JP7456755B2 - 粘稠体が収容されている包装容器 - Google Patents

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Description

本発明は、粘稠体がボトルに収容されている包装容器に関する。
最近になって、ケチャップやマヨネーズに代表される粘稠な内容物を収容するための容器であって、この容器の内面に、内容物に対する滑り性を備えた液体(潤滑液)の層を設けることにより、粘稠な内容物を速やかに排出させるという易滑落技術が、例えば特許文献1等で本出願人により提案されている。
この特許文献1では、上記液体の層(潤滑液層)の下地となるプラスチック製下地層の下側に、該液層を形成する潤滑液の拡散を抑制若しくは遮断する液拡散防止層が設けられており、このような液拡散防止層の形成により、容器内面に設けられている潤滑液層を安定に保持している。このようにして内面に潤滑液層が形成されている容器は、粘稠な内容物であっても、容器から速やかに排出することができ、容器の底部等に内容物が排出されずに付着残存してしまうという不都合を有効に回避することができる。かかる易滑落技術は、容器内面を形成している樹脂層に滑剤を分散させておき、この滑剤のブリーディングにより表面に滑剤の粒子を分布させることにより内容物の排出性を高めるという従来の易滑落技術に比して、各段に内容物の排出性を向上させることができるため、各種の分野でも広く注目されている。
しかしながら、本発明者等の研究によると、ボトル内に収容される粘稠体が複素粘度η*が大きい粘弾性体である場合には、上記液層による易滑落技術による滑落向上効果が十分に発揮されないことが確認された。
特許第5673905号公報
従って、本発明の目的は、複素粘度η*が大きい粘稠体がボトルに収容されている包装容器において、ボトルからの粘稠体の排出性が高められ、底部での残存が有効に抑制された包装容器を提供することにある。
本発明によれば、粘稠体が収容されたブロー成形ボトルと、該ボトルに装着されたキャップとからなる包装容器において、
前記粘稠体は、動的粘弾性測定において算出される複素粘度η*が下記条件(1)及び(2):
η*(0.1rad/s)>1000Pa・s (1)
η*(100rad/s)>10Pa・s (2)
を満足する粘弾性特性を有しており、
前記ボトルは底部が閉じられた筒状胴部と、該筒状胴部の上端に連なっている環状首部とを備えており、
前記ボトルの筒状胴部の内面には、0.1~20g/mの量の液状滑剤により液層が形成されていると共に、
前記ボトル内面上には、該ボトル内に充填された前記粘稠体で囲まれた空気溜りが安定に保持されていることを特徴とする包装容器が提供される。
本発明の包装容器においては、
(1)前記環状首部の上端の内径dは、前記筒状胴部の最大内径Dmaxの40~80%の範囲に設定されていること、
(2)前記キャップは、前記環状首部に装着されていること、
(3)前記ボトルの底部は、正立状態で下に凸の曲率面となっていること、
(4)前記粘稠体が、潤滑剤、医薬品、医薬部外品、食料品或いは化粧品であること、
が好適である。
本発明の包装容器においては、ボトル内に充填された粘稠体は、動的粘弾性測定における複素粘度η*が極めて大きい粘弾性体であり、非常にボトル内から速やかに排出することが困難な物質であるが、従来公知の液膜技術にしたがい、ボトルの筒状胴部の内面には、0.1~20g/mの量の液状滑剤により液層が形成されていると同時に、内容物が有する大きな複素粘度を利用して、ボトル内に充填された粘稠体と、該ボトル内面との間に空気溜りが形成されている。即ち、本発明では、液状滑剤の液層と空気溜りとによって、粘稠体の排出性が大きく向上し、ボトルの底部に残存する粘稠体の量を大きく低減させることができる。
本発明は、液状滑剤の液層を精度よく形成できるという観点から、特にボトル容量が60ml以上の中容量以上の包装容器に好適に適用される。
本発明の原理を説明するための図。 ボトル内への粘稠体の充填方法を説明するための図。 本発明の包装容器のブロー成形ボトルの概略正面図(a)及びZ-Z概略平面図(b)。 図3のボトルにキャップが装着された状態において、ボトルとキャップとの係合部分を示す図であり、(a)は右側面断面図であり、(b)は、正面断面図。 図4に示された形態において、ボトルとキャップとを分離して示す図であり、(a)は、右側面断面に相当する図、(b)は、正面断面に相当する図。 図3におけるボトルの底部の正面断面を示す図。 図3のブロー成形ボトルの胴部壁の概略側断面図。
<ボトル内容物>
本発明の包装容器において、ボトル内に充填される粘稠体は、複素粘度η*が非常に大きな粘弾性体であり、具体的には、動的粘弾性測定により算出される複素粘度η*が下記式(1)及び(2)の条件を満足する。
η*(0.1rad/s)>1000Pa・s (1)
η*(100rad/s)>10Pa・s (2)
上記の複素粘度η*は、複素弾性率とも呼ばれ、動的粘弾性測定により、以下のようにして算出される。
即ち、応力σが周期的に物体に加えられたとき、この応力σに応答する歪εに位相遅れδが生じた場合、応力σ及び歪εは下記式で表される。
σ=σcos(tω)
ε=εsin(tω+δ)
上記式中、σ及びεは定数であり、tは時間、及びω=2πfで表される数(fは、周期的応力σの振動数)である。
ここで、貯蔵弾性率E’及び損失弾性率E’’が以下のように定義される。
貯蔵弾性率E’=(σ/ε)cosσ
損失弾性率E’’=(σ/ε)sinσ
そして、複素粘度η*は、上記の貯蔵弾性率E’及び損失弾性率E’’に基づき、iを虚数単位として、下記式で表される。
η*=E’+iE’’
上記の説明から理解されるように、前述した条件式(1)及び(2)において、η*の括弧内の数値は、周期的応力σの振動数fから算出されるωを示すものであり、これらの条件は、ωが小さい条件で測定した複素粘度η*は、大きな値を示すが、ωが大きな条件で測定した複素粘度η*も大きな値を示し、本発明が適用される粘稠体は、応力σを加えたときの位相遅れδが大きく、容易に流動変形しない粘弾性体であることを意味している。即ち、本発明が適用される粘稠体は、このような粘弾性特性を示すため、ボトル内に充填したときに、ボトル内面との間に空気溜りを形成することが可能となる。
本発明において、上記式(1)及び(2)を満足するような粘稠体としては、例えばグリースの如き潤滑剤、軟膏などの医薬品、練り辛子、マスタード、わさびなどの食料品、さらには、歯磨剤などの医薬部外品を挙げることができる。
<本発明の原理>
本発明では、上記のような粘弾性特性を示す粘稠体のボトルからの排出性(身離れ性)を向上させるために、ボトル内に収容された粘稠体とボトル内面との間に空気溜りを形成する。このような空気溜りの形成により、該粘稠体の身離れ性が向上する原理を、図1を例に取って説明する。
