JP5051381B2 - 駆動装置およびそれに使用される位置検出装置 - Google Patents

駆動装置およびそれに使用される位置検出装置 Download PDF

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Description

本発明は駆動装置に関し、特に、可動部の位置を検出する位置検出装置に関する。
従来から、カメラのオートフォーカス用アクチュエータやズーム用アクチュエータとして、圧電素子、電歪素子、磁歪素子等の電気機械変換素子を使用した(駆動装置)リニアアクチュエータが使用されている。
例えば、特許文献1は、レンズホルダ(被駆動部材)を移動させるのに、圧電素子の伸縮方向の一端にガイド棒(駆動部材)を接着し、ガイド棒にレンズホルダを移動可能に支持させ、ガイド棒とレンズホルダとの間に摩擦力を発生させる板バネとを備えた駆動装置を開示している。特許文献1では、圧電素子に伸びの速度と縮みの速度とを異ならせるように電圧を印加している。特許文献1は鏡筒位置検出器を備えている。鏡筒位置検出器は、鏡筒の腕の下面に配置されたコ字形の摺動接片と、鏡筒の移動経路の下方で静止部材上に取り付けられた固定検出板とから構成されている。
また、特許文献2は、圧電素子と、この圧電素子に結合して圧電素子の伸縮方向に延在する駆動軸(耐摩耗性の振動棒)と、この駆動軸に摩擦結合した被駆動部材(ズームレンズ鏡筒)とを備えた駆動装置を開示している。この特許文献2では、圧電素子に印加する駆動信号を工夫して、被駆動部材(ズームレンズ鏡筒)を駆動している。特許文献2は、位置検出器については何等開示していない。
特許文献3は、構成部材の弾性変形の影響を受けることのない電気機械変換素子を使用した直線駆動機構を開示している。特許文献3において、固定鏡筒に固着された内筒には半径方向に延びた延長部の軸受に光軸に平行に配置された駆動軸が移動自在に支持されている。延長部と作用部材との間には圧電素子(電気機械変換素子)が配置され固着結合される。作用部材の上半分は駆動軸に接触し、作用部材の下半分はばねにより付勢されたパッドが装着され、作用部材及びパッドは駆動軸に対し適当な摩擦力で摩擦結合する。圧電素子に速度の異なる伸縮変位を発生させると、作用部材を介して駆動軸が変位し、駆動軸は被駆動部材であるレンズ保持枠と共に繰り出し繰り込みがなされる。特許文献3に開示された直線駆動機構では、レンズの移動距離を検出するために強磁性体薄膜磁気抵抗素子式位置センサ(以下、「MRセンサ」という)が設けられている。レンズの移動距離は、レンズ保持枠(光軸に平行に配置された案内軸)の移動距離である。内筒にMRセンサの磁気抵抗素子を配置し、案内軸に所定間隔でNおよびSの磁極を着磁して着磁ロッドとしている。即ち、特許文献3に開示されたMRセンサは、着磁ロッドと磁気抵抗素子と協働してレンズ保持枠の移動距離を検出している。
特許文献4は位置センサを備えた圧電アクチュエータを開示している。特許文献4に開示された圧電アクチュエータは、固定部(静止部材)に接着等の方法で一端が固定された圧電素子(電気機械変換素子)と、圧電素子の他端に接着等の方法で固定された丸棒状の駆動部材(振動摩擦部)と、駆動部材上に摩擦保持されている可動部材(移動部)とから構成されている。可動部材は、駆動部材上に摩擦力で係合する摩擦保持部と、この摩擦保持部に連結されたレンズを保持するレンズホルダとからなる。位置センサは、可動部材に取り付けられた磁界発生部材と、この磁界発生部材に対向するように固定部上に固定された磁界検出部材とから構成される。磁界検出部材としては、ホール素子やMR素子などが好適に用いられる。
また、特許文献5は、アクチュエータの移動部材と固定電極との間の静電容量に基いて移動部材の位置を検出する非接触型の位置検出装置を開示している。圧電素子(電気機械変換素子)の一端はフレーム(静止部材)に固定され、他端には移動部材(移動部)が摩擦結合した駆動軸(振動摩擦部)が固定される。移動部材の移動方向に平行に非接触状態で検出部材が配置される。検出部材は移動部材との対向面に電極を構成し、移動部材と間隔を隔てて静電容量のコンデンサを形成する。駆動回路からの駆動パルスは圧電素子に印加されると共に移動部材に静電容量結合している電極にも流れ、その電流は検出回路で検出され、制御回路に入力される。移動部材が電極の上を移動すると電極に応じて電流は増減するから、電流に基づいて移動部材の位置が検出できる。
