JP2021080010A - キャップの取り外しが容易な歯磨剤用容器および歯磨剤入り包装製品 - Google Patents

キャップの取り外しが容易な歯磨剤用容器および歯磨剤入り包装製品 Download PDF

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洋介 阿久津
Yosuke Akutsu
洋介 阿久津
啓佑 丹生
Keisuke Nyu
啓佑 丹生
智啓 田口
Tomohiro Taguchi
智啓 田口
英亮 中本
Hideaki Nakamoto
英亮 中本
宏明 杉岡
Hiroaki Sugioka
宏明 杉岡
勇 大石
Isamu Oishi
勇 大石
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Abstract

【課題】ヒンジタイプの打栓式キャップの取り外しが容易な歯磨剤用容器を提供する。【解決手段】歯磨剤が充填されるボトルとキャップとからなる歯磨剤用容器において、キャップは、ボトルの環状首部9の外面を覆うように環状首部9に嵌合固定されている筒状本体31と、筒状本体31の上端から内方に延びている内方フランジ37と、内方フランジ37の内周縁から立設している中空案内筒41と、筒状本体31の上端にヒンジ連結された上蓋35とから成り、環状首部9の外面には、周方向に間隔を置いて、広幅の第1のストッパー凸部25と狭幅の第2のストッパー凸部27とが形成されており、筒状本体31の内面には、ボトルの環状首部9の外面と係合するボトル嵌合固定用周状突起47と、第1のストッパー凸部25と係合し得る広幅の第1の切欠き51と、第2のストッパー凸部27と係合し得る狭幅の第2の切欠き53とが形成されている。【選択図】図6

Description

本発明は、ペースト状の歯磨剤が充填されるためのボトルと、該ボトルに装着されたキャップとからなる歯磨剤用容器に関する。
歯磨剤は、研磨剤等の固形分を多く含む粘稠なペースト状固形物であり、練り歯磨きとも呼ばれ、チューブ形状のボトルに充填され、キャップを装着して歯磨剤入り包装製品として販売に供されている。
このような歯磨剤入り包装製品は、歯磨きチューブとも呼ばれ、一般家庭で繰り返し使用されることから、ワンタッチで開け閉め可能で且つボトルにしっかりと固定されるヒンジタイプの打栓式キャップが使用されている(例えば特許文献1参照)。
ところで、近年では、資源の再利用の観点から、使用済みのボトルをキャップと分けて廃棄したり、或いはボトル内をクリーンに洗浄して廃棄する分別廃棄が求められる。しかるに、上記のような打栓式キャップは、ボトルから取り外し難く、分別廃棄の点では、その改善が必要である。
実開昭52−39444号公報
従って、本発明の目的は、ヒンジタイプの打栓式キャップがボトルに装着されていながら、該キャップの取り外しが極めて容易な歯磨剤用容器および歯磨剤入り包装製品を提供することにある。
本発明によれば、歯磨剤が充填されるためのブロー成形ボトルと、該ボトルに装着されたキャップとからなる歯磨剤用容器において、
前記ボトルは底部が閉じられた筒状胴部と、該筒状胴部の上端に連なり且つ内容物排出用開口を備えた環状首部とを備えており、
前記キャップは、前記ボトルの環状首部の外面を覆うように該環状首部に嵌合固定されている筒状本体と、該筒状本体の上端から内方に延びている内方フランジと、該内方フランジの内周縁から立設している中空案内筒と、該筒状本体の上端にヒンジ連結された上蓋とから成り、
前記環状首部の外面には、周方向に間隔を置いて、広幅の第1のストッパー凸部と狭幅の第2のストッパー凸部とが形成されており、
前記筒状本体の内面には、前記ボトルの環状首部の外面と係合するボトル嵌合固定用周状突起と、前記第1のストッパー凸部と係合し得る広幅の第1の切欠きと、前記第2のストッパー凸部と係合し得る狭幅の第2の切欠きとが形成されていることを特徴とする歯磨剤用容器が提供される。
本発明の歯磨剤用容器においては、
(1)前記ボトルの環状首部の外面には、前記ボトル嵌合固定用周状突起と係合するキャップ嵌合固定用周状突起が形成されていること、
(2)前記第1のストッパー凸部と第1の切欠き部との係合部には、周方向において一方側にキャップの開栓を許容し得る傾斜角度の小さな旋回促進面が形成され、且つ他方側にキャップの開栓を抑止する傾斜角度の大きな旋回抑止面が形成されていると共に、前記第2のストッパー凸部と第2の切欠き部との係合部にも、周方向において一方側にキャップの開栓を許容し得る傾斜角度の小さな旋回促進面が形成され、且つ他方側にキャップの開栓を抑止する傾斜角度の大きな旋回抑止面が形成されていること、
(3)前記第2のストッパー凸部の上端は、前記第1のストッパー凸部の上端よりも低い位置に存在していること、
が好適である。
本発明の歯磨剤用容器は、ヒンジタイプのキャップが打栓によりボトルに嵌合固定されているが、通常の螺子キャップ(スクリューキャップ)と同様、嵌合固定されているキャップを回転させることにより容易にボトルから取り外すことが可能となっている。 即ち、本発明では、ヒンジタイプのキャップの筒状本体に形成されているボトル嵌合固定用周状突起とボトルの環状首部外面との係合により、該キャップがボトルの環状首部からすっぽ抜けないように嵌合固定されている。一方、ボトルの環状首部外面には、周方向に間隔を置いて、広幅の第1のストッパー凸部と狭幅の第2のストッパー凸部とが設けられており、キャップの筒状本体には、上記の第1のストッパー凸部と係合する第1の切欠きと第2のストッパー凸部と係合する第2の切欠きとが形成されている。これら2つのストッパー凸部と切欠きとの係合により、キャップ(筒状本体)の旋回が防止されているのであるが、ストッパー凸部と切欠きとの係合は、キャップを握って強制的に回転させることにより、容易に解除することができ、これに伴って、ボトル嵌合固定用周状突起とボトルの環状首部外面との係合も解除することができる。
