JP5041063B2 - 帯域阻止フィルタ - Google Patents

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Description

本発明は、帯域阻止フィルタに関し、特に、複数の弾性波共振子を有するラダー型の回路構成を有する帯域阻止フィルタに関する。
近年、地上デジタルテレビ放送のモバイル機器向け放送サービスが、日本などの国々において開始されると共に、多くの国々において実用化が検討されている。このような状況から、地上デジタルテレビ放送のモバイル機器向け放送サービスの受信機能を備えた携帯電話機が実用化されている。モバイル機器向け放送サービスの受信機能を備えた携帯電話機には、モバイル機器向け放送サービス受信用TVチューナーが搭載されている。このような携帯電話機の内部において、携帯電話の送信信号とモバイル機器向け放送サービスの放送信号とが干渉すると、モバイル機器向け放送サービスの受信感度の悪化やモバイル機器向け放送サービス受信用TVチューナーの誤動作が発生するという問題がある。
そこで、モバイル機器向け放送サービス受信用TVチューナーに対する携帯電話の送信信号の回り込みを防ぐことにより、携帯電話の送信信号とモバイル機器向け放送サービスの放送信号との干渉を防止することを目的として、帯域阻止フィルタが携帯電話機に搭載されている。帯域阻止フィルタは、モバイル機器向け放送サービスの放送信号をモバイル機器向け放送サービス受信用TVチューナー側に通し、携帯電話の送信信号を除去する機能を有しており、携帯電話機において、アンテナとモバイル機器向け放送サービス受信用TVチューナーとの間に配置されている。
上記の帯域阻止フィルタにおいては、モバイル機器向け放送サービスの放送信号を通過させる通過帯域と、携帯電話の送信信号を除去する減衰帯域とを有するフィルタ特性が求められる。日本における地上デジタルテレビ放送のモバイル機器向け放送サービスでは、放送信号の帯域はUHF帯(470〜770MHz)である一方、携帯電話の送信信号の帯域が約800〜900MHz付近に存在する。よって、日本におけるモバイル機器向け放送サービスの受信機能を備えた携帯電話機に搭載される帯域阻止フィルタは、放送信号の帯域であるUHF帯(470〜770MHz)を通過帯域に含み、携帯電話の送信信号の帯域である約800〜900MHz付近を減衰帯域に含む。
そして、帯域阻止フィルタにおいては、携帯電話の送信信号を適切に除去するために、モバイル機器向け放送サービスの放送信号を通過させる通過帯域の端部から携帯電話の送信信号を除去する減衰帯域にかけて、フィルタ特性の急峻性が高いことが要求される。
一般に、通過帯域と減衰帯域とを有するフィルタとして、ラダー型回路構成を有するフィルタ装置が知られている。例えば特許文献1及び特許文献2などにおいて、弾性波を利用したラダー型回路構成を有するフィルタ装置が種々開示されている。図29に、特許文献1に開示されたラダー型回路構成を有するフィルタ装置101を示す。フィルタ装置101では、入力端子102と出力端子103とを結ぶ直列腕において、互いに直列に接続された複数の直列腕共振子111〜113が配置されている。直列腕とグラウンド電位との間には、複数の並列腕が設けられている。複数の並列腕のそれぞれには、並列腕共振子114〜117が配置されている。
フィルタ装置101では、複数の並列腕共振子114〜117のうち、ひとつの並列腕共振子114に対してコンデンサ118が並列に接続されている。これにより、並列腕共振子114の電気機械結合係数が、その他の並列腕共振子115〜117の電気機械結合係数よりも小さくされている。その結果、通過帯域端部におけるフィルタ特性の急峻性が高められている。
また、特許文献1には、共振子の電気機械結合係数を異ならせる他の方法として、以下の2つの方法が開示されている。
(1)共振子を構成するIDT(Interdigital Transducer)の規格化膜厚(h/λ)を異ならせる方法
(2)共振子を構成するIDTのデューティー比を異ならせる方法
また、特許文献2には、複数の直列腕共振子と、複数の並列腕共振子とを備え、各並列腕共振子に対してインダクタンス素子を並列に接続したSAW(Surface Acoustic Wave)帯域阻止フィルタが開示されている。このSAW帯域阻止フィルタでは、並列腕共振子に並列に接続されたインダクタンス素子の特性を調整することにより並列腕共振子の共振周波数を調整することができる。従って、挿入損失を低くすることができる。
特許第3827232号公報 特開平10−65490号公報
上述のように、特許文献1に開示されたフィルタ装置101によれば、通過帯域端部におけるフィルタ特性の急峻性を高めることができる。しかしながら、特許文献1に開示されているように、並列腕共振子に対してコンデンサを並列に接続した場合、ラダー型回路の占有面積が増大し、その結果、フィルタ装置の製造に要する費用が増大するという問題があった。
また、共振子を構成するIDTの規格化膜厚(h/λ)を異ならせることにより共振子の電気機械結合係数を異ならせる場合、各共振子について別個の薄膜形成工程を行う必要があった。従って、フィルタ装置の製造に要する費用が増大していた。
また、電気機械結合係数は、ウエハ材料によってほぼ決定され、デューティー比に大きく依存しない。このため、共振子を構成するIDTのデューティー比を異ならせることによっては、共振子の電気機械結合係数を大きく異ならせることは困難であった。従って、通過帯域端部におけるフィルタ特性の急峻性を十分に高めることが困難であった。
特許文献2に開示されているように、並列腕共振子に並列に接続されたインダクタンス素子の特性を調整することにより、共振子のインピーダンス特性を調整することができる。従って、通過帯域端部におけるフィルタ特性の急峻性を高めることが可能となる。しかしながら、並列腕共振子に並列に接続されたインダクタンス素子の特性を調整する場合、電気機械結合係数は実質的に変化しないため、減衰量を維持したまま通過帯域端部におけるフィルタ特性の急峻性を高めることは困難であった。
本発明の目的は、小型かつ廉価で、通過帯域端部におけるフィルタ特性の急峻性が高く、かつ大きな減衰量を有する帯域阻止フィルタを提供することにある。
本発明に係る第1の帯域阻止フィルタは、入力端子と出力端子とを結ぶ直列腕と、直列腕とグラウンド電位との間に接続された並列腕と、直列腕及び並列腕のうちの少なくとも一方に設けられた複数の弾性波共振子と、直列腕及び並列腕のうちの少なくとも一方に設けられたインダクタンス素子とを有するラダー型の回路構成を備え、第一の減衰帯域と、第一の減衰帯域に隣接する第一の通過帯域と、第一の通過帯域の中に位置する第二の減衰帯域と、第二の減衰帯域に隣接する移行帯域とを有する帯域阻止フィルタであって、複数の弾性波共振子のうちの移行帯域の形成に寄与している少なくともひとつの弾性波共振子の伝搬方位が、他の弾性波共振子の伝搬方位よりも大きくされている。直列腕には、複数のインダクタンス素子が配置されており、並列腕が複数設けられており、複数の並列腕には、それぞれ弾性波共振子が配置されている。複数の弾性波共振子のうちの少なくともひとつの弾性波共振子は、他の弾性波共振子とは異なる共振周波数を有し、複数の弾性波共振子のうち、共振周波数が最も低い弾性波共振子の伝搬方位が、他の弾性波共振子の伝搬方位よりも大きくされている。
ここで、「弾性波共振子の伝搬方位」とは、圧電基板の結晶方位に対する、圧電基板表面における弾性波の伝搬方向とのなす角度をいう。
「移行帯域の形成に寄与している共振子」とは、共振周波数や反共振周波数などの共振子の特性が変化した場合に、移行帯域の周波数特性を変化させる共振子をいう。
本発明に係る第2の帯域阻止フィルタは、入力端子と出力端子とを結ぶ直列腕と、直列腕とグラウンド電位との間に接続された並列腕と、直列腕及び並列腕のうちの少なくとも一方に設けられた複数の弾性波共振子と、直列腕及び並列腕のうちの少なくとも一方に設けられたインダクタンス素子とを有するラダー型の回路構成を備え、第一の減衰帯域と、第一の減衰帯域に隣接する第一の通過帯域と、第一の通過帯域の中に位置する第二の減衰帯域と、第二の減衰帯域に隣接する移行帯域とを有する帯域阻止フィルタであって、複数の弾性波共振子のうちの移行帯域の形成に寄与している少なくともひとつの弾性波共振子の伝搬方位が、他の弾性波共振子の伝搬方位よりも大きくされることにより、複数の弾性波共振子のうちの移行帯域の形成に寄与している少なくともひとつの弾性波共振子の電気機械結合係数が、他の弾性波共振子の電気機械結合係数よりも小さくされている。直列腕には、複数のインダクタンス素子が配置されており、並列腕が複数設けられており、複数の並列腕には、それぞれ弾性波共振子が配置されている。複数の弾性波共振子のうちの少なくともひとつの弾性波共振子は、他の弾性波共振子とは異なる共振周波数を有し、複数の弾性波共振子のうち、共振周波数が最も低い弾性波共振子の伝搬方位が、他の弾性波共振子の伝搬方位よりも大きくされている。
本発明に係る第3の帯域阻止フィルタは、入力端子と出力端子とを結ぶ直列腕と、直列腕とグラウンド電位との間に接続された並列腕と、直列腕及び並列腕のうちの少なくとも一方に設けられた複数の弾性波共振子と、直列腕及び並列腕のうちの少なくとも一方に設けられたインダクタンス素子とを有するラダー型の回路構成を備え、第一の減衰帯域と、第一の減衰帯域に隣接する第一の通過帯域と、第一の通過帯域の中に位置する第二の減衰帯域と、第二の減衰帯域に隣接する移行帯域とを有する帯域阻止フィルタであって、複数の弾性波共振子のうちの移行帯域の形成に寄与している少なくともひとつの弾性波共振子の伝搬方位が、他の弾性波共振子の伝搬方位よりも大きくされている。直列腕には、複数の弾性波共振子が配置されており、並列腕には、インダクタンス素子が配置されている。複数の弾性波共振子のうちの少なくともひとつの弾性波共振子は、他の弾性波共振子とは異なる反共振周波数を有し、複数の弾性波共振子のうち、反共振周波数が最も高い弾性波共振子の伝搬方位が、他の弾性波共振子の伝搬方位よりも大きくされている。
本発明に係る第4の帯域阻止フィルタは、入力端子と出力端子とを結ぶ直列腕と、直列腕とグラウンド電位との間に接続された並列腕と、直列腕及び並列腕のうちの少なくとも一方に設けられた複数の弾性波共振子と、直列腕及び並列腕のうちの少なくとも一方に設けられたインダクタンス素子とを有するラダー型の回路構成を備え、第一の減衰帯域と、第一の減衰帯域に隣接する第一の通過帯域と、第一の通過帯域の中に位置する第二の減衰帯域と、第二の減衰帯域に隣接する移行帯域とを有する帯域阻止フィルタであって、複数の弾性波共振子のうちの移行帯域の形成に寄与している少なくともひとつの弾性波共振子の伝搬方位が、他の弾性波共振子の伝搬方位よりも大きくされることにより、複数の弾性波共振子のうちの移行帯域の形成に寄与している少なくともひとつの弾性波共振子の電気機械結合係数が、他の弾性波共振子の電気機械結合係数よりも小さくされている。直列腕には、複数の弾性波共振子が配置されており、並列腕には、インダクタンス素子が配置されている。複数の弾性波共振子のうちの少なくともひとつの弾性波共振子は、他の弾性波共振子とは異なる反共振周波数を有し、複数の弾性波共振子のうち、反共振周波数が最も高い弾性波共振子の伝搬方位が、他の弾性波共振子の伝搬方位よりも大きくされている。
本発明に係る第5の帯域阻止フィルタは、入力端子と出力端子とを結ぶ直列腕と、直列腕とグラウンド電位との間に接続された並列腕と、直列腕及び並列腕のうちの少なくとも一方に設けられた複数の弾性波共振子と、直列腕及び並列腕のうちの少なくとも一方に設けられたインダクタンス素子とを有するラダー型の回路構成を備え、第一の減衰帯域と、第一の減衰帯域に隣接する第一の通過帯域と、第一の通過帯域の中に位置する第二の減衰帯域と、第二の減衰帯域に隣接する移行帯域とを有する帯域阻止フィルタであって、複数の弾性波共振子のうちの移行帯域の形成に寄与している少なくともひとつの弾性波共振子の伝搬方位が、他の弾性波共振子の伝搬方位よりも大きくされている。直列腕に弾性波共振子が配置されており、並列腕に弾性波共振子が配置されており、直列腕及び並列腕の少なくとも一方にインダクタンス素子が配置されている。直列腕に配置された弾性波共振子の反共振周波数と、並列腕に配置された弾性波共振子の共振周波数のうち、最も低い周波数を有する弾性波共振子の伝搬方位が、他の弾性波共振子の伝搬方位よりも大きくされている。
本発明に係る第6の帯域阻止フィルタは、入力端子と出力端子とを結ぶ直列腕と、直列腕とグラウンド電位との間に接続された並列腕と、直列腕及び並列腕のうちの少なくとも一方に設けられた複数の弾性波共振子と、直列腕及び並列腕のうちの少なくとも一方に設けられたインダクタンス素子とを有するラダー型の回路構成を備え、第一の減衰帯域と、第一の減衰帯域に隣接する第一の通過帯域と、第一の通過帯域の中に位置する第二の減衰帯域と、第二の減衰帯域に隣接する移行帯域とを有する帯域阻止フィルタであって、複数の弾性波共振子のうちの移行帯域の形成に寄与している少なくともひとつの弾性波共振子の伝搬方位が、他の弾性波共振子の伝搬方位よりも大きくされることにより、複数の弾性波共振子のうちの移行帯域の形成に寄与している少なくともひとつの弾性波共振子の電気機械結合係数が、他の弾性波共振子の電気機械結合係数よりも小さくされている。直列腕に弾性波共振子が配置されており、並列腕に弾性波共振子が配置されており、直列腕及び並列腕の少なくとも一方にインダクタンス素子が配置されている。直列腕に配置された弾性波共振子の反共振周波数と、並列腕に配置された弾性波共振子の共振周波数のうち、最も低い周波数を有する弾性波共振子の伝搬方位が、他の弾性波共振子の伝搬方位よりも大きくされている。
本発明に係る第7の帯域阻止フィルタは、入力端子と出力端子とを結ぶ直列腕と、直列腕とグラウンド電位との間に接続された並列腕と、直列腕及び並列腕のうちの少なくとも一方に設けられた複数の弾性波共振子と、直列腕及び並列腕のうちの少なくとも一方に設けられたインダクタンス素子とを有するラダー型の回路構成を備え、第一の減衰帯域と、第一の減衰帯域に隣接する第一の通過帯域と、第一の通過帯域の中に位置する第二の減衰帯域と、第二の減衰帯域に隣接する移行帯域とを有する帯域阻止フィルタであって、複数の弾性波共振子のうちの移行帯域の形成に寄与している少なくともひとつの弾性波共振子の伝搬方位が、他の弾性波共振子の伝搬方位よりも大きくされている。直列腕に弾性波共振子が配置されており、並列腕に弾性波共振子が配置されており、直列腕及び並列腕の少なくとも一方にインダクタンス素子が配置されている。直列腕に配置された弾性波共振子の伝搬方位が、並列腕に配置された弾性波共振子の伝搬方位よりも大きくされている。直列腕に配置された弾性波共振子の反共振周波数と、並列腕に配置された弾性波共振子の共振周波数のうち、最も高い周波数を有する弾性波共振子の伝搬方位が、他の弾性波共振子の伝搬方位よりも大きくされている。
本発明に係る第8の帯域阻止フィルタは、入力端子と出力端子とを結ぶ直列腕と、直列腕とグラウンド電位との間に接続された並列腕と、直列腕及び並列腕のうちの少なくとも一方に設けられた複数の弾性波共振子と、直列腕及び並列腕のうちの少なくとも一方に設けられたインダクタンス素子とを有するラダー型の回路構成を備え、第一の減衰帯域と、第一の減衰帯域に隣接する第一の通過帯域と、第一の通過帯域の中に位置する第二の減衰帯域と、第二の減衰帯域に隣接する移行帯域とを有する帯域阻止フィルタであって、複数の弾性波共振子のうちの移行帯域の形成に寄与している少なくともひとつの弾性波共振子の伝搬方位が、他の弾性波共振子の伝搬方位よりも大きくされることにより、複数の弾性波共振子のうちの移行帯域の形成に寄与している少なくともひとつの弾性波共振子の電気機械結合係数が、他の弾性波共振子の電気機械結合係数よりも小さくされている。直列腕に弾性波共振子が配置されており、並列腕に弾性波共振子が配置されており、直列腕及び並列腕の少なくとも一方にインダクタンス素子が配置されている。直列腕に配置された弾性波共振子の伝搬方位が、並列腕に配置された弾性波共振子の伝搬方位よりも大きくされている。直列腕に配置された弾性波共振子の反共振周波数と、並列腕に配置された弾性波共振子の共振周波数のうち、最も高い周波数を有する弾性波共振子の伝搬方位が、他の弾性波共振子の伝搬方位よりも大きくされている。