図1を参照して、本発明の包装容器において使用されるボトルは、胴部A、胴部Aを閉じている底部B及び胴部Aの上部に連なっている環状首部Cを備えており、このボトル内に粘稠体200が充填されている。図1では省略されているが、環状首部Cにキャップが装着され、この粘稠体200は、キャップを開けて環状首部Cの上端を開放し、この状態でボトルを傾倒させ、胴部Aをスクイズすることにより、ボトルから排出される。
図1では、省略されているが、ボトルの胴部Aの内面には、液状滑剤の層が形成されており、粘稠体200は、ボトルの胴部Aの内面に沿って滑りやすい状態に保持されていると共に、本発明においては、ボトルが正立状態に保持されている図1(a)から理解されるように、胴部Aの内面と粘稠体200との間に空気溜り201が形成されている。
即ち、内容物が低粘性の物質であり、その複素粘度η*が前述した式(1)及び(2)の条件を満足していない場合には、このような空気溜り201は形成されない。そのボトル内への充填に際しての流動によって、空気はヘッドスペースD上に排出されてしまうからである。即ち、本発明では、本発明が適用される粘稠体は、その複素粘度η*が式(1)及び(2)を示し、極めて流動変形しにくい粘弾性体であるため、空気溜り201が形成し得るようにボトルへの充填が可能となるわけである。
充填時に、空気溜まり201をしっかりと保持させるためには、複素粘度η*(1rad/s)を500Pa・sよりも大きくなるように粘稠体の物性を調整することがより好ましい。
しかも、このような空気溜り201が形成されている場合、これを傾倒して粘稠体200を排出させる場合、図1(b)に示されているように、ヘッドスペースD中の空気或いは外気が、空気溜り201を通って底部B内に流れ込み、また、空気溜り201中の空気の一部も底部B内に流れ込み、この結果、底部Bに空気層Xが形成される。即ち、底部B内に空気層Xが形成されるため、粘稠体200は速やかに排出されることとなる。即ち、空気溜り201が形成されていない場合、傾倒及びスクイズによって、この粘稠体200が環状首部C側に落下したとき、底部Bに形成される空間が負圧となってしまい、この結果、粘稠体200の排出が困難となってしまう。
本発明の包装容器では、ボトル内に収容されている粘稠体200は、底部Bに空気層Xが存在している状態で保持されることとなり、底部Bの内面と粘稠体200との接触が少なく、この結果、底部Bへの粘稠体200の付着残存量を著しく低減することができる。
また、本発明においては、上記の粘稠体200が高粘弾性体であることを利用し、以下のようにして空気溜り201が形成されるように粘稠体200をボトル内に充填することができる。
即ち、図2に示されているように、空ボトルの環状首部Cの上端近傍に粘稠体200の充填ノズル203を配置し、この状態で、高い吐出圧で粘稠体200を、空気を巻き込み易いように噴霧して、底部B上に粘稠体200を堆積させていく。これにより、充填された粘稠体200は空気溜り201を含むものとなる。この粘稠体200は高粘弾性体であるため、空気が巻き込まれている場合、その流動変形による空気の逸散がし難いものとなっており、粘稠体200で囲まれた空気溜り201は安定に保持されることとなる。例えば、充填ノズル203を空ボトル内に深く侵入させ、空気を巻き込まないように、低吐出圧でゆっくりと粘稠体200を底部B上に堆積させ、堆積されている粘稠体200中に充填ノズル203が侵入している状態で粘稠体200をボトル内に充填する手法では、空気溜り201を形成することはできない。
このようにしてボトル内に粘稠体200を充填した後、キャップを装着し、粘稠体200が収容された包装容器として販売される。
尚、ボトル内に充填された粘稠体200の周囲に空気溜り201が形成されていることは、X線CTにより確認することができる。
空気溜り201の量は、特に制限されるものではないが、通常、上記のX線写真から算出される空気溜り201の面積が、ヘッドスペースDを含むボトル断面積当り、平均して3~30%程度となるように設定すればよい。空気溜り201を必要以上に多く形成すると、ボトル内に収容する粘稠体200の量が少なくなってしまい、また、少な過ぎると、粘稠体200のボトル内面からの身離れを十分に得ることができず、所望の効果を達成することができなくなってしまう。このような空気溜り201の量調整は、予めラボ試験を行い、充填ノズル203の位置、充填ノズル203からの粘稠体200の吐出速度、吐出圧などを適宜の範囲に設定することにより行うことができる。
<ボトル及びキャップの構造>
図3、図4並びに図5を参照して、本発明の包装容器は、前述した粘稠体200(図では省略)が充填されたブロー成形ボトル1(以下、単にボトルと呼ぶ)と、ボトル1に装着されたキャップ3とから構成されている。
尚、図3では、キャップ3は省略されており、図5では、図4に示されたキャップ3の一部(上蓋33)が省略されている。
図3(a)から理解されるように、ボトル1は、中空の筒状胴部5(前述した胴部A)を有しており、この筒状胴部5の下端は底部7(前述した底部B)によって閉じられている。また、筒状胴部5の上端は、環状首部9が一体に連なっている。このような形状のボトル1内に粘稠体200が充填され、ボトル1内に充填された粘稠体200は、筒状胴部5を押圧することにより、ボトル1から押し出される。図3の例では、胴部5の押圧により胴部5が速やかに圧潰され、粘稠体200がスムーズに押し出されるように、この胴部5は、全体として偏平した平断面形状を有している(図3(b)参照)。
また、図4及び図5において、筒状胴部5の上端に連なる環状首部9は、その上端が内容物排出用開口10(図5参照)となっており、ボトル1内に充填された粘稠体200は、この環状首部9の内部を通り、内容物排出用開口10を通ってボトル1内から押し出される。
さらに、図3(b)に示されているように、この例では、胴部5の平断面が偏平した楕円形状となっている。また、この内容物排出用開口10は、胴部5の上端の開口5’よりも小さく形成されている(図5参照)。例えば、開口10の内径dは、開口5’の長径Dmax(即ち、最大径)の40~80%の範囲に設定されていることが望ましい。即ち、胴部5内の粘稠体200は、環状首部9内で絞られて密の状態で押し出されることとなり、空気の混入を回避しながら粘稠体200が排出されるようになっている。即ち、空気溜り201内の空気が粘稠体200と一緒に排出されると、粘稠体200が飛散してしまうばかりか、1回の排出により空気溜り201が消失してしまうおそれがあり、空気溜り201による粘稠体200のボトル1内面からの身離れ性が低下してしまう。このような不都合を回避し、且つ粘稠体200の排出に支障を来さない程度に開口10の大きさを確保するため、粘稠体200が密の状態で排出されるように構成されている。
尚、胴部5の平断面が円形である場合には、それらの径の比が上記範囲内となるように設定されていればよい。