例えば、第1のストッパー凸部及び第2のストッパー凸部には、開栓を許容し得る傾斜角度の小さな旋回促進面と、開栓を抑止する傾斜角度の大きな旋回抑止面を形成しておくと同時に、同様の旋回促進面及び旋回抑止面を切欠きにも形成しておく。これにより、このキャップは、周方向において一方側に旋回可能となっているが、他方側への旋回は不能となる。従って、該キャップを手で握って、一方側の方向に強制的に回転させると、切欠きに形成されている旋回促進面とストッパー凸部に形成されている旋回促進面同士が強く当接し、この結果、キャップの筒状本体がボトルの環状首部から押し上げられることとなり、一方側への旋回を続けていくと、筒状本体の内面に形成されているボトル嵌合固定用周状突起とボトルの環状首部外面(キャップ嵌合固定用周状突起)との係合が解除され、このキャップは、ボトルから取り外されることとなる。
また、本発明では、ボトルの環状首部の外面に形成されている第1のストッパー凸部と第2のストッパー凸部とは大きさが異なっている。即ち、第1のストッパー凸部が広幅であり、第2のストッパー凸部が狭幅となっており、このため、打栓嵌合に際してのキャップの位置決めを確実に行うことができる。
このように、本発明の歯磨剤用容器では、キャップが打栓によりボトルにしっかりと嵌合固定されていると同時に、使用後の廃棄に際しては、通常の螺子キャップと同様、このキャップを回転させることにより、容易にボトルから取り外すことができ、キャップとボトルとの分別廃棄を、至って容易に行うことができる。
本発明の包装製品におけるブロー成形ボトルを示す図であり、(a)は正面図であり、(b)はA−A平面図。 図1のボトルの平面図。 図1のボトルにおける環状首部の側面を示す図であり、(a)は右側面図であり、(b)は左側面図である。 図1のボトルにおける環状首部を示す図であり、(a)は右側面投影断面図、(b)は正面投影断面図、(c)は左側面投影断面図である。 図4の環状首部に嵌合固定されるキャップにおいて、上蓋が開いている状態の右側面断面図である。 図4の環状首部に嵌合固定されており且つ上蓋が閉じられている状態のキャップを該ボトルと共に示す図であり、(a)は右側面投影断面図、(b)は正面投影断面図、(c)は左側面投影断面図である。 図5に示されているキャップについて、上蓋が閉じられている状態の裏面概略斜視図。 環状首部に形成されている第1及び第2のストッパー凸部と、キャップの筒状本体に形成されている第1及び第2の切欠きとの関係を説明するための図。 図1のブロー成形ボトルの内面に液状滑剤の液膜が設けられている態様において、該ボトルの胴部壁の概略側断面図。
図1〜図7を参照して、本発明の歯磨剤入り包装製品は、歯磨剤が充填されたブロー成形ボトル1(以下、単にボトルと呼ぶ)と、図5〜図7に示されているキャップ3とから構成されている。
図1(a)から理解されるように、ボトル1は、中空の筒状胴部5を有しており、この筒状胴部5の下端は底部7によって閉じられている。また、筒状胴部5の上端は、環状首部9が一体に連なっている。このような形状のボトル1内に歯磨剤が充填され、ボトル1内に充填された歯磨剤は、筒状胴部5を押圧することにより、ボトル1から押し出される。図1の例では、胴部5の押圧により胴部5が速やかに圧潰されることで歯磨剤がスムーズに押し出されるようにするため、この胴部3は、全体として偏平した平断面形状を有しており、径の大きな長軸L及び径の小さな短軸Sを有する平面形状を有している(図1(b)及び図2参照)。
特に、図3〜図5を参照して、筒状胴部5の上端に連なる環状首部9は、その上端が内容物排出用開口10(以下、単に開口と呼ぶことがある)となっており、ボトル1内に充填された歯磨剤は、この環状首部9の内部を通り、内容物排出用開口10を通ってボトル1内から押し出される。
図1(b)に示されているように、この例では、胴部5の平断面が偏平した楕円形状となっている。また、この内容物排出用開口10は、胴部5の上端の開口5’よりも小さく形成されている。例えば、開口10の径dは開口5’の径DSおよび径DLよりも小径となっており、これにより、胴部5内の歯磨剤は、環状首部9内で絞られて密の状態で押し出されることとなる。
上記のような内容物排出用開口10を画定する環状首部9は、胴部5の上端から若干内方に突出している小さな段差11を介して、上方に向かって縮径して延びている第1の傾斜壁13と、第1の傾斜壁13の上端から上方に直立して延びている直立壁15と、直立壁15に連なり且つ上方に向かって縮径して延びている第2の傾斜壁17とを有しており、第2の傾斜壁17の上端から直立して延びている口部壁19とを有している。図2及び図4から理解されるように、この口部壁19の上端の内部空間が、内容物排出用開口10となる。
