JP3660437B2 - 燃料電池及び燃料電池用セパレータ - Google Patents

燃料電池及び燃料電池用セパレータ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は固体高分子電解質膜を備えた燃料電池及び燃料電池用セパレータに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、水素ガス等の燃料ガスを活物質として用いて電気エネルギを取り出す燃料電池の開発が盛んに進められている。燃料電池では、図7に示すように単位電池200、セパレータ300が厚み方向に複数個並設されている。単位電池200は、正極及び負極を構成する一対の電極100と、一対の電極100に挟装されたイオンが透過する固体高分子電解質膜102とからなる。
【0003】
セパレータ300は、正極に対面する正極室301と、負極に対面する負極室302とを区画する。負極室302に、負極活物質を含む流体(例えば水素含有ガス)が供給されると共に、正極室301に、正極活物質を含む流体(例えば空気)が供給される。負極で生成されたプロトンは水の介在のもと固体高分子電解質膜102を移動して正極に向かうと共に、放出された電子が外部電気回路を経て正極に移動し、正極上で正極活物質を含む流体中の酸素と反応し、水を生成し、燃料電池外へ排出される。このとき、外部回路を流通した電子の流れが直流の電気エネルギとして利用できる。
【0004】
セパレータ300は、活物質を含む流体を仕切る機能と、電極100に対して集電する機能とを有する。よってセパレータ300は、導電率が良好な緻密質カーボン、ステンレス鋼等の導電材料で形成されている。以上が燃料電池の基本構成である。
ところで上記した燃料電池で使用されるセパレータ300では、図示はしないが、厚み方向に貫通し活物質を含む流体が供給される活物質通過孔が形成されている。そして図8に示すように、活物質通過孔と正極室とをつなぐ連通路400に別体の通路形成板402を宛てがい、弾性に富むガスケット404をその通路形成板402に宛てがい、厚み方向にガスケット404を締め付けてシールする方式のものが提供されている(実開平5−66875号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記した構造では、図8から理解できるように、公差等の影響で、セパレータ300と通路形成板402の端面との間に嵌合隙間Aが生成され易い。更にセパレータ300と通路形成板402の表面との間に厚み方向の段差Bが生成され易い。この場合シール性が低下し、耐リーク性が低下する。
【0006】
殊に、段差Bの影響を受ける領域Kaでは面圧が不足しがちであり、ガスケット404の締め代の不足が誘発され易く、シール性が低下し、活物質を含む流体に対して耐リーク性が低下する傾向となる。
本発明は上記した実情に鑑みなされたものであり、活物質を含む流体に対して耐リーク性を向上させるのに有利な燃料電池及び燃料電池用セパレータを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る燃料電池は、正極及び負極を構成する一対の電極と、一対の電極に挟装された固体高分子電解質膜とからなり所定間隔隔てて厚み方向に複数個並設された単位電池と、
単位電池間を仕切り、正極及び負極にそれぞれ対面すると共に活物質を含む流体が流れる電極室を区画するセパレータとを具備し、
セパレータは、
電極に対して集電性をもつセパレータ本体と、
セパレータ本体の外縁部に高分子材料を基材として被覆され、厚み方向に貫通し活物質を含む流体が流れる活物質通過孔と電極室及び活物質通過孔の境界領域に設けられ両者を連通する連通路とをもつ外枠部とを備えた燃料電池において、
セパレータの外枠部は、連通路に宛てがわれた通路形成板を高分子材料の被覆膜で一体に包み込んだ状態で構成され、
被覆膜により、活物質通過孔の外縁領域の高さ位置と内縁領域の高さ位置とが等応して略面一状態に設定されており、且つ、被覆膜はシール突起を有しており、
