JP2009179402A - キャップ材およびキャップ付容器 - Google Patents

キャップ材およびキャップ付容器 Download PDF

Info

Publication number
JP2009179402A
JP2009179402A JP2009119353A JP2009119353A JP2009179402A JP 2009179402 A JP2009179402 A JP 2009179402A JP 2009119353 A JP2009119353 A JP 2009119353A JP 2009119353 A JP2009119353 A JP 2009119353A JP 2009179402 A JP2009179402 A JP 2009179402A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cap
liner
layer
top plate
bottle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009119353A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuya Hanabusa
達也 花房
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Altemira Can Co Ltd
Original Assignee
Universal Can Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Universal Can Corp filed Critical Universal Can Corp
Priority to JP2009119353A priority Critical patent/JP2009179402A/ja
Publication of JP2009179402A publication Critical patent/JP2009179402A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Closures For Containers (AREA)

Abstract

【課題】 開栓トルクが小さく開栓が容易であるとともに、密封性に優れたキャップ材およびキャップ付容器を提供する。
【解決手段】 円板状の天板部と天板部の周縁から略垂下してなる周壁部を有するキャップ本体と、キャップ本体の天板部の内面に沿って配置されるシートタイプのライナーとを備えたキャップ材50において、ライナーは、エラストマーで構成されシール機能を有する密封層21と、密封層21よりも高い硬度を有し、天板部の内面と摺動する摺動層22とが積層されてなり、摺動層22と密封層21との間の少なくとも一部に中間層51が設けられたことを特徴とする。
【選択図】 図4

