JP2012158630A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】発色性だけでなく耐傷付き性に優れ、さらには金型汚染による成形不良が発生しないことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物及び成形品を提供すること。
【解決手段】ゴム状重合体の存在下に芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体を含む群より選ばれる少なくとも一種の単量体をグラフト共重合させたグラフト共重合体(A)15〜50重量部、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体を含む群より選ばれる少なくとも一種の単量体を共重合させた(共)重合体(B)5〜65重量部を含む樹脂組成物100重量部に対して、オレフィン系共重合体に反応性ポリオルガノシロキサンをグラフト重合したシリコーン化合物(C)を0.1〜10重量部含むことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、発色性だけでなく耐傷付き性に優れ、さらには金型汚染による成形不良が発生しないことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物、及びその成形品に関するものである。
従来より、スチレン系樹脂は、良好な成形加工性と機械的特性バランスを有し、電気絶縁性に優れていることから、電気・電子機器分野、OA機器分野などの広範な分野で用いられている。しかしながら、製品化の段階において、樹脂を成形して得られた成形品を、例えば組み立てラインまで輸送する際、細かな擦過傷を防止する目的で柔らかい不織布等で前記成形品を一つずつ梱包する場合があるため、多大な手間とコストが必要とされる。
また、樹脂製品に様々な意匠を付与したり、使用時の製品の傷付きを防止する目的で、製品に全塗装又は部分塗装を施す場合がある。しかしながら、塗装処理は塗装不良による生産の歩留まり低下を生じやすいという問題点がある。また、近年のVOC排出抑制の流れから、できるだけ塗装処理を施すことなく、鮮やかな色又は深みのある色に着色したり、金属調又はパール調の外観を持たせること等ができるように、意匠性を付与しやすく、且つ傷の付きにくい樹脂が望まれている。
特定の構造を持つスチレン系樹脂にポリエチレンワックス又はシリコーンオイルを適量添加することにより、耐傷付き性を向上させる方法が知られている(特許文献1)。しかしながら、近年、高品位な外観を必要とする用途には、発色性が悪く適さない。さらに、シリコーンオイルがブリードアウトし、金型汚染性に劣るという問題がある。また、シリコーンオイルと共に相溶化剤を用いることで、ブリードアウトせず、耐傷付き性を改善できる方法が開示されている(特許文献2)。しかし、発色性が未だ不十分である。
特開2000−119477号公報
特開2001−40160号公報
本発明の目的は、耐傷付き性だけでなく発色性に優れ、さらには金型汚染による成形不良が発生しないことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物、およびその成形品を提供することにある。
本発明者らは、従来技術の問題点を解決するために鋭意検討した結果、特定の単量体がグラフトしているグラフト共重合体、及び特定の単量体が重合している共重合体を含む樹脂組成物に対して、特定構造を持つシリコーン化合物を含有させることにより上記目的を達成できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、ゴム状重合体の存在下に芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体およびその他の共重合可能な単量体からなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体をグラフト共重合させたグラフト共重合体(A)15〜50重量部、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体およびその他の共重合可能な単量体からなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体を共重合させた(共)重合体(B)50〜85重量部を含む樹脂組成物100重量部に対して、オレフィン系共重合体に反応性ポリオルガノシロキサンをグラフト重合したシリコーン化合物(C)を0.1〜10重量部含むことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物および該樹脂組成物を用いて得られる成形品に係る。
