JP2002121255A - 液状ウレタンプレポリマーの製造方法および樹脂組成物 - Google Patents

液状ウレタンプレポリマーの製造方法および樹脂組成物

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JP2002121255A JP2000319336A JP2000319336A JP2002121255A JP 2002121255 A JP2002121255 A JP 2002121255A JP 2000319336 A JP2000319336 A JP 2000319336A JP 2000319336 A JP2000319336 A JP 2000319336A JP 2002121255 A JP2002121255 A JP 2002121255A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性や機械強度が優れたポリウレタン系樹
脂の主原料となり、イソシアネートがブロックされた液
状ウレタンプレポリマーを提供する。 【解決手段】 ポリアルキレンエーテルジオール、ポリ
エステルジオール、ポリカーボネートジオールから選ば
れたジオール(1)にラクトンモノマー(2)を開環付
加重合反応させて得られるラクトン変性ジオール(3)
に、多官能イソシアネート(4)を反応させイソシアネ
ート基を有するウレタンプレポリマー(5)とし、次い
で該ウレタンプレポリマーにブロック化剤(6)を反応
させることを特徴とする、イソシアネート基がブロック
された液状ウレタンプレポリマーの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液状ウレタンプレ
ポリマーの製造方法及びそれを使用した樹脂組成物に関
するものである。詳しくは、人工皮革、合成皮革、塗
料、コーティング剤、接着剤、シーリング剤、粘着剤、
フィルム、シート、注型品用等に用いられ、無溶剤でも
液状である、イソシアネート基がブロックされたウレタ
ンプレポリマーの製造方法及びそれを使用した樹脂組成
物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、世界的な環境規制の動きにより、
塗料をはじめとする有機溶剤を使用したの溶液型樹脂か
らの有機溶剤の削減が求められている。特にPRTR
法、改訂労働安全衛生法等の施行により有機溶剤等の削
減は非常に重要なテーマとなっている。合成皮革、人工
皮革、接着剤、フィルム等に使用されている溶液型ウレ
タン樹脂に於いても同様であり、有機溶剤を全く含まな
い無溶剤型ウレタン樹脂の開発研究が行われいる。通常
ウレタン樹脂は分子量が非常に大きく、無溶剤化すると
室温では全く流動しないゴム状固体になってしまい、塗
工や含浸等の加工ができなくなってしまう。分子量を小
さくすると流動性が改良され塗工や含浸等の加工ができ
るようになる場合もあるが、分子量が小さいため機械強
度や耐久性などが悪く使用に耐えないものとなる。
【0003】これを改良する方法として、塗工や含浸等
の加工段階では低分子量の液状で無溶剤でも加工でき、
加工後の熱処理によって高分子量化する方法が提案され
ている。例えば特公平1−21190では、イソシアネ
ート基がブロックされたウレタンプレポリマー(ポリオ
ールに対して過剰モルの多官能イソシアネートを反応さ
せ、更にイソシアネート基をブロックしたオリゴマー)
と鎖伸長剤又は架橋剤としてのジアミンをブレンドして
塗工等の加工を行い、その後熱処理してブロックをはず
し、これとジアミンを反応させ高分子量化する方法であ
る。この特許ではポリオールとして2〜3個の水酸基を
有する分子量500〜10000のポリエーテルおよび
/又は2〜3個の水酸基を有する分子量1000〜60
00のポリエステルが使用できると記載されている。更
に、該特許によると無溶剤で液状となるのはホ゜リオールとし
てフ゜ロヒ゜レンオキサイト゛タイプのポリエーテルを使用する場合
のみであって、該ホ゜リエーテルとポリエステルの併用又はポ
リエステル単独では液状にならない。即ち、従来技術で
はイソシアネート基がブロックされたウレタンプレポリ
マーを無溶剤で液状とするには、ポリオールとしてフ゜ロヒ
゜レンオキサイト゛タイプのポリエーテルしか使用出来なかっ
た。しかしながら、フ゜ロヒ゜レンオキサイト゛タイプのポリエーテ
ルから作られたプレポリマーを使用して作成されたホ゜リウ
レタンホ゜リ尿素樹脂には、耐熱性耐光性機械強度等が悪いと
