JP4134615B2 - 燃料電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池(たとえば、固体高分子電解質型の燃料電池)に関し、とくにその漏れ電流抑制構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
固体高分子電解質型燃料電池は、イオン交換膜からなる電解質膜とこの電解質膜の一面に配置されたアノードおよび電解質膜の他面に配置されたカソードとからなる膜−電極アッセンブリ(MEA:Membrane-Electrode Assembly )と、アノード、カソードに燃料ガス(水素)および酸化ガス(酸素、通常は空気)を供給するための流体流路を形成するセパレータとを複数重ねてセル積層体とし、セル積層体のセル積層方向両端に、ターミナル(電極板)、インシュレータ、エンドプレートを配置し、セル積層体をセル積層方向に締め付け、セル積層体の外側でセル積層方向に延びる締結部材(たとえば、テンションプレート)にて固定したスタックからなる。アノード、カソードは触媒層を有する。触媒層とセパレータとの間には拡散層が設けられる。セパレータにはセル間またはモジュール間に冷媒流路が形成され、そこに冷却水が流されて燃料電池を冷却している。
固体高分子電解質型燃料電池では、アノード側では、水素を水素イオンと電子にする反応が行われ、水素イオンは電解質膜中をカソード側に移動し、カソード側では酸素と水素イオンおよび電子(隣りのMEAのアノードで生成した電子がセパレータを通してくる、またはセル積層体の一端のセルのアノードで生成した電子が外部回路を通してくる)から水を生成する反応が行われる。
アノード側:H2 →2H+ +2e-
カソード側:2H+ +2e- +(1/2)O2 →H2
従来、燃料電池セパレータのMEAと反対側の面は冷却水と接触している。冷却水との接触面にて電流がセパレータから冷却水に漏れ、この電流は、冷却水を通じてセル面内方向に流れて冷媒マニホルドに達し、冷媒マニホルドでセル面内と直交方向に流れて隣接もしくは近傍のセルの反対極に流れ、本来得るべき出力性能がダウン(目減り)する。
この漏れ電流は、セパレータの小型化や、冷却水の長期使用を狙うことにより、冷却水部分における電気抵抗が低下し、結果として増加する傾向にある。また、漏れ電流が発生する冷却水まわりの電食も問題となる。
この液絡を防止するために、特開2001−332288は、燃料電池スタックを冷却セルと発電セルとの積層体とし、冷却セル内に供給される冷媒を発電セルから絶縁し、冷却セルを挟んで配置される発電セル同士を導電手段で接続した構造を開示している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開2001−332288の構造には、冷却セルを設けなければならないので燃料電池スタックのコンパクト化が難しく、また冷却セルを挟んで配置される発電セル同士を導電手段で接続しなければならないのでスタック構造が複雑になる、などの問題がある。
本発明の目的は、燃料電池の冷却水を通じての漏れ電流とそれに付随する問題(セパレータの小型化や冷却水の長期使用が困難なこと、および冷却水まわりに電食が生じること)を抑制できる燃料電池を提供することにある。
本発明のもう一つの目的は、燃料電池の冷却水を通じての漏れ電流とそれに付随する問題を抑制を、特開2001−332288の構造のような冷却セルによるスタックの大型化や導電手段による構造の複雑化を伴わずに、達成することができる燃料電池を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明はつぎの通りである。
(1) 電解質膜11と該電解質膜の一面に配置されたアノード14および他面に配置されたカソード17を有するMEAを、拡散層13、16を介して、一対のセパレータ18A、18Bで挟んで構成したセル10を複数積層して構成され、
