JPH11278519A - 液切れ性に優れた注出口付き樹脂キャップ - Google Patents

液切れ性に優れた注出口付き樹脂キャップ

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JPH11278519A
JPH11278519A JP10086565A JP8656598A JPH11278519A JP H11278519 A JPH11278519 A JP H11278519A JP 10086565 A JP10086565 A JP 10086565A JP 8656598 A JP8656598 A JP 8656598A JP H11278519 A JPH11278519 A JP H11278519A
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pouring port
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裕昭 菊地
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裕 高橋
Sumio Tsuji
澄夫 辻
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた液切れ性及びその持続性と衛生的特性
との組合せを有し、しかも密封性能や開栓性能にも優れ
た注出口付きキャップを提供するにある。 【解決手段】 注出口付き樹脂キャップにおいて、少な
くとも注出口の部分がシリコーン基準で0.2重量%以
上のシリコーン系樹脂を配合したオレフィン系樹脂で形
成されていることを特徴とする注出口付き樹脂キャッ
プ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、容器の口部に装着して
使用する注出口付きキャップに関するもので、より詳細
には、優れた液切れ性及びその持続性と衛生的特性との
組合せを有し、しかも密封性能や開栓性能にも優れた注
出口付きキャップに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、容器の口部に装着して使用する注
出口付きキャップとしては、キャップ本体(中蓋)の口
壁に設けられた開口予定部と、開口予定部の周囲から上
方に延びている注出口と、この注出口を開閉可能に覆う
外蓋とから成るものが知られている。
【0003】この注出口付きキャップでは、内容物の注
出に際して、注出口における液切れ性が不十分であり、
注出口に残留した内容物が外部に垂れたり、或いは残留
した内容物が凝固し、或いはこれにダスト類が付着した
りして不衛生となるという問題を有している。
【0004】この問題を解決するために、特開平2−1
40249号公報には、ポリエチレンまたはポリプロピ
レンに脂肪酸アミドまたは脂肪酸エステル系の滑剤を
0.1乃至0.5重量%添加したことを特徴とする容器
形成用合成樹脂が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した滑剤の配合で
は、ポリエチレン或いはポリプロピレン中の滑剤がキャ
ップ表面に移行し、滑剤が有する撥水性により液切れ性
を向上させようとするものであるが、滑剤による滑り性
の増加により密封性能が低下する傾向がある。即ち、キ
ャップ本体の締結解除トルクが小さくなり過ぎて、密封
性が低下すると共に、外蓋の開栓時にキャップ本体が共
回りして、開栓性能が低下する傾向がある。また、外蓋
の締結時に、外蓋を開栓方向とは逆方向に旋回した場
合、キャップ本体と外蓋との間のトルク(オーバーター
ントルクという)が小さいとネジを乗り越えて回転を生
じるという不都合も生じやすい。
【0006】更に、注出口付き樹脂キャップでは、内容
物の注出がかなりの回数にわたって反復されるので、液
切れの効果が持続しないという問題もある。
【0007】従って、本発明の目的は、優れた液切れ性
及びその持続性と衛生的特性との組合せを有し、しかも
密封性能や開栓性能にも優れた注出口付きキャップを提
供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、注出口
付き樹脂キャップにおいて、少なくとも注出口の部分が
シリコーン基準で0.2重量%以上のシリコーン系樹脂
を配合したオレフィン系樹脂で形成されていることを特
徴とする注出口付き樹脂キャップが提供される。前記注
出口の表面は純水で95゜以上の接触角を有することが
好ましい。本発明の一つの態様では、注出口付きキャッ
プが、キャップ本体(中蓋)の口壁にスコアを介して設
