JP4164147B2 - 液切れ性に優れた注出口付き樹脂キャップ - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、容器の口部に装着して使用する注出口付きキャップに関するもので、より詳細には、優れた液切れ性及びその持続性と衛生的特性との組合せを有し、しかも密封性能や開栓性能にも優れた注出口付きキャップに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、容器の口部に装着して使用する注出口付きキャップとしては、キャップ本体(中蓋)の口壁に設けられた開口予定部と、開口予定部の周囲から上方に延びている注出口と、この注出口を開閉可能に覆う外蓋とから成るものが知られている。
【0003】
この注出口付きキャップでは、内容物の注出に際して、注出口における液切れ性が不十分であり、注出口に残留した内容物が外部に垂れたり、或いは残留した内容物が凝固し、或いはこれにダスト類が付着したりして不衛生となるという問題を有している。
【0004】
この問題を解決するために、特開平2−140249号公報には、ポリエチレンまたはポリプロピレンに脂肪酸アミドまたは脂肪酸エステル系の滑剤を0.1乃至0.5重量%添加したことを特徴とする容器形成用合成樹脂が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した滑剤の配合では、ポリエチレン或いはポリプロピレン中の滑剤がキャップ表面に移行し、滑剤が有する撥水性により液切れ性を向上させようとするものであるが、滑剤による滑り性の増加により密封性能が低下する傾向がある。即ち、キャップ本体の締結解除トルクが小さくなり過ぎて、密封性が低下すると共に、外蓋の開栓時にキャップ本体が共回りして、開栓性能が低下する傾向がある。また、外蓋の締結時に、外蓋を開栓方向とは逆方向に旋回した場合、キャップ本体と外蓋との間のトルク(オーバーターントルクという)が小さいとネジを乗り越えて回転を生じるという不都合も生じやすい。
【0006】
更に、注出口付き樹脂キャップでは、内容物の注出がかなりの回数にわたって反復されるので、液切れの効果が持続しないという問題もある。
【0007】
従って、本発明の目的は、優れた液切れ性及びその持続性と衛生的特性との組合せを有し、しかも密封性能や開栓性能にも優れた注出口付きキャップを提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、キャップ本体(中蓋)の口壁にスコアを介して設けられた開口予定部と、開口予定部の周囲から上方に延びている注出口と、この注出口を開閉可能に覆う外蓋から成る注出口付き樹脂キャップにおいて、
少なくとも注出口の部分が、重量平均分子量が100,000以上のオルガノポリシロキサン若しくは該オルガノポリシロキサンとオレフィン系樹脂とのコポリマーを、シリコーン基準で0.2乃至2.5重量%の量で含むオレフィン系樹脂組成物で形成されていることを特徴とする注出口付き樹脂キャップが提供される。
前記注出口の表面は純水で95゜以上の接触角を有することが好ましい。
また、本発明において、前記コポリマー中のシリコーン変性率は40〜60重量%であるものが望ましい
【0009】
【発明の実施の形態】
[作用]
オレフィン系樹脂に高分子量のポリオルガノシロキサン(以下、シリコーン系樹脂と呼ぶことがある)を配合し、これをキャップに成形すると、表面に高分子量のポリオルガノシロキサンの層が優先的に分布した成形体が得られることが分かった。
【0010】
この多層分布構造の成形体における断面構造を、シリコーン成分染色後、透過型電子顕微鏡で観察すると、オレフィン系樹脂中に分散しているシリコーン成分に比して表面に分布しているシリコーン成分の量がはるかに多いという事実が明らかとなる。
【0011】
本発明のキャップでは、シリコーン成分が表面に優先的に分布しているため、注出口の表面が純水で95゜以上の接触角に維持され、優れた液切れ性が維持されるという利点がある。しかも、このシリコーン成分は、従来の低分子量滑剤に比べて極めて高い分子量を有しており、キャップに過度の滑り性を付与することがなく、後述する例に示すとおり、適度な打栓圧を与え、キャップ本体の締結解除トルクを過度に小さくすることもなく、優れた密封性が維持され、外蓋の開栓時にキャップ本体が共回りする傾向もなく、また、外蓋の締結時に、外蓋を開栓方向とは逆方向に旋回した場合にも、オーバーターントルクが比較的大きく、ネジを乗り越えて回転を生じるという不都合も生じることがない。
【0012】
更に、キャップ成形体の表面に分布したシリコーン成分は、極めて高い分子量であり、オレフィン系樹脂との間に分子鎖的な絡み合いも生じているため、キャップ表面から離脱することもなく、液切れ性の持続性にも優れている。
【0013】
