JP2005067616A - キャップライナー用樹脂組成物、ライナー、キャップ及びキャップ付きボトル - Google Patents

キャップライナー用樹脂組成物、ライナー、キャップ及びキャップ付きボトル Download PDF

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Abstract

【課題】キャップからの液だれが生じにくい技術を提供する。
【解決手段】キャップの内面側に設けられるライナーを形成するための樹脂組成物であって、当該樹脂組成物からなり、かつ平面を有する成形体を形成し、当該平面の水の接触角を測定したとき、当該測定値が100度以上であることを特徴とするキャップライナー用樹脂組成物。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はキャップライナー用樹脂組成物、ライナー、キャップ及びキャップ付きボトルに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、リシール可能なキャップを備えた飲料用のキャップ付きボトルが広く使われている(下記特許文献参照)。キャップの材料としてはアルミニウム合金等の金属や、プラスチック等が用いられている。ボトル本体の材料としてはアルミニウム合金等の金属や、プラスチック、ガラス等が用いられている。
以下、金属製のキャップとボトル本体を用いた例について説明する。
キャップ付きボトルは、ボトル本体内部にビール、炭酸飲料等の内容物を充填し、この後にボトルの口金部(開口部)にキャップ材を被せ、キャップ材にキャッピング加工を施すことにより、キャップ材が口金部に巻き締められ、ボトルの開口部がキャップ材内面に設けられたライナーによってシールされ、キャップ付きボトルに形成される。
この様にしてキャップ材を加工することにより得られるキャップは、例えば天板部と天板部の周縁部に設けられる筒状の周壁部とからなる有底筒状のキャップ本体と、キャップ本体の天板部の内面側に密着した状態で設けられる樹脂組成物製のライナーとからなる。
そして、かかるキャップを回してキャップの下端部付近に設けられたミシン目を切断し、当該キャップをボトルから取り外すことにより、炭酸飲料等の内容物を飲むことが可能となる。そして、取り外したキャップをボトルに再び取り付けることにより、ライナーによってボトルの開口部がリシールされ、前記内容物は再びボトル内に封入される。
【0003】
【特許文献1】
特許第1222736号公報
【特許文献2】
特許第1298804号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のキャップ付きボトルにおいては、キャップライナーから液だれが生じるという問題があった。
液だれは、例えば、ボトル本体の口金部にねじのところにキャップライナーからたれた内容物が付着し、乾燥すると、内容物の後が残って見栄えが悪くなったり、キャップの開け閉めがしにくくなったり、シール性が低下したりするという問題を引き起こすため不都合である。
【0005】
よって、本発明においては、キャップからの液だれが生じにくい技術を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、以下の手段を提案する。
第1の発明は、キャップ付きボトルのキャップの内面側に設けられるライナーであって、ボトル内の内容物と接触する平面の水の接触角が100度以上であることを特徴とするライナーである。
第2の発明は、キャップ付きボトルのキャップの内面側に設けられるライナーを形成するための樹脂組成物であって、当該樹脂組成物からなり、かつ平面を有する成形体を形成し、当該平面の水の接触角を測定したとき、当該測定値が100度以上であることを特徴とするキャップライナー用樹脂組成物である。
第3の発明は、キャップ付きボトルのキャップの内面側に設けられるライナーを形成するための樹脂組成物であって、当該樹脂組成物100質量部に対して、撥水性物質を1〜25質量部含有することを特徴とするキャップライナー用樹脂組成物である。