また、上記の直立壁15と第2の傾斜壁17との境界部の外面に、キャップ3を嵌合固定するためのキャップ嵌合固定用周状突起21が形成されている。さらに、口部壁19の上端には、水平方向外方に突出した水平フランジ23が形成されており、このような水平フランジ23を形成することにより、この環状首部9に嵌合固定されるキャップ3との密着面積を大きくし、大きなシール性を確保することができる。
本発明においては、上記のような環状首部9の外面には、図1及び図3に示されているように、広幅の第1のストッパー凸部25と狭幅の第2のストッパー凸部27とが、径方向(特に長軸L方向)に対向するように形成されている。これらのストッパー凸部25,27が、後述するキャップ3に設けられている切欠き(51、53)と係合することにより、この環状首部9に嵌合固定されているキャップ3の回転を制御し且つ所定の方向にキャップ3を回転したときにキャップ3が環状首部9から離脱するようになっている。このために、ストッパー凸部25,27は、何れも、キャップ嵌合固定用周状突起21に近接するように環状首部9の外面に形成されている。
また、図3及び図8から理解されるように、第1のストッパー凸部25の幅W1は、第2のストッパー凸部27のW2よりも大きく設定されているが、これは、キャップ3を打栓により嵌合固定する際に、正確に位置決めするためである。また、成形後の型抜きに際して、これらのストッパー凸部25,27がアンダーカットとなる場合には、これらのストッパー凸部25,27の位置が正確に軸線上に対向するように、ボトル成形に伴って形成されるパーティングラインPL上にストッパー凸部25,27が位置するように金型設計することが好適である。従って、これらのストッパー凸部25,27がアンダーカットとならないように型抜きが行われるのであれば、これらのストッパー凸部25,27は、パーティングラインPL上に配置されていなくともよい。
尚、上述した例では、ボトル1の筒状胴部5の平断面形状が楕円形であり、これに伴って、上記のストッパー凸部25,27は、楕円の長軸L上において、径方向に対向するように設けられている。即ち、キャップ3は、これらのストッパー凸部25,27を被せるように装着されるため、ストッパー凸部25,27の位置によっては、キャップ3が不必要に大きくなってしまうが、上記のように、長軸L上に対向するように設ける場合には、キャップ3をコンパクトな大きさとすることができる。勿論、打栓に際しての位置決めをより確実に行うために、ストッパー凸部25,27を、径方向に対向しないような位置に配置することもできる。
さらに、キャップ3の打栓が困難とならないように、ストッパー凸部25,27の間に高低差を設けることが好適である。例えば、図3の例では、広幅の第1のストッパー凸部25が、狭幅の第2のストッパー凸部27よりも高い位置に形成されている。両者の高さが同一であると、例えば、ストッパー凸部25,27の高さが同一である場合、誤った位置で打栓が行われると、キャップ3が変形して無理矢理打栓できてしまうことがある。しかるに、ストッパー凸部25,27の高さが異なっていれば、打栓位置が異なっていると、一方が浮き上がってしまうこととなるので、打栓位置の誤りは直ちに認識できる。
また、上記のストッパー凸部25,27は、何れも傾斜角度θが小さな旋回促進面25a,27aと、傾斜角度θが大きな旋回抑止面25b,27bとを有している。これらの面の機能については、後述する。
尚、これらのストッパー凸部25,27の上面は、径方向外方且つ下方に向かって傾斜した傾斜面Q(図2参照)となっており、キャップ3を取り外すためにキャップ3を回転させる際には、キャップ3のボトル嵌合固定用周状突起47がストッパー凸部25,27を乗り越え易いようになっている。
図4〜図7を参照して、本発明において、上述したボトル1の環状首部9に嵌合固定されるキャップ3は、ボトル1の環状首部9の外面を覆うように設けられている筒状本体31と、ヒンジバンド33により、筒状本体31の上端に開閉自在に設けられている上蓋35とから構成されている。
上記の筒状本体31には、その上端から内方に延びている内方フランジ37が形成されており、この内方フランジ37からは、インナーリング39が下方に延びている。このインナーリング39の外面が、前述した環状首部9に形成されている口部壁19の内面に密着し、さらに、内方フランジ37の下面が、口部壁19の上端に形成されている水平フランジ23の上面に密着することにより、ボトル1に形成されている内容物排出用開口10をしっかりとシールすることができる。
また、内方フランジ37に連なって中空案内筒41が立設され、この中空案内筒41は、上方に向かって縮径した形状のテーパー壁43を有しており、このテーパー壁43の上端に、内容物(歯磨剤)が排出される円筒状のノズル部45が形成されている。
即ち、中空案内筒41内の中空空間41aが、ボトル1の内容物排出用開口10を介してボトル1の胴部5内空間に連通しており、これにより、この中空空間は、内容物排出用流路となっている。即ち、ボトル1内に充填されている歯磨剤は、内容物排出用開口10を通り、中空案内筒41内の中空空間41aを介して、上端に存在しているノズル部45から排出されることとなる。
上記のノズル部45は、円筒形状であり、その上端が円形の内容物排出口となっており、その少なくとも内面は、軸方向にストレートな面となっている。内面がストレートになっていることが、シール性を確保する上で好適である。
