JP2014221662A - キャップ用ライナー及びライナー付きキャップ並びにキャップ付き容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 落下衝撃性等に優れていると共にライナー挿入に割れが生じ難いキャップ用ライナー及びライナー付きキャップ並びにキャップ付き容器を提供すること。
【解決手段】 容器本体の口部を封じ天板部と該天板部の周縁から垂下した筒状周壁部とからなるキャップ本体内に設けられるキャップ用ライナー1であって、天板部の内面に接して配される第1層6aと、第1層に積層された第2層6bと、第2層に積層された第3層6cとを備え、第1層が、第3層よりも硬度が高い材料で形成されていると共に、第2層よりも硬度が低くかつアイゾット衝撃強度が高い材料で形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、耐落下衝撃性に優れたキャップ用ライナー及びライナー付きキャップ並びにキャップ付き容器に関する。
一般に、ガラスビン、PETボトル、アルミニウムボトル等のキャップ(容器蓋)には、合成樹脂製キャップと金属製キャップとがある。樹脂キャップの場合、シェルの形状にシール機構を持たせ、特にライナーを必要としない、いわゆるライナーレスキャップを供給することができる。一方、金属キャップの場合、シェルはアルミニウム製が主流であるが、シェルにはライナーを具備していることが必須である。これは樹脂製キャップと異なり、金属製キャップはシェルが硬いために、密封に必要な容器口部との十分な密着が得られないためである。
アルミニウム製シェルに用いるライナーとしては合成樹脂がほとんどであるが、ライナーの成型法により幾つかの種類がある。例えば、塩ビゾルをキャップシェルの中に流し込み加熱ゲル化させる塩ビゾルライナーや、溶融した樹脂(主にオレフィン樹脂やそのブレンド材)をシェルの中に一定量供給して型押し成型するインシェルモールドライナー等が有る。その他、ライナーとして適した樹脂をシートにし、それを打ち抜いてシェルに挿入するというシートライナー方式があるが、現在は僅かである。
塩ビゾルライナーやインシェルモールドライナーは、シェルと強固に接着している。一方、シートライナーは、ライナーの中央を接着しているものと、単に挿入してフックや、グルーブと呼ばれるアンダーカット部でライナーを係止しているものがある。
これらのキャップは、巻き締められた後、回転させて開栓するが、ライナーは柔軟であるため滑りが悪いので、ほとんどのライナーには滑剤が添加されている。
これらに対し、近年、特許文献1〜4等には、多層構造のライナー材が提案されている。この多層構造のライナー材は、硬度の高い樹脂と硬度の低い樹脂とを張り合わせ、硬度の高い樹脂で良好な打ち抜き性、キャップ挿入性を得ると共に、シール後の形状保持性、開栓時の低開栓トルクを発現させ、硬度の低い樹脂でシール性を発現させる方式である。すなわち、このようなライナー材では、良好なシール性及び開栓性が得られる。
例えば、特許文献1では、キャップのシェル天面に凹凸を付けることにより、又はライナーのシェルと接触する面に凹凸、又は発泡させた樹脂を貼合した二層シートを使用することによる開栓トルクを低減する方法が提案されている。また、特許文献2には、二層シートの厚さの構成を規定した技術が提案されている。また、特許文献3には、3層のライナー材が提案されている。これは最外層(キャップシェル側)に最も硬い摺動層が配されている。さらに、特許文献4には、単層のシートに、ブロッキング防止剤、及び又は滑剤を含有したフィルムを貼合した技術が提案されている。これは、通常のシートライナーにブロッキング防止剤又は滑剤を入れたフィルムを貼合し、滑り性を向上させたものである。
また、特許文献5では、アルミニウムシートを打ち抜き、絞り加工を加えたものを使用して、これに合成樹脂ライナーを付着したパッキンについて提案している。しかしながら、この方式では、アルミニウム板にライナー接着塗料を塗布した後、打ち抜き絞り加工を施し、ライナー材を加熱接着(ライナー及びシェルの加熱接着)する工程が多くなり、コストも増大するので実用的ではない。また、樹脂(PP樹脂等)と比べ、アルミニウムシートの打ち抜き屑のリサイクルも簡単ではない。
特開2006−76575号公報 特開2007−119059号公報 特開2007−161331号公報 特開2007−161332号公報 特開2003−321040号公報
上記従来の技術には、以下の課題が残されている。
上記従来の二層シートのライナーは、適切な密封性と開栓トルクとが得られる方法として、主にボトル缶のレトルト用キャップとして使用されているが、このキャップは開栓時、シェルとライナーとの間で開栓する為、シェル側が硬い樹脂で構成され、反対側に密封性能を出すため柔軟な樹脂を貼合してある。このライナーは、シェルとライナーとの間で摺動するためにシェルとは接着していない。また、このライナーのシェルへの係止は、シェル上部に複数の係止突起(係止フック)でライナーがシェルから離脱しない構造になっている。
