JP5034000B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技球を発射し、遊技盤面に設けられた入賞口に入賞させる遊技機に関し、詳しくは、かかる遊技機において、樹脂製の遊技盤に遊技釘を固定する構造に関する。
遊技盤面に発射された遊技球を所定の入賞口に入賞させる遊技機としては、パチンコ機やスマートボールがある。これらの遊技機では、遊技盤面を流下する遊技球の障害物として遊技盤面に遊技釘が打ち込まれている。遊技盤には、従来、ベニヤ板が主として用いられてきたが、近年、樹脂を用いることも提案されている(特許文献1〜3参照)。樹脂製の遊技盤、特にアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂などを用いた透明樹脂製の遊技盤は、遊技盤裏面側に装飾ユニットを設置することによって、ベニヤ板で実現できなかった盤面の装飾や遊技中の演出を実現することができる利点がある。
樹脂製の遊技盤を用いる場合には、遊技盤が割れるのを避けるため、予め下穴を開けてから、遊技釘を打ち込むのが通常である。特許文献1〜3は、穿孔された下穴に打ち込まれた遊技釘を抜けにくくするため、下穴深さに相当する部分にわたって、遊技釘に抜け止め用のローレット部を形成する技術を開示している。
特開2000−84162号公報 特開2005−204862号公報 実用新案登録第3116027号公報
遊技機の見栄えが悪くなり興趣が損なわれるのを回避するため、遊技盤の表面は定期的に洗浄されることが望ましい。遊技盤表面の汚れは遊技球の動きに影響を与えることもある。適正な遊技を行えるようにするためにも定期的な洗浄が望まれる。遊技盤の洗浄は、アルコールで表面を拭く方法で行われることが多い。遊技盤はホールに設置された状態で使用されることが多く、表面に付着するタバコのヤニなどの汚れを拭き取るのに効果的だからである。
しかし、アクリル樹脂製の遊技盤の表面をアルコールで拭くと、遊技釘の根元部分で遊技盤にクラックが生じることがある。図7は洗浄時に生じたひび割れの写真である。アクリル樹脂製の遊技盤Bに遊技釘Nが打ち込まれている。この遊技盤Bの表面をアルコールで拭いた結果、遊技釘Nの根元部分に生じたクラックSCを写したものである。このようなクラックは、遊技盤Bの見栄えを損ね、遊技球の動きに影響を与えるとともに、遊技釘Nの保持力も低下させるという種々の弊害を招く。
一般にアクリル樹脂を含む熱可塑性樹脂に対して、アルコールその他の有機溶剤を用いることによってソルベントクラックと呼ばれるクラックが生じることが知られている。図7に示したクラックも、この一種であると考えられるが、遊技盤への樹脂材料の適用歴が浅いため、このような課題への対策は十分に検討されておらず、アルコールに代わる効果的な洗浄薬も得られていないのが現状である。上記クラックがソルベントクラックであるとすれば、アクリル樹脂とアルコールという組み合わせに特有の現象ではなく、種々の樹脂製遊技盤と有機溶剤の組み合わせで生じ得る現象と言える。かかる課題に鑑み、本発明は、樹脂製の遊技盤に遊技釘を固定する構造の工夫によって、有機溶剤による洗浄時におけるクラックの発生を抑制することを課題とする。
本発明は、遊技球が流下する遊技領域を有する樹脂板と、
前記樹脂板の前記遊技領域に形成された下穴に遊技球の流下の障害物として打ち込まれる多数の遊技釘と、を備えた遊技機であって、
前記遊技釘は、
所定の胴体径を有する円柱状の胴体部と、
前記胴体部の一端に形成された前記胴体径よりも大径の頭部と、
前記胴体部の他端に形成された前記胴体径よりも大径のローレット部と、を有し、
該ローレット部は、外周に螺旋状の陵部が形成されていて該陵部の頂部が鈍角または曲面状に面取りされており、
一方、前記下穴は、前記遊技釘の前記胴体部に対応する部分が該胴体部の胴体径より大径で且つ前記ローレット部に対応する部分が該ローレット部の径より小径に形成されると共に前記ローレット部に対応する部分より前記胴体部に対応する部分の径を大きくしたものであり
前記下穴に前記遊技釘の前記ローレット部を打ち込んだ状態で、該下穴内に位置する前記ローレット部の長さと、同じく下穴内に位置する前記胴体部の長さとが同等になるようにした遊技機を提供する。かかる遊技機としては、例えば、パチンコ機、スマートボールなどが含まれる。本発明の遊技機は、遊技球が流下する樹脂板(以下、遊技盤ともいう。)を備えている。例えば、アクリル製、ポリカーボネイト製の遊技盤とすることができる。遊技盤面には入賞口が設けられている。また、流下の障害物として遊技盤には次の形状からなる遊技釘が打ち込まれている。
本発明の遊技釘は胴体部、頭部、ローレット部を有する。胴体部は、所定の胴体径の円柱状である。頭部は、胴体部の一端に形成され、胴体径よりも大径の板状の部位である。平板状、半球状など種々の形状を採り得る。ローレット部は、胴体部の他端に形成され、遊技盤に打ち込まれる部位である。ローレット部には、外周に螺旋状の陵部が形成されている。この陵部の頂部は、鈍角または曲面状に面取りされている。
