JP5043923B2 - 高分子電解質型燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、ポータブル電源、電気自動車用電源、家庭内コージェネレーションシステム等に使用する高分子電解質型燃料電池に関する。
高分子電解質膜を用いた燃料電池は、水素を含有する燃料ガスと、空気などの酸素を含有する酸化剤ガスとを、電気化学的に反応させることにより、電力と熱とを同時に発生させる。この燃料電池は、水素イオンを選択的に輸送する高分子電解質膜、および高分子電解質膜の両面に形成された一対の電極、すなわちアノードとカソードから構成される。前記電極は、白金系の金属触媒を担持したカーボン粉末を主成分とし、高分子電解質膜の両面に形成される触媒層、および前記触媒層の外面に形成される、通気性と電子導電性とを併せ持つガス拡散層からなる。
次に、供給する燃料ガスおよび酸化剤ガスが外にリークしたり、二種類のガスが互いに混合したりしないように、電極の周囲には、高分子電解質膜を挟んでガスシール材やガスケットが配置される。このガスシール材やガスケットは、電極および高分子電解質膜と一体化してあらかじめ組み立てられ、これを、MEA(電解質膜・電極接合体)と呼ぶ。
MEAの外側には、これを機械的に固定するとともに、隣接したMEAを互いに電気的に直列に接続する導電性のセパレータ板が配置される。セパレータ板は、電極面に反応ガスを供給し、生成ガスや余剰ガスを運び去るためのガス流路を有する。ガス流路は、セパレータ板と別に設けることもできるが、セパレータ板の表面に溝を設けてガス流路とする方式が一般的である。
この溝に反応ガスを供給するためには、反応ガスを供給する配管を、使用するセパレータ板の枚数に分岐し、その分岐先を直接セパレータ板上の溝につなぎ込む配管治具が必要となる。この治具をマニホールドと呼び、上記のような反応ガスの供給配管から直接つなぎ込むタイプを外部マニホールドと呼ぶ。また、このマニホールドには、構造をより簡単にした内部マニホールドと呼ぶ形式のものがある。内部マニホールドとは、ガス流路を形成したセパレータ板に、貫通した孔を設け、ガス流路の出入り口をこの孔まで通し、この孔から直接反応ガスを供給するものである。
燃料電池は運転中に発熱するので、電池を良好な温度状態に維持するためには、冷却水等で冷却する必要がある。そこで通常、1〜3セル毎に冷却水用の流路を設ける。通常は、セパレータ板の背面に冷却水用の流路を設けて冷却部とする場合が多い。これらのMEAとセパレータ板とを交互に重ねていき、10〜200セル積層した後、その積層体を集電板および絶縁板を介して端板で挟み、締結ボルトで両端から固定するのが一般的な積層電池の構造である。
このような高分子電解質型燃料電池のガスケットは、セパレータ板と電極との接触を行わせつつガスシールを行うため、高い寸法精度、十分な弾性、および十分な締め代を有することが必要である。このため、従来より、樹脂やゴム等からなるシート状のガスケットや、ゴムからなるOリング等が用いられている。
また、最近ではスタックの締結荷重を低減して、構造部材の軽量化、簡素化、低コスト化を行うため、ガスケットの荷重を低減する試みも行われており、Oリング形状だけでなく三角形状や半円形状等の断面を持ったガスケットによる構成が試みられている(例えば、特開2002−141082号公報)。また、組み立て性を向上するため、ガスケットをセパレータ板側に構成した試みも行われている(例えば、特許文献1)。
従来のOリング型のガスケットを用いた燃料電池におけるガスケット付近の縦断面図を図13に示す。アノード側セパレータ板210およびカソード側セパレータ板220に設けられたOリング用溝236a、246aには、それぞれOリング236、246が備えられている。そして、Oリング236で電解質膜231をカソード側セパレータ板220に押しつけ、Oリング246で電解質膜231をアノード側セパレータ板210に押しつけることにより膜とセパレータ板との間がシールされている。232aはアノード、232bはカソード、212bは燃料ガスの流路、223bは酸化剤ガスの流路をそれぞれ表す。
このように、Oリング型のガスケットによるシールを2カ所で行っているため、シールに必要な部分が大型化してしまうという問題がある。
また、内部マニホールド型セパレータ板の場合、ガスシール部がマニホールドから電極部まで達するため、電解質膜がマニホールドを覆う大きさである必要があり、これによりコストがかかる。さらに、電解質膜の厚みが25〜50μm程度であるため、膜サイズが大きいほど組み立て時のハンドリングが困難になる。
一方でコスト低減、ハンドリング向上、および強度向上のために電解質膜のサイズを小さくし、ある程度剛性のある保護膜でそれを覆う構成とした単位電池を構成する場合、電解質膜の厚さ分の段差が生じるためシール性が低下してしまうという問題がある。さらに、ガスケットに上述のようなOリングを用いた場合、ガスケット自体に剛性がないため、電池スタックの組み立て時に細いOリングをねじれなく組み付ける工程で時間を要し、製造コストがかかるという問題がある。
また、セパレータ板は導電材からなるため、組立工程において導電性を有する異物の混入等により、MEAを挟むセパレータ板同士が短絡する可能性がある。また、セパレータ板の反りや歪み、もしくは積層電池の組み付け時に生じる歪み等によりセパレータ板間で短絡する可能性がある。さらに、組み立て後の積層電池と断熱材との間に導電性を有する異物等が入ることによりMEAを挟むセパレータ板同士が短絡する可能性がある。
さらに、Oリングによるシールの場合、積層電池を組み付ける際、セパレータを下に置き、その上にMEAを置き、その上にセパレータあるいはガスケットとセパレータを重ねるというように、これら部品を積み重ねていく工程がとられる。その際、MEAの上に置くガスケットあるいはセパレータは、組み付け治具のガイドにより組み付けられる。しかし、各部品には寸法誤差があり、特にガスケットとMEAの間のクリアランスが寸法誤差を吸収するに十分大きくないと、組み付け性を確保できない。そのため、ガスケットと電極との間にクリアランスが生じ、そこを反応ガスが通り、セパレータのガス流路をバイパスすることとなる。
MEAやガスケットの組み付け誤差等で電極とガスケット間のクリアランスは各セル毎にばらつきが生じ、これにより各セル間の圧力損失がばらつきを生じることになる。各セル間に圧力損失のばらつきが生じると、積層電池においては、各セルの圧力損失に見合った反応ガスがそれぞれのセルに流れるため、反応ガスの流量にばらつきが生じる。その結果、電池性能がばらつき、発電電圧の低下、耐久性の低下、低出力運転時の安定性の低下等の弊害が生じる。これらの症状は、反応ガスの利用率が比較的大きいアノード側で顕著であった。
また、ガスケットと電極間のクリアランスを少なくしようとすると、部品寸法の精度を向上せねばならず、歩留まりの低下、および部品コストの上昇を招く。さらに、組み付け性が困難であることから、組み付け時の信頼性が低く、シール部に電極の一部が噛み込む等でシール不良が生じたり、電解質膜に過大に引っ張り応力、せん断応力が働き、電解質膜の破損、耐久性の低下等を引き起こす。
また、近年電池性能を上げるため、供給するガスの加湿度合いを大きくすることが要求されている。酸化剤ガス側では、反応による生成水もあり、電極から速やか、かつ安定的な水の排出が望まれる。従来型のガスケットにより上記反応ガスのバイパスを防ぐために、ガスケットと電極とのクリアランスを小さくし、あるいはほとんどクリアランスを無くすると、電極からの水の排出に大きな圧力が必要となり、システム効率の低下を招くという問題もある。一方、スタック締結部材の軽量化、コンパクト化、低コスト化のため、シール部締結力の低減も課題であり、簡単な構成で効果的なシール構造が求められている。
特開2002−231264号公報
本発明は、上記の問題を解決するため、気密性に優れたコンパクトなシール部材を用いることにより、高信頼性かつ低コストの燃料電池を提供することを目的とする。
本発明は、水素イオン伝導性高分子電解質膜、ならびに前記高分子電解質膜を挟むアノードおよびカソードを有する膜電極接合体と
ノードに燃料ガスを供給し排出するガス流路を有するアノード側セパレータ板と
ソードに酸化剤ガスを供給し排出するガス流路を有するカソード側セパレータ板と、
前記アノード側セパレータ板のアノード側表面に設けられたアノード側シール部材と、
前記カソード側セパレータ板のカソード側表面に設けられたカソード側シール部材と、を具備し、
前記アノード側シール部材及び前記カソード側シール部材は、互いに対応する部分において、一方は線状の頂部を有するリブを有し、他方は面状の形状を有しており、
前記リブは、前記アノードまたは前記カソードを囲む部分において、内側が薄く、外側が厚くなる断面を有するくさび型である、高分子電解質型燃料電池に関する。
本発明によれば、シール部材のスペースを小さくして、優れた気密性を発揮するので、電池スタックの締結荷重を低減することができる。従って、高信頼性で、かつ低コストの燃料電池を提供することができる。
本発明の参考の形態1のアノード側セパレータ板の正面図である。 同セパレータ板の背面図である。 本発明の参考の形態1のカソード側セパレータ板の正面図である。 同セパレータ板の背面図である。 本発明の参考の形態1のアノード側シール用複合部材の正面図である。 図5の6−6線で切った拡大断面図である。 本発明の参考の形態1のカソード側シール用複合部材の正面図である。 図7の8−8線で切った拡大断面図である。 本発明の参考の形態1の他のアノード側シール用複合部材の正面図である。 本発明の参考の形態1のさらに他のアノード側シール用複合部材の正面図である。
本発明の積層電池の要部縦断面図である。 図11の積層電池のシール部材付近の拡大断面図である。 従来の積層電池のOリング型のシール部材付近の拡大断面図である。 本発明の参考の形態2のアノード側セパレータ板の正面図である。 本発明の参考の形態2のカソード側セパレータ板の正面図である。 本発明の参考の形態2のシール部材を備えたアノード側セパレータ板の正面図である。 図16の17−17線で切った拡大断面図である。 参考の形態2の変形例のシール部材を備えたアノード側セパレータ板の図16の18−18線に相当するところで切った拡大断面図である。 本発明の参考の形態2のシール部材を備えたカソード側セパレータ板の正面図である。 図19の20−20線で切った拡大断面図である。
