JP3750353B2 - 変速機の同期装置 - Google Patents

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    • F16H2063/324Gear shift yokes, e.g. shift forks characterised by slide shoes, or similar means to transfer shift force to sleeve

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は,自動車,建設機械及び作業用機械等に用いられる変速機の同期装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に,変速機における二つのギヤレシオ間の変速には,ギヤと一体になって回転するスプラインクラッチを有する低速側ギヤと,ギヤと一体になって回転するスプラインクラッチを有する高速側ギヤとの間に,出力軸と一体となって回転するクラッチハブを配置し,そのクラッチハブ上に設けられたスプラインと嵌合することによって摺動自在なスリーブが使用されている。実際の変速は,クラッチハブのスプラインと嵌合しているスリーブを摺動させ,スリーブを低速側ギヤ又は高速側ギヤのスプラインクラッチとスプライン嵌合させることで変速及び動力伝達を行っている。
【0003】
スリーブをクラッチハブに対して摺動させる方式として,各スリーブの周溝にシフトアームを嵌合し,シフトロッドを操作することによってシフトアームを支持又は作動させるものがある。それぞれのシフトアームとシフトロッドとは,ボルト,スプリングピン又は溶接等の適宜の固着手段によって固定されている。したがって,一対の低速と高速のギヤ間の変速に対して,シフトアームとシフトロッドとが各一つ使用されており,前進5段後進1段の変速機においては,3本のシフトロッド,前進6段後進1段の変速機においては4本のシフトロッドが用いられている。
【0004】
図1及び図2には,変速機の一例が示されている。図1及び図2は,この発明による変速機の同期装置の一例を示す図であるが,その前提となる部分の構造は従来の変速機の同期装置の構造と同じであるので,図1及び図2を参照して,変速機の同期装置の基本的な構造の概略を説明する。変速機1において,入力軸(図示せず)からの駆動力は,歯車を介して一旦,カウンタ軸2(図2)に伝達され,カウンタ軸2に固定された歯車33を常に回転している。カウンタ軸2と平行な出力軸3には,カウンタ軸2上の歯車33と常時噛み合う大径の歯車から小径の歯車まで(一部を図1において,歯車6,7のみを示す)が,それぞれ軸受(軸受8,9のみを示す)を介して回転自在に配設されている。出力軸3の中間部分が軸受5を介してアルミニウム合金製のケーシング4に回転自在に支持されている。歯車6は低速変速用の歯車であり,歯車7は高速変速用の歯車である。したがって,変速がニュートラルの状態では,出力軸3に支持された歯車6,7を含むすべての歯車は,出力軸3上を空転している。出力軸3と歯車6,7との間には,同期装置10が配設されている。図示しないシフトレバーの操作によって,同期装置10を作動することにより,歯車6,7のいずれか一方の歯車が出力軸3と連結される。なお,逆転用の歯車は,カウンタ軸の歯車と出力軸上の歯車との間にリバースアイドル歯車が介在されている。
【0005】
同期装置10は,出力軸3とスプライン嵌合して出力軸3と一体に回転するように設けられたクラッチハブ11と,クラッチハブ11の両側において歯車6,7と一体に設けられ且つドグ歯14が外周に形成されたドグ歯体13,13と,クラッチハブ11とドグ歯体13との間に配設されると共にクラッチハブ11とドグ歯体13の相対回転を同期させるブロックリング15,15,及び軸方向に摺動可能に設けられ且つクラッチハブ11の外周面に形成されたスプライン12と係合するスプライン歯18が内周面に形成された環状のスリーブ17を備えている。