Description

本発明は、ボトル缶やガラスビンやPETボトル等に使用されるキャップ材およびキャップ付容器に関する。
近年、清涼飲料水などの飲料用容器として、ガラスビン、PETボトル、アルミボトル缶等の開閉可能な容器が広く使用されている。これらの容器に使用されるキャップ材は、合成樹脂を射出成形により成形されたキャップ本体や、アルミ板や鉄板等を絞り加工して成形されたキャップ本体に、主に合成樹脂で構成されたライナーを備えたものが広く提供され、このキャップ材をボトル口部に雄ネジ部を具備した容器に螺着して開閉可能なキャップとして使用される。
キャップ本体の天板部の内面に配置されるライナーとしては、予め成形したディスクを挿入した後にキャップ本体の天板部内面の中心部に熱接着したものや、塩ビゾルのようにキャップ本体に樹脂を流し込んでゲル化と同時に接着したものや、溶融樹脂をキャップ本体の中に入れて型押ししたもの等がある。そして、これらのライナーは、ほとんどがキャップ本体の天板部内面に接着されており、キャップを回転させる際には、キャップと同時にライナーを回転する必要がある。ここで、ライナーとボトル口部の開口部におけるライナーとの接触部分とが強く固着していると、その間の摩擦抵抗が大きいため、開栓に必要なトルク(以下、開栓トルクと称す)が大きくなり、開栓操作が困難になる問題があった。そこで、開栓トルクを低減するためにライナーとボトル口部の開口部におけるライナーとの接触部分との潤滑を良好にする必要があり、ライナーに滑剤を添加したものが提供されている。
しかしながら、滑剤を添加したライナーを使用した場合には、滑剤が添加したライナーが直接ボトル容器内の充填物と接触するため、充填物に滑剤の一部が落下して充填物の表面に浮き、異物として認識され品質を損なうというおそれがあった。
このような問題を解決するために、特許文献1では、ライナーを機能層と支持層との2層構造とし、このシート状のライナーをキャップ本体の天板部の内面と非接合状態で取り付ける構成とされたキャップが提案されている。
特開2004−217295号公報
上記従来の技術には、以下の課題が残されている。
従来のライナーで使用されるエラストマーは、一般的に酸素や臭気物などの透過性が高いため、充填物を長期間保管した場合にライナーの機能層を透過した酸素によって品質劣化するといった問題や、TCA(トリクロロアニソート)等の臭気物がライナーの機能層を通じてボトル容器内に侵入し、充填物に臭いが移り、フレーバー性が損なわれるといった問題があった。
なお、特許文献1に記載のキャップに使用されているライナーは、エラストマー等から構成される機能層と、一定の曲げ強度を有する支持層とが積層されて構成され、この支持層の厚みがライナー全体の厚みの4%から50%とされたものである。したがってエラストマーによって構成された機能層の厚みが全体の50%から96%を占めるものであり、ライナー全体として弾性を有し、その変形抵抗が小さいものである。
上記のライナーを装着したキャップ材をボトル容器のボトル口部に螺着して使用した場合には、ライナーの変形抵抗が小さいために、ライナーが大きく変形してボトル口部の周りに食い込み、ボトル口部とライナーとの接触面積が大きくなり、キャップを回転させて開栓する際の開栓トルクが非常に大きくなるといった問題があった。
また、市場においてキャップ付ボトル缶を40〜70℃くらいに加熱して販売する場合などには、ボトル缶の内圧が高くなり、ライナーがキャップ本体の天板部の内面に強く押し付けられるが、この際にライナーの変形が大きいので、ライナーがキャップ本体の天板部に固着し、ライナーとキャップ材との摩擦抵抗が増加し、開栓トルクが上昇して開栓が困難となる問題があった。
さらに、ガラスビンに加熱した状態で充填物を充填してキャップにて封止した場合には、ガラスビンの内部が陰圧、つまり減圧ビンとなるが、上記のライナーは変形抵抗が小さいために、ライナーが変形してガラスビンに固着してしまい、キャップを回動させた際に、キャップ本体のみがガラスビンから離間され、ライナーがキャップ本体から脱落してしまうといった問題があった。
また、エラストマーである機能層の厚さがライナーの全体の厚さの50%を越える場合には、キャップ材をボトルに嵌合したときに、円周方向外側に機能層が膨張し、キャップ材円筒部と機能層との接触が大きくなるので、開栓トルクが高くなるという問題があった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、外部から酸素がボトル容器内に混入するのが防止され、酸素による充填物の品質劣化を防止でき、TCA等がボトル容器内に侵入し、充填物に臭いが移り、フレーバー性が損なわれることを防止するキャップ材およびキャップ付き容器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、この発明は、円板状の天板部と該天板部の周縁から略垂下してなる周壁部を有するキャップ本体と、該キャップ本体の前記天板部の内面に沿って配置されるシートタイプのライナーとを備えたキャップ材において、前記ライナーは、エラストマーで構成されシール機能を有する密封層と、該密封層よりも高い硬度を有し、前記天板部の内面と摺動する摺動層とが積層されてなり、前記摺動層と前記密封層との間の少なくとも一部にバリアー性フィルムである中間層が設けられたことを特徴とする。
