JP2007149472A - 燃料電池用構成部材のガスケット成型方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】MEAの性能を低下させることなく、効率的なガスケットの形成がなし得る燃料電池用構成部材ガスケット成型方法を提供する。
【解決手段】多孔性シート(GDL)10、11の外周縁部分及び開口部周縁部分に、射出成型装置IMによってガスケット体12、16を成型する燃料電池用構成部材1のガスケット成型方法であって、上記成型装置IMの成型型19は、ガスケット体形成用キャビティ26、27と、該キャビティ26、27の側部に沿って形成された突条部31、32とを備え、上記GDL10、11を成型型19の所定位置に配して型締めし、上記突条部31、32によってGDL10、11のガスケット体形成部位の側部が厚み方向に圧縮された状態で、液状ゴムr0をキャビティ26、27内に注入し、この注入の際液状ゴムr0の一部を多孔性シートにおけるガスケット体形成部位の厚み内にまで浸透含浸させるようにしてガスケット体12、16をGDL10、11に一体成型することを特徴とする。
【選択図】図4
【解決手段】多孔性シート(GDL)10、11の外周縁部分及び開口部周縁部分に、射出成型装置IMによってガスケット体12、16を成型する燃料電池用構成部材1のガスケット成型方法であって、上記成型装置IMの成型型19は、ガスケット体形成用キャビティ26、27と、該キャビティ26、27の側部に沿って形成された突条部31、32とを備え、上記GDL10、11を成型型19の所定位置に配して型締めし、上記突条部31、32によってGDL10、11のガスケット体形成部位の側部が厚み方向に圧縮された状態で、液状ゴムr0をキャビティ26、27内に注入し、この注入の際液状ゴムr0の一部を多孔性シートにおけるガスケット体形成部位の厚み内にまで浸透含浸させるようにしてガスケット体12、16をGDL10、11に一体成型することを特徴とする。
【選択図】図4
Description
本発明は、燃料電池用構成部材にガスケットを成型する方法に係り、更に詳しくは、電解質膜の両面に、電極を構成する触媒担持層を含むガス拡散層(GDL)が積層一体とされてなる膜−電極接合体(MEA)における、GDLの表面外周縁部分及びマニホールド用開口部周縁部分にガスケットを成型する方法に関する。
上記MEA(Membrane Electrode Assembly)は、固体高分子形等のイオン交換膜からなる電解質膜の両面に、炭素粉に白金系触媒が担持されて電極(アノード、カソード)となる触媒担持層を含むGDL(Gas Diffusion Layer)を積層一体にして構成される。そして、上記MEAを2枚のセパレータに挟装して単位セルを構成し、この単位セルを多数重ね合わせ、締結一体として燃料電池本体(スタック)が構成される。上記一方のセパレータとGDLとの間には、水素ガスの流路が形成され、また他方のセパレータとGDLとの間には、酸素ガス(空気)の流路が形成され、更に、隣接するセル同士のセパレータ間には冷媒(水、エチレングリコール等)の流路が形成される。水素ガスの流路が形成された側の電極がアノード(燃料極)となり、空気(酸素ガス)の流路が形成された側の電極がカソード(酸素極)となる。
上記スタックの側辺部分には、水素ガス、酸素ガス及び冷媒の供給用及び排出用の複数のマニホールドが貫設形成され、各マニホールドと、上記水素ガス流路、酸素ガス流路及び冷媒流路とが連通するよう構成される。上記MEAとセパレータ間、セパレータ同士の間は、上記ガスや冷媒の外部への漏出を防止する為、各周辺部やマニホールド用開口部周りに配されたガスケットによりシールされる。
上記ガスケットは、セパレータの所定位置に形成される場合の他、MEAを構成するGDLの表面に形成される場合がある。GDLはカーボン繊維シート(カーボンペーパ或いはカーボン繊維不織布等)や金属繊維シート等の多孔性シートからなり、GDLの表面にガスケットを形成する場合は、所定部位に接着剤を塗布してGDLの厚み内に接着剤を浸透含浸させた上で、当該部位にゴム材を加硫一体成型する方法がとられる。このように、接着剤の含浸部分を形成することによって、GDL内を拡散するガスのMEA外やマニホールド内への漏出を防止することができる。しかし、接着剤の塗布工程を必要とする為、ガスケットの成型工程の効率化を阻害する要因になることは否めなかった。特許文献1及び特許文献2には、ゴム材の射出成型によりGDLにガスケットを形成する際、接着剤を使用せず、ゴム材をGDLの厚み内へ含浸させることによってガスケットをGDLに一体成型することが開示されている。