一対のセパレータ18A、18Bのうち一方のセパレータ18Aは燃料電池発電部対応部29にMEAに対向する面に燃料ガス流路27を有するとともにMEAに対向する面と反対側面に冷媒流路26を有し、一対のセパレータ18A、18Bのうち他方のセパレータ18Bは燃料電池発電部対応部29にMEAに対向する面に酸化ガス流路28を有するとともにMEAに対向する面と反対側面に冷媒流路26を有し、
一対のセパレータ18A、18Bは燃料電池発電部対応部29の周囲部で燃料電池発電部対応部29を挟んで対向する対向部30、31に燃料ガスマニホルド33、空気マニホルド34、冷媒マニホルド32を有し、燃料ガスマニホルド33、空気マニホルド34、冷媒マニホルド32は、それぞれ、燃料ガス流路27、酸化ガス流路28、冷媒流路26に連通しており、
1つのセル10内には、該1つのセル10の一対のセパレータ18A、18Bの間に、接着剤により燃料ガスマニホルド33、空気マニホルド34、冷媒マニホルド32を互いからシールしたシール部が形成されており、
1つのセル10のセパレータ18Aの前記シール部と反対側の面該セルの隣りのセル10のセパレータ18Bの前記1つのセル10のセパレータ18Aに対向する面との間には、凸部41をもつ弾性材シール40が、燃料電池発電部対応部29冷媒マニホルド32とを合わせた領域の周囲と燃料ガスマニホルド33の周囲と空気マニホルド34の周囲に、凸部を圧縮した状態で、配置されて燃料ガスマニホルド33、空気マニホルド34、燃料電池発電部対応部29と冷媒マニホルド32とを合わせた領域とを互いからシールしており、
セパレータ18A、18Bが隣接セル10との対向面で弾性材シール40の燃料電池発電部対応部29側に冷媒と接触する冷媒接触面42をもつ、
燃料電池であって、
前記セパレータ18A、18Bの冷媒接触面42の、燃料電池発電部対応部29を除く部位でかつセル間の弾性材シール40配設部を除く部位のうち、燃料電池発電部対応部29を挟んで対向する対向部30、31に、冷媒接触側表面に冷媒が流通する電気絶縁層44を形成した燃料電池。
(2) 前記セパレータ18A、18Bの冷媒接触面42の、電気絶縁層44を形成した部位と、燃料電池発電部対応部29における隣接セル10のセパレータ18B、18Aとの当接部46を除いた全面に、電気絶縁層45を形成した請求項1記載の燃料電池。
【0005】
上記(1)の燃料電池では、セパレータの冷媒接触面の、燃料電池発電部対応部を除く部位の少なくとも一部に、電気絶縁層を形成したので、セパレータの電気絶縁層を形成した部分と冷媒マニホルド間の電気抵抗R1 が大きくなり、セパレータと他のセルのセパレータとの間の冷媒を通じての電流漏れと、電流漏れに付随する問題、たとえば電食が、防止または抑制される。
上記(2)の燃料電池では、セパレータの冷媒接触面に、燃料電池発電部対応部における隣接セルのセパレータとの当接部を除いて、電気絶縁層を形成したので、セパレータの電気絶縁層を形成した部分と冷媒マニホルド間の電気抵抗R1 が無限大となり、セパレータと他のセルのセパレータとの間の冷媒を通じての電流漏れと、電流漏れに付随する問題、たとえば電食が、より一層防止または抑制される
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の燃料電池を図1〜図9を参照して、説明する。
本発明が対象とする燃料電池は、固体高分子電解質型燃料電池10である。本発明の燃料電池10は、たとえば燃料電池自動車に搭載される。ただし、自動車以外に用いられてもよい。
【0007】
固体高分子電解質型燃料電池10は、図1、図2に示すように、膜−電極アッセンブリ(MEA:Membrane-Electrode Assembly )とセパレータ18とを有するセルを積層して構成される。MEAは、イオン交換膜からなる電解質膜11とこの電解質膜11の一面に配置された触媒層12からなる電極14(アノード、燃料極)および電解質膜11の他面に配置された触媒層15からなる電極17(カソード、空気極)とからなる。電極14、17とセパレータ18との間には拡散層13、拡散層16が設けられる。セパレータ18は、電極14、17に燃料ガス(水素)および酸化ガス(酸素、通常は空気)を供給するための反応ガス通路27、28、および燃料電池冷却用の冷媒(通常、冷却水)が流れる冷媒流路(冷却水流路ともいう)26を有する。セルを1層以上積層してモジュール19を構成し(図示例では、1セルで1モジュールを構成している)、モジュール19を積層してモジュール群とし、モジュール群のセル積層方向両端に、ターミナル20、インシュレータ21、エンドプレート22を配置し、セル積層体をセル積層方向に締め付け、セル積層方向に延びる締結部材24(たとえば、テンションプレート、スルーボルトなど)とボルト25またはナットで固定して、燃料電池スタック23が構成される。