このノズル部45の開口径Xは、環状首部9の上端の内容物排出用開口10の径dよりもさらに小さく、これにより、排出される歯磨剤は、キャップ3内でさらに絞られて、ノズル部45の上端の開口から排出されることとなる。
また、図1等に示されている態様では、ボトル1の平断面が偏平した楕円形状を有しているため、キャップ3の平断面も全体として楕円形状を有している。従って、上端に円筒形状のノズル部45が設けられるテーパー壁43の側断面は、その位置によって、傾斜角度θが大きい壁43aと傾斜角度θが小さい壁43bとになっている。
さらに、ノズル部45は、キャップ3の軸線に対して、ヒンジバンド33から離れた側に偏心しており、歯磨剤の排出に際して、上蓋35が邪魔にならないように設計されているが、勿論、ノズル部45を偏心させず、中央位置に形成することもできる。
上蓋35は、天板35aとスカート壁35bとから構成されており、スカート壁35bの下端がヒンジバンド33により、筒状本体31にヒンジ連結されている。
かかる上蓋35において、天板35aの一方側端部(ヒンジバンド33と反対側の端部)には、この上蓋35の開栓操作を容易に行い得るように、タブ35cが形成されている。また、天板35aの内面には、ノズル部45をシールするためのシールリング35dが形成されている。
さらに、前述した筒状本体31の内面には、ボトル嵌合固定用周状突起47が形成されており、このボトル嵌合固定用周状突起47が、環状首部9の外面に形成されているキャップ嵌合固定用周状突起21と係合することにより、この筒状本体31は、ボトル1の環状首部9にがっちりと固定される。
即ち、キャップ3の打栓は、上蓋35が閉じた状態で行われるが、ボトル1の環状首部9に被せて嵌合固定されている状態では、図6に示されているように、筒状本体31は、ボトル1の環状首部9の外面を覆い、その下端は、ボトル1の胴部5の上端と環状首部9との境界部に形成されている段差11に対面する位置まで延びており、これにより、環状首部9の外面全体が筒状本体31に覆われ、外観が損なわれないような形態となっている。
尚、この筒状本体31の平断面も楕円形状となっているが、図6(b)及び図7に示されているように、その長軸側の両端部分では、筒状本体31の内面の肉抜きにより凹部49が形成されており、これにより、樹脂の目付量を低減し、コスト低減を図ることができる。
ところで、本発明では、前述した環状首部9の外面に形成されている第1のストッパー凸部25及び第2のストッパー凸部27と係合する第1の切欠き51及び第2の切欠き53が、筒状本体31の内面に形成されているボトル嵌合固定用周状突起47を周方向で部分的に切欠くように設けられている。図7から理解されるように、これらの切欠き51,53は、丁度、上記の凹部49が形成されている部分に位置している。
上記の第1、第2のストッパー凸部25,27と第1及び第2の切欠き51,53との関係を示す図8を参照されたい。
広幅の第1のストッパー凸部25は、傾斜角度θの小さい旋回促進面25aを有しており、この旋回促進面25aと周方向反対側には、傾斜角度θの大きな旋回抑止面25bを有している。同様に、狭幅の第2のストッパー凸部27は、傾斜角度θの小さい旋回促進面27aを有しており、この旋回促進面27aと周方向反対側には、傾斜角度θの大きな旋回抑止面27bを有している。
このような広幅の第1のストッパー凸部25の上端は、キャップ嵌合固定用周状突起21の下方部分に位置しており、狭幅の第2のストッパー凸部27は、それよりも低く、その上端位置は、キャップ嵌合固定用周状突起21よりも若干低い位置に配置されている。
また、これらの第1及び第2のストッパー凸部25,27と係合する第1及び第2の切欠き51,53は、それぞれ、第1及び第2のストッパー凸部25,27と同様の形態を有している。
即ち、第1の切欠き51は、第1のストッパー凸部25の旋回促進面25aに対面するように、傾斜角度θの小さな旋回促進面51aを有しており、また、第1のストッパー凸部25の旋回抑止面25bに対面するように、傾斜角度θの大きな旋回抑止面51bを有している。
同様に、第2の切欠き53は、第2のストッパー凸部27の旋回促進面27aに対面するように、傾斜角度θの小さな旋回促進面53aを有しており、また、第2のストッパー凸部27の旋回抑止面27bに対面するように、傾斜角度θの大きな旋回抑止面53bを有している。
本発明では、キャップ3が環状首部9に嵌合固定されているとき、上記のような形態のストッパー凸部25,27と切欠き51,53とが係合しているわけであるが、このようなキャップ3(筒状本体31)を開栓方向に回転させると、切欠き51,53に形成されている旋回促進面51a,53aがストッパー凸部25,27の旋回促進面25a,27aに面接する。しかるに、これらの旋回促進面51a,53a,25a,27aは、何れも傾斜角度θが小さいため、切欠き51,53が形成されている筒状本体31には、上向きの応力が働く。従って、この開栓方向への旋回を続けていくと、切欠き51,53の周りのボトル嵌合固定用周状突起47は、ストッパー凸部25,27を乗り越え、筒状本体31が上昇し、この結果、筒状本体31のボトル嵌合固定用周状突起47と環状首部9のキャップ嵌合固定用周状突起21との係合が解除され、キャップ3(筒状本体31)は、速やかにボトル1(環状首部9)から取り外されることとなる。
この場合、ストッパー凸部25,27の旋回促進面25a,27a側近傍部分を径方向外方且つ下方に若干傾斜した傾斜面Q(図2参照)とすることにより、ボトル嵌合固定用周状突起47は、ストッパー凸部25,27を速やかに乗り越え、比較的小さな力で開栓操作を行うことができる。