本発明の遊技釘を打ち込むと、螺旋状の陵部が遊技盤に食い込むようにして遊技釘が十分堅固に保持される。この状態で、その表面を有機溶剤で拭いた時のクラックの発生が抑制される。こうした効果が生じる理由は完全には解明されてはいないものの、ソルベントクラックが生じるメカニズムを考慮すると、次の作用によるものと推測される。まず、本発明の遊技釘は、陵部の頂部が面取りされているため、食い込む際に遊技盤の下穴面内に鋭利な切り欠きが形成されることを抑制することができる。また、このような切り欠きの形成を抑制することができる結果、その先端に生じる応力集中も緩和することができ、陵部が食い込んでいる部分の残留応力を緩和することができる。ソルベントクラックは、応力が残存している状態の樹脂が有機溶剤に触れることによって生じると言われている。また、ソルベントクラックは、切り欠きの先端など応力が高い部位で生じやすい性質がある。本発明の遊技釘は、切り欠きの発生を抑えるとともに、そこでの応力集中も緩和することができるため、クラックの発生を抑制することができると考えられるのである。
上述の陵部は種々の形状を採ることができるが、ローレット部の一端から他端に至るまでのねじれ角が180度以下となるよう形成されていることが好ましい。ねじれ角とは、陵部の開始点から終点に至るまでの遊技釘の軸周りの回転角を言う。陵部が螺旋状に形成されていることにより打ち込み時には遊技釘が軸周りに自転するが、陵部のねじれ角を180度以下に抑えることにより、遊技釘の無理な自転を抑制することができる。この結果、打ち込み時に遊技盤に生じる応力を抑制することができ、クラックの発生を抑制することができる。
上述の作用は、陵部が遊技釘の軸に平行に近くなることによって得られる。つまり、遊技釘を側面から見た場合、遊技釘の軸に直交する断面に対して陵部の傾斜角が大きくなることによって得られる。打ち込み時の応力を緩和するためには、上述のねじれ角にかかわらず、この傾斜角が略60度以上となるように陵部を形成してもよい。
遊技釘の陵部は、1本のみとしてもよいが、多条、即ちローレット部の外周に沿って所定間隔で複数本形成された状態としてもよい。多条とすることにより、打ち込み時の応力を抑制しつつ、遊技釘を遊技盤により堅固に保持することが可能となる。
陵部を多条とする場合には、さらに、陵部と陵部の間の谷部を凹曲面とすることが好ましい。こうすることによって、陵部と谷部の境界に角が生じることを回避でき、打ち込んだ際に遊技盤の無理な変形を抑制することができる。また遊技盤と遊技釘表面との密着度を高めることもできる。この結果、遊技盤に生じる応力を抑制でき、打ち込み時に遊技盤に鋭利な切り欠きが発生することを抑制できる。また、有機溶剤で表面を拭いた時に、ローレット部が打ち込まれた遊技盤の下穴部分に有機溶剤が触れるのを抑制することができる。これらの少なくとも一部の作用によって、クラックの発生を抑制することが可能となる。
上述のローレット部の径は任意に設定可能であるが、胴体径以上とすることが好ましい。こうすることによって、遊技盤に打ち込んだ際に、ローレット部全体を遊技盤により密着させることが可能となる。この結果、ローレット部が打ち込まれた遊技盤の下穴部分に有機溶剤が触れるのを抑制することができ、クラックの発生を抑制することができる。かかる効果を十分に得るためには、特にローレット部の最小径を胴体径以上とすることがより好ましい。
遊技盤には種々の樹脂材料を適用可能であるが、本発明は熱可塑性樹脂を用いた場合に特に有用である。熱可塑性樹脂はぜい性破壊に基づくクラックが生じやすい性質を有しているからである。遊技盤としてのデザイン性を確保する観点から、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂などの透明な熱可塑性樹脂を用いることが好ましく、その中でもアクリル樹脂を用いることが好ましい。ポリカーボネート樹脂は、表面に生じるひっかき傷を防ぐために表面コーティングが施されるのが通常であり、有機溶剤に対してもこの表面コーティングによってある程度、保護されるのに対し、アクリル樹脂では表面コーティングは不要であるため、本発明の作用によって効果的にクラックの発生を抑制することができるからである。
本発明の遊技釘は、遊技盤の表面からの深さに応じて異なる保持力で保持するようにしてもよい。例えば、遊技盤の表面から所定深さまでは低い保持力で保持されるか無保持状態であり、それよりも深い部分では高い保持力で保持することができる。本明細書では、低い保持力で保持されるか無保持状態となっている領域を低保持領域と呼び、高い保持力で保持される領域を高保持領域と呼ぶものとする。高保持領域は低保持領域よりも深い範囲の全部または一部に位置する。低い保持力とは、遊技球の衝突によって遊技釘の局所的な変位または曲げが許容される程度の保持力を意味する。高い保持力は、低保持領域の保持力よりも相対的に高ければよく、上述の変位または曲げが低保持領域よりも抑制し得る保持力であればよい。低保持領域および高保持領域内で、必ずしも保持力は一定である必要はないし、両領域間で保持力が不連続的に変化する必要もなく、連続的に変化するような態様を採っても良い。
