JP5087046B2 - 固体高分子型燃料電池スタック - Google Patents

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Description

本発明は、イオン伝導性を有する固体高分子を電解質とする固体高分子型燃料電池スタックに関し、特に、流体シール用のパッキンに関する。
電解質としてプロトン伝導性を有する固体高分子電解質膜を用いた燃料電池は、コンパクトな構造で高出力密度が得られ、かつ簡略なシステムで運転が可能なことから、定置用分散電源だけでなく、宇宙用や車両用などの電源としても注目されている。以下には、このタイプの燃料電池における従来の技術について、図面を参照して説明する。
高分子膜としては、パーフルオロカーボンスルホン酸膜などが用いられる。このような高分子膜を白金などの触媒を有する一対のガス拡散電極すなわち燃料極と酸化剤極とで高分子膜を狭持し、膜電極複合体を構成する。
図10は、このような膜電極複合体を用いた単位電池の構成を示す断面図である。この図10に示すように、固体高分子膜28と電極すなわち燃料極29aおよび酸化剤極29bは、シート状に形成され、膜電極複合体30を構成する。
図11は、膜電極複合体30を示す平面図である。この図11に示すように、固体高分子膜28および電極29a,29bのシートの形状は、通常の場合、長方形または正方形である。固体高分子膜28は、燃料極29aと酸化剤極29bに供給される反応ガスの混合を防ぐ役割も担っているため、その面積は通常電極の面積より大きい。また、上記反応ガスが固体高分子膜28を垂直方向に通過できるように、固体高分子膜28における電極29a,29bの周囲には、マニホールド31と呼ばれる幾つかの貫通孔が設けられている。
このような膜電極複合体30から電流を取り出すためには、反応ガスである燃料ガスおよび酸化剤ガスを各電極29a,29bにそれぞれ供給する必要がある。また、同時に集電体としての機能を持った部品が各電極に隣接した状態で存在しなければならない。そのため、反応ガスを混合しないように各電極29a,29bにそれぞれ供給し、かつ集電体としての機能を持ったセパレータと呼ばれる部品が用いられている。図10に示すように、燃料極29a側と酸化剤極29b側のセパレータ32は、通常の場合、一体化されている。
そして、図10に示すように、通常の場合、膜電極複合体30の燃料極29aと酸化剤極の外側に、上記の一体型のセパレータ32と反応ガスシール用のパッキン33がそれぞれ配置されることで、単位電池34が形成されている。
また、セパレータ32には、反応ガスを各単位電池に供給するための供給マニホールド35aと呼ばれる貫通孔、各単位電池から排出するための排出マニホールド35bと呼ばれる貫通孔、およびそれらのマニホールド35a,35bを結ぶ多数の燃料ガス流路36aおよび酸化剤ガス流路36bが形成されている。このようなセパレータ32のマニホールド35a,35bおよびガス流路36a,36bは、前述した固体高分子膜28のマニホールド31と共に、燃料極29aおよび酸化剤極29bに電池反応に必要な燃料ガスおよび酸化剤ガスを供給するガス流路を形成している。
さらに、1つの膜電極複合体30が生じる起電力は小さいため、必要な起電力を確保するために、図12に示すように、複数の単位電池34を積層し、電気的直列に接続して固体高分子型燃料電池スタック37を構成し、起電力を高くしている。1つまたはそれ以上の単位電池34毎に電池を冷却するための冷却板を設ける場合もある。必要数の単位電池34を積層した後、スタック37は、スプリングやロッド等の締付機構を用いて積層方向に締め付けられる。
このように構成されたスタック37には、積層された全ての単位電池34において、積層方向の反応ガス配流や温度・湿度等の様々な条件を限りなく均等にすることが要求される。
一方、パッキン33に関しては、シート状のものまたはOリングのようにビード状のものを用いることが一般的であり、その材料は主に、フッ素ゴム等のゴム類、独立気泡を有するゴム類、またはフッ素樹脂等である。従来、パッキン33は、隣り合うセパレータ32間に1つまたは2つ設けられている。そして、通常の場合、隣り合うセパレータ32間にビード状パッキンが1つといった構成、またはセパレータ32の両面における燃料極29aおよび酸化剤極29bの周囲にそれぞれ1つのシート状パッキンが設けられ、あるいは一方がシート状パッキン、他方がビード状パッキンといった構成が用いられている。