また、本発明のキャップ材は、前記中間層が、アルミであることを特徴とする。
この発明では、前記摺動層と前記密封層との間の一部または全面にバリアー性フィルムである中間層を設けることにより、ボトル口部の密封性や、キャップ本体の天板部内面との摩擦抵抗などに影響を与えずに、ライナーに新たな特性を付加することができる。
例えば、前記中間層を、アルミ、PET(ポリエチレンテレフタレート)、EVOH(エチレンビニルアルコール共重合体)、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)、PA(ポリアミド)等のバリアー性フィルムとすることにより、外部から酸素がボトル容器内に混入するのが防止され、酸素による充填物の品質劣化を防止できる。また、TCA等がボトル容器内に侵入し、充填物に臭いが移り、フレーバー性が損なわれることを防止できる。
なお、上記の構成のキャップ材では、ライナーに、キャップ本体の天板部内面に対向して摺動する摺動層を設けられているので、キャップ本体の天板部内面とライナーとの固着が防止され、開栓トルクを低減することができる。また、ライナーにはシール機能を有する密封層が設けられているので、ボトル口部の開口部をライナーによって密封することができる。
さらに、密封層より高い硬度を有する摺動層の厚みをライナー全体の厚みの55%から95%とし、ライナー全体としての変形抵抗が大きくすることで、キャップ本体天板部内面と摺動層との接触面積を低減でき、開栓トルクを低減することができる。また、ガラスビン内が陰圧となった場合でも、ライナー全体としての変形抵抗が大きいので、ライナーが変形してガラスビンに固着することが防止され、開栓時にライナーが脱落することを防止できる。
また、前記摺動層の厚みを95%以下とし、密封層の厚みを5%以上とすることで、密封層の厚みを確保でき、ボトル口部に沿って密封層が変形し、ボトル容器を密封することができる。一方、摺動層の厚みをライナー全体の厚みの55%以上とし、密封層の厚みは、ライナー全体の45%以下とすることで、密封された状態における密封層の変形代が小さく、ボトル容器を密封した後ではライナーが弾性変形しにくく、密封状態を保持することができる。さらに、キャップ材をボトル容器に嵌合したときでも、ライナーの円周方向外側に密封層が膨張することが抑えられ、キャップ材円筒部内壁面と密封層との接触面積が過剰になることを防止でき、開栓トルクを低減することができる。
また、前記摺動層の厚みを、前記ライナーの厚みの60%から80%とすることにより、密封層の厚みが20%以上とされ、密封層の厚みを十分に確保できるので、しっかりとボトル容器を密封できる。また、ライナーの変形抵抗が極端に大きくなることが防止され、例えばライナーが絞られて変形することによりボトル口部を密封するキャップにも適用することができる。
さらに、前記摺動層の厚みを、前記ライナーの厚みの60%から70%とすることにより、一層安定してボトル容器を密封することができるとともに、開栓性にも優れたキャップ材を提供することができる。
また、前記中間層を、インキを塗布して形成することにより、前記摺動層と前記密封層との間にインキによって文字や図形などが表示でき、例えば、飲料製品などの販売促進用に当たりクジなどの情報を印刷して、密封層や摺動層を透明又は半透明とすることで、ライナーに上記情報を表示することができる。さらに、これらの情報を表示するインキが摺動層と密封層の間に設けられているので、インキがボトル容器内の充填物に接触することがなく衛生性に優れている。
また、前記摺動層に滑剤を添加することにより、滑剤によってライナーとキャップ本体の天板部内面との摩擦抵抗が低減され、開栓トルクを低減することができ、容易に開栓することができる。
また、前記摺動層を、ポリプロピレンまたはポリプロピレンの重合体で構成するとともに、前記密封層を、ポリプロピレンとエラストマーのブレンド材またはポリプロピレンの重合体とエラストマーのブレンド材で構成することにより、摺動層および密封層が同じポリプロピレン系の材料で構成され、ライナーを打ち抜き成形した際に発生する打ち抜き後のシート屑を摺動層の原料として再利用することができる。したがって、廃棄物の発生を低減でき、環境負荷を小さくすることができるとともに、その製造コストを低減することができる。なお、本明細書においては、重合体には共重合体を含むものとする。