しかしながら、二層シートのライナーは、押出機でライナー材を溶融させた状態でシェルに入れて、型押しする成形法(インシェルモールド方式)に比べて耐落下衝撃性が優れ、開栓性が良好であるが、輸送時のハンドリングによりキャップ部に衝撃が加わるとライナーの硬質部分が割れて漏れるおそれがある。例えば、自動販売機での落下衝撃で漏れが発生するおそれがあった。
上述したように、二層シートのキャップライナーの構成は、シェル内面に接する硬い材質(PP樹脂等)の層(摺動層)と柔軟な材質(エラストマー等)の層(密封層)とで構成されている。この二層シートは、硬質層を下側に、軟質層を上側にしてディスク状に打ち抜かれると同時に、シェルに挿入される。このとき、ディスク状のライナーは、シェルのライナー係止用グルーブ又は複数個のライナー係止用フックを乗り越えなければならない。これらのフック等は、シェルの内面にほぼ円周状に内側に向かって複数個形成されている。また、これらのフック等は、ライナーを係止するため、可能な限り大きめに設けた構造になっている。
ライナーを挿入する際、ライナーがフックを乗り超えてシェル内にセットされるため、ディスク状のライナーがシェルから落ちないように、ライナーの外径はシェルの内径とほぼ同寸法に設定される場合が多い。
従って、挿入時にライナーがフックを乗り越えて強制的に挿入されるので、二層シートの硬質な摺動層がフックに当たってクラックが発生するおそれがある。この場合、摺動層を柔軟な樹脂で構成すると割れ難いが、このように柔軟にすると、キャッピング後、開栓時にライナーがビン口に密着し、シェルからライナーが脱落するという現象が発生する。
この対策として柔軟な摺動層を厚くする方法も可能であるが、挿入が難しくなり、挿入時の割れも発生しやすくなって、コストも高くなり、経済的ではない。
また、摺動層はシェルとの摺動のために設けられているため、薄くてもその目的を達するが、薄いとライナー全体の剛性が低下して、シェルからの脱落、開栓時にビン口への残り現象が発生しやすくなる。従って、摺動層は、ある程度の強度を必要とする。しかしながら、強度が高すぎるとライナー挿入時、フックを破壊してしまうという問題も発生する。このため、摺動層は薄くて強度が有ることが望ましい。しかしながら、薄くするために強度を上げると、上述したようにシェルにライナーを挿入するときや、キャッピング時、自動販売機での落下時の衝撃によりクラックがライナーに発生し、漏れが発生するおそれが生じてしまう不都合があった。
本発明は、耐落下衝撃性等に優れていると共にライナー挿入に割れが生じ難いキャップ用ライナー及びライナー付きキャップ並びにキャップ付き容器を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、第1の発明に係るキャップ用ライナーは、容器本体の口部を封じ天板部と該天板部の周縁から垂下した筒状周壁部とからなるキャップ本体内に設けられるキャップ用ライナーであって、前記天板部の内面に接して配される第1層と、前記第1層に積層された第2層と、前記第2層に積層された第3層とを備え、前記第1層が、前記第3層よりも硬度が高い材料で形成されていると共に、前記第2層よりも硬度が低くかつアイゾット衝撃強度が高い材料で形成されていることを特徴とする。
このキャップ用ライナーでは、第1層が、第3層よりも硬度が高い材料で形成されていると共に、第2層よりも硬度が低くかつアイゾット衝撃強度が高い材料で形成されているので、良好な摺動性と靱性とが得られる第1層によって高い耐落下衝撃性が得られると共にライナー挿入時の割れを抑制することができる。なお、柔軟な第3層により良好な密封性を確保することができると共に、硬い第2層によりライナー全体の剛性が得られ、再開栓時のライナー外れを防止することができる。
第2の発明に係るキャップ用ライナーは、第1の発明において、前記第2層が、前記第1層よりも厚いことを特徴とする。
すなわち、このキャップ用ライナーでは、第2層が、第1層よりも厚いので、硬く厚い第2層によってライナー全体の剛性をより高くすることができ、キャップ本体への良好な挿入状態がより得られ易く、再開栓時のライナー外れもさらに抑制される。
第3の発明に係るキャップ用ライナーは、第1又は第2の発明において、前記第2層と前記第1層とが、主鎖のポリマーが同一の樹脂材料で形成されていることを特徴とする。
すなわち、このキャップ用ライナーでは、第2層と第1層とが、主鎖のポリマーが同一の樹脂材料で形成されているので、硬度は異なるが互いに同質材料である第1層と第2層とで高い接着性が得られる。特に、多層シート成型機によって第1層と第2層とを同時に押し出して積層する場合に高い接着性が得られる。また、第1層と第2層とからなる硬質シートをディスク状に打ち抜いた際に多量の抜き屑が出るが、2層の積層であっても、第1層と第2層とが硬度の異なる同質材料であるので、再利用(リサイクル)が可能になる。