【0008】
冷却水流路26はセル毎に、または複数のセル毎(たとえば、モジュール毎)に、設けられる。
触媒層12、15は白金(Pt)、カーボン(C)、電解質からなる。拡散層13、16はカーボン(C)からなる。
セパレータ18は、カーボン、メタル、メタルと非導電性樹脂の組み合わせ、導電性樹脂の何れから構成されてもよい。本実施例ではメタルと樹脂の組み合わせの場合を例として示す。
【0009】
図2に示すように、セパレータ18は、第1の部材18A、18Bと、燃料電池発電部対応部29(燃料電池の発電部に対応する部分)に中抜き穴をもつフレーム状の第2の部材18C、18Dとに分割形成されている。
第1の部材18A、第2の部材18Cは、MEAの燃料極(アノード)側に配置されている部材であり、第1の部材18Aは燃料ガスと冷却水とを区画している。第1の部材18B、第2の部材18Dは、MEAの空気極(カソード)側に配置されている部材であり、第1の部材18Bは、酸化ガスと冷却水とを区画している。
第1の部材18A、18Bは金属製で、以下、メタルセパレータ18A、18Bともいう。第2の部材18C、18Dは樹脂製で、以下、樹脂フレーム18C、18Dともいう。
メタルセパレータ18A、18Bは、不透過性で、金属からなり、たとえば金属板(たとえば、ステンレス板)に導電性金属をメッキ(たとえば、ニッケルメッキ)したものからなる。メタルセパレータ18A、18Bは、隣接するセル間の導電通路を構成している。
【0010】
MEAはセパレータ18で挟まれる。セパレータ18でMEAを挟む際、樹脂フレーム18C、18Dをメタルセパレータ18A、18BのMEA側にそれぞれ配して、メタルセパレータ18A、樹脂フレーム18C、MEA、樹脂フレーム18D、メタルセパレータ18Bの順に積層する。
燃料電池発電部対応部29は、樹脂フレーム18C、18Dが中抜きされているので、メタルセパレータ18A、MEA、メタルセパレータ18Bの順で積層されており、樹脂フレーム18C、18Dの部分は、メタルセパレータ18A、樹脂フレーム18C、樹脂フレーム18D、メタルセパレータ18Bの順で積層されている。セパレータ18の燃料電池発電部対応部29の両側部は互いに対向する対向部30、31を構成する。
【0011】
メタルセパレータ18Aの燃料電池発電部対応部29のMEA側の面には燃料ガス流路27が形成されたガス流路部が形成されており、MEA側と反対側の面には冷却水流路26が形成されている。同様に、メタルセパレータ18Bの燃料電池発電部対応部のMEA側の面には酸化ガス流路28が形成されたガス流路部が形成されており、MEA側と反対側の面には冷却水流路26が形成されている。
燃料ガス流路27と酸化ガス流路28とは、MEAを挟んで互いに対応している(図8)。
ひとつのセルのメタルセパレータ18Aの燃料電池発電部対応部のMEA側と反対側の面の冷却水流路26と、隣接セルのメタルセパレータ18Bの燃料電池発電部対応部のMEA側と反対側の面の冷却水流路26とは、セル積層方向に隔てられることなく、連通している(図8)。
【0012】
燃料電池発電部対応部29では、ひとつのセルの燃料ガス流路27の凹溝の底部のMEAと反対側の面と、隣りのセルの酸化ガス流路28の凹溝の底部のMEAと反対側の面とは、接触しており、この接触面は、ひとつのセルのメタルセパレータ18Aと隣りのセルのメタルセパレータ18Bとの間の導電通路を形成している。
【0013】
