JP2018127272A - ボトル缶、キャップ付ボトル缶及びボトル缶の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】口部の外周部に、開口端部を半径方向外側に折り返した状態に形成されたカール部と、このカール部の缶軸方向下方位置に形成されたねじ部とを有するボトル缶であって、カール部は、缶軸方向に沿う縦断面において、ねじ部の缶軸方向上方で缶軸方向に沿って延びる直立部と、直立部の上端で半径方向内方に向けて屈曲する内側屈曲部と、内側屈曲部に連続し外方に向けて凸となる湾曲面により折り返されてなる天頂折り返し部とを有し、天頂折り返し部は、前記直立部より半径方向内方及び半径方向外方の両方に突出しており、その折り返し下端が天頂折り返し部の最大外径よりも小さい外径に形成されている。
【選択図】 図2
Description
また、前記天頂折り返し部の折り返し下端で缶軸方向に向けて屈曲する外側屈曲部と、該外側屈曲部から缶軸方向に延び、前記直立部の外周面に対面するカール端部とを有していてもよく、その場合、天頂折り返し部は、直立部の内周面より半径方向内方に突出し、カール端部の外周面より半径方向外方に突出している。
したがって、天頂折り返し部の上面から外周面にかけてライナに密着し、その密封性を向上させることができる。
なお、キャップのライナとしては、シート状のもの、全体としてはシート状だが、カール部に接触する外周部を厚肉のシール部に形成したもの、カール部に接触するシール部に、2本の平行な凸条が周方向に沿って形成され、カール部が両凸条の間に嵌合する形態のもの、等を適用することができる。
天頂折り返し部が食い込むことによるライナの局部的な薄肉部の発生を抑制し、ライナの健全性を長期に維持することができる。
この製造方法によれば、開口筒部の端部を折り返した後に、缶軸方向の先端側を残して挟持するという簡単な工程により製造することができる。
ボトル缶10は、アルミニウム又はアルミニウム合金の薄板金属からなり、図1に示すように、有底円筒状の胴部11と、胴部11の上端で半径方向内方に屈曲するように縮径された肩部12と、肩部12から缶軸方向の上方に向けて漸次縮径するテーパ筒部13と、テーパ筒部13の上端に連続する口部14とにより形成されている。また、口部14は、テーパ筒部13の上端に形成された膨出部15と、膨出部15の上端に連続するねじ部16と、ねじ部16の上端から上方に向かうにしたがって漸次縮径する縮径部17と、縮径部17の上端で開口端部を半径方向外側に折り返した状態に形成されたカール部18とを有している。そして、この口部14に、図2(a)に示すようにキャップ材3が被せられ、キャップ材3の天面部31内面のライナ40がカール部18に圧接され、ねじ部16に沿ってキャップ材3の円筒状のスカート部33がねじ加工され、そのスカート部33の下端部が膨出部15に係止されることにより、キャップ30が成形され、口部14が密封される(図2(b)及び図3参照)。以下の説明においては、図1に示す向きで上下方向を定めるものとする。
スカート部33の下端部には、周方向に断続的にスリット36が形成されており、このスリット36を介してスカート部33が筒上部33aと筒下部33bとに分けられるとともに、スリット36の間に形成される複数のブリッジ37によって、筒上部33aと筒下部33bとが連結した形状とされる。
そして、図5(a)に示すように、テーパ筒部13の上端より若干上方位置から円筒部5を再度拡径した後に、その拡径部分の下端部を除き、上方部分を再度縮径するなどにより、ねじ加工する前の筒状部6を形成する。次いで、この筒状部6にねじ加工を施して、図5(b)に示すようにねじ部16を形成する。このねじ部16が形成された状態では、ねじ部16の上に、上方に向かうにしたがって漸次縮径する縮径部17、及び、その上に連なり缶軸方向に沿うストレートの開口筒部8が形成されている。
そして、その開口筒部8を半径方向外方に折り返して、その先端を缶底方向に向けた折り返し部19を形成する(図5(c))。
まず、折り返し工程では、成形ツール52として図5(b)に二点鎖線で示す拡開用金型52Aと折り返し用金型52Bとが用いられる。これら拡開用金型52A及び折り返し用金型52Bは、それぞれロール状に形成され、矢印で示すように回転自在であるとともに、開口筒部8の周方向に沿って旋回自在に支持されており、旋回しながら開口筒部8を缶底方向に向けて押圧することにより、拡開用金型52Aによって開口筒部8を外方に開いた後、折り返し用金型52Bによって折り返す。
次に、天頂折り返し部形成工程では、成形ツール52として、図6(a)に二点鎖線で示すように、折り返し部19により形成される開口部内に挿入される内側ロール52Cと、折り返し部19の半径方向外方に配置した外側ロール52Dとを用いて折り返し部19を加工する。具体的には、両ロール52C,52Bを相互に接近させることにより、折り返し部19の下方に残った開口筒部8の下端部及び折り返し部19の下端部19aを両側から板厚方向に押しつぶすように押圧して挟持することにより、図6(b)に示すように、その挟持部分よりも上方に天頂折り返し部23を形成する。内側ロールで押圧された部分には、内側屈曲部22と直立部21が形成され、外側ロールで押圧された部分には、外側屈曲部24とカール端部25が形成される。これにより、カール部18の成形が完了する。なお、カール端部25の下端は、前述した拡開用金型52Aによって開口筒部8の先端が拡げられたときの成形痕により、わずかに屈曲した状態に形成される。