一方、キャップ3(筒状本体31)を開栓方向とは反対側に回転させようとすると、切欠き51,53に形成されている旋回抑止面51b,53bがストッパー凸部25,27の旋回抑止面25b,27bに面接する。このとき、これらの抑止面51b,53b,25b,27bは、何れも傾斜角度θが大きいため、切欠き51,53が形成されている筒状本体31に上向きの応力が働くことはなく、開栓方向とは反対側への回転は抑止されることとなる。
このように、本発明によれば、キャップ3を開栓方向へ回転させることにより、容易にキャップ3をボトル1(環状首部9)から取り外すことができ、歯磨剤の排出後、ボトル1とキャップ3を容易に分別して廃棄することができ、また、廃棄に際して、ボトル1内を洗浄してクリーンにすることも可能となる。
尚、上述したストッパー凸部25、27に形成されている旋回促進面25a,27a及び切欠き51,53に形成されている旋回促進面51a,53aの傾斜角度θは、これらが互いに面接触したとき、筒状本体31に、ボトル嵌合固定用周状突起47がストッパー凸部25,27を乗り越えるに十分な上向きの応力が働くような小さな角度であればよく、一般に、10〜50度程度、更に好ましくは20〜30度でよい。一方、旋回抑止面25b,27b,51b,53bの傾斜角度θは、キャップ3(筒状本体31)の回転が不能となるような大きな角度であればよく、例えば、通常、51度以上でよく、勿論、このような旋回抑止面25b,27b,51b,53bは直立面(傾斜角度θが90度)であってもよい。
尚、本発明において、上述したボトル1に内容物として収容される歯磨剤は、炭酸カルシウムや水酸化アルミニウムなどの研磨剤、ラウリル酸ナトリウムなどの泡立て剤ないし発泡剤、グリセリン等の保湿剤、アルギン酸ナトリウムやカルボキシメチルセルロースなどの結合剤を基本成分として含み、さらにフッ化物などの薬効成分を含んでおり、親水性であり、極めて粘稠なペースト状の固形物であり、その密度(23℃)は、一般に、1.1〜1.6g/cmの範囲にある。
また、本発明において、上述したボトル1は、それ自体公知の熱可塑性樹脂を使用し、ダイレクトブロー成形や延伸ブロー成形などの公知のブロー成形により成形される。また、キャップ3は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂を用いての射出成形、圧縮成形等により成形され、ボトル1に歯磨剤を充填した後、上蓋35が閉じられた状態でキャップ3をボトル1の環状首部9に打栓することにより、本発明の歯磨剤入り包装製品とすることができる。
さらに、本発明においては、上述した粘稠な歯磨剤をボトル1内に残存することなく、排出するため、歯磨剤に対して潤滑性を示す潤滑液の層をボトル1の胴部5の内面に存在させることが好適である。
潤滑液;
上記のような潤滑液は、当然のことながら、大気圧下での蒸気圧が小さい不揮発性の液体、例えば沸点が200℃以上の高沸点液体であることが必要である。揮発性液体では、容易に揮散して経時と共に消失し、潤滑液として機能させることができない。
このような潤滑液の具体例としては、上記のような高沸点液体であることを条件として、種々のものを挙げることができるが、歯磨剤が親水性であり、このような親水性物質に対して滑り性を向上させるものであることから、食用油、脂肪酸トリグリセライド、フッ素系界面活性剤及びシリコーンオイルが代表的である。食用油としては、大豆油、菜種油、オリーブオイル、米油、コーン油、べに花油、ごま油、パーム油、ひまし油、アボガド油、ココナッツ油、アーモンド油、クルミ油、はしばみ油、サラダ油などが挙げられる。
ボトル1の胴部5の内面に液層を形成する場合、この胴部5は、通常、図9に示す多層構造を有している。
即ち、図9において、この胴部5は、中間層として、液拡散防止層61を有しており、この液拡散防止層61の内面側に下地層63が形成されており、下地層63の上に上記潤滑液の液層65が設けられている。
また、液拡散防止層61の他方側の面には、外面層67が設けられている。
液拡散防止層61;
液拡散防止層61は、潤滑液の浸透・拡散を遮断するものであり、このような層を形成することにより、液層65により付与される歯磨剤に対する滑り性が長期間にわたって安定に維持されることとなる。
即ち、液層65を形成する潤滑液が下地層63を通って胴部5の内部に浸透・拡散してしまうと、液層65を形成している潤滑液が表面から内部に徐々に移行していくため、その液量が経時と共に減少し、この結果、液層65による歯磨剤に対する滑り性が経時と共に失われていくこととなる。しかるに、液拡散防止層61を設けることにより、液層65からの潤滑液の浸透拡散が遮断されるため、液層65の液量減少が有効に抑制され、滑り特性の低下を回避することができる。
このような液拡散防止層61の材質は、液層65からの液の浸透拡散を防止し得るものであり、且つボトル1への成形が可能である限り、特に制限されないが、一般的には、密度が1.00g/cm以上であり且つガラス転移点(Tg)が35℃以上の熱可塑性樹脂、あるいは、結晶化度が0.5以上の熱可塑性樹脂が使用される。即ち、このような熱可塑性樹脂は緻密であり、樹脂中での潤滑液の移動拡散が非常に制限されると考えられるため、潤滑液の浸透拡散を有効に抑制することができる。例えば、密度及びガラス転移点(Tg)が上記範囲を下回る樹脂では、液拡散防止層61がルーズな層となり、潤滑液の移動拡散の制限が弱まってしまい、潤滑液の浸透拡散を効果的に防止することが困難となる。また、結晶化度が0.5未満の樹脂では、樹脂中での潤滑液の移動拡散を制限する結晶成分が少なく、制限が弱まってしまうため、潤滑液の浸透拡散を効果的に防止することが困難となる。
