JP5040072B2 - 粘着付与剤樹脂エマルション - Google Patents

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Description

本発明は、粘着付与剤樹脂の水性エマルション化に関するものであり、詳しくは粘着性を損なうことなく良好な機械安定性、凍結安定性、粘度安定性を備えた粘着付与剤樹脂エマルションを提供するものである。
粘着付与剤樹脂エマルションは、通常粘着剤(ベース樹脂)の粘着特性向上のために使用されており、アクリル系重合体や各種ラテックスなどのベース樹脂に添加されている。最近ではベース樹脂の形態は溶剤型から水性エマルション型に転換しつつあるが、これは作業環境の改善、さらにはグローバルな環境問題を見据えた動きであり、今後ますます加速されると予想される。こうした水性エマルション化への流れを受け、併用する粘着付与剤樹脂の水性エマルション化、高性能化の要求も高まっている。
水性エマルション型粘着付与剤樹脂に求められる性能のひとつにエマルションの安定性が挙げられ、特に機械安定性が重要視される。機械安定性とはギアポンプ、ロール塗工機等において加えられる機械的シェアに対する安定性をいい、機械安定性が劣る場合にはエマルションの凝集物が発生し、テープ、シート等の商品への凝集物の転写を引き起こす問題がある。
こうした機械安定性を改善するために、これまで様々な粘着付与剤樹脂の乳化剤の検討が行われているが十分な効果を得られるには至っていない。
上記の問題点を解決すべく、良好な機械安定性を具備させる方法として、上記粘着付与剤樹脂エマルションの乳化剤が110〜150℃の脆化温度を有する共重合体をケン化した高分子乳化剤を使用することで、粘着性と耐熱性という相反する物性を共に良好に付与できる粘着付与剤樹脂エマルションが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003-073647号公報
また、ギアーポンプ、ロール塗工、スプレー塗工時等の機械的高シェアーに対する安定性の向上を目的として、(1)反応性乳化剤と、(2)スチレン類及び/又は(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、(3)アニオン性単量体を主成分として構成される高分子乳化剤を使用した優れた接着性を有する他に、耐熱性にも優れる粘着付与剤樹脂エマルションが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平7-331208号公報
さらに、微細、かつ均一な粒子からなり安定性、耐水性に優れ、低発泡の樹脂エマルションを得る方法として、乳化剤が(A)スチレン類30〜70重量%、(B)アクリル酸および/またはメタクリル酸10〜50重量%、および(C)スルホン酸基含有モノマー3〜20重量%、並びに必要により(D)前記(A)〜(C)と共重合しうるその他のモノマー30重量%未満から得られる共重合体を粘着付与剤樹脂エマルションとする製造法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開平7-109360号公報
しかし、これらの従来技術では機械安定性の向上は見られるが十分でなかった。また、粘着付与剤樹脂エマルションを水性エマルションとして直接得ることは困難だった。
本発明は、ギアポンプ等の機械的なシェアに対する安定性を改善した安定な粘着付与剤樹脂エマルションを提供するものである。
本発明者らは、前記従来技術にある機械安定性の問題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、粘着付与剤樹脂エマルションの乳化剤として高分子乳化剤と特定の物質の塩を混合使用することにより機械安定性が改善することを見出した。さらに、上記乳化剤を使用することで乳化性の向上が見られ、従来溶剤乳化を要していた粘着付与剤樹脂エマルションを直接水性エマルションとして得ることが可能となった。
すなわち、本発明は、
(1)(a)粘着付与剤樹脂と、(b)アニオン性高分子乳化剤と、(c)ロジン類の塩、炭素数8〜22のアルケニル基を有するアルケニル無水コハク酸、及び炭素数8〜22のアルケニル基を有するアルケニル無水コハク酸の塩から選ばれる少なくとも1種とを含有する粘着付与剤樹脂エマルション、
(2)(b)アニオン性高分子乳化剤が、スチレン類、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、アニオン性モノマーを共重合したポリマーの塩であることを特徴とする前記(1)の粘着付与剤樹脂エマルション、