さらに、特許文献6は、スリットの幅以上の範囲に亘って遮光板の現在位置を検出することができる位置検出装置を開示している。フォトインタラプタの隙間を通って所定の方向に往復動可能な遮光板は、発光体から受光体へ向けて投光される光を遮蔽する。遮光板は、所定の方向と直交する方向へ延在する幅が変化している。遮光板は、当該遮光板の移動量に応じてフォトインタラプタのスリットを覆う遮光面積が比例して増加するような、形状を有する。
また、特許文献7は、レンズ鏡胴内で移動可能なレンズの初期位置を正確に検出することのできる、フォトインタラプタを用いたレンズ初期位置検出装置を開示している。この特許文献7に開示されたレンズ初期位置検出装置は、レンズ鏡胴又はレンズ枠の一方に取り付けられたフォトインタラプタと、レンズ枠の移動時にフォトインタラプタの発光素子及び受光素子の間を通過するよう、レンズ鏡胴又はレンズ枠の他方に取り付けられた遮光板とを備えている。
特許第2633066号公報 特許第3218851号公報 特開平9−191665号公報 特開2006−113874号公報 特開2003−185406号公報 特開2005−147955号公報 特開平6−174999号公報
特許文献1に開示された鏡筒位置検出器では、コ字形の摺動接片を固定検出板に摺接させるので、その摺接部が磨耗してしまうという問題がある。
特許文献3や特許文献4のように検出素子としてホール素子やMR素子(MRセンサ)を用いる方法では、移動部若しくは固定部に磁気を帯びた磁性体を取り付ける必要があるので、小型化およびコストの点で不利である。
特許文献5は、移動部材と固定電極との間の静電容量に基づいて移動部材の位置を検出する非接触型の位置検出装置を開示している。特許文献5では、電極に常に電流を流す必要があるので、電力を消費してしまうという問題がある。更に、移動部材を導電性の材料で構成しなければならず、材料の選択に制限があるという問題もある。
特許文献6は位置検出装置を開示するのみで、駆動装置に適用する場合にどのように配置するかについては何等開示せず、示唆する記載もない。
特許文献7は、レンズの初期位置を検出できるレンズ初期位置検出装置を開示するのみで、レンズの移動位置(実際の位置)を検出することはできない。
本発明の課題は、安価で、且つ小型化が可能で、検出精度を向上させた、位置検出装置およびそれを備えた駆動装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、説明が進むにつれて明らかになるだろう。
本発明の第1の態様によれば、可動部(42)と、該可動部を所定の方向(Z)へ駆動する駆動部(44)と、前記可動部および前記駆動部を覆う筐体(30)と、前記可動部の位置を検出する位置検出装置(50)とを備えた駆動装置(20)において、前記位置検出装置(50)は、互いに対向して配置された光学的位置検出素子(51)と位置情報部(52;52A)とから構成されており、前記光学的位置検出素子及び前記位置情報部の一方は前記可動部に取り付けられ、前記光学的位置検出素子及び前記位置情報部の他方は前記筐体の内壁に取り付けられ、前記位置情報部(52;52A)は、前記可動部が前記所定の方向へ移動するときに、前記光学的位置検出素子から出力される信号レベルが連続的に変化するようなパターンを持ち、前記位置検出装置は前記信号レベルによって前記可動部の位置検出を行い、前記光学的位置検出素子(51)は、その受発光面が前記所定の方向(Z)と平行な方向になるように配置され、前記連続的に変化する信号レベルは、前記位置情報部に形成されるパターンの、透過率の差、反射率の差、或いは距離の差によって生じ、前記位置情報部(52;52A)は、前記所定の方向に複数の小エリア(521,522;521A,522A)に分割されており、各小エリアの中では前記信号レベルは連続的に変化し、隣接する小エリアの境目では前記信号レベルは不連続に変化し、前記位置検出装置(50)は、前記信号レベルを検出して、検出された信号レベル値を出力する信号レベル検出回路(53)と、前記信号レベルを二値化して、二値化された信号を出力する二値化回路(54)と、前記二値化された信号を数えて、カウント値を出力するカウンタ(55)と、前記カウント値と前記検出された信号レベル値とを組み合わせて、前記可動部の位置を求める合成手段(56)と、を更に備えることを特徴とする駆動装置が得られる。
