JP5027962B2 - 液状ウレタンプレポリマーの製造方法および樹脂組成物 - Google Patents

液状ウレタンプレポリマーの製造方法および樹脂組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液状ウレタンプレポリマーの製造方法及びそれを使用した樹脂組成物に関するものである。詳しくは、人工皮革、合成皮革、塗料、コーティング剤、接着剤、シーリング剤、粘着剤、フィルム、シート、注型品用等に用いられ、無溶剤でも液状である、イソシアネート基がブロックされたウレタンプレポリマーの製造方法及びそれを使用した樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、世界的な環境規制の動きにより、塗料をはじめとする有機溶剤を使用したの溶液型樹脂からの有機溶剤の削減が求められている。特にPRTR法、改訂労働安全衛生法等の施行により有機溶剤等の削減は非常に重要なテーマとなっている。合成皮革、人工皮革、接着剤、フィルム等に使用されている溶液型ウレタン樹脂に於いても同様であり、有機溶剤を全く含まない無溶剤型ウレタン樹脂の開発研究が行われいる。通常ウレタン樹脂は分子量が非常に大きく、無溶剤化すると室温では全く流動しないゴム状固体になってしまい、塗工や含浸等の加工ができなくなってしまう。分子量を小さくすると流動性が改良され塗工や含浸等の加工ができるようになる場合もあるが、分子量が小さいため機械強度や耐久性などが悪く使用に耐えないものとなる。
【0003】
これを改良する方法として、塗工や含浸等の加工段階では低分子量の液状で無溶剤でも加工でき、加工後の熱処理によって高分子量化する方法が提案されている。例えば特公平1−21190では、イソシアネート基がブロックされたウレタンプレポリマー(ポリオールに対して過剰モルの多官能イソシアネートを反応させ、更にイソシアネート基をブロックしたオリゴマー)と鎖伸長剤又は架橋剤としてのジアミンをブレンドして塗工等の加工を行い、その後熱処理してブロックをはずし、これとジアミンを反応させ高分子量化する方法である。この特許ではポリオールとして2〜3個の水酸基を有する分子量500〜10000のポリエーテルおよび/又は2〜3個の水酸基を有する分子量1000〜6000のポリエステルが使用できると記載されている。更に、該特許によると無溶剤で液状となるのはポリオールとしてプロピレンオキサイドタイプのポリエーテルを使用する場合のみであって、該ポリエーテルとポリエステルの併用又はポリエステル単独では液状にならない。即ち、従来技術ではイソシアネート基がブロックされたウレタンプレポリマーを無溶剤で液状とするには、ポリオールとしてプロピレンオキサイドタイプのポリエーテルしか使用出来なかった。しかしながら、プロピレンオキサイドタイプのポリエーテルから作られたプレポリマーを使用して作成されたポリウレタンポリ尿素樹脂には、耐熱性耐光性機械強度等が悪いという大きな欠点があり、実用上問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記実状に鑑み、耐熱性、耐光性等の耐久性や機械強度が優れたポリウレタン系樹脂の主原料となり、無溶剤で液状である、イソシアネートがブロックされたウレタンプレポリマーを提供することにある。
【課題を解決する為の手段】
本発明者等は、上記課題について鋭意検討した結果、ポリアルキレンエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオールから選ばれたジオールにラクトンモノマーを付加して、ラクトン変性ジオールとし、これに多官能イソシアネートを反応して得られる、イソシアネート基がブロックされたウレタンプレポリマーが無溶剤でも液状となることを知見し、更にこれを使用して作成されたポリウレタン系樹脂の耐熱性耐光性等の耐久性及び機械強度がプロピレンオキサイドタイプのポリエーテルを使用したものに比較して格段に優れていることを見い出した結果、本発明に到達した。
【0005】
即ち、本発明は、二価アルコールと二塩基性カルボン酸とを反応させて得られる数平均分子量1300〜2000のポリエステルジオール、数平均分子量500〜2000のポリアルキレンエーテルジオール、数平均分子量500〜2000のポリカーボネートジオールから選ばれたジオール(1)100重量部に対して、10〜100重量部のラクトンモノマー(2)が開環付加重合反応して得られるラクトン変性ジオール(3)に、多官能イソシアネート(4)を反応させイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(5)とし、次いで該ウレタンプレポリマーにブロック化剤(6)を反応させることを特徴とする、イソシアネート基がブロックされた液状ウレタンプレポリマーの製造方法および該液状ウレタンプレポリマーと鎖伸長剤としての活性水素を2個以上有する化合物を含むことを特徴とする樹脂組成物に関するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明において用いられるポリアルキレンエーテルジオールは、通常、エチレンオキサイド、1,2−及び1,3−プロピレンオキサイド、1,2−、2,3−及び1,4−ブチレンオキサイド、アルキルテトラヒドロフラン等の分子内環状エーテル化合物の単独重合又は2種類以上のランダム共重合、ブロック共重合等で得られるもの成物が挙げられる。特に1,4−ブチレンオキサイド(テトラヒドロフラン)単独又はそれを含む2種以上のアルキレンオキサイドの開環重合物及び付加重合物が好ましい。