前記活物質通過孔の外縁領域のシール突起の頂部の高さ位置と、内縁領域のシール突起の頂部の高さ位置とが等応して略面一状態に設定されていることを特徴とするものである。
【0008】
請求項2に係る燃料電池用セパレータは、単位電池間を仕切り、正極及び負極にそれぞれ対面すると共に活物質を含む流体が流れる電極室を区画すると共に集電性をもつセパレータ本体と、
セパレータ本体の外縁部に高分子材料を基材として被覆され、厚み方向に貫通し活物質を含む流体が流れる活物質通過孔と電極室及び活物質通過孔の境界領域に設けられ両者を連通する連通路とをもつ外枠部とを備えた燃料電池用セパレータにおいて、
外枠部は、
連通路に宛てがわれた通路形成板を高分子材料の被覆膜で一体に包み込んだ状態で構成され、被覆膜により、活物質通過孔の外縁領域の高さ位置と内縁領域の高さ位置とが等応して略面一状態に設定されており、且つ、被覆膜はシール突起を有しており、
前記活物質通過孔の外縁領域のシール突起の頂部の高さ位置と、内縁領域のシール突起の頂部の高さ位置とが等応して略面一状態に設定されていることを特徴とするものである。
【0009】
請求項1、請求項2において、外枠部は、連通路に宛てがわれた通路形成板を高分子材料の被覆膜で一体に包み込んだ状態で構成されている。そして外枠に形成されている活物質通過孔においては、被覆膜により、活物質通過孔の外縁領域の高さ位置と、内縁領域の高さ位置とが等応して略面一状態にされている。
よって単位電池と共に複数のセパレータが厚み方向に積層されるように燃料電池が組付けられる際にも、活物質通過孔の外縁領域における面圧と、活物質通過孔の内縁領域における面圧との間のバラツキが低減する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施態様について説明する。
図1は燃料電池に設けられたセパレータの平面図を示す。図2は燃料電池の要部の断面を示し、図1のII−II線に沿う断面に相当する。図5のV−V線に沿う断面に相当する。
【0011】
図2に示すように、単位電池1は、正極及び負極を構成する一対の電極10と、一対の電極10に挟装されたプロトン透過性をもつフィルム状の高分子型の固体高分子電解質膜12とからなる。単位電池1は、厚み方向に複数個並設されている。但し、図2では並設されている一部のみ図示する。
セパレータ2は、金属例えばステンレス鋼製のセパレータ本体20と、セパレータ本体20の外縁部に一体的に被覆された高分子材料、具体的にはゴム材料を基材とする外枠部22とで構成されている。セパレータ本体20には、プレス成形により多数個の凹凸からなる膨出成形部20cが形成されている。これにより図2に示すように、単位電池1の正極に直接対面する電極室としての正極室30が形成されている。また、単位電池1の負極に直接対面する電極室としての負極室33が形成されている。
【0012】
正極室30には、正極活物質を含む流体である空気が送給される。負極室33には、負極活物質を含む流体である燃料ガス(例えば水素含有ガス)が送給される。
図1に示すように、外枠部22の隅部には、燃料ガス入口孔51、燃料ガス出口孔52が外枠部22の厚み方向に貫通して形成されている。燃料ガス入口孔51につながる溝状の複数個の第1連通路41が形成されている。図2、図3に示すように、第1連通路41を介して、燃料ガス入口孔51と負極室33とは連通している。
【0013】
また図1に示すように、燃料ガス出口孔52につながる溝状の複数個の第2連通路42が形成されている。第2連通路42を介して、燃料ガス出口孔52と負極室33とは連通している。
更に外枠部22には、空気入口孔53、空気出口孔54が形成されている。空気入口孔53につながる溝状の複数個の第3連通路43が形成されている。第3連通路43を介して、空気入口孔53と正極室30は連通する。また空気出口孔54につながる溝状の複数個の第4連通路44が形成されている。第4連通路44を介して、空気出口孔54と正極室30とは連通している。