図2、図4に示すように、メタルセパレータ18A、18Bのガス流路部では、ガス流路を燃料電池発電部対応部29を挟んで対向する一対の対向部30、31間方向に屈曲していて、流路が長くなっており、これによって、MEAに同じ量の反応ガスを供給する場合のガス流速が増している。
燃料ガス流路27は、複数個、並列に形成されており、酸化ガス流路28も、複数個、並列に形成されている。
セパレータ18の裏面に形成される冷却水流路26は、一対の対向部30、31にわたって直線状に延びUターン部をもたない。
【0014】
また、セパレータ18の燃料電池発電部対応部29の燃料ガス流路27への燃料ガス入口27cと燃料ガス出口27dとはセパレータの燃料電池発電部対応部29を挟んで互いに反対側に位置している。同様に、セパレータ18の燃料電池発電部対応部29の酸化ガス流路28への酸化ガス入口28cと酸化ガス出口28dとはセパレータの燃料電池発電部対応部29を挟んで互いに反対側に位置している。
また、セパレータ18の燃料電池発電部対応部29の燃料ガス流路27への燃料ガス入口27cと酸化ガス流路28への酸化ガス入口28cとは、セパレータの燃料電池発電部対応部29を挟んで互いに反対側に位置している。
【0015】
図2、図4に示すように、メタルセパレータ18A、18Bと樹脂フレーム18C、18Dの、燃料電池発電部対応部29を挟んで対向する対向部30、31には、マニホルド部が形成されており、このマニホルド部には、冷却水マニホルド32、燃料ガスマニホルド33、空気マニホルド34が形成されている。冷却水マニホルド32は燃料電池発電部対応部29の冷却水流路26に連通し、燃料ガスマニホルド33は燃料電池発電部対応部29の燃料ガス流路27に連通し、空気マニホルド34は燃料電池発電部対応部29の酸化ガス流路28に連通している。
燃料電池発電部対応部29を挟んで互いに対向する対向部30、31の一方30には、入り側の冷却水マニホルド32a、出側の燃料ガスマニホルド33b、入り側の空気マニホルド34aが設けられ、他方31には、出側の冷却水マニホルド32b、入り側の燃料ガスマニホルド33a、出側の空気マニホルド34bが設けられる。
【0016】
樹脂フレーム18C、18Dには、ガスマニホルド33、34からのガス流れを対向部30、31を結ぶ方向と直交する方向に向けて流すガス流路連通部37が形成されており、ガス流路連通部37には燃料電池発電部対応部のガス流路27、28に均一にガスを分配流するガス整流部35、36が形成されている。そして、ガス整流部35、36と中抜き穴の縁部との間の間隔Cは、ガス整流部35、36と中抜き穴間にガスの短絡通り抜けが起こらない間隔以上に、設定されている。
【0017】
図5に示すように、樹脂フレーム18C、18Dには、セル積層方向に、隣り合う部材(メタルセパレータまたは樹脂フレーム)との間をシールして、冷却水マニホルド32、燃料ガスマニホルド33、空気マニホルド34を、互いからシールするために、接着剤が塗布されたシール部38(図4で斜線を施した部分)が形成されている。
図5に示すように、樹脂フレーム18C、18Dには、シール部38を形成するための接着剤を塗布する部分と塗布しない部分との境界に、シール用接着剤のはみ出しを防止する堰39(接着剤塗布部を非塗布部より低くした段差部)が形成されており、堰39は接着剤の非塗布部への垂れ込み、はみ出しを防止している。
【0018】
図3、図5に示すように、セル間に、隣り合うメタルセパレータ18A、18B(一つのセルのメタルセパレータ18Aと隣りのセルのメタルセパレータ18B)間に、弾性材シール40、たとえばゴムシールを配して、冷却水マニホルド32、燃料ガスマニホルド33、空気マニホルド34を、互いからシールする。弾性材シール40は凸部41を有し、凸部41をメタルセパレータ18A、18Bでセル積層方向に圧縮することにより、シール性が高められている。図3で2点鎖線40で示した部分は、弾性材シール40の凸部41の中心を示す。
【0019】
セパレータ18には、上記実施例ではメタルセパレータ18A、18Bには、冷媒(冷却水)と接触する冷媒接触面42(したがって、弾性材シール40の凸部41より内側)の、少なくとも一部に、セパレータ18から(上記実施例ではメタルセパレータ18A、18Bから)、冷媒(冷却水)に電流が漏れるのを防止する、または抑制する、電気絶縁層43(以下、単に絶縁層という)が形成されている。