【0007】
本発明において用いられるポリエステルジオールとしては、二価アルコ−ルと二塩基性カルボン酸との反応生成物が挙げられる。遊離ジカルボン酸の代わりに、対応の無水物又は低級アルコ−ルのジエステル或いはその混合物もポリエステルの製造に使用することができる。
【0008】
二価アルコ−ルとしては、特に限定はしないが、エチレングリコ−ル、1,3−及び1,2−プロピレングリコ−ル、1,4−及び1,3−及び2,3−ブチレングリコ−ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサングリコ−ル、1,8−オクタンジオ−ル、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ネオペンチルグリコ−ル、シクロヘキサンジメタノ−ル、1,4−ビス−(ヒドロキシメチル)−シクロヘキサン、2−メチル−1,3−プロパンジオ−ル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオ−ル、ジエチレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ル、トリエチレングリコ−ル、トリプロピレングリコ−ル、ジブチレングリコ−ル、ポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル等が挙げられる。
【0009】
二塩基性カルボン酸としては、脂肪族、脂環族、芳香族及び/又は複素環式とすることができ、不飽和であっても或いは例えばハロゲン原子で置換されても良い。これらカルボン酸としては、限定はしないが、例えばコハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメチン酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水テトラヒドロイソフタル酸、無水ヘキサヒドロイソフタル酸、無水エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、ダイマ−脂肪酸、例えばオレイン酸、ジメチルテレフタレ−ト及び混合テレフタレ−トが挙げられる。
【0010】
これらの中で特に、炭素数が2〜10のアルキレングリコールとアジピン酸からのポリエステルジオールが好ましい。
【0011】
本発明に用いられるポリカーボネートジオールとしては、エチレングリコ−ル、1,3−及び1,2−プロピレングリコ−ル、1,4−及び1,3−及び2,3−ブチレングリコ−ル、1,6−ヘキサングリコ−ル、1,8−オクタンジオ−ル、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ネオペンチルグリコ−ル、シクロヘキサンジメタノ−ル、1,4−ビス−(ヒドロキシメチル)−シクロヘキサン、2−メチル−1,3−プロパンジオ−ル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオ−ル、ジエチレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ル、トリエチレングリコ−ル、トリプロピレングリコ−ル、ジブチレングリコ−ル、ポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル等の様なジオ−ルとホスゲン、ジアリルカ−ボネ−ト、ジアルキルカーボネートもしくは環式カ−ボネ−ト(例えばエチレンカ−ボネ−ト)との反応生成物が挙げられる。中でも炭素数が4〜10のアルキレングリコールのポリカーボネートジオールが好ましい。
【0012】
ポリアルキレンエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオールから選ばれたジオール(1)の分子量は500〜2000が好ましい。尚、分子量とはジオールの水酸基価から計算した分子量を指す。
【0013】
又、ラクトンモノマーとしては、バレロラクトン、メチルバレロラクトン、ε−カプロラクトン、トリメチルカプロラクトン等の1種又は2種以上を用いることが可能である。特にε−カプロラクトンが、好ましく用いられる。