直列腕に配置された弾性波共振子の伝搬方位が、並列腕に配置された弾性波共振子の伝搬方位よりも大きくされていてもよい。
直列腕に配置された弾性波共振子の反共振周波数と、並列腕に配置された弾性波共振子の共振周波数のうち、最も高い周波数を有する弾性波共振子の伝搬方位が、他の弾性波共振子の伝搬方位よりも大きくされていてもよい。
本発明の弾性波共振子は弾性境界波共振子であってもよい。
本発明によれば、複数の弾性波共振子のうちの移行帯域の形成に寄与している少なくともひとつの弾性波共振子の伝搬方位が、他の弾性波共振子の伝搬方位よりも大きくされているため、小型かつ廉価で、通過帯域端部におけるフィルタ特性の急峻性が高く、かつ大きな減衰量を有する帯域阻止フィルタを提供することができる。
図1は、第1の実施形態に係る帯域阻止フィルタの回路図である。 図2は、第1の実施形態における帯域阻止フィルタの模式的平面図である。但し、ラミネート樹脂層の描画は省略している。 図3は、第1の実施形態における帯域阻止フィルタの模式的断面図である。 図4は、第1の実施形態における弾性波素子の模式的断面図である。 図5は、第1の実施形態における弾性波素子の模式的平面図である。 図6は、第1の実施例における各並列腕共振子のインピーダンス特性を表すグラフである。 図7は、第1の実施例の帯域阻止フィルタと第1の比較例の帯域阻止フィルタとの挿入損失を表すグラフである。 図8は、第2の実施形態に係る帯域阻止フィルタの回路図である。 図9は、第2の実施形態における弾性波素子の模式的平面図である。 図10は、第2の実施例における各並列腕共振子及び各直列腕共振子のインピーダンス特性を表すグラフである。 図11は、第2の実施例の帯域阻止フィルタと第2の比較例の帯域阻止フィルタとの挿入損失を表すグラフである。 図12は、第3の実施形態における弾性波素子の模式的平面図である。 図13は、第3の実施例における各並列腕共振子及び各直列腕共振子のインピーダンス特性を表すグラフである。 図14は、第3の実施例の帯域阻止フィルタと第3の比較例の帯域阻止フィルタとの挿入損失を表すグラフである。 図15は、第3の実施例の帯域阻止フィルタと、第3の比較例の帯域阻止フィルタと、第3の実施例から直列腕共振子の伝搬方位(ψ)を変化させた帯域阻止フィルタの挿入損失を表すグラフである。 図16は、伝搬方位(ψ)が、それぞれ30°、0°である弾性波共振子のインピーダンス特性を表すグラフである。 図17は、第4の実施形態に係る帯域阻止フィルタの回路図である。 図18は、第4の実施形態における弾性波素子の模式的平面図である。 図19は、第4の実施例における各直列腕共振子のインピーダンス特性を表すグラフである。 図20は、第4の実施例の帯域阻止フィルタと第4の比較例の帯域阻止フィルタとの挿入損失を表すグラフである。 図21は、第5の実施形態における弾性波素子の模式的平面図である。 図22は、第5の実施例における各直列腕共振子及び各並列腕共振子のインピーダンス特性を表すグラフである。 図23は、第5の実施例の帯域阻止フィルタと第5の比較例の帯域阻止フィルタとの挿入損失を表すグラフである。 図24は、第6の実施形態における弾性波素子の模式的平面図である。 図25は、第6の実施例における各直列腕共振子及び各並列腕共振子のインピーダンス特性を表すグラフである。 図26は、第6の実施例の帯域阻止フィルタと第6の比較例の帯域阻止フィルタとの挿入損失を表すグラフである。 図27は、第6の実施例の帯域阻止フィルタと第6の比較例の帯域阻止フィルタとの挿入損失を表すグラフである。 図28は、第6の実施例の帯域阻止フィルタと、第6の比較例の帯域阻止フィルタと、第6の実施例から並列腕共振子の伝搬方位(ψ)を変化させた帯域阻止フィルタの挿入損失を表すグラフである。 図29は、特許文献1に開示されたフィルタ装置の回路図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る帯域阻止フィルタ1の回路図である。図2は、帯域阻止フィルタ1の模式的平面図である。図3は、帯域阻止フィルタ1の模式的断面図である。なお、図2では、後述するラミネート樹脂層5の描画を省略している。
図1に示すように、帯域阻止フィルタ1は、入力端子6と出力端子7とを結ぶ直列腕10と、直列腕10とグラウンド電位との間に接続された第1〜第3の並列腕13a,13b,13cとを有するラダー型回路を備えている。
直列腕10には、第1及び第2のインダクタンス素子11,12が配置されている。第1の並列腕13aは、直列腕10における入力端子6と第1のインダクタンス素子11との接続点と、グラウンド電位との間に接続されている。第1の並列腕13aには、第1の並列腕共振子P1が配置されている。第2の並列腕13bは、直列腕10における第1のインダクタンス素子11と第2のインダクタンス素子12との接続点と、グラウンド電位との間に接続されている。第2の並列腕13bには、第2の並列腕共振子P2が配置されている。第3の並列腕13cは、直列腕10における第2のインダクタンス素子12と出力端子7との接続点と、グラウンド電位との間に接続されている。第3の並列腕13cには、第3の並列腕共振子P3が配置されている。
このように、本実施形態では、直列腕10に配置された第1及び第2のインダクタンス素子11,12と、第1〜第3の並列腕13a,13b,13cにそれぞれ配置された第1〜第3の並列腕共振子P1,P2,P3とによってラダー型回路が形成されている。
帯域阻止フィルタ1は、挿入損失の大きい帯域である、第一の減衰帯域を有する。第一の減衰帯域は、主に、第1及び第2のインダクタンス素子11,12のインダクタンス(誘導成分)と第1〜第3の並列腕共振子P1,P2,P3のキャパシタンス(容量成分)とにより形成される。
帯域阻止フィルタ1は、第一の減衰帯域より低域側に位置し、挿入損失の小さい帯域である、第一の通過帯域を有する。第一の通過帯域は、主に、第1及び第2のインダクタンス素子11,12のインダクタンスにより形成される。
帯域阻止フィルタ1は、第一の通過帯域の中に位置し、挿入損失の大きい帯域である、第二の減衰帯域を有する。第二の減衰帯域は、主に、第1〜第3の並列腕共振子P1,P2,P3の共振による減衰極により形成される。
帯域阻止フィルタ1は、第一の通過帯域の中であって、第二の減衰帯域より低域側に位置し、挿入損失の小さい帯域である、第二の通過帯域を有する。第二の通過帯域は、主に、第1及び第2のインダクタンス素子11,12のインダクタンスにより形成される。
そして、帯域阻止フィルタ1は、第二の減衰帯域と第二の通過帯域との間に、挿入損失が大きく変化する帯域を有する。本明細書では、この第二の減衰帯域と第二の通過帯域との間に形成される帯域を「移行帯域」ということとする。また、「移行帯域におけるフィルタ特性の急峻性」とは、移行帯域における周波数に対する挿入損失の変化の度合いを意味し、「移行帯域におけるフィルタ特性の急峻性が高い」とは、移行帯域において、周波数に対する挿入損失の変化の度合いが大きいことを意味する。
本実施形態では、第1〜第3の並列腕共振子P1〜P3は、図2に示すひとつの弾性波素子3として一体に形成されている。図3に示すように、弾性波素子3は、基板2の主面2a上に実装されている。具体的には、弾性波素子3は、基板2の主面2a上にフリップチップ実装されている。また、基板2の主面2a上には、第1及び第2のインダクタンス素子11,12が形成されている。弾性波素子3に形成された第1〜第3の並列腕共振子P1〜P3と、基板2の主面2a上に形成された第1及び第2のインダクタンス素子11,12とは、基板2に形成された図示しない線路によって電気的に接続されている。
基板2の主面2a上には、弾性波素子3と第1及び第2のインダクタンス素子11,12とを覆うようにラミネート樹脂層5が形成されている。このラミネート樹脂層5によって、弾性波素子3と第1及び第2のインダクタンス素子11,12とが封止されている。
なお、基板2は、特に限定されない。基板2は、例えば、低温同時焼成セラミック(LTCC:Low Temperature Co-fired Ceramics)基板や、プリント基板(PCB:Print Circuit Board)などであってもよい。
弾性波素子3は、弾性表面波(SAW:Surface Acoustic Wave)を利用した弾性表面波素子であってもよいし、弾性境界波(BEW:Boundary
Elastic Wave)を利用した弾性境界波素子であってもよい。言い換えれば、「弾性波」には、弾性境界波と弾性表面波とが含まれる。
本実施形態では、弾性波素子3が弾性境界波を利用した弾性境界波素子である例について説明する。
図4に弾性波素子3の模式的断面図を示す。図4に示すように、弾性波素子3は、圧電基板30を備えている。圧電基板30の主面30aの上には、誘電体層31が形成されている。圧電基板30と誘電体層31との間の界面には、上述の第1〜第3の並列腕共振子P1〜P3を含む電極構造32が形成されている。
誘電体層31には、電極構造32に開口する開口31aが形成されている。誘電体層31の上には、開口31aを覆うように形成され、電極構造32と電気的に接続された接続導体33が形成されている。この接続導体33によって、誘電体層31の上に形成された外部電極34と電極構造32とが電気的に接続されている。電極構造32に含まれる第1〜第3の並列腕共振子P1〜P3は、この外部電極34を介して、第1及び第2のインダクタンス素子11,12と電気的に接続されている。
なお、圧電基板30、誘電体層31及び電極構造32のそれぞれの材質は、弾性波素子3において弾性境界波が生じる組み合わせである限りにおいて特に限定されない。具体的には、圧電基板30は、例えば、LiNbOなどにより形成することができる。誘電体層31は、例えば、SiOなどにより形成することができる。電極構造32は、例えば、Auなどにより形成することができる。
次に、図5を参照しつつ、第1〜第3の並列腕共振子P1〜P3の構造について説明する。図5に示すように、第1〜第3の並列腕共振子P1〜P3のそれぞれは、IDT(Interdigital Transducer)と、弾性波の伝搬方向におけるIDTの両側に配置された一対のグレーティング反射器とを備えている。
具体的には、第1の並列腕共振子P1は、IDT14を備えている。IDT14は、一対のくし歯電極14a,14bを備えている。くし歯電極14a,14bは、バスバーと、バスバーに接続され、相互に平行に延びる複数の電極指を備えている。くし歯電極14a,14bは、各々の複数の電極指が互いに間挿し合うように対向して配置されている。弾性波の伝搬方向におけるIDT14の両側には、グレーティング反射器15,16が配置されている。
同様に、第2の並列腕共振子P2は、IDT17と、弾性波の伝搬方向におけるIDT17の両側に配置された一対のグレーティング反射器18,19とを備えている。第3の並列腕共振子P3は、IDT20と、弾性波の伝搬方向におけるIDT20の両側に配置された一対のグレーティング反射器21,22とを備えている。
本実施形態では、第1〜第3の並列腕共振子P1〜P3のうちの少なくともひとつの並列腕共振子における伝搬方位(ψ)が、他の並列腕共振子における伝搬方位(ψ)よりも大きくされている。具体的には、第1〜第3の並列腕共振子P1〜P3のうちの移行帯域の形成に寄与している少なくともひとつの並列腕共振子における伝搬方位(ψ)が、他の並列腕共振子における伝搬方位(ψ)よりも大きくされている。これにより、移行帯域の形成に寄与している少なくともひとつの並列腕共振子の電気機械結合係数(k)が、他の並列腕共振子の電気機械結合係数(k)よりも小さくされている。
なお、弾性波共振子における伝搬方位(ψ)を大きくすることによって弾性波共振子の電気機械結合係数(k)を小さくできることは、例えば、WO2004/070946A1号公報に記載されている。
本実施形態のように、第1〜第3の並列腕共振子P1〜P3のうち、移行帯域の形成に寄与している少なくともひとつの並列腕共振子における伝搬方位(ψ)が、他の並列腕共振子における伝搬方位(ψ)よりも大きくされていることで、第1〜第3の並列腕共振子P1〜P3のうちの移行帯域の形成に寄与している少なくともひとつの並列腕共振子の電気機械結合係数(k)を他の並列腕共振子の電気機械結合係数(k)よりも小さくすることによって、以下に詳述するように、減衰量を確保したまま、通過帯域端部におけるフィルタ特性の急峻性を高めることができる。さらに、通過帯域内における挿入損失を小さくすることができる。
例えば、特許文献1に記載のように、並列腕共振子にコンデンサを並列に接続することによって並列腕共振子の電気機械結合係数(k)を小さくすることも考えられる。しかしながら、並列腕共振子にコンデンサを並列に接続した場合、ラダー型回路の占有面積がコンデンサの占有面積分増大することとなる。それに対して本実施形態では、並列腕共振子における伝搬方位(ψ)を異ならせることにより並列腕共振子の電気機械結合係数(k)が小さくされている。従って、本実施形態では、ラダー型回路に電気機械結合係数(k)調整用の他の素子を追加する必要がなく、ラダー型回路の占有面積を小さくすることができる。従って、帯域阻止フィルタ1を小型化することができ、その結果、帯域阻止フィルタ1を廉価にすることができる。
また、並列腕共振子の電気機械結合係数(k)を小さくする他の方法として、共振子を構成するIDTの規格化膜厚(h/λ)を異ならせる方法が挙げられる。しかしながら、共振子を構成するIDTの規格化膜厚(h/λ)を異ならせるためには、電気機械結合係数(k)を小さくする並列腕共振子を、他の並列腕共振子と異なる薄膜形成工程により形成する必要がある。それに対して本実施形態では、全ての並列腕共振子P1〜P3において、IDTの規格化膜厚(h/λ)を同じにすることができ、全ての並列腕共振子P1〜P3を同じ薄膜形成工程により形成することができる。従って、本実施形態の帯域阻止フィルタ1は、簡単な製造工程で、廉価に製造することができる。
また、特許文献2に記載のように、並列腕共振子に対してインダクタンス素子を並列に接続することにより並列腕共振子のインピーダンス特性を変化させることも考えられるが、その場合、減衰量を維持したまま移行帯域におけるフィルタ特性の急峻性を高めることが困難となる。それに対して本実施形態では、電気機械結合係数(k)を変化させることにより並列腕共振子のインピーダンス特性を変化させているため、減衰量を維持したまま移行帯域におけるフィルタ特性の急峻性を高めることができる。すなわち、大きな減衰量と移行帯域におけるフィルタ特性の高い急峻性とを同時に実現することができる。
なお、本実施形態のように、直列腕10に第1及び第2のインダクタンス素子11,12が配置され、第1〜第3の並列腕13a〜13cに第1〜第3の並列腕共振子P1〜P3が配置された帯域阻止フィルタ1では、共振周波数が最も低い並列腕共振子が移行帯域の形成に寄与する。
本実施形態では、第1〜第3の並列腕共振子P1〜P3のうち、第3の並列腕共振子P3の共振周波数が最も低く設定されているため、第3の並列腕共振子P3が移行帯域の形成に寄与している。第3の並列腕共振子P3以外の並列腕共振子、すなわち第1及び第2の並列腕共振子P1,P2は、主として第二の減衰帯域の形成に寄与しており、移行帯域の周波数特性にはそれほど影響しない。従って、図5に示すように、第3の並列腕共振子P3の伝搬方位(ψ=30°)が、第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の伝搬方位(ψ=20°)よりも大きく設定されている。これにより、第3の並列腕共振子P3の電気機械結合係数(k)が第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の電気機械結合係数(k)よりも小さくされている。その結果、第3の並列腕共振子P3のインピーダンス特性の急峻性が高められ、移行帯域におけるフィルタ特性の急峻性が高められている。