ブロックリング15とドグ歯体13との嵌合面は,円錐クラッチ面16となっており,ブロックリング15がドグ歯体13方向にシフトすることによりブロックリング15とドグ歯体13とがクラッチ係合する。スリーブ17の外周部には,後述するシフトアーム20が嵌合する周溝19が形成されている。ニュートラル状態では,図1に示すように,スリーブ17のスプライン歯18はクラッチハブ11のスプライン12に係合しているだけで,ブロックリング15の歯やドグ歯14とは噛み合っていない。ブロックリング15,15は出力軸3の軸方向に移動可能である。ドグ歯14,ブロックリング15及びスリーブ17は,同期装置におけるスプラインクラッチを構成している。出力軸3上において回転自在な他の対の変速用歯車と出力軸3との間にも,同様の同期装置が配設されている。なお,ドグ歯体13,13とは歯車6,7に一体的に設けられているので,歯車6,7は,ドグ歯付き歯車となっている。
【0006】
例えば前進5速後進1速の場合,第1速及び後進用,第2速及び第3速用,並びに第4速及び第5速用の合計3本のシフトロッドが,それぞれケーシング4に形成された嵌合穴において各シフトロッドの軸方向(シフト方向)に変位可能に支持されている。各シフトロッドには,それぞれ,変速用のシフトアームが取り付けられている。図1に示す例の場合,シフトロッド30がケーシング4に形成された嵌合孔31に軸方向摺動可能に嵌入されている。シフトアーム20は,シフトロッド30にボルト等の適宜の固着手段によって固定された本体部分21と,本体部分21からスリーブ17の外周に沿って延びるアーム部分22とから成る。シフトアーム20にはスリーブ17が対応しており,シフトアーム20のアーム部分22の先端に設けられた爪部23がスリーブ17の周溝19に係合している。シフトレバーを操作すると,シフトロッド30と共にシフトアーム20が軸方向に変位し,スリーブ17は,シフトアーム20によってクラッチハブ11とのスプライン嵌合部に沿ってシフトする。
【0007】
潤滑油溜まりからの潤滑油の汲上げの様子が図2に示されている。変速機1のケーシング4内には潤滑油が溜まっており,潤滑油溜まりの油面が32で示されている。カウンタ軸2に固定され且つ二点鎖線でピッチ円を示した歯車33の下方の一部が,潤滑油溜まりに浸された状態で回転する。歯車33が図で時計方向に回転することにより,潤滑油溜まり内の潤滑油Lが,矢印で示すように撥ね上げられる。撥ね上げられた潤滑油の一部は,歯車33と噛み合う歯車6又は7に隣接して配設され且つクラッチハブ11と共に回転するスリーブ17の周溝19に付着し,更に上方に運ばれる。
【0008】
この変速機1は,上記のように構成されており,次のように操作される。シフトレバー(変速操作レバー)による変速操作によってシフトアーム20を介してスリーブ17を左右のいずれかの軸方向にシフトさせると,スリーブ17のスプライン歯18の先端がブロックリング15と係合すると共に,ブロックリング15をドグ歯14の円錐クラッチ面16に対して押しつける。その結果,ブロックリング15とドグ歯14が形成されたドグ歯体13とは摩擦クラッチ係合し,ブロックリング15と歯車6又は7との回転は同期状態になる。スリーブ17を更に同方向に移動させると,スリーブ17のスプライン歯18がブロックリング15の歯と完全に噛み合う。スリーブ17とブロックリング15との同期作用が得られると,スリーブ17を更に同方向に移動させることで,スプライン歯18とドグ歯14との噛合いがスムーズに行える。スリーブ17のシフトが完了した時点で,歯車6又は7からドグ歯体13,スリーブ17,クラッチハブ11,及び出力軸3に至る動力伝達径路が形成される。
【0009】