この絶縁層43は、つぎに説明する第1の絶縁層44と第2の絶縁層45の、少なくとも何れか一方の絶縁層からなる。「少なくとも何れ一方」の意味は、絶縁層43が、第1の絶縁層44のみから構成されてもよいし、第2の絶縁層45のみから構成されてもよいし、第1の絶縁層44と第2の絶縁層45の両方から構成されてもよい、ということである。
冷媒流路26はセパレータ18間に形成され、その対向面に、絶縁層43が形成される。
【0020】
第1の絶縁層44は、セパレータ18の冷媒接触面42の、燃料電池発電部対応部29を除く部位でかつ弾性材シール40配設部を除く部位の少なくとも一部に、形成された電気絶縁層である。第1の絶縁層44が存在する領域は、図3において、斜線を施した部分であり、対向部30、31のうち、弾性材シール40(複数本の弾性材シール40がある部分では燃料電池発電部対応部29に最も近い弾性材シール40)の燃料電池発電部対応部29側で、燃料電池発電部対応部29を除く部位である。
図8に示すように、対向部30、31でない領域では、弾性材シール40配設部位には第1の絶縁層44は形成されない。
【0021】
上記実施例では、第1の絶縁層44は、隣接するセルまたはモジュールの間の冷媒が流れるスペースの少なくとも片面(ひとつのセルまたはモジュールの表側面)に、または、両面(ひとつのセルまたはモジュールの表側面と、この面に冷媒が流れるスペースを挟んで対向する、隣接セルまたはモジュールの裏側面との両面)に、設けられる。片面より両面に設けられる方が望ましい。
上記実施例では、第1の絶縁層44のうち、冷媒が流れるスペースの片面に設けられる絶縁層44Aは、セル間またはモジュール間に配置される弾性材シール40(ゴムシール、電気絶縁性をもつ)のうちセパレータ18の対向部30、31に位置する部分の、凸部41に接続する薄い部分をセル面内方向に燃料電池発電部対応部29側に延長して形成された絶縁層からなる。また、第1の絶縁層44のうち、冷媒が流れるスペースのもう片面に設けられる絶縁層44Bは、隣接セパレータのうち、絶縁層44Aに対向する面に形成された絶縁層からなる。
第1の絶縁層44はセパレータ18に一体に形成(たとえば、焼付けまたは接着)されてもよいし、セパレータ18と別体のまま隣接セルのセパレータ間に配置されてもよい。
【0022】
第2の絶縁層45は、セパレータ18の冷媒接触面42(したがって、弾性材シール40の凸部41より内側)に、燃料電池発電部対応部29における隣接セルのセパレータとの当接部46を除いて、形成された絶縁層である。図8においてハッチングを施したエリアに第2の絶縁層45が形成される。また、隣接セルの冷媒流路26間に中間板を設ける場合には、その中間板の導電パス部(隣接セパレータ同士の当接部)以外の部位に、絶縁コーティングを施すことが望ましい。
第1の絶縁層44は燃料電池発電部対応部29の範囲外に設けられた層であるが、第2の絶縁層45は燃料電池発電部対応部29の範囲内(ただし、隣接セルのセパレータとの当接部46を除く)と燃料電池発電部対応部29の範囲外の両方の範囲に形成された層である。第1の絶縁層44が設けられない燃料電池に第2の絶縁層45だけが設けられてもよいし、第1の絶縁層44が設けられた燃料電池に、さらに第2の絶縁層45が設けられてもよい。
【0023】
第2の絶縁層45を形成する方法は、セルを積層してスタック23とした後、スタック23を、容器に入れた、加温して液状にした樹脂の絶縁材料中に浸漬して冷媒流路に絶縁材料を流入させ、その後スタック23を取り出して冷媒流路から液状の絶縁材料を排出し、樹脂を乾燥、固化することにより、形成する。スタック23としてあるので、燃料電池発電部対応部29における隣接セルのセパレータとの当接部46には液状樹脂がまわらず、その部分を除いて、効率よく第2の絶縁層45を形成することができる。
【0024】
つぎに、絶縁層43(第1の絶縁層44、第2の絶縁層45)を形成したことによる作用、効果を説明する。
