JP2001200166A - 摺動性樹脂組成物 - Google Patents

摺動性樹脂組成物

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JP2001200166A
JP2001200166A JP2000394574A JP2000394574A JP2001200166A JP 2001200166 A JP2001200166 A JP 2001200166A JP 2000394574 A JP2000394574 A JP 2000394574A JP 2000394574 A JP2000394574 A JP 2000394574A JP 2001200166 A JP2001200166 A JP 2001200166A
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JP
Japan
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resin
resin composition
slidable
slidability
present
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JP2000394574A
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English (en)
Inventor
Toshiaki Arai
敏明 新井
Kenichi Suzuki
賢一 鈴木
Yasuo Nomura
泰生 野村
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NUC Corp
Original Assignee
Nippon Unicar Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 各種合成樹脂本来の表面外観、耐衝撃性等の
各種特性を損なわず、摺動性改良剤のブリードがなく、
摺動性が改善された摺動性樹脂組成物の提供。 【解決手段】 ベース樹脂(ポリアセタール又はAB
S)及び摺動性改良剤よりなり下記の式で表される摺動
係数が10〜6000の範囲であることを特徴とする摺
動性樹脂組成物、及び摺動性改良剤が特にポリオレフィ
ン系樹脂とオルガノポリシロキサンを加熱混練し、両者
をグラフトして得た混合物であるポリオレフィン変性ポ
リシロキサンであることを特徴とする摺動性樹脂組成
物。 摺動係数=(耐摩耗率)×(摩擦係数低下率)/{(摺
動性改良剤の添加率)×(曲げ強さ低下率)}

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、摺動性樹脂組成
物、さらに詳しくは、ベース樹脂本来の表面外観、耐衝
撃性等の各種特性を損なわずに、摺動性が改善された摺
動性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂は、一般に軽量であるばかりで
なく、加熱により比較的低温で溶融するので、金属と比
較して成形加工が容易であることから、自動車、オート
バイ、家電、オーディオ製品、コンピューター、プリン
ター、OA機器、記録媒体、記録装置等の部品として広
く使用されている。それらの部品は、様々な形態のもの
があるが、相互または他の物体に接触しながら、相互の
位置が変化するような用途に使用される場合がある。例
えば、自動車のガラスランチャンネル、ピストンシー
ル、ダストブーツ、ピストンカップ、ウェザーストリッ
プ部材、ショツクアブソーバーのダストカバー、ステア
リング系におけるラック・アンド・ピニオンブーツ、ド
ライブ系における等速ジョインドーツ、ワイパーブレー
ド;機械部品である歯車、回転軸受、直動ベアリング部
材、シャフト、シリンダー、カム、レバー、キーステ
ム、ラチェット、ローラ、ボール、スクリュー、ガイ
ド、スライド等;油圧装置やコンプレッサー用のブッシ
ュ、ピストンリンク、シーリング等;VTRテープのリ
ール、VTRリールハブ、CDプレイヤーのCDトレー
部;高周波コネクター用インシュレーター、磁気テープ
ガイド、オーディオカセット;OA機器記録媒体・記録
装置部品、複写機・ファクシミリ・コンピューター等の
印刷紙と接触する部品;プリンター・テレビ・ステレオ
・コンピューター等各種機器のハウジング・エンクロー
ジャー・シャーシー等;各種機器の回転台;冷蔵庫内装
材;建築材料部品等において、それらの部品・部材は相
互に接触したとき、摩擦抵抗が少なく、磨耗が少ない方
が、エネルギー消費が少なく、寿命もながくなり、機器
の故障が少なく、機器の性能・精度も維持でき、騒音を
発生しない効果がある。
【0003】このように、物体が相互に接触し移動する
ことを摺動と言うが、摩擦抵抗が少なく、磨耗が少なく
動く状態を摺動性に優れている、又は単に摺動性と一般
的に呼称している。しかしながら、合成樹脂は、摺動
時、金属と比較し、摩擦係数が増大し、ひいては磨耗率
が増加する傾向があり、解決を求められている。この原
因については、定かでないが、合成樹脂がの表面硬度が
金属より低いこと、樹脂の繰り返し応力により疲労劣化
すること、摺動による温度上昇により熱可塑性樹脂が軟
化温度に接近し相互に溶着しやすくなること、熱可塑性
樹脂の合成時に生成する低分子樹脂や低分子の樹脂添加
剤が部品表面へ移行し表面抵抗を増大させること、外気
中の異物の付着、潤滑油の樹脂中への浸透による樹脂の
劣化、樹脂の酸化劣化、樹脂の薬品劣化等が考えられ
る。各種合成樹脂は、それぞれ固有の静摩擦係数、動摩
擦係数、磨耗量等の摺動性を表す特性数値を有し、ポリ
アセタール樹脂、ポリアミド樹脂、超高分子量ポリエチ
レン等の様に非常に摺動性に優れたものから、軟質塩化
ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、超低
密エチレン−αオレフィン共重合体樹脂等の様に摺動性
の悪いものまで様々な樹脂がある。それぞれの各種合成
樹脂は、摺動性の優れた樹脂も、摺動性の劣る樹脂も、
摺動性を要求される用途分野に使用される場合は、さら
に摺動性を良くした方が、上記したように、製品の長寿
命化、高性能化、高速化、低騒音化、安全化、小型化、
軽量化等が達成されるので、従来より各種合成樹脂にお
いて、オルガノポリシロキサンオイル(シリコーンオイ
ル)、アミノ基、エポキシ基、メルカプト基、カルボキ
シ基等の官能基を有するシリコーンオイル、フッソ樹
脂、シリコーンパウダー、シリコーン樹脂、シリコーン
グラフトポリエステル、ポリエーテル変性ポリシロキサ
ン、エチレン性不飽和カルボン酸(無水物)変性ポリエ
チレン、高級アルコール、高級脂肪酸、ワックス等を配
合することが提案されている。しかしながら、従来の摺
動性改良剤を配合した樹脂組成物は、ベース樹脂本来の
摺動性以外の特性、例えば、表面外観、耐衝撃性等が損
なわれ、場合によっては、摺動性改良剤がブリードアウ
トするという欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の事情
に鑑み、各種合成樹脂(本発明では、ベース樹脂と呼称
することもある。)本来の表面外観、耐衝撃性等の各種
特性を損なわず、摺動性改良剤のブリードがなく、摺動
性が改善すされた摺動性脂組成物を提供することを課題
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ベース樹脂に摺動
性改良剤が配合され、特定の摺動係数を持つ樹脂組成
物、特に摺動性改良剤としてポリオレフィン変性ポリシ
ロキサンを配合した前記樹脂組成物により上記課題が解
決されることを見いだし、本発明を完成させた。
【0006】すなわち、本発明の第1の発明によれば、
ベース樹脂(A)及び摺動性改良剤(B)よりなり、下
記の式で表される摺動係数が10〜6000の範囲であ
ることを特徴とする摺動性樹脂組成物が提供される。 摺動係数=(耐摩耗率)×(摩擦係数低下率)/{(摺
動性改良剤の添加率)×(曲げ強さ低下率)}
【0007】また、本発明の第2の発明によれば、第1
の発明において、摺動性改良剤がポリオレフィン変性ポ
リシロキサン(C)であることを特徴とする摺動性樹脂
組成物が提供される。
【0008】さらに、本発明の第3の発明によれば、第
1又は第2の発明において、ポリオレフィン変性ポリシ
ロキサン(C)が、ポリオレフィン系樹脂とオルガノポ
リシロキサンとを加熱混練し、両者をグラフトして得た
混練物であることを特徴とする摺動性樹脂組成物が提供
される。
【0009】さらにまた、本発明の第4の発明によれ
ば、第1〜第3の発明においてベース樹脂(A)がポリ
アセタール又はABSであることを特徴とする摺動性樹
脂組成物が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
【0011】1.ベース樹脂(A) 本発明においてベース樹脂(A)とは、摺動性改良剤を
配合され摺動性が改良される樹脂であり、下記の熱可塑
性樹脂や熱硬化性樹脂があげられる。
【0012】1.1 アクリロニトリル−ブタジエン−
スチレン(ABS)樹脂;ABS樹脂はアクリロニトリ
ル(A)、ブタジエン(B)、スチレン(S)を主成分
とする熱可塑性樹脂である。本発明の摺動性樹脂組成物
としてもちいるABS樹脂としては、引張強度、曲げ強
度、衝撃強度、クリープ強度に優れ、耐熱性に優れたも
のが望ましい。ABS樹脂の製造方法としては、グラフ
トブレンド法(ポリブタジエンラテックスにAN/ST
モノマーを反応させてゴム含量の高いABS樹脂をつく
り、これに別につくったAS共重合体樹脂をブレンドし
て所定のABS樹脂を得る。)、塊状・懸濁重合法(未
架橋ゴムをSTモノマーに溶解しゴムマトリックス状態
の予備塊状重合を行い、ゴム分散状態への相転移が起こ
った時点で、懸濁系のグラフト反応を行ってABS樹脂
を得る。)、乳化・連続塊状重合法(乳化重合法によっ
てつくったゴム含量の高いABSラテックスにAN/S
Tモノマー、および電解質を加えて混合し、分離された
水分を除去してABSクラムとする。このABSクラム
にAN/STモノマーを加えてABSドープとして連続
塊状重合を行ってABS樹脂を得る。)等があるが、本
発明の摺動性樹脂組成物として用いるABS樹脂として
は、いずれの製法でつくったものでよいが、グラフトブ
レンド法でつくったものが、好ましい。本発明の摺動性
樹脂組成物として用いるABS樹脂は、市販されている
ものでよく、例としては、サンタックUT−61(三井
東圧化学)、セビアンV―680(ダイセル化学工
業)、スタイラック(旭化成工業)、サイコラック、ウ
ベロイ(以上、宇部サイコン)、カネエース、カネカF
RX(以上、鐘淵化学工業)、エスチレンABS(新日
鐵化学)、クララスチック(住友ダウ)、セビアンV
(ダイセル化学工業)、デンカABS、デンカ難燃AB
S(以上、電気化学工業)、トヨラック(東レ)、JS
R ABS(日本合成ゴム)、タフレックス、コリメー
ト(以上、三菱化学)、ダイヤペットABS(三菱レイ
ヨン)、スミコンFM(住友ベークライト)、バイエル
ABS(バイエル)、及びテルラン(BASFエンジニ
アリングプラスチック)等が挙げられる。
【0013】1.2 スチレン−アクリロニトリル(S
AN)樹脂 SAN樹脂はスチレン(S)とアクリロニトリル
(A)、を主成分とする熱可塑性樹脂である。本発明の
摺動性樹脂組成物としてもちいるSAN樹脂としては、
引張強度、曲げ強度、衝撃強度、クリープ強度に優れ、
耐熱性に優れたものが望ましい。SAN樹脂の製造方法
としては、通常ラジカル重合により製造され、その分子
構造は典型的なランダム共重合体樹脂であり、ゴム含有
ポリスチレン樹脂であるハイインパクトポリスチレン樹
脂のようないわゆるゴムグラフト変性共重合体樹脂とは
異なる。SAN樹脂を例にあげるとSM/AN=75/
25がアゼオトロピック組成であるので、工業化されて
いるものの多くはAN含量25〜35%、組成分布±1
%位のものである。SAN樹脂は一般用ホモポリスチレ
ン樹脂に比べて一般的に機械的特性、耐熱性、耐薬品性
等において優れた特性を示す。本発明の摺動性樹脂組成
物として用いるSAN樹脂は、市販されているものでよ
く、例としては、タイリル、スタイラックAS(以上、
旭化成工業)、エスチレンAS(新日本製鉄化学工
業)、セビアン−N(ダイセル化学工業)、デンカAS
(電気化学工業)、トヨラックG(東レ)、ライタック
A(三井化学)、及びサンレックス(三菱化学)等が挙
げられる。
【0014】1.3 アクリレートスチレンアクリロニ
トリル(ASA)樹脂;ASA樹脂はアクリル酸エステ
ル(A)、スチレン(S)及びアクリロニトリル(A)
を主成分とする熱可塑性樹脂である。本発明の摺動性樹
脂組成物としてもちいるSAN樹脂としては、耐候性、
透明性が特に優れ、引張強度、曲げ強度、衝撃強度、ク
リープ強度に優れ、耐熱性に優れたものが望ましい。A
SA樹脂の製造方法としては、アクリル酸n−ブチルに
数%の架橋剤あるいはグラフト化剤を加えて乳化重合さ
せ、このゴムラテックスにスチレンとアクリロニトリル
を加えてグラフト共重合させ、重合後、塩析して樹脂粉
末を得る方法がある。本発明の摺動性樹脂組成物として
用いるASA樹脂は、市販されているものでよく、例と
しては、バイタックス(日立化成工業)、ダイヤラック
A(三菱レイヨン)及びルランS(BASFエンジニア
リングプラスチック)等が挙げられる。
【0015】1.4 ポリスチレン(PS)樹脂 PS樹脂はスチレン(S)を主成分とする熱可塑性樹脂
であり、スチレンモノマーのみを重合したホモポリスチ
レン樹脂である透明な一般用ポリスチレン(GPPS)
樹脂、これをゴム状物質で補強したゴム含有ポリスチレ
ン樹脂であるハイインパクトポリスチレン(HIPS)
樹脂があり、本発明の摺動性樹脂組成物としてもちいる
PS樹脂としては、透明性が優れ、引張強度、曲げ強
度、衝撃強度、低吸湿性、電気絶縁性、高周波絶縁性、
寸法安定性が良いに優れたものが望ましい。PS樹脂の
製造方法としては、ほとんどが連続塊状重合方法で、一
部が懸濁バッチ重合方法で製造されている。いずれも典
型的なラジカル重合方法である。連続塊状重合方法は、
重合工程、脱気・モノマー回収工程、造粒工程が連続的
に組み合わさったプロセスである。使用するモノマー
は、スチレンを主成分とするが、他の芳香族ビニルモノ
マー、例えば、スチレン及びo−メチルスチレン、p−
メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチ
レン、m−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレ
ン、エチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン等
の核アルキル置換スチレンと2,4,6−トリブロモスチ
レン、2,4,6−トリクロロスチレン等の核ハロゲン化
スチレンとα−メチルスチレン、α−メチル−p−メチ
ルスチレン等のα−アルキル置換スチレン等が用いられ
る。その他、スチレン系モノマーと共重合可能なメタク
リル酸エステル、アクリル酸エステル、アクリロニトリ
ル、無水マレイン酸も用いてもよい。本発明の摺動性樹
脂組成物として用いるPS樹脂は、市販されているもの
でよく、例としては、旭化成ポリスチレン(旭化成工
業)、エスチレン(新日本製鉄化学工業)、ダイセルス
チロール(ダイセル化学工業)、出光ポリスチレン(出
光石油化学)、デンカスチロール(電気化学工業)、カ
ネウッド(鐘淵化学工業)、エスチレン(新日鐵化
学)、エスプライト、エバープライト(以上、昭和電
工)、スミブライト(住友化学工業)、ダイヤレック
ス、及びパーマトン(以上、三菱化学)等が挙げられ
る。
【0016】1.5 ポリカーボネート樹脂(PC)樹
脂 PC樹脂は2価のヒドロキシ化合物(ビスフェノール
A)と炭酸との縮合によって形成されたポリエステルの
総称であり、本発明の摺動性樹脂組成物としてもちいる
PC樹脂としては、透明性、難燃性、引張強度、曲げ強
度、衝撃強度、低吸湿性、寸法安定性、耐候性に優れた
ものが望ましい。PC樹脂の製造方法としては、酸結合
剤の存在下でジヒドロキシ化合物とホスゲンの反応を用
いる溶剤法(ホスゲン法)、単官能性芳香族あるいは脂
肪族ヒドロキシ化合物から得られる炭酸のジエステルと
ジヒドロキシ化合物のエステル交換反応を用いる溶融法
(エステル交換法)等があげられる。本発明の摺動性樹
脂組成物として用いるPC樹脂は、市販されているもの
でよく、例としては、レキサン101、121、13
1、141及び151のようなレキサン、サイコロイ
(以上、エンジニアリングプラスチックス)、パンライ
ト、メタマーブル、マルチロン(以上、帝人化成)、ユ
ーピロン(三菱ガス化学)、ノバレックス、ノバメート
(以上、三菱エンジニアリングプラスチックス)、マク
ロロン、バイブレント(以上、バイエルジャパン)、タ
フロン(出光石油化学)、カリバー、及びテクニエース
(以上、住友ダウ)等があげられる。
【0017】1.6 ポリアセタール樹脂(POM)樹
脂 POM樹脂は、ポリオキシメチレン構造を有する熱可塑
性樹脂であり、本発明の摺動性樹脂組成物としてもちい
るPOM樹脂としては、耐クリープ性、耐疲労性、耐磨
耗性、自己潤滑性、耐熱性、耐水性、耐油性に優れたも
のが望ましい。POM樹脂の製造方法としては、ホルマ
リンあるいはトリオキサンを、所望に応じてエチレンオ
キサイドと共に、カチオン触媒の存在下に開環重合する
方法がある。して得られる樹脂であり、ポリオキシメチ
レン鎖を主骨格とする樹脂であるが、本発明において
は、コポリマータイプのものが好ましい。本発明の摺動
性樹脂組成物として用いるPOM樹脂は、市販されてい
るものでよく、例としては、テナックス、テナックスC
(以上、旭化成工業)、ウルトラフォルム(BASFエ
ンジニアリングプラスチック)、デルリン、デルリンS
T・T(デュポンジャパンリミッテド)、ジュラコン
(ポリプラスチックス)、ユピタール(三菱エンジニア
リングプラスチック)、ホスタホーム(ヘキストジャパ
ン)等があげられる。
【0018】1.7 ポリエチレンテレフタレート(P
ET)樹脂 PET樹脂は、ジカルボン酸とジオールとを重縮合させ
て得られる熱可塑性樹脂であり、本発明の摺動性樹脂組
成物としてもちいるPET樹脂としては、機械特性、耐
磨耗性、電気特性、耐薬品性、耐候性、耐酸性に優れた
ものが望ましい。PET樹脂の製造方法としては、ジメ
チルテレフタレートとエチレングリコール、又は、テレ
フタル酸とエチレングリコールからビス(2−ヒドロキ
シエチル)テレフタレートを得て、エチレングリコール
を留去しながら高温(265〜290℃)、減圧(1m
mHg)の条件で縮重合させる方法がある。本発明の摺
動性樹脂組成物として用いるPET樹脂は、市販されて
いるものでよく、例としては、帝人FR−PET(帝
人)、バイロペット(東洋紡績)、タフエイト(出光石
油化学)、ハイパーライト(鐘淵化学工業)、クラペッ
ト(クラレ)、ダイヤナイト(三菱レイヨン)、ペトロ
ン(バイエルジャパン)、及びノバペット(三菱エンジ
ニアリングプラスックス)等があげられる。
【0019】1.8 ポリブチレンテレフタレート(P
BT)樹脂 PBT樹脂は、ジカルボン酸と1,4−ブタンジオール
とを重縮合させて得られる熱可塑性樹脂であり、本発明
の摺動性樹脂組成物としてもちいるPBT樹脂として
は、機械特性、耐磨耗性、電気特性、耐薬品性、耐候
性、耐酸性、耐熱性に優れたものが望ましい。PBT樹
脂の製造方法としては、ジメチルテレフタレートと1,
4−ブタンジオール、又は、テレフタル酸と1,4−ブ
タンジオールからビス(2−ヒドロキシブチル)テレフ
タレートを得て、エチレングリコールを留去しながら高
温(265〜290℃)、減圧(1mmHg)の条件で
縮重合させる方法がある。本発明の摺動性樹脂組成物と
して用いるPBT樹脂は、市販されているものでよく、
例としては、バロックス(エンジニアリングプラスチッ