第4の発明に係るライナー付きキャップは、容器本体の口部を封じるライナー付きキャップであって、天板部と該天板部の周縁から垂下した筒状周壁部とからなるキャップ本体と、前記天板部の内面に設けられたライナーとを備え、前記ライナーが、第1から第3の発明のいずれかに記載のキャップ用ライナーであることを特徴とする。
第5の発明に係るキャップ付き容器は、容器本体の口部にキャップを装着したキャップ付き容器であって、前記キャップが、第4の発明のライナー付きキャップであることを特徴とする。
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明に係るキャップ用ライナー及びライナー付きキャップ並びにキャップ付き容器によれば、第1層が、第3層よりも硬度が高い材料で形成されていると共に、第2層よりも硬度が低くかつアイゾット衝撃強度が高い材料で形成されているので、良好な摺動性と靱性とが得られる第1層によって高い耐落下衝撃性が得られると共に、ライナー挿入時の割れを抑制することができる。
したがって、本発明のキャップ付きライナーによって、高い信頼性を有して安定したライナーの挿入が可能になると共に、このライナーを用いることで容器の充填品が、市場におけるハンドリングによって、ライナーに割れが生じることを防止することができる。
本発明に係るキャップ用ライナー及びライナー付きキャップ並びにキャップ付き容器の一実施形態において、ライナーを示す要部の拡大断面図である。 本実施形態において、キャップを示す一部を破断した側面図である。 本実施形態において、キャップ付き容器を示す要部の拡大断面図である。
以下、本発明に係るキャップ用ライナー及びライナー付きキャップ並びにキャップ付き容器の一実施形態を、図1から図3を参照しながら説明する。
本実施形態のキャップ用ライナー1は、図1から図3に示すように、例えばアルミニウム製ボトル缶(いわゆるアルミ缶)用であって、容器本体2の口部2aを封じ天板部3と該天板部3の周縁から垂下した筒状周壁部4とからなるキャップ本体5内に設けられるキャップ用ライナーである。このキャップ用ライナー1は、天板部3の内面に接して配される第1層6aと、第1層6aに積層された第2層6bと、第2層6bに積層された第3層6cとを備え、第1層6aが、第3層6cよりも硬度が高い材料で形成されていると共に、第2層6bよりも硬度が低くかつアイゾット衝撃強度が高い材料で形成されている。
本実施形態では、第1層6aと第2層6bとの硬度比較を、ロックウェル硬度で判断している。
また、上記アイゾット衝撃強度は、JIS K7110の規格に基づいて測定される。
なお、上記第2層6bは、第1層6aよりも厚いことが好ましい。
さらに、第2層6bと第1層6aとは、主鎖のポリマーが同一の樹脂材料で形成されていることが好ましい。
このライナー1は、合成樹脂で円盤状に形成され、キャップ本体5に対して回転自由に設置される。
また、本実施形態のライナー付きキャップ7は、図2及び図3に示すように、容器本体2の口部2aを封じるライナー付きキャップであって、天板部3と該天板部3の周縁から垂下した筒状周壁部4とからなるキャップ本体5と、天板部3の内面に設けられた上記ライナー1とを備えている。
さらに、本実施形態のキャップ付き容器10は、図3に示すように、容器本体2の口部2aに上記キャップ7を装着したキャップ付き容器である。このキャップ付き容器10は、上記キャップ7を口金部である口部2aに巻き締めた状態で備えている。
キャップシェルである上記キャップ本体5は、例えばアルミニウム又はアルミニウム合金の板材から加工されたものであり、該板材は、内外面を塗装(内面:サイズニス+トップコート、外面:サイズコート+トップコート(ツヤニス))した塗装板を使用している。なお、内外面トップコートには、必要に応じ各種滑剤添加タイプを使用している。例えば、上記天板部の内面には、エポキシフェノール等の樹脂に滑剤としてポリオレフィン系ワックス等が添加された塗料が焼付けと塗布されている。
上記ライナー1は、上述したように第1層6a、第2層6b及び第3層6cを備えた多層構造を有しており、キャッピング時の衝撃やキャップ本体5に挿入時の衝撃に対する割れに対する適切な抵抗性とキャップとしての摺動効果(開栓性)と密封効果(シール性)とを持たせたものである。
中心層である第2層6bのシートの材料としては、合成樹脂として、PP(ポリプロピレン)樹脂、HDPE(高密度ポリエチレン)、PA(ポリアマイド、通称ナイロン)、PC(ポリカーボネート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PAN(ポリアクリロニトリル)PVC(ポリ塩化ビニル)等が採用可能である。