また、図5を参照して、上記の内容物排出用開口10を画定する環状首部9は、胴部5の上端から若干内方に突出して上向きに傾斜している小さな肩部11と、この肩部から上方に向かって縮径して延びている第1の傾斜壁13(肩部11より傾斜角が大きい)と、内面が第1の傾斜壁13の上端から直立して延びている第1の直立壁15と、内面が第1の直立壁15の上端から傾斜して延びている第2の傾斜壁17と、内面が第2の傾斜壁17の上端から直立して延びている第2の直立壁19とを有している。この第2の直立壁19の内部空間が、内容物排出用開口10となる。
即ち、環状首部9が、上記のように、2つの傾斜壁13,17と2つの直立壁15,19とを有する構造となっているため、胴部5内に収容されている粘稠体200が、徐々に絞られて排出されることとなる。
また、上記の構造では、第2の直立壁19により内容物排出用開口10が形成されているため、この開口10を後述する構造のキャップ3により容易にシールすることができる。例えば、傾斜部に開口10が存在していると、キャップ3による開口10のシール構造が複雑なものとなってしまう。また、第2の直立壁19の上端には、水平方向外方に突出した水平フランジ21が形成されている。このような水平フランジ21を形成することにより、キャップ3との密着面積を大きくし、より大きなシール性を確保することができる。
さらに、上記の第1の直立壁15と第2の傾斜壁17との境界部の外面には、嵌合用突起23が形成されている。即ち、第2の傾斜壁17の下端の外径が第1の直立壁15の外径よりも大きく形成され、これにより、嵌合用突起23を形成することができ、この部分に後述するキャップ3が嵌合固定されることとなる。
このように、第1の傾斜壁13、第1の直立壁15、第2の傾斜壁17及び第2の直立壁19を形成し、この第2の直立壁19に内容物排出用開口10を形成することにより、内容物排出用開口10の径dを、胴部5の上端の開口5’の径(Dmax及びDmin)に比してより小さくして粘稠体200を密に絞って排出することが可能となると同時に、キャップ3の装着領域を大きくし、キャップ3を安定に保持することができる。
例えば、第2の傾斜壁17及び第2の直立壁19を形成せず、第1の直立壁15に内容物排出用開口10を形成する場合、第1の傾斜壁13の上端の径が内容物排出用開口10の径となってしまうため、第1の直立壁15のハイトを長くすることによりキャップ3の装着領域を長くすることはできても、胴部5の上端の開口5’に比して開口10をより小さくするには限界があり、粘稠体200を絞って排出するという点では不満足となる。
また、1つの傾斜壁により、内容物排出用開口10が形成される構造とすると、胴部5内に収容された粘稠体200が一気に絞られて排出されることとなり、この結果、空気溜り201が消失してしまい、空気溜り201による粘稠体200のボトル1内面からの身離れ性が低下してしまうが、このような不都合を有効に回避することができる。
さらに、第1の傾斜壁13から第1の直立壁15の外面にかけては、上方に向かって先細りした楔形形状の突起25を少なくとも一つ設けておくことが好適である(図3及び図4(a)参照)。このような突起25を利用して、キャップ3に突起25と係合する凹部を設けることにより、装着されるキャップ3の旋回を防止し、キャップ3を安定に固定することができる。
尚、上記の例では、ボトル1の胴部平断面が偏平した楕円形状を有しており、以下に述べるキャップ3も、これに応じた形状を有しているが、この胴部平断面を円形とすることも当然可能であり、これに応じて、後述するキャップ3の形態も変化させることができる。
図4及び図5を参照して、上記のようなキャップ3は、ボトル1の環状首部9の外面を覆うように設けられている筒状本体31と、筒状本体31に開閉自在に設けられている上蓋33とから構成されている。尚、図5では、作図上、上蓋33は省略されている。
上記の筒状本体31は、筒状側壁32と、その上端から内方に延びている内方フランジ35とから形成されており、この内方フランジ35の内方先端部からは、嵌合用シールリング37が下方に延びている。このシールリング37の外面が、前述した第2の直立壁19の内面に密着し、さらに、内方フランジ35の下面が、第2の直立壁19の上端に形成されている水平フランジ21の上面に密着することにより、ボトル1に形成されている内容物排出用開口10をしっかりとシールすることができる。
また、内方フランジ35の内方先端部からは、内容物排出用案内筒39が立設され、この案内筒39は、上方に向かって縮径した形状のテーパー壁41を有しており、このテーパー壁41の上端に、内容物排出用先端部43(ノズル部)が形成されており、このノズル部43により、円形の内容物排出口45が形成されている。
即ち、案内筒39内の中空空間39aが、ボトル1の内容物排出用開口10を介してボトル1の胴部5内空間に連通しており、これにより、この空間39aは、内容物排出用流路となっている。即ち、ボトル1内に充填さている粘稠体200は、内容物排出用開口10を通り、案内筒39内の中空空間39aを介して、上端に存在しているノズル部43を通り、円形の内容物排出口45から排出されることとなる(図4および図5参照)。
また、キャップ3に形成されている内容物排出口45の径Qは、ボトル1の上端に形成されている内容物排出用開口10の径dよりも小さく、従って、ボトル1から押し出された粘稠体200は、さらに絞られた状態で内容物排出口45から押し出されることとなる。
上記の内容物排出用先端部43、即ち、ノズル部43は、円形の内容物排出口45を形成するため、この形態は、全体として円筒形状であり、その少なくとも内面は、軸方向にストレートな内面となっている。内面がストレートになっていないと、内容物排出口45のシールが困難となることがある。また、内容物排出口45が円形を有していない場合にもシールが困難となる。
また、上記の図4、図5に示されている態様では、ボトル1が偏平した形状の楕円形平断面を有しているため、キャップ3も全体として楕円形の平断面形状を有している。従って、上端に円筒形状のノズル部43が設けられるテーパー壁41の側断面には、その位置によって、傾斜角θが大きい壁41aと傾斜角θが小さい壁41bとが形成されている。
さらに、打栓によりキャップ3をボトル1の環状首部9に被せたとき、筒状本体31は、ボトル1の環状首部9の外面を覆うように位置しており、筒状側壁32の内面は、環状首部9の外面に形成されている嵌合用突起23に密着するような内径を有している。これにより、キャップ3は、しっかりとボトル1に装着される。また、筒状側壁32の下端は、ボトル1の胴部5の上端と環状首部9との境界部に形成されている肩部11に対面する位置まで延びており、これにより、環状首部9の外面全体が筒状本体31(筒状側壁32)に覆われ、外観が損なわれないような形態となっている。
尚、この筒状本体31(筒状側壁32)の平断面も楕円形状となっているが、図5(b)に示されているように、その長軸側の両端部分では、筒状側壁32の内面の肉抜きにより凹部32aが形成されており、これにより、樹脂の目付量を低減し、コスト低減を図ることができる。
上述した態様では、環状首部9の外面に形成されている楔形形状の突起25と係合する切欠き(図示せず)が、筒状本体31の内面に形成されているアンダーカット31a(図5(a)参照)に設けられている。この切欠きは、丁度、上記の凹部32aが形成されている部分に位置している。