いう大きな欠点があり、実用上問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
実状に鑑み、耐熱性、耐光性等の耐久性や機械強度が優
れたポリウレタン系樹脂の主原料となり、無溶剤で液状
である、イソシアネートがブロックされたウレタンプレ
ポリマーを提供することにある。
【課題を解決する為の手段】本発明者等は、上記課題に
ついて鋭意検討した結果、ポリアルキレンエーテルジオ
ール、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオー
ルから選ばれたジオールにラクトンモノマーを付加し
て、ラクトン変性ジオールとし、これに多官能イソシア
ネートを反応して得られる、イソシアネート基がブロッ
クされたウレタンプレポリマーが無溶剤でも液状となる
ことを知見し、更にこれを使用して作成されたポリウレ
タン系樹脂の耐熱性耐光性等の耐久性及び機械強度がプ
ロピレンオキサイドタイプのポリエーテルを使用したも
のに比較して格段に優れていることを見い出した結果、
本発明に到達した。
【0005】即ち、本発明は、ポリアルキレンエーテル
ジオール、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジ
オールから選ばれたジオール(1)にラクトンモノマー
(2)を開環付加重合反応させて得られるラクトン変性
ジオール(3)に、多官能イソシアネート(4)を反応
させイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー
(5)とし、次いで該ウレタンプレポリマーにブロック
化剤(6)を反応させることを特徴とする、イソシアネ
ート基がブロックされた液状ウレタンプレポリマーの製
造方法および該液状ウレタンプレポリマーと活性水素を
2個以上有する化合物を含むことを特徴とする樹脂組成
物に関するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において用いられるポリア
ルキレンエーテルジオールは、通常、エチレンオキサイ
ド、1,2−及び1,3−プロピレンオキサイド、1,
2−、2,3−及び1,4−ブチレンオキサイド、アル
キルテトラヒドロフラン等の分子内環状エーテル化合物
の単独重合又は2種類以上のランダム共重合、ブロック
共重合等で得られるもの成物が挙げられる。特に1,4
−ブチレンオキサイド(テトラヒドロフラン)単独又は
それを含む2種以上のアルキレンオキサイドの開環重合
物及び付加重合物が好ましい。
【0007】本発明において用いられるポリエステルジ
オールとしては、二価アルコ−ルと二塩基性カルボン酸
との反応生成物が挙げられる。遊離ジカルボン酸の代わ
りに、対応の無水物又は低級アルコ−ルのジエステル或
いはその混合物もポリエステルの製造に使用することが
できる。
【0008】二価アルコ−ルとしては、特に限定はしな
いが、エチレングリコ−ル、1,3−及び1,2−プロ
ピレングリコ−ル、1,4−及び1,3−及び2,3−
ブチレングリコ−ル、1,5−ペンタンジオール、1,
6−ヘキサングリコ−ル、1,8−オクタンジオ−ル、
1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、
ネオペンチルグリコ−ル、シクロヘキサンジメタノ−
ル、1,4−ビス−(ヒドロキシメチル)−シクロヘキ
サン、2−メチル−1,3−プロパンジオ−ル、2,
2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオ−ル、ジエ
チレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ル、トリエチ
レングリコ−ル、トリプロピレングリコ−ル、ジブチレ
ングリコ−ル、ポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレ
ングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル等が挙げ
られる。
【0009】二塩基性カルボン酸としては、脂肪族、脂
環族、芳香族及び/又は複素環式とすることができ、不
飽和であっても或いは例えばハロゲン原子で置換されて
も良い。これらカルボン酸としては、限定はしないが、
例えばコハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン
酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル
酸、トリメチン酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフ
タル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水テトラヒドロ
イソフタル酸、無水ヘキサヒドロイソフタル酸、無水エ
ンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水グルタル酸、
無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、ダイマ−脂肪
酸、例えばオレイン酸、ジメチルテレフタレ−ト及び混
合テレフタレ−トが挙げられる。
【0010】これらの中で特に、炭素数が2〜10のア
ルキレングリコールとアジピン酸からのポリエステルジ
オールが好ましい。
【0011】本発明に用いられるポリカーボネートジオ
ールとしては、エチレングリコ−ル、1,3−及び1,
2−プロピレングリコ−ル、1,4−及び1,3−及び
2,3−ブチレングリコ−ル、1,6−ヘキサングリコ
−ル、1,8−オクタンジオ−ル、1,9−ノナンジオ
ール、1,10−デカンジオール、ネオペンチルグリコ
−ル、シクロヘキサンジメタノ−ル、1,4−ビス−
(ヒドロキシメチル)−シクロヘキサン、2−メチル−
1,3−プロパンジオ−ル、2,2,4−トリメチル−
1,3−ペンタンジオ−ル、ジエチレングリコ−ル、ジ
プロピレングリコ−ル、トリエチレングリコ−ル、トリ
プロピレングリコ−ル、ジブチレングリコ−ル、ポリエ
チレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテ
トラメチレングリコ−ル等の様なジオ−ルとホスゲン、
ジアリルカ−ボネ−ト、ジアルキルカーボネートもしく
は環式カ−ボネ−ト(例えばエチレンカ−ボネ−ト)と
の反応生成物が挙げられる。中でも炭素数が4〜10の
アルキレングリコールのポリカーボネートジオールが好
ましい。
【0012】ポリアルキレンエーテルジオール、ポリエ
ステルジオール、ポリカーボネートジオールから選ばれ
たジオール(1)の分子量は500〜2000が好まし
い。尚、分子量とはジオールの水酸基価から計算した分
子量を指す。
【0013】又、ラクトンモノマーとしては、バレロラ
クトン、メチルバレロラクトン、ε−カプロラクトン、
トリメチルカプロラクトン等の1種又は2種以上を用い
ることが可能である。特にε−カプロラクトンが、好ま
しく用いられる。ラクトンの変性量については特に限定
はないが、イソシアネート基がブロック化されたプレポ
リマーの低粘度化、液状化の観点からジオール(1)1
00重量部にラクトンモノマー(2)10〜100重量
部を開環付加重合反応させるのが最も好適である。
【0014】ラクトン変性ジオール(3)の製造法とし
ては特に限定はないが、一般に無溶媒下、テトライソプ
ロピルチタネ−ト、テトラブチルチタネ−ト、オクチル
酸第1スズ、亜鉛アセチルアセトネート等の触媒存在下
に、ジオール(1)と前述した様な各種ラクトンモノマ
−(2)とを、110℃〜220℃で反応させることに
より得る事ができる。
【0015】本発明において用いられる多官能イソシア
ネートとしては、特に限定はしないが、テトラメチレン
ジイソシアネ−ト、1,6−ヘキサメチレンジイソシア
ネ−ト、ドデカメチレンジイソシアネ−ト、シクロヘキ
サン−1,3−及び1,4−ジイソシアネ−ト、1−イ
ソシアナト−3−イソシアナトメチル−3,5,5−ト
リメチルシクロヘキサン(=イソホロンジイソシアネ−
ト)、ビス−(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタ
ン(=水添MDI)、2−及び4−イソシアナトシクロ
ヘキシル−2´−イソシアナトシクロヘキシルメタン、
1,3−及び1,4−ビス−(イソシアナトメチル)−
シクロヘキサン、ビス−(4−イソシアナト−3−メチ
ルシクロヘキシル)メタン、1,3−及び1,4−テト
ラメチルキシリデンジイソシアネ−ト、2,4−及び/
または2,6−ジイソシアナトトルエン、2,2´−、
2,4´−及び/または4,4´−ジイソシアナトジフ
ェニルメタン、1,5−ナフタレンジイソシアネ−ト、
p−及びm−フェニレンジイソシアネ−ト、ダイメリル
ジイソシアネ−ト、キシリレンジイソシアネ−ト、ジフ
ェニル−4,4´−ジイソシネ−ト、カルボジイミド変
性液状MDI、ポリメリックMDI等がある。中でもベ