上記本発明の第1の態様による駆動装置において、前記光学的位置検出素子は、フォトインタラプタ(51)から構成されてもよい。前記フォトインタラプタは、前記位置情報部で反射される光を検出する反射型フォトインタラプタ(51)から成ってよく、前記位置情報部を透過する光を検出する透過型フォトインタラプタから成ってもよい。前記駆動部(44)は、前記所定の方向へ伸縮し、伸縮方向で互いに対向する第1及び第2の端部を持つ電気機械変換素子(441)と、該電気機械変換素子の前記第1の端部に結合された静止部材(442)と、前記電気機械変換素子の前記第2の端部に取り付けられた振動摩擦部(443)と、から構成されてよい。前記可動部(42)は、前記振動摩擦部の振動方向に移動可能な状態で前記振動摩擦部に摩擦結合される棒状の移動部(423)を備えてよい。この場合、前記駆動部(44)は、前記電気機械変換素子(441)の伸縮方向の振動により前記移動部(423)を駆動する。
本発明の第2の態様によれば、可動部(42)と、該可動部を所定の方向(Z)へ駆動する駆動部(44)と、前記可動部および前記駆動部を覆う筐体(30)と備えた駆動装置(20)に用いられ、前記可動部の位置を検出する位置検出装置(50)であって、互いに対向して配置された光学的位置検出素子(51)と位置情報部(52;52A)とから構成され、前記光学的位置検出素子及び前記位置情報部の一方は前記可動部に取り付けられ、前記光学的位置検出素子及び前記位置情報部の他方は前記筐体の内壁に取り付けられ、前記位置情報部(52;52A)は、前記可動部が前記所定の方向へ移動するときに、前記光学的位置検出素子から出力される信号レベルが連続的に変化するようなパターンを持ち、前記信号レベルによって前記可動部の位置検出を行い、前記光学的位置検出素子(51)は、その受発光面が前記所定の方向(Z)と平行な方向になるように配置され、前記連続的に変化する信号レベルは、前記位置情報部に形成されるパターンの、透過率の差、反射率の差、或いは距離の差によって生じ、前記位置情報部(52;52A)は、前記所定の方向に複数の小エリア(521,522;521A,522A)に分割されており、各小エリアの中では前記信号レベルは連続的に変化し、隣接する小エリアの境目では前記信号レベルは不連続に変化し、上記位置検出装置(50)は、前記信号レベルを検出して、検出された信号レベル値を出力する信号レベル検出回路(53)と、前記信号レベルを二値化して、二値化された信号を出力する二値化回路(54)と、前記二値化された信号を数えて、カウント値を出力するカウンタ(55)と、前記カウント値と前記検出された信号レベル値とを組み合わせて、前記可動部の位置を求める合成手段(56)と、を更に備えることを特徴とする位置検出装置が得られる。
上記本発明の第2の態様による位置検出装置において、前記光学的位置検出素子はフォトインタラプタ(51)から構成されてよい。前記フォトインタラプタは、前記位置情報部で反射される光を検出する反射型フォトインタラプタ(51)から成ってよいし、前記位置情報部を透過する光を検出する透過型フォトインタラプタから成ってもよい。
尚、上記括弧内の参照符号は、理解を容易にするために付したものであり、一例に過ぎず、これらに限定されないのは勿論である。
本発明では、位置情報部は、可動部が所定の方向へ移動するときに、光学的位置検出素子から出力される信号レベルが連続的に変化するようなパターンを持ち、位置検出装置は信号レベルによって可動部の位置検出を行っているので、安価で、且つ小型化が可能で、検出精度を向上させた、位置検出装置を提供することが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1乃至図4を参照して、本発明に係る位置検出装置が適用される駆動装置20について説明する。図1は駆動装置20の部分断面斜視図である。図2は図1に示した駆動装置20の断面図である。図3は図1の駆動装置20の内部に設けられるオートフォーカスレンズ駆動ユニット40を示す外観斜視図である。図4は図3に図示したオートフォーカスレンズ駆動ユニット40のレンズ駆動部44を棒状の移動軸423と共に示す斜視図である。
ここでは、図1乃至図4に示されるように、直交座標系(X,Y,Z)を使用している。図1乃至図4に図示した状態では、直交座標系(X,Y,Z)において、X軸は前後方向(奥行方向)であり、Y軸は左右方向(幅方向)であり、Z軸は上下方向(高さ方向)である。そして、図1乃至図4に示す例においては、上下方向Zがレンズの光軸O方向である。
