JP4471046B2 - 燃料電池用ガスケットおよびその成形方法 - Google Patents

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    • Y02E60/50Fuel cells

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池用ガスケットとその成形方法とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば図21に示すように、燃料電池の集電極(セパレータ)2、その間に挾まれるイオン交換膜3および、このイオン交換膜3に固定される膜固定反応電極4等はそれぞれ平面プレート状の多孔質カーボン材によって成形されており、これらの構成要素が組み合わされて燃料電池セル1が構成されている。平面プレートの材質としては、カーボンの他にグラファイト等も用いられ、その他、導電性フェノールまたはマグネシウム合金等であっても良い。
【0003】
このような燃料電池セル1およびその各構成要素間のシールに関しては、従来から、単品のガスケットを用いるもの(特開平9−231987号公報、特開平7−226220号公報または特開平7−153480号公報参照)や、図示したようにゴム板5に発泡スポンジ層6を重ねてガスケットとして利用するもの(特開平7−312223号公報参照)等が知られているが、これらの従来技術は何れもシール部の薄肉化、組立て性の向上、位置ずれの防止、低面圧化、面圧の均一化等の課題の解決を図ったものではなく、すなわち、これらの従来の別体型ガスケットには、シール部の薄肉化、組立て性の向上、位置ずれの防止、低面圧化、面圧の均一化等の点について、これらを十分満足させることができない不都合があり、また、組付け工程での不具合や組込み忘れによる機能不全、機能不安定等が発生する虞がある。
【0004】
また、公知の成形方法によりガスケットを成形する場合には、材料流路の末端部にウェルド不良が発生し易く、よってその部分のリップを金型形状通りに成形するのが困難であり、これがシール性を阻害する最大要因となっている。
【0005】
そこで、このような不具合の発生を防止すべく、一般に真空成形が行なわれており、従来の真空成形方法には、材料流路の途中に真空引き経路を設けて真空引きを行なう方法と、金型全体を真空チャンバで包囲して真空引きを行なう方法とがある。
【0006】
しかしながら、前者の方法においては、ガスケットの成形材料である低粘度材料が真空引き経路に流入することがあるために、ガスケットの安定成形が阻害される不都合がある。また、後者の方法には、金型部分の構造が複雑で高価にならざるを得ない不都合があり、更に真空引き容積が過大になってサイクルタイムに良くない影響が及ぼされる不都合もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上の点に鑑み、上記したように燃料電池に用いられるガスケットにおいて、シール部の薄肉化、組立て性の向上、位置ずれの防止、低面圧化、面圧の均一化等についての課題を解決することができるガスケットとその成形方法を提供することを目的とし、併せてガスケットを安定成形することができ、金型装置の構成が比較的簡単で、サイクルタイムも比較的短いガスケットの成形方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1による燃料電池用ガスケットは、多孔質カーボン、グラファイト、導電性フェノール樹脂またはマグネシウム合金等よりなる平面プレートの表面または前記表面に施された溝部に、液状ゴム硬化物よりなるガスケットリップを一体成形し、ガスケットリップラインに沿う突起を前記平面プレートに設け、前記突起を覆うように前記ガスケットリップを形成したことを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明の請求項2による燃料電池用ガスケットは、多孔質カーボン、グラファイト、導電性フェノール樹脂またはマグネシウム合金等よりなる平面プレートの表面または前記表面に施された溝部に、液状ゴム硬化物よりなるガスケットリップを一体成形し、ガスケットリップラインに沿う突起を前記平面プレートに設け、前記突起を中心に接着剤を塗布し、その領域を覆うように前記ガスケットリップを形成したことを特徴とするものある。
【0010】
また、本発明の請求項3による燃料電池用ガスケットは、多孔質カーボン、グラファイト、導電性フェノール樹脂またはマグネシウム合金等よりなる平面プレートの表面または前記表面に施された溝部に、液状ゴム硬化物よりなるガスケットリップを一体成形し、電解質膜部を挟み込むように配置される一対の前記ガスケットリップの断面形状が互いに異なるように形成され、一方の前記ガスケットリップに、前記電解質膜部に接触する所定の幅を備えた平面部が形成されていることを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明の請求項4による燃料電池用ガスケットの成形方法は、請求項1ないし3に記載した燃料電池用ガスケットの成形方法において、射出前に上下金型の間に隙間を設けて真空引きし、その後、型締めしてガスケットリップを射出成形し、平面プレートの両面または前記両面に施された溝部の底面に開口する貫通穴を設け、前記貫通穴を介して前記両面または両溝部に同時にガスケットリップを一体成形することを特徴とするものである。
【0012】