このような液拡散防止層61の厚みは、2μm以上、特に5〜80μm程度であることが好ましい。この厚みが薄すぎると液拡散防止能が不満足となってしまうおそれがあり、また過度に厚くしても、胴部5が不必要に厚肉となってしまい、コスト的にもメリットが無いからである。
上記のような密度及びガラス転移点(Tg)を有する熱可塑性樹脂は特に制限されないが、一般的には、エチレン・ビニルアルコール共重合体(エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物)、芳香族ポリアミド及び環状ポリオレフィンなどのガスバリア性樹脂や、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸や液晶ポリマーのようなポリエステル、ポリカーボネート等が好ましい。例えば、このようなガスバリア性樹脂により液拡散防止層61を形成した場合には、液拡散防止層61に酸素などのガスの透過を防止するガス遮断性をも付与することができ、ボトル1内に収容された歯磨剤の酸化劣化を防止することができ、極めて有利となる。中でもエチレン・ビニルアルコール共重合体は、特に優れた酸素バリア性を示すため、最も好適である。
上記のようなエチレン・ビニルアルコール共重合体としては、一般に、エチレン含有量が20乃至60モル%、特に25乃至50モル%のエチレン−酢酸ビニル共重合体を、ケン化度が96モル%以上、特に99モル%以上となるようにケン化して得られる共重合体ケン化物が好適であり、これらの中から、密度且つガラス転移点(Tg)が前述した範囲にあるものを選択的に使用するのがよい。
尚、前述したガスバリア性樹脂は、それぞれ単独で使用することもできるし、また、密度やガラス転移点(Tg)が前記範囲内にある限り、ポリエチレン等のポリオレフィンとガスバリア性樹脂とをブレンドして液拡散防止層61を形成することもできる。
また、上記のようなエチレン・ビニルアルコール共重合体により液拡散防止層61を形成する場合には、そのガスバリア性を十分に発揮させるために、予めラボ試験を行い、下記のようにして測定される酸素濃度増加量が一定の範囲内となるように、液拡散防止層61の厚みを設定することが好適である。
即ち、歯磨剤を充填せずに、容器内雰囲気が窒素置換され且つ相対湿度が100%に保持されるように密封されたボトル1についての酸素濃度を測定した時、22℃60%RH下で30日保管した際の酸素濃度増加が0.5%以下、さらに好ましくは0.3%以下、格段に好ましくは0.1%以下、かつ、40℃75%RH下で30日保管した際の酸素濃度増加が2%以下である。
上記のようなエチレン・ビニルアルコール共重合体により液拡散防止層61を形成する場合には、そのガスバリア性を十分に発揮させるために、この胴部5の20℃での酸素透過度が、2.0cc/20μm・m・24hrs・atm以下となるような層構造とし、必要に応じて、その厚みを設定することが好適である。
ところで、上記のようなガスバリア性樹脂を液拡散防止層61として用いる場合には、下地層63(或いは外面層67)との接着性を高め、デラミネーションを防止するために、液拡散防止層61に隣接して接着樹脂層(図示せず)を設けることが好ましい。これにより、液拡散防止層61をしっかりと下地層63或いは外面層67に接着固定することができる。即ち、ガスバリア性樹脂を液拡散防止層61として用いる態様では、基本的に、中間層として、液拡散防止層61以外に、1層或いは2層の接着樹脂層を設けることが好適である。
接着樹脂層の形成に用いる接着剤樹脂はそれ自体公知であり、例えば、カルボニル基(>C=O)を主鎖若しくは側鎖に1乃至100meq/100g樹脂、特に10乃至100meq/100g樹脂の量で含有する樹脂、具体的には、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸などのカルボン酸もしくはその無水物、アミド、エステルなどでグラフト変性されたオレフィン樹脂;エチレン−アクリル酸共重合体;イオン架橋オレフィン系共重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体;などが接着剤樹脂として使用される。このような接着剤樹脂層の厚みは、適宜の接着力が得られる程度でよく、一般的には、0.5乃至20μm、好適には1乃至8μm程度の厚みでよい。
また、上述した液拡散防止層61は、下地層63の表面(下地層63と液層65との界面)からの間隔dが200μm以下、好ましくは150μm以下の範囲となるように形成されているべきである。即ち、この間隔dが大きすぎると、液拡散防止層61により液の浸透拡散が防止されるとしても、液層65からの潤滑液が、液拡散防止層61と下地層63の表面との間に浸透し得る量が多量となってしまい、この結果、液層65の経時的消失を効果的に抑制することができなくなってしまう。
下地層63;