図4を参照して、上述した構造の筒状本体31の上端部には、ヒンジバンド31aにより上蓋33がヒンジ連結されており、この上蓋33を旋回して閉じることにより(図4では、上蓋33が閉じられた状態で示されている)、筒状本体31の上面が完全に覆われ、内容物排出口45が閉じられた状態に保持される。
このような上蓋33は、天板部47と天板部47の周縁から降下したスカート壁49とからなっており、スカート壁49の下端が、ヒンジバンド31aにより、筒状本体31に旋回可能に保持されている。上記のヒンジバンド31aとは反対側の位置には、上蓋33を手で開栓し易くするためのタブ51が設けられている。
このような上蓋33において、天板部47の内面には、同心円状に設けられている内側リング53と外側リング55とからなるシール部材57が設けられている。即ち、上蓋33を閉じたとき、内側リング53が円筒形状のノズル部43のストレートな内面に密着し、外側リング55は、ノズル部43の外面に密着し、これにより、内容物排出口45を確実に密封することができる。
尚、内側リング53或いは外側リング55の何れか一方により内容物排出口45の密封を確保することができる場合には、他方のリングを省略することもできる。
また、ボトル1が楕円形状の平断面を有している場合、キャップ3(筒状本体31及び上蓋33)も全体として楕円形状を有するものとなるが、このような場合では、図4(a)の右側面断面図(短軸に沿った縦断面を示す図)から理解されるように、上蓋33と筒状本体31とを連結するヒンジバンド31aは、楕円の短軸側の端部に形成することが好適であり、さらに、内容物排出口45は、ボトル1(キャップ3)の軸線Lに対して、ヒンジバンド31aとは反対側に偏心して形成されていることが好ましい。即ち、短軸側端部にヒンジバンド31aを形成することにより、開閉のための上蓋33の旋回半径が小さくなり、開閉操作を容易に行うことができる。尚、図5(a)の右側断面図(短軸に沿った縦断面を示す図)では、内容物排出口45は、中心軸Lを中心として形成されている。このように内容物排出口45を形成することにより、上蓋33が邪魔とならずに、粘稠体200の排出を行うことができる。
また、本発明において、胴部5内に収容されている粘稠体200が接触する面は、粘稠体200を排出するに際して、流動する粘稠体200の抵抗とならないように、面一の面となっている。
即ち、ボトル1では、胴部5の内面及び環状首部9の内面において、粘稠体200が接触する領域、具体的には、胴部5の内面から肩部11の内面、第1の傾斜壁13の内面、第1の直立壁15の内面及び第2の傾斜壁17の内面にかけて、連続して滑らかに延びており、粘稠体200の排出方向への流れを阻止するような水平段差や下向きの傾斜面は形成されていない。また、最上部に位置している第2の直立壁19の内面には、キャップ3が装着されたとき、キャップ3のシールリング37が密着する。従って、第2の直立壁19の内面は、粘稠体200が接触する領域ではないが、この面は、シールリング37が密着するようにストレートな面となっている。
一方、キャップ3では、シールリング37の内面から案内筒39(テーパー壁41及びノズル部43)の内面にかけて連続した面一の面となっており、キャップ3内に導入された粘稠体200の排出方向への流動を阻害するような水平段差や下向きの傾斜部は形成されていない。
上記の説明から理解されるように、本発明の包装製品においては、内容物を排出する場合、粘稠体200がボトル1の環状首部9からキャップ3内に移行する時に、キャップ3のシールリング37の厚み部分が僅かな抵抗となるだけであり、ボトル1の内部やキャップ3の内部では、粘稠体200の排出方向への流動を阻害する領域は全く形成されておらず、したがって、前述した空気溜り201の形成と相俟って、本発明では、粘稠な粘稠体200の排出をスムーズに行うことができる。
また、本発明においては、ボトル1の底部7の概略側断面を示す図6から理解されるように、この底部7は、ブロー成形に特有の肉溜り7aを除き、下に凸の曲率面Rとなっていることが好適である。底部7を、このような曲率面Rとすることにより、底部7への粘稠体200の付着残存をより効果的に低減することができる。即ち、チューブ成形等の成形手段では、底部7を曲率面とすることはできず、ブロー成形によってボトル1を成形することによって、このような曲率面Rを形成することができる。
尚、上述した本発明において、ボトル1の胴部5が円筒形状である場合には(即ち、円形の平断面を有する場合)、キャップ3の上蓋33は、螺子係合により筒状本体31に装着することもできる。この場合には、円形の内容物排出口45は、偏心させず、ボトル1(キャップ3)の中心軸L上に配置され、また、案内筒39の周囲には、これを取り囲むように、上蓋33との係合用螺条を備えた突起が立設されることとなる。
また、本発明において、上述したボトル1は、それ自体公知の熱可塑性樹脂を使用し、ダイレクトブロー成形や延伸ブロー成形などの公知のブロー成形により成形される。また、キャップ3は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂を用いての射出成形、圧縮成形等により成形され、ボトル1に内容物を充填した後、上蓋33が閉じられた状態でキャップ3をボトル1の環状首部9に打栓することにより、本発明の包装容器とすることができる。
さらに、本発明においては、既に述べたように、粘稠体200に対して潤滑性を示す液状滑剤の層がボトル1の胴部5の内面に形成されている。
液状滑剤;
上記のような液状滑剤(以下、単に「潤滑液」と呼ぶ)は、当然のことながら、大気圧下での蒸気圧が小さい不揮発性の液体、例えば沸点が200℃以上の高沸点液体であることが必要である。揮発性液体では、容易に揮散して経時と共に消失し、潤滑液として機能させることができない。
このような潤滑液の具体例としては、上記のような高沸点液体であることを条件として、種々のものを挙げることができる。
粘稠体200が含水物質、例えば練り辛子やマスタード、化粧クリームなどの場合には、食用油、脂肪酸トリグリセライド、フッ素系界面活性剤及びシリコーンオイルが代表的である。食用油としては、大豆油、菜種油、オリーブオイル、米油、コーン油、べに花油、ごま油、パーム油、ひまし油、アボガド油、ココナッツ油、アーモンド油、クルミ油、はしばみ油、サラダ油などが挙げられる。
また、粘稠体200が油性物質、例えばグリースなどの潤滑剤などの場合には、フッ素系界面活性剤やシリコーンオイルなどが好適である。
このような液層を内面に有するボトル1の胴部5は、通常、図7に示す多層構造を有している。
即ち、図7において、この胴部5は、中間層として、液拡散防止層61を有しており、この液拡散防止層61の内面側に下地層63が形成されており、下地層63の上に上記潤滑液の液層65が設けられている。
また、液拡散防止層61の他方側の面には、外面層67が設けられている。
