JP2003335837A - ポリエステルウレタン - Google Patents
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Abstract
た、極めて優れた生分解特性を有するポリエステルウレ
タンを提供することを課題とする。 【解決手段】 本発明の課題は、式(1)で表されるポ
リオキサレートジオール、ジイソシアネート、及び、鎖
延長剤を反応させて得られるポリエステルウレタンによ
り解決される。 【化1】 (式中、Rは、分岐構造又は脂環式構造を含んでいても
よい、炭素数3〜12のアルキレン基を表し、nはポリ
オキサレートの重合度を表す。)
Description
ルウレタン、詳しくは、加水分解特性に基づく優れた生
分解特性を有する新規なポリエステルウレタンに関す
る。このようなポリエステルウレタンは、成形品、フィ
ルムやシート、繊維などの生分解性材料として有用であ
る。
から得られるポリウレタン(ポリエステルウレタン)が
生分解特性を有することは既に知られている。例えば、
環状エステルモノマーの開環重合ポリエステルポリオー
ルであるポリカプロラクトンジオールを用いて生分解特
性を有するポリエステルウレタンが得られている〔Am
erican Chemical Soc. Sym
p. Series,433,136(1990)〕。
ールとの重縮合ポリエステルポリオールを用いることに
よっても生分解特性を有するポリエステルウレタンが得
られている。その例としては、ジカルボン酸として、ア
ジピン酸を用いたもの〔Appl.Microbio
l.,16,900(1968)〕、コハク酸を用いた
もの(特開平4−189822号公報、同5−1057
36号公報、同7−304839号公報、同7−330
879号公報など)、炭素数4〜12のジカルボン酸を
用いたもの(特開平5−287043号公報)、炭素数
4〜14のジカルボン酸を用いたもの(特開平5−70
579号公報)、炭素数が5以上のジカルボン酸を用い
たもの(特開平4−189823号公報)などが挙げら
れる。
ポリエステルウレタンは充分な生分解特性を有するもの
ではなく、生分解性材料として実用性に乏しいものであ
った。即ち、本発明は、公知技術が抱える問題点を解決
した、極めて優れた生分解特性を有するポリエステルウ
レタンを提供することを課題とする。
(1)で表されるポリオキサレートジオール、ジイソシ
アネート、及び、鎖延長剤を反応させて得られるポリエ
ステルウレタンにより解決される。
ジオールは、前記式(1)で表される、両末端が水酸基
のポリオキサレートである。そのアルキレン基Rは、炭
素数が3〜12(偶数又は奇数)で、直鎖構造のものに
限らず、分岐構造又は脂環式構造を含んでいるものであ
ってもよい。また、アルキレン基Rは一種であっても二
種以上含まれていても差し支えない。nはポリオキサレ
ートの重合度(アルキレンオキサレート単位の繰り返し
個数)を表し、数平均分子量に対応する。なお、ポリオ
キサレートジオールの数平均分子量は500〜500
0、特に1000〜3000であることが好ましい。
で表される脂肪族ジオールが有するアルキレン基が挙げ
られる。前記式(2)で表される脂肪族ジオールとして
は、例えば、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタ
ンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキ
サンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オ
クタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−
デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,
12−ドデカンジオール等の直鎖構造のもの、ネオペン
チルグリコール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタン
ジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2
−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、
2,2,4−トリメチル−1,3−プロパンジオール、
2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−エ
チル−1,3−ヘキサンジール等の分岐構造を含むも
の、trans−1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル、cis−1,4−シクロヘキサンジメタノール等の