第4の発明は、前記第1の発明のライナー、または本発明のキャップライナー用樹脂組成物を用いて形成したライナーを備えていることを特徴とするキャップである。
第5の発明は、前記第4の発明のキャップを備えていることを特徴とするキャップ付きボトルである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について以下に説明する。
[ライナー]
本発明のライナーは、ボトル内の内容物と接触する平面の水の接触角が100度以上であることを特徴とする。内容物と接触する平面とは、一般には円板状のライナーにおいて、ボトルと対峙する面(下面)である。
水の接触角は、例えばJIS K 2396に規定の方法で測定することができる。例えば協和界面科学株式会社製接触角計CA−QI(商品名)等の市販の接触角計を用い、ライナーのボトル内の内容物と接触する平面について測定する。
【0008】
濡れやすいもの程値が小さくなり、濡れにくいもの程値が大きくなる。
接触角を100度以上とすることによって液だれを抑制できる。好ましくは110度以上であり、さら好ましくは120度以上である。
接触角が100度以上であることにより、表面に付着しようとする内容物(液体)をはじくことにより、その付着を妨げることができ、その結果液だれを防止できるものと推測される。
接触角が大きく、表面に付着しようとする液体をはじきやすいもの程、液だれの防止効果が高いため、上限値を設定する技術的意義は乏しいが、実質的には
150度以下とされる。
接触角は、例えば以下に説明するキャップライナー用樹脂組成物の第2の態様の様に、キャップライナー用樹脂組成物中に、撥水性物質を配合することによって調整することができる。
また、例えばライナーを成形後にその表面に撥水性ポリマーを含む塗料を塗布すること等の加工を行うことによって調整することも可能である。
【0009】
[キャップライナー用樹脂組成物]
(第1の態様)
本態様のキャップライナー用樹脂組成物は、キャップの内面側に設けられるライナーを形成するための樹脂組成物であって、当該樹脂組成物からなり、かつ平面を有する成形体を形成し、当該平面の水の接触角を測定したとき、当該測定値が100度以上であることを特徴とする。
この様に樹脂組成物そのものとして、表面の接触角が大きい、撥水性の良好な材料を用いることにより、加工の手間を従来とほぼ同様とすることができ、コスト低減に寄与する。
水の接触角は、上述の様に、例えばJIS K 2396に規定の方法で測定することができる。例えば樹脂組成物からなり、かつ少なくとも1つの平面を有する成形体、例えば10mm×10mm×1.0mmのシート状成形体を製造し、協和界面科学株式会社製接触角計CA−QI(商品名)等の市販の接触角計を用い、当該シートの片面(平面)について測定する。接触角を測定するための成形体はキャップライナーそのものであってもよい。その場合は、ボトル側に位置する円形の平面(下面)について測定する。
【0010】
なお、本明細書においては、キャップライナー用樹脂組成物を用いた成形体(好ましくはキャップライナー用樹脂組成物からなる成形体)をキャップライナー用成形体と定義する。かかるキャップライナー用成形体は、粒子状、ペレット状の様な小さい単位を用いて、キャップライナーを形成するために成形されたものを全て包含する概念であって、例えばシートタイプのキャップライナーを構成するためのシート状成形体、キャップライナーそのもの等を含むものとする。
【0011】
接触角を規定する理由、およびその好ましい範囲は、上述のライナーの説明と同様である。
キャップライナー用樹脂組成物の接触角は、例えば以下に説明する第2の態様の様に、キャップライナー用樹脂組成物中に、撥水性物質を配合することによって調整することができる。
あるいは、上述の様にベースとなる樹脂主材を適宜選択することによっても調整することができる。
【0012】
(第2の態様)
第2の態様のキャップライナー用樹脂組成物は、当該樹脂組成物100質量部に対して、撥水性物質を1〜20質量部含有する。この態様では、従来の構成に撥水性物質を配合するだけでよいので簡便である。