(3)(a)粘着付与剤樹脂がロジン系樹脂、石油系樹脂、及びテルペン系樹脂から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記(1)又は(2)の粘着付与剤樹脂エマルション、
(4)(a)粘着付与剤樹脂がロジン系樹脂であり、酸価が50以下であることを特徴とする前記(1)ないし(3)のいずれかの粘着付与剤樹脂エマルション、
を提供するものである。
溶剤を使用することなく機械安定性、凍結安定性、粘度安定性の優れる粘着付与剤樹脂エマルションを提供できる。
(粘着付与剤樹脂について)
上記粘着付与剤樹脂は、ロジン系樹脂、石油系樹脂、テルペン系樹脂、アルキルフェノール樹脂、キシレン樹脂等が挙げられ、好ましくは、ロジン系樹脂、石油系樹脂、テルペン系樹脂である。
ロジン系樹脂とは、ロジンとロジン誘導体をいう。ロジンはガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジンである。ロジン誘導体としては、重合ロジン、不均化ロジン、水素化ロジン、ロジンエステル、重合ロジンエステル、ロジンフェノールの形態が挙げられ、エステル化に使用する多価アルコールとしてはエチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール等が使用できる。なお、ロジン類の塩は含まない。
石油系樹脂は、炭素数5の脂肪族系石油樹脂、炭素数9の芳香族系石油樹脂、炭素数5〜9の共重合系石油樹脂、クマロン含有樹脂等が挙げられる。また、テルペン系樹脂としては、α―ピネン、β―ピネン等のテルペン類が挙げられる。
粘着付与剤樹脂がロジン系樹脂の場合、環球法における軟化点が80〜180℃、酸価が50以下であることが好ましく、特に軟化点が100〜160℃、酸価が20以下であることが好ましい。
(高分子乳化剤について)
高分子乳化剤は乳化剤として機能するに足りる親水基と疎水基を有する分子量が3000〜1000万を有するポリマーであればよく、好ましくは、分子量が5000〜100000のスチレン類、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、アニオン性モノマーを共重合して得られるポリマーの塩である。また、これらに共重合可能なノニオン性モノマーを使用することもできる。
スチレン類としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、及びジビニルベンゼン等のスチレン類が挙げられ、これらは1種もしくは2種以上が用いられる。これらのうち、スチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、アクリル酸アルキルエステル又はメタクリル酸アルキルエステルを意味し、具体的には、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、ノルマルブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、ターシャリーブチルアクリレート、ターシャリーブチルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘプチルアクリレート、オクチルアクリレート、エチルヘキシルアクリレート、ノニルアクリレート、ドデシルアクリレート、メチルブチルアクリレート、ジメチルブチルアクリレート等のアクリル酸エステル系モノマー、ペンチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、エチルヘキシルメタクリレート、デシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート等のメタクリル酸エステル系モノマーが挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が用いられる。これらの内、ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、エチルヘキシルアクリレート、エチルヘキシルメタクリレートが好ましい。