ここで、エラストマーである密封層はボトル容器の充填物と接触するため、衛生性及び弾性などの特性を厳しく管理する必要があるが、摺動層は充填物と接触しないので、特性を厳密に管理する必要が無く、密封層を構成するポリプロピレンの重合体またはブレンド材が少量混入しても問題はない。さらに、摺動層の厚みをライナー全体の55%から95%とすることで、打ち抜き後のシート屑を原料として使用しても、密封層を構成するポリプロピレンの重合体またはブレンド材の混入量が少なく、摺動層の特性への影響が小さい。
ここで、密封層とボトル口部とが強く固着した場合には、ライナーがボトル口部より離間される際に大きな力が必要となるためキャップの開栓性が劣化することになる。よって、キャップの開封性を向上させるために、密封層にアンチブロッキング剤または脂肪酸アマイドをそれぞれ単独で、あるいは両方ともに添加することが好ましい。アンチブロッキング剤として例えば、タルク、マイカ、カオリン、珪藻土などを密封層に0.3〜5.0重量%添加することにより、密封層の表面に凹凸が生じて密封層とボトル口部との固着を防止できる。また、脂肪酸アマイドを0.01〜1.0重量%添加することにより、密封層表面が滑りやすくなって密封層とボトル口部との固着を防止できる。
また、前記キャップ本体を、アルミまたは合成樹脂またはブリキ若しくはティンフリースチールで構成することにより、アルミボトル缶やPETボトルやティンスリースチール製ボトル缶やガラスビンなどのボトル容器のキャップとして本発明のキャップ材を使用することができる。
また、前記キャップ材を、前記キャップ本体の前記天板部近傍に設けられたライナー支持部によって、前記ライナーを回転自在に支持する構成とすることにより、キャップを回転させる際に、ライナーをキャップとともに回転する必要が無く、開栓トルクを大幅に低減でき、開栓が容易にできる。
上記キャップ材をボトル口部に配置するとともに、前記周壁部内面にボトル口部に螺着させる雌ネジ部を形成したキャップ付容器では、酸素による充填物の品質劣化を防止できると共にフレーバー性が損なわれることを防止できる。
また、このキャップ付容器では、ボトル口部に螺着されたキャップを回転させて開栓する際に、キャップ本体の天板部内面とライナーの天板部内面に接する側が摺動層とされ、この間の動摩擦係数が小さいとともに、摺動層の硬度が高くライナー全体の変形抵抗が大きいので、ライナーがキャップ本体の天板部内面に強く固着されず、キャップとライナーの摺動による相対移動が可能となり、キャップを回転させたときにキャップ本体の天板部内面とライナーの摺動層とが摺動するので、ライナーの密封層とボトル口部の開口部における密封層との接触部分とを摺動させる必要が無く、キャップを回転させることができ、開栓トルクが軽減され、開栓操作を容易に行うことができる。
以上のように、本発明によれば、開栓トルクが小さく開栓が容易であるとともに、密封性に優れ、酸素による充填物の品質劣化を防止できると共にフレーバー性が損なわれることを防止できるキャップ材およびキャップ付容器を提供することができる。
本発明の第1の参考技術であるキャップ材の部分断面図である。 図1のキャップ材に使用されるライナーの説明図である。 キャップ付ボトル缶の部分断面図である。 本発明の一実施形態であるキャップ材に使用されるライナーの説明図である。 本発明の第2の参考技術であるキャップ材に使用されるライナーの説明図である。
本発明の第1の参考技術について図面を用いて説明する。図1に本発明の第1の参考技術であるキャップ材10を、図2にキャップ材10に使用されるライナー20を示す。
キャップ材10は、アルミ材によって構成されるキャップ本体11とキャップ本体11に装着されるライナー20とから構成されている。
キャップ本体11は、円板状の天板部12と、天板部12の周縁から略垂下してなる周壁部13を有する。周壁部13の上方には、周壁部13の内面側に突出されたライナー支持部14aを有する凹凸部14が形成されている。
ライナー20は、ポリプロピレンの重合体とエラストマーとが所定の比率の範囲内でブレンドされたブレンド材からなる密封層21と、ポリプロピレン(PP)のプラスチック層からなる摺動層22の二層で構成されており、摺動層22の厚さは、ライナー20全体の厚さの65%とされている。ここで、密封層21の硬度はショアD(JIS K 6253)で30以下(ショアA(JIS K 6253)で80以下)とされ、摺動層22の硬度はショアDで40以上とされている。
ここで、密封層21には、脂肪酸アマイドが0.2重量%添加されており、密封層21の表面が滑りやすくされている。