遊技釘は、遊技球の衝突によって位置や姿勢が変化しないよう堅固に保持されることが好ましいから、高保持領域の保持力は、このように堅固に保持するに足るものとしてもよい。また、低保持領域よりも高い保持力であれば、必ずしも遊技釘を堅固に保持できない程度であってもよい。この場合には、高保持領域よりも更に深い領域に、堅固に足る保持力で遊技釘を保持する領域を設ければよい。
このように保持することにより、樹脂製の遊技盤に打ち込まれた遊技釘に遊技球が衝突した場合の疲労強度、即ち遊技球の衝突に伴う衝撃曲げに対する疲労強度を向上させることができることが実験的に確認されている。本発明で疲労強度が向上する原因は、完全には解明されてはいないものの、上述した低保持領域を設けることにより、次に示す種々の効果が相まって、上記衝撃曲げにおける曲げモーメントおよび剪断力を緩和する効果が得られ、その結果疲労強度が向上すると考えられる。
第1に、衝撃曲げによって生じる剪断応力および曲げモーメントの弾性波の挙動による影響が考えられる。比較例として、遊技釘が打ち込まれた部分全体が堅固に保持されている場合を考える。この時、衝撃曲げによって生じた弾性波が遊技釘の付け根(遊技盤表面の部分)に到達すると、遊技釘は直ちに遊技盤から反作用を受ける。また、遊技盤内部では遊技釘は堅固に保持されているから、付け根は固定端として機能し、弾性波は直ちに反射する。この結果、弾性波は付け根と遊技釘の自由端との間で繰り返し反射されることになる。こうした挙動によって、遊技釘は繰り返し振動し、疲労強度を低下させる。
次に、遊技盤表面付近に低保持領域を設けた場合を考える。この場合、衝撃曲げによって生じた弾性波が遊技釘の付け根に到達しても、遊技釘は遊技盤から大きな反作用は受けない。例えば、遊技釘と遊技盤との間に隙間がある場合には、遊技盤に接触するほど遊技釘が曲げ変形してからでないと反作用は受けない。隙間がない場合でも、遊技釘の保持力が弱いため、付け根部分では微視的に見れば遊技釘の曲げ変形が許容された状態、つまり緩やかに拘束された自由端のような挙動を示し、遊技釘に作用する反作用は固定端に比較すると時間的に緩やかに立ち上がる挙動を示すと考えられる。この間に弾性波は、付け根を通過し、低保持領域を進行し、この弾性波は高保持領域との境界で反射する。また、弾性波の一部は付け根における遊技盤からの反作用によって反射する。この結果、衝撃曲げによる弾性波は、高保持領域との境界で反射するものと、付け根部分で反射するものに分散され、それぞれ遊技釘の自由端との間で再び反射される。このように分散した弾性波は相互に干渉し、遊技釘の振動を抑制するものと考えられる。厳密には、弾性波同士の干渉によって遊技釘の振幅が増大される可能性も否定できないが、こうした現象が現れるのは高次元の振動モードであり、疲労強度に最も影響を与えやすい最低次元の振動モードは抑制されるものと考えられるのである。
第2に、低保持領域では遊技釘の保持力が低いため、遊技釘の付け根部分に対する支持力も比較的低いと考えられる。従って、遊技球の衝突に対する遊技盤からの反作用も低くなり、遊技釘に付け根部分で作用する剪断応力自体を緩和することができる。柔らかい素材の上で部材に衝撃を加えても、部材に大きな衝撃力が作用しないのと同じ原理である。
第3に、低保持領域では遊技釘がある程度たわむゆとりを有していると考えられる。従って、衝撃曲げが生じた時に、このたわみによって、衝撃エネルギを吸収することができる。更に、低保持領域内で遊技釘がたわむゆとりを有していることにより、曲げモーメントを低保持領域内に分散させる効果を生じ、遊技釘の付け根にかかる応力を緩和することができる。
第4に、低保持領域では遊技釘に遊技盤から径方向に作用する圧縮応力が低い。この圧縮応力には方向によって曲げに伴う剪断応力を増大させる方向に作用するものがある。つまり、高い保持力で遊技釘を保持すると、遊技釘に作用する剪断応力を部分的に高める効果が生じることになり、疲労強度を低下させるおそれがある。本発明では、低保持領域を設けることにより、この圧縮応力を低減させることができるため、この剪断応力の最大値を抑制でき、疲労強度を向上させることができると考えられる。上述した第1〜第4の各作用による影響は、遊技盤の下穴および遊技釘の寸法や形状に応じて変化すると思われる。疲労強度の向上は、これらいずれか単一の効果によって得られるものではなく、複数の効果が相まって得られるものと考えられる。
遊技釘には疲労強度のみならず、衝撃荷重が加えられた場合でも遊技盤から抜けたり、位置や姿勢が変わったりすることなく堅固に保持されること(以下、堅固に保持する強さを「保持性」という)が望まれる。本発明において、低保持領域の深さは、疲労強度と保持性の双方を考慮しつつ、任意に設定すればよい。一例として低保持領域の深さを高保持領域の深さと同等とすることにより、疲労強度と保持性の両者のバランスを比較的容易に実現することができる。この場合、高保持領域における保持力は、遊技釘を堅固に保持するに足る値としておくことが好ましい。