ラクトンの変性量については特に限定はないが、イソシアネート基がブロック化されたプレポリマーの低粘度化、液状化の観点からジオール(1)100重量部にラクトンモノマー(2)10〜100重量部を開環付加重合反応させるのが最も好適である。
【0014】
ラクトン変性ジオール(3)の製造法としては特に限定はないが、一般に無溶媒下、テトライソプロピルチタネ−ト、テトラブチルチタネ−ト、オクチル酸第1スズ、亜鉛アセチルアセトネート等の触媒存在下に、ジオール(1)と前述した様な各種ラクトンモノマ−(2)とを、110℃〜220℃で反応させることにより得る事ができる。
【0015】
本発明において用いられる多官能イソシアネートとしては、特に限定はしないが、テトラメチレンジイソシアネ−ト、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、ドデカメチレンジイソシアネ−ト、シクロヘキサン−1,3−及び1,4−ジイソシアネ−ト、1−イソシアナト−3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(=イソホロンジイソシアネ−ト)、ビス−(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン(=水添MDI)、2−及び4−イソシアナトシクロヘキシル−2´−イソシアナトシクロヘキシルメタン、1,3−及び1,4−ビス−(イソシアナトメチル)−シクロヘキサン、ビス−(4−イソシアナト−3−メチルシクロヘキシル)メタン、1,3−及び1,4−テトラメチルキシリデンジイソシアネ−ト、2,4−及び/または2,6−ジイソシアナトトルエン、2,2´−、2,4´−及び/または4,4´−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフタレンジイソシアネ−ト、p−及びm−フェニレンジイソシアネ−ト、ダイメリルジイソシアネ−ト、キシリレンジイソシアネ−ト、ジフェニル−4,4´−ジイソシネ−ト、カルボジイミド変性液状MDI、ポリメリックMDI等がある。中でもベンゼン環にイソシアネート基のついたいわゆる芳香族イソシアネートが好ましい。
【0016】
ラクトン変性ジオール(3)に、多官能イソシアネート(4)を反応させイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(5)とする方法は、特に限定はないが、多官能イソシアネート(4)成分とラクトン変性ジオール(3)成分とのNCO基/OH基のモル比率を5.0/1.0〜1.3/1.0の範囲で、20〜120℃の温度で、触媒なしで或いは公知のウレタン化触媒を用いるか或いは反応遅延剤を添加して、撹拌反応させて得られる。
【0017】
本発明に使用するブロック化剤としては、ケトオキシム類、ラクタム類、フェノール類、ピラゾール類、活性メチレン化合物類等、通常使用される公知のイソシアネートブロック化剤が用いられる。中でも、ブロック化反応が容易に進行し、又、解離温度も120〜180℃と比較的マイルドな加熱条件で脱ブロック化が可能という観点からケトオキシム類が好適である。特に本発明に於いて好ましいブロッキング剤はメチルエチルケトキシム(ブタノンオキシム)である。
ウレタンプレポリマー(5)とブロック化剤(6)を反応させるブロック化反応条件はブロック化剤(6)成分とウレタンプレポリマー(5)成分とのNCO基/OH基のモル比率を1.2/1.0〜1.0/1.0の範囲で、20〜120℃の温度で攪拌反応させる。
【0018】
何故に、本発明のイソシアネート基がブロックされたウレタンプレポリマーが液状となるかは定かではないが、ラクトンによる変性により、結晶性のジオールの結晶構造を崩していることに起因するものと考えられる。
【0019】
本発明のイソシアネート基がブロックされたウレタンプレポリマーは液状となるが、加工時の粘度を低くする等の目的で少量の溶剤を使用することもできる。それらの溶剤として、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、メチルエチルケトン、トルエン、テトラヒドロフラン、イソプロパノール、シクロヘキサノン、ジメチルフォルムアミド(DMF)、エチレングリコールモノエチルエーテルまたはエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのような、公知慣用の種々の有機溶剤が使用できる。
【0020】
又、本発明のイソシアネート基がブロックされたウレタンプレポリマーには
必要に応じて反応の任意の時点で、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、顔料、充填剤、帯電防止剤、可塑剤その他の添加剤を加えることができる。
【0021】