ライナー20は、プラスチック層からなる摺動層22が天板部12内面に対向するように配置されている。ライナー20は天板部12内面に接合されず、凹凸部14の内面側のライナー支持部14aにて保持されている。
図3に、上記のキャップ材10が使用されるキャップ付容器の一例としてキャップ付ボトル缶30を示す。キャップ付ボトル缶30は、アルミニウム合金などで形成された金属製ボトル缶31(以下ボトル缶31と称す)にキャップ40が螺着された構成となっている。ボトル缶31は、円筒状の缶胴32から上方に向かって縮径する縮径部33を有し、縮径部33の上方に口金部34を備えている。口金部34には、雄ネジ部35と膨出部36とカール部37とが形成されている。
キャップ材10は、ボトル缶31の口金部34に被着されて使用される。すなわち、キャップ材10は、ボトル缶31の口金部34に被せられ、キャッピング装置のネジ形成ローラーがキャップ材10の周壁部13に押し当てられた状態で口金部34の周囲を回転し、口金部34の雄ネジ部35に沿って転動することにより、キャップ材10の周壁部13内面に口金部34の雄ネジ部35に対応した雌ネジを形成しつつ、口金部34に被着され、キャップ40として使用される。
つまり、キャップ材10をボトル缶31に被着させ、キャップ材10の周壁部13に雌ネジ部41を形成させたものをキャップ40という。
また、キャップ40には、天板部12と雌ネジ部41とピルファープルーフ部42とブリッジ部43とが形成されており、天板部12の内面にはシール材であるライナー20が配置され、キャップ40の上方には、周壁面13の内面側に突出されたライナー支持部14aを周方向に繰り返した凹凸部14が形成されている。ボトル缶31の雄ネジ部35とキャップ40の雌ネジ部41とが螺合し、膨出部36の下方にピルファープルーフ部42の下端がすそ巻きされた状態で、キャップ40はボトル缶31に被着されており、ボトル缶31の口金部34とライナー20の密封層21とが密着することで密封されている。
キャップ40が被着されたボトル缶31を開栓する際には、ボトル缶31を一定位置に保持した状態で、当該キャップ40を回転させる。この回転により、ボトル缶31の膨出部36と係合しているピルファープルーフ部42がブリッジ部43にて分離され、キャップ40のピルファープルーフ部42以外の部分は、口金部34の雄ネジ部35に沿って上方に移動する。これに伴い、凹凸部14のライナー支持部14aにて保持されているライナー20も上方に移動し、ライナー20と口金部34とが離間され、開栓される。
この開栓動作において、上記の構成のキャップ40は、キャップ本体11の天板部12内面とライナー20の天板部12内面に接する側が摺動層22とされているので、この間の動摩擦係数が小さいとともに、摺動層22の硬度が高く、ライナー20全体の変形抵抗が大きいので、キャップ本体11の天板部12内面にライナー20が強く固着されず、キャップ40とライナー20の摺動による相対移動が可能となり、キャップ40を回転させたときにキャップ本体11の天板部12内面とライナー20の摺動層22とが摺動するので、ライナー20の密封層21と口金部34の開口部におけるライナー20との接触部分とを摺動させる必要が無く、キャップ41を回転させることができ、開栓トルクが軽減され、開栓操作を容易に行うことができる。
さらに、摺動層22の厚みがライナー20全体の厚みの65%とされているので、エラストマーで構成されている密封層21の割合が低く、ライナー20全体としての変形抵抗が大きく、口金部34とライナー20との接触面積を低減でき、開栓トルクを低減することができる。
また、ボトル缶31内が陰圧となった場合でも、ライナー20が変形して口金部34内部に入り込むことを防止され、開栓時に充填物が外部に飛び散ることを防止できる。
また、ライナー20の密封層21と摺動層22とが同じポリプロピレン系の材料で構成されているので、ライナー20を打ち抜き成形した際に発生する打ち抜き後のシート屑を摺動層22の原料として再利用することができる。したがって、廃棄物の発生を低減でき、環境負荷を小さくすることができるとともに、ライナー20の製造コストを低減することができる。
さらに、密封層21には、脂肪酸アマイドが0.2重量%添加されており、密封層21と口金部24との固着が防止され、キャップ40の開栓時においてライナー20が口金部34より離間される際に大きな力が不要となり、キャップ40の開栓性が向上する。
次に、本発明のキャップ材およびキャップ付容器に係る一実施形態について説明する。図4に本実施形態のキャップ材10に装着されるライナー50を示す。
なお、以下の実施形態の説明において、上記第1の参考技術において説明した同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