脂環式構造を含むものなどが挙げられる。
酸ジエステルと脂肪族ジオールとのエステル交換反応を
伴う溶融重合によって得ることが好ましい。脂肪族ジオ
ールとしては、前記式(2)で表されるものが単独又は
複数で使用されるが、中でも、1,3−プロパンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオールが好ましい。また、シュ
ウ酸ジエステルとしては、シュウ酸ジメチル、シュウ酸
ジエチル、シュウ酸ジプロピル、シュウ酸ジブチル等の
シュウ酸ジアルキルや、シュウ酸ジフェニル等のシュウ
酸ジアリールが単独又は複数で使用されるが、中でもシ
ュウ酸ジメチルが好ましい。なお、脂肪族ジオールは、
シュウ酸ジエステルに対して1.01〜2倍モル、特に
1.05〜1.2倍モル用いることが好ましい。
力は目的物が得られる条件であれば特に制限されない
が、好ましくは、反応温度は120〜350℃、反応圧
力は1〜760mmHgの範囲である。また、エステル
交換反応で生成するアルコールは、反応を促進させるた
めに系外に抜き出すことが好ましい。そのためには、反
応器に蒸留塔を設けることが好ましく、更に不活性ガス
(窒素、ヘリウム、アルゴン等)流通下で反応させても
よい。また、温度や圧力を変動させてもよく、公知のエ
ステル交換触媒を添加することもできる。この触媒とし
ては、チタン、亜鉛、ゲルマニウム、鉄、スズ等の金属
の化合物が挙げられ、中でもチタンテトラアルコキシド
(特にチタンテトラブトキシド)が好ましい。触媒の添
加量及び添加時期は、反応を促進できる条件であれば特
に制限されない。
リオキサレートジオール、ジイソシアネート、及び、鎖
延長剤を反応させて(ポリウレタン化反応によって)得
られるものである。
は、脂肪族又は芳香族の各種ジイソシアネートが挙げら
れる。脂肪族ジイソシアネートは、そのアルキレン基
が、直鎖構造のものに限らず、分岐構造又は脂環式構造
を含んでいるものでもよく、酸素原子を含んでいるもの
でもよい。また、芳香族ジイソシアネートは、二価の芳
香族炭化水素基を分子中に含むものであれば、特に制限
されない。
ば、1,3−トリメチレンジイソシアネート、1,4−
テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチ
レンジイソシアネート、1,9−ノナメチレンジイソシ
アネート、1,10−デカメチレンジイソシアネート、
1,12−ドデカメチレンジイソシアネート、ヘキサメ
チレンジイソシアネート−ビウレット体や、2,2,4
−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,
4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、
イソホロンジイソシアネートや、1,4−シクロヘキサ
ンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタ
ンジイソシアネート、水添化キシリレンジイソシアネー
トや、2,2’−ジエチルエーテルジイソシアネートな
どが挙げられる。
ば、p−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソ
シアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−
ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイ
ソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシア
ネート(MDI)、3,3’−メチレンジトリレン−
4,4’−ジイソシアネート、トリレンジソシアネート
トリメチロールプロパンアダクト、トリフェニルメタン
トリイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジ
イソシアネート、テトラクロロフェニレンジイソシアネ
ート、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート、トリイソシアネートフェニルチオ
ホスフェート等が挙げられる。
フェニルメタンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチ
レンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートが
好ましいが、中でも4,4’−ジフェニルメタンジイソ
シアネートが最も好ましい。ジイソシソシアネートは単