ところで、伝搬方位(ψ)が45°以下である場合、伝搬方位(ψ)が大きくなるにつれて弾性波共振子のインピーダンス特性の周波数温度係数(TCF:Temperature Coefficient of Frequency)が小さくなる。ここで、本実施形態では、第3の並列腕共振子P3の伝搬方位(ψ)が45°以下の範囲で大きく設定されているため、移行帯域のフィルタ特性に影響を及ぼす第3の並列腕共振子P3のインピーダンス特性のTCFが小さくなる。よって、移行帯域におけるフィルタ特性のTCFも小さくなる。従って、帯域阻止フィルタ1では、周波数に関する製造公差が大きくなり、高い製造歩留まりを実現することができる。
なお、本実施形態では、直列腕10に配置されるインダクタンス素子の数量が2で、第1〜第3の並列腕13a〜13cに配置される並列腕共振子の数量が3である例について説明した。但し、本発明において、直列腕に配置されるインダクタンス素子の数量及び並列腕に配置される並列腕共振子の数量は限定されない。
(第1の実施例及び第1の比較例)
上記第1の実施形態に対応する第1の実施例の帯域阻止フィルタ1を以下の要領で作製した。
LiNbOからなる圧電基板30の上に、Auからなる厚み0.05λ(λ:帯域阻止フィルタ1の第二の減衰帯域における弾性境界波の波長)の電極構造32を形成した。なお、圧電基板30のオイラー角は、φ=0°、θ=105°とした。
その後、圧電基板30の上に、電極構造32を覆うように、SiOからなる厚み10μmの誘電体層31を形成し、弾性波素子3を完成させた。この弾性波素子3を用いて、図1に示す回路構成の帯域阻止フィルタ1を作製し、第1の実施例とした。
なお、第1〜第3の並列腕共振子P1〜P3の詳細は下記の表1に示す通りとした。
Figure 0005041063
第1の比較例として、第1〜第3の並列腕共振子P1〜P3の伝搬方位(ψ)をすべて10°としたことを除いては上記の第1の実施例と同様にして帯域阻止フィルタを作製した。
得られた第1の実施例の帯域阻止フィルタ1の第1〜第3の並列腕共振子P1〜P3のそれぞれのインピーダンス特性を測定すると共に、第1の実施例の帯域阻止フィルタ1と第1の比較例の帯域阻止フィルタとの挿入損失を測定した。
図6に、第1の実施例の帯域阻止フィルタ1における第1〜第3の並列腕共振子P1〜P3のそれぞれのインピーダンス特性を示す。図6において、符号P1が付された実線が第1の並列腕共振子P1のインピーダンス特性を表す。符号P2が付された一点破線が第2の並列腕共振子P2のインピーダンス特性を表す。符号P3が付された点線が第3の並列腕共振子P3のインピーダンス特性を表す。
図6に示すように、第1〜第3の並列腕共振子P1〜P3の共振周波数のうち、第3の並列腕共振子P3の共振周波数が最も低かった。この結果から、移行帯域におけるフィルタ特性は、第3の並列腕共振子P3によって決まることがわかる。
図7に、第1の実施例の帯域阻止フィルタ1と第1の比較例の帯域阻止フィルタとの挿入損失を示す。図7に実線で示されるグラフが第1の実施例の帯域阻止フィルタ1の挿入損失を表し、図7に一点破線で示されるグラフが第1の比較例の帯域阻止フィルタの挿入損失を表す。
第1の実施例の帯域阻止フィルタ1は、日本における地上デジタルテレビ放送のモバイル機器向け放送サービスの受信機能を備えた携帯電話機に搭載される、帯域阻止フィルタである。そのため、第1の実施例の帯域阻止フィルタ1は、携帯電話機において、アンテナ(図示せず)とモバイル機器向け放送サービス受信用TVチューナー(図示せず)との間に配置される。
日本におけるモバイル機器向け放送サービスの放送信号の帯域はUHF帯(470〜770MHz)であるため、第1の実施例の帯域阻止フィルタ1の第二の通過帯域は、約470〜780MHzである。また、約800〜900MHz付近に携帯電話の送信信号の帯域が存在するため、第1の実施例の帯域阻止フィルタ1の第二の減衰帯域は、約830〜845MHzである。
よって、第1の実施例の帯域阻止フィルタ1は、モバイル機器向け放送サービスの放送信号をモバイル機器向け放送サービス受信用TVチューナー側に通し、携帯電話の送信信号を除去する機能を有する。
図7に示す結果から、第1の実施例の帯域阻止フィルタ1の方が、第1の比較例の帯域阻止フィルタよりも、第二の減衰帯域よりも低域側に位置する移行帯域におけるフィルタ特性の急峻性が高いことがわかる。具体的には、第二の通過帯域の高域側において挿入損失が3dBとなる周波数と、第二の減衰帯域の低域側において挿入損失が50dBとなる周波数との差(ΔF)は、第1の比較例(ΔF2)では、38.1MHzであったのに対し、第1の実施例(ΔF1)では、36.3MHzであり、第1の実施例における周波数差(ΔF1)の方が第1の比較例における周波数差(ΔF2)よりも1.8MHz小さかった。この結果から、共振周波数が最も低い第3の並列腕共振子P3の伝搬方位(ψ)を第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の伝搬方位(ψ)よりも大きくすることにより、第二の減衰帯域よりも低域側に位置する移行帯域におけるフィルタ特性の急峻性を高めることができることが確認された。
なお、約1.5GHz、約1.7GHz、約2.0GHz付近にも携帯電話の送信信号の帯域が存在することがある。これら携帯電話の送信信号の帯域は、第1の実施例の帯域阻止フィルタ1における第一の減衰帯域に位置するため、帯域阻止フィルタ1によりこれら携帯電話の送信信号が除去される。よって、帯域阻止フィルタ1の後段に位置するモバイル機器向け放送サービス受信用TVチューナーに対する、これら携帯電話の送信信号の回り込みを防ぐことが出来る。このように、第1の実施例の帯域阻止フィルタ1は、約800〜900MHz付近の携帯電話の送信信号だけではなく、約1.5GHz、約1.7GHz、約2.0GHz付近の携帯電話の送信信号も除去することが可能であり、携帯電話の送信信号とモバイル機器向け放送サービスの放送信号との干渉をより確実に防止することが出来る。
第1の実施形態の帯域阻止フィルタ1は、第1〜第3の並列腕共振子P1〜P3のうち、共振周波数が最も低く、移行帯域の形成に寄与している第3の並列腕共振子P3の伝搬方位(ψ=30°)が、第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の伝搬方位(ψ=20°)よりも大きく設定されており、第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の伝搬方位(ψ)は同じ大きさである構成であったが、本発明はこのような構成に限定されるものではない。すなわち、第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の伝搬方位(ψ)が異なる大きさであってもよく、第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の一方の伝搬方位(ψ)が第3の並列腕共振子P3の伝搬方位(ψ)と同じ大きさであってもよい。
複数の並列腕共振子の伝搬方位(ψ)が互いに異なる大きさの構成であっても、一部の並列腕共振子の伝搬方位(ψ)が他の並列腕共振子の伝搬方位(ψ)と異なる大きさの構成であっても、共振周波数が最も低く、移行帯域の形成に寄与している並列腕共振子の伝搬方位(ψ)が、他の並列腕共振子の伝搬方位(ψ)よりも大きく設定されている構成とすることにより、共振周波数が最も低く、移行帯域の形成に寄与している並列腕共振子の電気機械結合係数(k)が他の並列腕共振子の電気機械結合係数(k)よりも小さくされることとなり、第1の実施形態と同様に、共振周波数が最も低く、移行帯域の形成に寄与している並列腕共振子のインピーダンス特性の急峻性が高められ、移行帯域におけるフィルタ特性の急峻性が高められる。
更に、複数の並列腕共振子の伝搬方位(ψ)が互いに異なる大きさの構成であっても、一部の並列腕共振子の伝搬方位(ψ)が他の並列腕共振子の伝搬方位(ψ)と異なる大きさの構成であっても、共振周波数が最も低く、移行帯域の形成に寄与している並列腕共振子の伝搬方位(ψ)が、他の並列腕共振子のいずれかの伝搬方位(ψ)よりも大きく設定されている構成とすることにより、共振周波数が最も低く、移行帯域の形成に寄与している並列腕共振子の電気機械結合係数(k)が他の並列腕共振子のいずれかの電気機械結合係数(k)よりも小さくされることとなり、第1の実施形態と同様に、共振周波数が最も低く、移行帯域の形成に寄与している並列腕共振子のインピーダンス特性の急峻性が高められ、移行帯域におけるフィルタ特性の急峻性が高められる。
以下、本発明を実施した好ましい形態の他の例について説明する。以下の説明において、上記第1の実施形態と実質的に共通の機能を有する部材を共通の符号で参照し、説明を省略する。また、図2〜図4を上記第1の実施形態と共通に参照する。
(第2の実施形態)
図8は、第2の実施形態に係る帯域阻止フィルタの回路図である。図8に示すように、第2の実施形態に係る帯域阻止フィルタは、入力端子6と出力端子7とを結ぶ直列腕10と、直列腕10とグラウンド電位との間に接続された第1及び第2の並列腕13a,13bとを有するラダー型回路を備えている。第2の実施形態に係る帯域阻止フィルタでは、直列腕10に第1〜第3のインダクタンス素子40〜42と、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2とが配置されている。具体的には、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2は、直列腕10において、互いに直列に接続されている。直列腕10において、入力端子6と第1の直列腕共振子S1との間には、第1のインダクタンス素子40が接続されている。第1の直列腕共振子S1と第2の直列腕共振子S2との間には、第2のインダクタンス素子41が接続されている。第2の直列腕共振子S2と出力端子7との間には、第3のインダクタンス素子42が接続されている。
直列腕10とグラウンド電位との間には、第1及び第2の並列腕13a,13bが接続されている。具体的には、第1の並列腕13aは、直列腕10における第1の直列腕共振子S1と第2のインダクタンス素子41との接続点と、グラウンド電位との間に接続されている。第2の並列腕13bは、直列腕10における第2のインダクタンス素子41と第2の直列腕共振子S2との接続点と、グラウンド電位との間に接続されている。第1の並列腕13aには、第1の並列腕共振子P1が配置されている。第2の並列腕13bには、第2の並列腕共振子P2が配置されている。
このように、本実施形態では、直列腕10に配置された第1〜第3のインダクタンス素子40〜42並びに第1及び第2の直列腕共振子S1,S2と、第1及び第2の並列腕13a,13bにそれぞれ配置された第1及び第2の並列腕共振子P1,P2とによってラダー型回路が形成されている。なお、本実施形態では、第一の実施形態と同様に、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2並びに第1及び第2の並列腕共振子P1,P2は、ひとつの弾性波素子として一体に形成されている。
第2の実施形態に係る帯域阻止フィルタは、挿入損失の大きい帯域である、第一の減衰帯域を有する。第一の減衰帯域は、低域側と高域側とにそれぞれ形成されており、低域側の第一の減衰帯域は、主に、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2のキャパシタンスにより形成される。高域側の第一の減衰帯域は、主に、第1〜第3のインダクタンス素子40〜42のインダクタンスと第1及び第2の並列腕共振子P1,P2のキャパシタンスとにより形成される。
第2の実施形態に係る帯域阻止フィルタは、低域側の第一の減衰帯域と高域側の第一の減衰帯域との間に位置し、挿入損失の小さい帯域である、第一の通過帯域を有する。第一の通過帯域は、主に、第1〜第3のインダクタンス素子40〜42のインダクタンスにより形成される。
第2の実施形態に係る帯域阻止フィルタは、第一の通過帯域の中に位置し、挿入損失の大きい帯域である、第二の減衰帯域を有する。第二の減衰帯域は、主に、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2の反共振による減衰極と第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の共振による減衰極とにより形成される。
第2の実施形態に係る帯域阻止フィルタは、第一の通過帯域の中であって、第二の減衰帯域より低域側に位置し、挿入損失の小さい帯域である、第二の通過帯域を有する。第二の通過帯域は、主に、第1〜第3のインダクタンス素子40〜42のインダクタンスにより形成される。
そして、第2の実施形態に係る帯域阻止フィルタは、第二の減衰帯域と第二の通過帯域との間に、移行帯域を有する。
本実施形態では、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2並びに第1及び第2の並列腕共振子P1,P2のうち、少なくともひとつの弾性波共振子における伝搬方位(ψ)が、他の弾性波共振子における伝搬方位(ψ)よりも大きくされている。具体的には、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2並びに第1及び第2の並列腕共振子P1,P2のうち、移行帯域の形成に寄与している少なくともひとつの弾性波共振子における伝搬方位(ψ)が、他の弾性波共振子における伝搬方位(ψ)よりも大きくされている。これにより、移行帯域の形成に寄与している少なくともひとつの弾性波共振子の電気機械結合係数(k)が、他の弾性波共振子の電気機械結合係数(k)よりも小さくされている。
本実施形態のように、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2並びに第1及び第2の並列腕共振子P1,P2のうち、移行帯域の形成に寄与している少なくともひとつの弾性波共振子における伝搬方位(ψ)が、他の弾性波共振子における伝搬方位(ψ)よりも大きくされていることで、移行帯域の形成に寄与している少なくともひとつの弾性波共振子の電気機械結合係数(k)を他の弾性波共振子の電気機械結合係数(k)よりも小さくすることによって、減衰量を確保したまま、通過帯域端部におけるフィルタ特性の急峻性を高めることができる。さらに、通過帯域内における挿入損失を小さくすることができる。
本実施形態では、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2の反共振周波数と、第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の共振周波数とのうち、最も低い周波数を有する弾性波共振子における伝搬方位(ψ)が、他の弾性波共振子における伝搬方位(ψ)よりも大きくされることにより、最も低い周波数を有する弾性波共振子の電気機械結合係数(k)が他の弾性波共振子の電気機械結合係数(k)よりも小さくされている。従って、第二の減衰帯域よりも低域側に位置する移行帯域におけるフィルタ特性の急峻性が高められている。
