JP4812676B2 - キャップ用ライナー及びキャップ並びにキャップ付きボトル - Google Patents
キャップ用ライナー及びキャップ並びにキャップ付きボトル Download PDFInfo
- Publication number
- JP4812676B2 JP4812676B2 JP2007095682A JP2007095682A JP4812676B2 JP 4812676 B2 JP4812676 B2 JP 4812676B2 JP 2007095682 A JP2007095682 A JP 2007095682A JP 2007095682 A JP2007095682 A JP 2007095682A JP 4812676 B2 JP4812676 B2 JP 4812676B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cap
- liner
- hydrocarbon resin
- bottle
- elastomer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Closures For Containers (AREA)
Description
上記従来のライナーでは、良好なガスバリアー性を示すが、内容物と接する面が硬質であるため、ライナー材が容器口部のバラツキを充分吸収できず、完全に密着できない部分が発生して完全なシール性は得られない。また、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン樹脂に、ブチルゴム、ポリイソブチレン等のブチル系ゴムをブレンドしてガスバリアー性を上げるという技術もあるが、これらは滑性が悪いため、開栓トルクが高くなり、回転して開けるという容器蓋には適さない。さらに、この技術は、高温時の圧縮変形が大きいため、充填品にレトルト処理が加えられるようなレトルト用ライナーなどの場合には使用できない。
一般に、エラストマーは、ポリエチレンやポリプロピレンに比べ酸素バリアー性が劣る。また、柔軟材を使用した場合、ライナー材は樹脂単独の場合に比べ更にガスバリアー性は劣る。しかしながら、本発明のキャップ用ライナーでは、オレフィン樹脂をベースにエラストマーを混練し、さらに炭化水素樹脂を加えることで、ガスバリアー性を著しく向上させている。
第7の発明のボトルは、キャップを備えたボトルであって、前記キャップが、第6の発明のキャップであることを特徴とする。
すなわち、これらのキャップ及びキャップ付きボトルでは、上記本発明のキャップを備えているので、高いガスバリアー性、良好な開栓性及びシール性等を有している。
すなわち、本発明に係るキャップ用ライナーによれば、少なくともボトルの口部に当接する部分が、オレフィン樹脂とエラストマーと炭化水素樹脂との混練である合成樹脂で形成されているので、オレフィン樹脂とエラストマーとの基本組成により良好なシール性及び開栓性を得ると共に、これに加えた炭化水素樹脂によりライナーとしての酸素バリアー性を著しく向上させることができる。したがって、本発明のキャップ用ライナーを備えたキャップ及びキャップ付きボトルによれば、密封性、耐熱性、耐衝撃性、開栓性に加え、酸素バリアー性に優れ、食品衛生上高い安全性を有する。
また、本実施形態のキャップ付きボトル6は、上記キャップ1を口金部(口部)7に巻き締めた状態で備えている。
また、この炭化水素樹脂の添加量は、3〜20%の範囲内に設定されることが好ましい。なお、より好ましくは、炭化水素樹脂の添加量が5〜15%の範囲に設定される。
また、キャップシェルに対して自由に移動可能なパッキン型のライナーであって、ライナーの周縁部下面から垂下する円環状外側シールリングに加えてこの外側シールリングの外側に位置する環状フランジが形成された中栓タイプのライナーとしても構わない(特開2006−21827号公報参照)。
上記キャッピング加工工程は、プレッシャーブロック、ネジローラー、スカートローラー等からなるキャッピング装置を用いて行われる。
一方、開栓するときは、キャップ1を回してミシン目10から切断し、キャップ1を口金部7から外すことにより、口金部7が開栓され内容物が取り出されることになる。
そして、取り外したキャップ1を口金部7に再び取り付けることにより、再閉栓することが可能になっている。
さらに、炭化水素樹脂の添加量を3〜20%の範囲に設定しているので、後述する実施例に示すように、より良好な酸素バリアー性を得ることができると共に、良好な成形性及び落下衝撃性を得ることができる。
<実施例1>
スチレン系エラストマーとして水素添加スチレン・エチレン・プロプレン・スチレン共重合体(SEPS)(35〜45%)、流動パラフィン(30〜40%)、ポリプロピレン(PP)(20〜30%)の合計を100として、各種炭化水素樹脂を添加量別に混合して二軸押出機で溶融混練し、ペレットにしたものを供試した。なお、SEPSはMFR(230℃−5kg)で0.01以下のものを使用し、流動パラフィンは粘度が300〜400cstのものを使用した。また、PPはホモタイプのMFR,5のものを使用し、滑剤として脂肪酸アミドを約1%と、酸化チタンを着色剤として約1%使用した。これらに、脂肪族系、芳香族系、共重合系の炭化水素樹脂を一定量添加し供試した。
注2) 落下衝撃性能は、キャッピング、熱処理後1日放置後、ボトルを30cmの高さから垂直に10°(水平に対して)の角度を持った鉄盤上に倒立落下させ、落下前後の内圧の差を調べ、漏れの発生数を調べた。なお、試料数は各10とした。
注3) ビタミンCの減少量の測定は、約200ppmのビタミンC溶液を充填レトルト処理した直後の値と、これを促進のため55℃で2ヶ月放置したものとのビタミンCの消費量を、自動電位滴定装置で測定し、その減少量の度合いによりライナーの酸素のバリアー性を調べた。
