JP2004352800A - 熱可塑性ポリウレタン樹脂の製造方法 - Google Patents

熱可塑性ポリウレタン樹脂の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】製造工程が簡略化され、耐久性・安全性に優れ、環境負荷の少ない熱可塑性ポリウレタン樹脂の製造方法を提供する。
【解決手段】(A)チタン系触媒含有ポリカーボネートジオール、(B)鎖延長剤、(C)有機ジイソシアネートを反応させる熱可塑性ポリウレタン樹脂の製造方法において、(A)が触媒毒を含有しないものであり、ウレタン化反応の際、反応系内中のチタン系触媒の含有量が10〜500ppmであって、あらためてウレタン化触媒を追加しないこと、を特徴とする熱可塑性ポリウレタン樹脂の製造方法により解決する。
【選択図】 なし。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性ポリウレタン樹脂の製造方法に関する。樹脂中に残存する触媒が少なく、耐久性・安全性に優れた熱可塑性ポリウレタン樹脂の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリカーボネートジオールは低分子カーボネートと低分子グリコールをエステル交換触媒の存在下でエステル交換反応させることにより製造されるが、通常は、失活処理を施さない限り、エステル交換触媒を活性な状態で含有している。
【0003】
このエステル交換触媒は、ポリカーボネートジオールとイソシアネート化合物によるウレタン化反応も促進することから、エステル交換触媒を失活させないで得られるポリカーボネートジオール(エステル交換触媒含有ポリカーボネートジオール)は、ウレタン化反応を進めるには好都合である。
【0004】
しかしながら、このようなポリカーボネートジオールを使用してウレタン化反応を実施する場合には、反応後期に反応性が著しく低下する、反応スケールが大きくなると急激な発熱を引き起こす等の反応制御が困難又は煩雑になる、あるいは反応中に反応物がゲル化する等の問題が生じる等の問題が生じていた。また、残存する触媒量が多いので、得られるポリウレタン樹脂の耐久性等に悪影響を及ぼすことになる。
【0005】
このような問題を解決するため、特許文献1では水でエステル交換触媒をあらかじめ失活させ、その後、ウレタン化反応の際に新たにウレタン化触媒を加えてポリカーボネートジオールのウレタン化反応性を調節するという方法が示されている。また、特許文献2では、ポリカーボネートジオール中に含有されるエステル交換触媒を亜リン酸トリエステルの存在下で加熱処理するという方法が示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開昭64−1724号公報
【特許文献2】
特開2002−30143号公報
【0007】
しかしながら、特許文献1のような、得られたポリカーボネートポリオール中に含有する触媒を失活させる方法では、ウレタン化反応の際の活性が不十分である。このため、反応温度を高くするか、ウレタン化触媒を更に追加する必要がある。また、特許文献2のような有機リン系化合物を添加する方法は、得られたポリウレタン樹脂から有機リン系化合物がブリードし、環境に負荷を与える可能性がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記問題に鑑み、製造工程が簡略化され、耐久性・安全性に優れ、環境負荷の少ない熱可塑性ポリウレタン樹脂の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は鋭意研究検討した結果、ウレタン化反応の際に系中の存在量を特定範囲になるように特定の触媒を用いたポリカーボネートジオールを用いることで、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】
すなわち本発明は、(A)チタン系触媒含有ポリカーボネートジオール、(B)鎖延長剤、(C)有機ジイソシアネートを反応させる熱可塑性ポリウレタン樹脂の製造方法において、(A)が触媒毒を含有しないものであり、ウレタン化反応の際、反応系内中のチタン系触媒の含有量が10〜500ppmであって、あらためてウレタン化触媒を追加しないこと、を特徴とする熱可塑性ポリウレタン樹脂の製造方法である。
【0011】
また本発明は、(C)がヘキサメチレンジイソシアネートであることを特徴とする、前記の製造方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明で使用される、(A)チタン系触媒含有ポリカーボネートジオールは、低分子カーボネートと低分子グリコールをチタン系触媒の存在下でエステル交換反応させて得られるものである。
【0013】
(A)には、低分子カーボネートと低分子グリコールのエステル交換反応に用いられたチタン系触媒がそのまま含有されている。(A)中のチタン系触媒の含有量は、20〜1,000ppmが好ましい。また、水分はチタン系触媒と反応して触媒活性を失活させるため、水分含有量は500ppm以下が好ましい。
【0014】
前記チタン系触媒としては、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタン、テトラフェノキシチタン等の炭素数4〜40のアルコキシ又はアリールオキシチタン化合物、テトラステアリルチタネート等のチタン酸エステル等が挙げられる。これらは、単独あるいは併用して用いられる。
【0015】