本発明におけるイソシアネート基がブロックされたウレタンプレポリマーは、鎖伸長剤として活性水素を2個以上有する化合物をブレンドして使用される。活性水素を2個以上有する化合物の中でも特にジアミンが好適である。ジアミン化合物として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、1,2−ジアミノエタン、1,2−ないしは1,3−ジアミノプロパン、1,2−ないしは1,3−ないしは1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、ピペラジン、N,N’−ビス−(2−アミノエチル)ピペラジン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチル−シクロヘキサン(=イソホロンジアミン)、ビス−(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス−(4−アミノ−3−ブチルシクロヘキシル)メタン、1,2−、1,3−ないしは1,4−ジアミノシクロヘキサンまたは1,3−ジアミノプロパン、ノルボルネンジアミン、4,4’−メチレン−ビス−2−メチルシクロヘキシルアミン
等が使用できる。
【0022】
本発明のイソシアネート基がブロックされたウレタンプレポリマーとジアミンとの使用比率は本発明のブロックされたウレタンプレポリマー成分とジアミン成分のNCO基/NH2基のモル比率が1.35/1.0〜1.0/1.0の範囲になるような比率で使用される。
【0023】
本発明では、鎖伸長剤としての活性水素を2個以上有する化合物はジアミン化合物が好ましいが、ジオール化合物も使用できる。
ジオール化合物としては、特に限定はないが、エチレングリコ−ル、1,3−及び1,2−プロピレングリコ−ル、1,4−及び1,3−及び2,3−ブチレングリコ−ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサングリコ−ル、1,8−オクタンジオ−ル、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ネオペンチルグリコ−ル、シクロヘキサンジメタノ−ル、1,4−ビス−(ヒドロキシメチル)−シクロヘキサン、2−メチル−1,3−プロパンジオ−ル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオ−ル、ジエチレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ル、トリエチレングリコ−ル、トリプロピレングリコ−ル、ジブチレングリコ−ル、ポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル等も使用することができる。
【0024】
本発明の樹脂組成物は室温で又は加温処理してコーティング、含浸、注型等の加工を行い、ブロック剤が解離する温度以上に加熱処理し、高分子量化される。
本発明の樹脂組成物は、人工皮革、合成皮革、接着剤、シーリング剤、粘着剤、コーティング剤、フィルム、シート、成型品等の種々の用途に使用し得る。
【0025】
本発明により得られた、イソシアネートがブロックされたウレタンプレポリマーは、無溶剤でも液状となり、塗工や注型等の加工の際に無溶剤で使用することが可能となり、更に、従来、実用上問題のあったポリプロピレンオキサイド系ポリエーテルタイプの耐久性や機械的強度に比較して優れており、実用的でありしかも無溶剤で環境に優しいという大きな利点を有している。
【0026】
【実施例】
次に、本発明の実施態様を具体的な実施例で説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、実施例中の部及び%は断りのない限り重量に関するものである。又、分子量とは水酸基価から計算した分子量を指すものとする。
【0027】
[参考例1]
撹拌機、温度計、N2導入管及び空冷コンデンサ−を備えた4つ口フラスコをマントルヒ−タ−内にセットし、フラスコ中にポリテトラメチレンエ−テルグリコ−ル(PTMG分子量1300)を1500部及びε−カプロラクトンモノマ−(以下ε−CLと略記する)を1000部仕込み(PTMG/ε−CL=60/40)、N2ブロ−と撹拌をスタ−トして均一混合させた後、テトライソプロピルチタネ−トを0.075部(対全仕込み量30ppm)添加して加熱をスタ−トさせ、180℃まで昇温する。その後、180℃で5時間保持してマントルヒ−タ−を取り外し、風冷して約80℃まで冷却してから生成物を取り出した。生成物のOH価は、48.9(分子量2294)であった。
【0028】
[参考例2]
参考例1において、分子量1300のPTMG 1500部の代わりに、分子量1000のPTMG 1500部を用いた以外は参考例1と全く同様にして、合成した。生成物のOH価は64.6(分子量1737)であった。
