JP2017215018A - 変速機 - Google Patents

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Kazuhiko Sato
和彦 佐藤
博仁 櫻井
Hirohito Sakurai
博仁 櫻井
義秀 松下
Yoshihide Matsushita
義秀 松下
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【課題】安定した潤滑性能と撹拌抵抗の低減との両立を容易に実現できる技術を提供すること。【解決手段】変速機1の後方に配置されたシンクロ機構S2によって掻き上げられる潤滑油が導入されて駆動ギヤGおよびカウンタドリブンギヤCG’の歯面に供給可能なオイルガータ20を設ける。また、駆動ギヤGおよびカウンタドリブンギヤCG’と、これらと噛合う被駆動ギヤG’およびカウンタドライブギヤCGと、の噛合い部から飛散する潤滑油を受ける油路94をケース本体82に一体形成する。そして、油路94を介してシンクロ機構S2に潤滑油を還流する構成とする。これにより、シンクロ機構S2が安定して潤滑油を掻き上げることができ、安定した潤滑性能を確保し得る。なお、シンクロ機構S2が潤滑油を掻き上げることができる程度の油量を確保するのみで良いため、潤滑油を掻き上げる際に生じる撹拌抵抗の低減も図ることができる。【選択図】図5

Description

本発明は、潤滑油の掻き上げにより各部の潤滑を行う変速機に関する。
特開2003−269586号公報(特許文献1)には、トランスミッションケースと、当該トランスミッションケース内において互いに平行となるように鉛直方向に並置された一対のシャフトと、当該一対のシャフト上に互いに噛み合うように配置された複数の歯車と、一対のシャフトのうち鉛直下方側に配置されたシャフトおよび当該シャフト上に配置された複数の歯車を含む内側領域と当該シャフトおよび当該シャフト上に配置された複数の歯車を含まない外側領域とにトランスミッションケース内を仕切るオイルセパレータと、を備える変速機が記載されている。
当該変速機では、複数の歯車が掻き上げた潤滑油の一部を外側領域に保持させることによって、内側領域の潤滑油量を低減させて、歯車による潤滑油掻き上げの際に生じる撹拌抵抗の低減を図っている。なお、外側領域で保持された潤滑油はオイルセパレータに設けた開口を介して内側領域へ戻される。
特開2003−269586号公報
しかしながら、上述した公報に記載の変速機では、安定した潤滑性能を確保するためには開口の開口面積を大きく設定する必要がある一方、撹拌抵抗の低減を図るためには当該開口の開口面積を小さく設定する必要があるという相反する特性を両立させる必要があり、実際に安定した潤滑性と撹拌抵抗の低減との両立を図ることには困難を伴う。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、安定した潤滑性能と撹拌抵抗の低減との両立を容易に実現できる技術を提供することを目的とする。
本発明の変速機は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明に係る変速機の好ましい形態によれば、変速機ケースと、入力軸と、カウンタ軸と、出力軸と、第1歯車と、第2歯車と、回転部材と、潤滑油供給部材と、潤滑油戻し部材と、を備える変速機が構成される。変速機ケースは、潤滑油を貯留可能に構成されている。入力軸は、変速機ケースに回転可能に支持されると共に動力源からの動力が入力されるように構成されている。カウンタ軸は、入力軸に平行配置されると共に変速機ケースに回転可能に支持されている。出力軸は、入力軸と同軸線上に配置されると共に変速機ケースに回転可能に支持されている。第1歯車は、入力軸上であって動力源寄りの位置に配置されている。第2歯車は、カウンタ軸上に配置されると共に第1歯車と噛合うように構成されている。回転部材は、カウンタ軸上であって第2歯車に関して動力源が配置された側とは反対側において第2歯車から離れた位置に配置されると共に、変速機ケースに溜められた潤滑油に少なくとも一部が浸漬するように構成されている。潤滑油供給部材は、回転部材によって掻き上げられた潤滑油の少なくとも一部が導入され、当該導入された潤滑油を第2歯車に供給するように構成されている。そして、潤滑油戻し部材は、第1歯車と第2歯車との噛合い部から当該第1および第2歯車の回転方向に向かって飛散される潤滑油の少なくとも一部を捕集し、当該捕集した潤滑油を回転部材が配置された位置まで誘導して、当該回転部材に向けて排出するように構成されている。
ここで、本発明における「潤滑油を第2歯車に供給する」態様としては、典型的には、第2歯車の歯面に向けて潤滑油を供給する態様がこれに該当し、より具体的には、変速機ケースの底面に対向する第2歯車の歯面に向けて潤滑油を供給する態様の他、第1および第2歯車の噛み合い部近傍における第2歯車の歯面に向けて潤滑油を供給する態様などが考えられる。
本発明によれば、回転部材で掻き上げられて、潤滑油供給部材によって第2歯車に供給された潤滑油の少なくとも一部が潤滑油戻し部材によって回転部材に戻される構成、即ち、潤滑油を強制的に循環させる構成であるため、回転部材が安定して潤滑油を掻き上げることができ、安定した潤滑性能を確保し得る。なお、変速機ケースに貯留する潤滑油としては、回転部材の少なくとも一部が潤滑油に浸漬する程度の油量を確保するのみで良いため、潤滑油を掻き上げる際に生じる撹拌抵抗の低減も図ることができる。
本発明に係る変速機の更なる形態によれば、潤滑油供給部材は、回転部材が潤滑油を掻き上げる方向を向く開口を有する導入部と、当該導入部に接続されカウンタ軸の軸線方向に延在するように構成された流路部と、当該流路部に接続され当該流路部を流れる潤滑油を第2歯車に供給する供給部と、を有している。そして、導入部は、開口から流入される潤滑油の流れ方向を流路部の延在方向に変更する方向変更部を有しており、当該方向変更部において概ね密閉された形状に構成されている。また、流路部は、概ね密閉された筒状に構成されている。