図5は従来の変速機の同期装置におけるシフトアームの爪部とスリーブの周溝との嵌合部を示す断面図であり,図6は図5に示す同期装置のシフトアームの爪部とスリーブの周溝との嵌合部において,スリーブの周溝内に付着した潤滑油がシフトアームの爪部に到達する様子を示す説明図である。従来の変速機の同期装置では,シフトアームに符号40を付して説明する。シフトアーム40のアーム部分42の先端に設けられた爪部43がスリーブ17の周溝19に嵌合しており,シフトレバーを操作してシフトアーム40をシフトロッド30の軸方向にシフトすることにより,スリーブ17が軸方向に操作される。スリーブ17は,出力軸3に対して回転方向には一体であるので,出力軸3と共に高速回転する。一方,シフトアーム40はスリーブ17と共に回転しないので,出力軸3が回転しているときには,シフトアーム40の爪部43は常にスリーブ17の周溝19内を走行する。シフトアーム40のシフト方向の動きを遊びやガタツキなくスリーブ17に伝達するため,爪部43と周溝19との間にはシフト方向の隙間を可及的に少なくなるように設定されている。したがって,摺動部44には,常時,潤滑油を供給する必要がある。
【0010】
図2に基づいて説明したように,スリーブ17と共に回転する潤滑油は,スリーブ17がその回転によって爪部43に対して回り込むリーティング側となる一方の爪部43に衝突する。シフトアーム40とスリーブ17とは,互いに高速で摺動するにもかかわらず,摺動部44に対して潤滑油を供給し且つ供給された潤滑油を維持することが困難である。即ち,スリーブ17の周溝19とシフトアーム40の爪部43との摺動部44においては,既に述べたように,周溝19の側面である摺動面45と,シフトアーム40の爪部43の側面である摺動面46との間に形成される隙間は比較的小さい。図6に示すように,シフトアーム40の爪部43の先端部47の形状は潤滑油の流れに対して直角なため,潤滑油は,爪部43の先端部47に衝突した後,そのまま跳ね返り,摺動面45と摺動面46との間の狭い隙間44a,44bに充分な潤滑油を供給することができない。そのため,摺動面45,46は,潤滑油不足に陥って摩耗や焼付き等の発生が懸念される。また,跳ね返らずに供給される潤滑油も,摺動部44においては,爪部43と周溝19との間の大きい方の隙間(図6では右側の隙間44b)に片寄って供給されるおそれがある。
【0011】
シフトアーム(シフトフォーク)がスリーブの摺動溝内で円滑な作動を確保すると共にシフトアームと摺動溝との接触面における摩損の発生を防止するため,シフトアームの摺動構造として,実公昭57−418号公報に開示されたものがある。この公報に開示されたシフトアームの摺動構造によれば,スリーブの摺動溝に嵌合するシフトアームのシフト部に,このスリーブの回転方向に対向する角部に斜状又は円弧状等の面取り部と,この面取り部を基端とし且つ面取り部からシフト部の途中まで一条乃至複数状の油溝とが設けられている。スリーブの回転に伴って,摺動溝に付着している潤滑油が,シフト部で掻き落とされることなく面取り部から油溝に流入し,接触面を潤滑する。
【0012】
また,シフトアームとスリーブの摺動溝との接触面の潤滑として,実公昭62−2666号公報に開示されたものがある。この公報に開示されたシフトアームは,滴下した又は飛沫した潤滑油を集める収集部からシフトアームの摺動面に潤滑油を送油することができる。潤滑油を集める収集部は,シフトアームの摺動爪部よりも幅広の支持骨部の先端を若干延長した集油壁によって構成されている。収集部は,集油壁の両側に壁を設けてコ字状の集油溝,或いは,支持骨部の先端部にスリーブに面する側を開口した集油槽として形成することができる。集油槽には,摺動面に潤滑油を送油するための油孔を形成することもできる。
【0013】
また,シフトアームのスリーブとの摺動面の耐摩耗性を向上するものとして,特開昭57−79534号公報に開示されたものがある。この公報に開示されたシフトアームは,鋳鉄製のシフトアームの爪部にクロムメッキ皮膜を形成した後に,この皮膜表面をパフ研摩することによって表面粗さを5ミクロンRz以下にしたものである。高周波焼入れのように摺動面に熱歪を発生させることなく表面粗さを小さくすることができる。
【0014】