ンゼン環にイソシアネート基のついたいわゆる芳香族イ
ソシアネートが好ましい。
【0016】ラクトン変性ジオール(3)に、多官能イ
ソシアネート(4)を反応させイソシアネート基を有す
るウレタンプレポリマー(5)とする方法は、特に限定
はないが、多官能イソシアネート(4)成分とラクトン
変性ジオール(3)成分とのNCO基/OH基のモル比
率を5.0/1.0〜1.3/1.0の範囲で、20〜
120℃の温度で、触媒なしで或いは公知のウレタン化
触媒を用いるか或いは反応遅延剤を添加して、撹拌反応
させて得られる。
【0017】本発明に使用するブロック化剤としては、
ケトオキシム類、ラクタム類、フェノール類、ピラゾー
ル類、活性メチレン化合物類等、通常使用される公知の
イソシアネートブロック化剤が用いられる。中でも、ブ
ロック化反応が容易に進行し、又、解離温度も120〜
180℃と比較的マイルドな加熱条件で脱ブロック化が
可能という観点からケトオキシム類が好適である。特に
本発明に於いて好ましいブロッキング剤はメチルエチル
ケトキシム(ブタノンオキシム)である。ウレタンプレ
ポリマー(5)とブロック化剤(6)を反応させるブロ
ック化反応条件はブロック化剤(6)成分とウレタンプ
レポリマー(5)成分とのNCO基/OH基のモル比率
を1.2/1.0〜1.0/1.0の範囲で、20〜1
20℃の温度で攪拌反応させる。
【0018】何故に、本発明のイソシアネート基がブロ
ックされたウレタンプレポリマーが液状となるかは定か
ではないが、ラクトンによる変性により、結晶性のジオ
ールの結晶構造を崩していることに起因するものと考え
られる。
【0019】本発明のイソシアネート基がブロックされ
たウレタンプレポリマーは液状となるが、加工時の粘度
を低くする等の目的で少量の溶剤を使用することもでき
る。それらの溶剤として、酢酸エチル、酢酸n−ブチ
ル、メチルエチルケトン、トルエン、テトラヒドロフラ
ン、イソプロパノール、シクロヘキサノン、ジメチルフ
ォルムアミド(DMF)、エチレングリコールモノエチ
ルエーテルまたはエチレングリコールモノエチルエーテ
ルアセテートなどのような、公知慣用の種々の有機溶剤
が使用できる。
【0020】又、本発明のイソシアネート基がブロック
されたウレタンプレポリマーには必要に応じて反応の任
意の時点で、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑
剤、顔料、充填剤、帯電防止剤、可塑剤その他の添加剤
を加えることができる。
【0021】本発明におけるイソシアネート基がブロッ
クされたウレタンプレポリマーは、鎖伸長剤として活性
水素を2個以上有する化合物をブレンドして使用され
る。活性水素を2個以上有する化合物の中でも特にジア
ミンが好適である。ジアミン化合物として特に代表的な
もののみを例示するにとどめれば、1,2−ジアミノエ
タン、1,2−ないしは1,3−ジアミノプロパン、
1,2−ないしは1,3−ないしは1,4−ジアミノブ
タン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘ
キサン、ピペラジン、N,N’−ビス−(2−アミノエ
チル)ピペラジン、1−アミノ−3−アミノメチル−
3,5,5−トリメチル−シクロヘキサン(=イソホロ
ンジアミン)、ビス−(4−アミノシクロヘキシル)メ
タン、ビス−(4−アミノ−3−ブチルシクロヘキシ
ル)メタン、1,2−、1,3−ないしは1,4−ジア
ミノシクロヘキサンまたは1,3−ジアミノプロパン、
ノルボルネンジアミン、4,4’−メチレン−ビス−2
−メチルシクロヘキシルアミン等が使用できる。
【0022】本発明のイソシアネート基がブロックされ
たウレタンプレポリマーとジアミンとの使用比率は本発
明のブロックされたウレタンプレポリマー成分とジアミ
ン成分のNCO基/NH2基のモル比率が1.35/
1.0〜1.0/1.0の範囲になるような比率で使用
される。
【0023】本発明では、鎖伸長剤としての活性水素を
2個以上有する化合物はジアミン化合物が好ましいが、
ジオール化合物も使用できる。ジオール化合物として
は、特に限定はないが、エチレングリコ−ル、1,3−
及び1,2−プロピレングリコ−ル、1,4−及び1,
3−及び2,3−ブチレングリコ−ル、1,5−ペンタ
ンジオール、1,6−ヘキサングリコ−ル、1,8−オ
クタンジオ−ル、1,9−ノナンジオール、1,10−
デカンジオール、ネオペンチルグリコ−ル、シクロヘキ
サンジメタノ−ル、1,4−ビス−(ヒドロキシメチ