このうち、隣り合うセパレータ32間にビード状のパッキン32が1つ設けられる場合には、そのビード状パッキン32の潰れによる反力のため、反応ガス等の流体がシールされる。
また、セパレータ32の両面にそれぞれパッキン33が設けられる場合、通常は、隣り合うセパレータ32間にあるパッキン33同士の少なくとも一部が直接重なり合うか、または固体高分子膜28を介して重なり合い、それらの重なった2つのパッキンの弾性力でシールされる。
なお、パッキン33の配置にあたっては、単位電池34の積層作業性を考慮して、予めセパレータ32または膜電極複合体30にパッキン33を接着する手法、あるいは、パッキンがOリングの場合には、一般的なOリングの使用法のように、セパレータ32にOリング用の溝を設けてその溝内にOリングをセットする手法等が用いられている。
いずれの構成、手法が用いられる場合でも、パッキン33には、流体シール機能に加えて、スタック構成部品の厚さのバラツキを吸収する機能が要求される。また、必要に応じて各セパレータ32間の絶縁機能が要求されることもある。
また、ガス流路36a,36b上をまたがるように位置するシール部分に関しては、パッキン33が燃料極29a側もしくは酸化剤極29b側のどちらか片方しか存在しないために、片方のパッキン33の弾性力のみでシール性が要求される。
これを解決する手法として、特許文献1〜特許文献4の発明が従来から知られている。
特開平9−167623号公報 特開2000−12067号公報 実願昭60−148043号(実開昭62−57723号)のマイクロフィルム 特開平2−97776号公報
しかしながら、以上のような従来の固体高分子型燃料電池スタックのパッキンには、次のような問題があった。
まず、従来のシート状パッキンでは、例えば、フッ素ゴムシートパッキンを用いた場合、パッキン1枚当りの潰れ代が十分に取れないために、構成部品の厚さのバラツキを十分に吸収しきれずに、結果としてシール不良を招くといった問題があった。
また、図13に示すように、長方形断面のパッキンでは、その側面積が小さいために、パッキンの変形能力が小さく、所定の位置までの締付において潰れたパッキンの逃げ代が少なく、そのパッキンの反力による荷重が激増してしまう。そのため、シール不良もしくはセパレータやガス拡散電極の割れ等の問題を生じる可能性があった。
そしてまた、図14に示すように、独立気泡を有するゴムシートパッキンを用いた場合には、パッキン1枚当りの潰れ代は十分に取れるが、応力緩和もしくは圧縮永久歪が大きいために、スタックを締め付けて発電を開始した際に短時間でシール不良を招くといった問題があった。
一方、図15に示すように、Oリングをパッキンとして用いた場合には、構成部品の厚さのバラツキを吸収することはできるが、単位電池積層時のパッキンのオフセット面が円弧状になっているために、単位電池積層時やスタック締付時に左右にズレやすくなり、シール不良を招きやすいといった問題があった。
さらに、パッキンの断面形状や材料がセパレータの両面で異なる場合、もしくは隣り合うセパレータの対向面のパッキンを共有化して単位電池に対し1枚のパッキンしか用いない場合には、セパレータ内のガス流路の上をまたがるように位置するシール部分において、セパレータ両面の少なくともどちらか一方でパッキンの弾性力不足によりシール不良を招く危険性もあった。
加えて、従来ではパッキンの製造や積層作業に時間を要するために、結果的にコストアップにつながっていた。
本発明は、以上のような従来技術の問題を解決するために提案されたものであり、その目的は、スタック構成部品の破損や短絡等を生じることなく、構成部品の厚さのバラツキを十分に吸収可能で、十分なシール性を有するパッキン構造を実現することにより、安定した発電が可能でしかも安価に製造可能な、優れた固体高分子型燃料電池スタックを提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明は、上記の固体高分子型燃料電池スタックにおいて、積層状態において対向する一対のセパレータのそれぞれは、各セパレータの対向面に積層されるパッキンを備え、前記パッキンは、断面略台形状の凸状部を有し、その略台形状の細くなった部分が前記セパレータと接触するパッキンの基部であると共に、略台形状の広くなった部分が他のパッキンと対向するパッキンの先端部であって、このパッキンの先端部に設けられた他のパッキンとの対向面がスタックの積層方向に対して直角平面に形成され、前記対向する一対のセパレータのそれぞれには、他のセパレータとの対向面に前記パッキンの基部を装着する有底溝が設けられ、この有底溝内に前記パッキンの基部である断面略台形状の凸状部の細くなった部分が、パッキンの側面と有底溝の側面との間にパッキンの膨張用の空間を保って配置され、これら各セパレータの対向面に積層されたパッキン同士を介して対向する一対のセパレータが積層され、対向するセパレータのパッキン同士がその先端同士を直接又は前記高分子膜を介して接触した状態において、セパレータの有底溝内に配置された断面略台形状の凸状部が前記有底溝内において圧縮変形されることを特徴とする。