図1に示されるように、駆動装置20は、略直方体形状の筐体(外装)30で覆われている。この筐体(外装)30内には、後述するオートフォーカスレンズ駆動ユニット40(図3参照)が配置される。筐体(外装)30は、カップ状の上側カバー32と下側ベース34とを含む。筐体30の下側ベース34上に静止部材(錘)442(後述する)が搭載される。上側カバー32の上面は、レンズの光軸Oを中心軸とした円筒部32aを有する。
一方、図示はしないが、下側ベース34の中央部には、基板に配置された撮像素子が搭載される。この撮像素子は、可動レンズ(後述する)により結像された被写体像を撮像して電気信号に変換する。撮像素子は、例えば、CCD(charge coupled device)型イメージセンサ、CMOS(complementary metal oxide semiconductor)型イメージセンサ等により構成される。
筐体(外装)30内には、左奥側に案内軸36が設けられている。この案内軸36は、レンズの光軸Oと平行に延在している。案内軸36は筐体30の下側ベース34上に立設している。このレンズの光軸Oを間に挟んで、案内軸36と反対側である右手前側には、後で詳述する、棒状の移動部(移動軸)423が設けられている。すなわち、案内軸36と移動軸423とは、レンズの光軸Oまわりに回転対称な位置に配置されている。
図3に示されるように、オートフォーカスレンズ駆動ユニット40は、レンズ可動部42とレンズ駆動部44とから構成される。レンズ可動部42は、可動レンズであるオートフォーカスレンズAFLを保持するレンズ保持枠421を含む。レンズ保持枠421は、略円筒状の可動鏡筒422の内部に固定されている。可動鏡筒422は、左奥側で半径方向外側に延びる一対の延在部4221(但し、図3では上側のみ図示する)を有する。この一対の延在部4221は、上記案内軸36が貫通する貫通孔4221aを持つ。また、可動鏡筒422は、右手前側で半径方向外側に延びる一対の延在部4222を有する。この一対の延在部4222は、棒状の移動軸423が貫通して嵌合される嵌合孔4222aを持つ。このような構成により、レンズ可動部42は、筐体30に対してレンズの光軸O方向にのみ移動可能である。
レンズ駆動部44は、レンズ可動部42をレンズの光軸O方向に摺動可能に支持しながら、後述するようにレンズ可動部42を駆動する。
図3に加えて図4をも参照して、オートフォーカスレンズ駆動ユニット40のレンズ駆動部44について説明する。
レンズ駆動部44は、電気機械変換素子として働く積層圧電素子441と、静止部材(錘)442と、振動摩擦部443とを有する。積層圧電素子441は、レンズの光軸O方向(上下方向Z)に伸縮する。積層圧電素子441は、レンズの光軸O方向に複数の圧電層を積層した構造を有する。図2に示されるように、積層圧電素子441は、伸縮方向で互いに対向する第1の端部(下端部)441aと第2の端部(上端部)441bとを持つ。静止部材(錘)442は、積層圧電素子441の第1の端部(下端部)441aに接着剤等で結合される。振動摩擦部443は、積層圧電素子441の第2の端部(上端部)441bに接着剤等で取り付けられている。図示の例では、振動摩擦部443は積層圧電素子441の第2の端部441bに直接結合されているが、振動摩擦部443と積層圧電素子441の第2の端部441bとの間に何らかの部材が介在されていてもよい。積層圧電素子441と静止部材442との組合せは、圧電ユニットと呼ばれる。
棒状の移動軸423は、この振動摩擦部443と摩擦結合される。図4に示されるように、振動摩擦部443には、当該振動摩擦部443と棒状の移動軸423との間の摩擦結合部に断面V字状の溝443aが形成されている。
レンズ駆動部44は、棒状の移動軸423を振動摩擦部443に対して押し付ける(付勢する)ためのばね444を備える。すなわち、ばね444は、振動摩擦部443に固定され移動部423を押えるための押付力を発生する付勢手段として働く。ばね444と棒状の移動軸423との間にV字型構造のパッド445が挟み込まれている。パッド445は、移動部423を間に挟んで振動摩擦部443と対向して配置されている。振動摩擦部443と同様に、パッド445も、当該パッド445と棒状の移動軸423との間の接触部に断面V字状の溝445aが形成されている。振動摩擦部443は、ばね444を保持するための溝443bが設けられている。ばね444は、その一端部がこの溝443bで振動摩擦部443に係合され、その他端部が移動部423側に延在している。これにより、振動摩擦部443とパッド445をばね444で棒状の移動軸423に押し付けている。この結果、棒状の移動軸423は振動摩擦部443に安定して摩擦結合される。