本形態によれば、開口から取り込んだ潤滑油のほとんどを溢れさせることなく流路部を介して供給部まで流すことができるため、回転部材の掻き上げによる勢い(流速)を有効に利用した強制的な潤滑油流通を実現することができる。これにより、潤滑油供給部材の下流まで効果的に潤滑油を流通させることができ、潤滑性能の向上を図ることができる。
本発明に係る変速機の更なる形態によれば、潤滑油戻し部材は、変速機ケースの内壁面に設けられた油路を有している。そして、当該油路は、カウンタ軸の軸線方向に延在するように構成されていると共に、第1歯車と第2歯車との噛合い部から第1および第2歯車の回転方向に向かって飛散された潤滑油を直接捕集可能に構成されている。
本形態によれば、潤滑に供された後の潤滑油を直接捕集する構成であるため、潤滑油を油路に導入するための専用の部材が不要であるため、部品点数増加を抑制できると共に構造を簡易にすることができる。
本発明に係る変速機の更なる形態によれば、油路は、噛合い部から第1および第2歯車の回転方向に向かって飛散され変速機の内壁面に衝突した後、当該内壁面を伝って流下する潤滑油を捕集可能に構成されている。
本形態によれば、変速機ケースの内壁面に衝突して当該内壁面を伝う潤滑油も捕集することができるため、効率よく潤滑油を捕集することができる。これにより、より多くの潤滑油を回転部材に戻すことができる。
本発明に係る変速機の更なる形態によれば、油路は、変速機ケースに一体形成されている。
本形態によれば、油路を形成するための専用部材が必要ないため、部品点数の増加を抑制できる。また、専用部材を変速機ケースに取付ける場合には、当該専用部材と変速機ケースとの間に隙間が生じるが、油路を変速機ケースに一体形成することによって、当該隙間が生じることがなくなるため、当該隙間発生による潤滑油の捕集効率の低下を防止することができる。
本発明に係る変速機の更なる形態によれば、油路は、当該油路を流れる潤滑油の流れ方向上流側に配置された第1油路と、当該第1油路よりも潤滑油の流れ方向下流側に配置された第2油路と、を有している。第1油路は、第1歯車と第2歯車との噛合い部と略同じ高さ位置に配置されている。また、第2油路は、第1油路よりも高さ方向において低い位置に配置されている。そして、油路を流れる潤滑油は、第2油路から回転部材に向けて排出されるように構成されている。
本形態によれば、第1歯車と第2歯車との噛合い部から飛散された潤滑油を第1油路によって効果的に捕集することができると共に、比較的低い位置において潤滑油を回転部材に向けて排出する構成であるため、高い位置(第1歯車と第2歯車との噛合い部の高さ位置)から潤滑油を回転部材に向けて排出する場合に比べて、回転部材によって掻き上げられる潤滑油の流れの乱れを抑制することができる。これにより、潤滑油の掻き上げ効率の低下を抑制することができる。
本発明に係る変速機の更なる形態によれば、潤滑油戻し部材は、回転部材の外周面に向けて潤滑油を排出するように構成された第1排出路と、カウンタ軸の軸線方向から回転部材に向けて潤滑油を排出する第2排出路と、を有している。
本形態によれば、潤滑油戻し部材を介して多量の潤滑油が回転部材に排出される場合に、一つの排出路のみ有する構成に比べて潤滑油の排出性を向上することができる。
本発明に係る変速機の更なる形態によれば、回転部材および/または第2歯車によって掻き上げられた潤滑油の少なくとも一部、および/または、噛合い部から飛散した潤滑油の少なくとも一部を一時的に貯留可能な潤滑油貯留部をさらに備えている。そして、当該潤滑油貯留部は、変速機ケースに貯留された潤滑油に油面を傾斜させる外力が作用した際に、潤滑油貯留部に貯留された潤滑油の少なくとも一部が排出されるように構成されている。
本形態によれば、変速機ケースに貯留された潤滑油に油面を傾斜させる外力が作用していない場合には、潤滑油貯留部に潤滑油を貯留しておくことができる構成であるため、回転部材が潤滑油を掻き上げる際に生じる撹拌抵抗の増大を招くことがない。一方、変速機ケースに貯留された潤滑油の油面が傾斜するような場合には、潤滑油貯留部から潤滑油が排出される構成であるため、回転部材が掻き上げる潤滑油量の低減を図ることができる。これにより、回転部材は安定して潤滑油を掻き上げることができるため、安定した潤滑性能を確保できる。
本発明に係る変速機の更なる形態によれば、潤滑油貯留部は、潤滑油供給部材と、変速機ケースと、によって構成されている。
本形態によれば、潤滑油貯留部を構成するための専用部材が必要ないため、部品点数の増加を抑制できる。
本発明によれば、安定した潤滑性能と撹拌抵抗の低減との両立を容易に実現できる技術を提供することができる。
本発明の実施の形態に係るオイルガータ20を備える変速機1の構成の概略を示す概略構成図である。 オイルガータ20の外観を示す斜視図である。 オイルガータ20を上方から見た平面図である。 オイルガータ20を図2の矢印V方向から見た側面図である。 図1のW−W断面を示す断面図である。 潤滑油の流れの経路の構成の概略を示す斜視図である。 図5のA−A断面の要部を拡大して示す要部拡大断面図である。 ケース本体82の構成の概略を一部断面にして示す概略構成図である。 図5のB−B断面の要部を拡大して示す要部拡大断面図である。 図5のD−D断面の要部を拡大して示す要部拡大断面図である。 エクステンションケース84の構成の概略を示す斜視図である。 アダプタープレート86の外観を示す斜視図である。 アダプタープレート86を図12のX方向から見た正面図である。 潤滑油の流れを図5のE−E断面に対応する方向から見た説明図である。 潤滑油の流れを図5のF−F断面に対応する方向から見た説明図である。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