上記構成を備えた本発明の燃料電池用ガスケットは、上記従来技術における不都合を解消するために、集電極、イオン交換膜または膜固定反応膜等よりなる平面プレートの表面に低粘度材料である液状ゴム硬化物よりなるガスケットリップを一体成形することにし、これによりシール部の薄肉化、組立て性の向上、位置ずれの防止、低面圧化および面圧の均一化を図ったものである。また、平面プレートの表面に施された溝部に低粘度材料である液状ゴム硬化物よりなるガスケットリップを一体成形した場合には、ガスケットリップが溝部の底面のみならず側面に対しても一体化されるために、その固定性を一層向上させることが可能となる。ガスケットリップの成形材料には上記したように液状ゴム硬化物を用いることにし、この液状ゴム硬化物の硬さ(JIS A)は60以下とするのが好適である。
【0013】
また、本発明の燃料電池用ガスケットのように、一対のガスケットリップが互いに異形状とされてその一方に平面部が設けられると、この平面部が一対のガスケットリップによる一対のシール部のうちの受け側となって、この受け側の範囲が平面部の幅によって比較的広く設定されるために、他方のガスケットリップの密接位置についての中央値からの位置ずれ許容範囲を拡大することが可能となる。
【0014】
また、上記したように液状ゴム硬化物を材料としてガスケットリップを成形する場合には、成形装置として液状射出成形装置を用いることになり、この液状射出成形装置を用いてガスケットリップを射出成形するに際しては、射出直前に上下金型間に2mm以下の隙間が開くように金型を保持し、このとき上下金型間をOリング等のシール材を用いてシールする(S101、図3参照、以下同じ)。次いでノズルタッチを行ない、材料流入口を塞いで金型内に外気と遮断された密閉空間を形成する(S102)。次いで金型パーティング面の一箇所または複数箇所に設けた真空引き穴を介して真空引きを行ない、このときノズルから材料が吸引されてキャビティ内に流入することがないよう、ノズルにシャットオフノズルを設けて材料の流入を防止する(S103)。次いで所望の真空度に到達したと判断される段階で完全に型締めを行ない(S104)、真空度が維持されたキャビティ内に材料を注入して(S105)、ガスケットリップを成形する。
【0015】
上記燃料電池用ガスケットの成形方法は、平面プレートの片面または両面に低粘度材料である液状ゴム硬化物よりなるガスケットリップを一体成形するものであるが、薄いプレートの両面にガスケットリップを設ける必要が生じた場合に片側ずつガスケットリップを成形しようとすると、反対側が宙に浮いた状態となって成形圧で割れたり、撓みによってバリが発生したりすることがある。また、下型に凸部を設けて背面の溝部を支持する方法も考えられるが、溝形状が表裏で異なる場合には別型を製作する必要があり、コストアップを避けられない上に、型構造が非常に複雑となり、高さが金型加工公差やプレート溝深さ公差で変動することを考えると、安定成形を維持するのが困難なこともある。そこで、本発明の成形方法では、平面プレートの両面に開口する貫通穴を設けて、この貫通穴を介して平面プレートの両面に同時にガスケットリップを一体成形することにし、また、平面プレートの両面に施された溝部の底面に開口する貫通穴を設けて、この貫通穴を介して両溝部に同時にガスケットリップを一体成形することにした。
【0016】
また、本発明の請求項1による燃料電池用ガスケットは、以下のようなものである。
【0017】
すなわち、上記した燃料電池用ガスケットは、平面プレート上にガスケットリップを直接成形すると云ったものであり、また横ずれ防止の処置として、リップ幅に対して大きい裾幅を設けたり接着処理や平面プレートに溝部を形成してそれを覆うようにガスケットを形成すると云ったものであるが、このように大き目の裾幅を設けた場合には、材料やスペースの無駄に繋がることが避けられない。また、接着剤による保持については、接着剤が発電効率に及ぼす影響が現在不明で、長期的な使用に伴う悪影響の懸念も考慮すると、接着処理を行なわずに性能を満足させるガスケットが切望される。また、平面プレートに横ずれ防止用の溝部を形成してそれを覆うようにガスケットリップを形成した場合には、これによってプレートの強度が低下する上に、溝部の深さに応じて組付け時の接触圧力が低下することから、それを見越した大き目のガスケットリップを形成する必要があり、組み込んだ際にはガスケットに更に大きい歪みを与えることになり、耐久性が低下する虞がある。そこで、本発明の請求項1による燃料電池用ガスケットにおいては、平面プレートのリップラインに沿って突起を設けてこの突起をガスケットリップで覆うとすることにより、位置ずれを防止し、低歪み量でシール面圧を確保し、耐久性を確保することを実現した。また、請求項2によるガスケットのように必要に応じて接着剤を塗布し、それを覆うようにガスケットリップを形成することも可能である。突起としては、組付け時におけるこの突起と相手材との隙間が0.2mm以上確保される三角形または台形断面のものが好適であり、このような突起を厚さ1.0mm以下のガスケットリップで覆うのが好適である。
【0018】
【発明の実施の形態】
つぎに本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
【0019】
第一実施形態・・・
図1は、当該実施形態に係るガスケットの成形方法の実施に使用する液状射出成形装置11を示しており、主剤用タンク12、着色剤用タンク13および硬化剤用タンク14からそれぞれ材料供給用プランジャ15を介して射出装置16に供給した成形材料を、この射出装置16から金型17内に射出してガスケット(ガスケットリップまたはガスケット本体とも称する)を成形する。射出装置16は、油圧モータ18および射出シリンダ19の作動により駆動するスクリュ20と、このスクリュ20を内挿した射出筒21とを備えており、この射出筒21先端のノズル22内に、成形材料の流入を防止するシャットオフバルブ23が開閉作動自在に配置されている。また金型17には、真空ポンプよりなる真空引き装置24が接続されている。