以上の結果を表1に示す。
注2.炭化水素樹脂タイプ
1)脂肪=脂肪族炭化水素樹脂(表中の数字はTPSを100とした添加量)
2)芳香=芳香族炭化水素樹脂(表中の数字はTPSを100とした添加量)
3)共重合=共重合炭化水素樹脂(表中の数字はTPSを100とした添加量、なお、( )は共重合炭化水素樹脂の水素添加品)
注3.密封性=レトルト直後のモレ数/試料数を示す。
注4.V−C保持率=ビタミンC保持率(充填直後のビタミンCの値を100とし、55℃で2ヶ月保管した後測定したビタミンCの残存量率(%))
注5.落下衝撃性:30cm高さから倒立落下させた充填品のモレ数/試料数。
注6.開栓トルク値:シーリング後、室温にて4週間放置後の第一トルク値(キャップが動き始める値)。単位N・cm
◎◎=ガスバリアー性、耐落下衝撃性能良好。成形性、官能性良好なもの。
◎△=ガスバリアー性、耐落下衝撃性能良好。成形性及び、または官能性がやや劣るもの。
◎×=ガスバリアー性、耐落下衝撃性能良好。成形性及び、または官能性が劣るもの。
△◎=ガスバリアー性はやや劣る。耐落下衝撃性能、成形性、官能性良好なもの。
○△=ガスバリアー性はやや劣るが耐落下衝撃性能良好。成形性、官能性がやや劣るもの。
○×=ガスバリアー性はやや劣るが耐落下衝撃性能良好。成形性及び、または官能性が劣るもの。
×◎=ガスバリアー性は劣る。耐落下衝撃性能、成形性、官能性良好なもの。
×△=ガスバリアー性は劣る。耐落下衝撃性能良好であるが、成形性または官能性やや劣るもの。
××=ガスバリアー性は劣る。耐落下衝撃性能、成形性または官能性劣るもの。
次に、本発明の効果を確認するため、TPO(オレフィンエラストマー)としてポリエチレン(LDPE,80%)と、エチレンプロピレンラバー(EPR,20%)とをブレンドしたライナー材で評価した結果を説明する。このライナー材は、LDPEとして密度0.92、MFR=1.0(190℃)のものを使用し、EPRはMFR=0.4(230℃)、密度0.87のものを使用した。この合計を100として脂肪族系、芳香族系、共重合系の炭化水素樹脂を一定量添加し、添加量別に混合して一軸押出機で溶融混練したコンパウンドを、ペレットにしたものを供試した。
また、官能検査用にビタミンCを加えない水についても、同様に充填、殺菌処理を加えた。これを、40℃で1月横倒し状態で保管し、炭化水素樹脂無添加のライナーとの3点識別法で、内容物の味と臭いを比較した。評価は実施例1と同様とした。
275g(全量338ml)入りの38mm口径のアルミボトルにビタミンCを一定量添加した水を充填し、供試キャップでシーリングした。シーリングは、シングルヘッドキャッパーを使用した。プレッシャーブロックは、絞径がφ35.6mmで絞り深さを2.0mmに設定したものを使用した。また、ヘッドプレッシャーは1100Nでシーリングした。
注2.炭化水素樹脂タイプ及び表中数値=実施例1と同様
注3.落下衝撃性、開栓トルク値の評価=実施例1と同様
注4.V−C保持率=充填キャッピング直後のビタミンCの値(約200ppm)を100とし、60℃で4週間保管した後測定したビタミンCの量を自動電位滴定装置で測定した時の残存率(%)。
Claims (6)
- ボトルの口部を封じるキャップの内部に設けられるキャップ用ライナーであって、
少なくとも前記口部に当接する部分が、オレフィン樹脂とエラストマーと炭化水素樹脂との混練である合成樹脂で形成され、
前記炭化水素樹脂の添加量が、3〜20%であることを特徴とするキャップ用ライナー。 - 請求項1に記載のキャップ用ライナーにおいて、
前記エラストマーが、スチレン系エラストマーであることを特徴とするキャップ用ライナー。 - 請求項1又は2に記載のキャップ用ライナーにおいて、
前記炭化水素樹脂が、芳香族炭化水素樹脂又は共重合炭化水素樹脂であることを特徴とするキャップ用ライナー。 - 請求項3に記載のキャップ用ライナーにおいて、
前記炭化水素樹脂が、水素が添加されて水素飽和化していることを特徴とするキャップ用ライナー。 - 天板部と該天板部の周縁から垂下した筒状周壁部とからなるキャップ本体と、
前記天板部の内面に設けられた請求項1から4のいずれか一項に記載のキャップ用ライナーとを備えていることを特徴とするキャップ。 - キャップを備えたボトルであって、
前記キャップが、請求項5に記載のキャップであることを特徴とするキャップ付きボトル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007095682A JP4812676B2 (ja) | 2007-03-30 | 2007-03-30 | キャップ用ライナー及びキャップ並びにキャップ付きボトル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007095682A JP4812676B2 (ja) | 2007-03-30 | 2007-03-30 | キャップ用ライナー及びキャップ並びにキャップ付きボトル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008254741A JP2008254741A (ja) | 2008-10-23 |
JP4812676B2 true JP4812676B2 (ja) | 2011-11-09 |
Family
ID=39978725