本実施の形態に係る変速機1は、図1に示すように、入力軸2と、入力軸2に平行配置されたカウンタ軸4と、入力軸2と同軸線上に配置された出力軸6と、入力軸2とカウンタ軸4とを接続するカウンタギヤ機構CGMと、入力軸2またはカウンタ軸4と出力軸6とを接続する変速機構TMと、オイルガータ20と、これらを収容する変速機ケース80と、を備えている。変速機1は、エンジンが縦置き(車両の前後方向)に配置される所謂フロントエンジン・リアドライブ(FR)式の車両に搭載されるFR車用の手動変速機として構成されている。なお、本実施の形態では、説明の便宜上、変速機1の長手方向における入力軸2が配置される側(図1および図5における下側)を「前側」ないし「前方」として規定し、出力軸6が配置される側(図1および図5における上側)を「後側」ないし「後方」として規定する。ここで、「前側」ないし「前方」は、変速機1が車載された際に車両の「前側」ないし「前方」に対応し、「後側」ないし「後方」は、変速機1が車載された際に車両の「後側」ないし「後方」に対応する。
入力軸2は、図示しないクラッチを介してエンジン(図示せず)の動力が入力されるシャフトであり、図1に示すように、ベアリング(図示せず)を介して変速機ケース80、具体的には、変速機ケース80のうち後述するケース本体82に回転可能に支持されている。入力軸2の後端部分(出力軸6側の部分)には、図1に示すように、カウンタドライブギヤCGが一体形成されている。
カウンタ軸4は、図1に示すように、前端部、中間部、後端部がそれぞれベアリング(図示せず)を介して変速機ケース80に回転可能に支持されている。具体的には、カウンタ軸4の前端部がケース本体82に回転可能に支持され、カウンタ軸4の中間部が変速機ケース80のうち後述するアダプタープレート86に回転可能に支持され、カウンタ軸4の後端部が変速機ケース80のうち後述するエクステンションケース84に回転可能に支持されている。また、カウンタ軸4の前端部であってケース本体82に支持された部分よりも後方部分には、カウンタドライブギヤCGと噛み合うカウンタドリブンギヤCG’が一体形成されている。カウンタドリブンギヤCG’とカウンタドライブギヤCGとによって、カウンタギヤ機構CGMが構成される。
出力軸6は、動力を出力するためのシャフトであり、図1に示すように、前端部が入力軸2の内部に挿入され、ベアリング(図示せず)を介して入力軸2に回転可能に支持されると共に、アダプタープレート86にベアリング(図示せず)を介して回転可能に支持されている。また、出力軸6の後端部は、図示しないプロペラシャフトのスリーブヨークを介してエクステンションケース84に支持される。即ち、出力軸6は、前端部で入力軸2に支持され、中間部および後端部の2箇所で変速機ケース80に支持されている。
変速機構TMは、図1に示すように、カウンタ軸4に設けられた複数の駆動ギヤG(G1〜G4およびG6)と、当該駆動ギヤGと噛み合うと共に出力軸6に設けられた複数の被駆動ギヤG’(G1’〜 G4’およびG6’)と、駆動ギヤGまたは被駆動ギヤG’のうち、カウンタ軸4または出力軸6と相対回転可能に設けられたギヤ(遊転ギヤ)をカウンタ軸4または出力軸6に選択的に固定する複数のシンクロ機構S1〜S4と、から構成されている。
駆動ギヤGは、図1に示すように、カウンタ軸4上において前側(図1の下側)から、6速駆動ギヤG6、2速駆動ギヤG2、1速駆動ギヤG1、3速駆動ギヤG3、4速駆動ギヤG4およびリバース駆動ギヤGrevの順に配置されており、6速駆動ギヤG6、2速駆動ギヤG2、1速駆動ギヤG1およびリバース駆動ギヤGrevがカウンタ軸4に一体形成あるいはスプライン嵌合により固定された固定ギヤであり、3速駆動ギヤG3および4速駆動ギヤG4がカウンタ軸4に対して相対回転可能に配置された遊転ギヤである。
被駆動ギヤG’は、出力軸6上において前(図1の下側)から、6速被駆動ギヤG6’、2速被駆動ギヤG2’、1速被駆動ギヤG1’、3速被駆動ギヤG3’、4速被駆動ギヤG4’およびリバース被駆動ギヤGrev’の順に配置されており、6速被駆動ギヤG6’、2速被駆動ギヤG2’、1速被駆動ギヤG1’ およびリバース被駆動ギヤGrev’が出力軸6に対して相対回転可能に配置された遊転ギヤであり、3速被駆動ギヤG3’および4速被駆動ギヤG4’が出力軸6にスプライン嵌合により固定された固定ギヤである。なお、リバース駆動ギヤGrevは、リバースアイドラギヤGirevを介してリバース被駆動ギヤGrev’と噛み合っている。駆動ギヤGおよび被駆動ギヤG’は、本発明における「歯車対」に対応する実施構成の一例である。
シンクロ機構S1は、出力軸6上の2速被駆動ギヤG2’と1速被駆動ギヤG1’との間に配置されており、シンクロ機構S2は、カウンタ軸4上の3速駆動ギヤG3と4速駆動ギヤG4との間に配置されており、シンクロ機構S3は、出力軸6上の6速被駆動ギヤG6’の前側(図1における下側)、即ち、カウンタドライブギヤCGと6速被駆動ギヤG6’との間に配置されており、シンクロ機構S4は、出力軸6上のリバース被駆動ギヤGrev’の後側(図1における上側)に配置されている。
シンクロ機構S1によって1速被駆動ギヤG1’あるいは2速被駆動ギヤG2’が出力軸6上に固定される。これにより、入力軸2からカウンタ軸4に伝達された動力が1速あるいは2速に相当するトルクに変換されて出力軸6に伝達される。同様に、シンクロ機構S2によって3速駆動ギヤG3あるいは4速駆動ギヤG4がカウンタ軸4に固定されることにより、エンジンからの動力が3速あるいは4速に相当するトルクに変換されて出力軸6に伝達され、シンクロ機構S3によって6速被駆動ギヤG6’が出力軸6に固定されることにより、エンジンからの動力が6速に相当するトルクに変換されて出力軸6に伝達される。また、シンクロ機構S4によってリバース被駆動ギヤGrev’が出力軸6上に固定されることにより、カウンタ軸4の回転が反転されて出力軸6に伝達される。なお、シンクロ機構S3は、カウンタドライブギヤCGを出力軸6に固定、即ち、入力軸2と出力軸6とを直結することが可能であり、これにより、エンジンからの動力がそのまま出力軸6に伝達される(5速に相当)。
オイルガータ20は、図2および図3に示すように、長尺状に構成された本体部22と、当該本体部22の長手方向両端部に一体に設けられた取付けプレート24a,24bと、本体部22の長手方向の端部のうち取付けプレート24bが設けられた側に一体に設けられたバッフルプレート26と、を有しており、図3に示すように上方から見たときに略逆L字状に構成されている。