クス)、プラナック(大日本インキ化学工業)、帝人P
BT樹脂(帝人)、タフペットPBT(東洋紡績)、ジ
ュラネックス(ポリプラスチックス)、テナイト(長瀬
産業)、ノバドゥール(三菱エンジニアリングプラスッ
クス)、FR−PBT(三井石油化学工業)、ポカン
(バイエルジャパン)、及びウルトラデュアー(BAS
Fエンジニアリングプラスチック)等があげられる。
【0020】1.9 ポリエチレン(PE)樹脂 PE樹脂はエチレンを主成分とする熱可塑性樹脂であ
る。本発明の摺動性樹脂組成物としてもちいるPE樹脂
としては、耐薬品性、引張強度、衝撃強度、耐熱性、耐
寒性、電気特性、耐水性に優れたものが望ましい。PE
樹脂の製造方法としては、高温、高圧下でフリーラジカ
ル発生剤をもちいる高圧法、低温、低圧下でチーグラー
触媒、フィリップス触媒、カミンスキー触媒等をもちい
る中圧法がある。PE樹脂は、製法、密度、分子量、分
子量分布、コモノマー、触媒等によって特徴づけられ、
高圧法低密度ポリエチレン(HP−LDPE)、高密度
ポリエチレン(HDPE)、中高密度ポリエチレン(M
DPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、
超低密度ポリエチレン(VLDPE)、超高分子量ポリ
エチレン(UHMW−PE)、エチレン−酢酸ビニル共
重合体(EVA)、エチレン−エチルアクリレート共重
合体(EEA)等と分類される。本発明の摺動性樹脂組
成物として用いるPE樹脂は、市販されているものでよ
く、例としては、NUC−FLX(UCC社)、ダウレ
ックス(ダウケミカル社)、スクレアー(デュポンカナ
ダ社)、マーレックス(フィリップス社)、スタミレッ
クス(DSM社)、エクセレンVL(住友化学)、ネオ
ゼックス(三井石油化学)、三菱ポリエチ−LL(三菱
油化)、日石リニレックス(日本石油化学)、NUCポ
リエチレン−LL(日本ユニカー)、出光ポリエチレン
L(出光石油化学)、TUFLIN(UCC社)、TU
FTHENE(日本ユニカー)、ウルトゼックス(三井
石油化学)、スタミレックス(DSM社)、ダウレック
ス(ダウケミカル社)、スクレアー (デュポンカナダ
社)、MORETEC (出光石油化学)、東燃高密度
ポリエチレンJ6311、J6211、J6170V、
J6150V、J6140V(東燃化学)、NUCモー
ルディング用高圧法低密度ポリエチレンNUC−804
2、DFDJ−6775、NUC−8505、NUC−
8506、NUC−8507、DND−2450、NU
C−8160、DFD−0111、DFD−0118、
NUC−8321、NUC−8122、NUC−834
2、NUC−8008、DFD−0148、NUC−8
332、NUC−8009(日本ユニカー)、NUCポ
リエチレンLL−モールディング用グレードNUCG−
5361、NUCG−5371、NUCG−5381、
NUCG−5382、NUCG−5385、NUCG−
5391、NUCG−5392、NUCG−5395
(日本ユニカー)、NUC−FLXA)超低密度ポリエ
チレンLL−モールディング用グレードDFDA−11
37、DFDA−1138、DEFD−1210、DE
FD−9042(日本ユニカー)等が挙げられる。
【0021】1.10 ポリプロピレン(PP)樹脂 PP樹脂はプロピレンを主成分とする熱可塑性樹脂であ
る。本発明の摺動性樹脂組成物としてもちいるPP樹脂
としては、透明性、耐薬品性、引張強度、衝撃強度、耐
熱性、耐寒性、電気特性、耐水性に優れたものが望まし
い。PP樹脂の製造方法としては、主にチーグラー触媒
(Ti系)を用い、50〜80℃、5〜35kg/cm
の温度・圧力下でプロピレンを重合する方法がある。
ランダムコポリマーはこの時少量のエチレン(または他
のα−オレフィン)を共存させて得られる。ブロックコ
ポリマーは、まずプロピレンホモポリマーを重合した
後、主にエチレンを重合することにより得られる。ま
た、これにEPM等のゴム類を溶融混練追加することも
広く行われている。無機質強化ポリプロピレン樹脂は、
重合で得られたポリプロピレン樹脂と、各種無機質を主
に押出機で溶融混練することにより作られる。本発明の
摺動性樹脂組成物として用いるPP樹脂は、市販されて
いるものでよく、例としては、三井ノーブレン(三井東
圧化学)、三菱ノーブレン(三菱油化)、住友ノーブレ
ン(住友化学工学)、チッソポリプロ(チッソ石油化
学)、三井石油化学ポリプロ(三井石油化学工業)、U
BEポリプロ(宇部興産)、ショウアロマー(昭和電
工)、徳山ポリプロ(徳山曹達)、東燃ポリプロ(東燃
石油化学)、出光ポリプロ(出光石油化学)、ノバテッ
ク−P(三菱化成工業)等が挙げられる。
【0022】1.11 エポキシ樹脂 エポキシ樹脂は1分子中に2個以上のオキシラン環を含
む化合物の総称であり、多くのグレードがあるが、ビス
フェノールAエポキシ樹脂に代表される熱硬化性樹脂で
ある。本発明の摺動性樹脂組成物としてもちいるエポキ
シ樹脂としては、透明性、耐薬品性、引張強度、衝撃強