参考の形態2の他の変形例のシール部材を備えたアノード側セパレータ板の図19の21−21線に相当するところで切った拡大断面図である。 図16のアノード側シール部材における第1および第2のアノード側シール部を示す図である。 図19のカソード側シール部材における第1および第2のカソード側シール部を示す図である。 比較例2のアノード側セパレータ板の正面図である。 比較例2のカソード側セパレータ板の正面図である。 本発明の参考の形態2の他のアノード側セパレータ板の正面図である。 同セパレータ板端部のリブ付近の拡大断面図である。 本発明の参考の形態2のさらに他のアノード側セパレータ板端部のリブ付近の拡大断面図である。 参考例1および比較例1の積層電池の出力特性を示すグラフである。 参考例2および比較例2の積層電池の出力特性を示すグラフである。
図31は参考例3および比較例1の積層電池の出力特性を示すグラフである。 参考例4および比較例2の積層電池の出力特性を示すグラフである。 参考例5および比較例2の積層電池の出力特性を示すグラフである。 本発明の実施の形態1のカソード側セパレータの正面図である。 同カソード側セパレータ板の背面図である。 本発明の実施の形態1のアノード側セパレータの正面図である。 本発明の実施の形態1のカソード側シール部材の正面図である。 本発明の実施の形態1のアノード側シール部材の正面図である。 図37の39−39線で切った拡大断面図である。 図39の40−40線で切った拡大断面図である。
本発明の実施の形態1のシール部材を組み合わせたカソード側セパレータの正面図である。 本発明の実施の形態1のシール部材を組み合わせたアノード側セパレータの正面図である。 ガス拡散層とシール部材間に生じるクリアランス部を示すモデル図である。 本発明の実施例1および比較例3の燃料電池の出力電圧特性を示す図である。 本発明の実施例1と比較例4の燃料電池の出力特性を示す図である。 本発明の実施例1によるセパレータとシール部材を規制するパラメーターと圧力損失ばらつきの関係を示す図である。 本発明の実施例2と比較例4の燃料電池の出力特性を示す図である。
本発明の1つの観点においては、アノード側シール部材、カソード側シール部材、および高分子電解質膜が協働して、セルのガス流路から外部へガスが漏れるのを防止するアノード側ガスシール部およびカソード側ガスシール部を有し、両ガスシール部材は、前記両ガスシール部の対応する部分において、一方は当該シール部に線状に接する頂部を有するリブを有し、他方はシール部に面状に接していることによりシールを行う。
本発明のポイントの1つは、上記のような構成のシール部材を用いることにより、安定した気密性を確保し、シール部材のスペースを小さくし、電池スタックの締結荷重を低減することができることを見出した点にある。
そして、高分子電解質膜と各セパレータとの間に介在してシール部を構成するシール部材の断面形状を、アノード側シール部材を平面形状とし、カソード側シール部材をカソードを囲む部分においてカソード側に薄く、反対方向に厚い、くさび形状とする。この構成によ、シール部に必要となるスペースを低減するのみならずスタックの締結荷重を低減し、さらには電極とシール部材の間に水排出用兼組み付け性確保のための必要最小限の一定クリアランスを確保することができる。また、セルの組み付けを容易にし、水の低圧損での排出性を確保することが可能となる。
の観点において、本発明は、シール部材の構成が、セパレータのガス流路の構成、および組み付け性からくる限定要件によって決定されるシール部材と電極の間に生じるクリアランスの水力直径(d)により定義可能であることを見いだしたことに基づいている。
すなわち、カソード側シール部材のカソードを囲む部分とカソードとの間に生じる片側クリアランスclとそのクリアランス部の水力直径dが次式(1)を満たすように設計される。さらに好ましくは、式(2)を満足することである。
d<(D×l×P)/0.54L (1)
ただし、
l:片側クリアランス部の長さ
d:片側クリアランス部の水力直径
L:カソード側セパレータの1パス当たりのガス流路の長さ
D:カソード側セパレータの1パス当たりのガス流路の水力直径
P:カソード側セパレータ当たりのガス流路のパス数
水力直径d=クリアランス部の断面積÷クリアランス部の断面部分の周長×4
0.25mm<cl (2)
これにより、各部品寸法のばらつき、および組み付け誤差の影響を小さくし、圧力損失のばらつきの少ないセル構成を可能にするシール部材が与えられる。
さらに別の観点において、本発明者らは、実用的に運転が可能な領域が、クリアランス部の圧力損失Pcとガス流路部の圧力損失Pfとの比で整理できることを見いだした。すなわち、0.9<Pc/Pfとするのが有効である。
シール部材に使用するゴム層については、フッ素ゴムの他ポリイソプレン、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴムなどを使用することができる。粘着剤は、ポリイソブチレン、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、それらの複合品などを使用することができる。
以下、本発明を図面を参照して実施の形態により詳細に説明する。ここに用いる図面は構造を説明するものであって、各要素の相対位置や大きさは必ずしも正確ではない。
参考の形態1
アノード側セパレータ板の正面図を図1に、その背面図を図2に示す。
アノード側セパレータ板10は、各一対の燃料ガス用マニホールド孔12、酸化剤ガス用マニホールド孔13、冷却水用マニホールド孔14、および予備用マニホールド孔15、ならびに4個の締結用ボルト穴11を有する。
アノード側セパレータ板10のアノードに対向する面には、一対の燃料ガス用マニホールド孔12に連絡されてアノードに燃料ガスを供給・排出するガス流路12bが設けられている。ガス流路12bは、一本の溝により構成されている。12cは、燃料ガス用マニホールド孔12に連絡する部分のガス流路を表す。
セパレータ板10は、その背面に一対の冷却水用マニホールド孔14を連絡する冷却水用の流路14bが設けられている。流路14bは、並行する二本の溝により構成されている。各一対の燃料ガス用マニホールド孔12、酸化剤ガス用マニホールド孔13、および予備用マニホールド孔15の周りを囲むようにOリングを設置するためのOリング用溝12a、13a、および15aが設けられている。さらに、冷却水用マニホールド孔14および冷却水用の流路14bの周りを囲むOリング用溝14aが設けられている。
カソード側セパレータ板の正面図を図3に、その背面図を図4に示す。
カソード側セパレータ板20は、各一対の燃料ガス用マニホールド孔22、酸化剤ガス用マニホールド孔23、冷却水用マニホールド孔24、および予備用マニホールド孔25、並びに4個の締結用ボルト穴21を有する。
カソード側セパレータ板20のカソードに対向する面には、一対の酸化剤ガス用マニホールド孔23に連絡されてカソードに酸化剤ガスを供給・排出するガス流路23bが設けられている。ガス流路23bは、二本の溝により構成されている。23cは、酸化剤ガス用マニホールド孔23に連絡する部分のガス流路を表す。
セパレータ板20は、その背面に、一対の冷却水用マニホールド孔24を連絡する冷却水用の流路24bが設けられている。流路24bは、並行する二本の溝により構成されている。
図5にアノード側シール用複合部材の正面図、図6にその一部の拡大断面図を示す。また、図7にカソード側シール用複合部材の正面図を、図8にその一部の拡大断面図を示す。
上記アノード側セパレータ板10に接着させるアノード側シール用複合部材30は、ポリイミドからなるフィルム4a、その一方の面にリブ36aを有するアノード側シール部材36、および他方の面に形成されてアノード側セパレータ板10と接着する粘着層5aより構成されている。
粘着層5aには、粘着剤としてポリイソブチレン、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム等を単独または二種以上を組み合わせたものを用いることができる。
前記フィルム4aおよび粘着層5aは、アノード側セパレータ板10における各マニホールド孔と対応する燃料ガス用マニホールド孔32、酸化剤ガス用マニホールド孔33、冷却水用マニホールド孔34、および予備用マニホールド孔35、ならびにボルト穴31を有し、アノードと対応する部分は切り欠かれている。
アノード側シール部材36は、アノードを囲む電極シール部37と、燃料ガス用マニホールド孔32、および酸化剤ガス用マニホールド孔33をそれぞれ囲むマニホールド孔シール部32aおよび33aと、これらマニホールド孔シール部32aおよび33aの両端を電極シール部37に連結するシール部38a、38bおよび38c、38dとを有する。シール部38a、38bは、アノード側セパレータ板10における連絡用ガス流路12cの両側を囲み、シール部38c、38dは、カソード側セパレータ板20における連絡用ガス流路23cの両側を囲む位置に対応している。アノード側シール部材36は、さらにマニホールド孔34および35をそれぞれ囲むマニホールド孔シール部34aおよび35aを有する。
前記リブ36aは、その断面形状が三角形であり、その底辺がアノード側シール部材36の主面に含まれ、前記底辺に向かい合う頂点に相当する頂部36bが後述のカソード側シール部材46に膜を介して当接する。
一方、上記カソード側セパレータ板20に接着されるカソード側シール用複合部材40は、ポリイミドからなるフィルム4b、その一方の面に形成された平板状のカソード側シール部材46、および他方の面に形成されてセパレータ板と接着する粘着層5bより構成されている。
前記粘着層5bには、粘着剤としてポリイソブチレン、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム等を単独または二種以上を組み合わせたものを用いることができる。