【0014】
燃料ガス入口孔51、燃料ガス出口孔52は、それぞれ活物質通過孔として機能する。更に外枠部22の隅部には、位置決め用の孔57A、冷却水通路57Bが形成されている。外枠部22には、外枠部22を一周するようにシール性を高めるためのシール突起58が一体的に形成されている。
更に本実施態様では燃料ガス入口孔51、燃料ガス出口孔52、空気入口孔53、空気出口孔54及び冷却水通路57Bの周りにも、それぞれシール突起58が1周している。
【0015】
さて本実施態様では、剛体材料である金属材料で形成された薄肉状をなす第1通路形成板71(図1において斜線で示す領域に相当)が用いられている。そして図5に示すように、第1連通路41を区画するセパレータ本体20の頂部20xに第1通路形成板71が宛てがわれた状態で、高分子材料の薄膜状をなす被覆膜22kで第1通路形成板71が型成形により一体に包み込まれている。
【0016】
従って図3から理解できるよう、外枠部22において、燃料ガス入口孔51の外縁領域OP のシール突起58の頂部の高さ位置と、内縁領域IP のシール突起58の頂部の高さ位置とが等応しており、略面一状態とされている。更に、燃料ガス入口孔51の外縁領域OP の高さ位置と、内縁領域IP の高さ位置とが等応しており、略面一状態とされている。
【0017】
また外枠部22に形成されている第2連通路42についても、第1連通路41の場合と同様のシール構造とされている。即ち、第2連通路42に宛てがわれた金属製の薄肉状をなす第2通路形成板72(図1において斜線で示す領域に相当)は、高分子材料の被覆膜22kで型成形により一体に包み込まれている。従って、燃料ガス出口孔52の外縁領域OR の高さ位置と内縁領域IR の高さ位置とが等応して略面一状態とされている。
【0018】
なお本実施態様によれば、外枠部22の主体を構成する外枠部本体を形成した後に、外枠部本体に通路形成板71、72を積層し、その後に、シール突起58を含む被覆膜22kを、成形型を用いて型成形で一体化する形態でも良いし、或いは、セパレータ本体20、通路形成板71、72を成形型のキャビティの所定部位に配置した状態で、キャビティに未加硫のゴム原液を注入し、その後加硫し、これにより被覆膜22kが一体化された外枠部22を成形する形態としても良い。
【0019】
以上説明した本実施態様によれば、図2〜図5から理解できるように、燃料ガス出口孔52の周囲の高さ位置が等応し、略面一状態となる。この結果、燃料ガス出口孔52の外縁領域OR の高さ位置と内縁領域IR の高さ位置とが等応して略面一状態とされている。
そのため、単位電池1と共に複数のセパレータ2が厚み方向に積層されるように燃料電池が組付けられる際において、燃料ガス入口孔51の外縁領域OP における面圧と、燃料ガス入口孔51の内縁領域IP における面圧との間のバラツキが低減または回避される。故に燃料ガス入口孔51付近のシール性が向上し、燃料ガス入口孔51付近の耐ガスリーク性が向上する。
【0020】
本実施態様によれば、燃料ガス入口孔51ばかりか、燃料ガス出口孔52も同様の構造とされている。従って、燃料ガス出口孔52の周囲の高さ位置が等応し、略面一状態となる。そのため燃料ガス出口孔52の外縁領域OR における面圧と、燃料ガス出口孔52の内縁領域IR における面圧との間のバラツキが低減または回避または回避される。故に、セパレータ2の燃料ガス出口孔52付近のシール性のバラツキが低減される。故に、燃料ガス入口孔51ばかりか、燃料ガス出口孔52付近の耐ガスリーク性も向上する。
【0021】
(他の実施態様)
図6は他の実施態様を示す。この実施態様も前記した実施態様と基本的には同様であり、同一の機能を奏する部位には同一の符号を付する。この実施態様においても、第1連通路41を区画するセパレータ本体20の頂部20xに金属製の薄肉状をなす第1通路形成板71が宛てがわれた状態で、薄膜状をなすゴム材料の被覆膜22kで第1通路形成板71が型成形により一体に包み込まれ、面一化されている。