ル)−シクロヘキサン、2−メチル−1,3−プロパン
ジオ−ル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタン
ジオ−ル、ジエチレングリコ−ル、ジプロピレングリコ
−ル、トリエチレングリコ−ル、トリプロピレングリコ
−ル、ジブチレングリコ−ル、ポリエチレングリコ−
ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレング
リコ−ル等も使用することができる。
【0024】本発明の樹脂組成物は室温で又は加温処理
してコーティング、含浸、注型等の加工を行い、ブロッ
ク剤が解離する温度以上に加熱処理し、高分子量化され
る。本発明の樹脂組成物は、人工皮革、合成皮革、接着
剤、シーリング剤、粘着剤、コーティング剤、フィル
ム、シート、成型品等の種々の用途に使用し得る。
【0025】本発明により得られた、イソシアネートが
ブロックされたウレタンプレポリマーは、無溶剤でも液
状となり、塗工や注型等の加工の際に無溶剤で使用する
ことが可能となり、更に、従来、実用上問題のあったポ
リプロピレンオキサイド系ポリエーテルタイプの耐久性
や機械的強度に比較して優れており、実用的でありしか
も無溶剤で環境に優しいという大きな利点を有してい
る。
【0026】
【実施例】次に、本発明の実施態様を具体的な実施例で
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。尚、実施例中の部及び%は断りのない限り重量
に関するものである。又、分子量とは水酸基価から計算
した分子量を指すものとする。
【0027】[参考例1]撹拌機、温度計、N2導入管
及び空冷コンデンサ−を備えた4つ口フラスコをマント
ルヒ−タ−内にセットし、フラスコ中にポリテトラメチ
レンエ−テルグリコ−ル(PTMG分子量1300)を
1500部及びε−カプロラクトンモノマ−(以下ε−
CLと略記する)を1000部仕込み(PTMG/ε−
CL=60/40)、N2ブロ−と撹拌をスタ−トして
均一混合させた後、テトライソプロピルチタネ−トを
0.075部(対全仕込み量30ppm)添加して加熱
をスタ−トさせ、180℃まで昇温する。その後、18
0℃で5時間保持してマントルヒ−タ−を取り外し、風
冷して約80℃まで冷却してから生成物を取り出した。
生成物のOH価は、48.9(分子量2294)であっ
た。
【0028】[参考例2]参考例1において、分子量1
300のPTMG 1500部の代わりに、分子量10
00のPTMG 1500部を用いた以外は参考例1と
全く同様にして、合成した。生成物のOH価は64.6
(分子量1737)であった。
【0029】[参考例3]参考例1において、分子量1
300のPTMG 1500部の代わりに、THFとメ
チルTHF共重合体(保土ヶ谷化学製PTGL)(分子
量1000)1250部に、且つε−CL 1000部
の代わり 1250部に変えた以外は参考例1と全く同
様にして、合成した。生成物のOH価は55.1(分子
量2036)であった。
【0030】[参考例4]参考例1において、分子量1
300のPTMG 1500部の代わりに、分子量65
0のPTMG 1250部を用い、且つ ε−CL 1
250部の代わりに、バレロラクトンモノマ− 125
0部を用いた以外は参考例1と全く同様にして、合成し
た。生成物のOH価は85.0(分子量1320)であ
った。
【0031】[参考例5]参考例1において、分子量1
300のPTMG 1500部の代わりに、分子量13
00の3−メチル1,5−ペンタンジオールとアジピン
酸からのポリエステルジオール 1500部を用いた以
外は参考例1と全く同様にして、合成した。生成物のO
H価は51.1(分子量2196)であった。
【0032】[参考例6]参考例1において、分子量1
300のPTMG 1500部の代わりに、分子量13
00の1,4−ブタンジオールとアジピン酸からのポリ
エステルジオール1500部を用い、且つ反応時間を8
時間とした以外は参考例1と全く同様にして、合成し
た。生成物のOH価は50.5(分子量2222)であ
った。
【0033】[参考例7]参考例1において、分子量1
300のPTMG 1500部の代わりに、分子量13
00の1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジ
オールのポリカーボネートジオール 1500部を用い
た以外は参考例1と全く同様にして、合成した。生成物
のOH価は53.0(分子量2117)であった。