液拡散防止層61;
液拡散防止層61は、潤滑液の浸透・拡散を遮断するものであり、このような層を形成することにより、液層65により付与される内容物に対する滑り性が長期間にわたって安定に維持されることとなる。
即ち、液層65を形成する潤滑液が下地層63を通って胴部5の内部に浸透・拡散してしまうと、液層65を形成している潤滑液が表面から内部に徐々に移行していくため、その液量が経時と共に減少し、この結果、液層65による歯磨き剤に対する滑り性が経時と共に失われていくこととなる。しかるに、液拡散防止層61を設けることにより、液層65からの潤滑液の浸透拡散が遮断されるため、液層65の液量減少が有効に抑制され、滑り特性の低下を回避することができる。
このような液拡散防止層61の材質は、液層65からの液の浸透拡散を防止し得るものであり、且つボトル1への成形が可能である限り、特に制限されないが、一般的には、密度が1.00g/cm以上であり且つガラス転移点(Tg)が35℃以上の熱可塑性樹脂、あるいは、結晶化度が0.5以上の熱可塑性樹脂が使用される。即ち、このような熱可塑性樹脂は緻密であり、樹脂中での潤滑液の移動拡散が非常に制限されると考えられるため、潤滑液の浸透拡散を有効に抑制することができる。例えば、密度及びガラス転移点(Tg)が上記範囲を下回る樹脂では、液拡散防止層61がルーズな層となり、潤滑液の移動拡散の制限が弱まってしまい、潤滑液の浸透拡散を効果的に防止することが困難となる。また、結晶化度が0.5未満の樹脂では、樹脂中での潤滑液の移動拡散を制限する結晶成分が少なく、制限が弱まってしまうため、潤滑液の浸透拡散を効果的に防止することが困難となる。
このような液拡散防止層61の厚みは、2μm以上、特に5~80μm程度であることが好ましい。この厚みが薄すぎると液拡散防止能が不満足となってしまうおそれがあり、また過度に厚くしても、胴部5が不必要に厚肉となってしまい、コスト的にもメリットが無いからである。
上記のような密度及びガラス転移点(Tg)を有する熱可塑性樹脂は特に制限されないが、一般的には、エチレン・ビニルアルコール共重合体(エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物)、芳香族ポリアミド及び環状ポリオレフィンなどのガスバリア性樹脂や、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸や液晶ポリマーのようなポリエステル、ポリカーボネート等が好ましい。例えば、このようなガスバリア性樹脂により液拡散防止層61を形成した場合には、液拡散防止層61に酸素などのガスの透過を防止するガス遮断性をも付与することができ、ボトル1内に収容された内容物の酸化劣化を防止することができ、極めて有利となる。中でもエチレン・ビニルアルコール共重合体は、特に優れた酸素バリア性を示すため、最も好適である。
上記のようなエチレン・ビニルアルコール共重合体としては、一般に、エチレン含有量が20乃至60モル%、特に25乃至50モル%のエチレン-酢酸ビニル共重合体を、ケン化度が96モル%以上、特に99モル%以上となるようにケン化して得られる共重合体ケン化物が好適であり、これらの中から、密度且つガラス転移点(Tg)が前述した範囲にあるものを選択的に使用するのがよい。
尚、前述したガスバリア性樹脂は、それぞれ単独で使用することもできるし、また、密度やガラス転移点(Tg)が前記範囲内にある限り、ポリエチレン等のポリオレフィンとガスバリア性樹脂とをブレンドして液拡散防止層61を形成することもできる。
また、上記のようなエチレン・ビニルアルコール共重合体により液拡散防止層61を形成する場合には、そのガスバリア性を十分に発揮させるために、予めラボ試験を行い、下記のようにして測定される酸素濃度増加量が一定の範囲内となるように、液拡散防止層61の厚みを設定することが好適である。
即ち、内容物を充填せずに、容器内雰囲気が窒素置換され且つ相対湿度が100%に保持されるように密封されたボトル1についての酸素濃度を測定した時、22℃60%RH下で30日保管した際の酸素濃度増加が0.5%以下、さらに好ましくは0.3%以下、格段に好ましくは0.1%以下、かつ、40℃75%RH下で30日保管した際の酸素濃度増加が2%以下である。
上記のようなエチレン・ビニルアルコール共重合体により液拡散防止層61を形成する場合には、そのガスバリア性を十分に発揮させるために、この胴部5の20℃での酸素透過度が、2.0cc/20μm・m・24hrs・atm以下となるような層構造とし、必要に応じて、その厚みを設定することが好適である。
ところで、上記のようなガスバリア性樹脂を液拡散防止層61として用いる場合には、下地層63(或いは外面層67)との接着性を高め、デラミネーションを防止するために、液拡散防止層61に隣接して接着樹脂層(図示せず)を設けることが好ましい。これにより、液拡散防止層61をしっかりと下地層63或いは外面層67に接着固定することができる。即ち、ガスバリア性樹脂を液拡散防止層61として用いる態様では、基本的に、中間層として、液拡散防止層61以外に、1層或いは2層の接着樹脂層を設けることが好適である。
接着樹脂層の形成に用いる接着剤樹脂はそれ自体公知であり、例えば、カルボニル基(>C=O)を主鎖若しくは側鎖に1乃至100meq/100g樹脂、特に10乃至100meq/100g樹脂の量で含有する樹脂、具体的には、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸などのカルボン酸もしくはその無水物、アミド、エステルなどでグラフト変性されたオレフィン樹脂;エチレン-アクリル酸共重合体;イオン架橋オレフィン系共重合体;エチレン-酢酸ビニル共重合体;などが接着剤樹脂として使用される。このような接着剤樹脂層の厚みは、適宜の接着力が得られる程度でよく、一般的には、0.5乃至20μm、好適には1乃至8μm程度の厚みでよい。
また、上述した液拡散防止層61は、下地層63の表面(下地層63と液層65との界面)からの間隔dが200μm以下、好ましくは150μm以下の範囲となるように形成されているべきである。即ち、この間隔dが大きすぎると、液拡散防止層61により液の浸透拡散が防止されるとしても、液層65からの潤滑液が、液拡散防止層61と下地層63の表面との間に浸透し得る量が多量となってしまい、この結果、液層65の経時的消失を効果的に抑制することができなくなってしまう。
下地層63;
上述した液拡散防止層61の上に設けられる下地層63は、表面に形成される液層65が脱落しないように保持するための層である。即ち、液拡散防止層61の上に直接液層65を形成してしまうと、液層65を形成する潤滑液が浸透しないため、液層65の脱落を生じ易くなってしまい、一定の液層被覆量で液層65を安定に形成することが困難となってしまう。このため、下地層63を設け、この上に液層65を形成することが必要となる。