本発明により、耐傷付き性だけでなく発色性に優れ、さらには金型汚染による成形不良が発生しないことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物、およびその成形品を得ることが出来る。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明に使用される熱可塑性樹脂組成物は、ゴム状重合体の存在下に芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体およびその他の共重合可能な単量体からなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体をグラフト共重合させたグラフト共重合体(A)15〜50重量部、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体およびその他の共重合可能な単量体からなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体を共重合させた(共)重合体(B)50〜85重量部を含む樹脂組成物100重量部に対して、オレフィン系共重合体に反応性ポリオルガノシロキサンをグラフト重合したシリコーン化合物(C)を0.1〜10重量部含むことを特徴とする。
本発明に使用されるグラフト共重合体(A)に用いられるゴム状重合体としては、特に制限はないが、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)ブロックコポリマー、スチレン−(エチレン−ブタジエン)−スチレン(SEBS)ブロックコポリマー、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、ブチルアクリレート−ブタジエン等のジエン系ゴム、アクリル酸ブチルゴム、ブタジエン−アクリル酸ブチルゴム、アクリル酸2−エチルヘキシル−アクリル酸ブチルゴム、メタクリル酸2−エチルヘキシル−アクリル酸ブチルゴム、アクリル酸ステアリル−アクリル酸ブチルゴム、ポリオルガノシロキサン−アクリル酸ブチル複合ゴム等のアクリル系ゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム等のポリオレフィン系ゴム重合体、ポリオルガノシロキサン系ゴム等のシリコン系ゴム重合体が挙げられ、これらは、1種または2種以上用いることができる。特に、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリル酸ブチルゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴムが好ましい。
グラフト共重合体(A)で用いられるゴム状重合体は物性バランスの観点から、グラフト共重合体(A)100重量部中に30〜85重量部含まれていることが好ましく、40〜75重量部含まれていることがより好ましい。
グラフト共重合体(A)で用いられるゴム状重合体の重量平均粒子径は、物性バランスおよび発色性の観点から、好ましくは0.05〜2.0μm、より好ましくは0.1〜1.0μmである。
グラフト共重合体(A)に用いられる芳香族ビニル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレン及びジメチルスチレン等を例示でき、1種又はそれ以上用いることができる。芳香族ビニル系単量体として、特にスチレンが好ましい。
グラフト共重合体(A)に用いられるシアン化ビニル系単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、フマロニトリル等を例示でき、1種又はそれ以上用いることができる。シアン化ビニル系単量体として、特にアクリロニトリルが好ましい。
グラフト共重合体(A)に用いられる(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、4−t−ブチルフェニル(メタ)アクリレート、ブロモフェニル(メタ)アクリレート、ジブロモフェニル(メタ)アクリレート、2,4,6−トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、モノクロルフェニル(メタ)アクリレート、ジクロルフェニル(メタ)アクリレート、トリクロルフェニル(メタ)アクリレート等を例示でき、1種又はそれ以上用いることができる。(メタ)アクリル酸エステル系単量体として、特にメチルメタアクリレートが好ましい。
耐傷付き性および発色性の観点から、グラフト共重合体(A)のグラフト共重合に用いられる単量体の合計量を100重量部とした場合に、(メタ)アクリル酸エステル系単量体は50重量部以上含まれていることが好ましく、70重量部以上含まれていることがより好ましい。