独又は複数で使用される。
ソシアネート基と反応する水素原子を少なくとも2個有
する低分子化合物が挙げられる。このような化合物に
は、ポリオール、ポリアミン等があり、具体的には、エ
チレングリコール、1,2−プロピレングリコール、
1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、
1,5−ペンタンジオール、1.6−ヘキサンジオー
ル、1.8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオー
ル、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジ
オール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5
−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、
1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキ
サンジメタノール、1,4−ジヒドロキシエチルシクロ
ヘキサン等の脂肪族ジオールや、
アミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、イソホロン
ジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、
ピペラジン、メタ(又はパラ)キシリレンジアミン等の
脂肪族又は芳香族ジアミンが挙げられる。
ジエタノールアミン、N−フェニルジプロパノールアミ
ン等の脂肪族又は芳香族アミノアルコールや、ヒドロキ
シエチルスルファミド、ヒドロキシエチルアミノエチル
スルファミド等のヒドロキシアルキルスルファミドや、
尿素、水なども鎖延長剤として挙げられる。これら鎖延
長剤の中では、1,4−ブタンジオール、1,2−プロ
ピレンジアミンが特に好ましい。鎖延長剤は単独でも複
数でも使用できる。
ができ、また、イソシアネート基に対して不活性な溶剤
の存在下でも行うことができる。無溶剤下の反応の場
合、ポリオキサレートジオールと鎖延長剤を混合し、こ
れにジイソシアネートを混合して全量を一度に反応させ
るか、或いは、ポリオキサレートジオールとジイソシア
ナートを反応させてイソシアネート基を有するプレポリ
マーを得た後、これに鎖延長剤を混合・反応させるか、
或いは、ポリオキサレートジオールと鎖延長剤を混合
し、これにジイソシアネートの一部を混合・反応させて
水酸基を有するプレポリマーを得た後、更に残余のジイ
ソシアネートを混合・反応させることによって、ポリウ
レタン化反応を行うことができる。無溶剤下の場合の好
ましい反応温度は80〜150℃である。プレポリマー
を経由する場合、低分子量のプレポリマーが得られるの
で、加熱して高分子量のものとする。
トジオールを溶剤に溶解し、更に鎖延長剤を混合した
後、これにジイソシアネートを混合して全量を一度に反
応させるか、或いは、ポリオキサレートジオールを溶剤
に溶解し、これにジイソシアナートを混合・反応させて
イソシアネート基を有するプレポリマーを得た後、これ
に鎖延長剤を混合・反応させるか、或いは、ポリオキサ
レートジオールを溶剤に溶解し、これに鎖延長剤とジイ
ソシアナートの一部を混合・反応させて水酸基を有する
プレポリマーを得た後、更に残余のジイソシアネートを
混合・反応させることによって、ポリウレタン化反応を
行うことができる。溶剤存在下の場合の好ましい反応温
度は20〜100℃である。溶剤としては、メチルエチ
ルケトン、酢酸エチル、トルエン、ジオキサン、ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどが代表的な
ものである。
レートジオールと鎖延長剤の使用割合は、一般的には、
前者1モルに対して後者が0.1〜10モルの範囲であ
ることが好ましい。これらの使用量は目的とするポリエ
ステルウレタンの物性により適宜決定される。また、ジ
イソシアネートの使用量は、ポリオキサレートジオール
と鎖延長剤の合計量とほぼ等モルであることが好まし
い。具体的には、ポリオキサレートジオール及び鎖延長
剤に含まれる活性水素の合計量:イソシアネート基が、
当量比で1:0.8〜1:1.2、更には1:0.95
〜1:1.05になるようにジイソシアネートを使用す
ることが好ましい。本発明のポリエステルウレタンで
は、ポリオキサレートジオール:鎖延長剤:ジイソシア
ネート(モル比)が1:0.5:1.5〜1:6:7
(特に1:1:2〜1:3:4)の範囲で反応させて得
られるものが更に好ましい。なお、ポリウレタン化反応
においては、反応促進のため、公知のアミン系又はスズ