摺動層である第1層6aの材料としては、第2層6bと同質材料で柔軟グレイドを用いることが好ましい。例えば、ホモポリプロピレンに対し、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレン等を使用することが接着性等で問題の発生が少ない。なお、HDPEを第2層6bとした場合、第1層6aとしては第2層6bより密度の低いHDPE,LLDPE、LDPE,EVA,EPR等が好ましい。
密封層である第3層6cは、エラストマーで構成することが好ましい。このエラストマーは第2層6bと接着する必要があるので、接着材を使用しない場合であって押出シート成型する場合は、第2層6bと熱接着可能な材料が好ましい。例えば、第2層6bがPP樹脂の場合、第3層6cのエラストマーとしてはTPO,TPSが適している。また、第2層6bがPETシートの場合、第3層6cとしてポリエステル系エラストマーTPEEが適しており、塩ビシートの場合は可塑化塩ビが適している。さらに、この場合、使用する可塑剤の量と種類とは、求められる硬度により任意に選択できる。
また、第3層6cの材料としては、TPS(スチレン系エラストマー、TPO(オレフィン系エラストマー)、TPU(ウレタン系エラストマー)、TPEA(ポリアミド系エラストマー)、TPEE(ポリエステル系エラストマー)、PVC−TPE(ポリ塩ビ系エラストマー)等が採用可能である。
また、予め第1層6aと第2層6bとを貼合したシートを打抜き、キャップ7に挿入した後、第3層6cをインシェルモールド方式で成型するという方法もあるが、この場合も第2層6bに接着材を使用しない場合は、熱による接着が強いものを選択することが好ましい。
なお、インシェルモールドで接着可能な第2層6bと軟質の第3層6cとの材料組合せは、例えば以下のものがある。
<第2層> <第3層>
a. PP TPS、TPO
b. HDPE TPS、TPO
c. PA TPEA
d. PVC PVC−TPE
e. PET TPEE
特に、上記第2層6bのシートが、経済的であり耐熱性にも優れているポリプロピレン樹脂で形成される場合は、対応する第3層6cはスチレン系エラストマー(TPS)、オレフィン系エラストマー(TPO)が適している。特に、TPSは、PP樹脂との接着性に優れ、良好な耐レトルト性能を有しており、第3層6cの材料として最適である。
なお、第3層6cを、第2層6bよりも小径な円環状に形成しても構わない。
上記筒状周壁部4は、ナール4a、ライナー係止突起4b、ミシン目4c、ビード4d及びスカート部4eを備えている。上記ライナー係止突起4bは、筒状周壁部4の内側に凹んだ断面三角形状または半円形状をなし、周方向に間隔をおいて複数個配され内方に突出形成されたものであり、上述したように、ライナー1をその下面側から支持する機能と実質上の洗浄口の役目を有する。なお、ライナー係止突起4bは、内方に突起を周方向帯状に生成することによって形成しても構わない。
上記キャップ7は、ガラスビン、PETボトル等の樹脂ビン、アルミニウム合金等の金属で成型したいわゆるボトル缶等の容器本体2に被せられ、キャップ7にキャッピング加工を施すことにより、キャップ7が口部2aに巻き締められて被着され、キャップ付き容器(以下、単に容器とも称する)10とされる。
上記キャッピング加工工程は、プレッシャーブロック、ネジローラー、スカートローラー等からなるキャッピング装置を用いて行われる。
すなわち、口部2aに被せたキャップ7の天板部3を、プレッシャーブロックでボトル底部の方向に押圧し、この状態でプレッシャーブロックによる絞り加工により、キャップ7の肩部に段差部2bを形成する。さらに、この状態でネジローラーによりネジ部2cを形成し、スカートローラーで口部2aのカブラ部2dにスカート部4eを巻きつけることで、キャッピング加工が行われる。
このようにキャップ7が口部2aに巻きつけられることにより、キャップ7は天板部3の内面側のライナー1が口部2aに圧接される状態になる。これにより容器10の内容物が密封された状態になる。なお、内容物の充填は、当然にキャップ7を容器10に被せる直前に行われる。
一方、開栓するときは、キャップ7を回してミシン目4cから切断し、キャップ7を口部2aから外すことにより、口部2aが開栓され内容物が取り出されることになる。そして、取り外したキャップ7を口部2aに再び取り付けることにより、再閉栓することが可能になっている。
なお、本発明のキャップは、合成樹脂製であっても構わず、この場合、主にポリプロピレン、ポリエチレン等の合成樹脂を原料に、射出成型、圧縮成型等で成型されたキャップ本体にライナー1を挿入したものとされる。合成樹脂のキャップ本体は、成型時にネジ部、ナール、PPバンド部が成型されるものが多い。なお、ミシン目は、後加工で入れるものもある。
合成樹脂製キャップの場合、キャップシェルに若干の弾力性がある為、本発明のライナーがライナー係止部を乗り越えるのは金属キャップに比べて抵抗は少ない。