遊技釘は、遊技盤に予め形成された下穴に挿入するように打ち込むことで保持できる。この場合、高保持領域を実現する方法として、例えば、高保持領域における下穴の径に対する遊技釘の径の比率を、低保持領域における比率よりも大きくする方法を採っても良い。低保持領域および高保持領域で一定の径を有する遊技釘に対して、下穴径を高保持領域で小さく、低保持領域で大きく変化させてもよい。逆に、下穴径を一定とし、遊技釘の径を高保持領域で大径、低保持領域で小径としてもよい。下穴径、遊技釘の径の双方を低保持領域、高保持領域で変化させても構わない。
また、低保持領域の下穴径も種々の設定が可能である。例えば、遊技釘の保持力を十分に低減させるという観点から、低保持領域における下穴径は、遊技釘の径以上とすることが好ましく、遊技釘の径よりも大きくすることが更に好ましい。下穴を遊技釘の径よりも大きくする場合には、遊技釘のたわみの自由度が増すため、たわみによる衝撃エネルギの吸収効果が高まることが期待され、疲労強度を更に向上させることができる。
本発明は上述の全ての特徴を備えている必要はなく、適宜、その一部を省略したり、組み合わせたりして適用してもよい。上述の各特徴を組み合わせた具体的な態様として、本発明は次に示す構成を採ることもできる。まず、遊技釘の胴体を一定の胴体径とし、打ち込まれる側の所定範囲には、胴体径以上の径のローレット部を形成する。ローレット部は、頂部を面取りした螺旋状の陵部など、先に遊技釘について説明した種々の特徴を持たせた形状とする。遊技盤には胴体径以上で大径よりも小さい径の下穴を形成する。下穴径は任意に設定可能であるが、下穴径と胴体径との差を、大径と下穴径との差の1/5以下とすることが好ましい。そして、遊技釘を、胴体とローレット部との境が下穴内に埋もれる状態で打ち込む。
こうすることにより、胴体とローレット部の境よりも深い部分は高保持領域となり、浅い部分は低保持領域となる。この結果、ローレット部で遊技釘を堅固に保持しつつ、疲労強度を向上させることができる。遊技釘を打ち込む深さは、任意に設定可能であるが、先に説明した通り、低保持領域と高保持領域が同等となる位置に、胴体部とローレット部の境が来るように打ち込むことが好ましい。かかる保持方法では、下穴径が胴体径よりも大きいため、表面を洗浄する際に有機溶剤が下穴内部に浸透するおそれがあるが、本発明の遊技釘を用いた場合には、ローレット部形状の特徴によって、打ち込み時に遊技盤に生じる応力や切り欠きを抑制することができるため、クラックの発生を抑制することができる。
本発明の実施例について以下の順序で説明する。本実施例では、パチンコ機としての構成例を示すが、遊技機は、スマートボールとしてもよい。
A.遊技機の構成:
B.遊技釘の保持構造:
C.効果:
D.変形例:
A.遊技機の構成:
図1はパチンコ機に備えられた遊技盤5の正面図である。遊技盤の中央には遊技領域37が設けられている。遊技者が、図示しないハンドルを操作して遊技球を発射すると、遊技球は一組のレール76、77にガイドされて、遊技領域37に打ち込まれ、遊技盤5を流下する。
遊技盤5には、始動入賞口212、214、一般入賞口224、可変入賞装置210が設けられており、ここに入賞すると賞球が払い出される。また、始動入賞口212、214に入賞した場合には、電子的に抽選が行われる。抽選の結果、大当りとなると、上方に位置する開閉部材274が所定回数開閉する。開閉部材274が開いている時に入賞すると、賞球を得ることができる。
遊技領域には、流下する遊技球の障害物として遊技釘230が打ち込まれている。遊技球は、この遊技釘230に衝突軌跡を変えながら流下するため、遊技者は、遊技球が入賞することを期待しながら、遊技球の動きを楽しむことができる。遊技釘230は、このように流下する遊技球の衝突による衝撃力に耐え、予め打ち込まれた姿勢および位置を保持できるよう堅固に固定されている必要がある。また、遊技機の耐久性という観点から、こうした衝撃力を受けても容易に破断しないよう十分な疲労強度を有していることが好ましい。
本実施例では、遊技盤5を構成する部材のうち、遊技釘230が打ち込まれている透明樹脂の平板を保持板と呼ぶ。保持板は、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、アクリル樹脂等の透明な樹脂の押出し成形で形成することができる。表面コーティングをするまでなく表面のひっかき傷を防止できる材料としてアクリル樹脂を用いることが好ましい。保持板の厚さW2は、打設される遊技釘などを充分に保持することのできる範囲で任意に設定可能である。本実施例では厚さW2を8〜10mmとした。保持板には、遊技釘230の他、始動入賞口212、214、一般入賞口224、可変入賞装置210などが取り付けられている。保持板として透明樹脂を用いることにより、遊技者は、その後側に配置された装飾ユニット240の発光装飾体238による、遊技盤5の全面を利用した効果的な演出を視認することができる。また、このような保持板は、遊技釘230が空中に浮いているような感覚を遊技者に覚えさせ、遊技盤全体に奥行きを感じさせることができる。