本実施形態のキャップ材10に装着されるライナー50と上記第1の参考技術におけるキャップ材10に装着されるライナー20との異なる点は、本実施形態では、摺動層22と密封層21との間にバリアー性フィルムである中間層としてアルミシート51が挿入されている点である。また、本実施形態では、摺動層22には滑剤として例えば、不飽和脂肪酸アマイドや飽和脂肪酸ビスアマイド等の脂肪酸誘導体が添加されている。
上記のキャップ材10で構成されたキャップ40を開栓する際には、摺動層22に滑剤が添加されているので、ライナー50と天板部12との間の摩擦抵抗が軽減され、キャップ40とライナー50との相対移動が可能となる。したがって、前記キャップ40を回転させる際に、前記キャップ40とともにライナー50を回転させることなく、キャップ40を回転させることが可能となり、開栓トルクが軽減され、ボトル缶31の開栓が容易にできる。
また、中間層として酸素や臭気物の透過を抑制するアルミシート51が挿入されているので、酸素やTCAの透過が防止され、酸素混入による充填物の品質劣化や臭い移りによるフレーバー性の劣化を防止することができる。
次に、本発明の第2の参考技術について説明する。図5(a)、(b)に第2の参考技術のキャップ材10に装着されるライナー60を示す。
この第2の参考技術のキャップ材10に装着されるライナー60は、摺動層22と密封層21との間に中間層としてインキ61が挿入され、このインキ61によってライナー60には販売促進用の表示がなされている。また、密封層21又は摺動層22が透明又は半透明とされている。
上記のキャップ材10では、販売促進用の情報表示が摺動層22と密封層21の間の中間層として存在するインキ61によって表示されるので、インキ61と充填物との接触を防止でき、充填物にインキ61が混入することを確実に防止できる。
また、ライナー60表面にインキ61が露出していないので、例えば子供がライナー60を取り外して舐めたりしても、インキ61と接触せず、衛生性に特に優れている。
なお、上記実施形態及び参考技術においては、アルミ製のキャップ付ボトル缶を用いて説明したが、これに限定されることはなく、例えば、ガラスビンに金属製キャップが装着されたものや、PET容器に樹脂製キャップが装着されたものでも良い。
また、中間層として、アルミシートを挿入したもので説明したが、酸素や臭気物の透過を防止できる、例えば、PET、EVOH、PVDC、PA等のフィルムを挿入しても良い。
さらに、上記実施形態及び参考技術では、摺動層22の厚さをライナー20全体の厚さの65%として説明したが、これに限定されることなく、55%から95%の範囲内であればよく、好ましくは60%から80%の範囲内で、さらに好ましくは60%から70%の範囲内であればよい。
また、摺動層をポリプロピレンで構成したもので説明したが、これに限定されることなく、例えば、HDPE(高密度ポリエチレン)やL−LDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)やPETやPBT(ポリブチレンテレフタレート)やPAやPC(ポリカーボネイト)やPS(ポリスチレン)樹脂等で構成されていても良い。
また、密封層をポリプロピレンの重合体とエラストマーのブレンド材で構成したもので説明したが、これに限定されることなく、例えば、EVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)や、HSBR(水添型スチレンブタジエン共重合体)、SIS(スチレンイソプレンスチレン共重合体)、SBR(スチレンブタジエンラバー)、SEBS(水添型スチレンエチレンブチレンスチレン共重合体)、SEPS(スチレンエチレンプロピレンスチレン共重合体)等のスチレン系エラストマーや、HDPEとEPDM(エチレンプロピレンジエン三元共重合体)とオイルのブレンド材等のオレフィン系エラストマーやこれらのブレンド材、PVC(ポリ塩化ビニル)と可塑剤のブレンド材である可塑化PVCや、ポリエステルエラストマーや、ポリアミドエラストマーや、その他のエラストマー等で構成されていても良く、ポリプロピレンとSEBSとオイルのブレンド材またはポリプロピレンの重合体とSEBSとオイル(流動パラフィン等)のブレンド材が非常に好適である。
さらに、密封層21に脂肪酸アマイドを0.2重量%添加したもので説明したが、これに限定されることはなく、脂肪酸アマイドの添加量は0.01〜1.0重量%の範囲内であれば良い。また、脂肪酸アマイドの代わりに、あるいは、脂肪酸アマイドに加えて、アンチブロッキング剤を添加しても良い。ここで、アンチブロッキング剤として例えば、タルク、マイカ、カオリン、珪藻土などを0.3〜5.0重量%添加しても良い。
以下に、上記参考技術の効果を確認するために行った比較試験結果について説明する。