系の触媒を使用してもよい。
テルウレタンは、数平均分子量が10000〜2000
00程度であることが好ましく、分子末端は水酸基又は
イソシアネート基のどちらでもよい。そして、本発明の
ポリエステルウレタンは、イソシアネート基と反応する
水素原子を少なくとも2個有する化合物、或いはイソシ
アネート基を少なくとも2個有する化合物と更に反応さ
せることによって、高分子量化又は網状化することがで
きる。また、ウレタン結合及び/又はウレア結合を有す
る化合物、或いはイソシアネート基と反応する水素原子
を少なくとも3個有する化合物と反応させることによっ
て、架橋構造を導入することもできる。
は、本発明の効果を損なわない範囲で公知の各種添加剤
や他の重合体を配合しても差し支えない。配合できる添
加剤としては、結晶核剤、顔料、染料、耐熱剤、着色防
止剤、酸化防止剤、耐候剤、滑剤、帯電防止剤、安定
剤、充填剤(タルク、クレイ、ゼオライト、ゾノトライ
ト、炭酸カルシウム、カーボンブラック、シリカ粉末、
アルミナ粉末、酸化チタン粉末等)、強化材(ガラス繊
維、炭素繊維、シリカ繊維等)、難燃剤、可塑剤、防水
剤(ワックス、シリコンオイル、高級アルコール、ラノ
リン等)などが挙げられる。
高分子材料であればよく、例えば、ポリカプロラクト
ン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリコハク酸エステ
ル、ポリ(3−ヒドロキシブタン酸)、(3−ヒドロキ
シブタン酸/4−ヒドロキシブタン酸)コポリマー、ポ
リビニルアルコール、ポリエチレン、ポリ酢酸ビニル、
ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリグルタミン酸エス
テル、酢酸セルロース、アルギン酸、キトサン、澱粉な
どのプラスチック材料や、天然ゴム、ポリエステルゴ
ム、ポリアミドゴム、スチレン−ブタジエン−スチレン
ブロック共重合体(SBS)、水添SBSなどのゴム又
はエラストマーが挙げられる。これらは単独又は複数で
配合することができる。
形、押出成形、プレス成形、中空成形、熱成形等、公知
の溶融加工法を適用して、フィルム、シート、繊維、不
織布、容器、各種農・産業資材及び部材などの成形物に
することができる。この成形物は良好な生分解性を有す
る。
具体的に説明する。なお、ポリオキサレートジオールの
物性は下記1〜5の方法により、ポリエステルウレタン
の物性は下記6〜10の方法によりそれぞれ測定した。
g)):JIS−K1557に準拠して分析し、次式に
より算出した。但し、式中、Sは試料採取量(g)、A
は試料の滴定に要した0.5N水酸化ナトリウム溶液の
量(ml)、Bは空試験に要した0.5N水酸化ナトリ
ウム溶液の量(ml)、fは0.5N水酸化ナトリウム
溶液のファクターを表す。 OH価(mgKOH/g)=28.05(B−A)f/
S
出した。 Mn=112200/OH価
(DSC−50;島津製作所製)を用いて、窒素ガス雰
囲気中、昇温速度10℃/分の条件で測定した。
(東京計器製)を用いて測定した。
マトグラフ(HLC−802A;東ソー製)を用いて、
次の条件で測定した。 カラム:Shodex OHpak SB−G(1本)
+Shodex OHpak SB−806MHQ(2
本) 溶媒:ジメチルホルムアミド 温度:40℃
走査熱量計(DSC−50;島津製作所製)を用いて、
窒素ガス雰囲気中、昇温速度10℃/分の条件で測定し
た。
い、引張試験機(テンシロンUCT−5T;オリエンテ
ック製)を用いて、23℃、50%RHにおいて測定
し、初期弾性率、引張強さ、破断伸びを求めた。
した後、引張特性を前記のように測定した。
コンを5メッシュ以下に粉砕したもの)中に埋設し、1
週間ごとに取出して重量変化と外観変化を観察した。
蒸留塔(分留管、還流ヘッド、コンデンサーを塔頂部に
備える)を装着した内容積1L(リットル)のガラス製
反応器に、シュウ酸ジメチル(DMO;277.4g;
2.35モル)、1,3−プロパンジオール(PDL;
234.4g;3.08モル)、テトラ−n−ブトキシ
チタン(TBT;0.026g;DMOとPDLの合計
量に対して重量基準で50ppm)を仕込み、常圧下、
160〜180℃で6時間反応させてメタノールを留出
させ、更に、100mmHg、180℃で6時間反応さ
せてメタノールを留出させた。次いで、190〜200
℃の範囲に昇温すると共に30〜3.5mmHgの範囲
に減圧して、6時間反応させてPDLを抜き出した。最
後に、反応物にリン酸ジブチル(0.022g)を加
え、常圧下、95℃で3時間攪拌して触媒を失活させ
た。得られたポリオキサレートジオール(PTMOD−