また、グラフト共重合体(A)に用いられるその他の共重合可能な単量体としては、例えば、マレイミド系単量体(例えば、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等)、不飽和カルボン酸またはその無水物(例えば、アクリル酸、メタクリル酸及びマレイン酸無水物等)、及びアミド系単量体(例えば、アクリルアミド及びメタクリルアミド等)等を使用することができ、それぞれ1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明に使用されるグラフト共重合体(A)は樹脂組成物100重量部中に15〜50重量部含まれていることが必要である。15重量部よりも少ないと耐衝撃性が低下し、50重量部よりも多いと耐傷付き性および流動性が低下する。好ましくは20〜45重量部である。
グラフト共重合体(A)の重合方法については特に制限はなく、乳化重合、懸濁重合、塊状重合、溶液重合またはこれらの組み合わせにより製造することができる。
本発明に使用される(共)重合体(B)は芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体およびその他の共重合可能な単量体を含む群から選択される1種以上の単量体を重合することで得られる(共)重合体であるが、用いられる単量体はグラフト共重合体(A)で用いられる例として述べられている各単量体と同様のものを用いることが出来る。
耐傷付き性および発色性の観点から、(メタ)アクリル酸エステル系単量体は(共)重合体(B)100重量部中に50重量部以上含まれていることが好ましく、70重量部以上含まれていることがより好ましい。
本発明に使用される(共)重合体(B)は樹脂組成物100重量部中に50〜85重量部含んでいることが必要である。50重量部よりも少ないと耐傷付き性が低下し、85重量部よりも多いと耐衝撃性が低下する。好ましくは10〜45重量部である。
(共)重合体(B)の重合方法については特に制限はなく、公知の乳化重合、懸濁重合、塊状重合、溶液重合またはこれらの組み合わせにより製造することができる。
本発明で使用されるシリコーン化合物(C)はオレフィン系共重合体に反応性ポリオルガノシロキサンをグラフト重合した化合物である。
シリコーン化合物(C)に用いられる、反応性ポリオルガノシロキサンとは、分子側鎖もしくは分子末端に反応性基を有するポリオルガノシロキサンのことである。反応性基として、ヒドロキシ基、アミノ基、アミノアルキル基、カルボキシル基、エポキシ基、グルシジルオキシアルキル基、(メタ)アクリロイル基、メルカプト基などが例示される。
代表的なポリオルガノシロキサンとしては、例えば、ポリジメチルシロキサンなどのポリジアルキルシロキサン、ポリメチルビニルシロキサンなどのポリアルキルアルケニルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサンなどのポリアルキルアリールシロキサン、ポリジフェニルシロキサンなどのポリジアリールシロキサン、ポリメチルハイドロジェンシロキサンなどのポリアルキルハイドロジェンシロキサンなどが例示される。
これらのうち、好ましいポリオルガノシロキサンとしては、ポリジアルキルシロキサン(特にポリジメチルシロキサン)、ポリアルキルアリールシロキサン(ポリメチルフェニルシロキサン)が挙げられる。
シリコーン化合物(C)に用いられるオレフィン系共重合体としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンエチルアクリレート共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンメタクリル酸メチル共重合体、エチレンビニルアルコール共重合体などが例示される。
本発明に用いられるシリコーン化合物(C)はオレフィン系共重合体に反応性ポリオルガノシロキサンをグラフト重合した化合物である。オレフィン系共重合体に反応性ポリオルガノシロキサンをグラフトする際には、架橋剤や反応停止剤を用いることが出来る。反応性ポリオルガノシロキサンとオレフィン系共重合体の割合は特に制限は無いが、反応性ポリオルガノシロキサンがシリコーン化合物(C)100重量部中に20〜80重量部含まれていることが好ましく、30〜70重量部含まれていることが特に好ましい。
本発明に使用されるシリコーン化合物(C)の使用量は樹脂組成物100重量部に対して、0.1〜10重量部である。0.1重量部よりも少ないと耐傷付き性が不十分であり、10重量部を超えると発色性に劣る結果となる。好ましくは0.1〜3重量部である。
本発明における熱可塑性樹脂組成物は、必要に応じて各種添加剤、例えば公知の酸化防止剤、光安定剤、滑剤、可塑剤、帯電防止剤、着色剤、難燃剤、艶消し剤、充填剤、ガラス繊維等を適宜添加することができる。
本発明における熱可塑性樹脂組成物は単独で使用できるが、必要に応じて他の熱可塑性樹脂と混合して使用することもできる。このような他の熱可塑性樹脂として、例えば、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ乳酸樹脂等を使用することができる。