遊技盤5の中央には、演出表示装置202としての液晶パネルが配置されている。演出表示装置202は、液晶パネルの他、有機EL、LED、プラズマディスプレイなどを用いてもよい。演出表示装置202に、遊技中に、大当りか否かの抽選結果の表示など、種々の演出表示を行うことにより、遊技の興趣を高めることができる。
B.遊技釘の保持構造:
図2は遊技釘10の形状を示す説明図である。遊技盤5に打ち込まれることによって遊技釘230(図1参照)を構成するものである。以下では、遊技盤5にゲージ配列に従って打ち込まれた状態と区別するため、単体の状態を遊技釘10と称する。
図2(a)に斜視図を示し、図2(b)に側面図を示し、図2(c)にA−A断面図を示した。遊技釘10は、一定の径の円柱状の胴体部13、その一端に形成された頭部14、他端に形成されたローレット部12、先端部11の各部からなる。先端部11は半球状となっている。こうすることにより、釘打ちの際に、保持板と釘打ち機の相対的な位置関係にずれが生じ、下穴中央から若干ずれた場合でも、下穴の壁面から遊技釘10には先端部11が下穴中央部に自然と収まるように力が作用する。仮に先端部11が平らに切り落とされた状態や、テーパ形状など先端に平面が表れる形状となっている場合には、遊技釘を下穴中央に誘導する力がパネルから作用しづらいため、保持板に割れが生じたり、釘打ち機に過剰な負荷をかけたりすることがある。本実施例では、上述の通り先端を半球状とすることによって、これらの弊害を回避できる利点がある。同時に、遊技釘10が下穴に無理な姿勢で打ち込まれることを抑制できるため、保持板の残留応力を低減させる効果もある。
ローレット部12は転造によって形成することができる。ローレット部12の最大径は胴体部13の外径(以下、胴体径という)よりも若干、大きい。最小径は胴体径より若干小さいが、胴体径以上とすることがより好ましい。
ローレット部12には、螺旋状の陵部15が形成されている。図2(c)に示すように、陵部15は軸周りに90度間隔で4本設けられている。このように複数本の陵部15が設けられていることを多条と呼ぶ。陵部15の頂部は鋭角ではなく凸曲面状のR面取りが施されている。R面取りに代えて、平面状の面取りを施しても良い。陵部15の間の谷部16は凹曲面状に形成されている。
図3は遊技釘10の寸法と保持板242との関係を示す説明図である。図3(a)には遊技釘10を打ち込んだ保持板242の断面図を示した。遊技釘10は、保持板242に穿孔された下穴242hに挿入するように、保持板242の表面から突出量Lだけ突出した状態で打ち込まれる。突出量Lは18.0mm(頭部14を除いて16.8mm)とされている。遊技釘10は、この突出量Lを確保して打ち込んだ時に厚さW2の保持板242の裏面から突出しない程度の長さとされている。つまり、遊技釘10の全長Lnは、「L+W2」とほぼ同等か、若干短い長さである。
打ち込んだ状態における保持板242の表面から遊技釘10の先端までの長さh3を、以下、打ち込み深さと称するものとする。ローレット部12の長さh2は、打ち込み深さh3の一部(本実施例では、ほぼ半分)となっている。打ち込み深さh3のうち、胴体部13に相当する部分の長さをh1とすると、h1とh2は同等となっている。もっとも、h1、h2の比率は任意に設定可能である。
図3(b)に遊技釘10を保持板242に打ち込んだ部分の拡大図を示した。ローレット部12の外径(以下、「ローレット部外径」という)d2は、胴体部13の径(以下、「胴体径」という)d1よりも大きい。下穴242hの径(以下、「下穴径」という)Dhは、「d1≦Dh<d2」なる範囲で任意の値とすることができる。下穴径によって、遊技釘10の保持力および疲労強度が影響を受けるため、両者を考慮して上述の範囲で実験等により決定すればよい。疲労強度を確保する観点から、下穴径Dhは、胴体径d1より小さくしないことが好ましい。
遊技釘10を側面から見た場合、図3(b)に示すように、遊技釘の軸に直交する断面に対する陵部15の傾斜角θは略60度となっている。陵部15は、ローレット部12の一端から他端に至る間に、軸周りをほぼ半周する。つまり、陵部15のねじれ角は略180度である。このような形状とすることにより、打ち込み時に遊技釘10の軸周りの自転を180度程度に抑えることができ、保持板242に発生する応力や切り欠きを抑制することができる。もっとも、傾斜角60度や、ねじれ角180度という寸法は必須ではなく、これと異なる値とすることもできる。もっとも、応力および切り欠きの発生を抑制するためには、一般に傾斜角は大きい方が好ましく、ねじれ角は小さい方が好ましい。
C.効果:
C1.クラック発生の抑制効果:
実施例の遊技釘10を用いた場合には、保持板242の表面をアルコールなどの有機溶剤で拭いた場合でも、先に図7に示したようなクラックは生じないことが確認された。こうした効果が得られる理由は完全には解明されてはいないものの、次の作用によるものと推測される。