本発明によれば、パッキンの断面台形状の凸状部においては、パッキンの側面積が増大すると共に、有底溝内に膨張用の空間を保って配置したので、パッキンの逃げ代が十分に確保でき、所定の位置までの締付においてパッキンの反力による荷重の激増を防止できる。その結果、十分なシール性が得られ、セパレータやガス拡散電極等のスタック構成部品の破損を生じることがなくなる。また、セパレータに設けた有底溝にパッキンを配置することにより、パッキンを容易に位置決めできると共に、有底溝の深さ分だけパッキンの厚さを増大させることができるため、スタック構成部品の厚さバラツキ吸収能力を向上することができる。
さらに、積層時のオフセット面がスタックの積層方向に対して概略直角平面であることにより、単位電池積層時やスタック締付時のズレを防止できるため、ズレによるシール不良の発生を防止できる。
本発明による実施例1に係る固体高分子型燃料電池スタックを積層方向に分解して示す断面図であり、図3および図5のA−A線断面に対応する。 図1のスタックの構成を示す別の断面図であり、図3および図5のB−B線断面に対応する。 図1のスタックを構成するパッキンを示す平面図である。 図1のスタックの積層組み立て前において、隣り合う一対のパッキンを示す拡大断面図である。 図1のスタックを構成するセパレータを示す平面図である。 図1のスタックにおけるパッキンの変形およびその際の反力を説明する説明図である。 本発明による実施例2に係る固体高分子型燃料電池スタックにおいて、燃料極側に配置されるパッキンを示す平面図である。 本発明による実施例2に係るスタックにおいて、酸化剤極側に配置されるパッキンを示す平面図である。 本発明による実施例2に係るスタックの積層組み立て前において、隣り合う燃料極側と酸化剤極側の一対のパッキンを示す拡大断面図である。 従来の固体高分子型燃料電池の単位電池を積層方向に分解して示す断面図である。 図10の膜電極複合体を示す平面図である。 図10の単位電池を積層してなる従来の固体高分子型燃料電池スタックの構成を示す断面図である。 従来の固体高分子型燃料電池スタックにおける長方形断面のパッキンの変形およびその際の反力を説明する説明図である。 従来の固体高分子型燃料電池スタックにおける独立気泡を有するゴムシートパッキンの変形およびその際の反力を説明する説明図である。 従来の固体高分子型燃料電池スタックにおけるOリングを用いたパッキンの変形およびその際の反力を説明する説明図である。
以下には、本発明の固体高分子型燃料電池スタックを適用した実施例について、図1〜図9を参照して詳細に説明する。
(構成)
図1および図2は、本発明による実施例1に係る固体高分子型燃料電池スタックの構成を示す断面図である。また、図3は、スタックを構成するパッキンを示す平面図であり、図4は、隣り合う一対のパッキンを示す拡大断面図である。さらに、図5は、スタックを構成するセパレータを示す平面図である。ここで、図1は、図3および図5のA−A線断面に対応する断面図であり、図2は、図3および図5のB−B線断面に対応する断面図である。
本実施例に係る固体高分子型燃料電池スタックは、まず、図1および図5に示すように、燃料ガスマニホールド1、酸化剤ガスマニホールド2、および冷却水マニホールド3が形成されると共に、燃料ガス用および酸化剤ガス用のガス流路4a,4bが片面ずつに形成され、さらに、パッキン用の有底溝5が両面にそれぞれ形成されてなるセパレータ6を有する。このスタックはまた、固体高分子膜7を燃料極8aおよび酸化剤極8bを構成するガス拡散電極で挟持した膜電極複合体9、およびセパレータ6の各面の有底溝5にそれぞれ配置されるパッキン10を有する。図1に示すように、この固体高分子型燃料電池スタックは、以上のようなセパレータ6とその両面のパッキン10、および膜電極複合体9から構成される単位電池11を複数回繰り返して積層してなる構造を有するものである。