燃料電池10は、概略、図9の電気回路で表せる。図9で、セルを積層したスタック23の両端のターミナルをセル積層体外で接続する外部回路100には外部抵抗(たとえば、モータ101)などが設けられ、燃料電池10が発電した電気が仕事をする。
従来の燃料電池では、冷却水は使用中にイオンなどを含むので若干の導電性を有するよになっており、セパレータ18の冷却水接触面から燃料電池の発電の電流が、冷却水に漏れ、冷却水中を伝わって、セル面内方向に冷却水マニホルド32に至り(その時のセル面内方向の漏れ電流をi1 、電気抵抗をR1 とする)、冷却水マニホルド32でセル面内方向と直交する方向(スタックのセル積層方向)に冷却水中を伝わって流れ、隣接セルまたは近傍のセルの対極のセパレータへと流れ(その時のセル面内方向と直交する方向の漏れ電流をi2 、電気抵抗をR2 とする)、本来得られる出力を目減りさせてしまう。
したがって、漏れ電流をできるかぎり減少させて、外部抵抗に流れる電流を多くしたい。
【0025】
本発明において、第1の絶縁層44を設けることは、各セパレータ18の燃料電池発電部対応部29外の部分から冷却水マニホルド32までの電気抵抗を大きくして、セル面内方向の漏れ電流をi1 を少なくすることに相当する。
また、本発明において、第2の絶縁層45を設けることは、各セパレータ18燃料電池発電部対応部29内の部分から冷却水マニホルド32までの電気抵抗を無限大に近くして、セル面内方向の漏れ電流をi1 を少なくすることに相当する。
これによって、漏れ電流が小さくなる。その結果、漏れ電流がある場合に付随して生じる電食などの問題も同時に抑制される。
セル面内方向と直交する方向の電気抵抗R2 を大きくすることは、冷却水自体の導電性をより低くすることにより得られるが、第1の絶縁層44、第2の絶縁層45を設けても、電気抵抗R2 を大きくする効果は少ない。
【0026】
【発明の効果】
請求項1の燃料電池によれば、セパレータの冷媒接触面の、燃料電池発電部対応部を除く部位の少なくとも一部に、電気絶縁層(第1の絶縁層)を形成したので、セパレータの電気絶縁層を形成した部分と冷媒マニホルド間の電気抵抗R1 が大きくなり、セパレータと他のセルのセパレータの反対極との間の冷媒を通じての電流漏れと、電流漏れに付随する問題、たとえば電食を、防止または抑制できる。また、燃料電池の冷却水を通じての漏れ電流とそれに付随する問題を抑制を、特開2001−332288の構造のような冷却セルによるスタックの大型化や導電手段による構造の複雑化を伴わずに、達成することができる。
請求項2の燃料電池によれば、セパレータの冷媒接触面に、燃料電池発電部対応部における隣接セルのセパレータとの当接部を除いて、電気絶縁層(第2の絶縁層)を形成したので、セパレータの電気絶縁層を形成した部分と冷媒マニホルド間の電気抵抗R1 が無限大に近くなり、セパレータと他のセルのセパレータとの間の冷媒を通じての電流漏れと、電流漏れに付随する問題、たとえば電食を、より一層防止または抑制できる。また、燃料電池の冷却水を通じての漏れ電流とそれに付随する問題を抑制を、特開2001−332288の構造のような冷却セルによるスタックの大型化や導電手段による構造の複雑化を伴わずに、達成することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明実施例の燃料電池スタックの全体概略図である。
【図2】 本発明実施例の燃料電池の、セル積層方向を上下方向とした姿勢での、単セル(モジュールでもある)の分解斜視図である。
【図3】 本発明実施例のモジュールの冷却水接触面の、第1の絶縁層の存在領域をハッチングして示した、平面図である。
【図4】 本発明実施例のセパレータの樹脂フレームの平面図である。
【図5】 図3のB−B断面図である。
【図6】 図3のD−D断面における弾性材シール(たとえば、ゴムシール)の断面図である。
【図7】 本発明実施例のモジュールの冷却水接触面の平面図である。
【図8】 図7のD−D断面図である。
【図9】 燃料電池の漏れ電流も回路で示した、燃料電池の概略回路図である。
【符号の説明】
10 (固体高分子電解質型)燃料電池