けられた開口予定部と、開口予定部の周囲から上方に延
びている注出口と、この注出口を開閉可能に覆う外蓋と
から成るものであり、注出口を形成するオレフィン系樹
脂中のシリコーン系樹脂の配合量がシリコーン基準で
2.5重量%以下である。本発明に用いる高分子量シリ
コーンオイルは100,000以上の重量平均分子量
(300,000cst以上の動粘度)を有するもので
あることが好ましい。また、シリコーン共重合体中のシ
リコーン変性率は40〜60重量%であるものが望まし
い。
【0009】
【発明の実施の形態】[作用]オレフィン系樹脂にシリ
コーン系樹脂を配合し、これをキャップに成形すると、
表面に高分子量のシリコーンオイル乃至シリコーン共重
合体の層が優先的に分布した成形体が得られることが分
かった。
【0010】この多層分布構造の成形体における断面構
造を、シリコーン成分染色後、透過型電子顕微鏡で観察
すると、オレフィン系樹脂中に分散しているシリコーン
成分に比して表面に分布しているシリコーン成分の量が
はるかに多いという事実が明らかとなる。
【0011】本発明のキャップでは、シリコーン成分が
表面に優先的に分布しているため、注出口の表面が純水
で95゜以上の接触角に維持され、優れた液切れ性が維
持されるという利点がある。しかも、このシリコーン成
分は、従来の低分子量滑剤に比べて極めて高い分子量を
有しており、キャップに過度の滑り性を付与することが
なく、後述する例に示すとおり、適度な打栓圧を与え、
キャップ本体の締結解除トルクを過度に小さくすること
もなく、優れた密封性が維持され、外蓋の開栓時にキャ
ップ本体が共回りする傾向もなく、また、外蓋の締結時
に、外蓋を開栓方向とは逆方向に旋回した場合にも、オ
ーバーターントルクが比較的大きく、ネジを乗り越えて
回転を生じるという不都合も生じることがない。
【0012】更に、キャップ成形体の表面に分布したシ
リコーン成分は、極めて高い分子量であり、オレフィン
系樹脂との間に分子鎖的な絡み合いも生じているため、
キャップ表面から離脱することもなく、液切れ性の持続
性にも優れている。
【0013】本発明において、シリコーン成分がキャッ
プの注出口表面に優先的に分布する理由は、シリコーン
樹脂とオレフィン系樹脂との相溶性が元々低いことや、
シリコーンオイル或いはシリコーン共重合体の溶融粘度
が高く、高剪断下での射出に際して壁側に排出されるた
めと考えられる。
【0014】本発明において、シリコーン系樹脂は、シ
リコーン基準で、オレフィン系樹脂当たり0.2重量%
存在すべきであり、上記範囲を下回ると、注出口表面の
接触角95゜以上を達成することが困難であり、液切れ
性やその持続性が低下するようになる。
【0015】また、注出口付きキャップが、キャップ本
体(中蓋)の口壁にスコアを介して設けられた開口予定
部と、開口予定部の周囲から上方に延びている注出口
と、この注出口を開閉可能に覆う外蓋から成るものにお
いては、シリコーン系樹脂の配合量はシリコーン基準
で、オレフィン系樹脂当たり2.5重量%以下であるべ
きである。シリコーン系樹脂の配合量が上記範囲を上回
ると、スコア加工部にピンホールが発生し、密封不良を
招きやすい。
【0016】[シリコーン系樹脂配合オレフィン系樹脂
組成物]本発明の注出口付き樹脂キャップは、少なくと
も注出口の部分がシリコーン系樹脂を配合したオレフィ
ン系樹脂から形成される。
【0017】オレフィン樹脂としては、それ自体公知の
任意のオレフィン系樹脂が使用されるが、適当な例とし
て、例えば低−、中−或いは高−密度のポリエチレン
(LDPE、MDPE、HDPE)、アイソタクティッ
クポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレ
ン(PP)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、
エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテンー1、エチ
レン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ブテン−1共
重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体、
エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−
アクリル酸エチル共重合体(EEA)、イオン架橋オレ
フィン共重合体(アイオノマー)、エチレン−アクリル
酸エステル共重合体等が挙げられる。
【0018】上述したオレフィン系樹脂は、成形性等の
見地からメルトフローレート(ASTM D 123
