞りしごき工程において缶の胴切れ及びしごき残しが発生する可能性をより低減できる。
本発明によれば、しごき加工による缶の胴切れの発生を抑制できる。
本発明の一実施形態に係るボトル缶の半分を断面にした正面図である。 ボトル缶の製造時における金属板のブランク径、打ち抜かれた金属板から形成されたカップ、再絞りカップ、第1しごき缶及び第2しごき缶を示す図である。 ボトル缶の製造時の形状の変遷を(a)から(d)の順に示す工程図である。 絞りしごき工程を実行する絞りしごき装置を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態では、缶の一例としてボトル缶を示している。
図1は、本発明の一実施形態に係るボトル缶の正面図である。このボトル缶1は、開口端部1aにキャップ(図示省略)が装着されることにより、飲料等を収容する容器として用いられる。
ボトル缶1は、アルミニウム又はアルミニウム合金等の薄板金属からなり、図1に示すように、缶底部11を有する円筒状胴部12に、円筒状胴部12の上端から缶軸方向上側に向かうに従って縮径する縮径部13と、縮径部13の上端に形成された口径D3が38mmの口部14とを備えている。縮径部13は、円筒状胴部12の上端から凸状外面となる凸湾曲部131と、凸湾曲部131の上端から口部14の下端にかけて凹状外面となる凹湾曲部132とを有している。
図1に示すように、円筒状胴部12及び縮径部13、口部14は互いに同軸に配置されており、本実施形態において、これらの共通軸を缶軸Sと称して説明を行う。
円筒状胴部12は、外径D1が65.0mm以上67.5mm以下に形成される。円筒状胴部12の下端には、缶底部11が形成されており、缶底部11は、缶軸S上に位置するとともに、該缶底部11の中央に位置し、円筒状胴部12に向けて凹むドーム状の中央部114と、該中央部114に接続され、缶軸S方向下側に向かうに従って缶軸Sから離れる方向に傾斜する内側傾斜部113と、円筒状胴部12の下端に接続され、缶軸方向下側に向かうに従って缶軸Sに近づく方向に傾斜して延びる外側傾斜部112と、内側傾斜部113の下端と外側傾斜部112の下端とを接続し、缶軸方向下側に向けて突出する環状の接地部111と、を備えている。
これらのうち、接地部111は、ボトル缶1が正立姿勢(図1に示される、口部14が上方を向く姿勢)となるように載置面上に載置されたときに、載置面に接地する部位である。この接地部111は、缶底部11において最も下方に向けて突出しているとともに、周方向に沿って延びる環状をなしている。この接地部111における最も缶軸方向下側に向けて突出している部位の直径(以下、接地径D2という)は、54mm以上57mm以下に形成される。
外側傾斜部112は、図2に示すように、缶軸Sを含む縦断面において缶軸方向下側に向かうに従って缶軸Sに近づく方向に傾斜して延びる形状とされている。また、内側傾斜部113は、缶軸S方向に対して僅かに傾斜して設けられている。さらに、ドーム状の中央部114の高さは、缶軸Sに沿う位置が最も大きく、その高さ寸法H5は10mm以上11mm以下に設定されている。
縮径部13は、缶軸方向の下側に凸湾曲部131、上側に凹湾曲部132が形成され、これらが滑らかに接続されている。また、縮径部13と口部14との間には、口部14より小径の首部15が形成されている。この首部15の缶軸S方向上側に位置する口部14は、首部15の上に周方向に膨出部141が形成され、膨出部141の上に雄ねじ部142が形成され、雄ねじ部142の上方の開口端部1aにカール部143が形成されている。そして、キャップ(図示略)が雄ねじ部142に螺合し、キャップの裾部が膨出部141に巻き込まれた状態で、キャップ内面のライナがカール部143に圧接して、内部を密封する。
[ボトル缶の製造方法]
以下、ボトル缶1の製造方法について説明する。本実施形態のボトル缶1の製造方法は、板厚が0.40mm以上0.55mm以下の金属板Wをブランク径160mmで打ち抜いて絞り加工を施して有底筒状体(カップ21)を形成するカップ形成工程と、カップ21に絞り加工及びしごき加工を施して、中間成形体22を形成する絞りしごき工程と、中間成形体22の開口端部側を縮径加工(ネックイン加工)することにより、縮径部13を形成するとともに、縮径部13の上方で缶軸S方向に延びる小径の円筒部231を有する第1缶体23を形成する縮径部形成工程と、円筒部231を成形した後、ねじ部を形成して口部を成形する口部形成工程と、を備える。