11 電解質膜
12 触媒層
13 拡散層
14 電極(アノード、燃料極)
15 触媒層
16 拡散層
17 電極(カソード、空気極)
18 セパレータ
18A 第1の部材(燃料ガスと冷却水とを区画するメタルセパレータ)
18B 第1の部材(酸化ガスと冷却水とを区画するメタルセパレータ)
18C 第2の部材(樹脂フレーム)
18D 第2の部材(樹脂フレーム)
19 モジュール
20 ターミナル
21 インシュレータ
22 エンドプレート
23 スタック
24 締結部材(テンションプレート)
25 ボルトまたはナット
26 冷媒流路(冷却水流路)
27 燃料ガス流路
28 酸化ガス流路
29 燃料電池発電部対応部
30、31 対向部
32 冷却水マニホルド
32a 入り側の冷却水マニホルド
32b 出側の冷却水マニホルド
33 燃料ガスマニホルド
33a 入り側の燃料ガスマニホルド
33b 出側の燃料ガスマニホルド
34 空気マニホルド
34a 入り側の空気マニホルド
34b 出側の空気マニホルド
35 ガス整流部
36 ガス整流部
37 ガス流路連通部
38 シール部
39 堰
40 弾性材シール(ゴムシール)
41 凸部
42 冷媒接触面
43 絶縁層
44 第1の絶縁層
45 第2の絶縁層
46 セパレータ当接部

Claims (2)

  1. 電解質膜11と該電解質膜の一面に配置されたアノード14および他面に配置されたカソード17を有するMEAを、拡散層13、16を介して、一対のセパレータ18A、18Bで挟んで構成したセル10を複数積層して構成され、
    一対のセパレータ18A、18Bのうち一方のセパレータ18Aは燃料電池発電部対応部29にMEAに対向する面に燃料ガス流路27を有するとともにMEAに対向する面と反対側面に冷媒流路26を有し、一対のセパレータ18A、18Bのうち他方のセパレータ18Bは燃料電池発電部対応部29にMEAに対向する面に酸化ガス流路28を有するとともにMEAに対向する面と反対側面に冷媒流路26を有し、
    一対のセパレータ18A、18Bは燃料電池発電部対応部29の周囲部で燃料電池発電部対応部29を挟んで対向する対向部30、31に燃料ガスマニホルド33、空気マニホルド34、冷媒マニホルド32を有し、燃料ガスマニホルド33、空気マニホルド34、冷媒マニホルド32は、それぞれ、燃料ガス流路27、酸化ガス流路28、冷媒流路26に連通しており、
    1つのセル10内には、該1つのセル10の一対のセパレータ18A、18Bの間に、接着剤により燃料ガスマニホルド33、空気マニホルド34、冷媒マニホルド32を互いからシールしたシール部が形成されており、
    1つのセル10のセパレータ18Aの前記シール部と反対側の面該セルの隣りのセル10のセパレータ18Bの前記1つのセル10のセパレータ18Aに対向する面との間には、凸部41をもつ弾性材シール40が、燃料電池発電部対応部29冷媒マニホルド32とを合わせた領域の周囲と燃料ガスマニホルド33の周囲と空気マニホルド34の周囲に、凸部を圧縮した状態で、配置されて燃料ガスマニホルド33、空気マニホルド34、燃料電池発電部対応部29と冷媒マニホルド32とを合わせた領域とを互いからシールしており、
    セパレータ18A、18Bが隣接セル10との対向面で弾性材シール40の燃料電池発電部対応部29側に冷媒と接触する冷媒接触面42をもつ、
    燃料電池であって、
    前記セパレータ18A、18Bの冷媒接触面42の、燃料電池発電部対応部29を除く部位でかつセル間の弾性材シール40配設部を除く部位のうち、燃料電池発電部対応部29を挟んで対向する対向部30、31に、冷媒接触側表面に冷媒が流通する電気絶縁層44を形成した燃料電池。
  2. 前記セパレータ18A、18Bの冷媒接触面42の、電気絶縁層44を形成した部位と、燃料電池発電部対応部29における隣接セル10のセパレータ18B、18Aとの当接部46を除いた全面に、電気絶縁層45を形成した請求項1記載の燃料電池。
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