合成樹脂製のキャップの場合、施栓は口部2aに被せ回転させながら締めこむ方法が一般的である。このときPPバンド部が口部2aのカブラ部2dに係止される。開栓は施栓時と逆に回転させることにより、口部2aのネジに沿って開栓される。このときPPバンド部は、口部2aのカブラ部2dに係止されているためミシン目4cから切断され、開栓したことが明示されることになる。この場合も必要に応じ再閉栓することができる。
上述したようにキャップ本体5には、ライナー係止突起4bが形成されており、一度挿入されたライナー1は抜け難い構造になっている。このときのライナー1の厚さは、0.5〜1.5mmに設定されるが、好ましくは0.6〜1.2mmに設定される。
なお、0.5mm未満であると、ライナー1としての機能が十分ではない。また、上記ライナー1をキャップ本体に挿入する工程は、キャップ本体にスリット(ナール4a)やフック(ライナー係止突起4b)等を成型する前でもよい。この場合、ライナー1がフックにより傷つけられたり、挿入不良が発生したりすることがなくなる。
インシェルモールド方式でライナーを設置する場合、インシェルモールド工程で押出機から押し出され溶融されたエラストマー等軟質樹脂の一定量を、第1層6aと第2層6bとの貼合シートが挿入されたキャップ本体5に入れ、直ちに冷却された金型で一定のライナー形状とされた第3層6cを形作る。この第3層6cの形状は、第2層6bの外径と同じ若しくは外径より小さく、かつ同心円を描いている。
この樹脂成型の場合、第2層6bとエラストマーの第3層6cとは材料を選ぶことにより完全に接着するが、接着が弱い場合、シート成形された後、シートの表面をコロナ放電処理、グロー放電処理、プラズマ処理、アンカーコート処理、フレーム処理、接着剤塗布等の表面処理の工程を加えても良い。この場合、表面処理はエラストマー等と接着する面のみでよい。
なお、ライナー1の厚さが1.5mmより厚いと、キャップ用ライナーとしての役割が果たせない。
キャップ本体が樹脂製の場合では、該キャップ本体が金属製のキャップ本体5とほぼ同一であるが、キャップ本体の内側に口部2aの雄ネジと嵌合する雌ネジが予め設けられている。これを、射出成形、又は圧縮成形で成形した後、必要に応じてミシン目工程、ベントホール工程、外面印刷工程等を施し、上述のアルミニウムのキャップ7と同様に、第1層6aと第2層6bとの貼合シートを挿入後、溶融軟質ライナー材を貼合シート上に供給し、冷却パンチで型押しすることにより第3層6cを形成し、本発明のライナー及びキャップが提供できる。
このライナー1とキャップ本体5とは回転方向に自在であるため、キャップ7を容器本体2から開栓する際、キャップ7の回り始めの開栓トルクはライナー1の第1層6aとキャップ本体5との間の抵抗だけになる。この場合、第1層6aと第2層6bとからなる貼合シートは、口部2aと接触している第3層6cとは異なり、摩擦抵抗が低いため温度依存性の少ない適性な開栓トルク値が得られる。
本実施形態のキャップ7の開栓においては、まず硬質層である第1層6aとキャップ本体5との間で摺動し、しかる後、ライナー1を回転させること無く、キャップ本体5が回転すると共に、ライナー1をライナー係止突起4bにより引き上げる方式である。この場合、ライナー1を口部2aから持ち上げる力は、キャップ本体5の回転により得られるので、非常に低い回転トルクで充分である。この場合、第3層6cに多量の滑剤を添加する必要はなく、滑剤がライナー1からブリードし、内容物の上に落下する等の問題は発生しない。
また、本実施形態では、耐落下衝撃性等のハンドリング性に優れたキャップ7が提供可能である。例えば、充填キャッピングされた容器10を倒立落下させてキャップ7に衝撃を与えた場合、従来のインシェルモールドタイプでは衝撃により容器10とキャップ7との変位量が大きいと、ライナー1が容器10から離れるという現象が発生する。一方、本実施形態では、ライナー1とキャップ本体5とが自由に動ける状態であるので、衝撃を受けた場合、口部2aに密着しているライナー1はキャップ本体5の変位に引きずられる割合が少ないため、良好な耐落下衝撃性能を示す。
また、従来の二層シートで落下衝撃を加えた場合、硬い摺動層が割れて漏れに繋がることが多かったが、本発明の三層構造のライナー1では、第1層6aを設けることで第2層6b及び第3層6cとして二層シートライナーを使用しても、漏れの発生が非常に少なくなるという結果が得られている。
また、本実施形態のライナー1は開栓するとき、まず摺動するのはキャップ本体5の内天面とライナー1の第1層6aであるため、密封層である第3層6cが滑る必要がない。このため、第3層6cが摺動するのに必要な滑剤量を添加する必要が無い。このため、ブリードした滑剤が内容物の上に落下するなどの問題は発生しない。また、滑剤が持つ特有な臭いが内容物に移行する等の問題も発生しない。ただし、第3層6cと口部2aとの剥離程度を向上させるために、第3層6cに少量のブロッキング防止剤、滑剤等を使用しても良い。