本体部22は、図2および図3に示すように、本体部22の長手方向全域に亘って延在する第1流路構成部32と、当該第1流路構成部32よりも長手方向の長さが短い第2および第3流路構成部34,36と、から構成されている。
第1流路構成部32は、図2ないし図4に示すように、潤滑油を導入するための導入部42(図2および図4のみに記載)と、導入された潤滑油が流れる流路部44と、流路部44を流れる潤滑油をバッフルプレート26まで誘導する誘導部46と、第1流路構成部32の延在方向に対してほぼ直交する方向(図3の下方向)に突出するように設けられた第1および第2供給部47a,47bと、第1流路構成部32の上部に設けられた壁部48と、から構成されている。
導入部42には、図7および図14に示すように、鉛直方向を向く開口42aが形成されている。また、導入部42には、図4に示すように、開口42aから導入された潤滑油の流れ方向を流路部44の延在方向に変更するための方向変更部42bが設けられている。導入部42は、開口42aおよび流路部44との連通部を除く部分において密閉された形状に構成されている。
流路部44は、図2および図15に示すように、延在方向全域に亘って密閉された筒状に構成されている。誘導部46は、図2および図3に示すように、流路部44に連続して設けられており、上方が開口された樋状流路として構成されている。なお、誘導部46は、図4に示すように、バッフルプレート26に向かって下り傾斜となるように構成されている。また、誘導部46の底面には、図3に示すように、第1供給部47aまで貫通する貫通孔46aが形成されている。貫通孔46aは、誘導部46の底面のうち第1供給部47aが突出する方向の壁寄りに設けられている。
第1および第2供給部47a,47bは、図5に示すように、オイルガータ20が変速機ケース80に取り付けられた際に、それぞれ6速駆動ギヤG6および2速駆動ギヤG2と対向するような長手方向(図5の上下方向)の位置に配置されており、6速駆動ギヤG6および2速駆動ギヤG2に潤滑油を供給するように構成されている。また、第1および第2供給部47a,47bは、図15に示すように、カウンタ軸4の軸中心CR4の高さ方向(図15の上下方向)の位置よりも上方となる高さ位置に配置されている(図15には、第2供給部47bが記載されている)。これにより、第1および第2供給部47a,47bから6速駆動ギヤG6や2速駆動ギヤG2に供給される潤滑油が、6速駆動ギヤG6と6速被駆動ギヤG6’との噛合い部や2速駆動ギヤG2と2速被駆動ギヤG2’との噛合い部に向かい易くなっている。
壁部48は、図3に示すように、流路部44の延在方向に直交する方向(図3の上下方向)のほぼ中央を通るように、第1流路構成部32の延在方向全域に亘って延在している。壁部48のうち取付けプレート24a寄りの部分(導入部42の上方部分)は、図2に示すように、第2および第3流路構成部34,36の一部を構成している。
第2流路構成部34は、第1流路構成部32のうち導入部42の上部に対応する位置に設けられており、上方が開口した樋状流路として構成されている。ここで、第1流路構成部32のうち導入部42の上壁が第2流路構成部34の底壁を兼ねている。第2流路構成部34の下流端部には、図2および図3に示すように、第1および第2供給路47a,47bと同じ方向に突出する第3供給部47cが設けられている。
第3供給部47cは、図5に示すように、オイルガータ20が変速機ケース80に取り付けられた際に、1速駆動ギヤG1と対向するような長手方向(図5の上下方向)の位置に配置されており、1速駆動ギヤG1に潤滑油を供給するように構成されている。また、第3供給部47cは、第1および第2供給部47a,47b同様、カウンタ軸4の軸中心CR4の高さ方向の位置よりも上方となる高さ位置に配置されている。これにより、第3供給部47cから1速駆動ギヤG1に供給される潤滑油が、1速駆動ギヤG1と1速被駆動ギヤG1’との噛合い部に向かい易くなっている。
第3流路構成部36は、第1流路構成部32のうち導入部42の上部に対応する位置に設けられており、上方が開口した樋状流路として構成されている。第3流路構成部36は、詳細は省略するがリバース駆動ギヤGrev、リバース被駆動ギヤGrev’およびリバースアイドラギヤGirevの噛合い部に潤滑油を供給可能なように構成されている。
バッフルプレート26は、図2に示すように、第1,第2および第3供給部47a,47b,47cの突出方向と同じ方向に延出する円弧状のプレート部26aと、当該プレート部26aの延出方向に沿う一対の端縁のうち第1供給部47aに近い方の端縁に垂設された垂壁部26bと、を有しており、カウンタドライブギヤCGの下部を収容可能な収容領域を構成している。
なお、プレート部26aの曲率半径は、カウンタドライブギヤCGの外周面の曲率半径よりも若干大きくなるように構成されている。また、垂壁部26bには切欠きが形成されており、当該切欠きを介して第1流路構成部32の誘導部46が接続される。
こうして構成されたオイルガータ20は、図5に示すように、取付けプレート24aが変速機ケース80の後方側で、取付けプレート24bが変速機ケース80の前方側となるように変速機ケース80に取り付けられる。即ち、オイルガータ20は、取付けプレート24aが変速機ケース80のうち後述するアダプタープレート86に取り付けられると共に、取付けプレート24bが変速機ケース80のうち後述するケース本体82の仕切壁82c側に取り付けられる。
これにより、第1流路構成部32の導入部42、第1供給部47a、第2供給部47b、第3供給部47cおよびバッフルプレート26がそれぞれ、図5に示すように、シンクロ機構S2、1速駆動ギヤG1、2速駆動ギヤG2、6速駆動ギヤG6およびカウンタドリブンギヤCG’に対応した位置に配置される。なお、オイルガータ20が変速機ケース80に取り付けられた状態において、取付けプレート24a,24bと、変速機ケース80(より具体的には、後述するケース本体82)の内壁面と、の間には、図9および図10に示すように、隙間C1,C2が設けられている。
また、図5、図6、図14および図15に示すように、オイルガータ20を変速機ケース80に取り付けた状態において、オイルガータ20とケース本体82(筒状部82a)の内壁面との間には、潤滑油を一時的に貯留可能な一時貯留空間RAが構成される。
変速機ケース80は、図1に示すように、ケース本体82と、エクステンションケース84と、ケース本体82およびエクステンションケース84との間に挟持されるアダプタープレート86と、を備えている。ケース本体82と、エクステンションケース84と、アダプタープレート86と、によって変速機構TMやオイルガータ20を収容する収容室が構成される。収容室の下部は、潤滑油を溜めることができるように構成されている。
ケース本体82は、図1に示すように、収容室を構成する筒状部82aと、図示しないクラッチを収容するクラッチハウジング部82b、とから構成されている。筒状部82aとクラッチハウジング部82bとは、仕切壁82cによって仕切られている。筒状部82aの仕切壁82cが設けられた側(前方側)とは反対側(後方側)の端部には、図8に示すように、アダプタープレート86(図5参照)が締結される締結面部83が設けられている。
また、筒状部82aの内壁面には、図8に示すように、段差部92および油路94が一体に形成されている。段差部92は、筒状部82aを締結面部83側から見たときに左側に設けられており、油路94は、筒状部82aを締結面部83側から見たときに右側に設けられている。
段差部92は、図8に示すように、仕切壁82cから締結面部83近傍まで延在するように構成されていると共に、図14および図15に示すように、カウンタ軸4の軸中心CR4の高さ位置よりも低い位置に形成されている。なお、当該段差部92にはオイルガータ20が載置され、これにより、段差部92は一時貯留空間RAの一部を構成する。
油路94は、図8に示すように、仕切壁82c寄りに設けられた第1油路94aと、締結面部83寄りに設けられた第2油路94bと、を有しており、仕切壁82cから締結面部83まで延在するように構成されている。
第1油路94aは、仕切壁82cから1速駆動ギヤG1と3速駆動ギヤG3との間に相当する位置まで延在しており(図5参照)、図15に示すように、カウンタ軸4の軸中心CR4の高さ位置よりも高い位置であって、カウンタドライブギヤCGとカウンタドリブンギヤCG’との噛合い部や6速駆動ギヤG6と6速被駆動ギヤG6’との噛合い部、2速駆動ギヤG2と2速被駆動ギヤG2’との噛合い部、1速駆動ギヤG1と1速被駆動ギヤG1’との噛合い部の高さ位置よりも低い位置となるように設定されている。
一方、第2油路94bは、1速駆動ギヤG1と3速駆動ギヤG3との間に相当する位置から締結面部83まで延在しており(図5参照)、図14に示すように、カウンタ軸4の軸中心CR4の高さ位置よりも低い位置となるように設定されている。
即ち、第1油路94aと第2油路94bとは、図8に示すように、1速駆動ギヤG1と3速駆動ギヤG3との間に相当する位置(図5参照)において段差状に接続されている。
エクステンションケース84は、図11に示すように、アダプタープレート86が締結される締結面部84aと、図示しないベアリングを介してカウンタ軸4(図1参照)の後端部を支持するように構成されたカウンタ軸支持部84bと、図示しないプロペラシャフトのスリーブヨークを介して出力軸6(図1参照)の後端部を支持するように構成された出力軸支持部84cと、カウンタ軸支持部84bよりも下方(図11における下側)の部分の空間の一部を埋めるように設けられた肉盛部84dと、を有している。
肉盛部84dの端面(カウンタ軸支持部84bや出力軸支持部84cの延在方向と直交する面)は、図11に示すように、締結面部84aの締結面84a’とほぼ面一か若干低い位置となるように構成されている。また、肉盛部84dの最下部(図11の下側)には、凹部84d’が形成されている。凹部84d’は、エクステンションケース84がアダプタープレート86を介してケース本体82に締結された際に、ケース本体82の第2油路94bに対向する位置に一端を有し、カウンタ軸支持部84bの中心から肉盛部84dに引いた仮想鉛直線上に他端を有する横長形状(図11における左右に長い形状)に形成されている。
アダプタープレート86は、図12および図13に示すように、プレート部材として構成されており、図示しないベアリングを介してカウンタ軸4および出力軸6(図1参照)を支持するように構成された支持孔86a,86bが形成されている。支持孔86a,86bは、上下(図12および図13の上下方向)に並列して配置されている。
また、アダプタープレート86のうちケース本体82の筒状部82aの締結面部83に締結される締結面87側には、支持孔86bよりも下方(図12および図13における下側)の部分から支持孔86bの外周に沿って延在する空間の一部を埋めるように設けられた肉盛部86cが設けられている。
肉盛部86cの端面(支持孔86a,86bの中心線の延在方向と直交する面)は、図12に示すように、締結面87とほぼ面一か若干低い位置となるように構成されている。また、肉盛部86cの最下部(図12の下側)には、アダプタープレート86を貫通する貫通開口部86c’が形成されている。当該貫通開口部86c’は、アダプタープレート86にエクステンションケース84が締結された際に、エクステンションケース84の肉盛部84d(図11参照)に形成された凹部84d’ (図11参照)の右側(図11の右側)端部と連通(整合)する位置に形成されている。
また、肉盛部86cの長手方向左側(図12および図13の左側)の端面860cとアダプタープレート86の内壁面との間には、図12および図13に示すように、正面視(図13の紙面方向から見て)略V字状の溝88が形成されている。当該溝88は、アダプタープレート86がケース本体82に締結された際に、ケース本体82に形成された第2油路94bと連通する(整合する)ように、かつ、アダプタープレート86にエクステンションケース84が締結された際に、エクステンションケース84の肉盛部84d(図11参照)に形成された凹部84d’ (図11参照)の左側(図11の左側)端部と連通(整合)するように構成されている(図13参照)。