具体的には、直列腕10に第1〜第3のインダクタンス素子40〜42並びに第1及び第2の直列腕共振子S1,S2が配置され、第1及び第2の並列腕13a,13bにそれぞれ第1及び第2の並列腕共振子P1,P2が配置された構成である本実施形態の帯域阻止フィルタでは、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2の反共振周波数と、第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の共振周波数とのうち、最も低い周波数を有する弾性波共振子が移行帯域の形成に寄与する。本実施形態では、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2の反共振周波数と、第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の共振周波数とのうち、最も低い周波数であるのは、第1の直列腕共振子S1の反共振周波数である。このため、第二の減衰帯域よりも低域側に位置する移行帯域の形成には、第1の直列腕共振子S1が寄与している。
図9は、第2の実施形態における弾性波素子の模式的平面図である。図9に示すように、第二の減衰帯域よりも低域側に位置する移行帯域の形成に寄与している第1の直列腕共振子S1の伝搬方位(ψ=30°)が、第2の直列腕共振子S2並びに第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の伝搬方位(ψ=20°)よりも大きくされている。これにより、第1の直列腕共振子S1の電気機械結合係数(k)が、第2の直列腕共振子S2並びに第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の電気機械結合係数(k)よりも小さくされている。その結果、第1の直列腕共振子S1のインピーダンス特性の急峻性が高められ、第二の減衰帯域よりも低域側に位置する移行帯域におけるフィルタ特性の高い急峻性が実現されている。
また、本実施形態においても、移行帯域の形成に寄与している第1の直列腕共振子S1の伝搬方位(ψ)が、45°以下の範囲で、他の弾性波共振子、すなわち第2の直列腕共振子S2並びに第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の伝搬方位(ψ)よりも大きくされている。よって、移行帯域におけるフィルタ特性のTCFが小さくされている。従って、第2の実施形態に係る帯域阻止フィルタでは、周波数に関する製造公差が大きくなり、高い製造歩留まりを実現することができる。
なお、本実施形態では、直列腕10に配置されるインダクタンス素子の数量が3で、直列腕10に配置される直列腕共振子の数量が2で、第1及び第2の並列腕13a,13bに配置される並列腕共振子の数量が2である例について説明した。但し、本発明において、直列腕に配置されるインダクタンス素子及び直列腕共振子のそれぞれの数量並びに並列腕に配置される並列腕共振子の数量は限定されない。例えば、並列腕に配置される並列腕共振子の数量と、直列腕に配置される直列腕共振子の数量とは、同じであってもよく、異なっていてもよい。また、第1及び第2の並列腕13a,13bに加えて、複数の並列腕を更に接続し、該複数の並列腕にインダクタンス素子を配置してもよい。
(第2の実施例及び第2の比較例)
上記第2の実施形態に対応する第2の実施例の帯域阻止フィルタを、上記第1の実施例と同じ要領で作製した。なお、第2の実施例において、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2並びに第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の詳細は下記の表2に示す通りとした。
Figure 0005041063
第2の比較例として、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2並びに第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の伝搬方位(ψ)をすべて10°としたことを除いては上記の第2の実施例と同様にして帯域阻止フィルタを作製した。
得られた第2の実施例の帯域阻止フィルタの第1及び第2の並列腕共振子P1,P2並びに第1及び第2の直列腕共振子S1,S2のそれぞれのインピーダンス特性を測定すると共に、第2の実施例の帯域阻止フィルタと第2の比較例の帯域阻止フィルタとの挿入損失を測定した。
図10に、第2の実施例の帯域阻止フィルタにおける第1及び第2の並列腕共振子P1,P2並びに第1及び第2の直列腕共振子S1,S2のそれぞれのインピーダンス特性を示す。図10において、符号S1が付された実線が第1の直列腕共振子S1のインピーダンス特性を表す。符号S2が付された二点破線が第2の直列腕共振子S2のインピーダンス特性を表す。符号P1が付された点線が第1の並列腕共振子P1のインピーダンス特性を表す。符号P2が付された一点破線が第2の並列腕共振子P2のインピーダンス特性を表す。
図10に示すように、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2の反共振周波数と、第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の共振周波数とを比較すると、第1の直列腕共振子S1の反共振周波数が最も低い周波数であり、(第1の直列腕共振子S1の反共振周波数)<(第1の並列腕共振子P1の共振周波数)<(第2の並列腕共振子P2の共振周波数)<(第2の直列腕共振子S2の反共振周波数)となった。この結果から、第2の実施例の帯域阻止フィルタでは、移行帯域におけるフィルタ特性は、第1の直列腕共振子S1によって決まることがわかる。
図11に、第2の実施例の帯域阻止フィルタと第2の比較例の帯域阻止フィルタとの挿入損失を示す。図11に実線で示されるグラフが第2の実施例の帯域阻止フィルタの挿入損失を表し、図11に一点破線で示されるグラフが第2の比較例の帯域阻止フィルタの挿入損失を表す。
第2の実施例の帯域阻止フィルタは、第1の実施例と同様に、日本における地上デジタルテレビ放送のモバイル機器向け放送サービスの受信機能を備えた携帯電話機に搭載される、帯域阻止フィルタである。日本におけるモバイル機器向け放送サービスの放送信号の帯域はUHF帯(470〜770MHz)であるため、第2の実施例の帯域阻止フィルタの第二の通過帯域は、約470〜800MHzである。また、約800〜900MHz付近に携帯電話の送信信号の帯域が存在するため、第2の実施例の帯域阻止フィルタの第二の減衰帯域は、約898〜925MHzである。
よって、第2の実施例の帯域阻止フィルタは、モバイル機器向け放送サービスの放送信号をモバイル機器向け放送サービス受信用TVチューナー側に通し、携帯電話の送信信号を除去する機能を有する。
図11に示すように、第2の実施例の帯域阻止フィルタの方が、第2の比較例の帯域阻止フィルタよりも、第二の減衰帯域よりも低域側に位置する移行帯域におけるフィルタ特性の急峻性が高いことがわかる。具体的には、第二の通過帯域の高域側において挿入損失が3dBとなる周波数と、第二の減衰帯域の低域側において挿入損失が50dBとなる周波数との差(ΔF)は、第2の比較例(ΔF4)では、66.7MHzであったのに対し、第2の実施例(ΔF3)では、63.6MHzであり、第2の実施例における周波数差(ΔF3)の方が第2の比較例における周波数差(ΔF4)よりも3.1MHz小さかった。この結果から、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2の反共振周波数と第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の共振周波数のうちで、最も低い周波数を有する弾性波共振子における伝搬方位(ψ)を、他の弾性波共振子における伝搬方位(ψ)よりも大きくすることにより、第二の減衰帯域よりも低域側に位置する移行帯域におけるフィルタ特性の急峻性を高めることができることが確認された。
また、第1の実施例と同様に、約1.5GHz、約1.7GHz、約2.0GHz付近にも携帯電話の送信信号の帯域が存在する場合においても、これらの帯域は、第2の実施例の帯域阻止フィルタにおける高域側の第一の減衰帯域に位置するため、第2の実施例の帯域阻止フィルタにより、これら携帯電話の送信信号が除去される。よって、第2の実施例の帯域阻止フィルタの後段に位置するモバイル機器向け放送サービス受信用TVチューナーに対する、これら携帯電話の送信信号の回り込みを防ぐことが出来る。このように、第2の実施例の帯域阻止フィルタは、約800〜900MHz付近の携帯電話の送信信号だけではなく、約1.5GHz、約1.7GHz、約2.0GHz付近の携帯電話の送信信号も除去することが可能であり、携帯電話の送信信号とモバイル機器向け放送サービスの放送信号との干渉をより確実に防止することが出来る。
第2の実施形態の帯域阻止フィルタは、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2の反共振周波数と、第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の共振周波数とのうち、最も低い周波数を有し、移行帯域の形成に寄与している第1の直列腕共振子S1の伝搬方位(ψ=30°)が、第2の直列腕共振子S2並びに第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の伝搬方位(ψ=20°)よりも大きくされており、第2の直列腕共振子S2並びに第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の伝搬方位(ψ)は同じ大きさである構成であったが、本発明はこのような構成に限定されるものではない。
すなわち、第2の直列腕共振子S2並びに第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の伝搬方位(ψ)が異なる大きさであってもよく、第2の直列腕共振子S2並びに第1及び第2の並列腕共振子P1,P2のいずれかの伝搬方位(ψ)が第1の直列腕共振子S1の伝搬方位(ψ)と同じ大きさであってもよい。
第1及び第2の直列腕共振子S1,S2並びに第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の伝搬方位(ψ)が互いに異なる大きさの構成であっても、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2並びに第1及び第2の並列腕共振子P1,P2のうちの一部の弾性波共振子の伝搬方位(ψ)が他の弾性波共振子の伝搬方位(ψ)と異なる大きさの構成であっても、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2の反共振周波数と、第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の共振周波数とのうち、最も低い周波数を有し、移行帯域の形成に寄与している弾性波共振子の伝搬方位(ψ)が、他の弾性波共振子の伝搬方位(ψ)よりも大きく設定されている構成とすることにより、最も低い周波数を有し、移行帯域の形成に寄与している弾性波共振子の電気機械結合係数(k)が他の弾性波共振子の電気機械結合係数(k)よりも小さくされることとなり、第2の実施形態と同様に、最も低い周波数を有し、移行帯域の形成に寄与している弾性波共振子のインピーダンス特性の急峻性が高められ、移行帯域におけるフィルタ特性の急峻性が高められる。
更に、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2並びに第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の伝搬方位(ψ)が互いに異なる大きさの構成であっても、一部の弾性波共振子の伝搬方位(ψ)が他の弾性波共振子の伝搬方位(ψ)と異なる大きさの構成であっても、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2の反共振周波数と、第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の共振周波数とのうち、最も低い周波数を有し、移行帯域の形成に寄与している弾性波共振子の伝搬方位(ψ)が、他の弾性波共振子のいずれかひとつの伝搬方位(ψ)よりも大きく設定されている構成とすることにより、最も低い周波数を有し、移行帯域の形成に寄与している弾性波共振子の電気機械結合係数(k)が他の弾性波共振子のいずれかひとつの電気機械結合係数(k)よりも小さくされることとなり、第2の実施形態と同様に、最も低い周波数を有し、移行帯域の形成に寄与している弾性波共振子のインピーダンス特性の急峻性が高められ、移行帯域におけるフィルタ特性の急峻性が高められる。
(第3の実施形態)
図12は、第3の実施形態における弾性波素子の模式的平面図である。図12に示すように、第3の実施形態に係る帯域阻止フィルタは、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2並びに第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の伝搬方位(ψ)以外は、図8に示す上記第2の実施形態に係る帯域阻止フィルタと同様の構成を有する。
よって、第3の実施形態に係る帯域阻止フィルタは、挿入損失の大きい帯域である、第一の減衰帯域を有する。第一の減衰帯域は、低域側と高域側とにそれぞれ形成されており、低域側の第一の減衰帯域は、主に、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2のキャパシタンスにより形成される。高域側の第一の減衰帯域は、主に、第1〜第3のインダクタンス素子40〜42のインダクタンスと第1及び第2の並列腕共振子P1,P2のキャパシタンスとにより形成される。
第3の実施形態に係る帯域阻止フィルタは、低域側の第一の減衰帯域と高域側の第一の減衰帯域との間に位置し、挿入損失の小さい帯域である、第一の通過帯域を有する。第一の通過帯域は、主に、第1〜第3のインダクタンス素子40〜42のインダクタンスにより形成される。
第3の実施形態に係る帯域阻止フィルタは、第一の通過帯域の中に位置し、挿入損失の大きい帯域である、第二の減衰帯域を有する。第二の減衰帯域は、主に、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2の反共振による減衰極と第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の共振による減衰極とにより形成される。
第3の実施形態に係る帯域阻止フィルタは、第一の通過帯域の中であって、第二の減衰帯域より低域側に位置し、挿入損失の小さい帯域である、第二の通過帯域を有する。第二の通過帯域は、主に、第1〜第3のインダクタンス素子40〜42のインダクタンスにより形成される。
そして、第3の実施形態に係る帯域阻止フィルタは、第二の減衰帯域と第二の通過帯域との間に低域側の移行帯域を、第二の減衰帯域の高域側に高域側の移行帯域を、それぞれ有する。
図12に示すように、本実施形態では、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2のそれぞれの伝搬方位(ψ=30°)が、第1及び第2の並列腕共振子P1,P2のそれぞれの伝搬方位(ψ=10°)よりも大きくされている。これにより、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2のそれぞれの電気機械結合係数(k)が、第1及び第2の並列腕共振子P1,P2のそれぞれの電気機械結合係数(k)よりも小さくされている。その結果、第二の通過帯域と第二の減衰帯域との間に位置する低域側の移行帯域におけるフィルタ特性の高い急峻性が実現されている。
また、本実施形態においても、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2のそれぞれの伝搬方位(ψ)が、45°以下の範囲で、第1及び第2の並列腕共振子P1,P2のそれぞれの伝搬方位(ψ)よりも大きくされている。よって、第二の通過帯域と第二の減衰帯域との間に位置する、低域側の移行帯域におけるフィルタ特性のTCFが小さくされている。従って、本実施形態に係る帯域阻止フィルタでも、周波数に関する製造公差が大きくなり、高い製造歩留まりを実現することができる。