8)が、0.5乃至30g/10minの範囲にあるも
のが好適に使用される。勿論、前述したオレフィン系樹
脂は、単独でも或いは2種以上のブレンド物であっても
よい。
【0019】一方、オレフィン系樹脂に配合するシリコ
ーン系樹脂としては、高分子量のオルガノポリシロキサ
ン(高分子量シリコーンオイル)や、オルガノポリシロ
キサン単位を含むポリオレフィンとの共重合体が使用さ
れる。共重合体の場合はグラフト共重合体或いはブロッ
ク共重合体のどちらであってもよい。
【0020】オルガノポリシロキサンとしては、それ自
体公知のオルガノポリシロキサンが使用され、例えば下
記式(1) RaSiO(4-a)/2 ‥(1) 式中、Rは未置換或いは置換の1価炭化水素基であり、
aは式1≦a≦3を満足する数である、で表される単位
からなるオルガノポリシロキサンが使用される。
【0021】1価炭化水素基としては、メチル基、エチ
ル基、プロピル基等のアルキル基;フェニル基、トリル
基等のアリール基、;ビニル基、アリル基、1−ブテニ
ル基等のアルケニル基;ベンジル基、フェネチル基等の
アラールキル基等が挙げられ、置換炭化水素基として
は、グリシジル基、1−ヒドロキシプロピル基、1−ア
ミノプロピル基等が挙げられる。
【0022】オルガノポリシロキサンは、鎖状、分岐鎖
状、環状、網状、3次元網状等のいずれの構造のもので
もよく、一般にジメチルポリシロキサン、ジフェニルポ
リシロキサン、或いはメチルフェニルポリシロキサン等
から成る。勿論、これらのオルガノポリシロキサンはグ
リシジルシロキサン単位、1−ヒドロキシプロピルシロ
キサン単位、1−アミノプロピルシロキサン単位、ビニ
ルシロキサン単位等によって変性されていてもよい。
【0023】一方、オルガノポリシロキサンと共重合体
を形成する他の単量体成分としては、エチレン、プロピ
レン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等のオレ
フィン類;酢酸ビニル、塩化ビニル、スチレン、アクリ
ロニトリル、α−メチルスチレン、塩化ビニリデン等の
ビニル系単量体;アクリル酸エチル、メタクリル酸メチ
ル等のアクリル系単量体などが挙げられる。
【0024】シリコーン共重合体は、グラフト乃至ブロ
ック共重合体の形をとることが好ましく、この共重合体
の例として、オルガノポリシロキサン−ポリエチレン共
重合体、オルガノポリシロキサン−ポリプロピレン共重
合体、オルガノポリシロキサン−線状低密度ポリエチレ
ン共重合体、オルガノポリシロキサン−EVA共重合
体、オルガノポリシロキサン−EEA共重合体が挙げら
れる。共重合成分は、オレフィンを主体とするものが好
ましい。
【0025】共重合体中のオルガノポリシロキサン
(S)と他の共重合成分との割合は、一般に70:30
乃至30:70の重量比、特に60:40乃至40:6
0の重量比の範囲にあるのが好ましい。オルガノポリシ
ロキサン成分の量比が上記範囲よりも少ないと、キャッ
プとしたときの液切れ性の発現が不十分となる傾向があ
り、一方、共重合体成分の量比が上記範囲よりも少ない
と、オレフィン系樹脂中への分散性が低下する傾向があ
る。
【0026】高分子量のオルガノポリシロキサンの重量
平均分子量は、一般に100,000以上、特に15
0,000乃至500,000の範囲にあることが好ま
しい。重量平均分子量がこの範囲を下回ると、液切れ性
の持続性が失われる傾向があると共に、キャップの締結
に際してもトルク不足による密封不良を来す傾向があ
る。
【0027】本発明に用いるシリコーン系樹脂は、一般
にオレフィン系樹脂との高濃度マスターバッチ、或いは
オレフィン系樹脂とのグラフト物との形で容易に入手し
うる。その適当な例は次の通りである。シリコーンを含
んだ下記商品がマスターバッチの形で入手できる。特に
通常のシリコーンオイルでは1重量%以上の配合は成型
上難しいが、高分子量シリコーンマスターバッチでは成
型品に高濃度の配合が可能となる。 <東レダウコーニングシリコーン株式会社> ・シリコーンコンセントレート シリコーン含有量 50% BY27−001(PP) BY27−002(LDPE) ・シリコーンマスターペレット シリコーン含有量 40% BY27−201(PPホモポリマー) BY27−201C(PPコポリマー) BY27−202(PE) <日本ユニカー株式会社> ・シルグラフト シリコーン含有量 50% SILGRAFT−210(LDPE) SILGRAFT−150(EVA) SILGRAFT−310(EEA) SILGRAFT−250(LLDPE) <ダウコーニングアジア株式会社> シリコーン含有量 50% SP−110(EVA) SP−300(LDPE) SP−310(LLDPE)