【0022】
以上の実施態様においては、燃料ガス入口孔51、燃料ガス出口孔52、空気入口孔53、空気出口孔54等の周縁にシール突起58を一重に形成したが、シール突起58は、二重あるいは三重に形成しても良い。
【0023】
【発明の効果】
請求項1によれば、単位電池と共に複数のセパレータが厚み方向に積層されるように燃料電池が組付けられる際に、活物質通過孔の外縁領域における面圧と、活物質通過孔の内縁領域における面圧との間のバラツキが低減または回避される。従って、活物質を含む流体が送給される活物質通過孔付近のシール性が向上し、活物質を含む流体に対する耐リーク性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】セパレータを含む燃料電池の平面図である。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】図2の要部の拡大図である。
【図4】燃料ガス入口孔付近の断面図である。
【図5】図1のV−V線に沿う断面図である。
【図6】他の実施態様に係る断面図である。
【図7】燃料電池の基本構成を説明するための構成図である。
【図8】従来技術に係る連通路付近の断面図である。
【符号の説明】
図中、1は単位電池、10は電極、12は固体高分子電解質膜、2はセパレータ、20はセパレータ本体、22は外枠部、22kは被覆膜、30は正極室(電極室)、33は負極室(電極室)、51は燃料ガス入口孔(活物質通過孔)、52は燃料ガス出口孔(活物質通過孔)、71、72は通路形成板を示す。

Claims (2)

  1. 正極及び負極を構成する一対の電極と、一対の前記電極に挟装された固体高分子電解質膜とからなり厚み方向に所定間隔隔てて複数個並設された単位電池と、
    前記単位電池間を仕切り、正極及び負極にそれぞれ対面すると共に活物質を含む流体が流れる電極室を区画するセパレータとを具備し、
    前記セパレータは、
    電極に対して集電性をもつセパレータ本体と、
    前記セパレータ本体の外縁部に高分子材料を基材として被覆され、厚み方向に貫通し活物質を含む流体が流れる活物質通過孔と前記電極室及び前記活物質通過孔の境界領域に設けられ両者を連通する連通路とをもつ外枠部とを備えた燃料電池において、
    前記セパレータの外枠部は、前記連通路に宛てがわれた通路形成板を高分子材料の被覆膜で一体に包み込んだ状態で構成され、
    前記被覆膜により、前記活物質通過孔の外縁領域の高さ位置と内縁領域の高さ位置とが等応して略面一状態に設定されており、且つ、
    前記被覆膜はシール突起を有しており、
    前記活物質通過孔の外縁領域 のシール突起の頂部の高さ位置と、内縁領域のシール突起の頂部の高さ位置とが等応して略面一状態に設定されていることを特徴とする燃料電池。
  2. 単位電池間を仕切り、正極及び負極にそれぞれ対面すると共に活物質を含む流体が流れる電極室を区画すると共に集電性をもつセパレータ本体と、
    前記セパレータ本体の外縁部に高分子材料を基材として被覆され、厚み方向に貫通し活物質を含む流体が流れる活物質通過孔と前記電極室及び前記活物質通過孔の境界領域に設けられ両者を連通する連通路とをもつ外枠部とを備えた燃料電池用セパレータにおいて、
    前記外枠部は、
    前記連通路に宛てがわれた通路形成板を高分子材料の被覆膜で一体に包み込んだ状態で構成され、前記被覆膜により、前記活物質通過孔の外縁領域の高さ位置と内縁領域の高さ位置とが等応して略面一状態に設定されており、且つ、
    前記被覆膜はシール突起を有しており、
    前記活物質通過孔の外縁領域 のシール突起の頂部の高さ位置と、内縁領域のシール突起の頂部の高さ位置とが等応して略面一状態に設定されていることを特徴とする燃料電池用セパレータ。
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