(第3の実施例及び第3の比較例)
上記第3の実施形態に対応する第3の実施例の帯域阻止フィルタを、上記第1の実施例と同じ要領で作製した。なお、第3の実施例において、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2並びに第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の詳細は下記の表3に示す通りとした。
Figure 0005041063
第3の比較例として、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2並びに第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の伝搬方位(ψ)をすべて10°としたことを除いては上記の第3の実施例と同様にして帯域阻止フィルタを作製した。
次に、得られた第3の実施例の帯域阻止フィルタにおける第1及び第2の直列腕共振子S1,S2並びに第1及び第2の並列腕共振子P1,P2のそれぞれのインピーダンス特性(共振周波数及び反共振周波数)を測定した。
直列腕10に第1〜第3のインダクタンス素子40〜42並びに第1及び第2の直列腕共振子S1,S2が配置され、第1及び第2の並列腕13a,13bにそれぞれ第1及び第2の並列腕共振子P1,P2が配置された本実施形態の帯域阻止フィルタでは、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2の反共振周波数と、第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の共振周波数とのうち、最も低い周波数を有する弾性波共振子が、第二の通過帯域と第二の減衰帯域との間に位置する低域側の移行帯域の形成に寄与する。第二の通過帯域と第二の減衰帯域との間に位置する低域側の移行帯域におけるフィルタ特性の急峻性は、直列腕共振子の周波数特性、具体的には、直列腕共振子の共振周波数及び反共振周波数によって決まる。
図13は、第3の実施例の帯域阻止フィルタにおける第1及び第2の直列腕共振子S1,S2並びに第1及び第2の並列腕共振子P1,P2のインピーダンス特性を表すグラフである。図13において、符号S1が付された実線が第1の直列腕共振子S1のインピーダンス特性を表す。符号S2が付された二点破線が第2の直列腕共振子S2のインピーダンス特性を表す。符号P1が付された点線が第1の並列腕共振子P1のインピーダンス特性を表す。符号P2が付された一点破線が第2の並列腕共振子P2のインピーダンス特性を表す。
第3の実施例では、図13に示すように、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2の反共振周波数と、第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の共振周波数とを比較すると、第1の直列腕共振子S1の反共振周波数が最も低い周波数である。よって、第1の直列腕共振子S1の反共振周波数と、第2の直列腕共振子S2の反共振周波数とを比較すると、第1の直列腕共振子S1の反共振周波数の方が、周波数が低い。この結果から、第二の通過帯域と第二の減衰帯域との間に位置する、低域側の移行帯域におけるフィルタ特性には、第1の直列腕共振子S1の周波数特性が最も大きく寄与し、次に、第2の直列腕共振子S2の周波数特性が寄与することがわかる。
得られた第3の実施例の帯域阻止フィルタと第3の比較例の帯域阻止フィルタとの挿入損失を測定した。測定結果を図14に示す。なお、図14に実線で示すグラフが第3の実施例の帯域阻止フィルタの挿入損失を表し、一点破線で示すグラフが第3の比較例の帯域阻止フィルタの挿入損失を表している。
第3の実施例の帯域阻止フィルタは、第1の実施例と同様に、地上デジタルテレビ放送のモバイル機器向け放送サービスの受信機能を備えた携帯電話機に搭載される、帯域阻止フィルタである。第3の実施例の帯域阻止フィルタにおける第二の通過帯域は、約470〜760MHzである。また、約800〜900MHz付近に携帯電話の送信信号の帯域が存在するため、第3の実施例の帯域阻止フィルタの第二の減衰帯域は、約820〜850MHzである。
よって、第3の実施例の帯域阻止フィルタは、モバイル機器向け放送サービスの放送信号をモバイル機器向け放送サービス受信用TVチューナー側に通し、携帯電話の送信信号を除去する機能を有する。
図14に示すように、第3の実施例の帯域阻止フィルタの方が、第3の比較例の帯域阻止フィルタよりも、第二の通過帯域と第二の減衰帯域との間に位置する、低域側の移行帯域におけるフィルタ特性の急峻性が高いことがわかる。具体的には、第二の通過帯域の高域側において挿入損失が2dBとなる周波数と、第二の減衰帯域の低域側において挿入損失が50dBとなる周波数との差(ΔF)は、第3の比較例(ΔF6)では、42.7MHzであったのに対し、第3の実施例(ΔF5)では、37.6MHzであった。このように、第3の実施例における周波数差(ΔF5)の方が第3の比較例における周波数差(ΔF6)よりも5.1MHz小さかった。この結果から、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2の伝搬方位(ψ)を第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の伝搬方位(ψ)よりも大きくすることにより、第二の通過帯域と第二の減衰帯域との間に位置する、低域側の移行帯域におけるフィルタ特性の急峻性を高めることができることが確認された。
図15に、第3の実施例の帯域阻止フィルタ及び第3の比較例の帯域阻止フィルタのそれぞれの挿入損失と共に、第3の実施例の帯域阻止フィルタから直列腕共振子の伝搬方位(ψ)を変化させた帯域阻止フィルタの挿入損失を示す。具体的には、図15に一点破線で示すグラフは、第2の直列腕共振子S2の伝搬方位(ψ)を第1及び第2の並列腕共振子P1,P2と同じ10°とした帯域阻止フィルタの挿入損失を表す。なお、図15に実線で示すグラフが第3の実施例の帯域阻止フィルタの挿入損失を表す。図15に二点破線で示すグラフが第3の比較例の帯域阻止フィルタの挿入損失を表す。
図15に示す結果から、第二の通過帯域と第二の減衰帯域との間に位置する、低域側の移行帯域におけるフィルタ特性には、第1の直列腕共振子S1の周波数特性のみならず、第2の直列腕共振子S2の周波数特性も寄与していることがわかる。第1及び第2の直列腕共振子S1,S2の伝搬方位(ψ)を第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の伝搬方位(ψ)よりも大きくすることにより、第二の通過帯域と第二の減衰帯域との間に位置する、低域側の移行帯域におけるフィルタ特性の急峻性を特に高めることができることが確認された。
なお、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2の伝搬方位(ψ)を第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の伝搬方位(ψ)よりも大きくすることにより、第二の通過帯域と第二の減衰帯域との間に位置する、低域側の移行帯域におけるフィルタ特性の急峻性を高めることができるのは、以下の理由によるものである。
図16は、伝搬方位(ψ)が、それぞれ30°、0°である弾性波共振子のインピーダンス特性を表すグラフである。図16に実線で示すグラフが、伝搬方位(ψ)が30°である弾性波共振子のインピーダンス特性を表し、一点破線で示すグラフが、伝搬方位(ψ)が0°である弾性波共振子のインピーダンス特性を表している。
図16からわかるように、弾性波共振子における伝搬方位(ψ)を大きくし、弾性波共振子の電気機械結合係数(k)を小さくすることによって、弾性波共振子の共振周波数と反共振周波数とが近い値となる。よって、インピーダンス特性の急峻性が高くなる。従って、移行帯域の形成に寄与する第1及び第2の直列腕共振子S1,S2の伝搬方位(ψ)を第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の伝搬方位(ψ)よりも大きくすることにより、移行帯域におけるフィルタ特性の急峻性を高めることができる。
また、第1の実施例と同様に、約1.5GHz、約1.7GHz、約2.0GHz付近にも携帯電話の送信信号の帯域が存在する場合においても、これらの帯域は、第3の実施例の帯域阻止フィルタにおける高域側の第一の減衰帯域に位置するため、第3の実施例の帯域阻止フィルタにより、これら携帯電話の送信信号が除去される。よって、第3の実施例の帯域阻止フィルタの後段に位置するモバイル機器向け放送サービス受信用TVチューナーに対する、これら携帯電話の送信信号の回り込みを防ぐことが出来る。このように、第3の実施例の帯域阻止フィルタは、約800〜900MHz付近の携帯電話の送信信号だけではなく、約1.5GHz、約1.7GHz、約2.0GHz付近の携帯電話の送信信号も除去することが可能であり、携帯電話の送信信号とモバイル機器向け放送サービスの放送信号との干渉をより確実に防止することが出来る。
第3の実施形態の帯域阻止フィルタは、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2の反共振周波数と、第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の共振周波数とのうち、最も低い周波数を有し、移行帯域の形成に寄与している第1の直列腕共振子S1の伝搬方位(ψ=30°)と、第2の直列腕共振子S2の伝搬方位(ψ=30°)とが、第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の伝搬方位(ψ=10°)よりも大きくされており、第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の伝搬方位(ψ)は同じ大きさである構成であったが、本発明はこのような構成に限定されるものではない。
すなわち、第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の伝搬方位(ψ)が異なる大きさであってもよく、第1及び第2の並列腕共振子P1,P2のいずれかの伝搬方位(ψ)が第1及び第2の直列腕共振子S1,S2の伝搬方位(ψ)と同じ大きさであってもよい。
(第4の実施形態)
図17は、第4の実施形態に係る帯域阻止フィルタの回路図である。図17に示すように、第4の実施形態に係る帯域阻止フィルタは、入力端子6と出力端子7とを結ぶ直列腕10と、直列腕10とグラウンド電位との間に接続された第1及び第2の並列腕13a,13bとを有するラダー型回路を備えている。
第4の実施形態に係る帯域阻止フィルタでは、直列腕10に第1〜第3の直列腕共振子S1,S2,S3が配置されている。直列腕10とグラウンド電位との間には、第1及び第2の並列腕13a,13bが接続されている。具体的には、直列腕10における、第1の直列腕共振子S1と第2の直列腕共振子S2との接続点と、グラウンド電位との間には、第1の並列腕13aが接続されている。第1の並列腕13aには、第1のインダクタンス素子50が配置されている。一方、直列腕10における、第2の直列腕共振子S2と第3の直列腕共振子S3との接続点と、グラウンド電位との間には、第2の並列腕13bが接続されている。第2の並列腕13bには、第2のインダクタンス素子51が配置されている。
このように、本実施形態では、直列腕10に配置された第1〜第3の直列腕共振子S1,S2,S3と、第1及び第2の並列腕13a,13bにそれぞれ配置された第1及び第2のインダクタンス素子50,51とによってラダー型回路が形成されている。なお、本実施形態では、第一の実施形態と同様に、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2並びに第1及び第2の並列腕共振子P1,P2は、ひとつの弾性波素子として一体に形成されている。
第4の実施形態に係る帯域阻止フィルタは、挿入損失の大きい帯域である、第一の減衰帯域を有する。第一の減衰帯域は、主に、第1及び第2のインダクタンス素子50,51のインダクタンスと第1〜第3の直列腕共振子S1〜S3のキャパシタンスとにより形成される。
第4の実施形態に係る帯域阻止フィルタは、第一の減衰帯域より高域側に位置し、挿入損失の小さい帯域である、第一の通過帯域を有する。第一の通過帯域は、主に、第1及び第2のインダクタンス素子50,51のインダクタンスにより形成される。
第4の実施形態に係る帯域阻止フィルタは、第一の通過帯域の中に位置し、挿入損失の大きい帯域である、第二の減衰帯域を有する。第二の減衰帯域は、主に、第1〜第3の直列腕共振子S1〜S3の反共振による減衰極により形成される。
第4の実施形態に係る帯域阻止フィルタは、第一の通過帯域の中であって、第二の減衰帯域より低域側に位置し、挿入損失の小さい帯域である、第二の通過帯域を有する。第二の通過帯域は、主に、第1及び第2のインダクタンス素子50,51のインダクタンスにより形成される。
そして、第4の実施形態に係る帯域阻止フィルタは、第二の減衰帯域と第二の通過帯域との間に低域側の移行帯域を、第二の減衰帯域の高域側に高域側の移行帯域を、それぞれ有する。
本実施形態では、第1〜第3の直列腕共振子S1〜S3のうち、少なくともひとつの直列腕共振子における伝搬方位(ψ)が、他の直列腕共振子における伝搬方位(ψ)よりも大きくされている。具体的には、第1〜第3の直列腕共振子S1〜S3のうち、移行帯域の形成に寄与している少なくともひとつの直列腕共振子における伝搬方位(ψ)が、他の直列腕共振子における伝搬方位(ψ)よりも大きくされている。これにより、移行帯域の形成に寄与している少なくともひとつの直列腕共振子の電気機械結合係数(k)が、他の直列腕共振子の電気機械結合係数(k)よりも小さくされている。
本実施形態のように、第1〜第3の直列腕共振子S1〜S3のうち、移行帯域の形成に寄与している少なくともひとつの直列腕共振子における伝搬方位(ψ)が、他の直列腕共振子における伝搬方位(ψ)よりも大きくされていることで、移行帯域の形成に寄与している少なくともひとつの直列腕共振子の電気機械結合係数(k)を他の直列腕共振子の電気機械結合係数(k)よりも小さくすることによって、減衰量を確保したまま、通過帯域端部におけるフィルタ特性の急峻性を高めることができる。さらに、通過帯域内における挿入損失を小さくすることができる。
本実施形態のように、直列腕10に第1〜第3の直列腕共振子S1〜S3が配置され、第1及び第2の並列腕13a,13bに第1及び第2のインダクタンス素子50,51が配置された帯域阻止フィルタでは、最も高い反共振周波数を有する直列腕共振子が移行帯域の形成に寄与する。
よって、本実施形態では、第1〜第3の直列腕共振子S1〜S3の反共振周波数のうち、最も高い反共振周波数を有する直列腕共振子における伝搬方位(ψ)が、他の直列腕共振子における伝搬方位(ψ)よりも大きくされることにより、最も高い反共振周波数を有する直列腕共振子の電気機械結合係数(k)が、他の直列腕共振子の電気機械結合係数(k)よりも小さくされている。従って、第二の減衰帯域の高域側に位置する、高域側の移行帯域におけるフィルタ特性の高い急峻性が実現されている。
具体的には、本実施形態では、第1〜第3の直列腕共振子S1〜S3の反共振周波数のうちで、第3の直列腕共振子S3の反共振周波数が最も高い。このため、第二の減衰帯域よりも高域側に位置する、高域側の移行帯域の形成には、第3の直列腕共振子S3が寄与している。