この固体高分子型燃料電池スタックにおいて、燃料極8aおよび酸化剤極8bを構成するガス拡散電極は、共にほぼ同じ厚さである。図2および図4に示すように、パッキン10は、通常の場合、直接重なり合うか、あるいは、膜電極複合体9の固体高分子膜7を介して重なり合うため、その両方の弾性力によってシールされる。
これに対して、例えば、図3および図5のA−A線部分に対応する図1に示すように、積層時に何れかのガス流路4a,4bの上をまたがるように位置するシール部分においては、そのシール部分は片方のパッキン10の弾性力のみでシールされることになる。本実施例においては、そのようなガス流路4a,4b上をまたがるように位置するシール部分に、補強板9aが配置されている。
図3および図4に示す断面凸状のパッキン10は、フッ素ゴムから作られており、その具体的な断面形状は、図4に示すように有底溝5の底と接する上底側が短い等脚台形である。このパッキン10には、その等脚台形の下底に沿って厚さ200μm程度の薄いラバー層12が設けられている。このラバー層12は、等脚台形と同じくフッ素ゴムから作られており、その外形寸法は、セパレータ6の外形寸法とほぼ等しくされている。また、本実施例においては、燃料極8a側と酸化剤極8b側とで共通のパッキン10を用いている。
以上のような構成を有するパッキン10が、図5に示すセパレータ6の有底溝5に配置される。図4は、このように有底溝5に配置されたパッキン10を示している。有底溝5の断面形状は、燃料極8a側と酸化剤極8b側とで同一であり、この有底溝5の幅は、パッキン10の下底よりも大きい。また、有底溝5内には、パッキン10の断面における等脚台形の上底側が収容される。そして、図4に示すように、隣り合うパッキン10同士(この場合はラバー層12同士も)が重なる構造となる。
また、例えば膜電極複合体9の外周のように、パッキン10同士の間に固体高分子膜7が介在する個所もある。
さらに、図4に示すように、このパッキン10において、単位電池11を構成する際のパッキン10と固体高分子膜6とのオフセット面、並びに、隣り合うセパレータ6の対向面にそれぞれ設けられているパッキン同士のオフセット面は、パッキン10の断面における等脚台形の下底側であり、単位電池11(スタック)の積層方向に対して直角平面となっている。
(作用)
以上のような構成を有する本実施例においては、次のような作用が得られる。
まず、図6に示すように、パッキン10の断面凸状部である等脚台形においては、パッキン10の側面積が増大するので、パッキンの逃げ代が十分に確保でき、所定の位置までの締付においてパッキンの反力による荷重の激増を防止できる。その結果、十分なシール性が得られ、また、セパレータ6やガス拡散電極8a,8b等のスタック構成部品の破損を生じることがなくなる。
そして、セパレータに設けた有底溝5にパッキン10を配置することにより、パッキン10を容易に位置決めできると共に、有底溝5の深さ分だけパッキン10の厚さを増大させることができるため、パッキン10によるスタック構成部品の厚さバラツキ吸収能力を向上することができる。この場合、有底溝5の幅がパッキン10の下底より大きいために、潰れたパッキン10が外側に逃げるスペースも確保されているので、安定したシール性が得られる。
また、隣り合うセパレータ6の対向面にそれぞれ設けられているパッキン10同士が直接あるいは固体高分子膜7を介して重なっている部分は勿論、隣り合うセパレータ6の対向面のパッキン10同士が重ならず片側のみのパッキン10しか存在しない部分、特に、ガス流路4a,4bの上をまたがるように位置する固体高分子膜周囲のシール部分においても、片側には弾性力のあるパッキン10が存在しているので、シール不良を解消できる。
特に、パッキン10の断面が等脚台形をしており、パッキン10の側面に相当する自由面積が大きく、潰れやすい形状をしている。また、燃料極8aおよび酸化剤極8bのガス拡散電極は共にほぼ同じ厚さであり、上記パッキン10の材料および断面形状、およびパッキン10が配置される有底溝5の断面形状が、燃料極8a側と酸化剤極8b側とで同一であるため、スタック締付の際、燃料極8a側と酸化剤極8b側のパッキン10はそれぞれほぼ同じ潰れ方、同じ弾性力となり、燃料極8a側および酸化剤極8b側の両方においてガス流路4a、4bの上をまたがるように位置するシール部分でのシール不良を完全に解消できる。加えて、燃料極8a側および酸化剤極8b側のパッキン13を共通の1種類のパッキンで賄うことができる。