図4はクラック発生の抑制効果について示す説明図である。図4(a)には実施例の遊技釘10を用いた場合の保持板242の断面図を示した。図4(b)には説明の便宜上、比較例としての遊技釘10Aを用いた場合の保持板242Aの断面図を示した。遊技釘10Aも、先端にローレット部12Aを有している点、および打ち込み深さのうち、ローレット部12Aの寸法h2A、および胴体部13に相当する部分の長さh1Aは、実施例の遊技釘10と合わせてある。ただし、比較例の遊技釘10Aは、ローレット部12Aの陵部15Aは一条となっており、その頂部は鋭角としてある。また、陵部15Aの傾斜角θAは略20度の浅い角度となっている。ねじれ角は720度、つまり陵部15Aが軸周りに2周するよう形成されている。陵部15A以外の谷部16Aは胴体部13Aの径d1Aよりもやや細い径d2Aの円柱状となっている。
図4(a)に示すように実施例の遊技釘10を打ち込んだ場合には、陵部15の頂部が面取りされているため、保持板242に食い込む際に下穴242h内に鋭利な切り欠きが形成されることを抑制することができると考えられる。また、このような切り欠きの形成を抑制することができる結果、その先端に生じる応力集中も緩和することができる。これに対し、比較例の遊技釘10Aのように頂部15Aが鋭角状の場合には、図4(b)に示すように保持板242Aに打ち込む際に、下穴242hA内に鋭利な切り欠きが多数形成されることになる。ソルベントクラックは、応力が残存している状態の樹脂が有機溶剤に触れることによって生じると言われている。実施例の遊技釘10を用いた場合には図4(a)に示すようにアルコールなどの有機溶剤が矢印S1に示すように下穴242hに浸透しても、下穴242hの応力が抑制されているため、クラックは生じにくい。これに対し、比較例の遊技釘10Aでは、有機溶剤が矢印S2に示すように下穴242hAに浸透すると、下穴242hAに生じている応力や切り欠きの影響によって、クラックが生じやすいのである。
また、実施例のローレット部12は陵部15のねじれ角が180度以下となっているため、遊技釘10の無理な自転を抑制することができ、打ち込み時に保持板242に生じる応力を抑制することができる。比較例の遊技釘10Aのように陵部15Aのねじれ角が大きい場合には、打ち込み時に遊技釘10Aが無理な自転をすることになり、保持板242Aに高い応力が生じやすい。また、遊技釘10では陵部15が多条とされていることにより、打ち込み時の応力を抑制することができる効果もある。これらの作用によって、遊技釘10では、比較例の遊技釘10Aよりも応力を抑制することができ、クラックの発生を抑制することができるのである。
また、先に説明した通り、実施例の遊技釘10は、先端部11が半球状に形成されている。この半休形状によって遊技釘10が下穴242hの中央部分に誘導されることによって、無理な姿勢で遊技釘10が保持板242に打ち込まれることを回避でき、保持板に生じる応力を抑制することもできる。
また、比較例の遊技釘10Aのように谷部16Aを円柱状とすると、陵部と谷部の境界に角が生じるため、遊技釘10Aを打ち込んだ際に保持板242Aの無理な変形が生じやすい。これに対し、遊技釘10は谷部16が凹曲面となっているため、こうした無理な変形を抑制することができ、保持板242に生じる応力を抑制できる。また、谷部16を凹曲面とすることによって、遊技盤と遊技釘表面との密着度を高めることができ、有機溶剤が矢印S1のように浸透しても、ローレット部12が打ち込まれた部分では下穴242hに有機溶剤が触れるのを抑制することができる。遊技釘10のローレット部12の最小径を胴体径以上とすることによっても、有機溶剤と下穴242hとの接触を抑制することができる。
遊技釘10を用いた場合には、上述したうち少なくとも一部の作用によって、クラックの発生を抑制することができると考えられる。ただし、いずれが支配的となるかは、遊技釘10および下穴242hの寸法、打ち込み時の速度などに応じて変化する。
C2.疲労強度の向上効果:
実施例のパチンコ機によれば、遊技釘10の形状および下穴径、遊技釘10の打ち込み深さを図3で示した状態にすることにより、疲労強度を向上させることができる。つまり、1)遊技釘10の先端に、胴体径d1よりも大きい径d2のローレット部12を設けること;2)下穴径Dhを「d1≦Dh<d2」とすること;3)ローレット部12と胴体部13との境界部分が保持板242内部に埋もれるように遊技釘10を打ち込むこと、好ましくは打ち込み深さh3のうちローレット部12の深さh2と胴体部13の深さh1が同等となるよう打ち込むこと、という状態で遊技釘10を打ち込むことにより疲労強度が向上するのである。
図5は疲労強度の確認試験結果を示す説明図である。図5(a)に試験の概要を示した。図示する通り、遊技盤5に試験片としての遊技釘Nを打ち込んでおき、レール76、77を介して遊技球Pを最大の発射強さで打ち込んで遊技釘Nに衝撃力を加える。この動作を繰り返し行い、遊技釘Nが疲労で破断するまでの繰り返し数を、疲労寿命として計測した。