本発明において、シリコーン成分がキャップの注出口表面に優先的に分布する理由は、オルガノポリシロキサンとオレフィン系樹脂との相溶性が元々低いことや、高分子量のオルガノポリシロキサン或いはオルガノポリシロキサンとオレフィン系樹脂とのコポリマーの溶融粘度が高く、高剪断下での射出に際して壁側に排出されるためと考えられる。
【0014】
本発明において、シリコーン系樹脂は、シリコーン基準で、オレフィン系樹脂当たり0.2重量%存在すべきであり、上記範囲を下回ると、注出口表面の接触角95゜以上を達成することが困難であり、液切れ性やその持続性が低下するようになる。
【0015】
また、シリコーン系樹脂の配合量はシリコーン基準で、オレフィン系樹脂当たり2.5重量%以下であるべきである。シリコーン系樹脂の配合量が上記範囲を上回ると、スコア加工部にピンホールが発生し、密封不良を招きやすい。
【0016】
[シリコーン系樹脂配合オレフィン系樹脂組成物]
本発明の注出口付き樹脂キャップは、少なくとも注出口の部分がシリコーン系樹脂を配合したオレフィン系樹脂から形成される。
【0017】
オレフィン樹脂としては、それ自体公知の任意のオレフィン系樹脂が使用されるが、適当な例として、例えば低−、中−或いは高−密度のポリエチレン(LDPE、MDPE、HDPE)、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン(PP)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテンー1、エチレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。
【0018】
上述したオレフィン系樹脂は、成形性等の見地からメルトフローレート(ASTM D 1238)が、0.5乃至30g/10minの範囲にあるものが好適に使用される。勿論、前述したオレフィン系樹脂は、単独でも或いは2種以上のブレンド物であってもよい。
【0019】
一方、オレフィン系樹脂に配合するシリコーン系樹脂としては、高分子量のオルガノポリシロキサン(高分子量シリコーンオイル)や、オルガノポリシロキサン単位を含むポリオレフィンとの共重合体が使用される。共重合体の場合はグラフト共重合体或いはブロック共重合体のどちらであってもよい。
【0020】
オルガノポリシロキサンとしては、それ自体公知のオルガノポリシロキサンが使用され、例えば下記式(1)
aSiO(4-a)/2 ‥(1)
式中、Rは未置換或いは置換の1価炭化水素基であり、aは式
1≦a≦3を満足する数である、
で表される単位からなるオルガノポリシロキサンが使用される。
【0021】
1価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基、;ビニル基、アリル基、1−ブテニル基等のアルケニル基;ベンジル基、フェネチル基等のアラールキル基等が挙げられ、置換炭化水素基としては、グリシジル基、1−ヒドロキシプロピル基、1−アミノプロピル基等が挙げられる。
【0022】
オルガノポリシロキサンは、鎖状、分岐鎖状、環状、網状、3次元網状等のいずれの構造のものでもよく、一般にジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、或いはメチルフェニルポリシロキサン等から成る。勿論、これらのオルガノポリシロキサンはグリシジルシロキサン単位、1−ヒドロキシプロピルシロキサン単位、1−アミノプロピルシロキサン単位、ビニルシロキサン単位等によって変性されていてもよい。
【0023】
一方、オルガノポリシロキサンと共重合体を形成する他の単量体成分としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等のオレフィン類;酢酸ビニル、塩化ビニル、スチレン、アクリロニトリル、α−メチルスチレン、塩化ビニリデン等のビニル系単量体;アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル等のアクリル系単量体などが挙げられる。
【0024】
シリコーン共重合体は、グラフト乃至ブロック共重合体の形をとることが好ましく、この共重合体の例として、オルガノポリシロキサン−ポリエチレン共重合体、オルガノポリシロキサン−ポリプロピレン共重合体、オルガノポリシロキサン−線状低密度ポリエチレン共重合体、オルガノポリシロキサン−EVA共重合体、オルガノポリシロキサン−EEA共重合体が挙げられる。共重合成分は、オレフィンを主体とするものが好ましい。
【0025】
共重合体中のオルガノポリシロキサン(S)と他の共重合成分との割合は、一般に70:30乃至30:70の重量比、特に60:40乃至40:60の重量比の範囲にあるのが好ましい。オルガノポリシロキサン成分の量比が上記範囲よりも少ないと、キャップとしたときの液切れ性の発現が不十分となる傾向があり、一方、共重合体成分の量比が上記範囲よりも少ないと、オレフィン系樹脂中への分散性が低下する傾向がある。