また、ライナー1が多層構造であるので、軟質層である第3層6cによって高いシール性を得られると共に、第3層6cに比べて滑性が高く摩擦抵抗の低い第1層6aによってライナー1がキャップ本体5に対して自由に回転して高い開栓性と耐落下衝撃性能が得られ、多量の滑剤を添加する必要がない。
また、軟質層の第3層6cを第1層6aと第2層6bとからなる硬質シートに樹脂成型で形成することで、第1層6aと第2層6bとからなる硬質シートをディスク状に打ち抜いた際に多量の抜き屑が出ても、第1層6aと第2層6bとを硬度の異なるほぼ同一の材料(例えばホモPPとランダムPP)で形成すれば、再利用(リサイクル)が可能である。
さらに、第3層6cだけを樹脂成型により形成することで、多様な形状の第3層6cを得ることができ、必要に応じて部分的厚さを個別に設定して材料の使用量を低減することができる。また、溶融した軟質材料を第2層6b上に置き、樹脂成型することで、第2層6b表面は完全に無菌状態になり、衛生的に優れたキャップが得られる。なお、第2層6bに予め印刷を施す場合でも、印刷面が第3層6cによりカバーされて直接内容物と接触しないために衛生的に優れている。
したがって、上述したように本実施形態のキャップ用ライナー1では、第1層6aが、第3層6cよりも硬度が高い材料で形成されていると共に、第2層6bよりも硬度が低くかつアイゾット衝撃強度が高い材料で形成されているので、良好な摺動性と靱性とが得られる第1層6aによって高い耐落下衝撃性が得られると共にライナー挿入時の割れを抑制することができる。すなわち、第1層6aは、第2層6bの保護層としても機能している。なお、柔軟な第3層6cにより良好な密封性を確保することができると共に、硬い第2層6bによりライナー全体の剛性が得られ、再開栓時のライナー外れを防止することができる。
また、第2層6bを、第1層6aよりも厚くすることで、硬く厚い第2層6bによってライナー全体の剛性をより高くすることができ、キャップ本体5への良好な挿入状態がより得られ易く、再開栓時のライナー外れもさらに抑制される。
さらに、第2層6bと第1層6aとが、主鎖のポリマーが同一の樹脂材料で形成されているので、硬度は異なるが互いに同質材料である第1層6aと第2層6bとで高い接着性が得られる。特に、多層シート成型機によって第1層6aと第2層6bとを同時に押し出して積層する場合に高い接着性が得られる。
本発明に係るキャップ用ライナー、ライナー付きキャップ及びキャップ付きボトルを、実施例により具体的に説明する。
まず、キャップ本体の作製は、厚さ0.24mmのアルミニウム合金板の内外面にエポキシフェノール、ポリエステル等の塗料を1〜10μmの厚さで2〜数回焼付け塗装し、これをプレスにてカップ状に打ち抜いた。そして、カップ状に打ち抜いたものの側面に、ミシン目、ナール、ライナー係止突起等を加工した。
このキャップ本体に対応するライナーは、多層シート押出成形機で軟質層(第3層)と高硬質層(第2層)と低硬質層(第1層)とからなる3層シートを所定の厚さ(今回は合計1.0mm)に成型する。このときの低硬質層(第1層)は、高硬質層(第2層)より硬度が低く、軟質層(第3層)よりは硬い合成樹脂である。この構成で構成比を変えた数種類のシートを作製した。
まず、2種類の合成樹脂(例えばHDPE、PP、各種ナイン、PAN、PET、PBT、PC等)を押出機とTダイとを使って第1層と第2層とからなる二層シートを作製する。このときの二層シートの厚さは0.1〜1.0mmの間が好ましい。より好ましくは0.2〜0.8mmの範囲のものである。この二層シートの表面に必要に応じてコロナ放電処理等を施しても良い。また、この二層シートは第3層を接着させるために、接着成分をラミネートまたは塗布してあってもよい。
この二層シートをディスク状に打ち抜き、キャップ本体に挿入する。このときのディスク状の二層シートの径はライナー係止突起の内径より大きく、かつキャップ本体の中で自由回転できる状態でなければならない。このときの打ち抜き屑は、直ちにチップ化して直ちに硬質部材の原料として使用できる。
この二層シートが挿入されたキャップ本体に、次の工程で押出機であるモールドライナー機押出機から押し出された第3層用の溶融樹脂の一定量をカットし、二層シート中央に置き、直ちにコールドパンチで押圧し、第3層としての一定の形状を形成する。このときの第3層は、各種エラストマーまたは樹脂とエラストマーとのブレンド等が良好な結果を示す。エラストマーとしては、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、塩ビ系エラストマー等がある。
この形成された第3層の厚さは、少なくとも口部に接触する部分において0.1〜0.8mmが好ましく、より好ましくは0.2〜0.6mmである。
<比較試験>
次に、本発明の効果を確認するために行った比較試験の結果について説明する。