図5(b)に、遊技釘Nの形状および固定状態を変化させた場合の試験結果を示した。横軸に、下穴径と胴体径との関係を示し、縦軸に疲労寿命を示した。●、×、■は、それぞれ形状の異なる遊技釘の試験結果である。それぞれの形状は次の通りである。
●…ローレット部外径d2;
×…ローレット部外径d21=d2−0.02mm;
■…ローレット部外径d22=d2−0.05mm
ローレット部外径d2の結果から分かる通り、胴体径よりも下穴径が小さい範囲では、疲労寿命が極端に短いが、下穴径を胴体径以上とすることにより、疲労強度が向上することが分かる。また、下穴径を大きくするほど疲労寿命は延びることが分かる。ただし、下穴径は遊技釘を保持可能な範囲で穿孔する必要があるから、その上限値はローレット部外径によって制約される。
上述の効果は、ローレット部外径の異なる他の遊技釘(図中の×および■)でも同様に得られることが分かる。また、胴体径と下穴径との比率が同じであっても、ローレット部外径によって疲労寿命が影響を受けることも分かる。ただし、ローレット部外径と疲労寿命との間は単調な相関とならない。つまり、外径d2に比較して、0.02mm外径が小さいd21では疲労強度が低下するのに対し、0.05mm小さいd22では疲労強度が増大している。もっとも、図5に示した結果を疲労強度のみから評価すれば、外径が最も細いd22が最適ということになる。しかし、遊技釘は、疲労強度に対する要求だけでなく、保持力に対する要求も同時に満たす必要がある。遊技中に遊技球の衝突によって遊技釘の位置が変わったり、遊技釘が傾いたりすることを避ける必要があるからである。この保持力は、下穴に打ち込まれた遊技釘を引き抜く際の引抜力によって評価する。実験結果の図示は省略するが、容易に推測される通り、保持力は外径が細いほど小さい。本実施例では、外径d22は保持力が不十分と評価されるため候補から外れ、外径d21は相対的に疲労強度が低いため候補から外れ、疲労強度と保持力のバランスを考慮した最適な結果として外径d2を選択した。
透明樹脂製の遊技盤に遊技釘を打ち込む場合には、打ち込み時の摩擦によって、透明の遊技盤が遊技釘を打ち込んだ部分だけ白く濁る白化という現象が生じることがある。白化は、下穴径に対する遊技釘の外径の比率が大きいほど顕著であることが実験的に確認されている。遊技釘の径は、上述の疲労強度、保持力とともに、白化の程度も考慮して決定してもよい。
図6は疲労強度が向上する理由を示す説明図である。理由は完全には解明されてはいないが、次に示す種々の作用が相まって影響しているものと考えられる。
第1に、衝撃曲げによって生じる剪断応力および曲げモーメントの弾性波の挙動による影響が考えられる。図6(a)は比較例として遊技釘10の挿入部全体を堅固に固定した場合の挙動を示している。遊技球Pが衝突すると、衝撃荷重Fによって遊技釘10には剪断応力および曲げモーメントが生じる。図中では剪断応力に基づく弾性波の挙動を模式的に示した。この弾性波は、遊技釘10に局所的な撓みを生じさせながら、図中の矢印W1方向に伝播する。弾性波が遊技釘10の付け根(遊技盤表面の部分)に到達すると、遊技釘10は直ちに遊技盤から反作用F1を受ける。遊技釘10は保持板242に堅固に保持されているから、付け根は固定端として機能し、弾性波は矢印w2で示すように直ちに反射する。この結果、弾性波は付け根と遊技釘の頭部との間で繰り返し反射される。弾性波のこうした挙動によって、遊技釘は繰り返し振動し、疲労強度を低下させる。
図6(b)は下穴径が胴体径よりも大きい場合の挙動を示している。この状態では、保持板242内に打ち込まれた部分のうち、表面からローレット部12に至るまでの深さh1の部分では胴体部13は下穴242hからほとんど保持力を受けない状態となっている。この意味で、深さh1までの領域を低保持領域と呼び、ローレット部12が打ち込まれている部分h2を高保持領域と呼ぶものとする。このように低保持領域を設けた場合には、衝撃曲げによって生じた弾性波が矢印w1のように伝播し、遊技釘10の付け根に到達した瞬間には、遊技釘10は保持板242から大きな反作用は受けない。反作用を受けるのは、図中に二点鎖線で示すように遊技釘10が変形してからである。このように変形するまでの間に、弾性波は、付け根を通過し、矢印w10に示すように低保持領域を進行する。この弾性波はローレット部12と胴体部13との境界で反射する。
一方、遊技釘10が二点鎖線で示すように曲げられると、保持板242から遊技釘10に反作用F2がかかるから、矢印w21に示すように、弾性波の一部は付け根でも反射する。この結果、衝撃曲げによる弾性波は、低保持領域を進行し高保持領域との境界で反射される矢印w10に対応する波と、付け根部分で反射する矢印w21の波に分散され、それぞれ遊技釘10の頭部14との間で再び反射される。このように分散された弾性波は相互に干渉し、遊技釘の振動を抑制する。この結果、疲労寿命を向上させる効果を奏すると考えられる。
第2に、低保持領域では遊技釘10の保持力が低いため、遊技釘10の付け根部分に対する支持力も比較的低いと考えられる。従って、遊技球Pの衝突に対する保持板242からの反作用F2も低くなり、遊技釘10に付け根部分で作用する剪断応力自体を緩和することができる。柔らかい素材の上で部材に衝撃を加えても、部材に大きな衝撃力が作用しないのと同じ原理である。