【0020】
図2は、上記金型17の詳細を示しており、上プラテン25、断熱盤26、上熱盤27、上型28、中型29、下型30、下熱盤31、断熱盤32および下プラテン33がこの順序に積層されている。上型28および中型29のパーティング面34は、中型29上面の装着溝29aに装着したOリング35によりシールされており、中型29および下型30のパーティング面36は、下型30上面の装着溝30aに装着したOリング37によりシールされており、これらのOリング35,37により密閉される密閉空間38が真空引き装置24により真空引きされる。また、下型30の上面にはキャビティ空間39が設けられており、このキャビティ空間39に予め定置した平面プレート状多孔質カーボン材(プレートまたは平面プレートとも称する)40の上面(片面)に形成された溝部(加工溝とも称する)40aないし凹部内に、射出装置16からスプル41、ランナ42およびゲート43を介して成形材料が充填されてガスケット(ガスケットリップとも称する)が成形され、このガスケットが成形と同時にカーボン材40と一体化される。カーボン材40は具体的には、上記したように燃料電池の集電極(セパレータ)2、その間に挾まれるイオン交換膜3またはこのイオン交換膜3に固定される膜固定反応電極4等であり、これらの材料としてはカーボンの他にグラファイト等が用いられることもある。尚、溝部40aはガスケットの接着力強化や位置ずれ防止を狙ったものであり、カーボン材40とガスケットとの接着性が確保できる場合や使用時の内圧による位置ずれの心配がない場合には必ずしも必要ではない。
【0021】
図3は、射出成形の制御フローを示しており、型締め工程において先ず、予め設定した所定の位置で一旦、型締め停止を行なう(S101)。型締めの一時停止中は、型締め位置の保持手段を用いて金型間距離を一定に保持し、この金型間距離は、Oリング35,37が上下金型28,29,30と接触し、かつパーティング面34,36の間隔が2mm以下となって次の真空引き工程において外気が密閉空間38内に流入しないようにこれを設定する。次いで、このように型締めの一時停止が完了した時点でノズル22を前進させて、上型28にタッチさせる(S102)。ノズルタッチ力は、キャビティ空間39内の真空引き中に漏れが生じない程度に設定する必要があるが、一般的には2kN以上あれば良く、これによりキャビティ空間39が真空引き装置24と連結された流路以外は外気と完全に遮断される。
【0022】
ノズルタッチ圧力が上昇してリミットスイッチが作動した後、またはノズル22の前進開始から所定時間が経過した段階で、真空引き装置24を作動し、真空引きを開始する(S103)。尚、真空引き時にノズル22から材料が吸引されてキャビティ39内に流入することがないよう、上記したようにノズル22内にシャットオフバルブを設けておいて、これを閉弁作動させる。
【0023】
真空引きの開始から予め設定した経過時間(例えば15秒以下)または予め設定した真空度(例えば10Torr以下)に到達した時点で、今度は高圧により型締めを行なう(S104)。このときの高圧の型締め圧力は、カーボン材40の圧縮破壊強度以下であり、かつ充填圧力が加わった場合にもカーボン材40が破壊せず、バリ漏れを生じない圧力に設定することが望ましい。例えば、燃料電池用セパレータとして適した形状および厚み(2mm)に切削加工した樹脂含浸タイプのカーボン材(東洋炭素製品IKC−33)40の表面に溝40a加工(幅3.0mm、深さ0.3mm)を施したものに対しては、10kgf/mm以下に抑えることが望ましい。
【0024】
また、成形材料は、未硬化時の粘度が150Pa・s(25℃)、硬化後の硬さ(JIS A)20の液状ゴム硬化物、例えば信越化学製液状シリコーンゴムKE1950−20(A・B)が相応しく、射出筒21内で硬化が進行しない温度すなわち実施例では25℃以下に温調し、所望の硬化物が得られる硬化温度120℃〜180℃、実施例では150℃に温調された金型に射出することによって硬化物を得る。このときの射出圧力は、実施例では200kgf/cm、硬化時間は150秒間である。
【0025】
そして、以上のようにして成形されるガスケットは、これが、集電極2、イオン交換膜3または膜固定反応膜4等の平面プレート状多孔質カーボン材40の表面に形成された溝部40aに低粘度材料よりなるガスケットを一体成形したものであるために、従来からの懸案であったシール部の薄肉化、組立て性の向上、位置ずれの防止、低面圧化および面圧の均一化を実現することができ、また部品点数の削減、組込み後の使用中における加圧条件下での位置ずれの防止、製品寸法精度の安定化、組付け不具合の削減、組込み忘れによる機能不全不安定の防止、成形不良の低減、ガスケットの安定成形、シール性の向上、金型構造の簡素化、成形工程の削減、接着処理工程の削減、コストの低減、サイクルタイムの短縮およびバリ漏れの低減等を実現することができる。
【0026】
第二実施形態・・・
図4に示す他の実施形態においては、キャビティ空間39に予め定置する平面プレート状多孔質カーボン材40の上面および下面に互いに対応して溝部40a,40bが形成されており、更に図5(A)に拡大して示すように、この溝部40a,40b同士が各溝部40a,40bの底面に開口する貫通穴(連通穴とも称する)40cを介して互いに連通せしめられている。貫通穴40は例えば、直径1mmのものを10〜20mm間隔で複数形成する。
【0027】