[カップ形成工程]
具体的には、ボトル缶1を製造するには、図2に示すように、まず、アルミニウム合金等の薄板金属の板材を打ち抜いて絞り加工することにより、図2及び図3(a)に示す比較的大径で浅いカップ21を成形する。このカップ21を形成する際のブランク径は、φ160mmに設定されている。
[絞りしごき工程]
このカップ21に再度の絞り加工及びしごき加工(DI加工)を加えて、図3(b)に示すように、カップ21より小径で所定高さの有底円筒状の中間成形体22を成形し、その上端をトリミングにより切り揃える。このDI加工により、中間成形体22の底部は最終のボトル缶1としての缶底部11の形状に成形される。
この絞りしごき工程は、図4に示す絞りしごき装置3を用いて実行される。以下に詳しく説明する。絞りしごき装置3は、図4に示すように、軸線S方向に進退可能に支持されたパンチ31と、該パンチ31と同軸上に配設された複数のリング状のしごきダイス32~34とを備え、パンチ31が金属製の有底筒状体(カップ21)の内部に挿入されて軸線S方向に前進することにより、カップ21の外表面が複数のしごきダイス32~34の内表面に順次しごかれて、図3(b)に示すカップ21よりも胴部12Aの外径が小さく、かつ、軸方向高さが大きい中間成形体22が形成されるようになっている。
また、複数のしごきダイス32~34の配設位置よりパンチ31の前進方向における後方側に、リング状の再絞りダイス35がしごきダイス32~34と同軸的に配設されている。また、再絞りダイス35の配設位置よりパンチ31の前進方向における後方側に、軸線S方向に進退可能に支持され、内側にパンチ31が挿入されるとともに、その外周面がカップ21の内周面を支持する構成とされた円筒状のカップホルダスリーブ36が配設されている。さらに、各しごきダイス32~34において、パンチ31の前進方向における前方には、リング状のパイロットリング37が各しごきダイス32~34と同軸的に配設されており、カップ21が各しごきダイス32~34にしごかれる過程で、その缶軸Sが各ダイス32~34の軸線に対して位置ずれしないように案内して、パンチ31がそれぞれのダイス32~34に衝突することを防止できるようになっている。
また、複数のしごきダイス32~34は、本実施形態では、パンチ31の前進方向後方側から前方側へ向けて順次、ファーストダイス32とミドルダイス33とエンドダイス34とが軸線Sと同軸的に配設された構成となっており、つまり3つのしごきダイス32~34を備えている。これらのしごきダイス32~34の内径は、各しごきダイス32~34によって異なっている。具体的には、再絞りダイス16により絞り加工された再絞りカップ21aが、ファーストダイス32によってしごき率25%以上30%以下でしごかれ、またファーストダイス32によりしごかれた第1しごき缶21bが、ミドルダイス33によってしごき率30%以上39%以下でしごかれ、さらにミドルダイス33によりしごかれた第2しごき缶21cが、エンドダイス34によってしごき率40%以上50%以下でしごかれるようになっている。
ここで、しごき率(%)とは、下記式(1)により表される。
式(1)…しごき率={(加工前の板厚-加工後の板厚)/加工前の板厚}×100
なお、上記式(1)における加工前の板厚は、カップ21の胴部における底部側の板厚であり、加工後の板厚は、中間成形体22の胴部の底部側の最薄部の板厚(ウォール厚)である。
また、パンチ31は、円筒状に形成されるとともにその外表面がカップ21の内表面と接する構成とされたパンチスリーブ311と、このパンチスリーブ311の内部に配設されるとともに、その後端部がパンチスリーブ311の前進方向における後側の端面から突出したシャンク312とを備えている。シャンク312は駆動手段(図示省略)に連結され、この駆動手段が駆動されることにより、パンチ31が進退移動されるようになっている。