第3に、低保持領域では遊技釘10が図中の二点鎖線で示すようにある程度たわむゆとりを有していると考えられる。従って、衝撃曲げが生じた時に、このたわみによって、衝撃エネルギを吸収することができる。更に、低保持領域内で遊技釘がたわむゆとりを有していることにより、曲げモーメントを低保持領域内に分散させる効果を生じ、遊技釘の付け根にかかる応力を緩和することができる。
第4に、低保持領域では遊技釘に遊技盤から径方向に作用する圧縮応力が低い。図6(a)に示すように遊技釘10の挿入部全体が堅固に保持されている場合には、保持板242から遊技釘10の径方向に圧縮応力Fpが作用しており、この圧縮応力Fpには、方向によって曲げに伴う剪断応力F1を増大させる方向に作用するものがある。つまり、堅固に遊技釘10を保持した場合には、遊技釘10に作用する剪断応力F1を部分的に高める効果が生じることになり、疲労強度を低下させるおそれがある。本発明では、低保持領域を設けることにより、この圧縮応力が作用しないようにさせることができるか、低減させることができるため、この剪断応力の最大値を抑制でき、疲労強度を向上させることができると考えられる。本実施例において、上述した第1〜第4の各作用による影響は、遊技盤の下穴および遊技釘の寸法や形状に応じて変化すると思われる。疲労強度の向上は、これらいずれか単一の効果によって得られるものではなく、複数の効果が相まって得られるものと考えられ、その効果は先に図5で示した試験により確認されている。
以上、本発明の種々の実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の構成を採ることができることはいうまでもない。実施例では、パチンコ機への適用例を示したが、本発明は、スマートボールなど遊技球の衝突を受ける遊技釘の保持構造一般に適用可能である。また、本発明は、アクリル樹脂製のみならず種々の熱可塑性樹脂製の遊技盤に適用可能である。
パチンコ機に備えられた遊技盤5の正面図である。 遊技釘10の形状を示す説明図である。 遊技釘10の寸法と保持板242との関係を示す説明図である。 クラック発生の抑制効果について示す説明図である。 疲労強度の確認試験結果を示す説明図である。 疲労強度が向上する理由を示す説明図である。 洗浄時に生じたひび割れの写真である。
5…遊技盤
10、10A…遊技釘
11…先端部
12、12A…ローレット部
13、13A…胴体部
14…頭部
15、15A…陵部
16、16A…谷部
37…遊技領域
76、77…レール
202…演出表示装置
210…可変入賞装置
212、214…始動入賞口
224…一般入賞口
230…遊技釘
238…発光装飾体
240…装飾ユニット
242、242A…保持板(樹脂板)
242h、242hA…下穴
274…開閉部材

Claims (5)

  1. 遊技球が流下する遊技領域を有する樹脂板と、
    前記樹脂板の前記遊技領域に形成された下穴に遊技球の流下の障害物として打ち込まれる多数の遊技釘と、を備えた遊技機であって、
    前記遊技釘は、
    所定の胴体径を有する円柱状の胴体部と、
    前記胴体部の一端に形成された前記胴体径よりも大径の頭部と、
    前記胴体部の他端に形成された前記胴体径よりも大径のローレット部と、を有し、
    該ローレット部は、外周に螺旋状の陵部が形成されていて該陵部の頂部が鈍角または曲面状に面取りされており、
    一方、前記下穴は、前記遊技釘の前記胴体部に対応する部分が該胴体部の胴体径より大径で且つ前記ローレット部に対応する部分が該ローレット部の径より小径に形成されると共に前記ローレット部に対応する部分より前記胴体部に対応する部分の径を大きくしたものであり
    前記下穴に前記遊技釘の前記ローレット部を打ち込んだ状態で、該下穴内に位置する前記ローレット部の長さと、同じく下穴内に位置する前記胴体部の長さとが同等になるようにしたことを特徴とする遊技機。
  2. 前記遊技釘の前記陵部は、前記ローレット部の一端から他端に至るまでのねじれ角が180度以下となるよう形成されていることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
  3. 前記遊技釘の前記陵部は、前記ローレット部の外周に沿って所定間隔で複数本形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の遊技機。
  4. 前記遊技釘の前記ローレット部は、前記陵部と陵部の間の谷部が凹曲面となっていることを特徴とする請求項3記載の遊技機。
  5. 前記樹脂板が透明であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の遊技機。
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