本発明における熱可塑性樹脂組成物は、上述の成分を混合することで得ることができる。混合するために、例えば、押出し機、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー等の公知の混練装置を用いることができる。
さらに、本発明における熱可塑性樹脂組成物は、公知の成形方法、例えば押出成型、射出成形、ブロー成形及びプレス成形等により成形することができ、種々の成形品を製造することができる。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら制限されるものではない。なお、実施例中にて示す「部」および「%」は重量に基づくものである。
<実施例1〜8及び比較例1〜7>
表1及び表2に示す組成割合のグラフト共重合体(A)、共重合体(B)およびシリコーン化合物(C)に対して、着色剤としてSumiplast Black HB(住友化学株式会社製)を1.0部混合した。ベント付50mm単軸押出機(オーエヌ機械製)を用い、シリンダー温度210℃にて溶融混合し、ペレット化することによって、黒色に着色されたペレットを得た。なお、表1及び表2で示す各成分は以下の通りである。
グラフト共重合体(A)
グラフト共重合体(A−1):窒素置換した反応器にスチレン−ブタジエンゴムラテックス(スチレン5重量%、重量平均粒子径0.25μm)50部(固形分)、水150部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.1部、硫酸第1鉄0.001部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.3部を入れ、60℃に加熱後、スチレン35部、アクリロニトリル15部およびキュメンハイドロパーオキサイド0.2部からなる混合物を3時間に亘り連続的に添加し、更に60℃で2時間重合した。その後、塩析・脱水・乾燥後、グラフト共重合体(A−1)を得た。得られたグラフト共重合体のグラフト率およびアセトン可溶成分の固有粘度はそれぞれ50%および0.53dl/gであった。
グラフト共重合体(A−2):窒素置換した反応器にスチレン−ブタジエンゴムラテックス(スチレン5重量%、重量平均粒子径0.25μm)50部(固形分)、水150部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.1部、硫酸第1鉄0.001部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.3部を入れ、60℃に加熱後、スチレン15部、メタクリル酸メチル35部およびキュメンハイドロパーオキサイド0.2部からなる混合物を3時間に亘り連続的に添加し、更に60℃で2時間重合した。その後、塩析・脱水・乾燥後、グラフト共重合体(A−2)を得た。得られたグラフト共重合体のグラフト率およびアセトン可溶成分の固有粘度はそれぞれ50%および0.50dl/gであった。
グラフト共重合体(A−3):窒素置換した反応器にスチレン−ブタジエンゴムラテックス(スチレン5重量%、重量平均粒子径0.25μm)50部(固形分)、水150部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.1部、硫酸第1鉄0.001部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.3部を入れ、60℃に加熱後、スチレン12部、アクリロニトリル5部、メタクリル酸メチル33部およびキュメンハイドロパーオキサイド0.2部からなる混合物を3時間に亘り連続的に添加し、更に60℃で2時間重合した。その後、塩析・脱水・乾燥後、グラフト共重合体(A−3)を得た。得られたグラフト共重合体のグラフト率およびアセトン可溶成分の固有粘度はそれぞれ50%および0.49dl/gであった。
共重合体(B)
共重合体(B−1):公知の塊状重合法により、スチレン75重量部、アクリロニトリル25重量部からなる共重合体(B−1)を得た。
共重合体(B−2):公知の塊状重合法により、スチレン30重量部、メタクリル酸メチル70重量部からなる共重合体(B−2)を得た。
シリコーン化合物(C)
シリコーン化合物(C−1):BY27−219(東レ・ダウコーニング株式会社製)
エチレンメタクリル酸メチル共重合体に反応性ポリオルガノシロキサンをグラフト重合したシリコーン化合物。
シリコーン化合物(C−2):BY27−202H(東レ・ダウコーニング株式会社製)
低密度ポリエチレンに反応性ポリオルガノシロキサンをグラフト重合したシリコーン化合物。
シリコーン化合物(C−3):BY27−220(東レ・ダウコーニング株式会社製)
エチレン酢酸ビニル共重合体に反応性ポリオルガノシロキサンをグラフト重合したシリコーン化合物。
シリコーン化合物(C−4):SH200−100CS(東レ・ダウコーニング株式会社製)
ジメチルシリコーンオイル。粘度:100mm/s
シリコーン化合物(C−5):BY27−007(東レ・ダウコーニング株式会社製)