【0029】
[参考例3]
参考例1において、分子量1300のPTMG 1500部の代わりに、THFとメチルTHF共重合体(保土ヶ谷化学製PTGL)(分子量1000)1250部に、且つε−CL 1000部の代わり 1250部に変えた以外は参考例1と全く同様にして、合成した。生成物のOH価は55.1
(分子量2036)であった。
【0030】
[参考例4]
参考例1において、分子量1300のPTMG 1500部の代わりに、分子量650のPTMG 1250部を用い、且つ ε−CL 1250部の代わりに、バレロラクトンモノマ− 1250部を用いた以外は参考例1と全く同様にして、合成した。生成物のOH価は85.0(分子量1320)であった。
【0031】
[参考例5]
参考例1において、分子量1300のPTMG 1500部の代わりに、分子量1300の3−メチル1,5−ペンタンジオールとアジピン酸からのポリエステルジオール 1500部を用いた以外は参考例1と全く同様にして、合成した。生成物のOH価は51.1(分子量2196)であった。
【0032】
[参考例6]
参考例1において、分子量1300のPTMG 1500部の代わりに、分子量1300の1,4−ブタンジオールとアジピン酸からのポリエステルジオール1500部を用い、且つ反応時間を8時間とした以外は参考例1と全く同様にして、合成した。生成物のOH価は50.5(分子量2222)であった。
【0033】
[参考例7]
参考例1において、分子量1300のPTMG 1500部の代わりに、分子量1300の1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールのポリカーボネートジオール 1500部を用いた以外は参考例1と全く同様にして、合成した。生成物のOH価は53.0(分子量2117)であった。
【0034】
[実施例1]
参考例1で得られラクトン変性ジオール 505部に、2,4−ジイソシアナトトルエン 78部(NCO/OH=2.0)を激しく攪拌しながら投入し、100℃で5時間反応させてウレタンプレポリマー(NCO当量=1298)を得た。60℃まで冷却し、これにブロック化剤としてメチルエチルケトノキシムを42部投入し70℃にて2時間攪拌反応させた。得られたプレポリマーは液状で25℃での粘度は 609dPa.sであった。
このプレポリマー100重量部に対して4,4’−メチレン−ビス−2−メチルシクロヘキシルアミンを 重量部(NCO/NH2=1.1/1.0)ブレンドし、脱泡した後、離型紙に約50ミクロンの厚さに流延し、150℃で5分間加熱処理を行った。冷却後、離型紙からフィルムを剥がし、常態での引張り試験と耐久試験後の引っ張り試験を行った。耐久試験として70℃98%RHの高温多湿下、14日後の引っ張り強度、フェードメーターでの光照射40時間後の引っ張り試験を行った。結果を表1に示す。
【0035】
[実施例2]
参考例2で得られラクトン変性ジオール 500部に、2,4−ジイソシアナトトルエン 101部(NCO/OH=2.0)を激しく攪拌しながら投入し、100℃で5時間反応させてウレタンプレポリマー(NCO当量=1068)を得た。60℃まで冷却し、これにブロック化剤としてメチルエチルケトノキシムを54部 投入し70℃にて2時間攪拌反応させた。得られたプレポリマーは液状で25℃での粘度は 592dPa.sであった。
このプレポリマー100重量部に対して4,4’−メチレン−ビス−2−メチルシクロヘキシルアミンを 9重量部ブレンドし、脱泡した後、離型紙に約50ミクロンの厚さに流延し、150℃で5分間加熱処理を行った。冷却後、離型紙からフィルムを剥がし、常態での引張り試験と耐久試験後の引っ張り試験を行った。耐久試験として70℃98%RHの高温多湿下、14日後の引っ張り強度、フェードメーターでの光照射40時間後の引っ張り試験を行った。結果を表1に示す。
【0036】
[実施例3]
参考例3で得られラクトン変性ジオール 500部に、2,4−ジイソシアナトトルエン 105部(NCO/OH=2.0)を激しく攪拌しながら投入し、100℃で5時間反応させてウレタンプレポリマー(NCO当量=1008)を得た。60℃まで冷却し、これにブロック化剤としてメチルエチルケトノキシムを54部 投入し70℃にて2時間攪拌反応させた。得られたプレポリマーは液状で25℃での粘度は 606dPa.sであった。
このプレポリマー100重量部に対して4,4’−メチレン−ビス−2−メチルシクロヘキシルアミンを 9.6重量部ブレンドし、脱泡した後、離型紙に約50ミクロンの厚さに流延し、150℃で5分間加熱処理を行った。冷却後、離型紙からフィルムを剥がし、常態での引張り試験と耐久試験後の引っ張り試験を行った。耐久試験として70℃98%RHの高温多湿下、14日後の引っ張り強度、フェードメーターでの光照射40時間後の引っ張り試験を行った。結果を表1に示す。