1;ポリトリメチレンオキサレートジオール)は、OH
価が34.4mgKOH/gで、Mnが3260であっ
た。その他の物性を表1に示す。
温度計、冷却管を装着した内容積1Lのガラス製反応器
中で、上記PTMOD−1(50g;0.0153モ
ル)と4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(M
DI;7.68g;0.0306モル)を、窒素雰囲気
下、90℃で2時間反応させた後、室温まで放置冷却
し、ジメチルホルムアミド(DMF;127g)に完全
に溶解させた。次に、この溶液を室温まで冷却して、D
MF(10g)に溶解させた1,2−プロピレンジアミ
ン(PDA;1.14g;0.0153モル)を加え
て、激しく攪拌しながら2.5時間反応させた。続い
て、60℃まで昇温して少しずつMDIを加えながら反
応させ、粘度(40℃)が68.9Pa・secになっ
た段階で反応を終了させた。
エステルウレタン濃度を28重量%に調整し、得られた
溶液(ポリエステルウレタン溶液)を離型性のあるガラ
ス板にキャストして、70℃で1時間、次いで120℃
で2時間乾燥して約200μmのフィルムを得た。この
フィルムを用いてポリエステルウレタンの物性を評価し
た結果を表2及び3に示す。
たPTMOD−1(150g;0.0460モル;但
し、リン酸ジブチルによる触媒失活を行っていない)
に、PDL(2.1g;0.0276モル)を加え、1
00mmHg、180℃で4時間反応させて、実施例1
と同様に触媒を失活させた。得られたポリオキサレート
ジオール(PTMOD−2;ポリトリメチレンオキサレ
ートジオール)は、OH価が52.0mgKOH/g
で、Mnが2156であった。その他の物性を表1に示
す。
MOD−2(50g;0.0232モル)とMDI(1
1.61g;0.0464モル)を実施例1と同様に反
応させて、DMF(138g)に完全に溶解させた。次
に、この溶液を3℃に冷却して、DMF(10g)に溶
解させたPDA(1.71g;0.0232モル)を加
え、激しく攪拌しながら5分間反応させた。続いて、室
温まで昇温して少しずつMDIを加えながら反応させ、
粘度(40℃)が54.2Pa・secになった段階で
反応を終了させた。
エステルウレタン濃度を27重量%に調整し、以下、実
施例1と同様に約200μmのフィルムを得て、ポリエ
ステルウレタンの物性を評価した。その結果を表2及び
3に示す。
反応器に、DMO(372.0g;3.15モル)、
1,6−ヘキサンジオール(HDL;531.8g;
4.50モル)、TBT(0.027g;DMOとHD
Lの合計量に対して重量基準で30ppm)を仕込み、
常圧下、160℃で3時間反応させてメタノールを留出
させ、更に、300mmHg、170℃で1時間反応さ
せてメタノールを留出させた。次いで、180℃に昇温
すると共に100mmHgに減圧して5時間、更に5m
mHgで2時間反応させた。最後に、反応物にTBTと
等モル量のリン酸ジブチルを加え、常圧下、95℃で3
時間攪拌して触媒を失活させた。得られたポリオキサレ
ートジオール(PHMOD;ポリヘキサメチレンオキサ
レートジオール)は、OH価が53.7mgKOH/g
で、Mnが2089であった。その他の物性を表1に示
す。
MOD(40g;0.0191モル)とMDI(9.5
8g;0.0383モル)を、窒素雰囲気下、95℃で
2時間反応させた後、室温まで冷却してDMF(109
g)に完全に溶解させた。次に、この溶液を3℃に冷却
して、DMF(10g)に溶解させたPDA(1.42
g;0.0191モル)を加え、激しく攪拌しながら5
分間反応させた。続いて、60℃まで昇温して少しずつ
MDIを加えながら反応させ、粘度(40℃)が69.
8Pa・secになった段階で反応を終了させた。
エステルウレタン濃度を29重量%に調整し、以下、実
施例1と同様に約200μmのフィルムを得て、ポリエ
ステルウレタンの物性を評価した。その結果を表2及び
3に示す。
g;0.0191モル)とMDI(9.58g;0.0
383モル)を実施例1と同様に反応させて、DMF
(109g)に完全に溶解させた。次に、この溶液を3
℃に冷却して、DMF(10g)に溶解させたPDA
(1.42g;0.0191モル)を加え、激しく攪拌
しながら5分間反応させた。続いて、室温まで昇温して
少しずつMDIを加えながら反応させ、粘度(40℃)
が101Pa・secになった段階で反応を終了させ
た。
エステルウレタン濃度を23重量%に調整し、以下、実
施例1と同様に約200μmのフィルムを得て、ポリエ
ステルウレタンの物性を評価した。その結果を表2及び
3に示す。
オール(50g;0.0252モル)とMDI(12.