さらに、パッキン10のオフセット面が単位電池11(スタック)の積層方向に対して直角平面であることにより、単位電池11の積層時やスタック締付時のズレを防止できるため、ズレによるシール不良の発生を防止できる。また、パッキン10同士の少なくとも一部が直接あるいは固体高分子膜7を介して接することにより、構成見かけ上のパッキン10の厚さが増大する。その結果、スタック構成部品の厚さバラツキ吸収能力を向上することができる。
一方、本実施例において、パッキン10には、セパレータ6の外形寸法とほぼ同じ外形寸法を有するフッ素ゴム製のラバー層12が設けられているため、このラバー層12により、隣り合うセパレータ6同士が絶縁される。
また、本実施例においては、図1に示すように、ガス流路4a、4b上をまたがるシール部分に補強板9aが配置されているため、この部分のシール性をさらに補強することができる。
(効果)
したがって、本実施例によれば、スタックのすべての単位電池11において、スタック構成部品の破損や短絡等を生じることなく、構成部品の厚さのバラツキを十分に吸収可能で、十分なシール性を有するパッキン構造を実現できるため、安定した発電が可能となる。しかも、本実施例に係るスタックは、安価に製造可能である。
(構成)
図7〜図9は、本発明による実施例2に係る固体高分子型燃料電池スタックのパッキンを示す図であり、図7および図8は、燃料極側と酸化剤極側にそれぞれ配置されるパッキンを示す平面図であり、図9は、隣り合う燃料極側と酸化剤極側の一対のパッキンを示す拡大断面図である。なお、本実施例は、前述した実施例1に係るスタックのうち、パッキンのみを変更したものであり、パッキン以外の部分は実施例1と同様であるため、以下には、スタック構造の説明を省略し、パッキンの特徴について説明する。
まず、図7に示している燃料極側のパッキン13aは、液状シリコンゴム射出成形により、厚さ100μmのエンプラフィルムの一種であるポリエーテルイミドフィルム14に成形されている。その具体的な断面形状は、図6に示すような山状である。液状シリコンゴム射出成形では2次加硫も行っている。また、このパッキン13aの山状の頂点は単位電池11(スタック)の積層方向に対して直角に面取りされている。この場合、ポリエーテルイミドフィルム14は耐熱性および形状記憶性があり、その外形寸法はセパレータ6の外形寸法とほぼ等しくされている。
また、図8に示している酸化剤極側のパッキン13bは、図7に示す燃料極側のパッキン13bと材料、形状、製造方法は同じであるが、ポリエーテルイミドフィルム14だけを除去した点が異なるものである。
以上のような構成を有するパッキン13a,13bが、図5に示すセパレータ6の有底溝5に配置される。図9は、このように有底溝5に配置されたパッキン13a,13bを示している。有底溝5の断面形状は、燃料極8a側と酸化剤極8b側とで同一であり、この有底溝5内には、パッキン13a,13bの断面における山状の頂点方向が収容される。そして、図9に示すように、隣り合うパッキン13a,13b同士(片側はポリエーテルイミドフィルム14を含む)が重なる構造となる。
また、例えば膜電極複合体9の外周のように、パッキン13a,13b同士の間に固体高分子膜7が介在する個所もある。
さらに、図9に示すように、これらのパッキン13a,13bにおいて、単位電池11を構成する際のパッキン13と固体高分子膜7とのオフセット面、並びに、隣り合うセパレータ6の対向面にそれぞれ設けられている燃料極8aおよび酸化剤極8bのパッキン13a,13b同士のオフセット面は、単位電池11(スタック)の積層方向に対して直角平面となっている。ここで、燃料極8a側のパッキン13aのオフセット面は、パッキン13aの断面における山状の裾側に位置するポリエーテルイミドフィルム14であり、酸化剤極8b側のパッキン13bのオフセット面は、パッキン13bの断面における山状の裾側である。
(作用・効果)
以上のような構成を有する本実施例においては、前述した実施例1と同様の作用が得られることに加えて、さらに、次のような作用が得られる。
まず、燃料極側のパッキン13aが有するポリエーテルイミドフィルム14により、隣り合うセパレータ6同士が絶縁され、パッキン13a,13bの形状も維持されやすい。また、パッキン13a,13bは、若干内側に湾曲したテーパ面を有しているため、実施例1におけるパッキン10に比べて、パッキン13a,13bの側面に相当する自由面積がさらに大きく、より潰れやすい形状となっており、十分な逃げ代を確保できる。