レンズ駆動部44とレンズ移動部42とは、図3に示されるように、レンズの光軸Oに対して並置されている。したがって、フォーカスレンズ駆動ユニット40を低背化することができる。その結果、駆動装置20も低背化することができる。
次に、積層圧電素子441について説明する。積層圧電素子441は直方体の形状をしており、その素子サイズは、0.9[mm]×0.9[mm]×1.5[mm]である。圧電材料としてPZTのような低Qm材を使用している。厚さ20[μm]の圧電材料と厚さ2[μm]の内部電極とを交互に櫛形に50層積層することによって、積層圧電素子441を製造する。そして、積層圧電素子441の有効内部電極サイズは、0.6[mm]×0.6[mm]である。換言すれば、積層圧電素子441の有効内部電極の外側に位置する周辺部には、幅0.15[mm]のリング状の不感帯部分(クリアランス)が存在する。
次に、図5を参照して、積層圧電素子441に供給される電流と積層圧電素子441に発生する変位について説明する。なお、図5は、上記特許文献2の図5に図示されたものと同じものである。図5(A)および(B)は、それぞれ、駆動回路(図示せず)により積層圧電素子441に供給される電流の変化と、積層圧電素子441の変位を示すものである。
図5(A)に示すように、積層圧電素子441に大電流(正方向)と所定の一定電流(負方向)とを交互に流す。このような状況では、図5(B)に示すように、積層圧電素子441は、大電流(正方向)に対応した急激な変位(伸び)と、一定電流(負方向)に対応した穏やかな変位(縮み)とが交互に生じる。
すなわち、積層圧電素子441に矩形波電流を印加して(図5(A))、積層圧電素子441に対してのこぎり波状の変位(伸縮)を生じ(図5(B))させる。
図5に加えて図3をも参照して、オートフォーカスレンズ駆動ユニット40の動作について説明する。先ず、レンズ可動部42を上下方向Zに沿って下方向に移動する場合の動作について説明する。
先ず、図5(A)に示すように、積層圧電素子441に正方向の大電流を流すと、図5(B)に示すように、積層圧電素子441は急速に厚み方向の伸び変位を生じる。その結果、振動摩擦部443はレンズの光軸O方向(上下方向Z)に沿って上方向に急速に移動する。このとき、レンズ可動部42は、その慣性力により、振動摩擦部443と棒状の移動軸423との間の摩擦力に打ち勝って実質的にその位置にとどまるので、移動しない。
次に、図5(A)に示すように、積層圧電素子441に負方向の一定電流を流すと、積層圧電素子441は緩やかに厚み方向の縮み変位を生じる。その結果、振動摩擦部443はレンズの光軸O方向(上下方向Z)に沿って下方向に緩やかに移動する。このとき、振動摩擦部443と棒状の移動軸423とはそれらの間の接触面に発生する摩擦力により結合しているので、レンズ可動部42は振動摩擦部443と共に実質的にレンズの光軸O方向(上下方向Z)に沿って下方向に移動する。
このように、積層圧電素子441に正方向の大電流と負方向の所定の一定電流を交互に流して、積層圧電素子441に伸び変位と縮み変位を交互に生じさせることにより、レンズ保持枠421(レンズ可動部42)をレンズ光軸O方向(上下方向Z)に沿って下方向へ連続して移動させることができる。
レンズ可動部42をレンズ光軸O方向(上下方向Z)に沿って上方向に移動させるには、上記と逆に積層圧電素子441に負方向の大電流と、正方向の所定の一定電流とを交互に流すことによって、達成することができる。
次に、図6を参照して、本発明の一実施の形態に係る位置検出装置50について説明する。
図示の位置検出装置50は、レンズ可動部42の位置を検出するためのものであり、光学的位置検出素子51と、位置情報部52とを有する。図示の例では、光学的位置検出素子51は、筐体30の上側カバー32の外周側壁の内壁に設けられており、位置情報部52は、レンズ可動部42の可動鏡筒422の外周壁に取り付けられている。図6に示されるように、光学的位置検出素子51と位置情報部52とは、それらに間に空間を空けて、互いに対向して配置されている。
なお、図示の例では、位置情報部52がレンズ可動部42に取り付けられ、光学的位置検出素子51が筐体30に取り付けられているが、位置情報部52を筐体30に取り付け、光学的位置検出素子51をレンズ可動部42に取り付けても良い。
図示の光学的位置検出素子51は、反射型フォトインタラプタから構成されている。この技術分野において周知のように、反射型フォトインタラプタは、位置情報部52へ向けて光を出射する発光体と、位置情報部52で反射された光を受光する受光体とから構成される。発光体は、例えば、発光ダイオード(LED)から構成される。受光体は、例えば、フォトダイオードから構成される。
なお、図示の例では、光学的位置検出素子51は、反射型フォトインタラプタから構成されているが、透過型フォトインタラプタから構成されても良い。
上述したように、光学的位置検出素子51は、その受発光面が上下方向(所定の方向)Zと平行な方向になるように配置されている。したがって、駆動装置20を小型化することが可能である。
位置情報部52は、レンズ可動部42がレンズ光軸O方向(上下方向Z)に沿って移動したとき、光学的位置検出素子51から出力される信号レベル(以下、単に「信号レベル」ともいう)が連続的に変化するようなパターンを持つ。図示の例では、連続的に変化する信号レベルは、位置情報部52に形成されるパターンの反射率の差によって生じる。したがって、この信号レベルを検出することによって、レンズ可動部42の位置を検出することができる。
図示の例では、位置情報部52は、レンズ可動部42の移動方向(上下方向Z)に対して、第1及び第2の小エリア521、522に分割されている。第1及び第2の小エリア521、522の各々の中で、信号レベルは連続的に変化し、第1の小エリア521と第2の小エリア522との境目では、信号レベルは不連続に変化する。図示の例では、各小エリア521、522は、面積比変化による連続的パターンを持っている。換言すれば、各小エリア521、522は、遮光部の幅が徐々に変化する楔形をしている。
図示の位置検出装置50は、更に、信号レベル検出回路53と、二値化回路54と、カウンタ(アップダウン・カウンタ)55と、合成手段56とを有する。信号レベル検出回路53は、光学的位置検出素子51から出力される信号レベルを検出する回路である。この信号レベル検出回路53で検出された信号レベル検出値は、レンズ可動部42の詳細位置を表している。
二値化回路54は、光学的位置検出素子51から出力される信号を二値化して、二値化された信号を出力する。すなわち、二値化回路54は、光学的位置検出素子51から出力される信号のレベルが高ければ、論理“1”レベルの信号を出力し、光学的位置検出素子51から出力される信号のレベルが低ければ、論理“0”レベルの信号を出力する。カウンタ55は、二値化された信号を数える(カウントする)。詳述すると、カウンタ55は、レンズ可動部42を上方向に駆動した際に二値化された信号が論理“1”レベルから論理“0”レベルに遷移したときアップカウントし、レンズ可動部42を下方向に駆動した際に二値化された信号が論理“0”レベルから論理“1”レベルに遷移したときダウンカウントする。カウンタ55のカウント値は、レンズ可動部42の粗位置を表している。
合成手段56は、カウンタ55のカウント値(粗位置)と信号レベル検出回路53の信号レベル検出値(詳細位置)とを組み合わせて、レンズ可動部42の位置を出力する。
したがって、図6に示した位置検出装置50は、レンズ可動部42の移動量が長い場合でも、精度良くレンズ可動部42の位置を検出することができる。
図7及び図9を参照して、位置情報部52に用いられるパターンの例を示す。図7はグラデーションによる連続的パターンの例を示す。図8は、図6に示した位置情報部52の各小エリア521、522と同様な、面積比変化による連続的パターンの一例を示す。図9は、面積比変化よる連続パターンの他の例を示す。
光学的位置検出素子51で検出される光の量を変化される方法としては、例えば、次に述べるような方法を採用することができる。1)スリットのような形状で透過率を変化させる。2)明暗の線で反射率を変化させる。3)形状の凹凸で光学的位置検出素子51までの距離を変化させる。4)これら1)〜3)を複合する。5)高効率部と低効率部の面積比を変化させる。
光学的位置検出素子(反射型フォトインタラプタ)51の前を、図7乃至図9に示すパターンを持つ位置情報部が通過すると、光学的位置検出素子51からは図10に示されるような信号出力が得られる。図10において、横軸はレンズ可動部42の読み取り位置を表し、縦軸は光学的位置検出素子51で検出された信号レベルを表す。