撥水性物質としては、例えば、キャップライナー用樹脂組成物中に分散可能な粒子状のものや、樹脂主材に混合可能な樹脂成分等があげられる。
【0013】
・撥水性物質
撥水性物質は、樹脂主材に撥水性を付与可能なものであれば特に限定されず、種種のものが知られている。具体的には例えばシリコーン化合物、フッ素樹脂、あるいは疎水性シリカ等の疎水性金属酸化物等があげられ、シリコーン化合物、フッ素樹脂、疎水性シリカから選ばれる1種以上であることが好ましい。
撥水性物質を粒状の状態で樹脂主材に分散させる場合、その平均粒子径は、分散性向上の観点から、好ましくは1×10−3〜8μm、さらには5×10−3〜0.1μmとされる。
【0014】
シリコーン化合物(シリコーンコンパウンド)は、シリコーン樹脂やシリコーン油を主体としたコンパウンドで、多数上市されているので、適宜選択して用いることができる。シリコーン油を主体としたものが食品用途に適している。形態はグリース状等である。通常は樹脂主材に溶融混合される。
フッ素樹脂としては、ポリ四フッ化エチレン、ポリ三フッ化塩化エチレン、ポリフッ化ビニデン、四フッ化エチレンと六フッ化プロピレンとの共重合体、四フッ化エチレンとフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体等が例示でき、多数上市されているので、適宜選択して用いることができる。形態はペレット状等である。通常は樹脂主材に溶融状態で混合される。なおフッ素樹脂の質量平均分子量は通常1×10〜1×10程度である。
疎水性シリカは、ハンドリング、効果の点から好適であって、より好ましくは合成疎水性シリカである。合成疎水性シリカは、湿式法シリカであっても気相法シリカであってもよい。なお、疎水性シリカとは、シリカの水酸基の水素をアルキルシラン(通常はメチルシラン、エチルシラン等の低級アルキルシラン)等の疎水性基で置換する加工が施されているもので、上市されているので、適宜選択して用いることができる。通常は粒子状であって、溶融した樹脂主材中に固体状で分散せしめられる。
【0015】
撥水性物質の配合量はキャップライナー用樹脂組成物100質量部に対して、1質量部以上、好ましくは2.0質量部超、さらに好ましくは3.0質量部以上特には5.0質量部以上とされる。
1質量部以上とすることにより、前記接触角を100度以上に調整することが容易となり、効果を向上させることができる。
また、接触角の向上という観点からは、特に上限値を設ける技術的意義はないが、25質量部以下とすることによりキャップライナー用樹脂組成物の柔軟性を維持することができ、好ましい。
撥水性物質は1種または2種以上混合して用いることが可能である。
【0016】
・ キャップライナー用樹脂組成物のその他の組成
キャップライナー用樹脂組成物は、好ましくはポリオレフィン樹脂とエラストマーを含む樹脂主材に、撥水性物質及び必要に応じて各種添加剤が添加されたものである。以下に撥水性物質以外の組成例について説明する。
・樹脂主材
この例の樹脂主材は、ポリオレフィン樹脂とエラストマーを含むものである。
樹脂主材には、ポリオレフィン樹脂とエラストマーの他の樹脂成分も混合することができるが、ポリオレフィン樹脂とエラストマーが樹脂主材中90質量%以上含まれていることが好ましく、100質量%であることが最も好ましい。
【0017】
・・ポリオレフィン樹脂
ポリオレフィン樹脂としてはポリエチレン(低密度ポリエチレンが好ましい)、ポリプロピレン等があげられ、用途によって適宜選択することが好ましい。
レトルト処理等の加熱殺菌処理等を行う用途(以下、レトルト用と言う場合がある)に対しては、耐熱性が高いため、ポリプロピレンが好ましい。
加熱殺菌処理等を行わない場合(以下、コールド用と言う場合がある)には、低密度ポリエチレンが好ましい。
なお、ポリオレフィン樹脂は1種または2種以上混合して用いることができる。
ポリオレフィン樹脂の質量平均分子量は例えば1×10〜5×10程度とされる。
【0018】
・・エラストマー