この試験では、まず内外面塗装した厚さ0.25mmのアルミニウム合金板で38mmPPキャップのキャップ本体を成型した。このキャップ本体は、内面にポリオレフィン系滑剤入りのエポキシフェノール塗料を50mg/dmで焼き付け塗布したアルミニウムシート(アルミニウム合金板)を使用して作製した。
また、ライナーとしては、まず二層押出機で第1層と第2層とからなる厚さ0.4mmのシートを作製した。このシートの構成は、表1に示すように、第2層を0.3mmとし、第1層を0.1mmとしたものを主にし、さらに厚さを変えたものも作製した。このシートを直径37.8mmのディスク状に打ち抜き、これを内径φ38.0mmのキャップ本体に挿入した。さらに、挿入したディスク状のシートに、表1に示すように、第3層としてスチレン系エラストマー(TPS)をインシェルモールド方式で一定厚さで成形した。
このキャップ本体には、その天面とほぼ水平に1.0mmの長さで内側に突出したライナー係止用のフック(ライナー係止突起)が12個形成されている。なお、フックの位置は、キャップ天面から2.5mmの高さとした。
このように作製したキャップの特性を調べるために、275g(全量338ml)入りのアルミニウムボトルに水を充填し、ヘッドスペース部分に液体窒素を滴下して空気を置換し、作製したキャップでシーリングした。このキャッピングは、シングルヘッドキャッパーを使用した。プレッシャーブロックは、絞径がφ35.6mmで絞り深さを1.6mmに設定したものを使用した。また、ヘッドプレッシャーは、1000Nでキャッピングした。これを121℃−20分のレトルト処理を加え、これらについて次の項目について評価した。
1)ライナー挿入適正=ライナーをキャップ本体に自動挿入機で挿入した場合のセット適性(ライナーセット適性)について評価した。
2)耐落下衝撃性=レトルト処理した充填品を10°角の鉄盤上に垂直、倒立で60cmの高さで落下衝撃を加えた後、漏れの有無とライナーの割れとを調べた。
3)開栓トルク値=レトルト処理品を1週間室温放置した後、開栓トルク値を測定した。
4)ライナー外れ=充填品を室温で開栓した後、再施栓して5℃の低温保管庫に保管した後、再開栓した時のライナーの外れの有無について評価した。
これらの評価結果を、以下の表1に示す。
Figure 2014221662
注1.衝撃強度=アイゾット衝撃強度(以下、単に衝撃強度と記す)
単位=J/m(5℃)、NBは破壊されないもの。
第3層(TPS)の衝撃強度は、全てNB。
注2.硬度=ロックウェルR。但し、TPSの硬度はショアAで50のもの。
注3.厚さ=単位:μm
注4.rPP(ランダムポリプロピレン)
注5.hPP(ホモポリプロピレン)
注6.TPS(スチレン系エラストマー)=PPとSEPS(スチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体)と流動パラフィンとのブレンド品。
注7.挿入時の割れ及び挿入適性=自動ライナー挿入機でライナーをキャップ本体に挿入した時の割れの発生数と挿入時の挿入状態との評価結果。試料数:各300個。
1)挿入時の割れ
割れ数/試料数(挿入時に割れが発生した個数/試料数)
2)挿入状態
◎=全てのライナーが、割れずに全てのフックに係止されている。
○=ライナーの一部が僅かにフックに引っ掛かりが発生したもの。
△=ライナーの一部が1個のフックを乗り越えないものが発生したもの。
×=ライナー複数のフックを乗り越えないもの、又はライナーが挿入時に跳ね上がり挿入出来ないものが発生したもの。
注8.耐落下衝撃性=落下衝撃時における漏れ発生の有無。落下後、開栓してライナーの割れの有無の割合。試料数30。
◎=落下衝撃により、漏れ及びライナーの割れが発生しなかったもの。
○=落下衝撃により、漏れは発生しなかったが一部に割れが発生したもの。
△=落下衝撃により、ライナーの割れが発生し、その一部に僅かな漏れが発生したもの。
×=落下衝撃により、ライナーの割れとそれによる漏れが発生したものが2個以上有るもの。
注9.開栓トルクは、レトルト処理後、1週間室温にて放置し、回転開始時の最大トルク値をトルクメーターにて測定。試料数30の平均値。単位:N・cm。
注10.ライナー外れ=充填品を開栓し、再施栓した後、5℃で保管して再開栓した時のライナーの外れる程度。試料数30。
◎=再開栓した時、ライナーの外れが発生しなかったもの。
○=再開栓した時、ライナーが12個のフックの内、2ヶ所以内の外れが1個以上発生したもの。
△=再開栓した時、ライナーが12個のフックの内、3ヶ所以上外れたものが1個以上発生したもの。
×=再開栓した時、ライナーが完全にフックから外れたものが1個以上発生したもの。
注11.総合評価
◎=キャップとして全く問題なく使用可能。
○=キャップとして問題なく使用可能。
△=キャップとしてほぼ問題なく使用可能。