度、耐熱性、耐寒性、電気特性、耐水性に優れたものが
望ましい。エポキシ樹脂は、典型的には、芳香族ジオー
ル(例えばビスフェノールA)とエピクロルヒドリンと
をアルカリの存在下に反応させることにより得られる樹
脂であるが、本発明においては、エポキシ当量170〜
5000のビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェ
ノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ
樹脂が好ましい。このようなエポキシ樹脂は市販されて
おり、例えば商品名エポミック(三井石油化学工業
(株))、エピクロン(大日本インキ化学工業
(株))、スミエポキシ(住友化学工業(株))等を挙
げることができ、本発明において好ましく用いることが
できる。
【0023】1.12 ポリアミド樹脂 ポリアミド樹脂は、典型的には、ジアミンとジカルボン
酸との重縮合、あるいはカプロラクタムの開環重合等に
より得られる樹脂であるが、本発明においては、脂肪族
ジアミンと脂肪族または芳香族ジカルボン酸の重縮合反
応物が好ましい。このようなポリアミド樹脂は市販され
ており、例えば商品名レオナ(旭化成工業(株))、ザ
イテル(デュポン ジャパン リミテッド)等を挙げる
ことができ、本発明において好ましく用いることができ
る。
【0024】1.13 ポリフェニレンオキシド樹脂 ポリフェニレンオキシド樹脂は、典型的には、2,6−
ジメチルフェノールを銅触媒の存在下に酸化カップリン
グさせることにより得られる樹脂であるが、この樹脂に
他の樹脂をブレンドする等の手法により変成した変成ポ
リフェニレンオキシド樹脂も、本発明において用いるこ
とができる。本発明においては、スチレン系ポリマーの
ブレンド変成物が好ましい。このようなポリフェニレン
オキシド樹脂は市販されており、例えば商品名ザイロン
(旭化成工業(株))、ユピエース(三菱エンジニアリ
ングプラスチックス(株))等を挙げることができ、本
発明において好ましく用いることができる。
【0025】1.14 ポリイミド樹脂 ポリイミド樹脂は、典型的には、テトラカルボン酸とジ
アミンとを重縮合させ、主骨格にイミド結合を生成させ
て得られる樹脂であるが、本発明においては、無水ピロ
メリット酸とジアミノジフェニルエーテルから形成され
るものが好ましい。このようなポリイミド樹脂は市販さ
れており、例えば商品名ベスペル(デュポン ジャパン
リミテッド)等を挙げることができ、本発明において
好ましく用いることができる。
【0026】1.15 熱硬化性不飽和ポリエステル樹
脂 熱硬化性不飽和ポリエステル樹脂は、脂典型的には、脂
肪族不飽和ジカルボン酸と脂肪族ジオールとをエステル
化反応させることにより得られる樹脂であるが、本発明
においては、マレイン酸やフマル酸等の不飽和ジカルボ
ン酸と、エチレングリコールやジエチレングリコール等
のジオールとをエステル化反応して得られる樹脂が好ま
しい。このような熱硬化性不飽和ポリエステル樹脂は市
販されており、例えば商品名リゴラック(昭和高分子
(株))、スミコン(住友ベークライト(株))等を挙
げることができ、本発明において好ましく用いることが
できる。
【0027】1.16 フェノール樹脂 フェノール樹脂本発明は、いわゆるノボラック型および
レゾール型いずれをも包含するが、ヘキサメチレンテト
ラミンで硬化させるノボラック型やジメチレンエーテル
結合を主体とする固形レゾールが好ましい。このような
フェノール樹脂は市販されており、例えば商品名スミコ
ンPM(住友ベークライト(株))、ニッカライン(日
本合成化学工業(株))等を挙げることができ、本発明
において好ましく用いることができる。
【0028】2.摺動性改良剤(B) 本発明において摺動性改良剤(B)とは、オルガノポリ
シロキサンオイル(シリコーンオイル)、アミノ基、エ
ポキシ基、メルカプト基、カルボキシ基等の官能基を有
するシリコーンオイル、フッソ樹脂、シリコーンパウダ
ー、シリコーン樹脂、シリコーングラフトポリエステ
ル、ポリエーテル変性ポリシロキサン、エチレン性不飽
和カルボン酸(無水物)変性ポリエチレン、高級アルコ
ール、高級脂肪酸、ワックス及びポリオレフィン変性ポ
リシロキサンの1種又は2種以上から選択されたもので
あり、特にポリオレフィン変性ポリシロキサンが好まし
い。
【0029】3.ポリオレフィン変性ポリシロキサン
(C) 本発明において、ポリオレフィン変性ポリシロキサン
(C)は、特に好ましい摺動性改良剤である。ポリオレ
フィン変性ポリシロキサン(C)とは、分子内にポリオ
レフィン単位とポリシロキサン単位を有する共重合体で
ある。ポリオレフィン変性ポリシロキサンは公知の製造
方法で製造可能である。例えば、 イ.α−オレフィンとSi−H結合含有ポリシロキサン
とのヒドロシリル化反応。 ロ.ポリオレフィン系樹脂とオルガノポリシロキサンと
を加熱混練によるグラフト化等で製造可能である。これ
らの製法については、特開平1−217040号、特開