次に、以上のように構成された絞りしごき装置3によりカップ21から中間成形体22を製造する方法について説明する。
まず、その前進方向における後端側に位置するパンチ31およびカップホルダスリーブ36と、再絞りダイス35との間にカップ21を配置し、その後パンチ31およびカップホルダスリーブ36を前進させて、これらパンチ31及びカップホルダスリーブ36の先端面をカップ21の内側底面に押付ける。この際、パンチ31の先端面は、パンチ31の内側底面のうち、再絞りダイス35の貫通孔35aと対応した部分に押付けられる一方、カップホルダスリーブ36の先端面は、カップ21の内側底面のうち、再絞りダイス35の貫通孔35aの外周縁部と対応した部分に押付けられる。
つまり、カップホルダスリーブ36は、その先端面がカップ21の内側底面を介して再絞りダイス35の一方の表面35bに衝突することにより、その前進移動が規制される。この状態で、パンチ31のみをさらに前進させることにより、カップ21を、その底部の外周縁部がカップホルダスリーブ36の先端面と絞りダイス35の貫通孔35aの外周縁部との間に支持された状態で、再絞りダイス35の内側に押込み、カップ21に再絞り加工を施す。すなわち、再絞り加工によって、カップ21の底面における外周縁部が缶軸方向上方へ向けて折り曲げられ、カップ21の外径および内径が縮径されるとともに、このカップ21の軸方向高さが高められ、図2に示す再絞りカップ21aとなる。
その後、パンチ31を前進させ、ファーストダイス32の内側にパンチ31とともに再絞りカップ21aを押込み、この再絞りカップ21aにしごき率25%以上30%以下で最初のしごき加工を施す。すなわち、パンチ31の外周面とファーストダイス32の内周面とにより再絞りカップ21aの内外周面を挟み込んだ状態で、パンチ31および再絞りカップ21aを前進移動させることにより、再絞りカップ21aの胴部の肉を缶軸方向上方(開口部1A側)へ流動させる。これにより、再絞りカップ21aの胴部がしごかれて、図2に示す第1しごき缶21bとなる。
次に、前述と同様にして、ミドルダイス33により第1しごき缶21bに、しごき率30%以上39%以下でしごき加工を施す。この場合、パンチスリーブ311の先端部により、第1しごき缶21bにおいて、胴部の形成予定部における缶軸方向上部のうちその上端部を除く部分の肉が、胴部の形成予定部における缶軸方向上端部および開口部1Aの形成予定部に流動させられる。さらに、この前工程でファーストダイス32により、第1しごき缶21bの胴部の形成予定部における缶軸方向上端部に流動させられていた肉が、開口部1Aの形成予定部に流動させられ、図2に示す第2しごき缶21cとなる。
さらに、この第2しごき缶21cに、ミドルダイス33と同様にして、エンドダイス34によりしごき率40%以上50%以下でしごき加工、すなわち最後のしごき加工を施す。これにより、肉厚のばらつきが抑えられた中間成形体22が形成される。
すなわち、絞りしごき装置3により実行されるしごき加工は、3回行われ、1回目のしごき率が25%以上30%以下であり、2回目のしごき率が30%以上39%以下であり、3回目のしごき率が40%以上50%以下であり、総しごき率が65%以上75%以下とされる。また、絞りしごき工程では、1回目のしごき率<2回目のしごき率<3回目のしごき率であることが好ましい。
[縮径部形成工程]
次いで、中間成形体22の開口端部側を縮径加工(ネックイン加工)することにより、図3(c)に示すように円筒状胴部12に連続する縮径部13を形成するとともに、縮径部13の上方で缶軸S方向に延びる小径の円筒部231を有する第1缶体23を形成する。
この縮径加工(ネックイン加工)は、円筒状のネックイン金型を中間成形体22の開口端側から缶軸方向に押し込んで、ネックイン金型の内周成形部によって中間成形体22を縮径して、縮径部13を形成する加工である。
[口部形成工程]
次いで、この円筒部231を再度拡径及び縮径することにより、図3(d)に示すようにねじ加工する前の筒状部241を有する第2缶体24を形成する。このとき、首部15が形成される。そして、この筒状部241を加工して、膨出部141、雄ねじ部142、カール部143を形成することにより、図1に示すボトル缶1が形成される。
