JP2001213417A - 高い密閉性を保持できるねじ付金属缶 - Google Patents

高い密閉性を保持できるねじ付金属缶

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い密閉性を保持できるねじ付金属缶 【解決手段】 ねじ付金属缶において、キャップ6を螺
合させたとき、キャップ6天面のパッキン8に食い込ん
で密閉できるように、前記口部4上端に形成されたカー
ル部5に、平面部5bを形成するためのカール潰し加工
を施し、該カール部5に、若干のアールを有する突部5
aを形成したことを特徴とする、高い密閉性を保持でき
るねじ付金属缶。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、高い密閉性を保
持できるねじ付金属缶に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、図11及び図12に示すように、
アルミニウム等の金属材料から絞り加工、絞りしごき加
工又はインパクト成形によって造られるねじ付金属缶
は、金属缶の口部外周に形成されたねじ部に、キャップ
が螺合されて口部が封鎖されていた。図11及び図12
は、従来の封鎖状態を示す図面である。50は缶本体で
あり、この缶本体50は上方からカール部51、ねじ部
を有する口部52、テーパー状の首部53、側壁部54
及び底部55から構成されている。そして、キャップ5
6の雌ねじと、口部52の雄ねじとを螺合し、キャップ
56の天面に設けたパッキン57を、口部52の上端に
形成したカール部51に当接して、口部52を封鎖して
いた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな発明にあっては、パッキン57とカール部51の天
面が、面接触しており、カール部51の若干の寸法誤差
により、面接触が弱い場合に、内圧を有する内容物にあ
っては、パッキン57とカール部51天面との間から、
漏洩する欠点があり、密閉性に問題があった。特に、ビ
ール、コーラ等の炭酸飲料を収納した金属缶にあって
は、一度開封した金属缶を確実に再密閉することによ
り、飲み残した内容物の品質と内圧の保持が要求され
る。
【0004】この発明は、このような従来の課題に着目
してなされたもので、高い密閉性を保持できるねじ付金
属缶を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するた
め、請求項1記載の発明に対応する手段は、金属材料か
ら絞り加工、絞りしごき加工又はインパクト成形によっ
て造られ、かつ缶本体がねじ部を有する口部、テーパー
状の首部、側壁部及び底部から構成され、キャップを螺
合して高い密閉性を保持できるねじ付金属缶において、
キャップを螺合させたとき、キャップ天面のパッキンに
食い込んで密閉できるように、口部上端のカール部に、
若干のアールを有する突部を形成したことを特徴とす
る、高い密閉性を保持できるねじ付金属缶である。パッ
キンとカール部との密着性が堅固になる。これによりシ
ールポイントが明確になり、密着性が向上する。
【0006】請求項2記載の発明に対応する手段は、缶
本体がねじ部を有する口部、テーパー状の首部、側壁部
及び底部が一体成形で造られる高い密閉性を保持できる
ねじ付金属缶である。一連の連続する製造工程におい
て、短時間に大量生産することができ、頗る合理的であ
る。
【0007】請求項3記載の発明に対応する手段は、ね
じ部を有する口部と、テーパー状の首部とが一体成形さ
れて上部缶体を形成し、側壁部及び底部が一体成形され
て下部缶体を形成し、上部缶体と下部缶体とを、継ぎ合
わしたことを特徴とする高い密閉性を保持できるねじ付
金属缶である。
【0008】請求項4記載の発明に対応する手段は、口
部上端のカール部の平面部に、キャップ天面に設けたパ
ッキンが当接するように、キャップ上端の側面部をカシ
メて、側面部に段部を形成したことを特徴とする高い密
閉性を保持できるねじ付金属缶である。これにより、よ
り一層強い密封効果が得られる。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、この発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。図1〜図3は、この発明の第1
実施の形態を示す図面である。この第1実施の形態は、
容器本体1の口部4の上方に形成したカール部5の外側
上端に、突部5aを形成したものである。カール部5の
外側上端に、突部5aを形成する製法は、図9に示すよ
うに缶本体1の内部に、中子10を挿入し、次に外方か
らロール9をカール部5に当接して、カール部5の外周
面に潰し加工を施す。そして、缶本体1の中心軸に略平
行に、カール部5の外周に平面部5bを形成する。これ
により、カール部5と平面部5bとの交点である、外側
上端には突部5aが形成されている。なお、突部5a
は、若干のアール(0.2ミリ〜0.8ミリ程度)を有
している。次に第2実施の形態は、図10に示すよう
に、この第1実施の形態を、上部缶体1aと下部缶体1
bとに分割して製造した実施の形態である。すなわち、
ねじ部を有する口部4と、テーパー状の首部3とが一体
成形されて上部缶体1aを形成し、側壁部2及び底部7
が一体成形されて下部缶体1bを形成し、上部缶体1a
と下部缶体1bとを、接着等で継ぎ合わしたものであ
る。このような第1実施、第2実施の形態の容器本体1
の口部4には、例えば、ピルファープルーフキャップ等
のキャップ6が螺合され、口部4が密封されている。
【0010】次に、図4に示す第3実施の形態は、缶本
体1の中心軸に対して一定の角度で傾斜するように、カ
ール部15に潰し加工を施し、平面部15bを形成す
る。そして、カール部15の略真上の、この平面部15
bとカール部15との交点には、突部15aが形成され
ている。なお、突部15aは、若干のアール(0.2ミ
リ〜0.8ミリ程度)を有している。
【0011】又、図5に示す第4実施の形態は、缶本体
1の中心軸に略平行に、カール部5の外周に平面部25
bを形成した後、その平面部25b上方に、一定の角度
で傾斜した平面部25cを形成し、カール部25の略真
上の、この平面部25cとカール部25との交点には、
突部25aが形成されている。なお、突部25aは、若
干のアール(0.2ミリ〜0.8ミリ程度)を有してい
る。
【0012】さらに、図6に示す第5実施の形態は、カ
ール部35に施される潰し加工が、第1実施の形態と反
対側、すなわち缶本体1の内側に施され、平面部35b
が、カール部35の内側に形成されている。したがっ
て、突部35aは、内側上端に形成されている。なお、
突部35aは、若干のアール(0.2ミリ〜0.8ミリ
程度)を有している。
【0013】図7及び図8は、第1実施の形態におい
て、容器本体1内に内容物を充填し、図7に示すよう
に、口部4にキャップ6を螺合して密閉した後、容器本
体1の口部4の上方に形成したカール部5の平面部5b
に、キャップ6のパッキン8が当接するように、図8に
示すように、キャップ6上端の側面部6aをカシメて、
側面部6aに段部6bを形成する工程を示したものであ
る。これにより、パッキン8とカール部5との密着性
は、より向上すると共に、容器本体1の口部4をより堅
固に密閉することができる。なお、この加工方法は、第
2、第3及び第4実施の形態に、同様に適用されている
ことはいうまでもない。さらに、図6の第5実施の形態
に示すように、カール部35の半円部に、パッキン8が
側面から当接されてもよい。
【0014】次に、この発明の作用について説明する。
本発明においてカール部5、15、25、35を加工し
て、各平面部5b、15b、25b、25c、35bを
形成し、カール部と平面部との交点に突部5a、15
a、25a、35aを形成したから、容器本体1の口部
4のねじ部に螺合して締付けたとき、突部5a、15
a、25a、35aは、キャップ6の天面に付設された
パッキン8に食い込むようにして嵌合する。そして、容
器本体1の口部4が確実に密閉される。すなわち、突部
5a、15a、25a、35aが、パッキン8に食い込
む位置において、確実にシールポイントとなる。さら
に、キャップ6上端の側面部6aをカシメることによ
り、平面部5b、15b、25bにパッキン8を当接し
たから、より堅固に密閉することができる。したがっ
て、缶本体1の口部4を確実に密閉することができる。
よって、ビール、コーラ等のように、内圧を有する内容
物であっても、飲み残した内容物の品質と内圧の保持が
可能となる。
【0015】
【発明の効果】以上説明してきたように、この発明によ
れば、口部からの内容物の漏洩を防止できると共に、飲
み残した内容物の品質の保持と、内圧の保持を確実に図
ることができる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る口部、首部、側壁部及び底部が
一体的に造られたねじ付金属缶を示した図面。
【図2】この発明に係るねじ付金属缶のねじ部を有する
口部の拡大断面図。
【図3】この発明に係るねじ付金属缶のねじ部を有する
口部に、キャップを螺合した状態を示した、この発明の
第1実施の形態を示した断面図。
【図4】この発明に係るねじ付金属缶のねじ部を有する
口部に、キャップを螺合した状態を示した、この発明の
第3実施の形態を示した断面図。
【図5】この発明に係るねじ付金属缶のねじ部を有する
口部に、キャップを螺合した状態を示した、この発明の
第4実施の形態を示した断面図。
【図6】この発明に係るねじ付金属缶のねじ部を有する
口部に、キャップを螺合した状態を示した、この発明の
第5実施の形態を示した断面図。
【図7】この発明に係るねじ付金属缶のねじ部を有する
口部に、キャップを螺合した状態を示した、この発明の
第1実施の形態を示した断面図。
【図8】この発明に係るねじ付金属缶のねじ部を有する
口部に、螺合されたキャップ上端の側面部をカシメた状
態を示す、この発明の第1実施の形態を示した断面図。
【図9】この発明に係るねじ付金属缶の第1実施の形態
において、潰し加工を施している状態を示す図面。
【図10】この発明に係る上部缶体と下部缶体とを接着
した、第2実施の形態のねじ付金属缶を示した図面。
【図11】従来のねじ付金属缶を示した正面図。
【図12】従来のねじ付金属缶の口部に、キャップを螺
合した状態の拡大断面図。
【符号の説明】 1 缶本体 1a 上部缶体 1b 下部缶体 2 側壁部 3 首部 4 口部 5 15 25 35 カール部 5a 15a 25a 35a 突部 5b 15b 25b 25c 35b 平面部 6 キャップ 6a 側面部 6b 段部 7 底部 8 パッキン