比較試験では、内外面を合成樹脂塗料で塗装された厚さ0.22mmのアルミ板を28mmPPキャップのキャップ本体に成型し、摺動層及び密封層の厚さを変更したライナーを挿入してキャップとし、内容量180mlの口径28mmのガラスビンに80℃の熱水を充填し、上記キャップで施栓した。これを室温(20℃)にて放置した後、密封性、開栓トルク、ライナーの脱落状態を調べた。ライナー径27.5mm、ライナー止め内径26.5mmとした。ライナーは摺動層をキャップ本体の天板部内面に向けてキャップ本体にセットした。試験結果を表1に示す。
ここで、摺動層はHDPEで構成し、密封層はEVAで構成した。
Figure 2009179402
本参考技術例では、開栓トルクは80N・cm以下と低く、ライナーの脱落も認められなかった。一方、比較例においては、開栓トルクは85N・cm以上であり、ライナーの脱落が認められた。特に、摺動層が無いものでは、開栓トルクが330N・cmと非常に高いとともにライナーの脱落も10本すべてで認められた。
次の比較試験では、内外面を合成樹脂塗料で塗装された厚さ0.22mmのアルミ板を28mmPPキャップのキャップ本体に成型し、摺動層及び密封層の厚さを変更したライナーを挿入してキャップとし、内容量180mlの口径28mmのガラスビンにガス水(内圧3ボリューム)を充填し、上記キャップで施栓した。これを室温(20℃)にて放置した後、密封性、開栓トルク、ライナーの脱落状態を調べた。ライナー径27.5mm、ライナー止め内径26.5mmとした。ライナーは摺動層をキャップ本体の天板部内面に向けてキャップ本体に装着した。試験結果を表2に示す。
ここで、摺動層はHDPEで構成し、密封層はHSBRで構成した。
Figure 2009179402
本参考技術例では、開栓トルクは77N・cm以下と低く、ライナーの脱落も認められなかった。一方、比較例においては、開栓トルクは80N・cm程度であり比較的低いが、ライナーの脱落が認められた。特に、摺動層が10%のものでは、ライナーの脱落が10本すべてで認められた。
次の比較試験では、内外面を合成樹脂塗料で塗装された厚さ0.25mmのアルミ板を38mmPPキャップのキャップ本体に成型し、摺動層及び密封層の厚さを変更したライナーを挿入してキャップとし、内容量300ml(全量340ml)のアルミボトル缶に80℃の熱水を充填し、一定量の液体窒素をヘッドスペースに滴下し、直ちに上記キャップでキャッピングした。こうして加圧状態とされたアルミボトル缶をレトルト処理(120℃、30分)して、室温(20℃)放置し、密封性、開栓トルク、ライナーの脱落を調べた。試験結果を表3に示す。
ここで、摺動層をポリプロピレンで構成し、密封層のエラストマーは、ポリプロピレンとSEPS(スチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体)と流動パラフィンとを混ぜ合わせたブレンド材で構成した。
Figure 2009179402
本参考技術例では、比較例と比較して開栓トルクは低く、ライナーの脱落は認められなかった。一方、比較例においては、開栓トルクが比較的高く、ライナーの脱落が認められた。ここで、本参考技術例で摺動層を1.3mm、密封層を0.3mmとしたものでは、ライナー自体の厚さが1.6mmと厚いため、シーリング状態が不完全であった。また、摺動層を0,3mm、密封層を0.2mmとしたもの及び摺動層を0.2mm、密封層を0.1mmとしたものでは、ライナー自体の厚さが薄いために、シーリングが不完全であった。
次の比較試験では、内外面を合成樹脂塗料で焼付塗装した厚さ0.24mmのブリキ板を42mmのスクリューキャップに成型し、摺動層及び密封層の厚さを変更したライナーを挿入した。これを90℃の熱水を充填したガラスビン(内容量300ml)に施栓した。このときの閉めトルクは200N・cmで行った。これを室温(20℃)冷却後、密封性、開栓トルク、ライナーの脱落を調べた。試験結果を表4に示す。
ここで、摺動層をポリプロピレンで構成し、密封層のエラストマーは、ポリプロピレンとSEPSと流動パラフィンとを混ぜ合わせたブレンド材で構成した。
Figure 2009179402
本参考技術例では、比較例と比較して開栓トルクは低く、ライナーの脱落は認められなかった。一方、比較例においては、開栓トルクが比較的高く、ライナーの脱落が認められた。特に、摺動層が無いものでは、開栓トルクが420N・cmと非常に高いとともにライナーの脱落も10本すべてで認められた。
以上の比較試験の結果から、本参考技術例のライナーを使用すれば、密封性、開栓性に優れたキャップ材を提供することができることが確認された。
10 キャップ材
11 キャップ本体
12 天板部
13 周壁部
20、50、60 ライナー
21 密封層
22 摺動層
34 口金部(ボトル口部)
40 キャップ
51 アルミシート(バリアー性フィルム、中間層)
61 インキ