更に,シフトアームの爪部とスリーブの溝との摺動面に潤滑油を供給する構造が,実公昭63−2902号公報に開示されている。この公報に開示された構造によれば,潤滑油は,シフトアームの爪部の先端から穿設された給油路と,更にこの給油路に交差する貫通孔を通じて爪部の摺動面に供給されるが,給油路に入り込んだ潤滑油だけを貫通孔に導くのみであり,その他のシフトアームの爪部の先端部に到達した潤滑油は従来の構造のものと同様に,ただ跳ね返るのみであって摺動面に供給されることがない。また,貫通孔が潤滑油の流れに対して直角に延びているため,潤滑油の供給の偏りを是正する効果がない。更に,このような給油孔と貫通孔とを形成するには,機械加工の工数が増加して,製造コストが上昇するという問題点がある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
したがって,高速回転するスリーブの溝内を移動する潤滑油がシフトアームの爪部に衝突したときに,潤滑油がシフトアームの爪部によって単に跳ね返されるのではなく,潤滑油の衝突の勢いでシフトアームの爪部とスリーブの溝とが互いに摺動する摺動面に供給されるように案内することを可能とする変速機の同期装置を得る点で解決すべき課題がある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この発明の目的は,上記課題を解決することであり,潤滑油と衝突するシフトアームの爪部の形状に工夫を施して,シフトアームの爪部に衝突した潤滑油をシフトアームの爪部とスリーブの溝との互いに摺動する摺動面に導いて,摺動面を充分に潤滑して,シフトアームがスリーブに対して円滑な作動をすると共に,摩損を防止することができる変速機の同期装置を提供することである。
【0017】
前記目的を達成するため、この発明による変速機の同期装置は、回転軸に固定されたクラッチハブ、該クラッチハブに摺動自在に嵌合すると共に周溝が形成されたスリーブ、及び前記スリーブを前記クラッチハブに対して摺動させるため先端部に前記スリーブの前記周溝に係合する爪部を有するシフトアームを具備してなる変速機の同期装置において、前記シフトアームの前記爪部の先端部には、潤滑油を前記爪部と前記スリーブの前記周溝との摺動部に供給する先細ガイド面が形成されており、該先細ガイド面は、前記爪部の先端部の中央部において交差すると共に前記摺動部を形成する前記爪部の摺動面に傾斜して接続する一対の傾斜面によって構成されていることを特徴とする。
【0018】
この発明における変速機の同期装置は、上記のように構成されているので、次のように作動する。即ち、スリーブの周溝に係合するシフトアームの爪部の先端部には、潤滑油を爪部とスリーブの周溝との互いに摺動する摺動面に供給する先細ガイド面が形成されているので、先細ガイド面はスリーブの回転方向に対向する方向に突出する状態となり、爪部の先端部に衝突した潤滑油は、その勢いによって先細ガイド面に沿って流れて摺動部に供給される。また、シフトアームは、シフト操作レバーの操作によっていずれの横方向にもシフトされるが、潤滑油は衝突した傾斜面によって、爪部の両側の摺動部に均等に分配されるように供給される。
【0020】
この変速機の同期装置において,前記シフトアームは,前記爪部の前記先細ガイド面と前記スリーブの前記周溝との間に形成される空間の外側を覆って前記潤滑油を捕捉する捕捉部を有している。爪部の先端部に衝突する潤滑油は,スリーブによる遠心力のために外側に飛び散る傾向があるが,先細ガイド面の側方において周溝との間に形成される空間に進入した潤滑油は,シフトアームの捕捉部によって捕捉されて摺動部の潤滑に有効に供給されることになる。
【0021】
更に,この変速機の同期装置において,変速比が互いに異なる歯車の組合せを選択可能にするため前記回転軸には前記スリーブと噛合い可能な複数のドグ歯付き歯車が回転可能に設けられ,前記ドグ歯付き歯車にはブロックリングがクラッチ係合可能に配設されており,変速操作レバーの操作に応じて前記シフトアームが前記スリーブをシフトし,前記ブロックリングが前記ドグ歯付き歯車とクラッチ係合し,且つ前記スリーブが前記ドグ歯付き歯車に噛み合うことにより,前記回転軸と前記ドグ歯付き歯車との回転数が同期する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下,図面を参照して,この発明における変速機の同期装置の実施例について説明する。図1はこの発明における変速機の同期装置の一実施例の一部を示す断面図,図2はこの発明における変速機の同期装置の断面図,図3は図1に示す変速機の同期装置の一部を示す斜視図,図4は図1に示す変速機の同期装置のシフトアームの爪部の回りにおける潤滑油の流れを示す説明図である。