【0026】
高分子量のオルガノポリシロキサンの重量平均分子量は、100,000以上、特に150,000乃至500,000の範囲にある。重量平均分子量がこの範囲を下回ると、液切れ性の持続性が失われる傾向があると共に、キャップの締結に際してもトルク不足による密封不良を来す傾向がある。
【0027】
本発明に用いるシリコーン系樹脂は、一般にオレフィン系樹脂との高濃度マスターバッチ、或いはオレフィン系樹脂とのグラフト物との形で容易に入手しうる。その適当な例は次の通りである。
シリコーンを含んだ下記商品がマスターバッチの形で入手できる。特に通常のシリコーンオイルでは1重量%以上の配合は成型上難しいが、高分子量シリコーンマスターバッチでは成型品に高濃度の配合が可能となる。
<東レダウコーニングシリコーン株式会社>
・シリコーンコンセントレート
シリコーン含有量 50%
BY27−001(PP)
BY27−002(LDPE)
・シリコーンマスターペレット
シリコーン含有量 40%
BY27−201(PPホモポリマー)
BY27−201C(PPコポリマー)
BY27−202(PE)
<日本ユニカー株式会社>
・シルグラフト
シリコーン含有量 50%
SILGRAFT−210(LDPE)
SILGRAFT−150(EVA)
SILGRAFT−310(EEA)
SILGRAFT−250(LLDPE)
<ダウコーニングアジア株式会社>
シリコーン含有量 50%
SP−110(EVA)
SP−300(LDPE)
SP−310(LLDPE)
【0028】
本発明ではオレフィン系樹脂に対して、シリコーン系樹脂を、シリコーン基準で、0.2重量%以上、好ましくは0.5乃至2.5重量%、特に好ましくは1乃至2重量%配合する。
【0029】
本発明に用いるキャップ形成用樹脂は、オレフィン系樹脂とシリコーン系樹脂とを、上記量比で混練することにより得られる。混練は、エチレン系重合体の融点以上の温度で行うのがよい。混練は、バンバリーミキサー、二軸押出機等を用いて行うことができる。
【0030】
本発明において、キャップ形成用に使用する樹脂組成物には、滑性を助長し、或いは物性を改善する助剤を配合してもよい。
【0031】
このような助剤として、滑剤を挙げることができ、滑剤としては、一般にポリエチレンに使用されるもの全てが適用可能である。すなわち、滑剤は(イ)流動、天然または合成パラフィン、マイクロワックス、ポリエチレンワックス、塩素化ポリエチレンワックス等の炭化水素系のもの、(ロ)ステアリン酸、ラウリン酸等の脂肪酸系のもの、(ハ)ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、オレイン酸アミド、エルシル酸アミド、メチレンビスステアロアミドエチレンビスステアロアミド等の脂肪酸モノアミド系またはビスアミド系のもの、(ニ)ブチルステアレート、硬化ヒマシ油、エチレングリコールモノステアレート等のエステル系のもの、(ホ)セチルアルコール、ステアリルアルコール等のアルコール系のもの、(ヘ)ステアリン酸鉛、ステアリン酸カルシウム等の金属石ケンおよび(ト)それらの混合系が一般に用いられるが、特に脂肪酸モノアミド系またはビスアミド系が好ましい。これらの滑剤を0.01乃至1.0重量%、特に0.1乃至0.6重量%含有されることが好ましい。
【0032】
助剤の他の例として、エラストマーを挙げることができ、これにより密封性能や滑性を一層改善することができる。エラストマー重合体としては、例えばニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ポリブタジエン(BR)、ポリイソプレン(IIB)、ブチルゴム(IIR)、天然ゴム(NR)、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、ポリウレタン、シリコーンゴム、フッ素ゴム、水素化スチレン−イソプレン系共重合体、水素化スチレン−ブタジエン共重合体等を用いることができる。これらのエラストマーは、組成物当たり3乃至50重量%、特に10乃至40重量%の量で含有させるのがよい。
【0033】
[注出口付き樹脂キャップ]
本発明の注出口付き樹脂キャップは、注出口が前記シリコーン系樹脂配合オレフィン系樹脂で形成されている限り、任意の構造及び形状をとりうる。
例えば、このキャップは、キャップ本体(中蓋)の口壁にスコアを介して設けられた開口予定部と、開口予定部の周囲から上方に延びている注出口と、この注出口を開閉可能に覆う外蓋とから成るものであってよい。
以下、この例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0034】