このように、下地層63は、液層65からの液の浸透をある程度許容し、液層65に対してアンカー効果を示すものである。従って、液拡散防止層61と比較すると、比較的ルーズな樹脂により形成され、例えば密度が1.0g/cmよりも小さい熱可塑性樹脂により形成される。
このような下地層63を形成するための熱可塑性樹脂としては、層を形成し得る程度の分子量を有し、密度が上記範囲内であれば特に制限されないが、一般的には、オレフィン系樹脂、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、中或いは高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1-ブテン、ポリ4-メチル-1-ペンテンなどを挙げることができる。勿論、エチレン、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン等のα-オレフィン同士のランダムあるいはブロック共重合体等であってもよい。本発明において、特に好適に使用される下地層63形成用オレフィン系樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレンであり、ポリエチレンが最適である。特に、低密度ポリエチレンや直鎖低密度ポリエチレンを用いて下地層63を形成した場合には、胴部5のスクイズ性も高く、粘稠な内容物の排出性の点でもより好適となる。
尚、ポリエチレンテレフタレートのようなポリエステルは、下地層63の形成用樹脂としては、あまり適当でない。このようなポリエステルは、潤滑液に対する濡れ性が高く、薄く、且つ均一な厚みの液層65を形成するという点では問題は無いのであるが、潤滑液に対する保持性が乏しく、この液層65が流れ落ちてしまうからである。
また、上述した説明から理解されるように、この下地層63は、その表面(液層65との界面)と液拡散防止層61との間隔dが一定値以下となるように形成されるが、液層65に対して適度なアンカー効果を発現させるため、少なくとも5μm以上、特に10μm以上の厚みを有していることが好ましい。
さらに、上記のような下地層63に潤滑液をブレンドし、この下地層63を、液層65を形成する潤滑液の供給源とすることができる。即ち、前述した潤滑液に対する浸透拡散性の高い低密度の樹脂により形成されている下地層63に潤滑液をブレンドしておくことにより、後述する液層65を容易に形成することができる。下地層63の他方側は液拡散防止層61が形成されているために、下地層63にブレンドされている潤滑液は、下地層63の表面に滲出し、これにより、液層65を形成することができる。下地層63にブレンドする潤滑液の量は、一般に、表面に滲出して液層65を形成する潤滑液の量が以下で述べる範囲に維持されるように設定しておけばよい。
液層65;
筒状胴部5の内面に形成される液層65は、前述した内容物に対して滑り性を示す潤滑液により形成される。
このような潤滑液から形成される液層65は、液量が0.1乃至20g/m、特に1.9乃至10g/mとなるように形成される。即ち、下地層63に潤滑液をブレンドして液層65を形成する場合には、このような液量の液層65が形成されるようにブレンド量を設定しておけばよい。液層65の液量が少ないと、十分な滑り性を付与することが困難となり、一方、液量が過度に多いと、液の脱落などを生じ易くなり、液量の変動が大きくなり、安定した滑り性を確保することができなくなるおそれがあるからである。
また、このような液層65は、潤滑液による滑り性を胴部5の内面に安定に且つムラなく付与するために、下記式(3):
F=(cosθ-cosθ)/(cosθ-cosθ) (3)
式中、
θは、下地層63表面での水接触角であり、
θは、液層65を形成する潤滑液上での水接触角であり、
θは、下地層63を形成する熱可塑性樹脂単体上での水接触角である、
で算出される液層65の液層被覆率Fが0.5以上、好ましくは0.6以上となるように形成されるべきである。即ち、下地層63の表面での水接触角θと液層65上での水の接触角θが同じである場合には、液層被覆率Fは1.0であり、下地層63の全体が液層65で覆われていることになる。
例えば、液層被覆率Fが上記範囲よりも小さいと、潤滑液量が多量にあっても、内面に潤滑液が点在するような形態で液層65が形成され、十分な滑り性を発揮することが困難となってしまう。
ここで、上述の式(3)は、表面が2種類の成分(A、B)から形成された複合表面上における見かけの接触角θを表現するCassie-Baxterの式を変形して得られる。これは下記式で表現される。
cosθ=Fcosθ+Fcosθ
=Fcosθ+(1-F)cosθ
式中、
はA成分の割合を示し、FはB成分の割合を示し(但し、F+F=1)である、
θは、A成分単体上での水の接触角であり、
θは、B成分単体上での水の接触角である。
外面層67;
本発明において、液拡散防止層61の他方側に形成されている外面層67は、特に必要ではないが、一般に、胴部5のスクイズ性を確保するために設けられる。
この外面層67の材質は、各種熱可塑性樹脂から形成され、特に、低密度ポリエチレンや直鎖低密度ポリエチレンを用いて外面層67が形成される。この場合、外面層67と液拡散防止層61との間に適宜接着剤樹脂層を設けることもできるし、外面が上記の低密度ポリエチレンや直鎖低密度ポリエチレンにより形成されていることを条件として、外面層67中に、ガスバリア性樹脂層(液拡散防止層としても機能する)を設けることもできる。
他の層構成;
本発明において、内面に液層65が形成されている胴部5の層構成は、図7に示される層構成に限定されるものではなく、例えば下地層63と液拡散防止層61との間に液拡散調節層を設けることができる。
この液拡散調節層は、前述した液層65を形成する潤滑液を含むものである。この態様は、例えば、下地層63中に液層65を形成する潤滑液をブレンドしておき、下地層63からの潤滑液の滲出により潤滑液の液層65を形成する態様に好適に適用される。即ち、下地層63中の潤滑液は、液拡散調節層中にも浸透し拡散していくため、下地層63の表面に滲出する潤滑液の量を適度な範囲に調節し、過剰量の液の滲出を防止し、適正な液量で液層65を形成する上で有利である。また、下地層63中には液層65を形成する潤滑液をブレンドせずに、下地層63の表面に潤滑液を塗布等の操作により液層65を形成した場合にも好適に適用できる。即ち、下地層63に液層65を形成する潤滑液をブレンドせずに形成した場合、液層65を形成する液体は、時間経過とともに下地層63中に浸透し拡散することとなる。このような態様の場合、例えば、液拡散防止層61と下地層63の間に液拡散調節層を設けておくことにより、液拡散調節層に含まれている潤滑液が、液拡散調節層から下地層63中に拡散していく。その結果、液層65から下地層63に浸透し拡散する潤滑液量が低減されるため、液層65の液量を調節することが可能となる。
このような液拡散調節層を形成する樹脂は、液層65を形成する潤滑液を含んでいる限り、基本的にはどのような樹脂であってもよく、例えば、液拡散防止能を有していない樹脂を用いて液拡散調節層を形成することができるが、通常は、下地層63を形成する樹脂と同種の樹脂で液拡散調節層を形成するのがよい。