平1−278533号、特開平1−318005号、特
開平2−55752号、特開平2−64115号、特開
平2−150441号、特開平3−21611号、特開
平3−21612号、特開平2−171142号等に詳
細に説明されている。特に好ましいものは、ポリオレフ
ィン系樹脂とオルガノポリシロキサンとを加熱混練によ
りグラフト化したもので、SILGRAFT150、同
210、同310、同250(以上、日本ユニカー
(株)製)として市販されているものが使用可能であ
る。
【0030】4.摺動性樹脂組成物 本発明の摺動性樹脂組成物は摺動性改良剤をベース樹脂
に配合したものであるが、配合方法は限定されず、従来
公知の練り混み押出、溶融混合等の方法により配合可能
である。摺動性改良剤の配合量は限定されないが、好ま
しくは摺動性樹脂組成物中において0.1〜80重量%
で更に好ましくは1〜40重量%である。この範囲より
少ないと、摺動性が充分改良されない場合があり、この
範囲より多いと、ベース樹脂の表面外観、耐衝撃性等の
各種特性が損なわれる場合があるのでそれぞれ好ましく
ない。本発明の摺動性樹脂組成物は、ベース樹脂にポリ
オレフィン変性ポリシロキサンをバンバリーミキサー、
加圧ニーダー、二軸押出機、ブスコニーダー、ヘンシェ
ルミキサー、ロールニーダー等を用いる通常の混練法で
製造できる。また、上記の各種添加剤を更にこのとき同
時に混合しても良いし、ベース樹脂とポリオレフィン変
性ポリシロキサンの混合後に混合しても良い。また、各
種添加剤は予めベース樹脂との高濃度マスターバッチを
製造し、添加しても良い。これらのベース樹脂には、通
常、各種添加剤が配合されている。例えば、難燃剤、酸
化防止剤、紫外線吸収剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、難
燃剤、充填剤、着色剤、カーボンブラック、架橋剤、滑
剤、加工性改良剤、耐熱剤、耐候剤、離型剤、結晶核
剤、可塑剤、流動性改良剤、帯電防止剤核剤、着色剤、
充填剤、補強剤等である。
【0031】5.摺動性成型物の成形方法 本発明の摺動性成型物の成形方法としては、熱可塑性樹
脂と熱硬化性樹脂の違いにより、押出成形方法、射出成
形方法、真空成形方法、ブロー成形方法、圧縮形成方
法、トランスファー成形方法、RIM成形法、注型成形
法等の、広く一般的に熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂
に用いられている成形方法を採用することができ、自動
車のガラスランチャンネル、ピストンシール、ダストブ
ーツ、ピストンカップ、ウェザーストリップ部材、ショ
ツクアブソーバーのダストカバー、ステアリング系にお
けるラック・アンド・ピニオンブーツ、ドライブ系にお
ける等速ジョインドーツ、ワイパーブレード;機械部品
である歯車、回転軸受、直動ベアリング部材、シャフ
ト、シリンダー、カム、レバー、キーステム、ラチェッ
ト、ローラ、ボール、スクリュー、ガイド、スライド
等;油圧装置やコンプレッサー用のブッシュ、ピストン
リンク、シーリング等;VTRテープのリール、VTR
リールハブ、CDプレイヤーのCDトレー部;高周波コ
ネクター用インシュレーター、磁気テープガイド、オー
ディオカセット;OA機器記録媒体・記録装置部品、複
写機・ファクシミリ・コンピューター等の印刷紙と接触
する部品;プリンター・テレビ・ステレオ・コンピュー
ター等各種機器のハウジング・エンクロージャー・シャ
ーシー等;各種機器の回転台;冷蔵庫内装材;建築材料
部品等を作ることができる。また、上記樹脂が熱硬化性
樹脂の場合、本発明の成形用摺動性樹脂組成物は、硬化
剤を含有していてもよいし、硬化剤を含有せずに成形時
に硬化剤を添加混合してもよい。
【0032】6.摺動係数 本発明の摺動性樹脂組成物は摺動係数が10〜6000
であることが必須である。摺動係数がこの数値範囲を外
れたものは、摺動性成形物として使用できない。ここ
で、摺動係数とは、次式から導かれる係数である。
【0033】摺動係数=(耐摩耗率)×(摩擦係数低下
率)/{(摺動性改良剤の配合量(重量%))×(曲げ
強さ低下率)} (但し、耐摩耗率、摩擦係数低下率、摺動性改良剤の配
合量(重量%)、曲げ強さ低下率等は下記の様に定義す
る。 耐摩耗率: 100×{ベース樹脂の摩耗量−摺動性樹脂組成物(ベ
ース樹脂+摺動性改良剤)の摩耗量}/ベース樹脂の摩
耗量 摩耗量:テーパー摩耗試験器((株)東洋精機製作所
製)でCS−10砥石を用い500g加重にて200回
研磨し、その減量を測定。 摩擦係数低下率:摺動性樹脂組成物(ベース樹脂+摺動
性改良剤)の静摩耗係数/ベース樹脂の静摩擦係数 静摩耗係数:摩擦測定器TR型((株)東洋精機製作所
製)を用い、0.5mmシート試験片で測定。 曲げ強さ低下率:100×摺動性樹脂組成物(ベース樹
脂+摺動性改良剤)の曲げ強さ/ベース樹脂の曲げ強さ 曲げ強さ:ASTMD790に準拠して測定。
【0034】
【実施例】以下、実施例により更に本発明を詳細に説明