前記フィルム4bおよび粘着層5bは、カソード側セパレータ板20における各マニホールド孔と対応する燃料ガス用マニホールド孔42、酸化剤ガス用マニホールド孔43、冷却水用マニホールド孔44、および予備用マニホールド孔45、ならびにボルト穴41を有し、カソードと対応する部分は切り欠かれている。
前記カソード側シール部材46は平板状であり、前記フィルム4bおよび粘着層5bと同形状である。
上記のアノード側シール用複合部材30における粘着層5a側の面をアノード側セパレータ板10のアノードと対向する側の面に接着させることにより、アノード側シール部材36がアノード側セパレータ板10に固定される。
一方、カソード側シール用複合部材40における粘着層5b側の面をカソード側セパレータ板20のカソードと対向する側の面に接着させることにより、カソード側シール部材46がカソード側セパレータ板20に固定される。
そして、燃料電池を構成する際には、図11のように、これらのアノード側シール用複合部材30を備えたアノード側セパレータ板10と、カソード側シール用複合部材40を備えたカソード側セパレータ板20とでMEAを挟む。MEAは、水素イオン伝導性高分子電解質膜1と、電解質膜1を挟むアノード2aおよびカソード2bとからなる。図11において、3は溝12a〜15aに設置されたOリングを表す。
このとき、図12に示すように、アノード側シール部材36における頂部36bが、電解質膜1を介してカソード側シール部材46に当接するように構成される。
このようなアノード側シール部材およびカソード側シール部材を用いることにより、安定した気密を確保しつつ、シール部材のスペースを小さくし、電池スタックの締結荷重を低減することができる。
上記に示した燃料電池は、アノード側セパレータ板に接合されたアノード側シール部材およびカソード側セパレータ板に接合されたカソード側シール部材を具備する。これら一対のシール部材は、
(a)アノードおよびカソードを囲む位置において高分子電解質膜を挟む一対の電極シール部、
(b)燃料ガス用マニホールド孔および酸化剤ガス用マニホールド孔を囲む位置において高分子電解質膜を挟む一対のマニホールド孔シール部、および
(c)各マニホールド孔とガス流路とを連絡する連絡用ガス流路の両側を囲む位置において高分子電解質膜を挟む一対の連絡用ガス流路シール部を有する。
そして、前記シール部材は、その一方が各シール部において高分子電解質膜に線状に接する頂部を有するリブを有し、他方が高分子電解質膜に面状に接することにより、高分子電解質膜と各セパレータ板間の気密を保持する。
なお、上記構成のアノード側シール用複合部材30では、アノードと燃料ガス用マニホールド孔32は、マニホールド孔シール部32aおよびアノードを囲む電極シール部37により隔離されている。同様に、アノードと酸化剤ガス用マニホールド孔33は、マニホールド孔シール部33aおよび電極シール部37により隔離されている。アノードとマニホールド孔32、33とは、図9のようにマニホールド孔シール部32a、33aのみにより隔離されていてもよい。また、図10のようにアノードを囲む電極シール部37のみにより隔離されていてもよい。
また、上記構成のカソード側シール用複合部材40は、電極シール部、マニホールド孔シール部および連絡用ガス流路シール部の各シール部を含んだセパレータ板の主面全体を覆う形状であった。しかし、カソード側シール用複合部材40は、アノード側シール部材30と向かい合う部分のみで構成されていてもよい。
参考の形態2
図14にアノード側セパレータ板の正面図を、図15にカソード側セパレータ板の正面図を示す。
アノード側セパレータ板50は、各一対の燃料ガス用マニホールド孔52、酸化剤ガス用マニホールド孔53、冷却水用マニホールド孔54、および予備用マニホールド孔55、ならびに4個の締結用ボルト穴51を有する。
カソード側セパレータ板60は、各一対の燃料ガス用マニホールド孔62、酸化剤ガス用マニホールド孔63、冷却水用マニホールド孔64、および予備用マニホールド孔65、ならびに4個の締結用ボルト穴61を有する。
また、アノード側セパレータ板50およびカソード側セパレータ板60には、後述するアノード側シール部材56およびカソード側シール部材66を配するためのシール部材用溝50aおよび60aがそれぞれ所定の位置に設けられている。
前記溝50aにアノード側シール部材56を設けたアノード側セパレータ板50の正面図を図16に、その一部の拡大断面図を図17に示す。また、前記溝60aにカソード側シール部材66を設けたカソード側セパレータ板60の正面図を図19に、その一部の拡大断面図を図20に示す。
所定のリブ56aを有するアノード側シール部材56が、アノード側セパレータ板50のシール部材用溝50aに沿って設置されている。
アノード側シール部材56は、ガス流路52bおよび一対の燃料ガス用マニホールド孔52の外周を囲んで1つの閉ループを構成する第1のアノード側シール部を有する。アノード側シール部材56は、さらに、酸化剤ガス用マニホールド孔53、冷却水用マニホールド孔54、および予備用マニホールド孔55をそれぞれ独立に囲むマニホールド孔シール部53a、54aおよび55aと、後述するカソード側セパレータ板60における連絡用ガス流路63cの両側を囲むシール部58c、58dとを有する。
前記第1のアノード側シール部は、ガス流路52bの大部分を囲む電極シール部57、燃料ガス用マニホールド孔52の外側半分を囲むマニホールド孔シール部52a、並びに連絡用ガス流路52cの両側を囲むシール部58aおよび58bからなる。連絡用ガス流路52cは、マニホールド孔52とガス流路52bとを連絡する。この第1のアノード側シール部は、図22に斜線を施した部分に相当する。
さらに、アノード側シール部材56は、シール部59a、59b、59c、および59dを有する。シール部59aは、燃料ガス用マニホールド孔シール部52aと酸化剤ガス用マニホールド孔シール部53aとを結ぶ。シール部59bは、燃料ガス用マニホールド孔シール部52aと冷却水用マニホールド孔シール部54aとを結ぶ。シール部59cは、酸化剤ガス用マニホールド孔シール部53aと予備用マニホールド孔シール部55aとを結ぶ。シール部59dは、冷却水用マニホールド孔シール部54aと予備用マニホールド孔シール部55aとを結ぶ。
第2のアノード側シール部は、各マニホールド孔シール部53a〜55a、各マニホールド孔シール部間を連結する各シール部59a、59b、59cおよび59dからなり、このうち、第1のアノード側シール部における燃料ガス用マニホールド孔シール部52aとともにマニホールド孔53〜55より内側で閉ループを構成している部分に相当する。
一方、上記アノード側セパレータ板に対向する面が平面状であるカソード側シール部材66が、カソード側セパレータ板60のシール部材用溝60aに沿って設置されている。
カソード側シール部材66は、ガス流路63bおよび一対の酸化剤ガス用マニホールド孔63の外周を囲んで一つの閉ループを構成する第1のカソード側シール部と、燃料ガス用マニホールド孔62、冷却水用マニホールド孔64、および予備用マニホールド孔65をそれぞれ独立に囲むマニホールド孔シール部62a、64aおよび65aと、上記アノード側セパレータ板50における前記連絡用ガス流路52cの両側を囲むシール部68a、68bとを有する。
前記第1のカソード側シール部は、ガス流路63bの大部分を囲む電極シール部67、酸化剤ガス用マニホールド孔63の外側半分を囲むマニホールド孔シール部63a、およびマニホールド孔63とガス流路63bとを連絡する連絡用ガス流路63cの両側を囲むシール部68c、68dからなる。この第1のカソード側シール部は、図23に斜線を施した部分に相当する。
さらに、カソード側シール部材66は、シール部69a、69b、69c、およびシール部69dを有する。シール部69aは、前記燃料ガス用マニホールド孔シール部62aと酸化剤ガス用マニホールド孔シール部63aとを結ぶ。シール部69bは、燃料ガス用マニホールド孔シール部62aと冷却水用マニホールド孔シール部64aとを結ぶ。シール部69cは、酸化剤ガス用マニホールド孔シール部63aと予備用マニホールド孔シール部65aとを結ぶ。シール部69dは、冷却水用マニホールド孔シール部64aと予備用マニホールド孔シール部65aとを結ぶ。
第2のカソード側シール部は、各マニホールド孔シール部62a、64aおよび65a、各マニホールド孔シール部間を連結する各シール部69a、69b、69c、および69dからなり、このうち、第1のカソード側シール部における酸化剤ガス用マニホールド孔シール部63aとともに、マニホールド孔62、64、65の内側で閉ループを構成している部分に相当する。
そして、燃料電池を構成する際に、上記アノード側セパレータ板50およびカソード側セパレータ板60をMEAの両側に配置させたときに、アノード側シール部材56における前記リブ56aの頂部56bが電解質膜を介してカソード側シール部材66に当接するように構成される。
このようなシール部材を用いることにより、安定した気密性を確保しつつ、シール部材のスペースを小さくし、電池スタックの締結荷重を低減することができる。
さらに、本実施の形態では、セパレータ板よりも一回り小さいサイズの高分子電解質膜の使用を可能にする。図16において、高分子電解質膜の外形は点線で示されている。このようなサイズの高分子電解質膜を用いると、シール部58a、58bと高分子電解質膜との接触部に隙間が生じ、第1のアノード側シール部の外側へ燃料ガスが漏れる。この漏れたガスがセル外へ漏れるのを防止するのが第2のアノード側シール部である。この外部へのガスの漏れを防止するのに必須の第2のアノード側シール部は、図22に、第1のアノード側シール部の外側に示されている。
また、シール部68c、68dと高分子電解質膜との接触部に隙間が生じ、第1のカソード側シール部の外側へ酸化剤ガスが漏れる。この漏れたガスがセル外へ漏れるのを防止するのが第2のカソード側シール部である。この外部へのガスの漏れを防止するのに必須の第2のカソード側シール部は、図23に、第1のカソード側シール部の外側に示されている。
さらに、この第2のアノード側シール部および第2のカソード側シール部は、ガス流路に連絡されるマニホールド孔以外のマニホールド孔よりも内側を囲んでいるため、燃料電池内部でガスがクロスリークすることがない。
このように、図16中の点線部分に示すようなサイズの小さい高分子電解質膜を用いても、本参考の形態のアノード側シール部材を備えたアノード側セパレータ板およびカソード側シール部材を備えたカソード側セパレータ板を用いることにより、安定した気密性が確保できる。また、高分子電解質膜のサイズを小さくできるため、さらにスタックの締結荷重の低減が可能となる。
上では、アノード側シール部材56の各シール部を構成するリブ56aは、それぞれ高さが同じものとして説明した。しかし、高分子電解質膜に接しないリブの高さは、高分子電解質膜に接するリブの高さより、高分子電解質膜の厚さだけ高くした方がよりシール効果を高めることができる。
図18は、そのような参考の形態におけるアノード側シール部材付きセパレータ50を図16の18−18線に相当するところで切った拡大断面図を表している。シール部材56のリブ56aのうち、図16に点線で示すサイズの高分子電解質膜1に接する部分は56a−1で表し、高分子電解質膜に接しない部分は56a−2で表している。リブ56a−2は、高分子電解質膜の厚さだけリブ56a−1より高い。リブ56a−1とリブ56a−2とは、高さが順次高くなる部分56a−3によりつながっている。
リブ56自身の高さを高くする代わりに、リブのベースとなる部分の高さ(厚み)を高くすることにより、リブが高くなるようにしてもよい。
前記のアノード側シール部材のリブの高さを変える代わりにカソード側シール部材の高さ(厚さ)を変えてもよい。図21は、そのようなシール部材を備えたカソード側セパレータを図19の21−21線に相当するところで切った拡大断面図を表している。シール部材66のシール部68dのうち、図16に点線で示すサイズの高分子電解質膜1に接する部分は68d−1で表し、高分子電解質膜に接しない部分は68d−2で表している。部分68d−2は、高分子電解質膜の厚さだけ68d−1より高い。部分68d−1と68d−2とは、高さが順次高くなる部分68d−3によりつながっている。他のシール部についても高分子電解質膜に接しないところは高分子電解質膜に接するところより高さを高くしている。
なお、上述の両シール部材には、相対応しない部分(図16中のアノード側シール部材の酸化剤ガス用マニホールド孔シール部および電極シール部における酸化剤ガス用マニホールドとアノードを隔離する部分、ならびに図19中のカソード側シール部材の燃料ガス用マニホールド孔シール部および電極シール部における燃料ガス用マニホールド孔とカソードを隔離する部分)がある。しかし、燃料電池スタックを構成する際には、弾性を有するシール部材が、両セパレータ板により適当な圧力で押さえつけられるため、シール部材が相対応していなくても、シール部材の片方が直接セパレータ板に当接することによりシールできる。
また、上述の相対応しない部分にカバープレート等の部材を用い、当該部分をシール部材と対応させてシールするようにしてもよい。例えば、図16の場合では、一対のシール部58a、58bの間におけるカソード側シール部材と相対応する位置に、連絡用ガス流路52cの上方を覆うカバープレートを設けることができる。図19の場合では、一対のシール部68c、68dの間におけるアノード側シール部材と相対応する位置に、連絡用ガス流路63cの上方を覆うカバープレートを設けることができる。
シール部材用溝へのシール部材の設置方法としては、セパレータ板の前記溝部にシール部材を一体に成形する方法やあらかじめ成形したシール部材を前記溝に嵌合する方法が挙げられる。
図26および図27は、他のアノード側シール部材を備えたアノード側セパレータ板50を示す。このシール部材76は、図14と同様のアノード側セパレータ板50の溝部50aに嵌合してセパレータと一体に結合されている。シール部材76のシール部材56と異なるところは、以下に示す第1のアノード側シール部に囲まれた部分、マニホールド孔53、54および55、並びに締結用ボルト穴51を除いて、セパレータ板50の主面を覆っていることである。シール部材76は、図16に示すシール部材56のリブ56aと同じ位置にリブ76aを有する。図26では、リブ76aはその頂部76bに相当する部分が1本の線で表されている。このシール部材76により、MEAを挟む一対のセパレータ板同士が接触して短絡が生じるのを防止することができる。
アノード側シール部材76は、ガス流路52bおよび一対の燃料ガス用マニホールド孔52の外周を囲んで1つの閉ループを構成する第1のアノード側シール部と、酸化剤ガス用マニホールド孔53、冷却水用マニホールド孔54、および予備用マニホールド孔55をそれぞれ独立に囲むマニホールド孔シール部73a、74aおよび75aと、カソード側セパレータ板60における連絡用ガス流路63cの両側を囲むシール部78c、78dとを有する。アノード側シール部材76は、さらにマニホールド孔シール部72aと73aをつなぐシール部79a、マニホールド孔シール部72aと74aをつなぐシール部79b、マニホールド孔シール部73aと75aをつなぐシール部79c、およびマニホールド孔シール部74aと75aをつなぐシール部79dを有する。
前記第1のアノード側シール部は、ガス流路52bの大部分を囲む電極シール部77、燃料ガス用マニホールド孔52の外側半分を囲むマニホールド孔シール部72a、およびマニホールド孔52とガス流路52bとを連絡する連絡用ガス流路52cの両側を囲むシール部78a、78bからなる。これらのシール部は、図16のシール部材のシール部に対応する位置にある。
また、図28に示すように、アノード側セパレータ板50の主面だけでなくさらに側面を覆い、セパレータ板50に対して図16と同じ位置にリブ86aを備えたアノード側シール部材86を設置してもよい。86bはリブ86aの頂部を表す。これにより、MEAを挟む一対のセパレータ板間の短絡および積層電池の組立後における短絡を防止することができる。
参考例1
(i)セパレータ板の作製
等方性黒鉛板を用いて機械加工により参考の形態1の図1および図2に示すアノード側セパレータ板10ならびに図3および図4に示すカソード側セパレータ板20を作製した。このとき、セパレータ板の厚さは3mm、ガスおよび冷却水用の流路の溝は、3mmピッチで溝幅2mmとした。
(ii)シール部材の作製
図5〜図8に示す参考の形態1と同様の粘着層を備えたシール用複合部材30、40を作製した。
金型に厚さ100μmのポリイミドフィルム4aを設置した。金型を締めた後、温度200℃、射出圧力150kgf/cm2の条件でフッ素ゴムを射出成形することにより、ポリイミドフィルム4a上に所定のシール部材36を形成した。同様に、厚さ100μmのポリイミドフィルム4b上に所定のシール部材46を形成した。二次架橋は200℃、10時間の条件で行った。その後、ブチルゴムからなる厚さ25μmの粘着層5aおよび5bをポリイミドフィルム4aおよび4b上にそれぞれ転写接合し、粘着層5aおよび5bの表面をポリプロピレン製の離型フィルムで覆った。
このとき、アノード側シール部材36の厚さは100μm、その幅は3mmとし、前記シール部材36主面からのリブ36aの高さは300μmとした。一方、カソード側シール部材46の厚さは、125μmとした。また、アノード側およびカソード側シール用複合部材30、40における燃料ガス、酸化剤ガス、冷却水および予備用のマニホールド孔32〜35および42〜45、締結用ボルト穴31、41、ならびに電極と対向する部分は抜き型で抜いた。
上記で得られた粘着層を備えたシール用複合部材30および40をそれぞれセパレータ板10および20に設置し、ホットプレスによりそれぞれ圧着させた。ホットプレスの条件は、温度が100℃、プレス荷重が2000kgf、加圧時間が1分間とした。
(iii)MEAの作製
アセチレンブラック系のカーボン粉末に、平均粒径約30Åの白金粒子を重量比4:1の割合で担持させ、電極用の触媒粉末を得た。この触媒粉末をイソプロパノール中に分散させたものと、パーフルオロカーボンスルホン酸の粉末をエチルアルコール中に分散させたものとを混合し、電極用ペーストを得た。スクリーン印刷法により、この電極用ペーストを原料として、厚さ250μmのカーボン不織布の一方の面に触媒層を形成し、電極を得た。この触媒層中に含まれる白金量は0.5mg/cm2、パーフルオロカーボンスルホン酸の量は1.2mg/cm2とした。
これらの電極は、正極および負極共に同一構成とした。印刷した触媒層を内側にして、面積が100cm2の一対の電極で水素イオン伝導性高分子電解質膜を挟み、ホットプレスすることにより、電解質膜・電極接合体(MEA)を作製した。水素イオン伝導性高分子電解質膜には、パーフルオロカーボンスルホン酸を25μmの厚さに薄膜化したものを用いた。
前記電解質膜のサイズは後述するセパレータ板のサイズと同様とし、高分子電解質膜には後述する一対の燃料ガス用マニホールド孔、冷却水用マニホールド孔、酸化剤ガス用マニホールド孔に対応する穴を打ち抜き型により形成した。
(iv)積層電池の作製
積層電池の要部縦断面図を図11に示す。
上記で得られたアノード側シール用複合部材30を備えたアノード側セパレータ板10およびカソード側シール用複合部材40を備えたカソード側セパレータ板20で、水素イオン伝導性高分子電解質膜1および前記電解質膜1を挟む一対のアノード2a、およびカソード2bからなるMEAを挟み単位電池を構成した。このとき、アノード側セパレータ板10のOリング溝12a〜15aにOリング3を設置した。そして、単電池を積層する際には、セパレータ板10の冷却水用の流路14bを有する面および隣接する単電池のセパレータ板20の冷却水用の流路24bを有する面を向き合うように重ねることにより、冷却部を設けた。
このようにして単電池を50セル積層し、その積層体の両端に集電板と絶縁板とを介してステンレス鋼製の端板を配し、締結ロッドにより700kgfの締結荷重で積層体を締結することにより積層電池を作製した。この積層電池を電池Aとした。
このとき、感圧紙でMEAとセパレータの面圧を確認した結果、MEAにかかる面圧は10kgf/cm2であった。この結果、シール部材における反力は200kgfであることがわかった。
電池Aについてガスのリークチェックを行った。出口側マニホールド孔を締め切り、入口側マニホールド孔からHeガスを0.5kgf/cm2の圧力で流入させ、そのときの流入ガス流量を調べた。空気側、燃料ガス側、冷却水側共にガスリークはなく、電池Aは流体シール性に問題のないことが確認された。
《比較例1》
等方性黒鉛板を用いて機械加工により、図13に示すような従来のOリング溝236a、246aを備えた一対のセパレータ板210、220を作製した。このとき、Oリング溝236a、246aの幅は1.5mm、深さは0.8mmとした。そして、所定の金型を用いて圧縮成形によりOリング236、246を作製した。なお、Oリングにはゴム硬度60のフッ素ゴムを用いた。
参考例1のセパレータ板10、20およびシール用複合部材30、40の代わりに、上記のOリング236、246およびセパレータ板210、220を用いた以外は、参考例1と同様の方法により積層電池を作製した。この積層電池を電池Bとした。なお、これ以外のスタック構成要素はOリング形状に合わせてサイズ変更を行った以外は、参考例1と同一の構成とした。
電池Bについて参考例1と同様の方法によりガスのリークチェックを行った。参考例1と同様に空気側、燃料ガス側、冷却水側共にガスのリークはなく、流体シール性に問題のないことが確認された。
参考例1の電池Aおよび比較例1の電池Bを85℃に保持し、アノード側に83℃の露点となるよう加湿・加温した水素ガスを、カソード側に78℃の露点となるように加湿・加温した空気をそれぞれ供給した。その結果、どちらの電池も電力を外部に供給しない無負荷時には、50Vの開放電圧を得た。
さらに、燃料利用率80%、酸素利用率40%、電流密度0.5A/cm2の条件で電池Aおよび電池Bの出力特性を調べた。その評価結果を図29に示す。本発明の参考例1の電池Aは、比較例の電池Bと同等の性能を有することが確認された。
参考例2
等方性黒鉛板を用いて機械加工により参考の形態2における図14および15のアノード側セパレータ板50およびカソード側セパレータ板60を作製した。このとき、アノード側セパレータ板50およびカソード側セパレータ板60に設けられたシール部材用溝50a、60aの幅は4mm、深さは1mmとした。また、セパレータ板50、60の厚さは3mm、両面に形成された流路の溝は、3mmピッチで溝幅2mmとした。
次に上記のセパレータ板50、60に所定のシール部材を成形して、参考の形態2における図16および図17に示すシール部材56を備えたアノード側セパレータ板50および図19および図20に示すシール部材66を備えたカソード側セパレータ板60をそれぞれ作製した。
セパレータ板へのシール部材の成形は、金型にセパレータ板を設置し金型を締め、温度200℃、射出圧力150kgf/cm2でフッ素ゴムを射出成形することにより行った。このとき、二次架橋は200℃、10時間の条件で行った。
アノード側シール部材56の厚さは、アノード側セパレータ板50の表面から100μmとし、その幅は4.5mmとした。そして、アノード側シール部材56のリブ56aの高さは、前記シール部材56の主面から300μmとした。一方、カソード側シール部材66の厚さは、カソード側セパレータ板60の表面から250μmとし、その幅は4.5mmとした。
高分子電解質膜を、セパレータ板よりも一回り小さい図16中の点線部分に示すようなサイズとした以外は、参考例1と同様の方法によりMEAを作製した。
上記で得られたセパレータ板およびMEAを用いて、参考例1と同様の方法により積層電池を作製した。この積層電池を電池Cとした。
電池Cについて参考例1と同様の方法によりガスのリークチェックを行った。空気側、燃料ガス側、冷却水側共にガスのリークはなく、積層電池としての流体シール性に問題のないことが確認された。
《比較例2》
図24に示すように、図16のシール部材56におけるシール部59a、59b、59cおよび59dを有しない他はシール部材56と同じ構成のシール部材96を備えたアノード側セパレータ板90を参考例2と同様の方法により作製した。一方、図25に示すように、図19のシール部材66におけるシール部69a、69b、69cおよび69dを有しない他はシール部材66と同じ構成のシール部材106を備えたカソード側セパレータ板100を参考例2と同様の方法により作製した。これらのセパレータ板を用いた以外は、参考例2と同様の方法により積層電池を作製した。この積層電池を電池Dとした。電池Dについて参考例1と同様の方法によりガスのリークチェックを行った。
シール部材96のリブ96aは電解質膜(図24中の点線部分)と接しない部分を有するから、ガス圧力5kPaのとき、それらの部分でガスのリークが検出された。これより、比較例2の電池Dに比べて参考例2の電池Cの方がシール性が優れていることがわかった。
電池Cおよび電池Dを85℃に保持し、アノード側に83℃の露点となるよう加湿・加温した水素ガスを、カソード側に78℃の露点となるように加湿・加温した空気を供給した。その結果、電力を外部に供給しない無負荷時には、本発明の参考例2の電池Cでは50V、比較例2の電池Dでは42.5Vの開放電圧を得た。このとき、比較例2の電池Dではガスのクロスリークが生じていることが確認された。
さらに、燃料利用率80%、酸素利用率40%、電流密度0.5A/cm2の条件で電池Cおよび電池Dの出力特性を調べた。その評価結果を図30に示す。比較例2の電池Dに対して参考例2の電池Cの方が優れた性能を有することがわかった。
参考例3
アノード側シール部材56のリブ56aの高さを、図18に示したように、高分子電解質膜に接する部分56a−1は主面から300μm、高分子電解質膜に接しない部分56a−2は主面から350μmとし、両者をつなぐ部分56a−3はなだらかな傾斜を有するようにした。この他は参考例2と同様にして電池C2を作製した。
本実施例の電池C2と参考例2の電池Cについて、参考例1と同様であるが計測圧力のみ変更してシール性の比較試験を行った。その結果、電池C2では300kPaまでリークが計測されなかったが、電池Cでは200kPaでマニホールドから外へリークが計測された。これにより参考例3の電池C2は、よりシール性に優れていることが判明した。
これは、高分子電解質膜の外側に位置するシール部位のシール締め代を膜厚分厚くしていることに起因している。ここで、シール締め代とは、シール部にシールのための十分な局部圧力を発揮するに必要な、圧縮されるべき厚さをいう。さらに膜厚分の段差が生じる部位については、シール高さをなめらかにつなぐことで、シール部位全域にわたって安定したシール締め代を確保することが可能になり、シール性が向上したことによる。
参考例4
参考例2と同様にアノード側セパレータ板50およびカソード側セパレータ板60を作製した。参考例2と同様のアノード側シール部材56およびカソード側シール部材66を別途作製した。
上記で作製したシール部材56、66をセパレータ板50、60の溝50a、60aに嵌合させることにより、セパレータ板50、60にシール部材56、66をそれぞれ設けた。このとき、従来のOリング型のガスケットに対して本実施例のシール部材は幅があるため、組み付け時のハンドリングは良好であった。
上記で得られたアノード側セパレータ板50およびカソード側セパレータ板60を用いた以外は、参考例2と同様の方法により積層電池を作製した。この電池を電池Eとした。
電池Eについて参考例1と同様の方法によりガスのリークチェックを行った。空気側、燃料ガス側、冷却水側共にガスのリークはなく、流体シール性に問題のないことが確認された。
電池Eを85℃に保持し、アノード側に83℃の露点となるよう加湿・加温した水素ガスを、カソード側に78℃の露点となるように加湿・加温した空気を供給した。その結果、電力を外部に供給しない無負荷時には、50Vの開放電圧を得た。
この電池Eについて参考例1と同様の条件で出力特性を調べた。この評価結果を比較例1の電池Bとともに図31に示す。本参考例の電池Eは、比較例1の電池Bと同等の性能を有することが確認された。
また、シール部材とセパレータ板との接着性を上げるために、本参考例のシール部材におけるセパレータ板との接合面に、ブチルゴムからなる粘着剤を塗布してもよい。このシール部材を用いた場合でも、本参考例と同等の性能が確認された。
このとき、シール部材とセパレータ板の一体化品に激しく振動を与えてもシール部材とセパレータ板が分離することはなかった。また、組立時に加えられる振動等の衝撃はセパレータ板とシール部材との一体化品に対して問題がないことが確認された。
参考例5
参考の形態2の図26および図27に示すアノード側シール部材76を参考例2と同様の方法によりアノード側セパレータ板50に設けた。
このとき、アノード側シール部材76の厚さはアノード側セパレータ板50の表面から100μmとし、シール部材76上に設けたリブ76aの高さは前記シール部材76の主面から300μmとした。
なお、組み立て工程の中でセパレータ板にシール部材を覆わない箇所が必要であれば、実質的に全面を覆っているガスケットの一部を削除したり、成形時にあらかじめシール部材を成形しない箇所を設けてもよい。
上記のアノード側シール部材を用いた以外は、参考例2と同様の方法で積層電池を作製した。この積層電池を電池Fとした。
電池Fについて参考例1と同様の条件でガスのリークチェックを行った。空気側、燃料ガス側、冷却水側共にガスのリークはなく、流体シール性に問題のないことが確認された。
電池Fを85℃に保持し、アノード側に83℃の露点となるよう加湿・加温した水素ガスを、カソード側に78℃の露点となるように加湿・加温した空気を供給した。その結果、電力を外部に供給しない無負荷時には、50Vの開放電圧を得た。
また、この電池Fを参考例1と同様の条件で出力特性を調べた。その評価結果を比較例2の電池Dとともに図32に示す。その結果、比較例2の電池Dよりも本参考例の電池Fの方が優れた性能を有することが確認された。
さらに、アノード側セパレータ板の主面がシール部材で覆われているため、導電性を有する異物が入っても短絡は起こらなかった。
参考例6
参考の形態2における図28に示すアノード側シール部材86を参考例2と同様の方法によりアノード側セパレータ板50に設けた。このとき、アノード側セパレータ板50の側面に設けられたアノード側シール部材86の厚さは100μmとした。
上記のアノード側シール部材86を用いた以外は、参考例2と同様の方法により積層電池を作製した。この積層電池を電池Gとした。
電池Gについて参考例1と同様の方法によりガスのリークチェックを行った。空気側、燃料ガス側、冷却水側共にガスのリークはなく、流体シール性に問題のないことが確認された。