このキャッピングヘッド70は、キャップ押さえ61を備えたプレッシャーブロック62と、ROロール(ロールオンロール)としての第1ロール63と、PPロール(ピルファープルーフロール)としての第2ロール64とを備えている。プレッシャーブロック62は下端部が筒状に形成されており、その内側に配置されるキャップ押さえ61との間で缶軸方向に相対移動可能であり、キャップ押さえ61との間にばね65が設けられている。また、第1ロール63及び第2ロール64はプレッシャーブロック62の周囲を旋回可能かつ缶軸方向に移動可能に支持されている。
このようにキャッピングされることで、キャップ30内のライナ40が、ボトル缶10の口部14に押し付けられ、内部を密封する。
図10は、(a)はキャップ材3をボトル缶10に被せた状態の縦断面図、(b)はボトル缶10にキャップ30が巻締められた後の状態の縦断面図である。
このライナ44は、密封層45の外周部に、内側凸条46と外側凸条47とが同心円の二重の環状に形成され、これら両凸条46,47の間に凹溝部48が形成されており、これら内側凸条46、外側凸条47、凹溝部48からなるシール部49が環状に形成されている。
このように設定しておくことにより、天頂折り返し部23を凹溝部48内に嵌合すると、その嵌合の初期段階では両凸条46,47の間隔が押し広げられるが、天頂折り返し部23の上面が凹溝部48の底面に食い込むと、天頂折り返し部23の下方に達した両凸条46,47の下端部が、キャッピングの押圧力及びシール部49の弾性力により、相互に接近する方向に間隔が狭められる。また、キャップ3の天面部31の周縁部31aではプレッシャーブロック62による絞り作用も生じる。したがって、図10(b)及び図11に示すように、天頂折り返し部23の下向きの湾曲面から内側屈曲部22の内周面及び外側屈曲部24の外周面、さらには、これらの下方の直立部21の内周面及びカール端部47の外周面にも凸条46,47が密接する。これにより、このボトル缶10では、両凸条46,47と凹溝部48とを有するライナ44を備えたキャップ30に適用することにより、これら両凸条46,47及び凹溝部48により形成される内側表面の広い面積に密着し、高い密封性を得ることができる。
4 中間成形体
5 円筒部
6 筒状部
8 小筒部
10 ボトル缶
14 口部
15 膨出部
16 ねじ部
17 縮径部
18 カール部
21 直立部
22 内側屈曲部
23 天頂折り返し部
23a、23b 筒状面
24 外側屈曲部
25 カール端部
30 キャップ
31 天面部
31a 段部
33 スカート部
33a 筒上部
33b 筒下部
34 ナール凹部
35 ベントホール
35a 上側片
36 スリット
37 ブリッジ
38 キャップねじ部
40,44 ライナ
41,45 密封層
42 摺動層
43,49 シール部
46 内側凸条
47 外側凸条
48 凹溝部
52A 拡開用金型
52B 折り返し用金型
52C 内側ロール
52D 外側ロール
62 プレッシャーブロック
63 第1ロール
64 第2ロール
65 ばね
70 キャッピングヘッド
Claims (4)
- 口部の外周部に、開口端部を半径方向外側に折り返した状態に形成されたカール部と、このカール部の缶軸方向下方位置に形成されたねじ部とを有するボトル缶であって、前記カール部は、缶軸方向に沿う縦断面において、前記ねじ部の缶軸方向上方で缶軸方向に沿って延びる直立部と、該直立部の上端で半径方向内方に向けて屈曲する内側屈曲部と、該内側屈曲部に連続し外方に向けて凸となる湾曲面により折り返されてなる天頂折り返し部とを有し、前記天頂折り返し部の内周部は、前記直立部より半径方向内方に突出しており、外周部の折り返し下端が前記天頂折り返し部の最大外径よりも小さい外径に形成されていることを特徴とするボトル缶。
- 前記天頂折り返し部の外面での曲率半径が0.8mm以上2.5mm以下であることを特徴とする請求項1記載のボトル缶。
- 請求項1又は2記載のボトル缶と、該ボトル缶に装着されたキャップとを有し、前記キャップの内面に前記ボトル缶の前記カール部に密接するライナが設けられており、該ライナには、前記カール部の半径方向内側に挿入される内側凸条と、前記カール部の半径方向外側に配置される外側凸条とが形成され、これら内側凸条及び外側凸条は、前記天頂折り返し部よりも下方位置まで延びているとともに、両凸条の下端は前記天頂折り返し部の缶軸方向と直交する方向の幅よりも小さい間隔で配置されていることを特徴とするキャップ付ボトル缶。
- 請求項1又は2記載のボトル缶を製造する方法であって、前記ボトル缶となる中間成形体の開口端部に缶軸方向に沿って開口筒部を形成しておき、前記開口筒部の端部を半径方向外方に折り返して、その先端を缶底方向に向けた折り返し部を形成する折り返し工程と、前記折り返し部の缶軸方向の先端側を残し、その下方部分を挟持するように半径方向内方及び半径方向外方から押圧することにより、その挟持部分よりも缶軸方向先端側に前記天頂折り返し部を形成する天頂折り返し部形成工程とを有することを特徴とするボトル缶の製造方法。
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