なお、諸寸法について説明しておくと、ボトル缶1の接地部111の底面からカール部143の上面までの高さ(ボトル缶1の高さ)H0は180mm以上210mm以下、缶底部11を含む円筒状胴部12の高さH1は95mm以上125mm以下である。またボトル缶1の縮径部13の凸湾曲部131からカール部143の上面までの高さ(肩長H2)は、40mm以上85mm以下、縮径部13の凹湾曲部132からカール部143の上面までの高さ(首長H3)が20mm以上35mm以下、膨出部141からカール部143の上面までの高さ(口部長H4)が12mm以上20mm以下である。また、内容量としては、350ml以上600ml以下の飲料缶として利用することができる。また、板厚は、プレス成形前の元板厚が0.45mm以上0.55mm以下であり、図3(b)に示す中間成形体22(DI缶)において、中間成形体22の缶底部11側の最薄部の板厚(ウォール厚)t1が0.110mm以上0.150mm以下に形成され、開口端部側の板厚(フランジ厚)t2が0.200mm以上0.240mm以下に形成される。
この場合、ウォール厚t1の部分221は、円筒状胴部12の缶底部11よりも若干缶軸方向上方位置から、後の工程で縮径部13の凸湾曲部131となる部分よりも若干缶軸方向下方位置までであり、フランジ厚t2の部分222は、後の工程で縮径部13の凸湾曲部131となる部分よりも缶軸方向上方部分である。なお、缶底部11の中央部114の板厚がほぼ元板厚、あるいは元板厚より若干厚くなる。
例えば、本実施形態の缶としては、缶高さH0が180mm、元板厚が0.400mm、フランジ厚t2が0.225mm、ウォール厚t1が0.130mmのボトル缶、缶高さH0が203mm、元板厚が0.500mm、フランジ厚t2が0.220mm、ウォール厚t1が0.135mmのボトル缶、缶高さH0が194.5mm、元板厚が0.480mm、フランジ厚t2が0.220mm、ウォール厚t1が0.135mmのボトル缶の他、缶高さH0が203mm、元板厚が0.505mm、フランジ厚t2が0.225mm、ウォール厚t1が0.135mmのボトル缶を例示できる。
なお、上記各缶のブランク径はいずれもφ160mmである。
本実施形態では、ボトル缶1に成形される金属板Wの板厚が0.40mm以上0.55mm以下と厚いので、絞りしごき工程における各回のしごき率を従来よりも大きくして缶の高さ寸法を180mm以上220mm以下としても、中間成形体22のウォール厚t1及びフランジ厚t2が小さくなりすぎることがなく、しごき加工による中間成形体22の胴切れの発生を抑制する他、製造されたボトル缶1の強度を高めることができる。また、中間成形体22が3回のしごき加工により構成され、各回のしごき率及び総しごき率が上記範囲内であるので、中間成形体22のウォール厚t1が0.110mm以上0.150mm以下、フランジ厚t2が0.200mm以上0.240mm以下となる。さらに、金属板Wを打ち抜く際のブランク径が150mm以上180mm以下と、従来の缶(例えば、内容量が350ml等)と同じブランク径に設定できるので、カップ成形工程に用いられる金型を新しく製造する必要がないため、製造コストの増大を低減できる。
また、3回のしごき加工のしごき率を順に大きくするので、しごき加工において中間成形体22の胴切れ及びしごき残しが発生する可能性をより低減できる。
なお、本発明は上記各実施形態の構成のものに限定されるものではなく、細部構成においては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、上記実施形態では、ボトル缶を例として示したが、本発明はボトル缶に限らず、ストレート状の缶等にも適用でできる。
次に、本発明の実施例を挙げて、本発明の効果について実証する。なお、以下の実施例及び比較例では、上記実施形態にて示した缶高さH0、ウォール厚t1、フランジ厚t2及びしごき率(各回のしごき率及び総しごき率)を表1に示す構成とした。なお、これら実施例1、2及び比較例1の試料は、上記実施形態に示した方法でそれぞれ1000缶ずつ製造した。