エラストマーとしては熱可塑性エラストマーが好ましく、キャップライナー用樹脂組成物に用いられるものとして多数提案されているものの中等から、特に限定せずに用いることができる。
例えばポリスチレン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、塩素化ポリエチレン系エラストマー、ポリ塩化ビニル系エラストマー等を用いることができるが、ポリスチレン系、ポリオレフィン系等がよく用いられる。具体的には、例えば、スチレン・ブタジエンブロック共重合体;硬質セグメントがスチレン−エチレン共重合体、軟質セグメントがブテン−スチレン共重合体であるブロック重合体(スチレン/エチレン−ブテン/スチレンブロック共重合体)等があげられる。
なお、エラストマーは1種または2種以上混合して用いることができる。
エラストマーの質量平均分子量は例えば5×10〜1×10程度とされる。
【0019】
本発明のキャップライナー用樹脂組成物には、上記成分の他、キャップライナー用樹脂組成物に用いられる滑剤、安定剤、分散剤、着色顔料等の各種添加剤等を適宜配合することができる。
【0020】
・・配合量
以下に、撥水性物質もあわせて、各材料の配合量の一例を以下に示す。
・・・コールド用
ポリオレフィン樹脂(好ましくは低密度ポリエチレン):70〜95質量部※
エラストマー:5〜30質量部
滑剤:キャップライナー用樹脂組成物100質量部に対して0.05〜2.0質量部
安定剤:キャップライナー用樹脂組成物添加量100質量部に対して0.01〜0.10質量部
分散剤:キャップライナー用樹脂組成物100質量部に対して0.01〜0.50質量部
着色顔料:キャップライナー用樹脂組成物100質量部に対して2.0質量部以下
撥水性物質:キャップライナー用樹脂組成物100質量部に対して1〜20質量部
※ポリオレフィン樹脂(好ましくは低密度ポリエチレン)が70質量部以上であることにより弾性の低下を防ぐことができる。95質量部以下とすることにより耐熱性の低下を防ぐことができる。
【0021】
・・・レトルト用
ポリオレフィン樹脂(好ましくはポリプロピレン):10〜40質量部※
エラストマー:60〜90質量部
滑剤:キャップライナー用樹脂組成物100質量部対して0.05〜2.0質量部
安定剤:キャップライナー用樹脂組成物100質量部に対して0.01〜0.10質量部
分散剤:キャップライナー用樹脂組成物100質量部に対して0.01〜0.50質量部
着色顔料:キャップライナー用樹脂組成物100質量部に対して2.0質量部以下
撥水性物質:キャップライナー用樹脂組成物100質量部に対して1〜20質量部
※ポリオレフィン樹脂(好ましくはポリプロピレン)を10質量部以上用いることにより、耐熱性の低下を防ぐことができる。40質量部以下とすることにより、キャップライナー成形後の弾性の低下を抑制することができる。
【0022】
・・キャップライナー用樹脂組成物の製造方法
キャップライナー用樹脂組成物は、例えばポリオレフィン樹脂、エラストマー等を含む樹脂主材と、撥水性物質とを、必要に応じて添加される他の添加剤とともに溶融混合することにより得られる。
このとき、撥水性物質のうち、グリース状のものや、樹脂主材の溶融混合温度以下の温度で溶融する樹脂成分は、樹脂主材と溶融状態で混ざり合う。前記溶融混合温度条件下で固体状(粒子状)のものは、樹脂主材中に分散される。
溶融混合方法は特に限定せず、ニーダー、バンバリーミキサー、ロール、一軸或いは二軸押出機、或いは射出機のシリンダー等を用いて行うことができる。温度条件は、例えば190〜240℃程度とされる。
【0023】
[ライナーを備えたキャップ、キャップ付きボトル]
ライナーを備えたキャップとボトル本体の形状、キャップにライナーを設ける方法等は特に限定せず、従来の方法が適用し得る。以下にアルミニウム合金等の金属製のキャップ及びボトル本体の一例を示す。
キャップライナー用樹脂組成物は、例えばペレット状に加工して用いられる。そして、モールドタイプのライナーの場合は、かかるペット状の組成物を溶融状態とし、当該溶融状態の組成物をキャップ材の内面側に射出成形等により注入し、型を押しつけて所定のライナーの形状に成形し、キャップ材と一体化する。これにより、ライナーが形成されたキャップ材が得られる。そして、当該キャップ材をボトル本体に装着する際に、キャップ材が成形され、キャップ付きボトルが得られる。