また、シリコンゴムを用いることにより、応力緩和が小さく物性の安定したパッキンを得ることができ、特に、液状シリコンゴム射出成形を用いるので、パッキン13a,13bのポリエーテルイミドフィルム14上への一体成形が短時間で容易に行える。なお、燃料極8a側および酸化剤極8b側のパッキン13a,13bは、ポリエーテルイミドフィルム14の除去の有無を除けば同一の構成であるため、共通の1種類のパッキンで賄うことができる。
したがって、本実施例においても、前述した実施例1と同様の効果が得られる。
(他の実施例)
なお、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内で他にも多種多様な変形例が実施可能である。例えば、パッキンの具体的な材質や断面形状、パッキンを配置するための有底溝の断面形状、セパレータの材質や具体的な形状等は、適宜選択可能である。また、本発明は、パッキンの構成およびその配置に特徴を有するものであるため、それ以外の構成については、何ら限定されるものではなく、膜電極複合体とセパレータおよびパッキンとを交互に積層してなる固体高分子型燃料電池スタック一般に広く適用可能であり、同様に優れた効果が得られるものである。
以上説明してきたように、本発明によれば、断面凸状部を有するパッキンを、セパレータに設けた有底溝に配置すると共に、パッキンのオフセット面をスタックの積層方向に対して概略直角平面とすることにより、スタック構成部品の破損や短絡等を生じることなく、構成部品の厚さのバラツキを十分に吸収可能で、十分なシール性を有するパッキン構造を実現することができるため、安定した発電が可能でしかも安価に製造可能な、優れた固体高分子型燃料電池スタックを提供することができる。
1,15…燃料ガスマニホールド
2,16…酸化剤ガスマニホールド
3,17…冷却水マニホールド
4a,4b,18a,18b…ガス流路
5…有底溝
6…セパレータ
7,21…固体高分子膜
8a,22a…燃料極
8b,22b…酸化剤極
9,23…膜電極複合体
9a,23a…補強板
10,13a,13b,19,26…パッキン
11,24…単位電池
12…ラバー層
14…ポリエーテルイミドフィルム(エンプラフィルム)
20,25…(パッキン一体型)セパレータ
27…シリコン層

Claims (2)

  1. 高分子膜をガス拡散電極で挟持した膜電極複合体の両側に、反応ガスを前記ガス拡散電極にそれぞれ供給するためのガス流路を少なくとも片面に設けたセパレータと、反応ガスおよび水分をシールするためのパッキンが配置されるようにして、膜電極複合体とセパレータおよびパッキンとを交互に積層してなる固体高分子型燃料電池スタックにおいて、
    積層状態において対向する一対のセパレータのそれぞれは、各セパレータの対向面に積層されるパッキンを備え、
    前記パッキンは、断面略台形状の凸状部を有し、その略台形状の細くなった部分が前記セパレータと接触するパッキンの基部であると共に、略台形状の広くなった部分が他のパッキンと対向するパッキンの先端部であって、このパッキンの先端部に設けられた他のパッキンとの対向面がスタックの積層方向に対して直角平面に形成され、
    前記対向する一対のセパレータのそれぞれには、他のセパレータとの対向面に前記パッキンの基部を装着する有底溝が設けられ、この有底溝内に前記パッキンの基部である断面略台形状の凸状部の細くなった部分が、パッキンの側面と有底溝の側面との間にパッキンの膨張用の空間を保って配置され、
    これら各セパレータの対向面に積層されたパッキン同士を介して対向する一対のセパレータが積層され、対向するセパレータのパッキン同士がその先端同士を直接又は前記高分子膜を介して接触した状態において、セパレータの有底溝内に配置された断面略台形状の凸状部が前記有底溝内において圧縮変形されることを特徴とする固体高分子型燃料電池スタック。
  2. 隣り合う前記セパレータの対向面にそれぞれ接する前記パッキンの前記断面凸状部の断面形状およびパッキン材料は同一であり、
    前記セパレータの両面にそれぞれ設けられた前記有底溝の断面形状は同一であることを特徴とする請求項1に記載の固体高分子型燃料電池スタック。
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