次に、こうして構成された変速機1の動作に伴って回転するシンクロ機構S2によって掻き上げられる潤滑油の流れについて説明する。変速機1が作動されて入力軸2の回転がカウンタギヤ機構CGMを介してカウンタ軸4に伝達されると、図14に示すように、1速駆動ギヤG1、2速駆動ギヤG2、6速駆動ギヤG6およびシンクロ機構S2がカウンタ軸4と一体に前方(図5の上方から見て)から見て反時計回りに回転される。3速駆動ギヤG3や4速駆動ギヤG4は、シンクロ機構S1,S2,S3のいずれかによって1速被駆動ギヤG1’、2速被駆動ギヤG2’、3速駆動ギヤG3、4速駆動ギヤG4および6速被駆動ギヤG6’のいずれかが出力軸6やカウンタ軸4に固定されたとき、あるいは、入力軸2と出力軸6とが直結されたときに、カウンタ軸4と一体に前方(図5の上方から見て)から見て反時計回りに回転される。
シンクロ機構S2が反時計回りに回転されると、変速機ケース80の下部に貯留された潤滑油が掻き上げられ、掻き上げられた潤滑油の一部が、図14に示すように、開口42aを介してオイルガータ20の導入部42に流入される。導入部42に流入した潤滑油は方向変更部42bによって流れ方向が流路部44の延在方向に変更され(図4の太矢印参照)、流路部44の下流に向かって流れる。ここで、導入部42は、開口42aおよび流路部44との連通部を除く部分、特に、方向変更部42bにおいて密閉された形状に構成されていると共に、流路部44が延在方向全域に亘って密閉された筒状に構成されているため、シンクロ機構S2の掻き上げによる勢い(流速)を有効に利用して潤滑油を流路部44の下流まで流通させることができる。
流路部44の下流まで流れた潤滑油は、図5に示すように、一部は誘導部46からバッフルプレート26を介してカウンタドリブンギヤCG’の歯面に供給され、一部は誘導部46の底面に形成された貫通孔46aを介して第1供給部47aに供給されて当該第1供給部47aから6速駆動ギヤG6の歯面に供給される。
また、シンクロ機構S2によって掻き上げられ導入部42に流入されずに飛散した潤滑油の一部や、3速駆動ギヤG3および4速駆動ギヤG4の回転によって掻き上げられ、3速被駆動ギヤG3’および4速被駆動ギヤG4’に連れ回った後に飛散した潤滑油の一部などが、オイルガータ20の第2および第3流路構成部34,36によって受け止められる。第2流路構成部34に受け止められた潤滑油は、図5に示すように、第3供給部47cから1速駆動ギヤG1の歯面に供給され、第3流路構成部36に受け止められた潤滑油は、図示しない流路を介してリバース駆動ギヤGrevやリバースアイドラギヤGirev、リバース被駆動ギヤGrev’に供給される。
さらに、6速駆動ギヤG6によって掻き上げられた潤滑油の一部は、第2供給部47bに受け止められ、当該第2供給部47bから2速駆動ギヤG2の歯面に供給される。
こうして1速駆動ギヤG1、2速駆動ギヤG2、6速駆動ギヤG6およびカウンタドリブンギヤCG’に供給された潤滑油は、これらギヤの回転に連れ回り、これらギヤと噛み合う1速被駆動ギヤG1’、2速被駆動ギヤG2’、6速被駆動ギヤG6‘およびカウンタドライブギヤCGとの噛合い部に供給されて当該噛合い部を潤滑する。
ここで、第1、第2および第3供給部47a,47b,47cは、図15に示すように、カウンタ軸4の軸中心CR4の高さ方向の位置よりも上方となる高さ位置から1速駆動ギヤG1、2速駆動ギヤG2および6速駆動ギヤG6の歯面に潤滑油を供給するように構成されているため(図15には第2供給部47bのみが記載されている)、歯面に供給された潤滑油が1速駆動ギヤG1、2速駆動ギヤG2および6速駆動ギヤG6の回転に連れ回り易く、噛合い部を効果的に潤滑することができる。
そして、噛合い部からこれらギヤの回転方向に向かって飛散された潤滑油の大部分が、直接あるいはケース本体82の内壁面に衝突した後に当該内壁面を伝って間接的に第1油路94aによって受け止められる。ここで、第1油路94aは、図15に示すように、カウンタ軸4の軸中心CR4の高さ位置よりも高い位置であって、カウンタドライブギヤCGとカウンタドリブンギヤCG’との噛合い部や1速駆動ギヤG1と1速被駆動ギヤG1’との噛合い部、2速駆動ギヤG2と2速被駆動ギヤG2’との噛合い部、6速駆動ギヤG6と6速被駆動ギヤG6’との噛合い部の高さ位置よりも低い位置に設定されているため、当該噛合い部からこれらギヤの回転方向に向かって飛散された潤滑油の効果的な捕集を実現することができる。
こうして第1油路94aに受け止められた潤滑油は、図5に示すように、第1油路94aを第2油路94bに向けて流れ、その一部は第2油路94bから溢れ出してシンクロ機構S2の径方向外方側からシンクロ機構S2に供給される。ここで、第2油路94bは、カウンタ軸4の軸中心CR4の高さ位置よりも低い位置となるように設定されているため(図14参照)、第2油路94bがカウンタ軸4の軸中心CR4の高さ位置よりも高い位置に設定される構成に比べて第2油路94bから溢れ出した潤滑油を流れの乱れを抑制して円滑にシンクロ機構S2に供給し得る。第2油路94bから溢れ出してシンクロ機構S2の径方向外方側からシンクロ機構S2に供給される経路は、本発明における「第1排出路」に対応する実施構成の一例である。
また、第2油路94bに受け入れられた潤滑油の残りの一部は、アダプタープレート86の肉盛部86c(図12および図13参照)の端面860cとアダプタープレート86の内壁面との間に形成された溝88(図12および図13参照)を介してエクステンションケース84の肉盛部84d(図11参照)に形成された凹部84d’(図11参照)に流れ込み、当該凹部84d’ (図11参照)に流れ込んだ潤滑油は、アダプタープレート86の肉盛部86c(図12および図13参照)に形成された貫通開口部86c’ (図12および図13参照)を介してカウンタ軸4の軸線方向前側(図5の上側)からシンクロ機構S2に向けて供給される。