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007095682A Active JP4812676B2 (ja) | 2007-03-30 | 2007-03-30 | キャップ用ライナー及びキャップ並びにキャップ付きボトル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4812676B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102617917B (zh) * | 2012-04-10 | 2014-01-22 | 上海紫日包装有限公司 | 塑料瓶盖内垫材料及其制备方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3902363B2 (ja) * | 1998-10-01 | 2007-04-04 | 日本合成化学工業株式会社 | 積層体 |
JP2005047601A (ja) * | 2003-07-31 | 2005-02-24 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | Ptp用ポリプレピレン系シート |
JP2005067616A (ja) * | 2003-08-27 | 2005-03-17 | Mitsubishi Materials Corp | キャップライナー用樹脂組成物、ライナー、キャップ及びキャップ付きボトル |
-
2007
- 2007-03-30 JP JP2007095682A patent/JP4812676B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2008254741A (ja) | 2008-10-23 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US9662813B2 (en) | Method for producing a vessel closure | |
JP5241204B2 (ja) | ライナー付きキャップ及びこの製造方法並びにキャップ付きボトル | |
JP4911792B2 (ja) | ライナー付きキャップ及びキャップ付きボトル | |
JP5341369B2 (ja) | ライナー付きキャップ及びキャップ付きボトル | |
JPS5882855A (ja) | 易開封性ライナ−付容器蓋 | |
JP5843807B2 (ja) | ライナー付きキャップ及びキャップ付きボトルの製造方法 | |
JP4493149B2 (ja) | 加熱殺菌可能なキャップ | |
MX2014010339A (es) | Composicion de revestimiento de cierre con reduccion de oxigeno mejorada. | |
JP4812676B2 (ja) | キャップ用ライナー及びキャップ並びにキャップ付きボトル | |
JP5170619B2 (ja) | 合成樹脂製キャップ及びキャップ付きボトル | |
JP2007284071A (ja) | キャップライナー用樹脂組成物、ライナー、キャップ及びキャップ付きボトル | |
JP2000281117A (ja) | キャップライナー | |
JP4784982B2 (ja) | キャップ材およびキャップ付容器 | |
JP5184412B2 (ja) | キャップ用ライナー及びキャップ並びにキャップ付きボトル | |
CA2102497C (en) | Container having crown cap and gasket | |
JP4237972B2 (ja) | 耐熱性金属ppキャップ用ライナーおよび該ライナー付キャップ | |
JP2008174249A (ja) | キャップ用ライナー及びキャップ並びにキャップ付きボトル | |
JP5013473B2 (ja) | キャップ及びキャップ付きボトル | |
JP5774944B2 (ja) | 捻りキャップ用ライナー材樹脂組成物および食料品瓶詰用の捻りキャップの製造方法 | |
JP2007238914A (ja) | 油分を全く含まないクリンプキャップ用ガスケット組成物およびそれを用いたクリンプキャップ | |
JP2009179402A (ja) | キャップ材およびキャップ付容器 | |
JP2005193966A (ja) | 容器蓋 | |
JPH0471788B2 (ja) | ||
JP2004083055A (ja) | 金属製キャップ用モールディング型ライナー | |
JP2005193965A (ja) | 容器蓋 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090305 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110516 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110518 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110714 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110823 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110823 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4812676 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140902 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |