JP5047097B2 - 変速機 - Google Patents
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Description
この変速機では、歯車により掻き上げられて上方に飛散しようとする潤滑油をガイドプレートにより効率良く歯車側にガイドすることができるものとしている。
本発明の変速機は、回転部材を含む変速機構と、該変速機構を収容するとともに潤滑油を貯留する貯留部を有する変速機ケースとを備え、前記回転部材のうち前記潤滑油に浸漬した浸漬部によって掻き上げられた前記潤滑油を用いて直接または間接に前記変速機構の各部の少なくとも一部を潤滑する変速機であって、
前記変速機ケースの内壁側から前記回転部材の外周面に近接する位置まで突出する動的油面保持部材を設けてなり、
該動的油面保持部材は、前記変速機ケース内を該動的油面保持部材よりも上方に位置する上部空間と該動的油面保持部材よりも下方に位置する下部空間とに区画するとともに、該下部空間のうち該動的油面保持部材と前記回転部材と前記貯留部に貯留された前記潤滑油の油面と前記変速機ケースの内面とで囲まれた空間の容積が0以上前記潤滑油の容積以下となる位置に配設されてなることを要旨とする。
こうすれば、効果的に潤滑油の傾斜を抑制できる。
こうすれば、変速機ケースの全長に亘って潤滑油の飛散や傾斜を抑制することができる。この結果、潤滑性能をより向上することができる。
こうすれば、掻き上げられる潤滑油の少なくとも一部を変速機構の各部の少なくとも一部に誘導できるから、より潤滑性能を向上することができる。
こうすれば、掻き上げられる潤滑油を回転部材の外周面に沿って誘導することができる。
こうすれば、回転部材の浸漬部により掻き上げられる潤滑油のうち上部空間に飛散した潤滑油を再び貯留部に戻すことができる。
こうすれば、回転部材の浸漬部により掻き上げられた潤滑油のうち上部空間に飛散した潤滑油を貯留部に戻す構造を簡易に確保できる。
こうすれば、回転部材の浸漬部により掻き上げられる潤滑油が貫通孔から上部空間に飛散することを抑制しながら上部空間に飛散した潤滑油を貯留部に戻すことができる。
こうすれば、動的油面保持部材の上部空間側の面に落下する潤滑油が再び回転部材により掻き上げられるのを抑制できる。この結果、潤滑油を貯留部に速やかに戻すことができる。
実施例の変速機1は、図示するように、クラッチ2に接続された入力軸3と、この入力軸3にリダクションギヤ機構RGを介して接続されたカウンター軸4と、カウンター軸4と変速ギヤ機構6を介して接続された出力軸5とを備える。
カウンター軸4は、一端(クラッチ2側)が支持壁1a’にローラベアリングRBRGを介して回転自在に支持されているとともに、中間部においてアダプタープレート1bにローラベアリングRBRGを介して回転自在に支持されている。カウンター軸4の他端(クラッチ2側とは反対側)は、エクステンションケース1cに図示しないベアリングを介して回転自在に支持されている。
出力軸5は、一端(クラッチ2側)が入力軸の後端に図示しないパイロットベアリングを介して回転自在に同軸状に内挿支持されているとともに、中間部においてアダプタープレート1bにボールベアリングBRGを介して回転自在に支持されている。出力軸5の他端(クラッチ2側とは反対側)は、エクステンションケース1cにニードルベアリングNBRGを介して回転自在に支持されている。
なお、図中7は、同期装置6cを選択的に操作できるストライキングロッドである。
また、変速機ケース1aとカウンター軸4との間には、動的油面を安定保持するための動的油面保持部材8が配置されている。
動的油面保持部材8は、図2に示すように、カウンター軸4の両側に対称状に一対配置され、変速機ケース1a内を上部空間Saと下部空間Sbとに区画している。即ち、動的油面保持部材8は、変速機ケース1aの内壁側から回転部材としてのカウンター軸4,駆動ギヤ6a,6aおよび同期装置6cそれぞれの外周面に近接する位置に亘って形成されるとともに、変速機ケース1aの支持壁1a’からアダプタープレート1bまで変速機ケース1aの全長に亘って形成されている。ここで、動的油面保持部材8は、爪部80を支持壁1a’やアダプタープレート1bに形成された図示しない挿入凹部に係合することにより支持壁1a’やアダプタープレート1bに取り付け固定される。
このオイル落とし孔8f,8fは、回転部材としてのカウンター軸4,駆動ギヤ6aおよび同期装置6cのうち、潤滑油Oに浸漬する部位からカウンター軸4の軸線方向にずれた位置に貫通形成されており、駆動ギヤ6a,6a,同期装置6cにより掻き上げられる潤滑油Oが、このオイル落とし孔8fから受け部8cの上方の上部空間Saに飛散することのないように構成されている。
また、掻き上げられて上部空間Saに飛散された潤滑油Oは良好に受け部8cで受け止めて、このオイル落とし孔8fを通して下方の貯留部Tへ戻すことができるように構成されている。
まず、潤滑油Oに回転部材としてのカウンター軸4や駆動ギヤ6a,同期装置6cの回転に伴う回転力が作用した場合を考える。
図4は、変速機1が搭載された車両の前進時の駆動ギヤ6aの回転状態を示している。
変速機1に動力が入力されると、カウンター軸4や駆動ギヤ6a,同期装置6cが回転する。カウンター軸4や駆動ギヤ6a,同期装置6cが回転すると、カウンター軸4や駆動ギヤ6a,同期装置6cのうち潤滑油Oに浸漬した部分が潤滑油Oに回転力を作用させ、潤滑油Oが変速機ケース1a内で回転方向側(図中左側方向)に片寄ろうとする。
このとき、動的油面保持部材8が潤滑油Oの偏りを抑制する。即ち、回転方向へ飛散しようとする潤滑油Oの大部分が動的油面保持部材8に衝突してその飛散が抑制される。
一方、動的油面保持部材8、特に立上整流片8aに衝突した潤滑油Oの一部は、その飛散方向が整流されて誘導部8dとカウンター軸4,駆動ギヤ6aおよび同期装置6cのそれぞれの外周面との隙間から駆動ギヤ6aと被駆動ギヤ6bとの噛合部や同期装置6cとシフトフォークFとの係合部分などの潤滑必要部位に供給される。
ここで、誘導部8dは、カウンター軸4,駆動ギヤ6aおよび同期装置6cのそれぞれの外周面に対して周方向に沿う湾曲形状に形成されているから、潤滑油Oを潤滑必要部位に向けて良好にガイドすることができる。
上部空間Sa内に飛散された潤滑油Oは、変速機ケース1aの内壁に衝突したりして内壁を伝いながら、あるいは直接的に受け部8cで受け止められ、オイル落とし孔8fを介して下部空間Sb、即ち、貯留部Tに戻される。
ここで、受け部8cが樋状に形成されているから受け部8cで受け止められた潤滑油Oが再びカウンター軸4や駆動ギヤ6a,同期装置6cによって掻き上げられるのを抑制することができ、潤滑油Oをオイル落とし孔8fを介して速やかに貯留部Tに戻すことができる。
また、オイル落とし孔8fが回転部材としてのカウンター軸4,駆動ギヤ6aおよび同期装置6cのうち、潤滑油Oに浸漬する部位からカウンター軸4の軸線方向にずれた位置に形成されているから、カウンター軸4や駆動ギヤ6a,同期装置6cのうち潤滑油Oに浸漬した部分によって掻き上げられた潤滑油Oがオイル落とし孔8fから上部空間Sa側に飛散し難いものとしている。
即ち、車両の急旋回により潤滑油Oに車両進行方向に対して左右方向(図4における左右方向)に片寄らせようとする力が作用するが、左右方向に片寄ろうとする潤滑油Oの大部分が動的油面保持部材8に衝突して上部空間Saへの飛散が抑制される。
一方、動的油面保持部材8、特に立上整流片8aに衝突した潤滑油Oの一部は、その飛散方向が整流されて誘導部8dとカウンター軸4,駆動ギヤ6aおよび同期装置6cのそれぞれの外周面との隙間から駆動ギヤ6aと被駆動ギヤ6bとの噛合部や同期装置6cと図示しないシフトフォークFとの係合部分などの潤滑必要部位に供給される。
潤滑必要部位に供給された潤滑油Oは、潤滑必要部位を潤滑後、上部空間Sa内に飛散される。そして、上部空間Sa内に飛散された潤滑油Oは、変速機ケース1aの内壁に衝突したりして内壁を伝いながら、あるいは直接的に受け部8cで受け止められ、オイル落とし孔8fを介して下部空間Sb、即ち、貯留部Tに戻される。
図5は、変速機1を搭載した車両が連続登坂あるいは急加速したことにより貯留部T内の潤滑油Oが車両進行方向に対して後方側に片寄った状態を示す状態図であり、図6は、変速機1を搭載した車両が連続降坂あるいは急制動したことにより貯留部T内の潤滑油Oが車両進行方向に対して前方側に片寄った状態を示す状態図である。
ここで、動的油面保持部材8は、変速機ケース1aの支持壁1a’からアダプタープレート1bに亘って形成されているから、潤滑油Oの後方側への片寄りを効果的に抑制できる。しかも、動的油面保持部材8の立上整流片8a,下端整流片8bおよび誘導部8dと、カウンター軸4,駆動ギヤ6aおよび同期装置6cそれぞれの外周面と、潤滑油Oの油面Oaと、変速機ケース1a内壁とで囲まれた空間Sの容積が0以上で潤滑油Oの容積以下となるような位置に配置されるから、潤滑油Oが後方側へ片寄った後でも前方側における潤滑油Oの容積がゼロになる部分を生じるのを抑制できる。即ち、変速機ケース1内で車両進行方向に対して前方側に配置された駆動ギヤ6aが潤滑油Oに浸漬しなくなるような状態が発生するのを抑制できる。この結果、潤滑性能の向上を図ることができる。
このときも、上述した変速機1を搭載した車両が連続登坂や急加速などがなされた場合と同様、動的油面保持部材8が空間Sの容積が0以上で潤滑油Oの容積以下となるような位置に配置されているから、潤滑油Oが前方側へ片寄った後でも後方側における潤滑油Oが0となるのを抑制できる。即ち、変速機ケース1内で車両進行方向に対して後方側に配置された駆動ギヤ6aや同期装置6cが潤滑油Oに浸漬しなくなるような状態が発生するのを抑制できる。この結果、潤滑性能の向上を図ることができる。
図7の動的油面保持部材8は、立上整流片8aとその下端の下端整流片8bの形状は前記図3におけるものとほぼ同じであるが、立上整流片8aの上端にカウンター軸4,駆動ギヤ6aおよび同期装置6cの外周上方に向かって略水平状に延びる上端整流片8gが形成され、上端整流片8gの先端に、駆動ギヤ6a,同期装置6cの外周上方で略垂下状に延びる垂下片8hが一体形成されている。
この動的油面保持部材8の立上整流片8a,下端整流片8b,上端整流片8g,および垂下片8hと、カウンター軸4,駆動ギヤ6aおよび同期装置6cの外周面と、潤滑油Oの油面Oaと、変速機のケース1a内壁とで囲まれた空間Sが形成されており、この空間Sの容積は0以上で潤滑油Oの容積以下となるように動的油面保持部材8の配置位置が設定されている。また、下端整流片8bには、上部空間Saと下部空間Sbとを連通する貫通孔状のオイル落とし孔8fが形成されている。このオイル落とし孔8fは、回転部材としてのカウンター軸4,駆動ギヤ6aおよび同期装置6cのうち、潤滑油Oに浸漬する部位からカウンター軸4の軸線方向にずれた位置に貫通形成されている。
なお、この動的油面保持部材8は、変速機ケース1aの支持壁1a’からアダプタープレート1bまで変速機ケース1aの全長に亘って形成されている。
ここで、掻き上げられた潤滑油Oの大部分には、垂下片8hにより貯留部Tへと戻されるような力が作用して、効果的に貯留部T内へ戻される。この結果、掻き上げられる潤滑油Oの上部空間Saへの飛散がより効果的に抑制できる。
一方、動的油面保持部材8、特に立上整流片8aに衝突した潤滑油Oの一部は、その飛散方向が整流されて垂下片8hとカウンター軸4,駆動ギヤ6aおよび同期装置6cのそれぞれの外周面との隙間から駆動ギヤ6aと被駆動ギヤ6bとの噛合部などの潤滑必要部位に供給される。なお、潤滑必要部位を潤滑した後に上部空間Sa内に飛散した潤滑油Oは、変速機ケース1aの内壁に衝突したりして内壁を伝いながら、あるいは直接的に下端整流片8b上で受け止められ、下端整流片8bに形成されたオイル落とし孔8fを介して下部空間Sb、即ち、貯留部Tに戻される。
即ち、回転部材であるカウンター軸4や駆動ギヤ6a或いは同期装置6cの下部部位に潤滑油Oに浸漬する部分が無くなるほどの潤滑油Oの傾斜を抑制することができて、潤滑油Oの傾斜時においても、駆動ギヤ6a或いは同期装置6cの回転により潤滑油Oを掻き上げて潤滑必要部位に良好に供給することができる。
この図8の動的油面保持部材81は、変速機ケース1aの内壁に固定状態となる固定部81aの下端から、カウンター軸4,駆動ギヤ6a或いは同期装置6c側へ向かって上傾して傾斜状の誘導部81bが形成され、また、固定部81aの上端には、カウンター軸4,駆動ギヤ6a或いは同期装置6cに向かって略水平状に延びる受け部81cが形成され、動的油面保持部材81は断面略三角形状に形成されている。
この動的油面保持部材81の誘導部81bと、カウンター軸4,駆動ギヤ6aおよび同期装置6cの外周面と、潤滑油Oの油面Oaと、変速機のケース1a内壁とで囲まれた空間Sが形成されており、この空間Sの容積は0以上で潤滑油Oの容積以下となるように動的油面保持部材81の配置位置が設定されている。なお、この動的油面保持部材81は、変速機ケース1aの支持壁1a’からアダプタープレート1bまで変速機ケース1aの全長に亘って形成されている。
一方、動的油面保持部材81、特に誘導部81bに衝突した潤滑油の一部は、その飛散方向が整流されて誘導部81bの上端とカウンター軸4,駆動ギヤ6aおよび同期装置6cのそれぞれの外周面との隙間から駆動ギヤ6aと被駆動ギヤ6bとの噛合部などの潤滑必要部位に供給される。潤滑必要部位を潤滑した後の潤滑油Oは、上部空間Sa内に飛散され、変速機ケース1aの内壁に衝突したりして内壁を伝いながら、あるいは直接的に受け部81cで受け止められ、誘導部81bとカウンター軸4,駆動ギヤ6aおよび同期装置6cのそれぞれの外周面との隙間から貯留部Tに戻される。
即ち、回転部材である駆動ギヤ6a或いは同期装置6cの下部部位に潤滑油Oに浸漬する部分が無くなるほどの潤滑油Oの傾斜を抑制することができて、潤滑油Oの傾斜時においても、駆動ギヤ6a或いは同期装置6cの回転により潤滑油Oを掻き上げて潤滑必要部位に良好に供給することができる。
図9では、変速機ケース1aの内壁に固定される固定部82aから、カウンター軸4,駆動ギヤ6a或いは同期装置6cに向かって略水平状に延びる板状の動的油面保持部材82が突出されており、動的油面保持部材82のカウンター軸4,駆動ギヤ6a或いは同期装置6c側の内端は、下方から上方に向かって上傾した傾斜状の誘導部82bとなっている。この板状の動的油面保持部材82は、その下面が整流面82cとなっており、上面が受け面82dとなっている。