【0028】本発明ではオレフィン系樹脂に対して、シ
リコーン系樹脂を、シリコーン基準で、0.2重量%以
上、好ましくは0.5乃至2.5重量%、特に好ましく
は1乃至2重量%配合する。
【0029】本発明に用いるキャップ形成用樹脂は、オ
レフィン系樹脂とシリコーン系樹脂とを、上記量比で混
練することにより得られる。混練は、エチレン系重合体
の融点以上の温度で行うのがよい。混練は、バンバリー
ミキサー、二軸押出機等を用いて行うことができる。
【0030】本発明において、キャップ形成用に使用す
る樹脂組成物には、滑性を助長し、或いは物性を改善す
る助剤を配合してもよい。
【0031】このような助剤として、滑剤を挙げること
ができ、滑剤としては、一般にポリエチレンに使用され
るもの全てが適用可能である。すなわち、滑剤は(イ)
流動、天然または合成パラフィン、マイクロワックス、
ポリエチレンワックス、塩素化ポリエチレンワックス等
の炭化水素系のもの、(ロ)ステアリン酸、ラウリン酸
等の脂肪酸系のもの、(ハ)ステアリン酸アミド、パル
ミチン酸アミド、オレイン酸アミド、エルシル酸アミ
ド、メチレンビスステアロアミドエチレンビスステアロ
アミド等の脂肪酸モノアミド系またはビスアミド系のも
の、(ニ)ブチルステアレート、硬化ヒマシ油、エチレ
ングリコールモノステアレート等のエステル系のもの、
(ホ)セチルアルコール、ステアリルアルコール等のア
ルコール系のもの、(ヘ)ステアリン酸鉛、ステアリン
酸カルシウム等の金属石ケンおよび(ト)それらの混合
系が一般に用いられるが、特に脂肪酸モノアミド系また
はビスアミド系が好ましい。これらの滑剤を0.01乃
至1.0重量%、特に0.1乃至0.6重量%含有され
ることが好ましい。
【0032】助剤の他の例として、エラストマーを挙げ
ることができ、これにより密封性能や滑性を一層改善す
ることができる。エラストマー重合体としては、例えば
ニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、スチレン−ブタ
ジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ポ
リブタジエン(BR)、ポリイソプレン(IIB)、ブ
チルゴム(IIR)、天然ゴム(NR)、エチレン−プ
ロピレンゴム(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエ
ンゴム(EPDM)、ポリウレタン、シリコーンゴム、
フッ素ゴム、水素化スチレン−イソプレン系共重合体、
水素化スチレン−ブタジエン共重合体等を用いることが
できる。これらのエラストマーは、組成物当たり3乃至
50重量%、特に10乃至40重量%の量で含有させる
のがよい。
【0033】[注出口付き樹脂キャップ]本発明の注出
口付き樹脂キャップは、注出口が前記シリコーン系樹脂
配合オレフィン系樹脂で形成されている限り、任意の構
造及び形状をとりうる。例えば、このキャップは、キャ
ップ本体(中蓋)の口壁にスコアを介して設けられた開
口予定部と、開口予定部の周囲から上方に延びている注
出口と、この注出口を開閉可能に覆う外蓋とから成るも
のであってよい。以下、この例を図面に基づいて詳細に
説明する。
【0034】この注出口付きキャップの一例を示す側断
面図(図1)において、このキャップは、大まかにいっ
て、キャップ本体10、開口機構20、注出口30、外
蓋40から成る。
【0035】この注出口付キャップにおいて、キャップ
本体10は、ボトル口部の外周に係合するスカート部
(外筒)11、口壁(頂壁)12、ボトル口部の内周に
係合するインナーリング(内筒)13、ボトル口部の受
け座14、スカート部11の下部の内面側に設けられた
突起15から成っている。
【0036】この注出口付キャップでは、インナーリン
グ13とスカート部11とは環状の接続部16により接
続されていると共に、インナーリング13はこの接続部
16を通り越して、軸上方向に延長して筒上延長部17
を形成している。この筒状延長部17の外周には外蓋4
0との係止用ネジ18が形成されている。
【0037】キャップの開口機構20は、キャップ本体
の口壁12に設けられた開口予定部21と、開口予定部
の周囲を規定する弱化部22と、開口予定部に設けられ
た開口用把持部23とを備えており、開口用把持部23
を引き上げることにより、弱化部22を破断して開口予
定部21を取り外し、内容物の注ぎ出し用の開口を形成
するようになっている。
【0038】注出口30は開口機構20よりも外周側に
位置し且つ筒状延長部よりも径の小さな内筒31から成