尚、上記のような液拡散調節層が設けられている場合も、液拡散防止層61と下地層63の表面との間隔dは前述した範囲にあるべきであり、このような範囲に間隔dが維持されていることを条件として、液拡散調節層の厚みtと下地層63の厚みtとの厚み比t/tは0.1~10の範囲に設定することが液拡散調節層の機能を十分に発揮させる上で好ましい。
尚、上述した各種の層には、各層を形成する材料の種類に応じて、各層の特性を損なわない範囲で、酸化防止剤、界面活性剤、着色剤などの添加剤が適宜配合されていてもよい。
上述した粘稠体200がボトル内に収容された本発明の包装容器は、特に潤滑液の液層65を精度よく安定に形成するために、容量が60ml以上の中容量以上のボトルに好適に適用される。
本発明を次の実験例で説明する。
<評価方法>
1.液層被覆量の測定
後述の方法で作製したボトルを23℃恒温室で14日保管した。保管後、ボトル内面に形成された液滴(あるいは液層)を、潤滑液と混和性の溶剤(ヘプタン)30mLで回収し、エバポレーターを用いて濃縮した後、残留物を蒸発皿へ移し取り、液層成分の重さを求めた。得られた重さをボトル内面の面積で除し、ボトル内面における液層被覆量(g/m)とした。
2.ボトル内残量の測定
後述の方法で用意した粘稠体が充填された包装容器を用いて下記の手順でボトル内残量を測定した。
粘稠体が充填された包装容器のキャップを開け、ボトルの筒状胴部を押し、粘稠体を30g取り出した。
その後、キャップを開け、筒状胴部を押して1回4gずつ粘稠体を取り出し、キャップを閉め、キャップ天面側を下側にして1時間保管する、といった動作を繰り返し行った。筒状胴部を押し4g取り出せなくなった時のボトルの重量(A)を測定し記録した。
この後、粘稠体を全て取り出し、ボトル内部を洗浄・乾燥した後、ボトルの重量(B)を測定記録し、残量=(A)-(B)として残量を求めた。
上記の値が小さいほど、粘稠体の残量は少なく、排出性に優れている。
<内容物>
粘稠体A:
ペースト状固形物(医薬部外品)、密度(23℃)=1.24g/cm
複素粘度η*(0.1rad/s)=9900Pa・s
複素粘度η*(1.0rad/s)=1300Pa・s
複素粘度η*(10rad/s)=180Pa・s
複素粘度η*(100rad/s)=27Pa・s
粘稠体B
ペースト状固形物、食料品
複素粘度η*(0.1rad/s)=48000Pa・s
複素粘度η*(1.0rad/s)=5700Pa・s
複素粘度η*(10rad/s)=720Pa・s
複素粘度η*(100rad/s)=94Pa・s
粘稠体C
ペースト状固形物、食料品
複素粘度η*(0.1rad/s)=7500Pa・s
複素粘度η*(1.0rad/s)=880Pa・s
複素粘度η*(10rad/s)=120Pa・s
複素粘度η*(100rad/s)=18Pa・s
粘稠体D
ペースト状流動物、食料品
複素粘度η*(0.1rad/s)=2600Pa・s
複素粘度η*(1.0rad/s)=340Pa・s
複素粘度η*(10rad/s)=48Pa・s
複素粘度η*(100rad/s)=7.3Pa・s
上記の密度(23℃)は振動式密度計を用いて測定した。
上述の複素粘度η*は、レオメーターARES-G2(TA instruments社製)を用いて測定した。測定条件を下記に示す。
ジオメトリー:40mm平行平板
クリアランス:0.7mm
温度:23℃
歪み:5%
<液滴形成用油性液体(潤滑液)>
中鎖脂肪酸トリグリセライド(MCT)
表面張力(23℃):28.8mN/m
粘度(23℃):30mPa・s
沸点:210℃以上
引火点:242℃(参考値)
尚、液体の表面張力は固液界面解析システムDropMaster700(協和界面科学(株)製)を用いて23℃にて測定した値を示した。なお、液体の表面張力測定に必要な液体の密度は、密度比重計DA-130(京都電子工業(株)製)を用いて23℃で測定した値を示した。また、液体の粘度はレオメーター(ARES-G2、TA instruments社製)を用い、ボブ&カップのジオメトリー、シェアレイト=40s-1にて23℃で測定した値を示した。
<下地層形成用材料>
樹脂1:低密度ポリエチレン(LDPE)
密度:0.922g/cm
臨界表面張力:31mN/m
樹脂2:ランダムポリプロピレン(rPP)
密度:0.900g/cm
臨界表面張力:29mN/m
樹脂3:環状オレフィン系共重合体
臨界表面張力:31mN/m以上
<外面層およびメイン層形成用樹脂>
ポリプロピレン(PP)
密度:0.900g/cm
MFR:1.6g/10min(230℃、2.16Kg)
<接着層形成用樹脂>
無水酸変性ポリエチレン
<液拡散防止層および酸素バリア層形成用樹脂>
エチレン-ビニルアルコール共重合体
密度:1.20g/cm
Tg:60℃
<キャップ用樹脂>
ランダムポリプロピレン(rPP)
MFR=25g/10min(230℃、2.16kg)
<実施例1>
40mm押出機Aに外面層形成材料として、ポリプロピレン(PP)、50mm押出機にメイン層層形成用樹脂として、ポリプロピレン(PP)を、30mm押出機Aに接着層形成用樹脂として無水酸変性ポリエチレンを、30mm押出機Bに液拡散防止層およびバリア層形成用樹脂としてエチレン-ビニルアルコール共重合体を、30mm押出機Cに下地層形成用材料として低密度ポリエチレン(LDPE)とランダムポリプロピレン(rPP)と環状オレフィン系共重合体と中鎖脂肪酸トリグリセライド(MCT)のブレンド物をそれぞれ供給し、温度210℃の多層ダイヘッドより溶融パリソンを押し出し、金型温度22℃にて公知のダイレクトブロー成形法により内容量100mL、重量9.5gの5種9層の胴部形状が非対称で、底部の内面が曲率面となっている多層ボトルを作製した。
ボトルの底から70mm位置での断面に対し、0°、30°、60°、90°、120°、150°、180°、210°、240°、270°、300°、330°の位置での層構成を偏光顕微鏡を用いて観察し、12方向での平均値をボトルの層構成比とした。
また、底から70mm位置において、断面に対し0°、90°、180°、270°での筒状胴部の厚みをマイクロメーターで測定し、4方向の平均値を胴部の厚みとした。さらに、下地層表面と液拡散防止層との間隔を測定した。
結果は下記であった。
層構成(厚み比(%)):
外面層/接着層/バリア層/接着層/メイン層/接着層/液拡散防止層/接着層/下地層
=17.4/2.7/2.7/2.1/53.1/1.8/3.9/2.1/14.2
トータル厚み:564μm
また、射出成形機を用い、内容物排出口の内径が8mm、テーパー壁の傾斜角が平均して50°となる傾斜面が設けられているヒンジキャップを作製した。
これらのボトルとキャップを用いて、下記の実験を行った。
作製したボトルをボトル開口が上向きになるように実験台上に置き、開口付近に充填ノズルを配置し、前述の粘稠体Aを90g充填した。ボトル内で、粘稠体Aは空気溜りが形成された状態で充填されていることが確認された。