この動的油面保持部材82の整流面82cと、カウンター軸4,駆動ギヤ6aおよび同期装置6cの外周面と、潤滑油Oの油面Oaと、変速機のケース1a内壁とで囲まれた空間Sが形成されており、この空間Sの容積は0以上で潤滑油Oの容積以下となるように動的油面保持部材82の配置位置が設定されている。なお、この動的油面保持部材82は、変速機ケース1aの支持壁1a’からアダプタープレート1bまで変速機ケース1aの全長に亘って形成されている。
一方、動的油面保持部材82、特に整流面82cに衝突した潤滑油の一部は、その飛散方向が整流されて誘導部82bとカウンター軸4,駆動ギヤ6aおよび同期装置6cのそれぞれの外周面との隙間から駆動ギヤ6aと被駆動ギヤ6bとの噛合部などの潤滑必要部位に供給される。そして、潤滑必要部位を潤滑した後の潤滑油Oは、上部空間Sa内に飛散され、変速機ケース1aの内壁に衝突したりして内壁を伝いながら、あるいは直接的に受け面82dで受け止められ、受け面82dとカウンター軸4,駆動ギヤ6aおよび同期装置6cのそれぞれの外周面との隙間から貯留部Tに戻される。
即ち、回転部材である駆動ギヤ6a或いは同期装置6cの下部部位に潤滑油Oに浸漬する部分が無くなるほどの潤滑油Oの傾斜を抑制することができて、潤滑油Oの傾斜時においても、駆動ギヤ6a或いは同期装置6cの回転により潤滑油Oを掻き上げて潤滑必要部位に良好に供給することができる。
図10の動的油面保持部材8は、立上整流片8a,下端整流片8b,誘導部8dおよび樋片8eを備え、樋状に形成された受け部8cの構成は、図2のものと同様であるが、円形貫通孔で構成したオイル落とし孔8fに代えて、誘導部8d側を開放させて受け部8cにスリット状に延びるオイル落とし孔8f,8fを合計4個切り欠き形成したものである。
この切り欠き状のオイル落とし孔8f,8fは、回転部材としてのカウンター軸4,駆動ギヤ6aおよび同期装置6cのうち、潤滑油Oに浸漬する部位からカウンター軸4の軸線方向にずれた位置に貫通形成されており、駆動ギヤ6a,6a,同期装置6cにより掻き上げられる潤滑油Oが、このオイル落とし孔8f,8fから受け部8cの上方の上部空間Saに飛散することのないように構成されている。
本例においては、受け部8c上に落下する潤滑油Oを、切り欠き状のオイル落とし孔8f,8fを通して速やかに貯留部T側へ戻すことができる。
図11に示す変速機1は、カウンター軸4と入力軸3および出力軸5とが図中左右方向に配列された点において、上述した実施例とは異なる。
このような場合は、ギヤ6a,6bの噛み合い部に潤滑油をガイドする機能は不要であり、ギヤ6a,6bの噛み合い部上方に変速機ケース1aから垂下状に垂設リブ1dを設けておき、上方へ飛散された潤滑油Oをこの垂設リブ1dから下方の駆動ギヤ6aと被駆動ギヤ6bの噛み合い部に落下させて、噛み合い部を潤滑することができるものである。
なお、動的油面保持部材82は板状に形成され、上面が受け面82dとなっており、下面が整流面82cとなっており、内端にはギヤ6a,6b側へ上傾した誘導部82bが形成されて、この動的油面保持部材82はカウンター軸4,出力軸5に沿って変速機ケース1aのほぼ全長に亘る長さに形成される。