このように、第2油路94bから溢れ出る潤滑油のみにならず溝88や凹部84d’、貫通開口部86c’を介してカウンタ軸4の軸線方向からもシンクロ機構S2に潤滑油を供給する構成とすることにより、第2油路94bに多量の潤滑油が流れ込んだ場合であっても、円滑に、かつ、効率良くシンクロ機構S2に潤滑油を供給することができる。
以上説明した本発明の実施の形態に係る変速機1によれば、シンクロ機構S2によって掻き上げられた潤滑油が、オイルガータ20によって1速駆動ギヤG1、2速駆動ギヤG2、6速駆動ギヤG6およびカウンタドリブンギヤCG’の歯面に供給され、これらギヤと1速被駆動ギヤG1’、2速被駆動ギヤG2’、6速被駆動ギヤG6‘およびカウンタドライブギヤCGとの噛合い部を潤滑した後に、これらギヤの回転方向に飛散されて油路94によって捕集されて、油路94(特に、第2油路94b)からシンクロ機構S2に戻される構成、即ち、潤滑油が強制的に循環される構成であるため、シンクロ機構S2による安定した潤滑油掻き上げを実現することができ、安定した潤滑性能を確保し得る。
また、駆動ギヤG(1速駆動ギヤG1、2速駆動ギヤG2、3速駆動ギヤG3、4速駆動ギヤG4、6速駆動ギヤG6)およびカウンタドリブンギヤCG’と、被駆動ギヤG’(1速被駆動ギヤG1’、2速被駆動ギヤG2’、3速被駆動ギヤG3’,4速被駆動ギヤG4’,6速被駆動ギヤG6’)およびカウンタドライブギヤCGと、の噛み合い部に供給され、被駆動ギヤG’(1速被駆動ギヤG1’、2速被駆動ギヤG2’、3速被駆動ギヤG3’,4速被駆動ギヤG4’,6速被駆動ギヤG6’)およびカウンタドライブギヤCGに連れ回った後に飛散された潤滑油の一部などが、一時貯留空間RAによって一時的に貯留される(図14および図15参照)。
これにより、ケース本体82の下部に貯留された潤滑油量が低減して、駆動ギヤG(1速駆動ギヤG1、2速駆動ギヤG2、3速駆動ギヤG3、4速駆動ギヤ、6速駆動ギヤG6)やカウンタドリブンギヤCG’による潤滑油の撹拌抵抗を低減することができる。なお、一時貯留空間RAに貯留された潤滑油は、隙間C1,C2(図9および図10参照)を介して適度な量がケース本体82の下部に戻るように構成されているため、シンクロ機構S2が掻き上げる潤滑油の油量が不足するような事態を招くことはない。
また、ケース本体82に貯留された潤滑油の油面が傾斜するような外力が変速機1に作用した場合には、一時貯留空間RAから潤滑油が溢れ出してケース本体82の下部に戻すことができる構成であるため、当該変速機1を搭載した車両が登坂走行や急加速走行したことに起因して後方側の油面が前方側の油面よりも高くなるように傾斜した場合であっても、シンクロ機構S2が掻き上げる潤滑油の油量が不足するような事態を招くこともなく、安定した潤滑性能を確保することができる。なお、後方側の油面が高くなる方向の外力が作用しても、オイルガータ20のバッフルプレート26によってカウンタドリブンギヤCG’の下部の潤滑油は後方への移動が抑制されるため、カウンタドリブンギヤCG’の潤滑油への浸漬をある程度維持できる。これにより、カウンタドライブギヤCGおよびカウンタドリブンギヤCG’の噛み合い部への潤滑油供給性能の低下を抑制できる。
本実施の形態では、油路94をケース本体82の筒状部82aの内壁面に一体形成する構成としたが、油路94をケース本体82とは別部材で構成し、当該油路構成部材を変速機ケース80に取り付ける構成としても良い。この場合、油路構成部材と筒状部82aの内壁面との間に隙間が形成されるよう油路構成部材を変速機ケース80に取り付ける構成として、各ギヤの噛合い部からこれらギヤの回転方向に向かって飛散された潤滑油のみを油路構成部材によって受け止め、筒状部82aの内壁面を伝って流下する潤滑油は油路構成部材内によって受け止めない構成とすることができる。
本実施の形態では、仕切壁82cから1速駆動ギヤG1と3速駆動ギヤG3との間に相当する位置まで延在する第1油路94aと、1速駆動ギヤG1と3速駆動ギヤG3との間に相当する位置から締結面部83まで延在する第2油路94bと、から油路94を構成したが、油路94は仕切壁82cから締結面部83まで連続して延在する一体の油路として構成しても良い。
本実施の形態では、第2油路94bを介してシンクロ機構S2へ還流される潤滑油の経路として、第2油路94bから溢れ出してシンクロ機構S2の径方向外方から還流される経路と、アダプタープレート86の肉盛部86cの端面860cとアダプタープレート86の内壁面とによって形成された溝88、エクステンションケース84の肉盛部84dに形成された凹部84d’、および、アダプタープレート86の肉盛部86cに形成された貫通開口部86c’ を介してカウンタ軸4の軸線方向からシンクロ機構S2に還流される経路と、の二経路を有する構成としたが、いずれか一方の経路のみを有する構成としても良い。
本実施の形態では、オイルガータ20とケース本体82の筒状部82aの内壁面とによって一時貯留空間RAを構成したが、これに限らない。例えば、一時貯留空間RAを筒状部82aの内壁面に一体形成する構成としても良いし、専用部材によって一時貯留空間RAを構成しても良い。
本実施の形態では、潤滑油を一時的に貯留可能な一時貯留空間RAを有する構成としたが、一時貯留空間RAは無くても良い。
本実施の形態では、インプットリダクションタイプのFR車用の手動変速機に適用したが、これに限らない。例えば、アウトプットリダクションタイプのFR車用の手動変速機やFR車用の自動変速機、FR車用の減速機あるいは増速機などに適用しても良い。
本実施形態は、本発明を実施するための形態の一例を示すものである。したがって、本発明は、本実施形態の構成に限定されるものではない。
1 変速機(変速機)
2 入力軸(入力軸)
4 カウンタ軸(カウンタ軸)
6 出力軸(出力軸)
20 オイルガータ(潤滑油供給部材)
22 本体部
24a 取付けプレート
24b 取付けプレート
26 バッフルプレート