【0034】[実施例1]参考例1で得られラクトン変
性ジオール 505部に、2,4−ジイソシアナトトル
エン 78部(NCO/OH=2.0)を激しく攪拌し
ながら投入し、100℃で5時間反応させてウレタンプ
レポリマー(NCO当量=1298)を得た。60℃ま
で冷却し、これにブロック化剤としてメチルエチルケト
ノキシムを42部投入し70℃にて2時間攪拌反応させ
た。得られたプレポリマーは液状で25℃での粘度は
609dPa.sであった。このプレポリマー100
重量部に対して4,4’−メチレン−ビス−2−メチル
シクロヘキシルアミンを 重量部(NCO/NH2=
1.1/1.0)ブレンドし、脱泡した後、離型紙に約
50ミクロンの厚さに流延し、150℃で5分間加熱処
理を行った。冷却後、離型紙からフィルムを剥がし、常
態での引張り試験と耐久試験後の引っ張り試験を行っ
た。耐久試験として70℃98%RHの高温多湿下、1
4日後の引っ張り強度、フェードメーターでの光照射4
0時間後の引っ張り試験を行った。結果を表1に示す。
【0035】[実施例2]参考例2で得られラクトン変
性ジオール 500部に、2,4−ジイソシアナトトル
エン 101部(NCO/OH=2.0)を激しく攪拌
しながら投入し、100℃で5時間反応させてウレタン
プレポリマー(NCO当量=1068)を得た。60℃
まで冷却し、これにブロック化剤としてメチルエチルケ
トノキシムを54部 投入し70℃にて2時間攪拌反応
させた。得られたプレポリマーは液状で25℃での粘度
は 592dPa.sであった。このプレポリマー10
0重量部に対して4,4’−メチレン−ビス−2−メチ
ルシクロヘキシルアミンを 9重量部ブレンドし、脱泡
した後、離型紙に約50ミクロンの厚さに流延し、15
0℃で5分間加熱処理を行った。冷却後、離型紙からフ
ィルムを剥がし、常態での引張り試験と耐久試験後の引
っ張り試験を行った。耐久試験として70℃98%RH
の高温多湿下、14日後の引っ張り強度、フェードメー
ターでの光照射40時間後の引っ張り試験を行った。結
果を表1に示す。
【0036】[実施例3]参考例3で得られラクトン変
性ジオール 500部に、2,4−ジイソシアナトトル
エン 105部(NCO/OH=2.0)を激しく攪拌
しながら投入し、100℃で5時間反応させてウレタン
プレポリマー(NCO当量=1008)を得た。60℃
まで冷却し、これにブロック化剤としてメチルエチルケ
トノキシムを54部 投入し70℃にて2時間攪拌反応
させた。得られたプレポリマーは液状で25℃での粘度
は 606dPa.sであった。このプレポリマー10
0重量部に対して4,4’−メチレン−ビス−2−メチ
ルシクロヘキシルアミンを 9.6重量部ブレンドし、
脱泡した後、離型紙に約50ミクロンの厚さに流延し、
150℃で5分間加熱処理を行った。冷却後、離型紙か
らフィルムを剥がし、常態での引張り試験と耐久試験後
の引っ張り試験を行った。耐久試験として70℃98%
RHの高温多湿下、14日後の引っ張り強度、フェード
メーターでの光照射40時間後の引っ張り試験を行っ
た。結果を表1に示す。
【0037】[実施例4]参考例4で得られラクトン変
性ジオール 500部に、2,4−ジイソシアナトトル
エン 132部(NCO/OH=2.0)を激しく攪拌
しながら投入し、100℃で5時間反応させてウレタン
プレポリマー(NCO当量=840)を得た。60℃ま
で冷却し、これにブロック化剤としてメチルエチルケト
ノキシムを72部 投入し70℃にて2時間攪拌反応さ
せた。得られたプレポリマーは液状で25℃での粘度は
725dPa.sであった。このプレポリマー100
重量部に対して4,4’−メチレン−ビス−2−メチル
シクロヘキシルアミンを 12.6重量部ブレンドし、
脱泡した後、離型紙に約50ミクロンの厚さに流延し、
150℃で5分間加熱処理を行った。冷却後、離型紙か
らフィルムを剥がし、常態での引張り試験と耐久試験後
の引っ張り試験を行った。耐久試験として70℃98%
RHの高温多湿下、14日後の引っ張り強度、フェード
メーターでの光照射40時間後の引っ張り試験を行っ
た。結果を表1に示す。
【0038】[実施例5]参考例5で得られラクトン変
性ジオール 300部に、2,4−ジイソシアナトトル
エン 54部(NCO/OH=2.0)を激しく攪拌し
ながら投入し、100℃で5時間反応させてウレタンプ
レポリマー(NCO当量=1200)を得た。60℃ま
で冷却し、これにブロック化剤としてメチルエチルケト
ノキシムを27部 投入し70℃にて2時間攪拌反応さ