6g;0.0504モル)を、窒素雰囲気下、80℃で
2時間反応させた後、室温まで放置冷却し、DMF(1
30g)に完全に溶解させた。次に、この溶液に、DM
F(10g)に溶解させたn−ブチルアミン(0.18
g;0.0025モル)を加えて1時間反応させた後、
3℃に冷却して、DMF(10g)に溶解させたPDA
(1.77g;0.0239モル)を加え、激しく攪拌
しながら5分間反応させた。引き続き、室温まで昇温し
て反応を続け、粘度(40℃)が77.6Pa・sec
になった段階で反応を終了させた。
エステルウレタン濃度を25重量%に調整し、以下、実
施例1と同様に約200μmのフィルムを得て、ポリエ
ステルウレタンの物性を評価した。その結果を表2及び
3に示す。なお、ポリカプロラクトンジオールは、ダイ
セル化学工業製プラクセル200(Mn:1986、T
m:54℃)を用いた。
トジオール(50g;0.0244モル)とMDI(1
2.23g;0.0489モル)を、窒素雰囲気下、8
0℃で3時間反応させた後、室温まで放置冷却し、DM
F(139g)に完全に溶解させた。次に、この溶液を
3℃に冷却して、DMF(10g)に溶解させたPDA
(1.81g;0.0245モル)を加え、激しく攪拌
しながら5分間反応させた。続いて、50℃まで昇温し
て少しずつMDIを加えながら反応させて、粘度(40
℃)が89.2Pa・secになった段階で反応を終了
させた。
エステルウレタン濃度を28重量%に調整し、以下、実
施例1と同様に約200μmのフィルムを得て、ポリエ
ステルウレタンの物性を評価した。その結果を表2及び
3に示す。なお、ポリエチレンアジペートジオールは、
日本ポリウレタン工業製ニッポラン4040(Mn:2
047、Tm:53℃)を用いた。
トジオール(50g;0.0243モル)とMDI(1
2.18g;0.0487モル)を、窒素雰囲気下、8
0℃で2時間反応させた後、室温まで放置冷却し、DM
F(139g)に完全に溶解させた。次に、この溶液を
3℃に冷却して、DMF(10g)に溶解させたPDA
(1.80g;0.0243モル)を加え、激しく攪拌
しながら5分間反応させた。引き続き、50℃まで昇温
して反応を続け、粘度(40℃)が93.3Pa・se
cになった段階で反応を終了させた。
エステルウレタン濃度を24重量%に調整し、以下、実
施例1と同様に約200μmのフィルムを得て、ポリエ
ステルウレタンの物性を評価した。その結果を表2及び
3に示す。なお、ポリブチレンアジペートジオールは、
日本ポリウレタン工業製ニッポラン4010(Mn:2
055、Tm:55℃)を用いた。
うに、本発明のポリエステルウレタンは、加水分解特性
に基づく優れた生分解特性を有するものである。即ち、
公知のポリエステルウレタンが充分な生分解特性を有し
ているものではなく、生分解性材料として実用性に乏し
いものであったところ、本発明により、公知技術が抱え
る問題点を解決した、極めて優れた生分解特性を有する
ポリエステルウレタンを提供することができる。従っ
て、本発明のポリエステルウレタンは、成形品、フィル
ムやシート、繊維などの生分解性材料として非常に有用
である。
Claims (7)
- 【請求項1】 式(1)で表されるポリオキサレートジ
オール、ジイソシアネート、及び、鎖延長剤を反応させ
て得られるポリエステルウレタン。 【化1】 (式中、Rは、分岐構造又は脂環式構造を含んでいても
よい、炭素数3〜12のアルキレン基を表し、nはポリ
オキサレートの重合度を表す。) - 【請求項2】 ポリオキサレートジオール:鎖延長剤:
ジイソシアネート(モル比)が1:0.5:1.5〜
1:6:7の範囲である、請求項1記載のポリエステル
ウレタン。 - 【請求項3】 ポリオキサレートジオールの数平均分子
量が500〜5000である、請求項1又は2記載のポ
リエステルウレタン。 - 【請求項4】 ポリオキサレートジオールがシュウ酸ジ
エステルと式(2)で表される脂肪族ジオールとのエス
テル交換反応を伴う溶融重合によって得られるものであ
る、請求項1記載のポリエステルウレタン。 【化2】 (式中、Rは前記と同様である。) - 【請求項5】 シュウ酸ジエステルがシュウ酸ジメチル
で、脂肪族ジオールが1,3−プロパンジオール又は
1,6−ヘキサンジオールである、請求項4記載のポリ
エステルウレタン。 - 【請求項6】 ジイシシアネートが4,4’−ジフェニ
ルメタンジイソシアネートである、請求項1記載のポリ
エステルウレタン。 - 【請求項7】 鎖延長剤が1,4−ブタンジオール又は
1,2−プロピレンジアミンである、請求項1記載のポ
リエステルウレタン。
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---|---|---|---|
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Country | Link |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
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- 2002-05-22 JP JP2002147114A patent/JP2003335837A/ja active Pending
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