アニオン性モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、及びシトラコン酸等のα,β−不飽和カルボン酸類、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノプロピル、マレイン酸モノブチル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノプロピル、フマル酸モノブチル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノプロピル及びイタコン酸モノブチル等のα,β−不飽和ジカルボン酸半エステル類等のカルボキシル基含有モノマー、ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びスルホン化スチレン等のスルホン酸基含有モノマー、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのリン酸エステル等のリン酸エステル基含有モノマー等及びこれらの塩等を挙げることができる。これらの塩としては例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の塩基性物質による塩が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が用いられる。
ノニオン性モノマーとしては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−置換アクリルアミド、N−置換メタクリルアミド及びビニルピロリドン等が挙げられる。
ポリマーの共重合成分としてのモノマーの使用割合が、スチレン類20〜50重量%、(メタ)アクリル酸アルキルエステル5〜40重量%、アニオン性モノマー20〜45重量%、ノニオン性モノマー0〜15重量%であることが好ましい。
上記高分子乳化剤の合成に際して、溶媒としては、水が挙げられる。また、その重合にあたって使用する重合開始剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム及び過硫酸ナトリウムなどの過硫酸塩、ターシャリーブチルハイドロパーオキサイド等の過酸化物、これらの過硫酸塩又は過酸化物と還元剤の組合せによるレドックス系重合触媒、及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル及び2,2’−アゾビス−2−メチルプロピオナミジンジヒドロクロリド等のアゾ系触媒等を挙げることができるが、特にこれらに限定されることはなく、他の公知慣用の重合開始剤も使用できる。これらの重合開始剤は、1種単独で使用することもできるし、また、その2種以上を使用することもできる。
上記高分子乳化剤の重合方法としては、乳化重合、溶液重合、懸濁重合、塊状重合のいずれの方法でも良いが乳化重合が好ましい。乳化重合用の乳化剤としては、公知の界面活性剤を使用することができる。その界面活性剤としては、通常、乳化重合に適用できるものが使用可能であり、ノニオン性、アニオン性の界面活性剤が挙げられるが、重合性基を有する界面活性剤も使用できる。この界面活性剤は1種単独で使用することもできるし、また、2種以上でも使用できる。
上記ノニオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレングリコールグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸ジエタノールアミド、及びポリオキシプロピレンポリオキシエチレングリコール等が挙げられる。これらのノニオン性界面活性剤の1種を単独で使用することもできるし、また、2種以上を併用することもできる。
上記アニオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンモノスチリルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンジスチリルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル及びポリオキシアルキレン脂肪酸エステル等の化合物のリン酸エステル塩、スルホン酸塩、コハク酸エステル塩及びスルホコハク酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、アルケニルコハク酸塩、ロジン塩、強化ロジン塩及びヘキシルジフェニルエーテルジスルホン酸、デシルジフェニルエーテルジスルホン酸、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸及びヘキサデシルジフェニルエーテルジスルホン酸等のアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸系化合物及びこれらの化合物の塩を挙げることができる。その塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等を例示できる。これらのアニオン性界面活性剤の1種を単独で使用することもできるし、また、2種以上を併用することもできる。