Claims (3)

  1. 円板状の天板部と該天板部の周縁から略垂下してなる周壁部を有するキャップ本体と、該キャップ本体の前記天板部の内面に沿って配置されるシートタイプのライナーとを備えたキャップ材において、
    前記ライナーは、エラストマーで構成されシール機能を有する密封層と、該密封層よりも高い硬度を有し、前記天板部の内面と摺動する摺動層とが積層されてなり、
    前記摺動層と前記密封層との間の少なくとも一部にバリアー性フィルムである中間層が設けられたことを特徴とするキャップ材。
  2. 前記中間層が、アルミであることを特徴とする請求項1に記載のキャップ材。
  3. 請求項1又は2に記載のキャップ材をボトル口部に配置するとともに、前記周壁部内面にボトル口部に螺着させる雌ネジ部を形成したことを特徴とするキャップ付容器。
JP2009119353A 2004-12-22 2009-05-17 キャップ材およびキャップ付容器 Pending JP2009179402A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009119353A JP2009179402A (ja) 2004-12-22 2009-05-17 キャップ材およびキャップ付容器

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004372168 2004-12-22
JP2005288232 2005-09-30
JP2009119353A JP2009179402A (ja) 2004-12-22 2009-05-17 キャップ材およびキャップ付容器

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005369506A Division JP4784982B2 (ja) 2004-12-22 2005-12-22 キャップ材およびキャップ付容器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009179402A true JP2009179402A (ja) 2009-08-13

Family

ID=41033683

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009119353A Pending JP2009179402A (ja) 2004-12-22 2009-05-17 キャップ材およびキャップ付容器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009179402A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014221662A (ja) * 2013-05-14 2014-11-27 ユニバーサル製缶株式会社 キャップ用ライナー及びライナー付きキャップ並びにキャップ付き容器

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS54148687A (en) * 1978-05-11 1979-11-21 Crown Cork Japan Container lid
JP2004217295A (ja) * 2003-01-17 2004-08-05 Natl Crown Kk 耐熱ライナー及び耐熱ライナーを備えたボトル用キャップ。

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS54148687A (en) * 1978-05-11 1979-11-21 Crown Cork Japan Container lid
JP2004217295A (ja) * 2003-01-17 2004-08-05 Natl Crown Kk 耐熱ライナー及び耐熱ライナーを備えたボトル用キャップ。

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014221662A (ja) * 2013-05-14 2014-11-27 ユニバーサル製缶株式会社 キャップ用ライナー及びライナー付きキャップ並びにキャップ付き容器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5241204B2 (ja) ライナー付きキャップ及びこの製造方法並びにキャップ付きボトル
JP5341369B2 (ja) ライナー付きキャップ及びキャップ付きボトル
JP4911792B2 (ja) ライナー付きキャップ及びキャップ付きボトル
CN112313156B (zh) 金属防儿童容器
JP5843807B2 (ja) ライナー付きキャップ及びキャップ付きボトルの製造方法
US20150216340A1 (en) Lid of a container
JP4784982B2 (ja) キャップ材およびキャップ付容器
GB2545672A (en) Method of forming a closure
WO2006068230A1 (ja) キャップ材、キャップ付容器、キャップ材の製造方法及びキャップ材の成形装置
CN103298704A (zh) 用于关闭件的密封组件
MXNL04000077A (es) Tapas metalicas sin liner y metodo para su frabicacion.
JP2009179402A (ja) キャップ材およびキャップ付容器
JP4812561B2 (ja) キャップ及びキャップ付きボトル
JP2018520963A (ja) 容器及び密閉器
JP4753245B2 (ja) キャップ材およびキャップ付容器
JP6168272B2 (ja) 口部密封機構
JP2006027663A (ja) 高温開栓性が改良された耐熱ライナー及びこの耐熱ライナーを備えたボトル用キャップ
US20050167392A1 (en) Metallic cap closure having water repelling properties and method of fabricating the same
JP2008174249A (ja) キャップ用ライナー及びキャップ並びにキャップ付きボトル
JP2004352261A (ja) 耐内圧性とラベル貼付性とに優れたプラスチックキャップ
JP6086484B2 (ja) キャップ用ライナー及びライナー付きキャップ並びにキャップ付き容器
JP5051683B2 (ja) キャップ材、キャップ付容器
JP4812676B2 (ja) キャップ用ライナー及びキャップ並びにキャップ付きボトル
JP2011057272A (ja) ライナー付きキャップ及びキャップ付き容器
RU173369U1 (ru) Кроненпробка pry-off для укупорки бутылки с напитком

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090517

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110810

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110823

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20111227