電池Gを85℃に保持し、アノード側に83℃の露点となるよう加湿・加温した水素ガスを、カソード側に78℃の露点となるように加湿・加温した空気を供給した。その結果、電力を外部に供給しない無負荷時には、50Vの開放電圧を得た。
この電池Gについて参考例1と同様の条件で出力特性を調べた。この評価結果を比較例2の電池Dとともに図33に示す。その結果、本参考例の電池Gは、比較例2の電池Dよりも優れた性能を有することが確認された。
また、アノード側セパレータ板の主面がシール部材86で覆われているため、導電性を有する異物が入っても短絡は起こらなかった。さらに、アノード側セパレータ板50の側面がシール部材86で覆われているため、積層電池の表面に導電性を有する異物が存在しても短絡は起こらず、積層電池を使用する際に感電する危険性が低減された。
実施の形態1
図34は本実施の形態による燃料電池のカソード側セパレータ板の正面図、図35はその背面図、図36はアノード側セパレータ板の正面図である。
カソード側セパレータ板110は、一対の酸化剤ガス用マニホールド孔111、一対の燃料ガス用マニホールド孔112、一対の冷却水用マニホールド孔113、および締結ボルトを通すための4個のボルト孔119を有する。セパレータ板110のカソードに対向する面には、一対のマニホールド孔111に連なるガス流路115を有する。セパレータ板110は、背面に、一対の冷却水用マニホールド孔113に連なる冷却水の流路114を有する。セパレータ板110は、背面に、さらに、マニホールド孔113および流路114を囲むシール部材用の溝116、並びに、マニホールド孔111および112をそれぞれ囲むシール部材用の溝117および118を有する。セパレータ板110は、さらにマニホールド孔113とのバランスを保つため、一対のダミーのマニホールド孔113Bを有する。
アノード側セパレータ板120は、一対の酸化剤ガス用マニホールド孔121、一対の燃料ガス用マニホールド孔122、一対の冷却水用マニホールド孔123、ダミーのマニホールド孔123B、および締結ボルトを通すための4個のボルト孔129を有する。セパレータ板120のアノードに対向する面には、一対のマニホールド孔122に連なるガス流路124を有する。セパレータ板120は、図示しないが、背面には、カソード側セパレータ板と同様に、一対の冷却水用マニホールド孔123に連なる冷却水の流路、マニホールド孔123および冷却水の流路を囲むシール部材用の溝、並びに、マニホールド孔121および122をそれぞれ囲むシール部材用の溝を有する。
カソード側シール部材150は、図37に示すように、カソード側セパレータ板110の一対の酸化剤ガス用マニホールド孔111からガス流路115にわたる部分を囲むんで閉ループを構成する細い帯状の部片151を有する。カソード側シール部材150は、さらに、燃料ガス用マニホールド孔112を囲むリング状の部片152、部片152を部片151へ連結する縦の部片158および横の部片154、冷却水用マニホールド孔113およびダミーのマニホールド孔113Bをそれぞれ囲む相互につながったリング状の部片153および153B、ならびに部片153および153Bの端部を部片151へ連結する帯状部片156および157を有する。シール部材150は、図39に示すように、粘着剤の層161、樹脂フィルム162およびゴム層163の三層構造である。そして、部片151は、内側が薄く、外側が厚くなる断面をもつくさび型である。部片152、153および153Bは、内側すなわちマニホールド孔側が厚く、外側が薄い断面を持つくさび型である。
また、部片154、156、157および158は同じくくさび型の断面を有する。厚い方は内側、外側いずれでもよいが、内側が厚く、外側が薄い断面を持つようにするのが好ましい。
アノード側シール部材180は、図38に示すように、アノード側セパレータ板120のマニホールド孔121、122、123、123Bおよび孔129にそれぞれ連通するマニホールド孔181、182、183、183Bおよび孔189、並びにアノードに対応する切り欠き部184を有する。シール部材180は、図40に示すように、シール部材150と同様に、粘着剤の層191、樹脂フィルム192およびゴム層193の三層構造であるが、全体に同一厚さの平板からなる。
カソード側セパレータ板110は、カソードと対向する面の上に、カソード側シール部材150を粘着剤の層を下にして重ね合わせ、ホットプレスにより圧着する。同様に、アノード側セパレータ板120は、アノードと対向する面の上に、アノード側シール部材180を粘着剤の層を下にして重ね合わせ、ホットプレスにより圧着する。こうしてシール部材を接合したカソード側セパレータ板およびアノード側セパレータ板をそれぞれ図41および図42に示す。
これらシール部材を接合したセパレータ板により、高分子電解質膜およびこれを挟む一対の電極からなるMEAを挟んで単電池を構成する。隣接する単電池間には、カソード側セパレータ板とアノード側セパレータ板の背面同士の接合部に冷却部を設ける。前記のセパレータ板間には、図35に示す溝116、117および118に対応する部分にOリングを填め込む。この組み立て手順を以下に説明する。
まず、ガイドピンを立てた組み立て用治具をセットし、その上にシール部材が付いたアノード側セパレータ板120を置く。次に、MEAをガイドピンに沿ってセットする。その際アノードのガス拡散層がシール部材180の切り欠き部184の縁部に乗り上げないよう慎重に組み付ける。
治具にセットされたガイドピンと、組み付けるそれぞれの部品との間にはクリアランスがある。特に、MEAは組み立てる環境の湿度により大きく寸法が変化するため、クリアランスは大きくとる必要がある。MEAを安定的に組み付けるには、ガイド部のクリアランスは1mm必要である。
MEAをセットした後に、カソード側セパレータ板110を組み付ける。セパレータ板は不透明であるため、MEAのカソードのガス拡散層とシール部材が接する様子を直接観察できないため、ガイドピンにしたがって組み付けを行う。この際、MEAのカソードのガス拡散層がカソード側シール部材150の中心にセットされることが望ましい。しかし、治具のクリアランス、MEAの寸法誤差、セパレータ板の寸法誤差の集積により位置ずれが発生する。
従来の平板状のシール部材であれば、想定される位置ずれの上限付近では、ガス拡散層がシール部材に乗り上げ、シール性を確保できない。組み付け性を向上させるため、クリアランスを大きくとれば、ガスがそのクリアランスを通り電極に供給されなくなる。
一方、本発明によるくさび形状断面のシール部材を用いた場合は、寸法ずれによりシール部材150の低い部位163Lにガス拡散層が少し乗り上げても、くさび形状の高い部位163Hによってシールが行われるため、シール部材150の部片151の外側へのガス漏れはなく、シール性は確保可能となる。さらに、シール部材がくさび型であるために、シール部材とガス拡散層とのクリアランスは、セパレータ板の平面方向には大きく取れるものの、高さ方向には小さく抑えることができる。従って、ガスの吹き抜け、すなわちガス流路を通らずにクリアランス部を通ることによる発電性能の低下も起こらない。
以上の説明から明らかなように、部片151のうち、カソードを囲む部分、すなわち図37に斜線で示した部分において、内側が薄く、外側が厚くなる断面をもつくさび型であることが好ましい。部片151のその他の部分は、内側、外側いずれが薄くなるようなくさび型でもよいが、電極を囲む部分と同じように、内側が薄く、外側が厚くなる断面をもつのが好ましい。
本発明によるシール部材を用いた電池の組み立ては、上記のように、ガイドピンを有する治具上に、まずシール部材を接合したアノード側セパレータ板を置き、次いで、MEAをガイドピンに沿ってセットし、しかる後にカソード側セパレータ板を組み付けるという手順をとる。この手順によれば、アノードのガス拡散層がシール部材180の切り欠き部184の縁部に乗り上げないよう目視により慎重に組み付けることができる。こうして反応ガスの利用率が大きなアノード側における組み付け誤差による圧力損失のばらつきを少なくすることができる。一方、カソード側では、組み付けに際して、カソードのガス拡散層とシール部材が接する様子を直接観察できないが、くさび型断面のシール部材を用いることにより、組み付け誤差によるガス漏れを阻止することができる。
《実施例1》
アセチレンブラック系カ−ボン粉末に、平均粒径約30Åの白金粒子を25重量%担持した。この触媒粉末とパーフルオロカーボンスルホン酸粉末のエタノール分散液を混合し、厚み250μmのカ−ボン不織布の一方の面に塗布、乾燥し、電極触媒層を形成した。形成後の電極中に含まれる白金量は0.5mg/cm2、パーフルオロカーボンスルホン酸の量は1.2mg/cm2とした。
このようにして作製した同じ構成のカソードとアノードを、これら電極より一回り大きい面積を有する水素イオン伝導性高分子電解質膜の中心部の両面に、印刷した触媒層が電解質膜に接するようにホットプレスによって接合して、電解質膜電極接合体(MEA)を作製した。水素イオン伝導性高分子電解質膜として、パーフルオロカーボンスルホン酸を175μmの厚みに薄膜化したものを用いた。電解質膜のサイズは後述するセパレータ板のサイズと同じとし、電解質膜には後述する燃料ガス用、冷却水用、および酸化剤ガス用の各マニホールド孔に対応する孔を打ち抜き型により加工した。
本実施例で作製した燃料電池の各構成要素の構造を以下に説明する。
カソード側セパレータ板110およびアノード側セパレータ板120は、厚さ3mmの気密な等方性黒鉛板に機械加工によりガス流路、マニホールド孔を形成して、上記に説明した構造に作製した。ガス流路および冷却水の流路は、溝幅1.5mm、ピッチ3mmである。酸化剤ガスの流路は並行する7本の溝、燃料ガスの流路は並行する4本の溝、また冷却水の流路は並行する6本の溝からそれぞれ形成されたサーペンタイン型である。
次に、アノード側シール部材180は、一方の面に25μm厚のブチルゴムからなる粘着剤層191を有し、他方の面に125μm厚のフッ素ゴムの層193を有する、厚さ100μmのポリイミドフィルム192からなるシートを用いた。このシートにマニホールド孔、締結用ボルト孔、および電極に対応する部位(切り欠き部184)を抜き型で抜いてシール部材を作製した。電極に対応する個所の寸法は、電極部とのクリアランスが片側で0.25mmとなるようにした。