図18は、第4の実施形態における弾性波素子の模式的平面図である。図18に示すように、第二の減衰帯域よりも高域側に位置する、高域側の移行帯域の形成に寄与している第3の直列腕共振子S3の伝搬方位(ψ=30°)が、第3の直列腕共振子S3以外の直列腕共振子、すなわち第1及び第2の直列腕共振子S1,S2の伝搬方位(ψ=20°)よりも大きくされている。これにより、第3の直列腕共振子S3の電気機械結合係数(k)が第1及び第2の直列腕共振子S1,S2の電気機械結合係数(k)よりも小さくされている。その結果、第二の減衰帯域よりも高域側に位置する、高域側の移行帯域におけるフィルタ特性の高い急峻性が実現される。
また、本実施形態においても、第二の減衰帯域よりも高域側に位置する、高域側の移行帯域の形成に寄与する第3の直列腕共振子S3の伝搬方位(ψ)が45°以下の範囲で、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2のそれぞれの伝搬方位(ψ)よりも大きくされているため、第二の減衰帯域よりも高域側に位置する、高域側の移行帯域におけるフィルタ特性のTCFが小さくされている。従って、本実施形態に係る帯域阻止フィルタでも、周波数に関する製造公差が大きくなり、高い製造歩留まりを実現することができる。
なお、本実施形態では、直列腕10に配置される直列腕共振子の数量が3で、第1及び第2の並列腕13a,13bに配置されるインダクタンス素子の数量が2である例について説明した。但し、本発明において、直列腕に配置される直列腕共振子の数量並びに並列腕に配置されるインダクタンス素子の数量は限定されない。
(第4の実施例及び第4の比較例)
上記第4の実施形態に対応する第4の実施例の帯域阻止フィルタを、上記第1の実施例と同じ要領で作製した。なお、第4の実施例において、第1〜第3の直列腕共振子S1〜S3の詳細は下記の表4に示す通りとした。
Figure 0005041063
第4の比較例として、第1〜第3の直列腕共振子S1〜S3の伝搬方位(ψ)をすべて10°としたことを除いては上記の第4の実施例と同様にして帯域阻止フィルタを作製した。
得られた第4の実施例の帯域阻止フィルタの第1〜第3の直列腕共振子S1〜S3のそれぞれのインピーダンス特性を測定すると共に、第4の実施例の帯域阻止フィルタと第4の比較例の帯域阻止フィルタとの挿入損失を測定した。
図19に、第4の実施例の帯域阻止フィルタにおける第1〜第3の直列腕共振子S1〜S3のそれぞれのインピーダンス特性を示す。図19において、符号S1が付された実線が第1の直列腕共振子S1のインピーダンス特性を表す。符号S2が付された一点破線が第2の直列腕共振子S2のインピーダンス特性を表す。符号S3が付された点線が第3の直列腕共振子S3のインピーダンス特性を表す。
図19に示すように、第1〜第3の直列腕共振子S1〜S3の反共振周波数を比較すると、(第2の直列腕共振子S2の反共振周波数)<(第1の直列腕共振子S1の反共振周波数)<(第3の直列腕共振子S3の反共振周波数)という関係となった。この結果から、第4の実施例の帯域阻止フィルタでは、第二の減衰帯域よりも高域側に位置する、高域側の移行帯域におけるフィルタ特性は、反共振周波数が最も高い第3の直列腕共振子S3によって決まることがわかる。
図20に第4の実施例の帯域阻止フィルタと第4の比較例の帯域阻止フィルタとの挿入損失の測定結果を示す。なお、図20に実線で示すグラフが第4の実施例に係る帯域阻止フィルタの挿入損失を表し、図20に一点破線で示すグラフが第4の比較例に係る帯域阻止フィルタの挿入損失を表している。
図20に示すように、第4の実施例の帯域阻止フィルタの方が、第4の比較例の帯域阻止フィルタよりも、第二の減衰帯域よりも高域側に位置する、高域側の移行帯域におけるフィルタ特性の急峻性が高いことがわかる。具体的には、第一の通過帯域における第二の減衰帯域の高域側において挿入損失が3dBとなる周波数と、第二の減衰帯域の高域側において挿入損失が40dBとなる周波数との差(ΔF)は、第4の比較例(ΔF8)では、197.4MHzであったのに対し、第4の実施例(ΔF7)では、185.7MHzであり、第4の実施例における周波数差(ΔF7)の方が第4の比較例における周波数差(ΔF8)よりも11.7MHz小さかった。この結果から、反共振周波数が最も高い第3の直列腕共振子S3の伝搬方位(ψ)を第1及び第2の直列腕共振子S1,S2の伝搬方位(ψ)よりも大きくすることにより、第二の減衰帯域よりも高域側に位置する、高域側の移行帯域におけるフィルタ特性の急峻性を高めることができることが確認された。
第4の実施形態の帯域阻止フィルタは、第1〜第3の直列腕共振子S1〜S3のうち、反共振周波数が最も高く、高域側の移行帯域の形成に寄与している第3の直列腕共振子S3の伝搬方位(ψ=30°)が、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2の伝搬方位(ψ=20°)よりも大きく設定されており、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2の伝搬方位(ψ)は同じ大きさである構成であったが、本発明はこのような構成に限定されるものではない。すなわち、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2の伝搬方位(ψ)が異なる大きさであってもよく、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2のうち一方の伝搬方位(ψ)が第3の直列腕共振子S3の伝搬方位(ψ)と同じ大きさであってもよい。
複数の直列腕共振子の伝搬方位(ψ)が互いに異なる大きさの構成であっても、一部の直列腕共振子の伝搬方位(ψ)が他の直列腕共振子の伝搬方位(ψ)と異なる大きさの構成であっても、反共振周波数が最も高く、高域側の移行帯域の形成に寄与している直列腕共振子の伝搬方位(ψ)が、他の直列腕共振子の伝搬方位(ψ)よりも大きく設定されている構成とすることにより、反共振周波数が最も高く、高域側の移行帯域の形成に寄与している直列腕共振子の電気機械結合係数(k)が他の直列腕共振子の電気機械結合係数(k)よりも小さくされることとなり、第4の実施形態と同様に、反共振周波数が最も高く、高域側の移行帯域の形成に寄与している直列腕共振子のインピーダンス特性の急峻性が高められ、移行帯域におけるフィルタ特性の急峻性が高められる。
更に、複数の直列腕共振子の伝搬方位(ψ)が互いに異なる大きさの構成であっても、一部の直列腕共振子の伝搬方位(ψ)が他の直列腕共振子の伝搬方位(ψ)と異なる大きさの構成であっても、反共振周波数が最も高く、高域側の移行帯域の形成に寄与している直列腕共振子の伝搬方位(ψ)が、他の直列腕共振子のいずれかの伝搬方位(ψ)よりも大きく設定されている構成とすることにより、反共振周波数が最も高く、高域側の移行帯域の形成に寄与している直列腕共振子の電気機械結合係数(k)が他の直列腕共振子のいずれかの電気機械結合係数(k)よりも小さくされることとなり、第4の実施形態と同様に、反共振周波数が最も高く、移行帯域の形成に寄与している直列腕共振子のインピーダンス特性の急峻性が高められ、移行帯域におけるフィルタ特性の急峻性が高められる。
(第5の実施形態)
図21は、第5の実施形態における弾性波素子の模式的平面図である。図21に示すように、第5の実施形態に係る帯域阻止フィルタは、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2並びに第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の伝搬方位(ψ)以外は、図8に示す上記第2の実施形態に係る帯域阻止フィルタと同様の構成を有する。
よって、第5の実施形態に係る帯域阻止フィルタは、挿入損失の大きい帯域である、第一の減衰帯域を有する。第一の減衰帯域は、低域側と高域側とにそれぞれ形成されており、低域側の第一の減衰帯域は、主に、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2のキャパシタンスにより形成される。高域側の第一の減衰帯域は、主に、第1〜第3のインダクタンス素子40〜42のインダクタンスと第1及び第2の並列腕共振子P1,P2のキャパシタンスとにより形成される。
第5の実施形態に係る帯域阻止フィルタは、低域側の第一の減衰帯域と高域側の第一の減衰帯域との間に位置し、挿入損失の小さい帯域である、第一の通過帯域を有する。第一の通過帯域は、主に、第1〜第3のインダクタンス素子40〜42のインダクタンスにより形成される。
第5の実施形態に係る帯域阻止フィルタは、第一の通過帯域の中に位置し、挿入損失の大きい帯域である、第二の減衰帯域を有する。第二の減衰帯域は、主に、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2の反共振による減衰極と第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の共振による減衰極とにより形成される。
第5の実施形態に係る帯域阻止フィルタは、第一の通過帯域の中であって、第二の減衰帯域より低域側に位置し、挿入損失の小さい帯域である、第二の通過帯域を有する。第二の通過帯域は、主に、第1〜第3のインダクタンス素子40〜42のインダクタンスにより形成される。
そして、第5の実施形態に係る帯域阻止フィルタは、第二の減衰帯域と第二の通過帯域との間に低域側の移行帯域を、第二の減衰帯域の高域側に高域側の移行帯域を、それぞれ有する。
本実施形態では、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2並びに第1及び第2の並列腕共振子P1,P2のうち、少なくともひとつの弾性波共振子における伝搬方位(ψ)が、他の弾性波共振子における伝搬方位(ψ)よりも大きくされている。具体的には、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2並びに第1及び第2の並列腕共振子P1,P2のうち、移行帯域の形成に寄与している少なくともひとつの弾性波共振子における伝搬方位(ψ)が、他の弾性波共振子における伝搬方位(ψ)よりも大きくされている。これにより、移行帯域の形成に寄与している少なくともひとつの弾性波共振子の電気機械結合係数(k)が、他の弾性波共振子の電気機械結合係数(k)よりも小さくされている。
本実施形態のように、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2並びに第1及び第2の並列腕共振子P1,P2のうち、移行帯域の形成に寄与している少なくともひとつの弾性波共振子における伝搬方位(ψ)が、他の弾性波共振子における伝搬方位(ψ)よりも大きくされていることで、移行帯域の形成に寄与している少なくともひとつの弾性波共振子の電気機械結合係数(k)を他の弾性波共振子の電気機械結合係数(k)よりも小さくすることによって、減衰量を確保したまま、通過帯域端部におけるフィルタ特性の急峻性を高めることができる。さらに、通過帯域内における挿入損失を小さくすることができる。
本実施形態では、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2の反共振周波数と、第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の共振周波数とのうち、最も高い周波数を有する弾性波共振子における伝搬方位(ψ)が、他の弾性波共振子における伝搬方位(ψ)よりも大きくされることにより、最も高い周波数を有する弾性波共振子の電気機械結合係数(k)が他の弾性波共振子の電気機械結合係数(k)よりも小さくされている。従って、第二の減衰帯域よりも高域側に位置する、高域側の移行帯域におけるフィルタ特性の急峻性が高められている。
具体的には、直列腕10に第1〜第3のインダクタンス素子40〜42並びに第1及び第2の直列腕共振子S1,S2が配置され、第1及び第2の並列腕13a,13bにそれぞれ第1及び第2の並列腕共振子P1,P2が配置された構成である本実施形態の帯域阻止フィルタでは、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2の反共振周波数と、第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の共振周波数とのうち、最も高い周波数を有する弾性波共振子が、第二の減衰帯域よりも高域側に位置する、高域側の移行帯域の形成に寄与する。
本実施形態では、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2の反共振周波数と、第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の共振周波数とのうち、最も高い周波数であるのは、第2の直列腕共振子S2の反共振周波数である。このため、第二の減衰帯域よりも高域側に位置する、高域側の移行帯域の形成には、第2の直列腕共振子S2が寄与している。
図21に示すように、第二の減衰帯域よりも高域側に位置する、高域側の移行帯域の形成に寄与している第2の直列腕共振子S2の伝搬方位(ψ=30°)が、第1の直列腕共振子S1並びに第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の伝搬方位(ψ=20°)よりも大きくされている。これにより、第2の直列腕共振子S2の電気機械結合係数(k)が、第1の直列腕共振子S1並びに第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の電気機械結合係数(k)よりも小さくされている。その結果、第2の直列腕共振子S2のインピーダンス特性の急峻性が高められ、第二の減衰帯域よりも高域側に位置する、高域側の移行帯域におけるフィルタ特性の高い急峻性が実現されている。
また、本実施形態においても、第二の減衰帯域よりも高域側に位置する、高域側の移行帯域の形成に寄与している第2の直列腕共振子S2の伝搬方位(ψ)が、45°以下の範囲で、他の弾性波共振子、すなわち第1の直列腕共振子S1並びに第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の伝搬方位(ψ)よりも大きくされている。よって、第二の減衰帯域よりも高域側に位置する、高域側の移行帯域におけるフィルタ特性のTCFが小さくされている。従って、第5の実施形態に係る帯域阻止フィルタでは、周波数に関する製造公差が大きくなり、高い製造歩留まりを実現することができる。
なお、本実施形態では、直列腕10に配置されるインダクタンス素子の数量が3で、直列腕10に配置される直列腕共振子の数量が2で、第1及び第2の並列腕13a,13bに配置される並列腕共振子の数量が2である例について説明した。但し、本発明において、直列腕に配置されるインダクタンス素子及び直列腕共振子のそれぞれの数量並びに並列腕に配置される並列腕共振子の数量は限定されない。例えば、並列腕に配置される並列腕共振子の数量と、直列腕に配置される直列腕共振子の数量とは、同じであってもよく、異なっていてもよい。また、第1及び第2の並列腕13a,13bに加えて、複数の並列腕を更に接続し、該複数の並列腕にインダクタンス素子を配置してもよい。
(第5の実施例及び第5の比較例)
上記第5の実施形態に対応する第5の実施例の帯域阻止フィルタを、上記第1の実施例と同じ要領で作製した。なお、第5の実施例において、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2並びに第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の詳細は下記の表5に示す通りとした。
Figure 0005041063
第5の比較例として、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2並びに第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の伝搬方位(ψ)をすべて20°としたことを除いては上記の第5の実施例と同様にして帯域阻止フィルタを作製した。