【0037】
[実施例4]
参考例4で得られラクトン変性ジオール 500部に、2,4−ジイソシアナトトルエン 132部(NCO/OH=2.0)を激しく攪拌しながら投入し、100℃で5時間反応させてウレタンプレポリマー(NCO当量=840)を得た。60℃まで冷却し、これにブロック化剤としてメチルエチルケトノキシムを72部 投入し70℃にて2時間攪拌反応させた。得られたプレポリマーは液状で25℃での粘度は 725dPa.sであった。
このプレポリマー100重量部に対して4,4’−メチレン−ビス−2−メチルシクロヘキシルアミンを 12.6重量部ブレンドし、脱泡した後、離型紙に約50ミクロンの厚さに流延し、150℃で5分間加熱処理を行った。冷却後、離型紙からフィルムを剥がし、常態での引張り試験と耐久試験後の引っ張り試験を行った。耐久試験として70℃98%RHの高温多湿下、14日後の引っ張り強度、フェードメーターでの光照射40時間後の引っ張り試験を行った。結果を表1に示す。
【0038】
[実施例5]
参考例5で得られラクトン変性ジオール 300部に、2,4−ジイソシアナトトルエン 54部(NCO/OH=2.0)を激しく攪拌しながら投入し、100℃で5時間反応させてウレタンプレポリマー(NCO当量=1200)を得た。60℃まで冷却し、これにブロック化剤としてメチルエチルケトノキシムを27部 投入し70℃にて2時間攪拌反応させた。得られたプレポリマーは液状で25℃での粘度は 763dPa.sであった。
このプレポリマー100重量部に対して4,4’−メチレン−ビス−2−メチルシクロヘキシルアミンを 8重量部ブレンドし、脱泡した後、離型紙に約50ミクロンの厚さに流延し、150℃で5分間加熱処理を行った。冷却後、離型紙からフィルムを剥がし、常態での引張り試験と耐久試験後の引っ張り試験を行った。耐久試験として70℃98%RHの高温多湿下、14日後の引っ張り強度、フェードメーターでの光照射40時間後の引っ張り試験を行った。結果を表1に示す。
【0039】
[実施例6]
参考例6で得られラクトン変性ジオール 300部に、2,4−ジイソシアナトトルエン 53部(NCO/OH=2.0)を激しく攪拌しながら投入し、100℃で5時間反応させてウレタンプレポリマー(NCO当量=1200)を得た。60℃まで冷却し、これにブロック化剤としてメチルエチルケトノキシムを27部 投入し70℃にて2時間攪拌反応させた。得られたプレポリマーは液状で25℃での粘度は 1073dPa.sであった。
このプレポリマー100重量部に対して4,4’−メチレン−ビス−2−メチルシクロヘキシルアミンを 8重量部ブレンドし、脱泡した後、離型紙に約50ミクロンの厚さに流延し、150℃で5分間加熱処理を行った。冷却後、離型紙からフィルムを剥がし、常態での引張り試験と耐久試験後の引っ張り試験を行った。耐久試験として70℃98%RHの高温多湿下、14日後の引っ張り強度、フェードメーターでの光照射40時間後の引っ張り試験を行った。結果を表1に示す。
【0040】
[実施例7]
参考例7で得られラクトン変性ジオール 500部に、2,4−ジイソシアナトトルエン 77.5部(NCO/OH=2.0)を激しく攪拌しながら投入し、100℃で5時間反応させてウレタンプレポリマー(NCO当量=1298)を得た。60℃まで冷却し、これにブロック化剤としてメチルエチルケトノキシムを42部 投入し70℃にて2時間攪拌反応させた。得られたプレポリマーは液状で25℃での粘度は 6310dPa.sであった。
このプレポリマー100重量部に対して4,4’−メチレン−ビス−2−メチルシクロヘキシルアミンを 7.6重量部ブレンドし、脱泡した後、離型紙に約50ミクロンの厚さに流延し、150℃で5分間加熱処理を行った。冷却後、離型紙からフィルムを剥がし、常態での引張り試験と耐久試験後の引っ張り試験を行った。耐久試験として70℃98%RHの高温多湿下、14日後の引っ張り強度、フェードメーターでの光照射40時間後の引っ張り試験を行った。結果を表1に示す。
【0041】
[比較例1]
参考例1で得られラクトン変性ジオールと同レベルの分子量のラクトン変性をしていない分子量2000のPTMG 300部に、2,4−ジイソシアナトトルエン 54部(NCO/OH=2.0)を激しく攪拌しながら投入し、100℃で5時間反応させてウレタンプレポリマーを得た。60℃まで冷却し、これにブロック化剤としてメチルエチルケトノキシムを 30部投入し70℃にて2時間攪拌反応させた。得られたプレポリマーは固化し、無溶剤では使用できないものであった。
【0042】
[比較例2]
分子量2000の1,4−ブタンジオールとアジピン酸からのポリエステルジオール 300部、2,4−ジイソシアナトトルエン 54部(NCO/OH=2.0)を激しく攪拌しながら投入し、100℃で5時間反応させてウレタンプレポリマーを得た。60℃まで冷却し、これにブロック化剤としてメチルエチルケトノキシムを30部投入し70℃にて2時間攪拌反応させた。得られたプレポリマーは固化し、無溶剤では使用できないものであった。