特表2001−510932号公報
特開2002−160257号公報
上記特許文献1、2に開示された方法によれば、接着剤塗布工程がない為、ガスケットの成型工程の効率化が図られると共に接着剤を不要とするからコストの低減化も図られ、望ましく採用されるところとなっていた。ところで、ゴム材として、流動性のある液状ゴムが用いられることになるが、ゴム材をGDLに含浸させる際、その流動性によってガスケット形成部位以外の部位にまでゴム材が拡散浸透することがある。このように、GDLにおいてガスケット形成部位以外の部位にまでゴム材が拡散浸透すると、その含浸一体化により発電機能部位が狭められ、MEAとしての性能が低下することにもなる。
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、MEAの性能を低下させることなく、効率的なガスケットの形成がなし得る燃料電池用構成部材のガスケット成型方法を提供することを目的としている。
請求項1の発明に係る燃料電池用構成部材のガスケット成型方法は、燃料電池を構成するガス拡散層用多孔性シートの外周縁部分及び開口部周縁部分に、射出成型装置によってガスケット体を成型する燃料電池用構成部材のガスケット成型方法であって、上記成型装置の成型型は、ガスケット体形成用キャビティと、該キャビティの側部に沿って形成された突条部とを備え、上記多孔性シートを成型型の所定位置に配して型締めし、上記突条部によって多孔性シートのガスケット体形成部位の側部が厚み方向に圧縮された状態で、液状ゴムをキャビティ内に注入し、この注入の際液状ゴムの一部を多孔性シートにおけるガスケット体形成部位の厚み内にまで浸透含浸させるようにしてガスケット体を多孔性シートに一体成型することを特徴とする。
上記発明においては、請求項2の発明のように、前記多孔性シートを、電解質膜の両面に、電極を構成する触媒担持層を含むガス拡散層(以下、GDLと言う)として積層一体とされて燃料電池用膜‐電極接合体(以下、MEAと言う)を構成するものとし、前記成型型の所定位置への多孔性シートの配置は、このMEAをして行うようにすることができる。
また、請求項3の発明のように、前記成型型に、キャビティ内を吸引する吸引手段を設け、該吸引手段は、前記液状ゴムのキャビティ内への注入の際、注入された液状ゴムが前記ガスケット体形成部位の厚み内から圧縮部位に拡散浸透するのを抑制するようその吸引位置及び吸引方向が設定されているものとすることができる。そして、前記液状ゴムとして、液状シリコーンゴム若しくは液状ポリイソブチレンゴム(PIBゴム)を採用する(請求項4)こと、更には、前記多孔性シートをカーボン繊維シートとする(請求項5)ことができる。
請求項1の発明に係る燃料電池用構成部材のガスケット成型方法によれば、ガスケット体形成用キャビティに液状ゴムが注入されるから、この注入の際、液状ゴムの一部を多孔性シートにおけるガスケット体形成部位の厚み内にまで浸透含浸させることができる。この含浸部分の投錨効果により、接着剤を用いなくともガスケット体の一体化が強固になされる。そして、成型型におけるキャビティの側部に沿って突条部が形成されているから、上記多孔性シートを成型型の所定位置に配して型締めすると、該突条部によって多孔性シートのガスケット体形成部位の側部が厚み方向に圧縮され、これにより該部位が緻密化され、上記液状ゴムの一部の浸透含浸がこの緻密化された部位で阻止される。従って、液状ゴムの、多孔性シートにおける面域方向への無制限な浸透含浸によって、MEAとしての重要な発電機能部位が狭められることがない。