カソード側シール部材150は、厚さ100μmのポリイミドフィルム162の上に、フッ素ゴム163をシールが必要な個所を囲むように成形することにより作製した。フッ素ゴム163は、幅が3mmで、高い方の高さが300μm、低い方の高さが50μmのくさび型断面形状を持っている。すなわち、実施の形態1で説明したように、部片151は、内側が薄く、外側が厚くなる断面をもつようにした。また、部片152、153および153Bは、内側が厚く、外側が薄くなるようにした。ポリイミドフィルムへのフッ素ゴムの成形は、金型にポリイミドフィルムをセットして金型を締め、温度200℃、射出圧力150kgf/cm2でフッ素ゴムを成型し、二次架橋は200℃で10時間行った。その後、25μm厚のブチルゴムからなる粘着剤層161をポリイミドフィルムに転写接合し、粘着剤層の面はポリプロピレン製の離型フィルムでカバーした。このシートは、その後抜き型で抜いて、マニホールド孔、締結用ボルト孔、および電極に対応する部位を形成した。電極に対応する個所の寸法は、電極部とのクリアランスが片側で0.25mmとなるようにした。
こうして作製したシール部材150および180をそれぞれセパレータ板110および120にセットし、ホットプレスによりシール部材をセパレータ板に圧着させた。このとき温度は100℃、プレス荷重は2000kgf、加圧時間は1分であった。
次に、上記に説明したように、ガイドピンを立てた組み立て用治具を準備し、そのガイドピンに沿ってアノード側セパレータ板、MEA、カソード側セパレータ板を順に組み付け、単電池を50セル積層した。MEAの電極面積は100cm2である。このセルスタックを、集電板および絶縁板を介してステンレス鋼製の端板で挟み、締結ロッドにより700kgfの締結荷重で締結した。このとき感圧紙でMEAとセパレータ板の締結面圧を確認した結果、MEAにかかる面圧は10kgf/cm2であった。この結果、シール部材での反力は200kgfであることがわかった。
このようにして作製した積層電池についてガスのリークチェックを行った。このときのリークチェックは、流路の出口側マニホールドを締め切り、入口側マニホールドからHeガスを0.5kgf/cm2の圧力で流入させ、そのときの流入ガス流量で評価した。酸化剤ガス側、燃料ガス側、冷却水側共にガスリークはなく、積層電池としての流体シール性に問題のないことが確認された。
《比較例3》
従来の平板状のシール部材を酸化剤ガス側のシールに用いた例を説明する。酸化剤ガス側のシール部材が平板になった以外は実施例1と同じである。実施例1と同様に組み立て治具を用いて単電池を50セル積層した後、同様にリークチェックを行った。締結荷重は2000kgfでMEAにかかる面圧が10kgf/cm2であったため、締結は2000kgfで行った。その結果、一部のセルにおいてガスの外部へのリークや酸化剤ガス側から燃料ガス側へのクロスリーク、あるいはその両方が発生し、シール不良が生じた。リークチェック条件は実施例1と同じである。
この試験を実施後、実施例1の電池と比較例3の電池を分解したところ、両電池ともにMEAのカソード側ガス拡散層がカソード側シール部材の中心から多少ずれて組み付けられていた。実施例1の電池では、シールする部位がシール部材のくさび型断面の高い部位によって行われているため、多少シール部材にガス拡散層が乗り上げても、組み付け時のガス拡散層のずれ範囲ではシール性が確保可能であることがわかった。一方、比較例3の電池では、同様にガス拡散層とシール部材がずれていたが、平板状のシール部材では、一部でもガス拡散層がシール部材に乗り上げるとシール性が損なわれ、シール不良を招いていることがわかった。
次に、上記比較例3の電池のシール不良を起こしているセルを取り除き、リークチェックにより正常動作が可能な30セルを選び、その30セルの積層電池を作製した。これと実施例1の50セル積層電池について電池性能を以下のようにして評価した。
これら実施例1の電池および比較例3の燃料電池を75℃に保持し、70℃の露点となるよう加湿・加温した水素ガスをアノードに、60℃の露点となるように加湿・加温した空気をカソードにそれぞれ供給した。その結果、両電池とも電流を外部に出力しない無負荷時には、実施例1の電池では50V、比較例3の電池では30Vの電池開放電圧を得た。クロスリーク、ショート等の不具合がないことが確認された。
これらの電池を燃料利用率80%、酸素利用率40%、電流密度0.3A/cm2で発電を開始させた。そして、燃料ガスの加湿を露点70℃と一定にし、空気の加湿度合いを60℃から5℃刻みで変更し、各条件で24時間発電させた。各電池の電圧の安定性を図44に示す。比較例3の積層電池は、酸化剤ガス側の露点が70℃以上の条件で出力電圧が不安定となり、75℃の露点では出力電圧の低下が確認された。これに対し実施例1の電池は、75℃の露点まで安定した出力電圧が確認された。酸化剤ガス側の圧力損失は、比較例3の電池は実施例1の電池に比較し5%高く、70℃ 以上の露点では圧力損失の振動が確認された。
上で評価した積層電池を分解してセパレータ板のガス流路を確認したところ、比較例3の電池では、カソード側セパレータ板のガス流路には実施例1の電池に比較して多くの水滴が存在していた。
《比較例4》
比較例3の電池におけるカソード側シール部材とガス拡散層とのクリアランスを片側0.25mmから1.0mmに拡大した電池を作製した。ガス拡散層とシール部材とのクリアランスを拡大した以外は、比較例3の電池と同じ構成の30セル積層の電池を作製した。
この電池を上記と同じ条件で評価したところ、電池開放電圧は30Vであり、酸化剤ガスの露点を変化させた出力特性は、図45に示す結果を得た。比較例4の電池は、比較例3の電池に比べて露点75℃まで安定した出力電圧が確認された。ただし、安定した条件での出力電圧の絶対値は、比較例3より低いものであった。酸化剤ガス側の圧力損失の振動は見られなかった。
比較例4の電池を評価後分解し、カソード側セパレータ板のガス流路を観察したところ、実施例1の電池と同等な水滴の存在状況であった。
固体高分子電解質型燃料電池では、カソード側で発電に伴う生成水が発生する。電池を安定的に発電させるためには、生成水を速やか、かつ安定的に排出することが重要である。生成水の排出が安定的でないと、反応ガスの供給が不安定となり、出力電圧が変動する。また、最悪の場合、反応ガスが供給されないために、電池が転極を引き起こし、電池の不可逆劣化を引き起こすこともある。
実施例1と比較例3および4の評価、分析結果から、カソード側のガス拡散層とシール部材周囲とのクリアランスが生成水の排出に有効であり、安定した出力電圧を得る効果があることがわかった。
ただし、クリアランスが大きすぎると、電極反応に寄与せずにクリアランス部を通るガスの吹き抜けが大きくなり、出力電圧自体が低下することも確認された。その点、実施例1の電池は、必要かつ性能低下を引き起こさないクリアランスをカソード側に確保するに好適であることが確認された。
実施例1で用いたくさび型断面をもつシール方式は、O−リングを用いたシール方式に比較し、O−リングを嵌合する溝の必要性がないため、その分セパレータ板の厚さを薄くし、積層電池をコンパクトにできることは言うまでもない。
《実施例2》
実施例1と同じMEA、シール部材およびセパレータ板を用い、実施例1と同様にして20セル積層した。ただし、電極とシール部材の間の片側クリアランスが表1に示すように5つのパターンのセルスタックを作製した。それぞれのパターンのセルスタックの組み付け性を表2に示す。
以上の各セルスタックを集電板と絶縁板を介してステンレス鋼製の端板で挟み、締結ロッドにより2000kgfの締結荷重で締結した。このとき感圧紙でMEAとセパレータ板の締結面圧を確認した結果、MEAにかかる面圧は10kgf/cm2であった。
このようにして作製した積層電池について、実施例1と同じ条件で、ガスのリークチェックを行った。また、リークチェック後の積層電池を分解した。これらの結果も表2に示す。
この結果より、組み付け性、シールの信頼性の観点から、シール部材とガス拡散層とのクリアランスはパターン3以上、すなわち片側クリアランス(cl)が0.25mm以上であることが好ましいことがわかる。パターン3の電池を実施例1と同様の条件で評価したところ、電池開放電圧で20Vが得られ、クロスリーク、ショート等の問題がないことが確認された。さらに、酸化剤ガス側の露点を変えた場合の出力電圧特性は、露点75℃まで安定した高い出力電圧14V(単位セル当たり0.7V)を得ることが確認された。
次に、セパレータ板の流路のパターンの違いと、ガス拡散層とシール部材間のクリアランスのパターンの違いで、単電池の圧力損失ばらつきを評価した。流路の形成方法、シール部材の作製方法、セルの組み立て方法、電池部材の構成は上述の方式と同様である。評価を行った組み合わせを表3に示す。圧力損失のばらつきは、常温で反応ガス利用率を40%とした場合に想定される反応ガス流量に相当するドライ窒素ガスを入口側マニホールドから供給し、入口側マニホールドと出口側マニホールド間の圧力損失を計測した。評価結果を表4および図46に示す。
図46は、ガス拡散層とシール部材との間に生じるクリアランスと、ガス流路との関係を、圧力損失のばらつき幅に着目して整理したグラフである。パラメーターは、カソード側セパレータ板のガス流路の長さ(L)、ガス流路の断面積の水力直径(D)、ガス流路のパス数(P)、クリアランス部の断面積の水力直径(d)、クリアランス部の長さ(l)で規定される値の比を考案し整理した。その結果、図46に示すように、圧力損失ばらつきが0.27を境に急激に減少する傾向を有することがわかった。ここで、ガス流路は1またはそれ以上の溝から構成され、「パス」とはそのガス流路の各溝を表す。
図43はガス拡散層とシール部材との間に生じるクリアランス部を示すモデルである。高分子電解質膜203を挟むカソード201およびアノード202の外周に、それぞれカソード側シール部材150およびアノード側シール部材180が位置する。これらをカソード側セパレータ板110とアノード側セパレータ板120で挟んでいる。カソード201とシール部材150の間のクリアランスがl1で、アノード202とシール部材120間のクリアランスがl2で示されている。カソード201とシール部材150間のクリアランス部の断面がSで示されている。カソード側の水力直径は、次式で表される。