×=キャップとして使用するには改良必要あり。
上記評価結果から、本発明の各実施例では、いずれも挿入時の割れが発生せず、挿入状態も使用可能な状態であった。また、いずれも耐落下衝撃性及び開栓トルクが良好な結果であり、再開栓時のライナー外れも使用可能なレベルであった。
すなわち、実施例1では、第2層に硬い樹脂を使用し、第1層にやや硬度の低い層を用いることにより、挿入時に係止フックに僅かに掛ったものが発生したが、単独で硬質層を構成する場合(比較例1)に比べ、挿入性、耐落下衝撃性が優れたものが得られた。
実施例2では、第1層に更に衝撃強度の高いものを使用することにより、実施例1より優れた結果が得られた。
実施例3では、第1層を第2層の10%の厚さまで薄い構成にしたが、この場合でも良好な結果を示した。また、開栓トルク値は、実施例2より高い値を示した。
実施例4では、第1層として衝撃強度がNBのものを使用することにより、良好な結果が得られた。なお、僅かなライナー外れの現象が見られた。また、開栓トルク値は、実施例3より高い値を示した。
実施例5では、第1層に、衝撃強度がNBで実施例4より柔らかい樹脂を使用したところ、フックに僅かに掛ったものが少量発生しただけで、良好な結果が得られた。また、開栓トルク値は、実施例4より高い値を示した。
実施例6は、実施例5の第1層を第2層と同一の厚さにしたものである。この実施例6では、ライナー外れが実施例5よりやや多かったが、十分使用可能な範囲であった。また、開栓トルク値は、実施例5とほぼ同じ値を示した。
実施例7は、実施例5と同様の材料で第1層の厚さを第2層の3倍(実施例5と逆の構成比)にしたものである。この実施例7では、キャップとして使用可能範囲であるが、挿入状態でフックを乗り越えないものが発生し、ライナー外れの評価でもフックに3個所以上外れたものが発生した。また、開栓トルク値は、実施例6より高い値を示した。
これらに対して、比較例1では、第2層を、硬度が高く衝撃強度の低いPP材で実施例1と同一厚さの構成としたが、挿入時の割れが発生し、落下衝撃時にも割れが発生して衝撃による漏れの発生があった。
比較例2では、三層構造であるが、第1層を第2層より硬いものを使用した。その結果、比較例1と同様に挿入時の割れが発生し、落下衝撃時にも割れが発生して衝撃による漏れの発生が有った。
比較例3では、第1層として衝撃強度はNBであるが硬度の低いものを使用し、第2層を設けずに第1層と第3層との二層構造とした。この比較例3では、落下衝撃性は良好であったが、ライナー外れ評価でキャップからライナーが完全に離脱するものが発生した。
以上の結果から、第2層の層厚が従来の摺動層と同じ厚みでも、本実施例のライナーは、従来の二層シート(比較例1)に比べ、キャップ本体へのライナーセット適性が優れている。また、従来の二層ライナーに比べ、強度の高い材料を使用できるので、経済的に優れている。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態及び上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
1…キャップ用ライナー、2…容器本体、2a…口部、3…天板部、4…筒状周壁部、5…キャップ本体、6a…第1層、6b…第2層、6c…第3層、10…キャップ付き容器

Claims (5)

  1. 容器本体の口部を封じ天板部と該天板部の周縁から垂下した筒状周壁部とからなるキャップ本体内に設けられるキャップ用ライナーであって、
    前記天板部の内面に接して配される第1層と、
    前記第1層に積層された第2層と、
    前記第2層に積層された第3層とを備え、
    前記第1層が、前記第3層よりも硬度が高い材料で形成されていると共に、前記第2層よりも硬度が低くかつアイゾット衝撃強度が高い材料で形成されていることを特徴とするキャップ用ライナー。
  2. 請求項1に記載のキャップ用ライナーにおいて、
    前記第2層が、前記第1層よりも厚いことを特徴とするキャップ用ライナー。
  3. 請求項1又は2に記載のキャップ用ライナーにおいて、
    前記第2層と前記第1層とが、主鎖のポリマーが同一の樹脂材料で形成されていることを特徴とするキャップ用ライナー。
  4. 容器本体の口部を封じるライナー付きキャップであって、
    天板部と該天板部の周縁から垂下した筒状周壁部とからなるキャップ本体と、
    前記天板部の内面に設けられたライナーとを備え、
    前記ライナーが、請求項1から3のいずれか一項に記載のキャップ用ライナーであることを特徴とするライナー付きキャップ。
  5. 容器本体の口部にキャップを装着したキャップ付き容器であって、
    前記キャップが、請求項4のライナー付きキャップであることを特徴とするキャップ付き容器。
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