したがって、このカーボン材40に対してガスケットの成形材料が供給されると、同図(B)に示すように、貫通穴40cを介して両溝部40a,40bに同時にガスケット7,8が一体成形されることになり、これにより従来からの懸案であったシール部の薄肉化、組立て性の向上、位置ずれの防止、低面圧化および面圧の均一化を実現することができ、また部品点数の削減、組込み後の使用中における加圧条件下での位置ずれの防止、製品寸法精度の安定化、組付け不具合の削減、組込み忘れによる機能不全不安定の防止、成形不良の低減、ガスケットの安定成形、シール性の向上、金型構造の簡素化、成形工程の削減、薄板両面へのガスケットの直接成形、接着処理工程の削減、コストの低減、サイクルタイムの短縮、プレート割れの防止およびバリ漏れの低減等を実現することができる。
【0028】
ガスケット7,8はそれぞれ、溝部40a,40b内に充填される充填部分7a,8aと、溝部40a,40bから突出して相手材に密接するシール部分7b,8bとを一体に有しており、これが貫通穴40c内のゴム硬化物9を介して一体に成形されている。この実施形態に係る成形方法の他の構成および作用効果は上記第一実施形態と同じである。また、溝部40a,40bが省略されて良いことも同じであり、この場合には、貫通穴40cがカーボン材40の上下両面に直接開口する。
【0029】
第三実施形態・・・
つぎに、図6は本発明の第三実施形態に係る燃料電池用ガスケットの断面を示しており、このガスケットは以下のように構成されている。
【0030】
すなわち先ず、一対の電極(外側電極とも称する)52,53の間に電解質膜55が配置されるとともに各電極52,53と電解質膜55との間にそれぞれ電極(内側電極とも称する)59,60が配置されており、上記電極52、電極59、電解質膜55、電極60および電極53をこの順番に並べた五層の積層体よりなる燃料電池セル51が形成されている。
【0031】
一対の電極52,53はそれぞれ、上記した集電極(セパレータ)に相当するものであって、カーボンプレートによって形成されており、その厚さtを実寸で1〜2mmほどに形成されている。
【0032】
電解質膜55は、上記したイオン交換膜に相当するものであって、その平面方向端部に電解質膜保護膜56を組み合わされており、この電解質膜55と電解質膜保護膜56の組み合わせによって電解質膜部54が形成されている。電解質膜保護膜56は、電解質膜55の平面方向端部を挟み込む一対の構成部品57,58を有しており、この一対の構成部品57,58はそれぞれ、互いに積層される積層部57a,58aと、電解質膜55の平面方向端部を挟み込む挟込み部57b,58bとを一体に有している。一対の構成部品57,58の積層部57a,58aにおける電解質膜保護膜56の厚さtは実寸で0.1〜0.2mmほどに形成されている。
【0033】
また、電極59,60はそれぞれ、上記した膜固定反応電極に相当するものであって、ガス流路を形成するようにカーボンによって形成されている。この一対の電極59,60と電解質膜55とよりなる三層の積層体の厚さtは実寸で0.5〜1.5mmほどに形成されている。
【0034】
一対の電極52,53の互いに対向する面に、低粘度材料よりなるガスケット(ガスケットリップまたはシール材とも称する)61,62が互いに対応して一体成形されており、この一対のガスケット61,62の間に、電解質膜部54の電解質膜保護膜56がその一対の構成部品57,58の積層部57a,58aにおいて非接着で挟み込まれることにより、シール部が形成されている。
【0035】
図7に拡大して示すように、一対のガスケット61,62のうち、一方のガスケット61は、その先端部に平面部(平坦部とも称する)61aを形成されており、この平面部61aは所定の幅wを備えている。また他方のガスケット62は、その先端部62aを断面円弧状に形成されて全体に凸形状ないし断面三角形状のものとして形成されており、その先端部62aの幅wを一方のガスケット61の平面部61aの幅wよりも小さく形成されている。
【0036】
両ガスケット61,62はそれぞれ、低硬度のシリコーンゴムによって成形されている。
【0037】
上記構成を備えたガスケットは、平面プレート状多孔質材である一対の電極52,53の表面に液状ゴム硬化物であるシリコーンゴムよりなるガスケット61,62を一体成形したものであって、プレートに対してゴムを成形と同時に一体化したものであるために、従来からの懸案であったシール部の薄肉化、組立て性の向上、位置ずれの防止、低面圧化および面圧の均一化を実現することができ、また部品点数の削減、組込み後の使用中における加圧条件下での位置ずれの防止、製品寸法精度の安定化、組付け不具合の削減、組込み忘れによる機能不全不安定の防止、成形不良の低減、ガスケットの安定成形、シール性の向上、金型構造の簡素化、成形工程の削減、接着処理工程の削減、コストの低減、サイクルタイムの短縮およびバリ漏れの低減等を実現することができる。
【0038】
また、一対のガスケット61,62の断面形状が互いに異形状とされて一方のガスケット61に平面部61aが設けられているために、この平面部61aが一対のガスケット61,62による一対のシール部のうちの受け側となって、この受け側の範囲が平面部61aの幅wによって比較的広く設定されている。したがって、他方のガスケット62の相手材(電解質膜部54)に対する密接位置についての中央値からの位置ずれ許容範囲を拡大することができ、これにより位置ずれが多少大きくても必要なシール性を十分に確保することができる。
【0039】
第四実施形態・・・
また、図8に示すように、上記構成に加えて、両ガスケット61,62の一部をそれぞれ電極52,53の表面に設けた溝部52a,53aに埋め込むようにしても良く、このようにした場合には、一対の電極52,53間の距離を短く形成することができ、これにより積層体ないし燃料電池を厚さ方向にコンパクト化することができる。