充填後、前述のキャップを装着し、開口が下向きになるように配置した。配置後、充填された粘稠体Aは開口側に速やかに全量移動し、底部にヘッドスペースが形成されていることが確認でき、充填直後でも極めて良好な滑り性を発現していることが確認された。
この後、開口側が下向きとなったままの状態で23℃にて14日保管した。保管後、ボトル内残量の測定を行った。結果を表1に示す。また、液層被覆量の測定の結果を併せて表1に示す。
<比較例1>
実施例1と同様の手順でボトルとキャップを準備した。
このボトルを用いて、ボトル開口が上向きになるように実験台上に配置し、底部付近に充填ノズルを配置し、ノズルを開口側に上昇させながら粘稠体Aを90g充填した。ボトル内で、粘稠体Aは空気溜りが形成されずに充填されていることが確認された。
充填後、前述のキャップを装着し、開口が下向きになるように配置した。配置後、充填された粘稠体Aは移動せず、開口側にヘッドスペースが形成されており、充填直後では粘稠体Aの流動性が低いことが確認された。
この後、開口側が下向きとなったままの状態で23℃にて14日保管した。保管後、ボトル内残量の測定を行った。結果を表1に示す。また、液層被覆量の測定の結果を併せて表1に示す。
表1より、ボトル内面に潤滑液が被覆されているボトルに、空気溜りを設けて粘稠体Aを充填した実施例1は空気溜りを設けずに充填した比較例1と比べ、充填直後の滑り性、ボトル内残量の低減に極めて優れていることが分かる。
<実施例2>
40mm押出機Aに外面層形成材料として、ポリプロピレン(PP)、50mm押出機にメイン層形成用樹脂として、ポリプロピレン(PP)を、30mm押出機Aに接着層形成用樹脂として無水酸変性ポリエチレンを、30mm押出機Bに液拡散防止層およびバリア層形成用樹脂としてエチレン-ビニルアルコール共重合体を、30mm押出機Cに下地層樹脂層形成用材料として低密度ポリエチレン(LDPE)と中鎖脂肪酸トリグリセライド(MCT)のブレンド物をそれぞれ供給し、温度210℃の多層ダイヘッドより溶融パリソンを押し出し、金型温度22℃にて公知のダイレクトブロー成形法により内容量150mL、重量12gの5種9層の、筒状胴部がボトルの中心軸線に対して対称な形状の多層ボトルを作製した。
このボトルの筒状胴部の層構成とボトル胴部のトータル厚みを実施例1と同様の手順で測定した。値は下記の通りである。
層構成(厚み比(%)):
外面層/接着層/バリア層/接着層/メイン層/接着層/液拡散防止層/接着層/下地層
=18.2/2.2/3.5/1.5/53.2/1.6/2.0/2.2/15.6
トータル厚み:960μm
また、このボトルの液層被覆量を測定し、2.6g/mの液層が形成されていることが確認された。
また、射出成形機を用い、内容物排出口の内径が5.5mm、テーパー壁の傾斜角が90°の面が設けられているヒンジキャップを作製した。
作製したボトルをボトル開口が上向きになるように実験台上に置き、開口付近に充填ノズルを配置し、前述の粘稠体Bを30g充填した。ボトル内で、粘稠体Aは空気溜りが形成された状態で充填されていることが確認された。
充填後、前述のキャップを装着し、開口が下向きになるように配置した。配置後、充填された粘稠体Aは開口側に速やかに全量移動し、底部にヘッドスペースが形成されていることが確認できた。粘稠体Bにおいても、充填直後でも極めて良好な滑り性を発現していることが確認された。
<実施例3>
実施例2と同様の手順でボトルとキャップを準備した。
作製したボトルをボトル開口が上向きになるように実験台上に置き、開口付近に充填ノズルを配置し、前述の粘稠体Cを30g充填した。ボトル内で、粘稠体Aは空気溜りが形成された状態で充填されていることが確認された。
充填後、前述のキャップを装着し、開口が下向きになるように配置した。配置後、充填された粘稠体Aは開口側に速やかに全量移動し、底部にヘッドスペースが形成されていることが確認できた。粘稠体Cにおいても、充填直後でも極めて良好な滑り性を発現していることが確認された。
<比較例4>
実施例2と同様の手順でボトルとキャップを準備した。
作製したボトルをボトル開口が上向きになるように実験台上に置き、開口付近に充填ノズルを配置し、前述の粘稠体Dを30g充填した。ボトル内で、粘稠体Dは空気溜りが形成されない状態で充填されていることが確認された。
これらの実験例から、複素粘度η*が大きい粘稠体がボトルに収容されている包装容器において、ボトルからの粘稠体の排出性が高められ、底部における残存が有効に抑制された包装容器とそのために必要な粘稠体物性の関係が理解出来る。
X:空気層
A:ボトルの筒状胴部
B:ボトルの底部
C:ボトルの環状首部
D:ヘッドスペース
200:粘稠体
201:空気溜り
203:充填ノズル
1:ボトル
3:キャップ
5:筒状胴部
5’:開口
7:底部
9:環状首部
10:内容物排出用開口
11:肩部
13:第1の傾斜壁
15:第1の直立壁
17:第2の傾斜壁
19:第2の直立壁
21:水平フランジ
23:嵌合用突起
25:楔形形状の突起
31:筒状本体
32:筒状側壁
33:上蓋
35:内方フランジ
37:シールリング
39a:中空空間
41:テーパー壁
41a:傾斜角θが大きい壁
41b:傾斜角θが小さい壁
43:ノズル部
45:内容物排出口
47:天板部
49:スカート壁
51:タブ
53:内側リング
55:外側リング
57:シール部材
61:液拡散防止層
63:下地層
65:液層
67:外面層

Claims (5)

  1. 粘稠体が収容されたブロー成形ボトルと、該ボトルに装着されたキャップとからなる包装容器において、
    前記粘稠体は、動的粘弾性測定において算出される複素粘度η*が下記条件(1)及び(2):
    η*(0.1rad/s)>1000Pa・s (1)
    η*(100rad/s)>10Pa・s (2)
    を満足する粘弾性特性を有しており、
    前記ボトルは底部が閉じられた筒状胴部と、該筒状胴部の上端に連なっている環状首部とを備えており、
    前記ボトルの筒状胴部の内面には、0.1~20g/mの量の液状滑剤により液層が形成されていると共に、
    前記ボトル内面上には、該ボトル内に充填された前記粘稠体で囲まれた空気溜りが安定に保持されていることを特徴とする包装容器。
  2. 前記環状首部の上端の内径dは、前記筒状胴部の最大内径Dmaxの40~80%の範囲に設定されている請求項1に記載の包装容器。
  3. 前記キャップは、前記環状首部に装着されている請求項1または2に記載の包装容器。
  4. 前記ボトルの底部は、正立状態で下に凸の曲率面となっている請求項1~3の何れかに記載の包装容器。
  5. 前記粘稠体が、潤滑剤、医薬品、医薬部外品、食料品或いは化粧品である請求項1~4の何れかに記載の包装容器。
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