本発明において、触媒にチタン系化合物を採用した理由は、触媒活性に優れていること、生体適合性があること等である。
【0016】
低分子カーボネートとしては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート等の炭素数1〜10のアルキル基を含有するジアルキルカーボネートや、ジベンジルカーボネート等の炭素数7〜10のアラルキル基を含有するジアラルキルカーボネートや、ジフェニルカーボネート等の炭素数6〜10のアリール基を含有するジアリールカーボネートや、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の炭素数2〜10のアルキレン基を含有するアルキレンカーボネート等が挙げられる。
【0017】
低分子カーボネートは前記エステル交換反応において単独で使用しても複数で使用してもよいが、後述する低分子グリコール1モルに対して0.5〜1.5モルの割合で使用することが好ましい。なお、低分子カーボネートはこの化合物に由来する副生アルコールを効率よく抜き出せるものを適宜選択することが好ましい。
【0018】
低分子グリコールとしては、炭素数3〜25のアルキレン基(低分子グリコールの残基)の両端に水酸基を有するグリコール(脂肪族ジオール)が好ましい。このアルキレン基は各種異性体を含み、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基、炭素数6〜12のアリール基を置換基として少なくとも1つ有していてもよい。また、アルキレン基の炭素鎖が少なくとも1つのエーテル結合を含んでいてもよく、脂環式構造を含んでいてもよい。なお、低分子グリコールは単独で使用しても複数で使用しても差し支えない。
【0019】
低分子グリコールとしては、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,20−エイコサンジオール等や、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,4−ヘプタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール等のアルキレン基が異性体であるか又はアルキル基を置換基として有しているものや、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、2,7−ノルボルナンジオール、2,2’−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジエタノール等のアルキレン基の炭素鎖が脂環式構造を含むものや、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のアルキレン基の炭素鎖がエーテル結合を含むものや、テトラヒドロフランジメタノール、1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)シクロヘキサン等のアルキレン基の炭素鎖が脂環式構造とエーテル結合を含むもの等が挙げられる。
【0020】
なお、前記低分子グリコールには、p−キシレンジオール、p−テトラクロロキシレンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、2,2−ビス〔(4−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパン等の芳香環をもつ低分子グリコールや、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール等のポリオール化合物が、単独又は複数で、全低分子グリコールに対して25質量%以下、更には20質量%以下、特に15質量%以下の割合で含まれていてもよい。
【0021】
前記エステル交換反応は、公知の方法に従って、1段階、2段階、又は3段階で行うことができる。例えば、蒸留装置(蒸留塔等)を備えた反応器を用いて、チタン系触媒の存在下、副生するアルコールを蒸留で抜き出しながら、低分子カーボネートと低分子グリコールをアルコールがほとんど留出しなくなるまで反応させて、ポリカーボネートジオールを1段階で生成させてもよい。このとき、低分子カーボネートは最初に全量を仕込んでもよく、連続的又は逐次的に低分子グリコールに添加してもよい。
【0022】
また、必要に応じて((数平均)分子量を調節するため)、前記チタン系触媒をそのまま存在させ、副生する低分子グリコールを同様に抜き出しながら、1段階で生成したポリカーボネートジオールを更に分子間で縮重合反応させて、目的分子量のポリカーボネートジオールを2段階で生成させてもよい。なお、本発明では、この場合の縮重合反応も含めて反応全体としてエステル交換反応として扱う。
【0023】
また、必要に応じて((数平均)分子量を調節するため)、1段階で生成したポリカーボネートジオールに低分子グリコールを添加して、前記チタン系触媒をそのまま存在させ、そのポリカーボネートジオールと低分子グリコールを更にエステル交換反応させて、目的分子量のポリカーボネートジオールを2段階で生成させてもよい。また、前記の縮重合反応を含む2段階で生成したポリカーボネートジオールに低分子グリコールを添加して更にエステル交換反応させて、目的分子量のポリカーボネートジオールを3段階で生成させてもよい。
【0024】