せた。得られたプレポリマーは液状で25℃での粘度は
763dPa.sであった。このプレポリマー100
重量部に対して4,4’−メチレン−ビス−2−メチル
シクロヘキシルアミンを 8重量部ブレンドし、脱泡し
た後、離型紙に約50ミクロンの厚さに流延し、150
℃で5分間加熱処理を行った。冷却後、離型紙からフィ
ルムを剥がし、常態での引張り試験と耐久試験後の引っ
張り試験を行った。耐久試験として70℃98%RHの
高温多湿下、14日後の引っ張り強度、フェードメータ
ーでの光照射40時間後の引っ張り試験を行った。結果
を表1に示す。
【0039】[実施例6]参考例6で得られラクトン変
性ジオール 300部に、2,4−ジイソシアナトトル
エン 53部(NCO/OH=2.0)を激しく攪拌し
ながら投入し、100℃で5時間反応させてウレタンプ
レポリマー(NCO当量=1200)を得た。60℃ま
で冷却し、これにブロック化剤としてメチルエチルケト
ノキシムを27部 投入し70℃にて2時間攪拌反応さ
せた。得られたプレポリマーは液状で25℃での粘度は
1073dPa.sであった。このプレポリマー10
0重量部に対して4,4’−メチレン−ビス−2−メチ
ルシクロヘキシルアミンを 8重量部ブレンドし、脱泡
した後、離型紙に約50ミクロンの厚さに流延し、15
0℃で5分間加熱処理を行った。冷却後、離型紙からフ
ィルムを剥がし、常態での引張り試験と耐久試験後の引
っ張り試験を行った。耐久試験として70℃98%RH
の高温多湿下、14日後の引っ張り強度、フェードメー
ターでの光照射40時間後の引っ張り試験を行った。結
果を表1に示す。
【0040】[実施例7]参考例7で得られラクトン変
性ジオール 500部に、2,4−ジイソシアナトトル
エン 77.5部(NCO/OH=2.0)を激しく攪
拌しながら投入し、100℃で5時間反応させてウレタ
ンプレポリマー(NCO当量=1298)を得た。60
℃まで冷却し、これにブロック化剤としてメチルエチル
ケトノキシムを42部 投入し70℃にて2時間攪拌反
応させた。得られたプレポリマーは液状で25℃での粘
度は 6310dPa.sであった。このプレポリマー
100重量部に対して4,4’−メチレン−ビス−2−
メチルシクロヘキシルアミンを 7.6重量部ブレンド
し、脱泡した後、離型紙に約50ミクロンの厚さに流延
し、150℃で5分間加熱処理を行った。冷却後、離型
紙からフィルムを剥がし、常態での引張り試験と耐久試
験後の引っ張り試験を行った。耐久試験として70℃9
8%RHの高温多湿下、14日後の引っ張り強度、フェ
ードメーターでの光照射40時間後の引っ張り試験を行
った。結果を表1に示す。
【0041】[比較例1]参考例1で得られラクトン変
性ジオールと同レベルの分子量のラクトン変性をしてい
ない分子量2000のPTMG 300部に、2,4−
ジイソシアナトトルエン 54部(NCO/OH=2.
0)を激しく攪拌しながら投入し、100℃で5時間反
応させてウレタンプレポリマーを得た。60℃まで冷却
し、これにブロック化剤としてメチルエチルケトノキシ
ムを 30部投入し70℃にて2時間攪拌反応させた。
得られたプレポリマーは固化し、無溶剤では使用できな
いものであった。
【0042】[比較例2]分子量2000の1,4−ブ
タンジオールとアジピン酸からのポリエステルジオール
300部、2,4−ジイソシアナトトルエン 54部
(NCO/OH=2.0)を激しく攪拌しながら投入
し、100℃で5時間反応させてウレタンプレポリマー
を得た。60℃まで冷却し、これにブロック化剤として
メチルエチルケトノキシムを30部投入し70℃にて2
時間攪拌反応させた。得られたプレポリマーは固化し、
無溶剤では使用できないものであった。
【0043】[比較例3]分子量2000の1,4−ブ
タンジオールとからのポリカーボネートジオール300
部、2,4−ジイソシアナトトルエン 54部(NCO
/OH=2.0)を激しく攪拌しながら投入し、100
℃で5時間反応させてウレタンプレポリマーを得た。6
0℃まで冷却し、これにブロック化剤としてメチルエチ
ルケトノキシムを30部投入し70℃にて2時間攪拌反
応させた。得られたプレポリマーはガラス状に固化し、
無溶剤では使用できないものであった。
【0044】[比較例4]ポリプロピレンオキサイド系
ポリエーテルの代表例として、分子量2000のポリプ
ロピレングリコール(PPG−2000)345部に、
2,4−ジイソシアナトトルエン62部(NCO/OH
=2.0)を激しく攪拌しながら投入し、100℃で5