【0040】
第五実施形態・・・
上記第三および第四実施形態に係る燃料電池用ガスケットが一対のガスケット61,62の間に電解質膜部54を挟み込む構造であるのに対して、一対のガスケット61,62の間に電解質膜55そのもの、すなわちイオン交換膜55そのものを挟み込む構造としても良く、この例が第五実施形態として図9および図10に示されている。
【0041】
すなわち、この図9および図10の燃料電池用ガスケットは、以下のように構成されている。
【0042】
すなわち先ず、一対の電極(外側電極とも称する)52,53の間に、上記第三および第四実施形態における電解質膜55に相当するイオン交換膜55が配置されるとともに、各電極52,53とイオン交換膜55との間にそれぞれ電極(内側電極とも称する)59,60が配置されており、これらの電極52、電極59、イオン交換膜55、電極60および電極53をこの順番に並べた五層の積層体よりなる燃料電池セル51が形成されている。
【0043】
一対の電極52,53はそれぞれ、上記した集電極(セパレータ)に相当するものであって、カーボンプレートによって形成されており、その厚さを実寸で1〜2mmほどに形成されている。
【0044】
また、電極59,60はそれぞれ、上記した膜固定反応電極に相当するものであって、ガス流路を形成するようにカーボンによって形成されている。この一対の電極59,60とイオン交換膜55とよりなる三層の積層体の厚さは実寸で0.5〜1.5mmほどに形成されている。
【0045】
一対の電極52,53の互いに対向する面に、低粘度材料よりなるガスケット(ガスケットリップまたはシール材とも称する)61,62が互いに対応して一体成形されており、この一対のガスケット61,62の間にイオン交換膜55が非接着で挟み込まれることにより、シール部が形成されている。
【0046】
図10に拡大して示すように、一対のガスケット61,62のうち、図上上側の一方のガスケット62は、その先端部に平面部(平坦部とも称する)62bを形成されており、この平面部62bは所定の幅wを備えている。また図上下側の他方のガスケット61は、その先端部61bを断面円弧状に形成されて全体に断面凸形状ないし断面三角形状のものとして形成されており、その先端部61bの幅wを一方のガスケット62の平面部62bの幅wよりも小さく形成されている。
【0047】
両ガスケット61,62はそれぞれ、低硬度のシリコーンゴムによって成形されている。
【0048】
上記構成を備えたガスケットは、平面プレート状多孔質材である一対の電極52,53の表面に液状ゴム硬化物であるシリコーンゴムよりなるガスケット61,62を一体成形したものであって、プレートに対してゴムを成形と同時に一体化したものであるために、従来からの懸案であったシール部の薄肉化、組立て性の向上、位置ずれの防止、低面圧化および面圧の均一化を実現することができ、また部品点数の削減、組込み後の使用中における加圧条件下での位置ずれの防止、製品寸法精度の安定化、組付け不具合の削減、組込み忘れによる機能不全不安定の防止、成形不良の低減、ガスケットの安定成形、シール性の向上、金型構造の簡素化、成形工程の削減、接着処理工程の削減、コストの低減、サイクルタイムの短縮およびバリ漏れの低減等を実現することができる。
【0049】
また、一対のガスケット61,62のうちの一方に平面部62bが設けられているために、この平面部62bが一対のガスケット61,62による一対のシール部のうちの受け側となって、この受け側の範囲が平面部62bの幅wによって比較的広く設定されている。したがって、他方のガスケット62の相手材(イオン交換膜55)に対する密接位置についての中央値からの位置ずれ許容範囲を拡大することができ、これにより位置ずれが多少大きくても必要なシール性を十分に確保することができる。但し、シール性向上の観点からすれば、ガスケット62の相手材(イオン交換膜55)に対する接触面圧はできるだけ大きいことが好ましいため、平面部62bの幅wは上記位置ずれの解消に必要な範囲にとどめるのが好適である。
【0050】
尚、この第五実施形態に係るガスケットについては、その構成を以下のように付加または変更することが可能である。
【0051】
(1)図9および図10における上下一対のガスケット61,62がそれぞれ、電極52,53の表面に形成された溝部52a,53aに設けられているのに対して、溝部52a,53aをなくし、ガスケット61,62を電極52,53の表面に直接設ける。
【0052】
(2)図9および図10における上側の、平面部62bを備えたガスケット62のシール部の断面形状が台形ないし略台形であるのに対して、その断面形状を、図11に示すように四角形ないし長方形とし、このガスケット62を平板状に成形されたものとする。この場合は、平面部62bがガスケット62の全幅に亙って設けられることになる。
【0053】
(3)図9および図10における下側のガスケット61のシール部の断面形状が凸形状、三角形状ないし略三角形状であるのに対して、その断面形状を、図12に示すように、上側のガスケット62と同様の台形ないし略台形とする。したがってこの場合は、上下双方のガスケット61,62の断面形状がそれぞれ台形ないし略台形とされ、双方のガスケット61,62にそれぞれ平面部61a,62bが設けられることになる。断面形状は上記したように四角形ないし長方形であっても良い。
【0054】
また、この(2)および(3)による変更内容は、一対のガスケット61,62の間に電解質膜部54を挟み込んだ上記第三および第四実施形態に対しても、そのまま適用することが可能である。
【0055】
第六実施形態・・・