っている。この内筒31は、上向きに径の大きくなるテ
ーパ形状をしていてもよい。内筒31の下端は頂板部
(口壁)12に滑らかに接続されており、その上端は外
方に開いた滴切り32となっている。筒状延長部17の
上端は、注ぎ出し用の内筒31の高さ方向の途中におい
て接続されている。
【0039】外蓋40は、頂板部41と、スカート部4
2とから成り、スカート部の内面には係止用のネジ43
が、外面には把持用のローレット44が形成されてい
る。頂板部41の内面側には、注ぎ出し用内筒31の内
面と係合するインナーリング45が形成されている。
【0040】本発明においては、これらのキャップ本体
を、前述したシリコーン系樹脂を配合したオレフィン系
樹脂組成物の射出成形で形成させる。この射出成形に際
し、注ぎ出し用内筒31の表面には、シリコーン成分が
分布し、優れた液切れ性とその持続性が発現される。し
かも、このシリコーン系樹脂は、従来の低分子量滑剤に
比べて極めて高い分子量を有しており、キャップに過度
の滑り性を付与することがなく、キャップ本体の締結解
除トルクを過度に小さくすることがなく、優れた密封性
が維持され、外蓋の開栓時にキャップ本体が共回りする
傾向もなく、また、外蓋の締結時に、外蓋を開栓方向と
は逆方向に旋回した場合にも、オーバーターントルクが
比較的大きく、ネジを乗り越えて回転が生じるという不
都合も生じることがない。
【0041】内容物の取り出しに際しては、外蓋40を
旋回して、外蓋40をキャップ本体10から取り外し、
既に述べたとおり、開口用把持部23を引き上げること
により、弱化部22を破断して開口予定部21を取り外
し、内容物の所定量の注ぎ出しを行う。使用後には外蓋
40によるリシールを行えばよい。使用後の容器を廃棄
するに当たっては、リング状部材46を押し上げるか或
いは押し下げることにより、橋絡部47を破断し、リン
グ状部材46を取り除くことにより、キャップ本体1を
容器首部から引き上げて、容器とキャップとの分別廃棄
が可能となる。
【0042】注出口付キャップの他の例を示す側断面図
(図3)及び上面図(図4)において、キャップ本体1
0、開口機構20、注出口30及び外蓋40の大まかな
構造は図1及び図2に示したものとほぼ同様であるが、
キャップ本体10と外蓋40とがヒンジ50を介して一
体に成形され、外蓋40がヒンジを介して開閉可能とな
っている点で図1及び図2のものと相違している。
【0043】キャップ本体10の開口予定部21は、開
口用把持部23の高さを低く抑えるため、凹部形状に形
成されており、筒状延長部17も、外蓋の開閉のための
旋回を可能にするため、ヒンジ50に近い部分が高さの
低い段差部51となっている。また、スカート部11と
インナーリング13との接続部16の上部には、外蓋4
0との係合用突起52が形成されている。
【0044】一方、外蓋40のスカート部42の端部に
は、キャップ本体10の係合用突起52と係合する係合
用凹部53が形成されている。また、外蓋40のヒンジ
50の反対側には、外蓋開閉用のタブ54が形成されて
いる。
【0045】キャップ本体と外蓋40とを連結するヒン
ジ50は、比較的幅の広いものであるが、このヒンジ5
0の両側にヒンジの両端縁から小間隔をおいて小さい幅
の連結片55、55が設けられる。即ち、キャップ本体
10の外周には凹部56が形成され、一方外蓋40の外
周にも凹部57が形成されており、ヒンジ50から上下
方向に小間隔だけずれた位置でこれらの凹部56、57
間を連結するように、連結片55が形成されている。上
記のような連結片55の構造では、外蓋40をほぼ完全
に開いた状態に至る段階で、連結片55に張力が発生
し、内容物の注出が可能なように外蓋40が開いた位置
で、外蓋40を安定に保持する(外蓋が振れるのを防止
する)作用をする。
【0046】外蓋40を閉めた状態で、外蓋の開閉用タ
ブ54に対応するキャップ本体10には、このタブの把
持を容易にするための凹部58が形成されている。
【0047】
【実施例】本発明を次の例で説明する。
【0048】[実施例1]密度=0.918、メルトイ
ンデックス=7のLLDPEに、シリコーン共重合体系
マスターバッチ(東レダウコーニングシリコーン(株)
BY27−202)を表1の含有率で添加し、射出成
型機にて開封口付きネジ式キャップの本体を作製した。
また、同様の方法でシリコーン共重合体の代わりに、滑
剤を表1の含有率で添加したものと、何も加えなかった
ものとを使用して、ネジ式キャップの本体を作製した。
これに、密度=0.920、メルトインデックス=10
のLDPEを用いて射出成型機にて作製したネジ式上蓋
キャップを組み合わせ、酢を充填したガラス瓶に打栓し