重合終了後、共重合体のアニオン性モノマーに対応する重合体部分を塩とする場合は、そのアニオン性基の当量即ちアニオン当量に対して、0.6〜1当量の塩基性物質を使用することが好ましい。塩基性物質としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、低級アミンなどが挙げられる。
上記高分子乳化剤(b)は、上記の共重合体及び/又はその塩で、通常、固形分濃度が15〜50重量%として得られ、通常、25重量%の固形分濃度における粘度(ブルックフィールド回転粘度計による25℃の測定値)が10〜5000mPa・ s であり、pHが6〜11である。
(ロジンについて)
ロジン類としては、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジンだけでなく、重合ロジン、不均化ロジン、水素化ロジン、強化ロジン、ロジンエステルのようなロジン誘導体等が使用できる。
強化ロジンとしてはロジン類に無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸等のα,β不飽和カルボン酸類と反応させることで得ることができ、特に無水マレイン酸、フマル酸を使用した強化ロジンが好ましい。前記α,β不飽和カルボン酸類の仕込み量は、原料ロジン100重量部に対して20重量部以下であることが好ましい。
(炭素数8〜22のアルケニル基を有するアルケニル無水コハク酸について)
炭素数8〜22のアルケニル基を有するアルケニル無水コハク酸は、内部オレフィン、エチレンオリゴマー、プロピレンオリゴマー及びブチレンオリゴマー等、あるいはこれらの混合物と無水マレイン酸及び/又はマレイン酸とを付加反応せしめることによって得られる。特に好ましくは炭素数12〜15のプロピレンテトラマー及び/又はプロピレンペンタマーと無水マレイン酸との付加生成物が挙げられる。
(ロジン類と炭素数8〜22のアルケニル基を有するアルケニル無水コハク酸の塩について)
ロジン類と炭素数8〜22のアルケニル基を有するアルケニル無水コハク酸の塩としては、前記ロジン類と炭素数8〜22のアルケニル無水コハク酸を塩基性物質により塩としたものをいう。塩基性物質としては例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が用いられる。
ロジン類の塩、炭素数8〜22のアルケニル基を有するアルケニル無水コハク酸類及び炭素数8〜22のアルケニル基を有するアルケニル無水コハク酸類の塩は単独で使用するだけでなく併用することもできる。
(乳化剤の使用比率について)
(a)成分、(b)成分、(c)成分の使用比率が(a)成分/(b)成分/(c)成分=85〜95.9/4〜10/0.1〜5である。(b)成分の比率が10より多い場合には粘着付与剤樹脂の効果が低下する場合があり、4より少ない場合には乳化性および機械安定性の低下が見られる場合がある。また成分(c)の比率が0.1より少ない場合には乳化性が低下する場合があり、5より多い場合には着付与剤の効果が低下する場合がある。
(乳化方法)
粘着付与剤樹脂エマルションの乳化方法としては、転相乳化法、高圧乳化法、超音波乳化法の公知の方法が使用できる。このとき溶剤法も使用可能であるが、環境面から溶剤を使用しないことが好ましい。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより詳細に説明する。部、%はいずれも重量基準による。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(粘着付与剤樹脂の製造例)
製造例1(R−1)
窒素気流下、重合ロジン(樹脂酸ダイマー33%)100部を200℃で溶融・攪拌し、ペンタエリスルトール14部および水酸化カルシウム1部を加えた後、280℃まで昇温し12時間反応させた。水を除去し、酸価14、軟化点120℃の粘着付与剤樹脂(R−1)を得た。
製造例2(R−2)
窒素気流下、重合ロジン(樹脂酸ダイマー66%)100部を200℃で溶融・攪拌し、ペンタエリスルトール12部および水酸化カルシウム1部を加えた後、280℃まで昇温し12時間反応させた。水を除去し、酸価17、軟化点160℃の粘着付与剤樹脂(R−2)を得た。
製造例3(R−3)
窒素気流下、重合ロジン(樹脂酸ダイマー33%)90部を200℃で溶融・攪拌し、ペンタエリスルトール部および水酸化カルシウム1部を加えた後、280℃まで昇温し12時間反応させた。水を除去し、酸価60、軟化点109℃の粘着付与剤樹脂(R−3)を得た。
高分子乳化剤の合成例
合成例1(高分子乳化剤P−1の合成例)