すなわち先ず、多孔質カーボン、グラファイト、導電性フェノール樹脂またはマグネシウム合金等よりなる集電極、イオン交換膜または膜固定反応電極としての平面プレート71の表面にガスケットライン(ガスケットリップラインとも称する)に沿って突起72が一体成形されており、この突起72を覆うようにして硬さ(JIS A)60以下の液状ゴム硬化物よりなるガスケット73が接着剤を使用せずに、または接着剤を使用して一体成形されている。
【0056】
突起72は、断面略三角形ないし略台形に形成されており、上記ガスケットラインの全長に亙って設けられている。ガスケット73は、突起72を覆うとともに組付け時に相手材74に接触してシール作用をなす断面略三角形ないし略円弧形の山部73aを有しており、この山部73aの両側にそれぞれ、山部73aよりも高さの低い平面状の裾部73bが一体成形されている。また、各部の寸法が以下の基準をもとに設定されている。
【0057】
突起72の幅(底辺部における最大幅)w11:2mm以下
ガスケット73の全幅w12:2〜5mm
ガスケット73の山部73aの幅w13:1〜5mm
ガスケット73の裾部73bの厚さt14:1mm以下
裾部73b上面から山部73a頂点までの高さh15:0.2〜2mm以下
山部73aの厚さt16(山部幅方向中央における最小幅):1mm以下
ガスケットが組付け時に接触する相手材74に形成された凹部75の幅w17:ガスケット全幅w12以上の大きさ
凹部75の深さd18:1mm以下
【0058】
そして、これらの各部の寸法が、組付け時における突起72と相手材74との上下方向の間隔が0.2〜1.0mmとなり、かつこの間隔による隙間を厚さ1.0mm以下のガスケット73が満たして圧縮されシール作用をなすように計算した上で、それぞれ具体的な数値として設定されている。
【0059】
上記構成を備えたガスケットにおいては、多孔質カーボン、グラファイト、導電性フェノール樹脂またはマグネシウム合金等よりなる集電極、イオン交換膜または膜固定反応電極としての平面プレート71の表面に、硬さ(JIS A)60以下の液状ゴム硬化物よりなるガスケット73が接着剤を使用せずに、または接着剤を使用して一体成形されているために、従来からの懸案であったシール部の薄肉化、組立て性の向上、位置ずれの防止、低面圧化および面圧の均一化を実現することができ、また部品点数の削減、組込み後の使用中における加圧条件下での位置ずれの防止、製品寸法精度の安定化、組付け不具合の削減、組込み忘れによる機能不全不安定の防止、成形不良の低減、ガスケットの安定成形、シール性の向上、金型構造の簡素化、成形工程の削減、接着処理工程の削減、コストの低減、サイクルタイムの短縮およびバリ漏れの低減等を実現することができる。
【0060】
また、多孔質カーボン、グラファイト、導電性フェノール樹脂またはマグネシウム合金等よりなる集電極、イオン交換膜または膜固定反応電極としての平面プレート71の表面にガスケットラインに沿って突起72が一体成形され、この突起72を覆うようにして硬さ(JIS A)60以下の液状ゴム硬化物よりなるガスケット73が接着剤を使用せずにまた接着剤を使用して一体成形されているために、突起72がガスケット73を支持することによりガスケット73の位置ずれを一層有効に防止することができる。また、ガスケット73の圧縮量が制限されることにより低歪み量でシール面圧を十分に確保することができ、突起72を設けて横ずれ防止用の溝部を廃止したことによりガスケットの耐久性を向上させることができる。また、接着剤を使用せずに突起72による支持のみでガスケット73を保持するようにした場合には、接着剤の使用による発電効率への悪影響を考慮することなく、安心して当該ガスケットを使用することができる。
【0061】
尚、この第六実施形態に係るガスケットについては、その構成を以下のように付加または変更することが可能である。
【0062】
すなわち、上記実施形態に係るガスケットにおいて、組付け時にガスケット73が接触する相手材74に凹部75を形成したのは、この相手材74と平面プレート71の面71a,74a同士が接触して互いに位置決めされたときに、突起72と相手材74との間に0.2mm以上の間隔を設定してガスケット73の圧縮量を制限するためである。したがって、この圧縮量を制限する手段として相手部材74に凹部75を設ける代わりに、図14に示すように、相手材74に突部状ないし段差状のスペーサ部76を設けて、このスペーサ部76の面76aを平面プレート71の面71aに接触させるようにしても良い。また図15に示すように、凹部75を平面プレート71側に設けても良く、図16に示すように、突部状ないし段差状のスペーサ部76を平面プレート71側に設けても良い。
【0063】
第七実施形態・・・
つぎに、図17は本発明の第七実施形態に係る燃料電池用ガスケットの断面を示しており、このガスケットは以下のように構成されている。
【0064】
すなわち先ず、多孔質カーボン、グラファイト、導電性フェノール樹脂またはマグネシウム合金等よりなる集電極、イオン交換膜または膜固定反応電極としての平面プレート71の表面にガスケットライン(ガスケットリップラインとも称する)に沿って突起72が一体成形されており、この突起72を覆うようにして硬さ(JIS A)60以下の液状ゴム硬化物よりなるガスケット73が接着剤を使用せずに、または接着剤を使用して一体成形されている。
【0065】
突起72は、断面略三角形ないし略台形に形成されており、上記ガスケットラインの全長に亙って設けられている。ガスケット73は、突起72を覆うとともに組付け時に相手材74に接触してシール作用をなすように断面略三角形ないし略円弧形に成形されており、上記第六実施形態における裾部73bは設けられていない。また、各部の寸法が以下の基準をもとに設定されている。