【0043】
[比較例3]
分子量2000の1,4−ブタンジオールとからのポリカーボネートジオール 300部、2,4−ジイソシアナトトルエン 54部(NCO/OH=2.0)を激しく攪拌しながら投入し、100℃で5時間反応させてウレタンプレポリマーを得た。60℃まで冷却し、これにブロック化剤としてメチルエチルケトノキシムを30部投入し70℃にて2時間攪拌反応させた。得られたプレポリマーはガラス状に固化し、無溶剤では使用できないものであった。
【0044】
[比較例4]
ポリプロピレンオキサイド系ポリエーテルの代表例として、分子量2000のポリプロピレングリコール(PPG−2000)345部に、2,4−ジイソシアナトトルエン62部(NCO/OH=2.0)を激しく攪拌しながら投入し、
100℃で5時間反応させてウレタンプレポリマー(NCO当量=1115)を得た。60℃まで冷却し、これにブロック化剤としてメチルエチルケトノキシムを 36部 投入し70℃にて2時間攪拌反応させた。得られたプレポリマーは液状で25℃での粘度は200dPa.sであった。
このプレポリマー100重量部に対して4,4’−メチレン−ビス−2−メチルシクロヘキシルアミンを11.4重量部 ブレンドし、脱泡した後、離型紙に約50ミクロンの厚さに流延し、150℃で5分間加熱処理を行った。冷却後、離型紙からフィルムを剥がし、常態での引張り試験と耐久試験後の引っ張り試験を行った。耐久試験として70℃98%RHの高温多湿下、14日後の引っ張り強度、フェードメーターでの光照射40時間後の引っ張り試験を行った。結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
Figure 0005027962
【0046】
【表2】
Figure 0005027962
【0047】
【発明の効果】
本発明のブロックされたウレタンプレポリマーは、液状であるため塗工や注型等の加工の際に無溶剤で使用することが可能であり、耐久性や機械的強度に優れており、環境に優しいという大きな利点を有している。

Claims (9)

  1. 二価アルコールと二塩基性カルボン酸とを反応させて得られる数平均分子量1300〜2000のポリエステルジオール、数平均分子量500〜2000のポリアルキレンエーテルジオール、数平均分子量500〜2000のポリカーボネートジオールから選ばれたジオール(1)100重量部に対して、10〜100重量部のラクトンモノマー(2)が開環付加重合反応して得られるラクトン変性ジオール(3)に、多官能イソシアネート(4)を反応させイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(5)とし、次いで該ウレタンプレポリマーにブロック化剤(6)を反応させることを特徴とする、イソシアネート基がブロックされた液状ウレタンプレポリマーの製造方法。
  2. ポリアルキレンエーテルジオールとして、テトラヒドロフランの単独又は共重合体を用いることを特徴とする請求項1に記載の液状ウレタンプレポリマーの製造方法。
  3. ポリエステルジオールとして、炭素数が2〜10のアルキレングリコールとアジピン酸からなるポリエステルジオールを用いることを特徴とする請求項1に記載の液状ウレタンプレポリマーの製造方法。
  4. ポリカーボネートジオールとして、炭素数が4〜10のアルキレングリコールを用いて得られるポリカーボネートジオールを用いることを特徴とする請求項1に記載の液状ウレタンプレポリマーの製造方法。
  5. ラクトンモノマー(2)として、ε−カプロラクトンを用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の液状ウレタンプレポリマーの製造方法。
  6. 多官能イソシアネート(4)として芳香族ポリイソシアネートを用いることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の液状ウレタンプレポリマーの製造方法。
  7. イソシアネート基のブロック化剤(5)としてメチルエチルケトオキシムを用いることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の液状ウレタンプレポリマーの製造方法。
  8. 請求項1〜7に記載の製造方法によって得られた液状ウレタンプレポリマーと、鎖伸長剤としての活性水素を2個以上有する化合物を含むことを特徴とする樹脂組成物。
  9. 活性水素を2個以上有する化合物が、4,4’−メチレン−ビス−2−メチルシクロヘキシルアミンである請求項8記載の樹脂組成物。
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