得られた第5の実施例の帯域阻止フィルタの第1及び第2の直列腕共振子S1,S2並びに第1及び第2の並列腕共振子P1,P2のそれぞれのインピーダンス特性を測定すると共に、第5の実施例の帯域阻止フィルタと第5の比較例の帯域阻止フィルタとの挿入損失を測定した。
図22に、第5の実施例の帯域阻止フィルタにおける第1及び第2の直列腕共振子S1,S2並びに第1及び第2の並列腕共振子P1,P2のそれぞれのインピーダンス特性を示す。図22において、符号P1が付された実線が第1の並列腕共振子P1のインピーダンス特性を表す。符号P2が付された二点破線が第2の並列腕共振子P2のインピーダンス特性を表す。符号S1が付された点線が第1の直列腕共振子S1のインピーダンス特性を表す。符号S2が付された一点破線が第2の直列腕共振子S2のインピーダンス特性を表す。
図22に示すように、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2の反共振周波数と、第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の共振周波数とを比較すると、第2の直列腕共振子S2の反共振周波数が最も高い周波数であり、(第1の並列腕共振子P1の共振周波数)<(第2の並列腕共振子P2の共振周波数)<(第1の直列腕共振子S1の反共振周波数)<(第2の直列腕共振子S2の反共振周波数)という関係となった。この結果から、第5の実施例の帯域阻止フィルタでは、第二の減衰帯域よりも高域側に位置する、高域側の移行帯域におけるフィルタ特性は、第2の直列腕共振子S2によって決まることがわかる。
図23に、第5の実施例の帯域阻止フィルタと第5の比較例の帯域阻止フィルタとの挿入損失の測定結果を示す。なお、図23に実線で示すグラフが第5の実施例に係る帯域阻止フィルタの挿入損失を表し、一点破線で示すグラフが第5の比較例に係る帯域阻止フィルタの挿入損失を表している。
図23に示すように、第5の実施例の帯域阻止フィルタの方が、第5の比較例の帯域阻止フィルタよりも、第二の減衰帯域よりも高域側に位置する、高域側の移行帯域におけるフィルタ特性の急峻性が高いことがわかる。具体的には、図23に示すように、第一の通過帯域における第二の減衰帯域の高域側において挿入損失が6dBとなる周波数と、第二の減衰帯域の高域側において挿入損失が50dBとなる周波数との差(ΔF)は、第5の比較例(ΔF10)では、57.5MHzであったのに対し、第5の実施例(ΔF9)では、46.0MHzであり、第5の実施例における周波数差(ΔF9)の方が第5の比較例における周波数差(ΔF10)よりも11.5MHz小さかった。
この結果から、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2の反共振周波数と第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の共振周波数のうち、最も高い周波数を有する弾性波共振子における伝搬方位(ψ)を、他の弾性波共振子の伝搬方位(ψ)よりも大きくすることにより、第二の減衰帯域よりも高域側に位置する、高域側の移行帯域におけるフィルタ特性の急峻性を高めることができることが確認された。
第5の実施形態の帯域阻止フィルタは、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2の反共振周波数と、第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の共振周波数とのうち、最も高い周波数を有し、第二の減衰帯域よりも高域側に位置する、高域側の移行帯域の形成に寄与している第2の直列腕共振子S2の伝搬方位(ψ=30°)が、第1の直列腕共振子S1並びに第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の伝搬方位(ψ=20°)よりも大きくされており、第1の直列腕共振子S1並びに第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の伝搬方位(ψ)は同じ大きさである構成であったが、本発明はこのような構成に限定されるものではない。
すなわち、第1の直列腕共振子S1並びに第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の伝搬方位(ψ)が異なる大きさであってもよく、第1の直列腕共振子S1並びに第1及び第2の並列腕共振子P1,P2のいずれかの伝搬方位(ψ)が第2の直列腕共振子S2の伝搬方位(ψ)と同じ大きさであってもよい。
第1及び第2の直列腕共振子S1,S2並びに第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の伝搬方位(ψ)が互いに異なる大きさの構成であっても、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2並びに第1及び第2の並列腕共振子P1,P2のうちの一部の弾性波共振子の伝搬方位(ψ)が他の弾性波共振子の伝搬方位(ψ)と異なる大きさの構成であっても、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2の反共振周波数と、第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の共振周波数とのうち、最も高い周波数を有し、移行帯域の形成に寄与している弾性波共振子の伝搬方位(ψ)が、他の弾性波共振子の伝搬方位(ψ)よりも大きく設定されている構成とすることにより、最も高い周波数を有し、移行帯域の形成に寄与している弾性波共振子の電気機械結合係数(k)が他の弾性波共振子の電気機械結合係数(k)よりも小さくされることとなり、第5の実施形態と同様に、最も高い周波数を有し、移行帯域の形成に寄与している弾性波共振子のインピーダンス特性の急峻性が高められ、第二の減衰帯域よりも高域側に位置する、高域側の移行帯域におけるフィルタ特性の急峻性が高められる。
更に、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2並びに第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の伝搬方位(ψ)が互いに異なる大きさの構成であっても、一部の弾性波共振子の伝搬方位(ψ)が他の弾性波共振子の伝搬方位(ψ)と異なる大きさの構成であっても、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2の反共振周波数と、第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の共振周波数とのうち、最も高い周波数を有し、移行帯域の形成に寄与している弾性波共振子の伝搬方位(ψ)が、他の弾性波共振子のいずれかひとつの伝搬方位(ψ)よりも大きく設定されている構成とすることにより、最も高い周波数を有し、移行帯域の形成に寄与している弾性波共振子の電気機械結合係数(k)が他の弾性波共振子のいずれかひとつの電気機械結合係数(k)よりも小さくされることとなり、第5の実施形態と同様に、最も高い周波数を有し、移行帯域の形成に寄与している弾性波共振子のインピーダンス特性の急峻性が高められ、第二の減衰帯域よりも高域側に位置する、高域側の移行帯域におけるフィルタ特性の急峻性が高められる。
(第6の実施形態)
図24は、第6の実施形態における弾性波素子の模式的平面図である。図24に示すように、第6の実施形態に係る帯域阻止フィルタは、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2並びに第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の伝搬方位(ψ)以外は、図8に示す上記第2の実施形態に係る帯域阻止フィルタと同様の構成を有する。
よって、第6の実施形態に係る帯域阻止フィルタは、挿入損失の大きい帯域である、第一の減衰帯域を有する。第一の減衰帯域は、低域側と高域側とにそれぞれ形成されており、低域側の第一の減衰帯域は、主に、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2のキャパシタンスにより形成される。高域側の第一の減衰帯域は、主に、第1〜第3のインダクタンス素子40〜42のインダクタンスと第1及び第2の並列腕共振子P1,P2のキャパシタンスとにより形成される。
第6の実施形態に係る帯域阻止フィルタは、低域側の第一の減衰帯域と高域側の第一の減衰帯域との間に位置し、挿入損失の小さい帯域である、第一の通過帯域を有する。第一の通過帯域は、主に、第1〜第3のインダクタンス素子40〜42のインダクタンスにより形成される。
第6の実施形態に係る帯域阻止フィルタは、第一の通過帯域の中に位置し、挿入損失の大きい帯域である、第二の減衰帯域を有する。第二の減衰帯域は、主に、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2の反共振による減衰極と第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の共振による減衰極とにより形成される。
第6の実施形態に係る帯域阻止フィルタは、第一の通過帯域の中であって、第二の減衰帯域より低域側に位置し、挿入損失の小さい帯域である、第二の通過帯域を有する。第二の通過帯域は、主に、第1〜第3のインダクタンス素子40〜42のインダクタンスにより形成される。
そして、第6の実施形態に係る帯域阻止フィルタは、第二の減衰帯域と第二の通過帯域との間に低域側の移行帯域を、第二の減衰帯域の高域側に高域側の移行帯域を、それぞれ有する。
図24に示すように、本実施形態では、第1及び第2の並列腕共振子P1,P2のそれぞれの伝搬方位(ψ=30°)が、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2のそれぞれの伝搬方位(ψ=10°)よりも大きくされている。これにより、第1及び第2の並列腕共振子P1,P2のそれぞれの電気機械結合係数(k)が、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2の電気機械結合係数(k)よりも小さくされている。その結果、第二の減衰帯域の高域側に位置する、高域側の移行帯域におけるフィルタ特性の高い急峻性が実現されている。
また、本実施形態においても、第1及び第2の並列腕共振子P1,P2のそれぞれの伝搬方位(ψ)が、45°以下の範囲で、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2のそれぞれの伝搬方位(ψ)よりも大きくされている。よって、第二の減衰帯域の高域側に位置する、高域側の移行帯域におけるフィルタ特性のTCFが小さくされている。従って、本実施形態に係る帯域阻止フィルタでも、周波数に関する製造公差が大きくなり、高い製造歩留まりを実現することができる。
(第6の実施例及び第6の比較例)
上記第6の実施形態に対応する第6の実施例の帯域阻止フィルタを、上記第1の実施例と同じ要領で作製した。なお、第6の実施例において、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2並びに第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の詳細は下記の表6に示す通りとした。
Figure 0005041063
第6の比較例として、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2並びに第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の伝搬方位(ψ)をすべて10°としたことを除いては上記の第6の実施例と同様にして帯域阻止フィルタを作製した。
次に、得られた第6の実施例の帯域阻止フィルタにおける第1及び第2の直列腕共振子S1,S2並びに第1及び第2の並列腕共振子P1,P2のそれぞれのインピーダンス特性(共振周波数及び反共振周波数)を測定した。
直列腕10に第1〜第3のインダクタンス素子40〜42並びに第1及び第2の直列腕共振子S1,S2が配置され、第1及び第2の並列腕13a,13bにそれぞれ第1及び第2の並列腕共振子P1,P2が配置された本実施形態の帯域阻止フィルタでは、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2の反共振周波数と、第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の共振周波数とのうち、最も高い周波数を有する弾性波共振子が、第二の減衰帯域の高域側に位置する、高域側の移行帯域の形成に寄与する。第二の減衰帯域の高域側に位置する、高域側の移行帯域におけるフィルタ特性の急峻性は、並列腕共振子の周波数特性、具体的には、並列腕共振子の共振周波数及び反共振周波数によって決まる。
図25は、第6の実施例の帯域阻止フィルタにおける第1及び第2の直列腕共振子S1,S2並びに第1及び第2の並列腕共振子P1,P2のインピーダンス特性を表すグラフである。図25において、符号S1が付された実線が第1の直列腕共振子S1のインピーダンス特性を表す。符号S2が付された二点破線が第2の直列腕共振子S2のインピーダンス特性を表す。符号P1が付された点線が第1の並列腕共振子P1のインピーダンス特性を表す。符号P2が付された一点破線が第2の並列腕共振子P2のインピーダンス特性を表す。
第6の実施例では、図25に示すように、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2の反共振周波数と、第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の共振周波数とを比較すると、第2の並列腕共振子P2の共振周波数が最も高い周波数である。よって、第1の並列腕共振子P1の共振周波数と、第2の並列腕共振子P2の共振周波数とを比較すると、第2の並列腕共振子P2の共振周波数の方が、周波数が高い。この結果から、第二の減衰帯域の高域側に位置する、高域側の移行帯域におけるフィルタ特性には、第2の並列腕共振子P2の周波数特性が最も大きく寄与し、次に、第1の並列腕共振子P1の周波数特性が寄与することがわかる。
得られた第6の実施例の帯域阻止フィルタと第6の比較例の帯域阻止フィルタとの挿入損失を測定した。測定結果を図26及び図27に示す。図27は、図26に示すグラフの一部を拡大したものである。なお、図26及び図27に実線で示すグラフが第6の実施例に係る帯域阻止フィルタの挿入損失を表し、一点破線で示すグラフが第6の比較例に係る帯域阻止フィルタの挿入損失を表している。
図26及び図27に示すように、第6の実施例の帯域阻止フィルタの方が、第6の比較例の帯域阻止フィルタよりも、第二の減衰帯域の高域側に位置する、高域側の移行帯域におけるフィルタ特性の急峻性が高いことがわかる。この結果から、第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の伝搬方位(ψ)を第1及び第2の直列腕共振子S1,S2の伝搬方位(ψ)よりも大きくすることにより、第二の減衰帯域の高域側に位置する、高域側の移行帯域の急峻性が高められることが確認された。
図28に、第6の実施例の帯域阻止フィルタ及び第6の比較例の帯域阻止フィルタのそれぞれの挿入損失と共に、第6の実施例の帯域阻止フィルタから並列腕共振子の伝搬方位(ψ)を変化させた帯域阻止フィルタの挿入損失を示す。具体的には、図28に一点破線で示すグラフは、第1の並列腕共振子P1の伝搬方位(ψ)を第1及び第2の直列腕共振子S1,S2と同じ10°とした帯域阻止フィルタの挿入損失を表す。なお、図28に実線で示すグラフが第6の実施例の帯域阻止フィルタの挿入損失を表す。図28に二点破線で示すグラフが第6の比較例の帯域阻止フィルタの挿入損失を表す。