攪拌機、温度計及び窒素ガス導入管を備えたフラスコにスチレン4.8部、ブチルアクリレート4.8部、80%メタアクリル酸13.24部、アクリルアミド1部、ノルマルドデシルメルカプタン0.21部、メルカプトエタノール0.03部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.04部、過硫酸アンモニウム1.18部仕込み、固形分濃度が27%となるよう水を加えて攪拌混合し、90℃で3時間加熱した。次いで70℃まで冷却し、メタアクリル酸のアニオン当量に対して0.8当量となり、固形分濃度が25%となるよう30%水酸化ナトリウム水溶液14.23部および水1.88部を徐々に滴下し、30分間攪拌した後室温まで冷却することにより、固形分25.0%、粘度4940mPa・s、pH8.5のアニオン性高分子乳化剤(P−1)を得た。
合成例2(高分子乳化剤P−2の合成例)
攪拌機、温度計及び窒素ガス導入管を備えたフラスコにスチレン20部、α−メチルスチレン20部、80%メタアクリル酸56.25部、メタクリル酸メチル15部、ドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム0.25部、ノルマルドデシルメルカプタン1.5部を仕込み、過硫酸アンモニウム5.79部を加え90℃で3時間加熱した。ついで70℃まで冷却しメタクリル酸のアニオン当量に対して0.95当量となり、固形分濃度が25%となるよう25%水酸化ナトリウムおよび水を徐々に滴下し、30分間攪拌後室温まで冷却した。固形分25%、粘度140mPa・s、pH10.0のアニオン性高分子乳化剤(P−2)を得た。
ロジン類の塩、炭素数8〜22のアルケニル基を有するアルケニル無水コハク酸、及び炭素数8〜22のアルケニル基を有するアルケニル無水コハク酸の塩の製造例
マレイン酸強化ロジンカリウム塩の製造(C−1)
ロジン(酸価170)100部に無水マレイン酸7部を加え、200℃で加熱・攪拌し強化ロジンを得た。冷却後、そこに48%水酸化カリウム52部(酸基に対して1.0当量)を加えて90℃に加温し、これを冷却して水107部を加え固形分50%の強化ロジンカリウム塩を得た。
マレイン酸強化ロジンナトリウム塩の製造(C−2)
上記(C−1)の製造において、水酸化カリウムを水酸化ナトリウムに代替し、固形分50%の強化ロジンナトリウム塩を得た。
炭素数8のアルケニル無水コハク酸カリウム塩の製造(C−4)
炭素数8のアルケニル無水コハク酸(OSA、Dixie社製)56.8部に、48%水酸化カリウム58.8部を加えて80〜90℃に加温し1時間攪拌した。これに水84.4部を加えた後冷却して固形分40%の炭素数8アルケニル無水コハク酸カリウム塩を得た。
なお、上記、炭素数8のアルケニル無水コハク酸をC−3とする。
炭素数12のアルケニル無水コハク酸カリウム塩の製造(C−6)
炭素数12のアルケニル無水コハク酸(AS1510(星光PMC株式会社製))を使用し上記(C−4)の製造と同様の操作を行い、固形分40%の炭素数12アルケニル無水コハク酸カリウム塩を得た。
なお、上記、炭素数12のアルケニル無水コハク酸をC−5とする。
炭素数12のアルケニル無水コハク酸ナトリウム塩の製造(C−7)
炭素数12のアルケニル無水コハク酸カリウム塩の製造において、水酸化カリウムを水酸化ナトリウムに代替し、固形分40%のアルケニル無水コハク酸ナトリウム塩を得た。
炭素数16のアルケニル無水コハク酸カリウム塩の製造(C−9)
炭素数16のアルケニル無水コハク酸(AS1540(星光PMC株式会社製))を使用し上記(C−4)の製造と同様の操作を行い、固形分40%の炭素数16アルケニル無水コハク酸カリウム塩を得た。
なお、上記、炭素数16のアルケニル無水コハク酸をC−8とする。
粘着付与剤樹脂エマルションの製造方法
実施例1
製造例1で得た軟化点120℃の粘着付与剤樹脂(R−1)150部を溶解した後、合成例1の高分子乳化剤(P−1)53.1部とマレイン酸強化ロジンカリウム塩(C−1)6.6部を添加し、140℃で1時間攪拌した。熱水123部を加えることで転相乳化させ、粒子径0.50μm、固形分50%の粘着付与剤樹脂エマルションを得た。
実施例2〜18
(a)粘着付与剤樹脂(R−1〜R−3、R−4(石油系樹脂(東邦化学製ハイレジン#90))、(b)高分子乳化剤(P−1、P−2)、(c)成分(C−1〜C−9)を表1に記載の組み合わせ、使用量に変えた以外は実施例1と同様にして固形分50%の粘着付与剤樹脂エマルションを得た。得られたエマルションの粒子径についても表2に記載した。
比較例1
製造例1で得た軟化点120℃の粘着付与剤樹脂(R−1)150部を溶解した後、合成例1の高分子乳化剤(P−1)66.4部を添加し、140℃で1時間攪拌した。熱水118部を加えることで転相乳化させ、粒子径2.0μm、固形分50%の粘着付与剤樹脂エマルションを得た。