そして、実施例1、比較例1及び2の試料のそれぞれを評価した。
実施例1、比較例1及び2の製缶評価は、3回のしごき加工が終了した後の中間成形体(DI缶)の製缶が問題なくできているか否かを目視で確認した。この際、1000缶のうち、胴切れが発生していないものを良好「A」と評価し、1000缶のうち、胴切れが発生した缶が5缶以下であるものを可「B」と評価し、1000缶のうち、胴切れが発生した缶が6缶以上であるものを不可「C」と評価した。結果は、表1に示すとおりである。
Figure 0007275664000001
表1の結果から明らかなように、実施例1の試料は、1回目のしごき率が25%以上30%以下、2回目のしごき率が30%以上39%以下、3回目のしごき率が40%以上50%以下であり、かつ総しごき率(総計)が65%以上75%以下であったため、製缶時に缶切れが生じることもなく、評価が良好「A」であった。一方、比較例1の試料は、3回目のしごき率が44%以上であったことから、胴切れが発生し、評価が可「B」であった。また、比較例2の試料は、2回目のしごき率が44%であり、かつ3回目のしごき率が27%と低かったことから、胴切れが複数個所で生じたため、評価が不可「C」であった。このため、絞りしごき工程の各しごき加工のしごき率及び総しごき率を上記範囲内とすることで、中間成形体(DI缶)の胴切れを抑制できることがわかった。
1 ボトル缶(缶)
11 缶底部
111 接地部
112 外側傾斜部
113 内側傾斜部
114 中央部
12 円筒状胴部
13 縮径部
131 凸湾曲部
132 凹湾曲部
14 口部
141 膨出部
142 雄ねじ部
143 カール部
15 首部
21 カップ(有底筒状体)
21a 再絞りカップ
21b 第1しごき缶
21c 第2しごき缶
22 中間成形体
23 第1缶体
24 第2缶体
3 絞りしごき装置
31 パンチ
311 パンチスリーブ
312 シャンク
32 ファーストダイス(しごきダイス)
33 セカンドダイス(しごきダイス)
34 エンドダイス(しごきダイス)
35 再絞りダイス
36 カップホルダスリーブ
37 パイロットリング
1A 開口部
1a 開口端部
12A 胴部

Claims (1)

  1. 円筒状胴部の外径が65.0mm以上67.5mm以下、缶高さが180mm以上220mm以下のボトル缶の製造方法であって、
    板厚が0.4mm以上0.55mm以下のアルミニウム又はアルミニウム合金からなる金属板をブランク径150mm以上180mm以下で打ち抜いて絞り加工を施して有底筒状体を形成するカップ形成工程と、前記有底筒状体に絞り加工を施した後、しごき加工を施して、前記有底筒状体よりも胴部の外径が小さく、かつ高さが大きい中間成形体を形成する絞りしごき工程と、前記中間成形体の開口端部側に円筒状胴部の上端から凸状外面となる凸湾曲部を有する縮径部を形成すると共に前記縮径部の上方で缶軸方向に延びる円筒部を形成する縮径部形成工程と、前記円筒部をキャップ装着用のねじ部及びカール部を有する口部に成形する口部形成工程と、を備え、
    前記絞りしごき工程におけるしごき加工は、3回行われ、1回目のしごき率が25%以上30%以下であり、2回目のしごき率が30%以上39%以下であり、3回目のしごき率が40%以上50%以下であり、かつ、総しごき率が65%以上75%以下であり、前記絞りしごき工程後の前記の胴部における底部側の最薄部の板厚が0.110mm以上0.150mm以下であり、前記中間成形体の前記胴部における底部とは反対側の前記縮径部形成工程で前記縮径部の前記凸湾曲部となる部分よりも缶軸方向上方部分の板厚が0.200mm以上0.240mm以下であり、
    前記絞りしごき工程では、前記1回目のしごき率<前記2回目のしごき率<前記3回目のしごき率であり、
    さらに前記口部形成工程では、前記縮径部の前記凸湾曲部から前記口部の前記カール部の上面までの高さを40mm以上85mm以下に形成することを特徴とするボトル缶の製造方法。
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