また、請求項2の発明のように、多孔性シートを、MEAを構成するGDLとした上で、成型型の所定位置に配してガスケットを一体成型するようにすれば、MEAの両面のGDLにガスケット体を成型する場合は、一括して行うことができるから、その効率化を図ることができる。なお、多孔性シートにガスケット体を成型一体とした上で、電解質膜の両面に積層一体としてMEAを構成するようにしても良いことは言うまでもない。
更に、請求項3の発明のような吸引手段を成型型に設ければ、液状ゴムのキャビティ内への注入の際、注入された液状ゴムが前記ガスケット体形成部位の厚み内から圧縮部位に拡散浸透するのを抑制することができ、有効な発電機能部位の確保がより確実になされる。そして、請求項4の発明のように、液状ゴムとして液状シリコーンゴム若しくは液状PIBゴムを採用すれば、汎用のゴム材料として入手し易く、LIMS(Liquid Injection Molding System)を活用することにより、成型工程のより効率化が可能となる。特に、PIBゴムは、ガス透過性が低く気体のシール性に優れ、耐酸性にも優れることから望ましく採用される。また、請求項5の発明のように、多孔性シートをカーボン繊維シートとすれば、従来のGDLにそのまま適用されると共にカーボン繊維シートの厚み内への液状ゴムの浸透含浸が好適になされ、接着剤を用いないガスケット体の成型一体化がより確実になされる。
以下に本発明の最良の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1は本発明が対象とする燃料電池用構成部材を用いて組立てられた燃料電池の1例を示す概略的斜視図、図2は同燃料電池用構成部材の斜視図、図3は同燃料電池用構成部材にガスケットを成型する装置の一例を示す概略的縦断面図、図4は同要部の拡大図、図5は他の実施形態の図4と同様図である。
図に示す燃料電池用構成部材1は、セパレータ2、3によって挟装されて1個の単位セルCを構成し、この単位セルCが多数重ね合わされて燃料電池本体(スタック)Sが形成される。このスタックSの重ね合わせ方向両端には集電板4、5が配置され、この両端の集電板4、5と共に上記スタックSがボルト・ナット(不図示)によって締結一体とされて燃料電池Bが構成される。そして、その長手方向(重ね合わせ方向)に沿ったマニホールドが複数貫設されている。このマニホールドは、図例では冷媒(水或いはエチレングリコール)の供給用マニホールド7、同排出用マニホールド7a、水素ガスの供給用マニホールド6、同排出用マニホールド6a及び酸素ガス(空気)の供給用マニホールド8、同排出用マニホールド8aからなる。これら供給用マニホールド6、7、8から供給される冷媒、水素ガス及び酸素ガスは、各単位セルC毎に形成された流路(不図示)を経て排出用マニホールド6a、7a、8aより排出される。
図に示す燃料電池用構成部材1は、電解質膜9と、その両面に電極を構成する触媒担持層10a、11aを含み積層一体とされたGDL10、11とよりなり、この電解質膜9とGDL10、11との積層体により燃料電池用膜−電極接合体、即ち、MEAを構成する。MEA1の周縁部分には、その端面部を包むようにゴム材からなるガスケット体12が一体形成されている。また、MEA1の面域内側辺部側には、上記各マニホールド6、7、8、6a、7a、8aを構成する複数のマニホールド用透孔13、14、15、13a、14a、15aが開設されている。これら透孔の内、透孔14、15、14a、15aの開口部周縁部分には、該開口部の端面部を包むようにゴム材からなるマニホールド用ガスケット体16が一体形成されている。上記マニホールド用透孔13、14、15、13a、14a、15aの開設部以外のMEA1の面域が、MEA1としての実質的な発電機能部位1aとされる。
これら、ガスケット体12、16は、断面山形のビード形状をなし、前記締結時に、セパレータ2、3間で圧縮変形し、その復元弾力によって、セパレータ2、3との間でのシール性が維持され、上記流路或いはマニホールドを流れる冷媒、水素ガス及び酸素ガスの外部への漏出が防止される。尚、このマニホールド用ガスケット体16は、各単位セルC毎に形成される冷媒、水素ガス及び酸素ガスの流路の形成態様によって、一体形成位置が(表面か裏面か等)異なるものであり、従って、図例のものに限定されるものではない。