時間反応させてウレタンプレポリマー(NCO当量=1
115)を得た。60℃まで冷却し、これにブロック化
剤としてメチルエチルケトノキシムを 36部 投入し
70℃にて2時間攪拌反応させた。得られたプレポリマ
ーは液状で25℃での粘度は200dPa.sであっ
た。このプレポリマー100重量部に対して4,4’−
メチレン−ビス−2−メチルシクロヘキシルアミンを1
1.4重量部 ブレンドし、脱泡した後、離型紙に約5
0ミクロンの厚さに流延し、150℃で5分間加熱処理
を行った。冷却後、離型紙からフィルムを剥がし、常態
での引張り試験と耐久試験後の引っ張り試験を行った。
耐久試験として70℃98%RHの高温多湿下、14日
後の引っ張り強度、フェードメーターでの光照射40時
間後の引っ張り試験を行った。結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【発明の効果】本発明のブロックされたウレタンプレポ
リマーは、液状であるため塗工や注型等の加工の際に無
溶剤で使用することが可能であり、耐久性や機械的強度
に優れており、環境に優しいという大きな利点を有して
いる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J034 BA08 CA04 CA15 DA01 DB03 DF02 DF11 DF16 DF20 DF21 DG03 DG04 DG05 DH05 HA01 HA07 HC03 HC12 HC13 HC17 HC22 HC69 HD03 HD04 HD12 JA42

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリアルキレンエーテルジオール、ポリエ
    ステルジオール、ポリカーボネートジオールから選ばれ
    たジオール(1)にラクトンモノマー(2)を開環付加
    重合反応させて得られるラクトン変性ジオール(3)
    に、多官能イソシアネート(4)を反応させイソシアネ
    ート基を有するウレタンプレポリマー(5)とし、次い
    で該ウレタンプレポリマーにブロック化剤(6)を反応
    させることを特徴とする、イソシアネート基がブロック
    された液状ウレタンプレポリマーの製造方法。
  2. 【請求項2】ジオール(1)の数平均分子量が500〜
    2000で該ジオール100重量部にラクトンモノマー
    (2)10〜100重量部を開環付加重合反応させるこ
    とを特徴とする請求項1記載の液状ウレタンプレポリマ
    ーの製造方法。
  3. 【請求項3】ポリアルキレンエーテルジオールとして、
    テトラヒドロフランの単独又は共重合体を用いることを
    特徴とする請求項1又は2記載の液状ウレタンプレポリ
    マーの製造方法。
  4. 【請求項4】ポリエステルジオールとして、炭素数が2
    〜10のアルキレングリコールとアジピン酸からなるポ
    リエステルジオールを用いることを特徴とする請求項1
    又は2記載の液状ウレタンプレポリマーの製造方法。
  5. 【請求項5】ポリカーボネートジオールとして、炭素数
    が4〜10のアルキレングリコールを用いて得られるポ
    リカーボネートジオールを用いることを特徴とする請求
    項1又は2記載の液状ウレタンプレポリマーの製造方
    法。
  6. 【請求項6】ラクトンモノマー(2)として、ε−カプ
    ロラクトンを用いることを特徴とする請求項1〜5のい
    ずれか1項記載の液状ウレタンプレポリマーの製造方
    法。
  7. 【請求項7】多官能イソシアネート(4)として芳香族
    ポリイソシアネートを用いることを特徴とする請求項1
    〜6のいずれか記載の液状ウレタンプレポリマーの製造
    方法。
  8. 【請求項8】イソシアネート基のブロック化剤(5)と
    してメチルエチルケトオキシムを用いることを特徴とす
    る請求項1〜7のいずれか1項記載の液状ウレタンプレ
    ポリマーの製造方法。
  9. 【請求項9】請求項1〜8の液状ウレタンプレポリマー
    と、活性水素を2個以上有する化合物を含むことを特徴
    とする樹脂組成物。
  10. 【請求項10】活性水素を2個以上有する化合物がポリ
    アミンであることを特徴とする請求項9記載の樹脂組成
    物。
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