上述した液拡散防止層61の上に設けられる下地層63は、表面に形成される液層65が脱落しないように保持するための層である。即ち、液拡散防止層61の上に直接液層65を形成してしまうと、液層65を形成する潤滑液が浸透しないため、液層65の脱落を生じ易くなってしまい、一定の液層被覆率で液層65を安定に形成することが困難となってしまう。このため、下地層63を設け、この上に液層65を形成することが必要となる。
このように、下地層63は、液層65からの液の浸透をある程度許容し、液層65に対してアンカー効果を示すものである。従って、液拡散防止層61と比較すると、比較的ルーズな樹脂により形成され、例えば密度が1.0g/cmよりも小さい熱可塑性樹脂により形成される。
このような下地層63を形成するための熱可塑性樹脂としては、層を形成し得る程度の分子量を有し、密度が上記範囲内であれば特に制限されないが、一般的には、オレフィン系樹脂、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、中或いは高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテンなどを挙げることができる。勿論、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン同士のランダムあるいはブロック共重合体等であってもよい。本発明において、特に好適に使用される下地層63形成用オレフィン系樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレンであり、ポリエチレンが最適である。特に、低密度ポリエチレンや直鎖低密度ポリエチレンを用いて下地層63を形成した場合には、胴部5のスクイズ性も高く、粘稠な歯磨剤の排出性の点でもより好適となる。
尚、ポリエチレンテレフタレートのようなポリエステルは、下地層63の形成用樹脂としては、あまり適当でない。このようなポリエステルは、潤滑液に対する濡れ性が高く、薄く、且つ均一な厚みの液層65を形成するという点では問題は無いのであるが、潤滑液に対する保持性が乏しく、この液層65が流れ落ちてしまうからである。
また、上述した説明から理解されるように、この下地層63は、その表面(液層65との界面)と液拡散防止層61との間隔dが一定値以下となるように形成されるが、液層65に対して適度なアンカー効果を発現させるため、少なくとも5μm以上、特に10μm以上の厚みを有していることが好ましい。
さらに、上記のような下地層63に潤滑液をブレンドし、この下地層63を、液層65を形成する潤滑液の供給源とすることができる。即ち、前述した潤滑液に対する浸透拡散性の高い低密度の樹脂により形成されている下地層63に潤滑液をブレンドしておくことにより、後述する液層65を容易に形成することができる。下地層63の他方側は液拡散防止層61が形成されているために、下地層63にブレンドされている潤滑液は、下地層63の表面に滲出し、これにより、液層65を形成することができる。下地層63にブレンドする潤滑液の量は、一般に、表面に滲出して液層65を形成する潤滑液の量が以下で述べる範囲に維持されるように設定しておけばよい。
液層65;
筒状胴部5の内面に形成される液層65は、前述した歯磨剤に対して滑り性を示す潤滑液により形成される。
このような潤滑液から形成される液層65は、一般に、液量が0.1乃至20g/m、好ましくは1.9乃至10g/mとなるように形成される。即ち、下地層63に潤滑液をブレンドして液層65を形成する場合には、このような液量の液層65が形成されるようにブレンド量を設定しておけばよい。液層65の液量が少ないと、十分な滑り性を付与することが困難となり、一方、液量が過度に多いと、液の脱落などを生じ易くなり、液量の変動が大きくなり、安定した滑り性を確保することができなくなるおそれがあるからである。
また、このような液層65は、潤滑液による滑り性を胴部5の内面に安定に且つムラなく付与するために、下記式:
F=(cosθ−cosθ)/(cosθ−cosθ
式中、
θは、下地層63表面での水接触角であり、
θは、液層65を形成する潤滑液上での水接触角であり、
θは、下地層63を形成する熱可塑性樹脂単体上での水接触角である、
で算出される液層65の液層被覆率Fが0.5以上、好ましくは0.6以上となるように形成されるべきである。即ち、下地層63の表面での水接触角θと液層65上での水の接触角θが同じである場合には、液層被覆率Fは1.0であり、下地層63の全体が液層65で覆われていることになる。
例えば、液層被覆率Fが上記範囲よりも小さいと、潤滑液量が多量にあっても、内面に潤滑液が点在するような形態で液層65が形成され、十分な滑り性を発揮することが困難となってしまう。
ここで、上述の式は、表面が2種類の成分(A、B)から形成された複合表面上における見かけの接触角θを表現するCassie−Baxterの式を変形して得られる。これは下記式で表現される。
cosθ=Fcosθ+Fcosθ
=Fcosθ+(1−F)cosθ
式中、
はA成分の割合を示し、FはB成分の割合を示し(但し、F+F=1)である、
θは、A成分単体上での水の接触角であり、
θは、B成分単体上での水の接触角である。
外面層67;
本発明において、液拡散防止層61の他方側に形成されている外面層67は、特に必要ではないが、一般に、胴部5のスクイズ性を確保するために設けられる。