26a プレート部
26b 垂壁部
32 第1流路構成部
34 第2流路構成部
36 第3流路構成部
42 導入部(導入部)
42a 開口
42b 方向変更部(方向変更部)
44 流路部(流路部)
46 誘導部(供給部)
46a 貫通孔
47a 第1供給部
47b 第2供給部
47c 第3供給部
48 壁部
80 変速機ケース(変速機ケース)
82 ケース本体
82a 筒状部
82b クラッチハウジング部
82c 仕切壁
83 締結面部
84 エクステンションケース
84a 締結面部
84a’ 締結面
84b カウンタ軸支持部
84c 出力軸支持部
84d 肉盛部
84d’ 凹部(第2排出路)
86 アダプタープレート
86a 支持孔
86b 支持孔
86c 肉盛部
86c’ 貫通開口部(第2排出路)
87 締結面
88 溝(第2排出路)
92 段差部
94 油路(潤滑油戻し部材、油路)
94a 第1油路(潤滑油戻し部材、油路、第1油路)
94b 第2油路(潤滑油戻し部材、油路、第2油路)
860c 端面
G 駆動ギヤ
G1 1速駆動ギヤ
G2 2速駆動ギヤ
G3 3速駆動ギヤ
G4 4速駆動ギヤ
G6 6速駆動ギヤ
Grev リバース駆動ギヤ
CG カウンタドライブギヤ(第1歯車)
G’ 被駆動ギヤ
G1’ 1速被駆動ギヤ
G2’ 2速被駆動ギヤ
G3’ 3速被駆動ギヤ
G4’ 4速被駆動ギヤ
G6’ 6速被駆動ギヤ
Grev’ リバース被駆動ギヤ
CG’ カウンタドリブンギヤ
Girev リバースアイドラギヤ(第2歯車)
TM 変速機構
CGM カウンタギヤ機構
S シンクロ機構
S1 シンクロ機構
S2 シンクロ機構(回転部材)
S3 シンクロ機構
S4 シンクロ機構
C1 隙間
C2 隙間
RA 一時貯留空間
CR4 カウンタ軸の軸中心(潤滑油貯留部)

Claims (9)

  1. 潤滑油を貯留可能に構成された変速機ケースと、
    該変速機ケースに回転可能に支持されると共に動力源からの動力が入力される入力軸と、
    前記入力軸に平行配置されると共に前記変速機ケースに回転可能に支持されたカウンタ軸と、
    前記入力軸と同軸線上に配置されると共に前記変速機ケースに回転可能に支持された出力軸と、
    前記入力軸上であって前記動力源寄りの位置に配置された第1歯車と、
    前記カウンタ軸上に配置されると共に前記第1歯車と噛合うよう構成された第2歯車と、
    前記カウンタ軸上であって前記第2歯車に関して前記動力源が配置された側とは反対側において前記第2歯車から離れた位置に配置され、前記変速機ケースに溜められた潤滑油に少なくとも一部が浸漬するよう構成された回転部材と、
    前記回転部材によって掻き上げられた潤滑油の少なくとも一部が導入され、該導入された潤滑油を前記第2歯車に供給するよう構成された潤滑油供給部材と、
    前記第1歯車と前記第2歯車との噛合い部から該第1および第2歯車の回転方向に向かって飛散する潤滑油の少なくとも一部を捕集し、該捕集した潤滑油を前記回転部材が配置された位置まで誘導して、該回転部材に向けて排出するよう構成された潤滑油戻し部材と、
    を備える変速機。
  2. 前記潤滑油供給部材は、前記回転部材が潤滑油を掻き上げる方向を向く開口を有する導入部と、該導入部に接続され前記カウンタ軸の軸線方向に延在するよう構成された流路部と、該流路部に接続され該流路部を流れる潤滑油を前記第2歯車に供給する供給部と、を有しており、
    前記導入部は、前記開口から流入される潤滑油の流れ方向を前記流路部の延在方向に変更する方向変更部を有しており、該方向変更部において概ね密閉された形状に構成されており、
    前記流路部は、概ね密閉された筒状に構成されている
    請求項1に記載の変速機。
  3. 前記潤滑油戻し部材は、前記変速機ケースの内壁面に設けられた油路を有しており、
    該油路は、前記カウンタ軸の軸線方向に延在するよう構成されていると共に、前記噛合い部から前記第1および第2歯車の回転方向に向かって飛散された潤滑油を直接捕集可能に構成されている
    請求項1または2に記載の変速機。
  4. 前記油路は、前記噛合い部から前記第1および第2歯車の回転方向に向かって飛散され前記内壁面に衝突した後、該内壁面を伝って流下する潤滑油を捕集可能に構成されている
    請求項3に記載の変速機。
  5. 前記油路は、前記変速機ケースに一体形成されている請求項3または4に記載の変速機。
  6. 前記油路は、該油路を流れる潤滑油の流れ方向上流側に配置された第1油路と、該第1油路よりも前記潤滑油の流れ方向下流側に配置された第2油路と、を有しており、
    前記第1油路は、前記第1歯車と前記第2歯車との噛合い部と略同じ高さ位置に配置されており、
    前記第2油路は、前記第1油路よりも高さ方向において低い位置に配置されており、
    前記油路を流れる潤滑油は、前記第2油路から前記回転部材に向けて排出されるよう構成されている
    請求項3ないし5のいずれか1項に記載の変速機。
  7. 前記潤滑油戻し部材は、前記回転部材の外周面に向けて潤滑油を排出するよう構成された第1排出路と、前記カウンタ軸の軸線方向から前記回転部材に向けて潤滑油を排出する第2排出路と、を有する
    請求項1ないし6のいずれか1項に記載の変速機。
  8. 前記回転部材および/または前記第2歯車によって掻き上げられた潤滑油の少なくとも一部、および/または、前記噛合い部から飛散した潤滑油の少なくとも一部を一時的に貯留可能な潤滑油貯留部をさらに備え、
    該潤滑油貯留部は、前記変速機ケースに貯留された潤滑油に油面を傾斜させる外力が作用した際に、前記潤滑油貯留部に貯留された潤滑油の少なくとも一部が排出されるよう構成されている
    請求項1ないし7のいずれか1項に記載の変速機。
  9. 前記潤滑油貯留部は、前記潤滑油供給部材と、前記変速機ケースと、によって構成されている
    請求項8に記載の変速機。
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