GDL10、11は、炭素繊維又は金属繊維の多孔性シートからなり、その電解質膜9に対面する側は白金系触媒が担持された触媒担持層10a、11aをなし、この触媒担持層10a、11aの内、酸素ガスが拡散される側の触媒担持層10aが酸素極(カソード)、水素ガスが拡散される側の触媒担持層11aが燃料極(アノード)とされている。電解質膜9は、固体高分子形のイオン交換膜からなり、厚さが25μm程度のものが採用されるが、これに限定されるものではない。
上記MEA1の上記所定部位にガスケット体12、16を一体成型する為の成型装置について、図3及び図4を参照して説明する。図3及び図4は、図2のMEA1におけるX−X線断面部分に対応させて表した成型装置の断面図を示している。図の成型装置は、例えば、前記のLIMSに採用される射出成型装置IMを示し、ラム17によって上下昇降する可動盤18と該可動盤18上に設置される下金型(分割型)19aと、該可動盤18の上方に支柱20によって支持される固定盤21と、該固定盤21の下面に取り付けられる上金型(分割型)19bとよりなり、上金型19bの上方には上型ランナー22を介して上熱盤23を、また、下金型19aの下方には下熱盤24を備えている。
更に、上熱盤23と固定盤21との間及び下熱盤24と可動盤18との間には断熱板25が配されている。上型ランナー22の中央部分には、上記ガスケット体12、16を形成する為のキャビティ26、27に通じる液状ゴム(液状シリコーンゴム若しくは液状PIBゴム、以下同じ)の注入口28が設けられている。29は、液状ゴムの供給装置(不図示)に繋がる射出ノズルであって、この射出ノズル29より射出された液状ゴムは、注入口28及び上金型19bに形成された注入路30を経て、各キャビティ26、27に注入・充填されるようになされている。
上記下金型19aと、上金型19bとにより成型型19が構成され、両分割型19a、19bは、ラム17の伸張に伴う可動盤18の上昇により合体し、この合体時に、両分割型19a、19b間に、図2に示すようなMEA1を配置し得ると共にガスケット体12、16の形成位置に対応するキャビティ26、27を形成し得るような形状に研削加工されている。図例のキャビティ26、27は、前者のキャビティ26が、MEA1における外周縁部のガスケット体12に対応し、後者のキャビティ27がマニホールド用透孔14の周縁部のガスケット体16に対応し、いずれもこれらの周縁部の端面部にも及ぶように形成されている。
また、成型型19は、所定位置にMEA1を配置し、分割型19a、19bを型締めして合体した時には、前記発電機能部位に対応するMEA1の面域部分では密接するよう形成されているが、上記ガスケット体形成部位の側部、即ち、キャビティ26、27の側部に沿った各分割型19a、19bの成型面には突条部31、32が形成されている。図3及び図4の例では、MEA1の片面にガスケット体12、16を形成する例を示しており、この場合には、上記突条部31、32は、上金型19b側にのみに形成されていても良い。
更に、マニホールド用透孔14に対応する分割型19a、19bの合体部分には吸引口33が形成され、この吸引口33は、下金型19a、下熱盤24及び可動盤18等を貫き形成された吸引管路34aを経て吸引装置34に連結されており、これらにより吸引手段が構成される。この吸引口33は、マニホールド用透孔14に対応する分割型19a、19bの合体部分だけではなく、ガスケット体12の外周縁の適宜箇所に設けても良い。
上記射出成型装置IMを用いて、上記MEA1の所定位置にガスケット体12、16を成型一体とする方法について説明する。先ず、ラム17をして下方位置に位置付けられた可動盤18上の下金型19aの所定位置に、未だガスケット体が形成されていない図2のMEA1を配置する。次いで、ラム17の伸張をして可動盤18を上昇させ、固定盤21に取付固定された上金型19bに下金型19aを合体させて、両分割型19a、19bを型締めする。この型締めによって、上記突条部31、32に対応する部位のGDL10、11が、図4の1点鎖線部分から厚み方向に圧縮され、微細孔が押しつぶされるようにして緻密化された圧縮部位10b、11bが形成される。この状態で、上熱盤23及び下熱盤24のヒータ(不図示)をオンして成型型19を加熱し、また、吸引装置34を作動させながら、射出ノズル29より、注入路30を経て、液状ゴムr0を各キャビティ26、27に注入する。