この外面層67の材質は、各種熱可塑性樹脂から形成され、特に、低密度ポリエチレンや直鎖低密度ポリエチレンを用いて外面層67が形成される。この場合、外面層67と液拡散防止層61との間に適宜接着剤樹脂層を設けることもできるし、外面が上記の低密度ポリエチレンや直鎖低密度ポリエチレンにより形成されていることを条件として、外面層67中に、ガスバリア性樹脂層(液拡散防止層としても機能する)を設けることもできる。
他の層構成;
本発明において、内面に液層65が形成されている胴部5の層構成は、図9に示される層構成に限定されるものではなく、例えば下地層63と液拡散防止層61との間に液拡散調節層を設けることができる。
この液拡散調節層は、前述した液層65を形成する潤滑液を含むものである。この態様は、例えば、下地層63中に液層65を形成する潤滑液をブレンドしておき、下地層63からの潤滑液の滲出により潤滑液の液層65を形成する態様に好適に適用される。即ち、下地層63中の潤滑液は、液拡散調節層中にも浸透し拡散していくため、下地層63の表面に滲出する潤滑液の量を適度な範囲に調節し、過剰量の液の滲出を防止し、適正な液量で液層65を形成する上で有利である。また、下地層63中には液層65を形成する潤滑液をブレンドせずに、下地層63の表面に潤滑液を塗布等の操作により液層65を形成した場合にも好適に適用できる。即ち、下地層63に液層65を形成する潤滑液をブレンドせずに形成した場合、液層65を形成する液体は、時間経過とともに下地層63中に浸透し拡散することとなる。このような態様の場合、例えば、液拡散防止層61と下地層63の間に液拡散調節層を設けておくことにより、液拡散調節層に含まれている潤滑液が、液拡散調節層から下地層63中に拡散していく。その結果、液層65から下地層63に浸透し拡散する潤滑液量が低減されるため、液層65の液量を調節することが可能となる。
このような液拡散調節層を形成する樹脂は、液層65を形成する潤滑液を含んでいる限り、基本的にはどのような樹脂であってもよく、例えば、液拡散防止能を有していない樹脂を用いて液拡散調節層を形成することができるが、通常は、下地層63を形成する樹脂と同種の樹脂で液拡散調節層を形成するのがよい。
尚、上記のような液拡散調節層が設けられている場合も、液拡散防止層61と下地層63の表面との間隔dは前述した範囲にあるべきであり、このような範囲に間隔dが維持されていることを条件として、液拡散調節層の厚みtと下地層63の厚みtとの厚み比t/tは0.1〜10の範囲に設定することが液拡散調節層の機能を十分に発揮させる上で好ましい。
尚、上述した各種の層には、各層を形成する材料の種類に応じて、各層の特性を損なわない範囲で、酸化防止剤、界面活性剤、着色剤などの添加剤が適宜配合されていてもよい。
1:ブロー成形ボトル
3:キャップ
5:筒状胴部
9:環状首部
10:内容物排出用開口
19:部壁
21:キャップ嵌合固定用周状突起
25:第1のストッパー凸部
27:第2のストッパー凸部
31:筒状本体
35:上蓋
41:中空案内筒
45:ノズル部
47:ボトル嵌合固定用周状突起
51:第1の切欠き
51a:旋回促進面
51b:旋回抑止面
53:第2の切欠き
53a:旋回促進面
53b:旋回抑止面
L:長軸
S:短軸
PL:パーティングライン

Claims (5)

  1. 歯磨剤が充填されるためのブロー成形ボトルと、該ボトルに装着されたキャップとからなる歯磨剤用容器において、
    前記ボトルは底部が閉じられた筒状胴部と、該筒状胴部の上端に連なり且つ内容物排出用開口を備えた環状首部とを備えており、
    前記キャップは、前記ボトルの環状首部の外面を覆うように該環状首部に嵌合固定されている筒状本体と、該筒状本体の上端から内方に延びている内方フランジと、該内方フランジの内周縁から立設している中空案内筒と、該筒状本体の上端にヒンジ連結された上蓋とから成り、
    前記環状首部の外面には、周方向に間隔を置いて、広幅の第1のストッパー凸部と狭幅の第2のストッパー凸部とが形成されており、
    前記筒状本体の内面には、前記ボトルの環状首部の外面と係合するボトル嵌合固定用周状突起と、前記第1のストッパー凸部と係合し得る広幅の第1の切欠きと、前記第2のストッパー凸部と係合し得る狭幅の第2の切欠きとが形成されていることを特徴とする歯磨剤用容器。
  2. 前記ボトルの環状首部の外面には、前記ボトル嵌合固定用周状突起と係合するキャップ嵌合固定用周状突起が形成されている請求項1に記載の歯磨剤用容器。
  3. 前記第1のストッパー凸部と第1の切欠き部との係合部には、周方向において一方側にキャップの開栓を許容し得る傾斜角度の小さな旋回促進面が形成され、且つ他方側にキャップの開栓を抑止する傾斜角度の大きな旋回抑止面が形成されていると共に、前記第2のストッパー凸部と第2の切欠き部との係合部にも、周方向において一方側にキャップの開栓を許容し得る傾斜角度の小さな旋回促進面が形成され、且つ他方側にキャップの開栓を抑止する傾斜角度の大きな旋回抑止面が形成されている請求項1または2に記載の歯磨剤用容器。
  4. 前記第2のストッパー凸部の上端は、前記第1のストッパー凸部の上端よりも低い位置に存在している請求項3に記載の歯磨剤用容器。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載の歯磨剤用容器のブロー成形ボトルに歯磨剤が充填された歯磨剤入り包装製品。
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