この注出口付きキャップの一例を示す側断面図(図1)において、このキャップは、大まかにいって、キャップ本体10、開口機構20、注出口30、外蓋40から成る。
【0035】
この注出口付キャップにおいて、キャップ本体10は、ボトル口部の外周に係合するスカート部(外筒)11、口壁(頂壁)12、ボトル口部の内周に係合するインナーリング(内筒)13、ボトル口部の受け座14、スカート部11の下部の内面側に設けられた突起15から成っている。
【0036】
この注出口付キャップでは、インナーリング13とスカート部11とは環状の接続部16により接続されていると共に、インナーリング13はこの接続部16を通り越して、軸上方向に延長して筒上延長部17を形成している。この筒状延長部17の外周には外蓋40との係止用ネジ18が形成されている。
【0037】
キャップの開口機構20は、キャップ本体の口壁12に設けられた開口予定部21と、開口予定部の周囲を規定する弱化部22と、開口予定部に設けられた開口用把持部23とを備えており、開口用把持部23を引き上げることにより、弱化部22を破断して開口予定部21を取り外し、内容物の注ぎ出し用の開口を形成するようになっている。
【0038】
注出口30は開口機構20よりも外周側に位置し且つ筒状延長部よりも径の小さな内筒31から成っている。この内筒31は、上向きに径の大きくなるテーパ形状をしていてもよい。内筒31の下端は頂板部(口壁)12に滑らかに接続されており、その上端は外方に開いた滴切り32となっている。筒状延長部17の上端は、注ぎ出し用の内筒31の高さ方向の途中において接続されている。
【0039】
外蓋40は、頂板部41と、スカート部42とから成り、スカート部の内面には係止用のネジ43が、外面には把持用のローレット44が形成されている。頂板部41の内面側には、注ぎ出し用内筒31の内面と係合するインナーリング45が形成されている。
【0040】
本発明においては、これらのキャップ本体を、前述したシリコーン系樹脂を配合したオレフィン系樹脂組成物の射出成形で形成させる。この射出成形に際し、注ぎ出し用内筒31の表面には、シリコーン成分が分布し、優れた液切れ性とその持続性が発現される。しかも、このシリコーン系樹脂は、従来の低分子量滑剤に比べて極めて高い分子量を有しており、キャップに過度の滑り性を付与することがなく、キャップ本体の締結解除トルクを過度に小さくすることがなく、優れた密封性が維持され、外蓋の開栓時にキャップ本体が共回りする傾向もなく、また、外蓋の締結時に、外蓋を開栓方向とは逆方向に旋回した場合にも、オーバーターントルクが比較的大きく、ネジを乗り越えて回転が生じるという不都合も生じることがない。
【0041】
内容物の取り出しに際しては、外蓋40を旋回して、外蓋40をキャップ本体10から取り外し、既に述べたとおり、開口用把持部23を引き上げることにより、弱化部22を破断して開口予定部21を取り外し、内容物の所定量の注ぎ出しを行う。使用後には外蓋40によるリシールを行えばよい。
使用後の容器を廃棄するに当たっては、リング状部材46を押し上げるか或いは押し下げることにより、橋絡部47を破断し、リング状部材46を取り除くことにより、キャップ本体1を容器首部から引き上げて、容器とキャップとの分別廃棄が可能となる。
【0042】
注出口付キャップの他の例を示す側断面図(図3)及び上面図(図4)において、キャップ本体10、開口機構20、注出口30及び外蓋40の大まかな構造は図1及び図2に示したものとほぼ同様であるが、キャップ本体10と外蓋40とがヒンジ50を介して一体に成形され、外蓋40がヒンジを介して開閉可能となっている点で図1及び図2のものと相違している。
【0043】
キャップ本体10の開口予定部21は、開口用把持部23の高さを低く抑えるため、凹部形状に形成されており、筒状延長部17も、外蓋の開閉のための旋回を可能にするため、ヒンジ50に近い部分が高さの低い段差部51となっている。また、スカート部11とインナーリング13との接続部16の上部には、外蓋40との係合用突起52が形成されている。
【0044】
一方、外蓋40のスカート部42の端部には、キャップ本体10の係合用突起52と係合する係合用凹部53が形成されている。また、外蓋40のヒンジ50の反対側には、外蓋開閉用のタブ54が形成されている。
【0045】
キャップ本体と外蓋40とを連結するヒンジ50は、比較的幅の広いものであるが、このヒンジ50の両側にヒンジの両端縁から小間隔をおいて小さい幅の連結片55、55が設けられる。即ち、キャップ本体10の外周には凹部56が形成され、一方外蓋40の外周にも凹部57が形成されており、ヒンジ50から上下方向に小間隔だけずれた位置でこれらの凹部56、57間を連結するように、連結片55が形成されている。上記のような連結片55の構造では、外蓋40をほぼ完全に開いた状態に至る段階で、連結片55に張力が発生し、内容物の注出が可能なように外蓋40が開いた位置で、外蓋40を安定に保持する(外蓋が振れるのを防止する)作用をする。