図10から、連続的に変化する信号レベルとレンズ可動部42の位置が対応していることが分かる。従って、図6に示す信号レベル検出回路53によって光学的位置検出素子51で検出された信号レベルを読み取ることで、レンズ可動部42の位置を検出することが可能である。
図11は、レンズ可動部42の移動量が大きい場合に使用される、他の位置情報部52Aの繰り返しパターンの例を示す図である。図11の繰り返しパターンは、図7に示されたパターンを第1及び第2の小エリア521A、522Aとして、繰り返した例である。なお、図11中の破線の丸印は、光学的位置検出素子51の検出エリアを示す。このような連続変化する小エリア521A、522Aを繰り返すことで、光学的位置検出素子51からは図12に示されるような信号出力が得られる。図12において、横軸はレンズ可動部42の読み取り位置を表し、縦軸は光学的位置検出素子51で検出された信号レベルを表す。
以上、本発明についてその好ましい実施の形態によって説明してきたが、本発明の精神を逸脱しない範囲内で、種々の変形が当業者によって可能であるのは明らかである。例えば、本発明に係る位置検出装置が適用される駆動装置は、上述した実施の形態のものに限定されず、例えば、前述した特許文献1乃至5に開示されたような駆動装置にも適用可能なのは当業者であれば容易に理解できるであろう。更に、本発明はカメラ用の駆動装置に限定されず、種々の駆動装置に適用可能なのは勿論である。
本発明に係る位置検出装置が適用される駆動装置の部分断面斜視図である。 図1に示した駆動装置の断面図である。 図1の駆動装置の内部に設けられるオートフォーカスレンズ駆動ユニットを示す外観斜視図である。 図3に図示したオートフォーカスレンズ駆動ユニットのレンズ駆動部を棒状の移動軸と共に示す斜視図である。 積層圧電素子に供給される電流と積層圧電素子に発生する変位を説明するための波形図である。 本発明の一実施の形態に係る位置検出装置を示す概略ブロック図である。 本発明の位置検出装置の位置情報部に用いられる、グラデーションによる連続的パターンの例を示す図である。 本発明の位置検出装置の位置情報部に用いられる、面積比変化による連続的パターンの一例を示す図である。 本発明の位置検出装置の位置情報部に用いられる、面積比変化よる連続パターンの他の例を示す図である。 光学的位置検出素子の前を、図7乃至図9に示すパターンを持つ位置情報部が通過したときに、光学的位置検出素子から出力される信号レベルを示すグラフである。 レンズ可動部の移動量が大きい場合に使用される、他の位置情報部の繰り返しパターンの例を示す図である。 光学的位置検出素子の前を、図11に示す繰り返しパターンを持つ位置情報部が通過したときに、光学的位置検出素子から出力される信号レベルを示すグラフである。
符号の説明
20 駆動装置
30 外装(筐体)
32 上側カバー
34 下側ベース
40 オートフォーカスレンズ駆動ユニット
42 レンズ可動部
421 レンズ保持枠
422 可動鏡筒
4221 延在部
4221a 貫通孔
4222 延在部
4222a 嵌合孔
423 棒状の移動部(移動軸)
44 レンズ駆動部
441 積層圧電素子(電気機械変換素子)
441a 第1の端部(下端部)
441b 第2の端部(上端部)
442 静止部材(錘)
443 振動摩擦部
443a 断面V字状の溝
443b 溝
444 ばね
445 V字型構造のパッド
445a 断面V字状の溝
50 位置検出装置
51 光学的位置検出素子(反射型フォトインタラプタ)
52、52A 位置情報部
521,522,521A,522A 小エリア
53 信号レベル検出回路
54 二値化回路
55 カウンタ(アップダウン・カウンタ)
56 合成手段
O レンズの光軸
AFL オートフォーカスレンズ

Claims (9)

  1. 可動部と、該可動部を所定の方向へ駆動する駆動部と、前記可動部および前記駆動部を覆う筐体と、前記可動部の位置を検出する位置検出装置とを備えた駆動装置において、
    前記位置検出装置は、互いに対向して配置された光学的位置検出素子と位置情報部とから構成されており、前記光学的位置検出素子及び前記位置情報部の一方は前記可動部に取り付けられ、前記光学的位置検出素子及び前記位置情報部の他方は前記筐体の内壁に取り付けられ、前記位置情報部は、前記可動部が前記所定の方向へ移動するときに、前記光学的位置検出素子から出力される信号レベルが連続的に変化するようなパターンを持ち、前記位置検出装置は前記信号レベルによって前記可動部の位置検出を行い、