シートタイプのライナーの場合は、ペレット状のキャップライナー用樹脂組成物をシート状に加工した後、ライナーの形状に打ち抜いて、これを熱圧着によりキャップ材の内面側に装着し、ボトル本体と一体化する。
なお、ライナーはキャップライナー用樹脂組成物のみから形成する必要はなく、例えばキャップライナー用樹脂組成物からなる層と、その他の材料からなる他の層を備えた多層構造のシートを形成し、これを用いてライナーとすることもできる。
【0024】
図1、2は、アルミニウム合金製のキャップ付きボトルの構造の一例を示したものである。
キャップ材31は、天板部33と天板部33の周縁部に設けられる筒状の周壁部34とからなる有底筒状のキャップ本体32と、キャップ本体32の天板部33の内面側に密着した状態で設けられるライナー40とからなり、周壁部34はナール35、グルーブ36、ミシン目38を有するビード37、及びフレアー39を備えている。
【0025】
そして、このような構成のキャップ材31を、図2に示すようにボトル51の口金部53に被せ、この状態でキャップ材31にキャッピング加工を施すことにより、キャップ材31が口金部53に巻き締められてキャップ30に成形される。
【0026】
すなわち、プレッシャーブロック、プレッシャーブロックインサート、ROローラ、PPローラ等からなるキャッピング装置(図示せず)を用い、ボトル51の口金部53に被せたキャップ材31の天板部33をプレッシャーブロックインサートで缶底の方向に押圧し、この状態で、プレッシャーブロックによる絞り加工によってキャップ材31の肩部に段差部44を形成し、更に、この状態でROローラによりキャップ材31の周壁部34にねじ部45(雌ねじ部)を形成し、更に、PPローラによりフレアー39をかぶら部54に巻き締める。
【0027】
このようにして、キャップ材31を口金部53に巻き締めてキャップ30に成形することで、天板部33の内面側のライナー40が口金部53のカール部56に圧接され、それらの間が、ライナー40の作用によりシールされてボトル51の内部に炭酸飲料等の内容物が封入される。
【0028】
そして、キャップ30を回してビード37をミシン目38から切断し、キャップ30をボトル51の口金部53から取り外すことにより、口金部53が開栓されて炭酸飲料等の内容物を飲むことが可能となる。そして、取り外したキャップ30を口金部53に再び取り付けることにより、ライナー40によって口金部53の開口端部がリシールされ、内容物がボトル51の内部に封入される。
【0029】
本発明のキャップライナー用樹脂組成物が用いられるキャップの材料としては、アルミニウム合金等の金属類のみならず、例えばプラスチック樹脂も用いることができる。
ボトル本体は、アルミニウム合金等の金属からなる、いわゆるボトル缶のみならず、ガラス瓶、プラスチック瓶、金属瓶等を用いることもできる。
また、ライナーの形状、大きさ、キャップ及びボトル本体の形状、容量等は用途に応じて適宜選択すればよい。
【0030】
なお、本発明は、キャップの材料とボトル本体がともにアルミニウム合金等の金属製の場合に適している。
本発明を適用することにより、液だれを防止できる。その結果、ボトル本体の口金部にねじのところに液だれした内容物が付着し、乾燥して見栄えが低下したり、キャップの開け閉めがしにくくなったり、シール性が低下したりするという問題を引き起こすことを抑制できる。
また、本発明においては、撥水性物質を配合しても、ライナーの弾性の低下等の問題は生じにくく、通常のライナーの特性を維持した状態で、液だれ防止の効果を得ることができる。
【0031】
【実施例】
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[評価項目と方法]
キャップ付きボトルについて、以下の評価をした。
・接触角