超高分子量ジメチルシリコーンポリマーとABS樹脂を溶融混練(グラフト化していない)することによって作られたペレット(シリコーン含有量50%)。
<試験例>
各実施例及び比較例で得られた着色ペレットを用いて、以下の評価に供した。その結果を表1及び表2にそれぞれ示す。
(1)発色性
JIS−Z8729に準拠した色相測定により成形品の明度(L*)を測定し発色性の尺度とした。(成形品の明度(L*)が小さい方が成形品の漆黒性が優れているため、結果として同一着色剤を同量添加した際の発色性に優れる)上記成形品としては、各実施例及び比較例で得られた着色ペレットを用い、射出成形機(日本製鋼所製 J−150EP シリンダー温度:200℃ 金型温度:80℃)にて成形された成形品(150mm×120mm×3mm)を用いた。分光光度計は、(株)村上色彩研究所社製 CMS−35SPを用いた。
(2)耐傷付き性
往復磨耗試験機(新東科学株式会社製、製品名 トライボギア TYPE:30S)を用い、先端部が直径27mmの圧子にかなきん3号の綿布をセットし、500gの一定荷重下で、成形品表面を20往復(速度600mm/分)摩擦した。上記成形品としては、前記(1)で用いた成形品と同じものを使用した。試験後、目視にて成形品の表面の傷を確認し、下記の判定により耐傷付き性の評価を行った。
傷が全く見られない:◎
傷がほとんど見られない:○
傷がかすかに見られる:△
傷が明確に見られる:×
(3)金型汚染性
各実施例及び比較例で得られた着色ペレットを用い、日本製鋼所製J−150EPを用いシリンダー設定温度240℃、金型温度50℃、成形サイクル30秒にて、平板試験片(縦150mm、横150mm、厚さ3mm)を1000ショット射出成形後、下記の判定により金型汚染性の評価を行った。
金型表面に変化が見られない:○
金型表面に曇りが見られる:△
金型表面が極めて汚れ、成形品の外観が悪い:×
(4)耐衝撃性
各実施例及び比較例で得られた着色ペレットを用いISO試験方法294に準拠して各種試験片を成形し、耐衝撃性を測定した。
耐衝撃性はISO179に準拠し、4mm厚みで、ノッチ付きシャルピー衝撃値を測定した。単位:kJ/m
(5)流動性
各実施例及び比較例で得られた着色ペレットを用い、ISO1133に準拠して、220℃、10kg荷重の条件でメルトボリュームフローレイトを測定した。単位;cm/10分
表1に示すように、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、耐傷付き性に優れるだけでなく、発色性および金型汚染性に優れることが分かる。特に、グラフト共重合体(A)、(共)重合体(B)にアクリル酸エステル系単量体を用いた場合は、特に発色性と耐傷付き性が優れる結果となった。
表2に示すように、特定構造を持つシリコーン化合物を用いていない比較例1〜3は耐傷付き性に劣る。また、シリコーンオイルを用いた比較例6では耐傷付き性は良いが、シリコーンオイルがブリードアウトして成形時に金型汚染を引き起こしてしまった。シリコーンポリマーとABSをブレンドして得られたペレットを用いた比較例7では、耐傷付き性や物性バランスは良いが、発色性と金型汚染性が劣った。グラフト共重合体(A)の使用量が少ない比較例4は耐衝撃性と流動性の物性バランスが劣り、使用量が多い比較例5は耐傷付き性と、耐衝撃性と流動性の物性バランスに劣った。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記の優れた特性を活かして、電気・電子機器分野、OA機器分野などをはじめとした広範な分野で利用することができる。特に優れた物性バランスと発色性、耐傷付き性を両立させる用途に好適である。

Claims (2)

  1. ゴム状重合体の存在下に芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体およびその他の共重合可能な単量体からなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体をグラフト共重合させたグラフト共重合体(A)15〜50重量部、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体およびその他の共重合可能な単量体からなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体を共重合させた(共)重合体(B)50〜85重量部を含む樹脂組成物100重量部に対して、オレフィン系共重合体に反応性ポリオルガノシロキサンをグラフト重合したシリコーン化合物(C)を0.1〜10重量部含むことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物から得られることを特徴とする樹脂成形品
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