【0066】
突起72の幅(底辺部における最大幅)w11:2mm以下
ガスケット73の全幅w12:2〜5mm
ガスケット73の全高h19:2mm以下
ガスケット73の厚さt16(山部幅方向中央における最小幅):1mm以下
ガスケットが組付け時に接触する相手材74に形成された凹部75の幅w17:ガスケット全幅w12以上の大きさ
凹部75の深さd18:1mm以下
【0067】
そして、これらの各部の寸法が、組付け時における突起72と相手材74との上下方向の間隔が0.2〜1.0mmとなり、かつこの間隔による隙間を厚さ1.0mm以下のガスケット73が満たして圧縮されシール作用をなすように計算した上で、それぞれ具体的な数値として設定されている。
【0068】
上記構成を備えたガスケットにおいては、多孔質カーボン、グラファイト、導電性フェノール樹脂またはマグネシウム合金等よりなる集電極、イオン交換膜または膜固定反応電極としての平面プレート71の表面に、硬さ(JIS A)60以下の液状ゴム硬化物よりなるガスケット73が接着剤を使用せずに、または接着剤を使用して一体成形されているために、従来からの懸案であったシール部の薄肉化、組立て性の向上、位置ずれの防止、低面圧化および面圧の均一化を実現することができ、また部品点数の削減、組込み後の使用中における加圧条件下での位置ずれの防止、製品寸法精度の安定化、組付け不具合の削減、組込み忘れによる機能不全不安定の防止、成形不良の低減、ガスケットの安定成形、シール性の向上、金型構造の簡素化、成形工程の削減、接着処理工程の削減、コストの低減、サイクルタイムの短縮およびバリ漏れの低減等を実現することができる。
【0069】
また、多孔質カーボン、グラファイト、導電性フェノール樹脂またはマグネシウム合金等よりなる集電極、イオン交換膜または膜固定反応電極としての平面プレート71の表面にガスケットラインに沿って突起72が一体成形され、この突起72を覆うようにして、硬さ(JIS A)60以下の液状ゴム硬化物よりなるガスケット73が接着剤を使用せずにまた接着剤を使用して一体成形されているために、突起72がガスケット73を支持することによりガスケット73の位置ずれを一層有効に防止することができる。また、ガスケット73の圧縮量が制限されることにより低歪み量でシール面圧を十分に確保することができ、突起72を設けて横ずれ防止用の溝部を廃止したことによりガスケットの耐久性を向上させることができる。また、接着剤を使用せずに突起72による支持のみでガスケット73を保持するようにした場合には、接着剤の使用による発電効率への悪影響を考慮することなく、安心して当該ガスケットを使用することができる。また、ガスケット73に裾部が設けられておらずガスケット73が断面略三角形ないし略円弧形の山状部分のみによって形成されているために、成形材料の歩留まりを向上させることができ、取付スペースを縮小することができる。
【0070】
尚、この第七実施形態に係るガスケットについては、その構成を以下のように付加または変更することが可能である。
【0071】
すなわち、上記実施形態に係るガスケットにおいて、組付け時にガスケット73が接触する相手材74に凹部75を形成したのは、この相手材74と平面プレート71の面71a,74a同士が接触して互いに位置決めされたときに、突起72と相手材74との間に0.2mm以上の間隔を設定してガスケット73の圧縮量を制限するためである。したがって、この圧縮量を制限する手段として相手部材74に凹部75を設ける代わりに、図18に示すように、相手材74に突部状ないし段差状のスペーサ部76を設けて、このスペーサ部76の面76aを平面プレート71の面71aに接触させるようにしても良い。また図19に示すように、凹部75を平面プレート71側に設けても良く、図20に示すように、突部状ないし段差状のスペーサ部76を平面プレート71側に設けても良い。
【0072】
【発明の効果】
本発明は、以下の効果を奏する。
【0073】
すなわち先ず、上記構成を備えた本発明のガスケットにおいては、平面プレートまたは電極の表面またはこの表面に施された溝部に液状ゴム硬化物よりなるガスケットリップを一体成形するようにしたために、従来からの懸案であったシール部の薄肉化、組立て性の向上、位置ずれの防止、低面圧化および面圧の均一化を実現することができ、また部品点数の削減、組込み後の使用中における加圧条件下での位置ずれの防止、製品寸法精度の安定化、組付け不具合の削減、組込み忘れによる機能不全不安定の防止、成形不良の低減、シール性の向上、成形工程の削減、接着処理工程の削減、コストの低減およびバリ漏れの低減等を実現することができる。
【0074】
またこれに加えて、上記構成を備えた本発明のガスケットにおいては、一対のガスケットリップの断面形状が互いに異形状とされて一方のガスケットリップに平面部が設けられているために、他方のガスケットリップの相手材に対する密接位置についての中央値からの位置ずれ許容範囲を拡大することができ、これにより位置ずれが多少大きくても必要なシール性を十分に確保することができる。
【0075】
また、上記構成を備えた本発明のガスケットにおいては、多孔質カーボン、グラファイト、導電性フェノール樹脂またはマグネシウム合金等よりなる平面プレートの表面にガスケットリップラインに沿って突起が設けられ、この突起を覆うようにしてガスケットリップが一体成形されているために、突起がガスケットリップを支持することによりガスケットリップの位置ずれを一層有効に防止することができる。また、ガスケットリップの圧縮量が制限されることにより低歪み量でシール面圧を十分に確保することができ、突起を設けて横ずれ防止用の溝部を廃止したことによりガスケットの耐久性を向上させることができる。