協和界面科学株式会社製接触角計CA−QI(商品名)でライナーの上(内容物と接触する平面)に水滴を付けたときの接触角を測定した。
・ 液だれ試験
まず、ライナー付きキャップを飲料入りボトルに装着する。これを横向きに一旦置いた後、垂直の正置状態にもどし、キャップを開栓する。開栓後キャップより落下する飲料の重量を液だれ量として評価した。
【0032】
[キャップライナー用樹脂組成物の組成]
キャップライナー用樹脂組成物の組成は以下の通りとした。
低密度ポリエチレン(質量平均分子量1×10)あるいはポリプロピレン(質量平均分子量2×10):添加量は表1、2に示した。
エラストマー:スチレン/エチレン−ブテン/スチレンブロック共重合体:添加量は表1、2に示した。
滑剤として、エルカ酸アミド:キャップライナー用樹脂組成物100質量部に対して1.0質量部
安定剤として、ブチルヒドロキシトルエン:キャップライナー用樹脂組成物100質量部に対して0.05質量部
分散剤として、ステアリン酸カルシウム:キャップライナー用樹脂組成物100質量部に対して0.10質量部
着色顔料として、酸化チタン(ルチル結晶型):添加量はキャップライナー用樹脂組成物100質量部に対して1.0質量部
撥水性物質:種類、配合量は表1、2に示した。
【0033】
これらの材料を220℃で三本ロールで分散することによりキャップライナー用樹脂組成物を得た。
ついで、射出成型機を用いて、口径38mmのアルミ合金製キャップ材内面に200℃の条件で溶融したキャップライナー用樹脂組成物を射出成型することにより、所定形状のライナーを備えたキャップ及びキャップ付きボトル(容量310ml)を得た。このとき、内容物として果汁飲料(280ml)封入した。
【0034】
【表1】
Figure 2005067616
【0035】
【表2】
Figure 2005067616
【0036】
本発明に係る実施例では、液だれが生じなかった。また、特に撥水性物質の量と、ポリオレフィンの量が好ましい範囲を満足するものについては、キャップライナーの落下試験の結果が良好であった。
【0037】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明においては、キャップからの液だれが生じにくい技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】キャップの一例を示した一部側断面図である。
【図2】キャップを装着したボトルを示した一部側断面図である。
【符号の説明】
30 キャップ、31 キャップ材、33 天板部、34 周壁部、32 キャップ本体、40 ライナー、51 ボトル、53 口金部

Claims (6)

  1. キャップ付きボトルのキャップの内面側に設けられるライナーであって、ボトル内の内容物と接触する平面の水の接触角が100度以上であることを特徴とするライナー。
  2. キャップ付きボトルのキャップの内面側に設けられるライナーを形成するための樹脂組成物であって、
    当該樹脂組成物からなり、かつ平面を有する成形体を形成し、当該平面の水の接触角を測定したとき、当該測定値が100度以上であることを特徴とするキャップライナー用樹脂組成物。
  3. キャップ付きボトルのキャップの内面側に設けられるライナーを形成するための樹脂組成物であって、
    当該樹脂組成物100質量部に対して、撥水性物質を1〜25質量部含有することを特徴とするキャップライナー用樹脂組成物。
  4. 前記撥水性物質がシリコーン化合物、フッ素樹脂、疎水性シリカから選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項3に記載のキャップライナー用樹脂組成物。
  5. 請求項1に記載のライナー、または請求項2〜4のいずれか一項に記載のキャップライナー用樹脂組成物を用いて形成したライナーを備えていることを特徴とするキャップ。
  6. 請求項5に記載のキャップを備えていることを特徴とするキャップ付きボトル。
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