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属材料から絞り加工、絞りしごき加工
    又はインパクト成形によって造られ、かつ缶本体がねじ
    部を有する口部、テーパー状の首部、側壁部及び底部か
    ら構成され、キャップを螺合して高い密閉性を保持でき
    るねじ付金属缶において、キャップを螺合させたとき、
    キャップ天面のパッキンに食い込んで密閉できるよう
    に、前記口部上端のカール部に、若干のアールを有す突
    部を形成したことを特徴とする、高い密閉性を保持でき
    るねじ付金属缶。
  2. 【請求項2】 前記缶本体が、ねじ部を有する口部、テ
    ーパー状の首部、側壁部及び底部が一体成形で造られる
    請求項1記載の高い密閉性を保持できるねじ付金属缶。
  3. 【請求項3】 前記ねじ部を有する口部と、テーパー状
    の首部とが一体成形されて上部缶体を形成し、前記側壁
    部及び底部が一体成形されて下部缶体を形成し、上部缶
    体と下部缶体とを、継ぎ合わしたことを特徴とする請求
    項1記載の高い密閉性を保持できるねじ付金属缶。
  4. 【請求項4】 前記口部上端のカール部の平面部に、キ
    ャップ天面に設けたパッキンが当接するように、前記キ
    ャップ上端の側面部をカシメて、側面部に段部を形成し
    たことを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の高い
    密閉性を保持できるねじ付金属缶。
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