上記液状ゴムr0の注入圧によって、液状ゴムr0は各キャビティ26、27内の空所内に注入充填されると共に、キャビティ26、27に対応する部位のGDL10、11における厚み内の微細孔内に浸透・含浸される。成型型19は加熱状態であるから、液状ゴムr0は注入と並行して加硫硬化され、キャビティ26、27への注入・充填と共に硬化し、ガスケット体12、16としてMEA1の端面部を含む所定部位に成型一体とされる。この成型一体化は、液状ゴムr0のGDL10、11の厚み内への浸透・含浸を伴ってなされるから、含浸部分の投錨効果によって、接着剤フリーでありながら極めて強固になされる。また、液状ゴムを用いているから、この浸透・含浸が好適になされる。更に、このように液状ゴムr0の含浸部分が形成されることにより、GDL10、11内を拡散するガスのMEA1外やマニホールド内への漏出を防止する機能も得られる。
上記のように、液状ゴムr0は、キャビティ26、27に対応する部位のGDL10、11における厚み内への浸透・含浸が好適になされるが、ガスケット体12、16の形成部位の側部に沿って、上記緻密化された圧縮部位10b、11bが存在するから、この圧縮部位10b、11bがバリヤとなって、液状ゴムr0のGDL10、11の面域方向への拡散・浸透が阻止される。従って、発電機能部位1aが狭められることなく、所期の発電機能が確実に得られる。また、図のような位置に吸引口33が設けられているから、吸引装置34が作動すると、GDL10、11における発電機能部位1aとは反対側に液状ゴムr0の吸引力が働き、上記圧縮部位10b、11bのバリヤ機能とも相俟って、発電機能部位1aへの液状ゴムr0の拡散・浸透阻止がより効果的になされる。尚、この吸引によって、液状ゴムr0の一部がマニホールド用透孔14に対応する分割型19a、19bの合体部分に浸入して硬化・残留することもあるが、脱型後この部分をバリとして除去すれば良く、性能に影響を及ぼすものではない。
成型型19を脱型することにより、図2に示すように、ガスケット体12、16が成型一体とされたMEA1が得られる。斯くして得られたMEA1を用いて図1のように組立てられた燃料電池Bにおいては、水素ガス供給用マニホールド6から、水素ガスが各GDL11背面の水素ガス流路(不図示)に供給され、GDL11内を拡散して触媒担持層(アノード)11aに至る。一方、酸素ガス供給用マニホールド8から、酸素ガスが他方のGDL10背面の酸素ガス流路(不図示)に供給され、GDL10内を拡散して触媒担持層(カソード)10aに至る。アノード11aに至った水素ガスは、アノード11aの作用によりプロトンと電子に解離する。解離したプロトンは電解質膜9を、また電子は外部回路(不図示)を移動してカソード10aに至り、カソード10aの作用により酸素と反応して水が生成される。このようなサイクルによって上記外部回路には電力が出力され、燃料電池システムが構築される。余剰の水素ガスは水素ガス排出用マニホールド6aから排出され、循環して再利用される。また、余剰の酸素ガス及び生成した水は、酸素ガス排出用マニホールド8aから外部に排出される。
セパレータ1の背面に形成された冷媒流路(不図示)には、冷媒供給用マニホールド7より冷媒が供給され、セパレータ1の背面を循環しながら上記発電時の発熱を抑制し、冷媒排出用マニホールド7aより排出される。尚、上記冷媒流路は、セパレータ1の背面に限らず、セパレータ2の背面に形成することも可能である。
図5は、上記の別実施形態を示すものであり、上記各ガスケット体12、16をMEA1の反対面にも一体成型せんとするものである。即ち、上記キャビティ26、27が、MEA1の各端面部分を通じて連通し、MEA1の上下両面に対称関係となるよう、分割型19a、19bの合体部分に形成されている。従って、ガスケット体12、16の一体成型は上記と同様になされ、液状ゴムr0のキャビティ26、27に対応する部位のGDL10、11における厚み内への浸透・含浸も同様になされ、この含浸部分の投錨効果によって、ガスケット体12、16が強固に一体とされる。また、圧縮部位10b、11bがバリヤとなって、液状ゴムr0のGDL10、11の面域方向への拡散・浸透が阻止され、発電機能部位1aが狭められることなく、所期の発電機能が確実に得られる点も上記と同様である。その他の構成は上記と同様であるので、共通部分に同一の符号を付しその説明を割愛する。