た。本体−上蓋間の共回りトルク、本体−瓶間のオーバ
ーターントルクと、液切れ性を評価した。(液切れ性に
ついては、滴切り部裏側に予め酢を付着させてから注ぎ
出し、液垂れするまでの回数で示した。) 本発明品は何れも、共回りトルクやオーバーターントル
クを大幅に下げることなく、持続性に優れた液切れ性を
付与することができた。表1に接触角に対する共回りト
ルク、オーバーターントルク、液切れまでの回数の関係
を示す。
【0049】
【表1】 ※シリコーン含有濃度が2.5%を超える範囲では開口
部弱化線にピンホールを生じて安定的な生産ができな
い。
【0050】[実施例2]密度=0.915、メルトイ
ンデックス=6.5のLLDPEに、高分子量シリコー
ンオイル系のマスターバッチ(東レダウコーニングシリ
コン(株) BY27−002)を、表2の含有率で添
加し、射出成型機にてヒンジキャップを作製した。ま
た、同様の方法で、シリコーン共重合体の代わりに、滑
剤を表2の含有率で添加したものと、何も加えなかった
ものとを使用して、ヒンジキャップの本体を作製した。
ガラス瓶にメンツユを充填し、打栓圧と液切れ性を評価
した。液切れ性については通常の注ぎ出し操作を繰り返
し、液垂れするまでの回数で示した。本発明品は、適度
な打栓圧を保ちながら、持続的な液切れ性を保持してい
ることが確認できた。表2に接触角に対する打栓圧、液
切れまでの回数の関係を示す。
【0051】
【表2】 ※シリコーン含有濃度が2.5%を超える範囲では開口
部弱化線にピンホールを生じて安定的な生産ができな
い。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、注出口付き樹脂キャッ
プにおいて、少なくとも注出口の部分をシリコーン基準
で0.2重量%以上のシリコーン系樹脂を配合したオレ
フィン系樹脂で形成することにより、優れた液切れ性及
びその持続性と衛生的特性との組合せを有し、しかも密
封性能や開栓性能にも優れた注出口付きキャップを提供
することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の注出口付きキャップの一例を示す側断
面図である。
【図2】図1のキャップの底面図である。
【図3】本発明の注出口付きキャップの他の例を示す側
断面図である。
【図4】図3のキャップの上面図である。
【符号の説明】
10 キャップ本体 11 スカート部(外筒) 12 口壁(頂壁) 13 ボトル口部の内周に係合するインナーリング(内
筒) 14 ボトル口部の受け座 15 突起 16 環状の接続部 17 筒上延長部 18 係止用ネジ 20 開口機構 21 開口予定部 22 弱化部 23 開口用把持部 30 注出口 31 内筒 32 滴切り 40 外蓋 41 頂板部 42 スカート部 43 係止用のネジ 44 把持用のローレット 45 インナーリング 46 リング状部材 47 橋絡部 50 ヒンジ 51 段差部 52 係合用突起 54 外蓋開閉用のタブ 55、55 連結片 56、57、58 凹部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 注出口付き樹脂キャップにおいて、少な
    くとも注出口の部分がシリコーン基準で0.2重量%以
    上のシリコーン系樹脂を配合したオレフィン系樹脂で形
    成されていることを特徴とする注出口付き樹脂キャッ
    プ。
  2. 【請求項2】 注出口の表面が純水で95゜以上の接触
    角を有するものである請求項1記載の注出口付き樹脂キ
    ャップ。
  3. 【請求項3】 注出口付きキャップが、キャップ本体
    (中蓋)の口壁にスコアを介して設けられた開口予定部
    と、開口予定部の周囲から上方に延びている注出口と、
    この注出口を開閉可能に覆う外蓋から成るものであり、
    注出口を形成するオレフィン系樹脂中のシリコーン系樹
    脂の配合量がシリコーン基準で2.5重量%以下である
    ことを特徴とする請求項1記載または2記載の注出口付
    き樹脂キャップ。
  4. 【請求項4】 シリコーン系樹脂が100,000以上
    の重量平均分子量を有する高分子量のオルガノポリシロ
    キサン(高分子量シリコーンオイル)から成る請求項1
    乃至3記載の注出口付き樹脂キャップ。
  5. 【請求項5】 シリコーン系樹脂がオルガノポリシロキ
    サンとオレフィン系樹脂とのコポリマーである請求項1
    乃至3記載の注出口付き樹脂キャップ。
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