【0076】
また、上記構成を備えた本発明のガスケットの成形方法においては、ガスケットを安定成形することができ、金型装置の構成が比較的簡単で、サイクルタイムも比較的短い成形方法を提供することができる。
【0077】
更にまた、上記構成を備えた本発明のガスケットの成形方法においては、従来からの懸案であったシール部の薄肉化、組立て性の向上、位置ずれの防止、低面圧化および面圧の均一化を実現することができ、また部品点数の削減、組込み後の使用中における加圧条件下での位置ずれの防止、製品寸法精度の安定化、組付け不具合の削減、組込み忘れによる機能不全不安定の防止、成形不良の低減、ガスケットの安定成形、シール性の向上、金型構造の簡素化、成形工程の削減、薄板両面へのガスケットの直接成形、接着処理工程の削減、コストの低減、サイクルタイムの短縮、プレート割れの防止およびバリ漏れの低減等を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態に係るガスケットの成形方法の実施に使用する液状射出成形装置の説明図
【図2】同装置における金型の詳細説明図
【図3】同装置の制御フローチャート図
【図4】本発明の第二実施形態に係るガスケットの成形方法の実施に使用する液状射出成形装置における金型の詳細説明図
【図5】(A)はガスケット成形前の状態を示す多孔質材の要部断面図、(B)はガスケット成形後の状態を示す多孔質材の要部断面図
【図6】本発明の第三実施形態に係るガスケットの断面図
【図7】図6の要部拡大図
【図8】本発明の第四実施形態に係るガスケットの要部断面図
【図9】本発明の第五実施形態に係るガスケットの断面図
【図10】図9の要部拡大図
【図11】同ガスケットの構造変更例を示す要部断面図
【図12】同ガスケットの構造変更例を示す要部断面図
【図13】本発明の第六実施形態に係るガスケットの要部断面図
【図14】同ガスケットの構造変更例を示す要部断面図
【図15】同ガスケットの構造変更例を示す要部断面図
【図16】同ガスケットの構造変更例を示す要部断面図
【図17】本発明の第六実施形態に係るガスケットの要部断面図
【図18】同ガスケットの構造変更例を示す要部断面図
【図19】同ガスケットの構造変更例を示す要部断面図
【図20】同ガスケットの構造変更例を示す要部断面図
【図21】燃料電池の構成例を示す説明図
【符号の説明】
1,51 燃料電池セル
2 集電極
3 イオン交換膜
4 膜固定反応電極
5 ゴム板
6 発泡スポンジ層
7,8,61,62,73 ガスケット(ガスケットリップ)
7a,8a 充填部分
7b,8b シール部分
9 貫通穴内ゴム硬化物
11 液状射出成形装置
12 主剤用タンク
13 着色剤用タンク
14 硬化剤用タンク
15 材料供給用プランジャ
16 射出装置
17 金型
18 油圧モータ
19 射出シリンダ
20 スクリュ
21 射出筒
22 ノズル
23 シャットオフバルブ
24 真空引き装置
25 上プラテン
26,32 断熱盤
27 上熱盤
28 上型
29 中型
29a,30a 装着溝
30 下型
31 下熱盤
33 下プラテン
34,36 パーティング面
35,37 Oリング
38 密閉空間
39 キャビティ空間
40 平面プレート状多孔質カーボン材
40a,40b,52a,53a 溝部
40c 貫通穴
41 スプル
42 ランナ
43 ゲート
52,53,59,60 電極
52a,53a 溝部
54 電解質膜部
55 電解質膜(イオン交換膜)
56 電解質膜保護膜
57,58 電解質膜保護膜構成部品
57a,58a 積層部
57b,58b 挟込み部
61a,61c,62b 平面部
61b,62a 先端部
71 平面プレート
72 突起
73a 山部
73b 裾部
74 相手材
75 凹部
76 スペーサ部

Claims (4)

  1. 多孔質カーボン、グラファイト、導電性フェノール樹脂またはマグネシウム合金等よりなる平面プレートの表面または前記表面に施された溝部に、液状ゴム硬化物よりなるガスケットリップを一体成形し、
    ガスケットリップラインに沿う突起を前記平面プレートに設け、前記突起を覆うように前記ガスケットリップを形成したことを特徴とする燃料電池用ガスケット。
  2. 多孔質カーボン、グラファイト、導電性フェノール樹脂またはマグネシウム合金等よりなる平面プレートの表面または前記表面に施された溝部に、液状ゴム硬化物よりなるガスケットリップを一体成形し、
    ガスケットリップラインに沿う突起を前記平面プレートに設け、前記突起を中心に接着剤を塗布し、その領域を覆うように前記ガスケットリップを形成したことを特徴とする燃料電池用ガスケット。
  3. 多孔質カーボン、グラファイト、導電性フェノール樹脂またはマグネシウム合金等よりなる平面プレートの表面または前記表面に施された溝部に、液状ゴム硬化物よりなるガスケットリップを一体成形し、
    電解質膜部を挟み込むように配置される一対の前記ガスケットリップの断面形状が互いに異なるように形成され、一方の前記ガスケットリップに、前記電解質膜部に接触する所定の幅を備えた平面部が形成されていることを特徴とする燃料電池用ガスケット。
  4. 請求項1ないし3に記載した燃料電池用ガスケットの成形方法において、
    射出前に上下金型の間に隙間を設けて真空引きし、その後、型締めしてガスケットリップを射出成形し、
    平面プレートの両面または前記両面に施された溝部の底面に開口する貫通穴を設け、前記貫通穴を介して前記両面または両溝部に同時にガスケットリップを一体成形することを特徴とする燃料電池用ガスケットの成形方法。
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