水力直径=(断面Sの面積)÷(断面Sの周長さ)×4
図47は、圧力損失ばらつきをもった単電池を50セル積層した電池Mの出力電圧特性を示す。この積層電池は、実施例1と同じセパレータ板を用い、シール部材は平板状のものを用いた。ガス拡散層とシール部材との間のクリアランスを調整して圧力損失のばらついた単電池を選別し、積層電池として組み上げた。その他の部材の構成は実施例1と同じである。
図47には、比較例として、圧力損失ばらつきが0.5kPa以内に収まっている50セルを積層した電池Nの出力電圧特性も併記した。比較例の結果より、圧力損失ばらつきが少ない場合には、出力電圧は各単電池でそろっており、ばらつきが少ないことが確認された。このことから、この積層電池のマニホールド構成およびガスフロー構成が各単電池に反応ガスを等分配することに問題がないことが確認された。
圧力損失ばらつき幅が1.5kPa付近を境にそれ以上増加した場合、出力電圧の低下が確認された。これは、積層電池内で圧力損失にばらつきがあるため、反応ガス分配に差が生じ、反応ガスの流量が少ないセルの発電能力が低下したことに起因するものである。すなわち、積層電池内に組み込む単電池の圧力損失ばらつきを1.5kPa以内の収めることが積層電池性能の高出力化、安定化に有効であることが確認された。
積層電池での出力電圧特性と圧力損失ばらつきの関係、および上で考察したパラメーター(流路長さと流路断面積の水力直径、流路パス数とクリアランス部の断面積の水力直径とクリアランス部の長さで規定される値の比)すなわち( (l/d)/(L/D/P×2) )と単位電池での圧力損失ばらつきの関係から、以下の式(3)を満足するクリアランスを確保することが重要であることを見出した。
0.27<(l/d)/(L/D×2/P) (3)
この式よりシール部材とガス拡散層間のクリアランスの水力直径dは、式(1)を満たすことが必要であると定義される。
d<(D×l×P)/0.54L (1)
本実施例の結果より、シール部材とガス拡散層間の片側クリアランスclは、組み付け性、シール信頼性の観点から0.25mm以上必要であり、積層電池の高出力化、安定化のために、片側クリアランスの水力直径dは式(1)を満足するクリアランスを確保することが重要である。
上記項目を満足する構成は、形状を問わないが、実施例1で適用したくさび断面をもつシール部材の構成が好適であり、かつこれをカソード側シール部材に用いることが好適であった。
《実施例3》
実施例1と同じMEA、シール部材およびセパレータ板を用い、実施例1と同様にして20セル積層して8種のセルスタックを作製した。これらのセルスタックは、電極とシール部材の間のクリアランスが異なり、従って、クリアランス部に生じる圧力損失Pcとセパレータ板のガス流路に生じる圧力損失Pfが、表5に示すように、異なっている。圧力損失の比Pc/Pfは、同じ種類のセルスタックでは、アノードおよびカソードで同じになるように設計した。セルスタックgおよびhでは、ガス流路のパターンは他のセルスタックと同じであるが、流路の断面積を大きくした。
ここで、クリアランス部及びガス流路に発生する圧力損失は、それぞれの種類のセルスタックの単セルについてあらかじめ計測した。それらを積層電池でのクリアランス部に生じる圧力損失Pcとセパレータ板のガス流路に生じる圧力損失Pfとした。具体的には、セパレータ板の流路のパターンの違いと、ガス拡散層とシール部材の間のクリアランスのパターンの違いで、単セルの圧力損失ばらつきを評価した。セルのガスの入口側と出口側とに、圧力を計測できるよう計測用圧力導入口を設けて、圧力損失を計測した。クリアランス部の圧力を計測する際は、セパレータ板のガス流路のうち電極に対応する部分およびガス拡散層には、シリコーン接着剤により目止めをした。また、ガス流路の圧力を計測する際は、クリアランス部とガス拡散層にシリコーン接着剤により目止めをした。圧力損失は、常温で反応ガス利用率を40%とした場合に想定される反応ガス流量に相当するドライ窒素ガスを入口側マニホールドから供給して計測した。
以上の各セルスタックを集電板と絶縁板を介してステンレス鋼製の端板で挟み、締結ロッドにより2000kgfの締結荷重で締結した。このとき感圧紙でMEAとセパレータ板の締結面圧を確認した結果、MEAにかかる面圧は10kgf/cm2であった。
このようにして作製した積層電池について、参考例1と同じ条件で、ガスのリークチェックを行った。その結果、どのセルスタックにおいてもシール性には問題はなかった。
次に、それぞれのセルスタックを発電させ、そのときの電圧の安定性を評価した。その結果を表5に併せて示す。
この結果より、クリアランス部の圧力損失Pcとガス流路部の圧力損失Pfとの比が0.9を境にセル電圧の安定性が大幅に変化していることがわかる。
本来、クリアランス部の圧力損失は大きく、即ちPc/Pfの値は大きく、従ってクリアランス部に流れるガス量は少なくなるように設計される。クリアランス部の圧力損失が小さい場合、即ちPc/Pfの値が小さい場合は、発電に必要なガスがクリアランス部を通過してしまい、本来流れるべきガス流路に流れにくくなる。その結果、発電に必要なガスが電極に供給されずに、電圧が不安定になる。
本発明者らは、Pc/Pfの値がある程度小さい場合においても、燃料電池の運転が可能であることを見いだした。すなわち、高分子電解質型燃料電池の発電時には、一般に、ガスは水分を含んでいる。一部では液滴等にもなっていることが想定される。従って、ガスの流れは二層流状態を呈している。クリアランス部の圧力損失とガス流路部の圧力損失の比Pc/Pfが小さく、乾燥ガスであると、発電量に見合う量より少ない量のガスが流れるような条件下においても、前記の二層流の状態では、Pcが増大する。このため、クリアランス部を通過するガスの量が下がり、運転が可能になる。
以上のように、本発明者らは、実用的に運転が可能な領域が、クリアランス部の圧力損失Pcとガス流路部の圧力損失Pfとの比で整理できることを見いだした。すなわち、0.9<Pc/Pfであることが有効であることを見いだした。
本発明の高分子電解質型燃料電池は、コンパクトなシール部材で優れた気密性を発揮し、高信頼性であり、低コストで生産できる。従って、ポータブル電源、電気自動車用電源、家庭内コージェネレーションシステム等に利用できる。
1 水素イオン伝導性高分子電解質膜
2a アノード
2b カソード
4a、4b ポリイミドフィルム
5a、5b 粘着層
10、50 アノード側セパレータ板
20、60 カソード側セパレータ板
12、22、32、42、52、62 燃料ガス用マニホールド孔
13、23、33、43、53、63 酸化剤ガス用マニホールド孔
12b、23b、52b、63b ガス流路
12c、23c、52c、63c 連絡用ガス流路
36、56、76 アノード側シール部材
36a、56a、76a リブ
30 アノード側シール用複合部材
40 カソード側シール用複合部材
46、66 カソード側シール部材
50a、60a シール部材用溝

Claims (5)

  1. 水素イオン伝導性高分子電解質膜、ならびに前記高分子電解質膜を挟むアノードおよびカソードを有する膜電極接合体と
    ノードに燃料ガスを供給し排出するガス流路を有するアノード側セパレータ板と
    ソードに酸化剤ガスを供給し排出するガス流路を有するカソード側セパレータ板と、
    前記アノード側セパレータ板のアノード側表面に設けられたアノード側シール部材と、
    前記カソード側セパレータ板のカソード側表面に設けられたカソード側シール部材と、を具備し、
    前記アノード側シール部材及び前記カソード側シール部材は、互いに対応する部分において、一方は線状の頂部を有するリブを有し、他方は面状の形状を有しており、
    前記リブは、前記アノードまたは前記カソードを囲む部分において、内側が薄く、外側が厚くなる断面を有するくさび型である、高分子電解質型燃料電池。
  2. 前記燃料ガスの流路と連絡された一対の燃料ガス用マニホールド孔、および前記酸化剤ガスの流路と連絡された一対の酸化剤ガス用マニホールド孔を有しており、
    前記一方のシール部材はカソード側シール部材であり、
    前記カソード側シール部材は、
    前記酸化剤ガスの流路および前記一対の酸化剤ガス用マニホールド孔をそれぞれ囲んで閉ループを構成する帯状の第1の部片と、
    前記一対の燃料ガス用マニホールド孔をそれぞれ囲んで閉ループを構成する一対の帯状の第2の部片と、
    第1の部片および第2の部片を連結する帯状の第3の部片と、からなり、
    前記第1の部片は、内側が薄く、外側が厚くなる断面をもつくさび型であり、
    前記第2の部片は、内側が厚く、外側が薄くなる断面をもつくさび型である、請求項1に記載の高分子電解質型燃料電池。
  3. 前記カソード側シール部材の前記カソードを囲む部分と前記カソードとの間に生じる片側クリアランスclとそのクリアランス部の水力直径dが次式(1):

    d<(D×l×P)/0.54L (1)
    ただし、
    l:片側クリアランス部の長さ
    d:片側クリアランス部の水力直径
    L:カソード側セパレータ板の1パス当たりのガス流路の長さ
    D:カソード側セパレータ板の1パス当たりのガス流路の水力直径
    P:カソード側セパレータ板当たりのガス流路のパス数
    水力直径d=(クリアランス部の断面積)÷(クリアランス部の断面部分の周長)×4

    を満たす請求項1又は2に記載の高分子電解質型燃料電池。
  4. さらに片側クリアランスclが次式(2):
    0.25mm<cl (2)
    を満たす請求項1〜3のいずれか1項に記載の高分子電解質型燃料電池。
  5. 電極とガスシール部材との間のクリアランスに基づく圧力損失Pcと電極に対応するガス流路で生じる圧力損失Pfとの比Pc/Pfが0.9より大きい、請求項1〜4のいずれか1項に記載の高分子電解質型燃料電池。
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