一方、動的油面保持部材82、特に整流面82cに衝突した潤滑油の一部は、その飛散方向が整流されて誘導部82bとカウンター軸4,駆動ギヤ6aおよび同期装置6cのそれぞれの外周面との隙間から駆動ギヤ6aと被駆動ギヤ6bとの噛合部などの潤滑必要部位に供給される。そして、潤滑必要部位を潤滑した後の潤滑油Oは、上部空間Sa内に飛散され、変速機ケース1aの内壁に衝突したりして内壁を伝いながら、あるいは直接的に受け面82dで受け止められ、受け面82dとカウンター軸4,駆動ギヤ6aおよび同期装置6cのそれぞれの外周面との隙間から貯留部Tに戻される。
また、潤滑油Oを傾斜させるような外力が作用した場合でも、動的油面保持部材82により潤滑油Oの車両進行方向に対する前後左右方向への片寄りを抑制でき、潤滑油Oが傾斜することを効果的に抑制することができる。
即ち、回転部材であるギヤ6a,6bの下部部位に潤滑油Oに浸漬する部分が無くなるほどの潤滑油Oの傾斜を抑制することができて、潤滑油Oの傾斜時においても、駆動ギヤ6a或いは同期装置6cの回転により潤滑油Oを掻き上げて潤滑必要部位に良好に供給することができる。
1a ケース
1a’ 支持壁
1b アダプタープレート
1d 垂設リブ
3 入力軸
4 カウンター軸
5 出力軸
6 変速機構
6a 駆動ギヤ
6b 被駆動ギヤ
6c 同期装置
8 動的油面保持部材
8a 立上整流片
8b 下端整流片
8c 受け部
8d 誘導部
8e 樋片
8f オイル落とし孔
8g 上端整流片
8h 垂下片
80 爪部
81 動的油面保持部材
81a 固定部
81b 誘導部
81c 受け部
82 動的油面保持部材
82b 誘導部
82c 整流面
82d 受け面
Sa 上部空間
S 空間
T 貯留部
O 潤滑油
Oa 油面
Claims (9)
- 回転部材を含む変速機構と、該変速機構を収容するとともに潤滑油を貯留する貯留部を有する変速機ケースとを備え、前記回転部材のうち前記潤滑油に浸漬した浸漬部によって掻き上げられた前記潤滑油を用いて直接または間接に前記変速機構の各部の少なくとも一部を潤滑する変速機であって、
前記変速機ケースの内壁側から前記回転部材の外周面に近接する位置まで突出する動的油面保持部材を設けてなり、
該動的油面保持部材は、前記変速機ケース内を該動的油面保持部材よりも上方に位置する上部空間と該動的油面保持部材よりも下方に位置する下部空間とに区画するとともに、該下部空間のうち該動的油面保持部材と前記回転部材と前記貯留部に貯留された前記潤滑油の油面と前記変速機ケースの内面とで囲まれた空間の容積が0以上前記潤滑油の容積以下となる位置に配設されてなる
変速機。 - 前記動的油面保持部材は、前記回転部材を挟んで両側に設けられてなる請求項1に記載の変速機。
- 前記動的油面保持部材は、前記変速機ケースの全長に亘る長さに形成されてなる請求項1または請求項2に記載の変速機。
- 前記動的油面保持部材は、前記回転部材の浸漬部によって掻き上げられる前記潤滑油の少なくとも一部を前記変速機構の各部の少なくとも一部に誘導可能な形状に形成されてなる請求項1乃至請求項3何れかに記載の変速機。
- 前記動的油面保持部材は、少なくとも一部が前記回転部材の外周面に対して周方向に沿う形状に形成されてなる請求項4に記載の変速機。
- 前記上部空間に飛散した前記潤滑油を前記貯留部に戻すことが可能な潤滑油戻し部を備えてなる請求項1乃至請求項5何れかに記載の変速機。
- 前記潤滑油戻し部は、前記動的油面保持部材を前記上部空間側から前記空間側まで貫通する貫通孔である請求項6に記載の変速機。
- 前記貫通孔は、前記浸漬部とは該回転部材の軸線方向にずれた位置に形成されてなる請求項7に記載の変速機。
- 前記動的油面保持部材は、前記上部空間側の面が樋状に形成されてなる請求項6乃至請求項8何れかに記載の変速機。
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