    前記光学的位置検出素子は、その受発光面が前記所定の方向と平行な方向になるように配置され、
    前記連続的に変化する信号レベルは、前記位置情報部に形成されるパターンの、透過率の差、反射率の差、或いは距離の差によって生じ、
    前記位置情報部は、前記所定の方向に複数の小エリアに分割されており、各小エリアの中では前記信号レベルは連続的に変化し、隣接する小エリアの境目では前記信号レベルは不連続に変化し、
    前記位置検出装置は、
    前記信号レベルを検出して、検出された信号レベル値を出力する信号レベル検出回路と、
    前記信号レベルを二値化して、二値化された信号を出力する二値化回路と、
    前記二値化された信号を数えて、カウント値を出力するカウンタと、
    前記カウント値と前記検出された信号レベル値とを組み合わせて、前記可動部の位置を求める合成手段と、
    を更に備えることを特徴とする駆動装置。
  2. 前記光学的位置検出素子がフォトインタラプタから構成される、請求項1に記載の駆動装置。
  3. 前記フォトインタラプタは、前記位置情報部で反射される光を検出する反射型フォトインタラプタから成る、請求項2に記載の駆動装置。
  4. 前記フォトインタラプタは、前記位置情報部を透過する光を検出する透過型フォトインタラプタから成る、請求項2に記載の駆動装置。
  5. 前記駆動部は、前記所定の方向へ伸縮し、伸縮方向で互いに対向する第1及び第2の端部を持つ電気機械変換素子と、該電気機械変換素子の前記第1の端部に結合された静止部材と、前記電気機械変換素子の前記第2の端部に取り付けられた振動摩擦部と、から構成され、
    前記可動部は、前記振動摩擦部の振動方向に移動可能な状態で前記振動摩擦部に摩擦結合される棒状の移動部を備え、
    前記駆動部は、前記電気機械変換素子の伸縮方向の振動により前記移動部を駆動する、請求項1乃至4のいずれか1つに記載の駆動装置。
  6. 可動部と、該可動部を所定の方向へ駆動する駆動部と、前記可動部および前記駆動部を覆う筐体と備えた駆動装置に用いられ、前記可動部の位置を検出する位置検出装置であって、
    互いに対向して配置された光学的位置検出素子と位置情報部とから構成され、前記光学的位置検出素子及び前記位置情報部の一方は前記可動部に取り付けられ、前記光学的位置検出素子及び前記位置情報部の他方は前記筐体の内壁に取り付けられ、前記位置情報部は、前記可動部が前記所定の方向へ移動するときに、前記光学的位置検出素子から出力される信号レベルが連続的に変化するようなパターンを持ち、前記信号レベルによって前記可動部の位置検出を行い、
    前記光学的位置検出素子は、その受発光面が前記所定の方向と平行な方向になるように配置され、
    前記連続的に変化する信号レベルは、前記位置情報部に形成されるパターンの、透過率の差、反射率の差、或いは距離の差によって生じ、
    前記位置情報部は、前記所定の方向に複数の小エリアに分割されており、各小エリアの中では前記信号レベルは連続的に変化し、隣接する小エリアの境目では前記信号レベルは不連続に変化し、
    前記位置検出装置は、
    前記信号レベルを検出して、検出された信号レベル値を出力する信号レベル検出回路と、
    前記信号レベルを二値化して、二値化された信号を出力する二値化回路と、
    前記二値化された信号を数えて、カウント値を出力するカウンタと、
    前記カウント値と前記検出された信号レベル値とを組み合わせて、前記可動部の位置を求める合成手段と、
    を更に備えることを特徴とする位置検出装置。
  7. 前記光学的位置検出素子がフォトインタラプタから構成される、請求項6に記載の位置検出装置。
  8. 前記フォトインタラプタは、前記位置情報部で反射される光を検出する反射型フォトインタラプタから成る、請求項7に記載の位置検出装置。
  9. 前記フォトインタラプタは、前記位置情報部を透過する光を検出する透過型フォトインタラプタから成る、請求項7に記載の位置検出装置。
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