図28に示す結果から、第二の減衰帯域の高域側に位置する、高域側の移行帯域におけるフィルタ特性には、第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の両方の周波数特性が寄与していることがわかる。第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の伝搬方位(ψ)を第1及び第2の直列共振子S1,S2の伝搬方位(ψ)よりも大きくすることにより、第二の減衰帯域の高域側に位置する、高域側の移行帯域におけるフィルタ特性の急峻性を特に高めることができることが確認された。
具体的には、図28に示すように、高域側の通過帯域の低域側において挿入損失が4dBとなる周波数と、減衰帯域の高域側において挿入損失が40dBとなる周波数との差(ΔF)は、第6の実施例(ΔF11)では24.5MHzであり、第6の比較例(ΔF12)では25.7MHzMHzであり、第1及び第2の並列腕共振子P1,P2のうちの第1の並列腕共振子P1の伝搬方位(ψ)のみを第1及び第2の直列腕共振子S1,S2と同じ10°とした帯域阻止フィルタではΔF13=25.0MHzであった。
なお、第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の伝搬方位(ψ)を第1及び第2の直列腕共振子S1,S2の伝搬方位(ψ)よりも大きくすることにより、第二の減衰帯域の高域側に位置する、高域側の移行帯域におけるフィルタ特性の急峻性を高めることができるのは、第3の実施例と同様の理由によるものである。
すなわち、図16からわかるように、弾性波共振子における伝搬方位(ψ)を大きくし、弾性波共振子の電気機械結合係数(k)を小さくすることによって、弾性波共振子の共振周波数と反共振周波数とが近い値となる。よって、インピーダンス特性の急峻性が高くなる。従って、第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の伝搬方位(ψ)を第1及び第2の直列腕共振子S1,S2の伝搬方位(ψ)よりも大きくすることにより、第二の減衰帯域の高域側に位置する、高域側の移行帯域におけるフィルタ特性の急峻性を高めることができる。
第6の実施形態の帯域阻止フィルタは、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2の反共振周波数と、第1及び第2の並列腕共振子P1,P2の共振周波数とのうち、最も高い周波数を有し、第二の減衰帯域の高域側に位置する、高域側の移行帯域の形成に寄与している第1の並列腕共振子P1の伝搬方位(ψ=30°)と、第2の並列腕共振子P2の伝搬方位(ψ=30°)とが、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2の伝搬方位(ψ=10°)よりも大きくされており、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2の伝搬方位(ψ)は同じ大きさである構成であったが、本発明はこのような構成に限定されるものではない。
すなわち、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2の伝搬方位(ψ)が異なる大きさであってもよく、第1及び第2の直列腕共振子S1,S2のいずれかの伝搬方位(ψ)が第1及び第2の直列腕共振子S1,S2の伝搬方位(ψ)と同じ大きさであってもよい。
1……帯域阻止フィルタ
2……基板
2a……主面
3……弾性波素子
5……ラミネート樹脂層
6……入力端子
7……出力端子
10……直列腕
11……第1のインダクタンス素子
12……第2のインダクタンス素子
13a……第1の並列腕
13b……第2の並列腕
13c……第3の並列腕
14,17,20……IDT
14a,14b……くし歯電極
15,16,18,19,21,22……グレーティング反射器
30……圧電基板
30a……主面
31……誘電体層
31a……開口
32……電極構造
33……接続導体
34……外部電極
40……第1のインダクタンス素子
41……第2のインダクタンス素子
42……第3のインダクタンス素子
50……第1のインダクタンス素子
51……第2のインダクタンス素子
P1……第1の並列腕共振子
P2……第2の並列腕共振子
P3……第3の並列腕共振子
S1……第1の直列腕共振子
S2……第2の直列腕共振子
S3……第3の直列腕共振子

Claims (9)

  1. 入力端子と出力端子とを結ぶ直列腕と、
    前記直列腕とグラウンド電位との間に接続された並列腕と、
    前記直列腕及び前記並列腕のうちの少なくとも一方に設けられた複数の弾性波共振子と、
    前記直列腕及び前記並列腕のうちの少なくとも一方に設けられたインダクタンス素子とを有するラダー型の回路構成を備え、
    第一の減衰帯域と、前記第一の減衰帯域に隣接する第一の通過帯域と、前記第一の通過帯域の中に位置する第二の減衰帯域と、前記第二の減衰帯域に隣接する移行帯域とを有する帯域阻止フィルタであって、
    前記複数の弾性波共振子のうちの前記移行帯域の形成に寄与している少なくともひとつの弾性波共振子の伝搬方位が、他の弾性波共振子の伝搬方位よりも大きくされており、
    前記直列腕には、複数の前記インダクタンス素子が配置されており、前記並列腕が複数設けられており、前記複数の並列腕には、それぞれ前記弾性波共振子が配置されており、
    前記複数の弾性波共振子のうちの少なくともひとつの弾性波共振子は、他の弾性波共振子とは異なる共振周波数を有し、前記複数の弾性波共振子のうち、共振周波数が最も低い弾性波共振子の伝搬方位が、他の弾性波共振子の伝搬方位よりも大きくされている、帯域阻止フィルタ。
  2. 入力端子と出力端子とを結ぶ直列腕と、
    前記直列腕とグラウンド電位との間に接続された並列腕と、
    前記直列腕及び前記並列腕のうちの少なくとも一方に設けられた複数の弾性波共振子と、
    前記直列腕及び前記並列腕のうちの少なくとも一方に設けられたインダクタンス素子とを有するラダー型の回路構成を備え、
    第一の減衰帯域と、前記第一の減衰帯域に隣接する第一の通過帯域と、前記第一の通過帯域の中に位置する第二の減衰帯域と、前記第二の減衰帯域に隣接する移行帯域とを有する帯域阻止フィルタであって、
    前記複数の弾性波共振子のうちの前記移行帯域の形成に寄与している少なくともひとつの弾性波共振子の伝搬方位が、他の弾性波共振子の伝搬方位よりも大きくされることにより、前記複数の弾性波共振子のうちの前記移行帯域の形成に寄与している少なくともひとつの弾性波共振子の電気機械結合係数が、他の弾性波共振子の電気機械結合係数よりも小さくされており、
    前記直列腕には、複数の前記インダクタンス素子が配置されており、前記並列腕が複数設けられており、前記複数の並列腕には、それぞれ前記弾性波共振子が配置されており、
    前記複数の弾性波共振子のうちの少なくともひとつの弾性波共振子は、他の弾性波共振子とは異なる共振周波数を有し、前記複数の弾性波共振子のうち、共振周波数が最も低い弾性波共振子の伝搬方位が、他の弾性波共振子の伝搬方位よりも大きくされている、帯域阻止フィルタ。
  3. 入力端子と出力端子とを結ぶ直列腕と、
    前記直列腕とグラウンド電位との間に接続された並列腕と、
    前記直列腕及び前記並列腕のうちの少なくとも一方に設けられた複数の弾性波共振子と、
    前記直列腕及び前記並列腕のうちの少なくとも一方に設けられたインダクタンス素子とを有するラダー型の回路構成を備え、
    第一の減衰帯域と、前記第一の減衰帯域に隣接する第一の通過帯域と、前記第一の通過帯域の中に位置する第二の減衰帯域と、前記第二の減衰帯域に隣接する移行帯域とを有する帯域阻止フィルタであって、
    前記複数の弾性波共振子のうちの前記移行帯域の形成に寄与している少なくともひとつの弾性波共振子の伝搬方位が、他の弾性波共振子の伝搬方位よりも大きくされており、
    前記直列腕には、前記複数の弾性波共振子が配置されており、前記並列腕には、前記インダクタンス素子が配置されており、
    前記複数の弾性波共振子のうちの少なくともひとつの弾性波共振子は、他の弾性波共振子とは異なる反共振周波数を有し、前記複数の弾性波共振子のうち、反共振周波数が最も高い弾性波共振子の伝搬方位が、他の弾性波共振子の伝搬方位よりも大きくされている、帯域阻止フィルタ。
  4. 入力端子と出力端子とを結ぶ直列腕と、
    前記直列腕とグラウンド電位との間に接続された並列腕と、
    前記直列腕及び前記並列腕のうちの少なくとも一方に設けられた複数の弾性波共振子と、
    前記直列腕及び前記並列腕のうちの少なくとも一方に設けられたインダクタンス素子とを有するラダー型の回路構成を備え、
    第一の減衰帯域と、前記第一の減衰帯域に隣接する第一の通過帯域と、前記第一の通過帯域の中に位置する第二の減衰帯域と、前記第二の減衰帯域に隣接する移行帯域とを有する帯域阻止フィルタであって、
    前記複数の弾性波共振子のうちの前記移行帯域の形成に寄与している少なくともひとつの弾性波共振子の伝搬方位が、他の弾性波共振子の伝搬方位よりも大きくされることにより、前記複数の弾性波共振子のうちの前記移行帯域の形成に寄与している少なくともひとつの弾性波共振子の電気機械結合係数が、他の弾性波共振子の電気機械結合係数よりも小さくされており、
    前記直列腕には、前記複数の弾性波共振子が配置されており、前記並列腕には、前記インダクタンス素子が配置されており、
    前記複数の弾性波共振子のうちの少なくともひとつの弾性波共振子は、他の弾性波共振子とは異なる反共振周波数を有し、前記複数の弾性波共振子のうち、反共振周波数が最も高い弾性波共振子の伝搬方位が、他の弾性波共振子の伝搬方位よりも大きくされている、帯域阻止フィルタ。
  5. 入力端子と出力端子とを結ぶ直列腕と、
    前記直列腕とグラウンド電位との間に接続された並列腕と、
    前記直列腕及び前記並列腕のうちの少なくとも一方に設けられた複数の弾性波共振子と、
    前記直列腕及び前記並列腕のうちの少なくとも一方に設けられたインダクタンス素子とを有するラダー型の回路構成を備え、
    第一の減衰帯域と、前記第一の減衰帯域に隣接する第一の通過帯域と、前記第一の通過帯域の中に位置する第二の減衰帯域と、前記第二の減衰帯域に隣接する移行帯域とを有する帯域阻止フィルタであって、
    前記複数の弾性波共振子のうちの前記移行帯域の形成に寄与している少なくともひとつの弾性波共振子の伝搬方位が、他の弾性波共振子の伝搬方位よりも大きくされており、
    前記直列腕に前記弾性波共振子が配置されており、前記並列腕に前記弾性波共振子が配置されており、前記直列腕及び前記並列腕の少なくとも一方に前記インダクタンス素子が配置されており、
    前記直列腕に配置された前記弾性波共振子の反共振周波数と、前記並列腕に配置された前記弾性波共振子の共振周波数のうち、最も低い周波数を有する弾性波共振子の伝搬方位が、他の弾性波共振子の伝搬方位よりも大きくされている、帯域阻止フィルタ。
  6. 入力端子と出力端子とを結ぶ直列腕と、
    前記直列腕とグラウンド電位との間に接続された並列腕と、
    前記直列腕及び前記並列腕のうちの少なくとも一方に設けられた複数の弾性波共振子と、
    前記直列腕及び前記並列腕のうちの少なくとも一方に設けられたインダクタンス素子とを有するラダー型の回路構成を備え、
    第一の減衰帯域と、前記第一の減衰帯域に隣接する第一の通過帯域と、前記第一の通過帯域の中に位置する第二の減衰帯域と、前記第二の減衰帯域に隣接する移行帯域とを有する帯域阻止フィルタであって、
    前記複数の弾性波共振子のうちの前記移行帯域の形成に寄与している少なくともひとつの弾性波共振子の伝搬方位が、他の弾性波共振子の伝搬方位よりも大きくされることにより、前記複数の弾性波共振子のうちの前記移行帯域の形成に寄与している少なくともひとつの弾性波共振子の電気機械結合係数が、他の弾性波共振子の電気機械結合係数よりも小さくされており、
    前記直列腕に前記弾性波共振子が配置されており、前記並列腕に前記弾性波共振子が配置されており、前記直列腕及び前記並列腕の少なくとも一方に前記インダクタンス素子が配置されており、
    前記直列腕に配置された前記弾性波共振子の反共振周波数と、前記並列腕に配置された前記弾性波共振子の共振周波数のうち、最も低い周波数を有する弾性波共振子の伝搬方位が、他の弾性波共振子の伝搬方位よりも大きくされている、帯域阻止フィルタ。
  7. 入力端子と出力端子とを結ぶ直列腕と、
    前記直列腕とグラウンド電位との間に接続された並列腕と、
    前記直列腕及び前記並列腕のうちの少なくとも一方に設けられた複数の弾性波共振子と、
    前記直列腕及び前記並列腕のうちの少なくとも一方に設けられたインダクタンス素子とを有するラダー型の回路構成を備え、
    第一の減衰帯域と、前記第一の減衰帯域に隣接する第一の通過帯域と、前記第一の通過帯域の中に位置する第二の減衰帯域と、前記第二の減衰帯域に隣接する移行帯域とを有する帯域阻止フィルタであって、
    前記複数の弾性波共振子のうちの前記移行帯域の形成に寄与している少なくともひとつの弾性波共振子の伝搬方位が、他の弾性波共振子の伝搬方位よりも大きくされており、
    前記直列腕に前記弾性波共振子が配置されており、前記並列腕に前記弾性波共振子が配置されており、前記直列腕及び前記並列腕の少なくとも一方に前記インダクタンス素子が配置されており、
    前記直列腕に配置された前記弾性波共振子の伝搬方位が、前記並列腕に配置された前記弾性波共振子の伝搬方位よりも大きくされており、
    前記直列腕に配置された前記弾性波共振子の反共振周波数と、前記並列腕に配置された前記弾性波共振子の共振周波数のうち、最も高い周波数を有する弾性波共振子の伝搬方位が、他の弾性波共振子の伝搬方位よりも大きくされている、帯域阻止フィルタ。
  8. 入力端子と出力端子とを結ぶ直列腕と、
    前記直列腕とグラウンド電位との間に接続された並列腕と、
    前記直列腕及び前記並列腕のうちの少なくとも一方に設けられた複数の弾性波共振子と、
    前記直列腕及び前記並列腕のうちの少なくとも一方に設けられたインダクタンス素子とを有するラダー型の回路構成を備え、
    第一の減衰帯域と、前記第一の減衰帯域に隣接する第一の通過帯域と、前記第一の通過帯域の中に位置する第二の減衰帯域と、前記第二の減衰帯域に隣接する移行帯域とを有する帯域阻止フィルタであって、
    前記複数の弾性波共振子のうちの前記移行帯域の形成に寄与している少なくともひとつの弾性波共振子の伝搬方位が、他の弾性波共振子の伝搬方位よりも大きくされることにより、前記複数の弾性波共振子のうちの前記移行帯域の形成に寄与している少なくともひとつの弾性波共振子の電気機械結合係数が、他の弾性波共振子の電気機械結合係数よりも小さくされており、
    前記直列腕に前記弾性波共振子が配置されており、前記並列腕に前記弾性波共振子が配置されており、前記直列腕及び前記並列腕の少なくとも一方に前記インダクタンス素子が配置されており、
    前記直列腕に配置された前記弾性波共振子の伝搬方位が、前記並列腕に配置された前記弾性波共振子の伝搬方位よりも大きくされており、
    前記直列腕に配置された前記弾性波共振子の反共振周波数と、前記並列腕に配置された前記弾性波共振子の共振周波数のうち、最も高い周波数を有する弾性波共振子の伝搬方位が、他の弾性波共振子の伝搬方位よりも大きくされている、帯域阻止フィルタ。
  9. 前記弾性波共振子は弾性境界波共振子である、請求項1〜のいずれか一項に記載の帯域阻止フィルタ。
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