【0046】
外蓋40を閉めた状態で、外蓋の開閉用タブ54に対応するキャップ本体10には、このタブの把持を容易にするための凹部58が形成されている。
【0047】
【実施例】
本発明を次の例で説明する。
【0048】
[実施例1]
密度=0.918、メルトインデックス=7のLLDPEに、シリコーン共重合体系マスターバッチ(東レダウコーニングシリコーン(株) BY27−202)を表1の含有率で添加し、射出成型機にて開封口付きネジ式キャップの本体を作製した。また、同様の方法でシリコーン共重合体の代わりに、滑剤を表1の含有率で添加したものと、何も加えなかったものとを使用して、ネジ式キャップの本体を作製した。
これに、密度=0.920、メルトインデックス=10のLDPEを用いて射出成型機にて作製したネジ式上蓋キャップを組み合わせ、酢を充填したガラス瓶に打栓した。
本体−上蓋間の共回りトルク、本体−瓶間のオーバーターントルクと、液切れ性を評価した。(液切れ性については、滴切り部裏側に予め酢を付着させてから注ぎ出し、液垂れするまでの回数で示した。)
本発明品は何れも、共回りトルクやオーバーターントルクを大幅に下げることなく、持続性に優れた液切れ性を付与することができた。表1に接触角に対する共回りトルク、オーバーターントルク、液切れまでの回数の関係を示す。
【0049】
【表1】
Figure 0004164147
※シリコーン含有濃度が2.5%を超える範囲では開口部弱化線にピンホールを生じて安定的な生産ができない。
【0050】
[実施例2]
密度=0.915、メルトインデックス=6.5のLLDPEに、高分子量シリコーンオイル系のマスターバッチ(東レダウコーニングシリコン(株) BY27−002)を、表2の含有率で添加し、射出成型機にてヒンジキャップを作製した。
また、同様の方法で、シリコーン共重合体の代わりに、滑剤を表2の含有率で添加したものと、何も加えなかったものとを使用して、ヒンジキャップの本体を作製した。
ガラス瓶にメンツユを充填し、打栓圧と液切れ性を評価した。液切れ性については通常の注ぎ出し操作を繰り返し、液垂れするまでの回数で示した。
本発明品は、適度な打栓圧を保ちながら、持続的な液切れ性を保持していることが確認できた。表2に接触角に対する打栓圧、液切れまでの回数の関係を示す。
【0051】
【表2】
Figure 0004164147
※シリコーン含有濃度が2.5%を超える範囲では開口部弱化線にピンホールを生じて安定的な生産ができない。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、注出口付き樹脂キャップにおいて、少なくとも注出口の部分をシリコーン基準で0.2重量%以上のシリコーン系樹脂を配合したオレフィン系樹脂で形成することにより、優れた液切れ性及びその持続性と衛生的特性との組合せを有し、しかも密封性能や開栓性能にも優れた注出口付きキャップを提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の注出口付きキャップの一例を示す側断面図である。
【図2】図1のキャップの底面図である。
【図3】本発明の注出口付きキャップの他の例を示す側断面図である。
【図4】図3のキャップの上面図である。
【符号の説明】
10 キャップ本体
11 スカート部(外筒)
12 口壁(頂壁)
13 ボトル口部の内周に係合するインナーリング(内筒)
14 ボトル口部の受け座
15 突起
16 環状の接続部
17 筒上延長部
18 係止用ネジ
20 開口機構
21 開口予定部
22 弱化部
23 開口用把持部
30 注出口
31 内筒
32 滴切り
40 外蓋
41 頂板部
42 スカート部
43 係止用のネジ
44 把持用のローレット
45 インナーリング
46 リング状部材
47 橋絡部
50 ヒンジ
51 段差部
52 係合用突起
54 外蓋開閉用のタブ
55、55 連結片
56、57、58 凹部

Claims (2)

  1. キャップ本体(中蓋)の口壁にスコアを介して設けられた開口予定部と、開口予定部の周囲から上方に延びている注出口と、この注出口を開閉可能に覆う外蓋から成る注出口付き樹脂キャップにおいて、
    少なくとも注出口の部分が、重量平均分子量が100,000以上のオルガノポリシロキサン若しくは該オルガノポリシロキサンとオレフィン系樹脂とのコポリマーを、シリコーン基準で0.2乃至2.5重量%の量で含むオレフィン系樹脂組成物で形成されていることを特徴とする注出口付き樹脂キャップ。
  2. 注出口の表面が純水で95°以上の接触角を有するものである請求項1記載の注出口付き樹脂キャップ。
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