【0023】
図1及び図2に示す変速機1の同期装置10の基本的な構造は,既に従来の技術の欄で説明したとおりであるので,重複する説明を省略する。シフトアーム20は,その本体部分21とスリーブ17の外周に沿って延びるアーム部分22とから成り,アーム部分22の先端部内側に爪部23が形成されている。爪部23は,スリーブ17の周溝19内に摺動嵌合する。シフトアーム20の一対のアーム部分22,即ち,リーディング側となるアーム部分22(L)とトレーリング側となるアーム部分22(T)とは,部品としての汎用性を高めるために対称形に製作されているが,摺動部24への潤滑油の供給の観点で重要なアーム部分22は,図4の右側に示すスリーブ17が回り込む,即ち,リーディング側となるアーム部分22(L)である。
【0024】
爪部23の先端部は,先細ガイド面27に形成されている。即ち,爪部23の幅方向両側の摺動面26から先端に向かうに従って先細の傾斜面28,28が形成されている。アーム部分22が延びる方向とスリーブ17の回転方向とは,互いに対抗する方向である。傾斜面28,28は,最先端となる稜線29で交差している。シフトアーム20は,いずれのシフト方向にもシフトされるので,稜線29を爪部23の幅の中心に位置させて先細ガイド面27を対称形に形成するのが好ましい。
【0025】
爪図23を上記のように構成した同期装置10においては,図2に示したように,歯車33によって撥ね上げられた潤滑油Lは,その一部がスリーブ17の回転に連れられて運ばれ,シフトアーム20の爪部23の先端部において先細ガイド面27に衝突する。図4に示すように,先細ガイド面27に衝突した潤滑油Lは,矢印で示すように,傾斜面28,28の傾斜方向に沿って流れ,スリーブ17と爪部23との間に形成する隙間24a,24bに流入し,摺動部24を潤滑する。これによって,周溝19の摺動面25と爪部23の摺動面26とが潤滑され,焼付けや摩損が発生するのが防止される。スリーブ17の回転方向Tに対して直角な端面を有する従来のシフトアーム40の爪部43の場合のように,衝突の際に潤滑油の勢いが完全に止まって,潤滑すべき摺動面間に形成される隙間24a,24bに流れ込まなくなるというようなことがない。
【0026】
シフトアーム20は,アーム部分22の先端部において,爪部23の先細ガイド面27とスリーブ17の周溝19との間に形成される空間,即ち,傾斜面28,28によって生じた楔状の空間の外側を覆う捕捉部22aを有している。捕捉部22aは,先細ガイド面27に衝突した潤滑油Lを捕捉して,潤滑油Lがその遠心力によって外部へ飛び散るのを防止する働きをする。捕捉された潤滑油Lは,摺動面25,26間に形成される隙間24a,24bに順次供給されて摺動部24を潤滑する。
【0027】
傾斜面28,28には,それぞれが接続する摺動面26にまで延びる1本又は複数本の案内溝35を形成することができる。傾斜面28に従って流れる潤滑油Lは,案内溝35によって,摺動部24に向かって一層確実に案内する傾向を持つことになる。先細ガイド面27は,上記の実施例では平面としての傾斜面28から構成されているが,これに限らず,先細で且つ潤滑油の供給においてガイド作用を有するのであれば,曲面に形成してもよいことは明らかである。また,図1〜図4に示した変速機1の同期装置10においては,シフトアーム20の先細ガイド面27が,スリーブ17の周溝19の底面に対して直角に形成されているが,シフトアーム20の爪部23の先端部に形成する先細ガイド面は,稜線29がスリーブ17の周溝19の底部に近い部分ほどシフトアーム20の本体部分21に近づくように,傾斜面28,28を周溝19の底面に対して傾斜した状態に形成することもできる。先細ガイド面27をこのように形成すると,スリーブ17の回転に伴って運ばれて先細ガイド面に衝突した潤滑油には,爪部23の幅方向両側に寄せる力と共に,周溝19の底部の方向に作用する力が生じる。潤滑油に働く遠心力をこの周溝19の底部の方向に作用する力で相殺させることができ,摺動面25,26のうち周溝19の底部に近い領域にも充分な潤滑油Lを送り込むことができる。また,両方のアーム部分22の爪部23に先細ガイド面27を形成しているので,変速機1の組立において,先細ガイド面27の案内作用によって,シフトアーム20の爪部23をスリーブ17の周溝19に嵌合させることが容易になる。