するが、本発明の主旨を越えない限り、これらに限定さ
れるものではない。表1〜6記載のベース樹脂と摺動性
改良剤とを東芝機械(株)製の二軸押出機を用い、スク
リュー回転数200rpm、バレル温度270〜280
℃の押出し条件にて、押出しを行ない、所定長さに切断
してペレットを製造した。このように製造されたペレッ
トを用い、ホットプレスにて下記の条件で測定用シート
を作成した。 ・予熱/加圧温度:190/190℃ ・成形圧力 :14.7MP ・予熱/加圧温度:6/3分 ・冷却時間 :4分 ・シートの厚み :0.5mm ・離型紙 :50μ厚みPET また、これらのペレットを用い、東洋機械金属(株)製
の80t射出成形機により静磨耗係数以外の試験片を成
形した。成形条件は、バレル温度260℃、金型温度5
0℃に設定した。他の物性測定も、この試験片を使用し
た。これらの物性を測定し摺動係数を求め、実施例の結
果を表1〜5に、比較例の結果を表6に記載した。 評価結果:実施例1〜25の摺動性改良剤としてポリオ
レフィン変性ポリシロキサンを使用した成形品の摺動係
数は、実施例2のベース樹脂がポリプロピレンの場合が
1番数値が低いが18であり、実施例19のベース樹脂
がポリイミド樹脂の場合が1番数値が高いが5,841
であり、本発明の請求項の数値範囲である10〜6,0
00の範囲に収まっており、摺動性に優れた成形品を提
供できることを示している。これに対して、比較例1〜
3は、摺動性改良剤としてフッ素樹脂を使用し、ベース
樹脂としてABS樹脂を使用しているが、摺動係数は
0.45〜0.93であり、本発明の請求項の数値範囲
である10〜6,000の範囲の下限に達して無く、そ
の原因は耐磨耗率の数値が5〜25と低く、ベース樹脂
のABS樹脂とフッ素樹脂との組み合わせは、摺動性に
優れた成形品を提供できないことを示している。また、
比較例4は、摺動性改良剤として無水マレイン酸変性ポ
リオレフィンを使用し、ベース樹脂としてポリイミド樹
脂を使用しているが、摺動係数は8,500であり、本
発明の請求項の数値範囲である10〜6,000の範囲
の上限を超えており、その原因は曲げ強さ低下率の数値
が1.5%と低く、摩擦係数低下率が75と高いので、
ベース樹脂のポリイミド樹脂と無水マレイン酸変性ポリ
オレフィンとの組み合わせは、得られた成形品は摺動性
部材として適さないことを示している。同様に、比較例
5は、摺動性改良剤として無水マレイン酸変性ポリオレ
フィンを使用し、ベース樹脂としてポリアセタール樹脂
を使用しているが、摺動係数は7,435であり、本発
明の請求項の数値範囲である10〜6,000の範囲の
上限を超えており、その原因は曲げ強さ低下率の数値が
2.3%と低く、摩擦係数低下率が95と高いので、ベ
ース樹脂のポリアセタール樹脂と無水マレイン酸変性ポ
リオレフィンとの組み合わせは、得られた成形品は摺動
性部材として適さないことを示している。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】
【表5】
【0040】
【表6】
【0041】
【発明の効果】本発明は、特定のポリオレフィン変性ポ
リシロキサンを摺動性改良剤として使用しているため、
各種合成樹脂本来の表面外観、耐衝撃性等の各種特性を
損なわず、摺動性改良剤のブリードがなく、摺動性が改
善すされた摺動性成形材を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 69/00 C08L 69/00 71/10 71/10 79/08 79/08 83/10 83/10 C10M 169/04 C10M 169/04 // C08L 25/06 C08L 25/06

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベース樹脂(A)及び摺動性改良剤
    (B)からなり、かつ下記の式で表される摺動係数が1
    0〜6000の範囲であることを特徴とする摺動性樹脂
    組成物。 摺動係数=(耐摩耗率)×(摩擦係数低下率)/{(摺
    動性改良剤の添加率)×(曲げ強さ低下率)}
  2. 【請求項2】 摺動性改良剤(B)が、ポリオレフィン
    変性ポリシロキサン(C)であることを特徴とする請求
    項1に記載の摺動性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 ポリオレフィン変性ポリシロキサン
    (C)が、ポリオレフィン系樹脂とオルガノポリシロキ
    サンとを加熱混練し、両者をグラフトして得た混練物で
    あることを特徴とする請求項2に記載の摺動性樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】 ベース樹脂(A)が、ポリアセタール又
    はABSであることを特徴とする請求項1に記載の摺動
    性樹脂組成物。
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