比較例2
粘着付与剤樹脂をR−1からR−2に代替した以外は比較例1の製造と同様の操作を行い、粒子径3.0μm、固形分50%粘着付与剤樹脂エマルションを得た。
比較例3
製造例1で得た軟化点120℃の粘着付与剤樹脂(R−1)150部をトルエン50部に溶解した後、ノニルフェノールにEOを6mol付加したものをスルホン化しアンモニウム塩とした低分子乳化剤(N−1、固形分50%)15.8部と熱水157部を添加し、マントンガウリン社製の高圧乳化機を用い乳化した。その後、トルエンを減圧留去し、粒子径0.32μm、固形分50%の粘着付与剤樹脂エマルションを得た。
比較例4
粘着付与剤樹脂をR−1からR−2に代替した以外は比較例3の製造と同様の操作を行い、粒子径0.28μm、固形分50%粘着付与剤樹脂エマルションを得た。
Figure 0005040072
表1中「−」は、酸価がないことを示す。
実施例1〜18及び比較例1〜4で得られたエマルションの粒子径(乳化性)、マーロン(機械安定性)、静置安定性、凍結安定性、混合安定性の評価結果を表2に記載する。表2に記載した乳化剤及び(C)成分の使用量は、固形分換算(%)である(残りは粘着付与剤樹脂)。
なお、評価は以下のようにして行った。
マーロン(機械安定性試験)
上記実施例、比較例で得られた各粘着付与剤樹脂エマルション50gを各別にカップに入れ、温度25℃、荷重25Kg、回転数800rpmにて10分間マーロン式安定性試験を行った。各カップ毎の生成した凝集物を325メッシュ金網にて濾過して各カップ毎の全固形分に対する析出量を測定し百分率で表した。
(凍結安定性)
実施例、比較例で得られた各粘着付与剤樹脂エマルションを100mlガラス瓶に50g採取し、−5℃で24時間保存した。その後、25℃で24時間静置しエマルションの状態を観察し、以下の基準で評価した。
○: 試験前と比較して増粘は観察されない
△: 試験前と比較して若干粘度が上昇
×: 完全に固まった状態。流動性なし
(静置安定性試験)
長さ30cm、内径2.1cmの試験管に100mlの上記実施例、比較例で得られた各粘着付与剤樹脂エマルションを各別に入れ、2ケ月静置後、底部に沈殿した沈殿物の高さ(cm)を測定した。
(混合安定性試験)
ベース樹脂(不揮発分濃度45%、ブチルアクリレート/アクリル酸=97/3(重量比)からなるアクリル系共重合体エマルション)と粘着付与剤樹脂を配合比率90/10(固形分)で混合し、凝集物を生じないものを○、凝集物を生じたものを×とした。
なお、ベース樹脂は以下のようにして合成した。
ベース樹脂(アクリル系重合体エマルション)の合成
攪拌装置、冷却管、滴下ロート、窒素導入管を備えた四つ口フラスコ中において、窒素気流下70℃で水90部、アニオン性界面活性剤(商品名ハイテノールS、固形分50%、第一工業製薬(株)製)1.8部を溶解した後、攪拌下でアクリル酸ブチルエステル87.8部、アクリル酸2.7部と過硫酸カリウム0.46部、重曹0.22部、水18.1部の合計の1/10を添加し70℃で30分間反応を行い、その後残りを2時間かけて滴下し重合を行った。滴下後、70℃、1時間で反応を行い、室温に冷却後、100メッシュ金網ろ過を行いながら取り出し、固形分45%のベース樹脂(アクリル系重合体エマルション)を得た。
Figure 0005040072

Claims (3)

  1. (a)粘着付与剤樹脂と、(b)アニオン性高分子乳化剤と、(c)ロジン類の塩、炭素数8〜22のアルケニル基を有するアルケニル無水コハク酸、及び炭素数8〜22のアルケニル基を有するアルケニル無水コハク酸の塩から選ばれる少なくとも1種とを含有し、(a)粘着付与剤樹脂がロジン類の塩は含まず、(b)アニオン性高分子乳化剤がスチレン類、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、アニオン性モノマーを共重合したポリマーの塩であることを特徴とする粘着付与剤樹脂エマルション。
  2. (a)粘着付与剤樹脂がロジン系樹脂、石油系樹脂、及びテルペン系樹脂から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の粘着付与剤樹脂エマルション。
  3. (a)粘着付与剤樹脂がロジン系樹脂であり、酸価が50以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の粘着付与剤樹脂エマルション。
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