【0028】
【発明の効果】
この発明による変速機の同期装置は,上記のようにシフトアームの爪部の先端部に,潤滑油を爪部とスリーブの周溝との摺動部に供給する先細ガイド面を形成したものであるので,高速回転するスリーブの溝内を運ばれる潤滑油がシフトアームの爪部に衝突したときに,潤滑油は衝突の勢いで先細ガイド面に案内されて摺動部に供給され,摺動面を充分に潤滑する。したがって,シフトアームはスリーブに対して円滑に摺動すると共に,シフトアームの操作時にもスリーブを滑らかにシフト方向に移動させることができる。その結果,スリーブの周溝の摺動面及びシフトアームの爪部の摺動面の潤滑油切れに起因する焼付けや摩損を防止することができ,変速機の同期装置の耐久性を向上し,且つ長寿命化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明における変速機の同期装置の一実施例を示す断面図である。
【図2】この発明における変速機の同期装置の潤滑油の供給についての説明図である。
【図3】図1に示す変速機の同期装置の一部を拡大して示す斜視図である。
【図4】図1に示す変速機の同期装置のシフトアームの爪部による潤滑油の流れを示す説明図である。
【図5】従来の変速機の同期装置のシフトアームとスリーブとの嵌合部における断面図である。
【図6】図5に示す変速機の同期装置のシフトアームの爪部による潤滑油の流れを示す説明図である。
【符号の説明】
1 変速機
3 出力軸
4 ケーシング
6,7 ドグ歯付き歯車
10 同期装置
11 クラッチハブ
13 ドグ歯体
14 ドグ歯
15 ブロックリング
16 円錐クラッチ
17 スリーブ
19 周溝
20 シフトアーム
21 本体部分
22 アーム部分
22a 捕捉部
23 爪部
24 摺動部
25,26 摺動面
27 先細ガイド面
28 傾斜面
29 稜線
30 シフトロッド

Claims (3)

  1. 回転軸に固定されたクラッチハブ、該クラッチハブに摺動自在に嵌合すると共に周溝が形成されたスリーブ、及び前記スリーブを前記クラッチハブに対して摺動させるため先端部に前記スリーブの前記周溝に係合する爪部を有するシフトアームを具備してなる変速機の同期装置において
    前記シフトアームの前記爪部の先端部には、潤滑油を前記爪部と前記スリーブの前記周溝との摺動部に供給する先細ガイド面が形成されており、該先細ガイド面は、前記爪部の先端部の中央部において交差すると共に、前記摺動部を形成する前記爪部の摺動面に傾斜して接続する一対の傾斜面によって構成されていることを特徴とする変速機の同期装置。
  2. 前記シフトアームは、前記爪部の前記先細ガイド面と前記スリーブの前記周溝との間に形成される空間の外側を覆って前記潤滑油を捕捉する捕捉部を有していることを特徴とする請求項1に記載の変速機の同期装置。
  3. 変速比が互いに異なる歯車の組合せを選択可能にするため前記回転軸には前記スリーブと噛合い可能な複数のドグ歯付き歯車が回転可能に設けられ、前記ドグ歯付き歯車にはブロックリングがクラッチ係合可能に配設されており、変速操作レバーの操作に応じて前記シフトアームが前記スリーブをシフトし、前記ブロックリングが前記ドグ歯付き歯車とクラッチ係合し、且つ前記スリーブが前記ドグ歯付き歯車に噛み合うことにより、前記回転軸と前記ドグ歯付き歯車との回転数が同期するようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の変速機の同期装置。
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