尚、本発明の燃料電池用構成部材(MEA)1が組込まれる燃料電池Bの全体形状、各マニホールド及びこれに対応する各マニホールド用透孔の形状等は図例のものに限定されないことは言うまでもない。また、液状ゴムが液状シリコーンゴム若しくは液状PIBゴムである例について述べたが、LIMSに適用し得るその他の液状ゴムも採用し得ることは言うまでもない。
1 MEA(燃料電池用構成部材)
9 電解質膜
10 GDL(多孔性シート)
10a 触媒担持層(カソード)
10b 圧縮部位
11 GDL(多孔性シート)
11a 触媒担持層(アノード)
11b 圧縮部位
12、16 ガスケット体
14、14a、15、15a マニホールド用透孔(開口部)
19 成型型
31、32 突条部
33、34a、34 吸引手段
B 燃料電池
r0 液状シリコーンゴム若しくは液状PIBゴム(液状ゴム)
9 電解質膜
10 GDL(多孔性シート)
10a 触媒担持層(カソード)
10b 圧縮部位
11 GDL(多孔性シート)
11a 触媒担持層(アノード)
11b 圧縮部位
12、16 ガスケット体
14、14a、15、15a マニホールド用透孔(開口部)
19 成型型
31、32 突条部
33、34a、34 吸引手段
B 燃料電池
r0 液状シリコーンゴム若しくは液状PIBゴム(液状ゴム)
Claims (5)
- 燃料電池を構成するガス拡散層用多孔性シートの外周縁部分及び開口部周縁部分に、射出成型装置によってガスケット体を成型する燃料電池用構成部材のガスケット成型方法であって、
上記成型装置の成型型は、ガスケット体形成用キャビティと、該キャビティの側部に沿って形成された突条部とを備え、上記多孔性シートを成型型の所定位置に配して型締めし、上記突条部によって多孔性シートのガスケット体形成部位の側部が厚み方向に圧縮された状態で、液状ゴムをキャビティ内に注入し、この注入の際液状ゴムの一部を多孔性シートにおけるガスケット体形成部位の厚み内にまで浸透含浸させるようにしてガスケット体を多孔性シートに一体成型することを特徴とする燃料電池用構成部材のガスケット成型方法。 - 請求項1に記載の燃料電池用構成部材のガスケット成型方法において、
前記多孔性シートは、電解質膜の両面に、電極を構成する触媒担持層を含むガス拡散層として積層一体とされて燃料電池用膜‐電極接合体を構成し、前記成型型の所定位置への配置は、この膜‐電極接合体をしてなされることを特徴とする燃料電池用構成部材のガスケット成型方法。 - 請求項1又は2に記載の燃料電池用構成部材のガスケット成型方法において、
前記成型型には、キャビティ内を吸引する吸引手段が設けられており、該吸引手段は、前記液状ゴムのキャビティ内への注入の際、注入された液状ゴムが前記ガスケット体形成部位の厚み内から圧縮部位に拡散浸透するのを抑制するようその吸引位置及び吸引方向が設定されていることを特徴とする燃料電池用構成部材のガスケット成型方法。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載の燃料電池用構成部材のガスケット成型方法において、
前記液状ゴムが、液状シリコーンゴム若しくは液状ポリイソブチレンゴムであることを特徴とする燃料電池用構成部材のガスケット成型方法。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載の燃料電池用構成部材のガスケット成型方法において、
前記多孔性シートが、カーボン繊維シートであることを特徴とする燃料電池用構成部材のガスケット成型方法。
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2005
- 2005-11-28 JP JP2005341342A patent/JP2007149472A/ja not_active Withdrawn
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