エステル交換反応を1段階で行う場合、反応温度は100〜210℃であることが好ましく、反応圧力は特に制限されないが、常圧又は5〜100kPaの減圧とすることが好ましい。但し、反応温度及び反応圧力は、副生するアルコールが留出する条件で、かつ低分子グリコールが実質的に留出しない条件とすることが好ましい。なお、反応は、空気、炭酸ガス、もしくは不活性ガス(窒素、アルゴン、ヘリウム等)の雰囲気下又は気流中で行うことができるが、不活性ガス雰囲気下又は気流中で行うことが好ましい。
【0025】
生成したポリカーボネートジオールを更に分子間で縮重合反応させることによってエステル交換反応を2段階で行う場合、反応温度は150〜240℃、更には150〜230℃とすることが好ましく、反応圧力は0.01〜10kPa程度の減圧とすることが好ましい。触媒は前記チタン系触媒をそのまま用いることができる。副生する低分子グリコールは蒸留で抜き出すことが好ましく、反応雰囲気等は前記と同様であることが好ましい。抜き出された低分子グリコールは低分子カーボネートとのエステル交換反応に再使用できる。
【0026】
また、生成したポリカーボネートジオールに低分子グリコールを添加して更にエステル交換反応させることによってエステル交換反応を2段階又は3段階で行う場合、反応温度・反応圧力等の反応条件は前記のエステル交換反応を1段階で行う場合と同様である。
【0027】
エステル交換反応を、1段階、2段階、又は3段階で終了させた後、反応液をそのまま冷却すれば、チタン系触媒含有ポリカーボネートジオールを得ることができる。このチタン系触媒含有ポリカーボネートジオールは、分子末端が実質的に水酸基となっている。
【0028】
本発明においては、必要に応じて(A)チタン系触媒含有ポリカーボネートジオールの一部を(A)以外のポリオール、例えばポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエーテル・エステルポリオール、ポリオレフィンポリオール等に置き換えて使用してもよい。
【0029】
本発明で使用される(B)鎖延長剤は、基本的には前述の(A)チタン系触媒含有ポリカーボネートジオールを得るのに用いられる低分子ポリオールが用いられる。得られる熱可塑性ポリウレタン樹脂の物性や生産性を考慮すると、1,4−ブタンジオールが好ましい。
【0030】
その他必要に応じて、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン等の低分子ポリアミンや、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の低分子アミノアルコールを併用してもよい。
【0031】
本発明で使用される(C)有機ジイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシレン−1,4−ジイソシアネート、キシレン−1,3−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,4′−ジイソシアネート、2,2′−ジフェニルプロパン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルプロパンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、3,3′−ジメトキシジフェニル−4,4′−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート、及び前記イソシアネートのビウレット体、ダイマー体、トリマー体、ダイマー・トリマー体、カルボジイミド体、ウレトンイミン体、2官能以上のポリオール等と前記イソシアネートとの反応で得られるアダクト体が適当である。これらは1種類又は2種類以上の混合物として使用できる。生産性や得られるポリウレタン樹脂の耐候性等を考慮すると、本発明で好ましい有機ジイソシアネートはヘキサメチレンジイソシアネートである。
【0032】
本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂の具体的製造方法は、例えば(A)チタン系触媒含有ポリカーボネートジオール、(B)鎖延長剤及び(C)有機ジイソシアネートを混合攪拌し、粘度が上昇した時点でバットに移して熟成させる方法、(A)、(B)及び(C)をニーダー機に仕込み、十分反応するまで混練反応させる方法、あるいは前記(A)及び(B)をあらかじめ混合しておき、この混合液と(C)を1軸又は2軸押出機中で混練反応させ、又は(A)〜(C)をそれぞれ単独で押出機に吐出し、混合・反応させて、その後、紐状に押出し、水中で固体化する方法が挙げられる。更には、(A)と(B)を有機溶剤(良溶媒)に溶解させてから、この溶液に(C)を仕込んで反応させる方法、(A)を有機溶剤(貧溶媒)に分散させてから、この溶液に(C)を仕込んで反応させ、その後(B)を仕込んで反応させる方法が挙げられる。本発明で好ましい方法は、1軸又は2軸押出機中で混練反応させる方法である。
【0033】
いずれの反応方法においても、本発明では、ウレタン化反応の際、あらためていわゆるウレタン化触媒を添加しないことが肝要である。確かにウレタン化触媒を用いると反応時間の短縮につながる。しかし反応触媒は同時に分解触媒でもあるので、ウレタン化触媒をあらためて用いると得られる熱可塑性ポリウレタン樹脂の耐水性や耐熱性が低下しやすい。また、反応制御が困難になる場合がある。
【0034】
1軸又は2軸押出機中で混練反応させる方法においては、(A)と(B)をあらかじめ混合し加温しておく。温度は、60〜100℃が好ましい。また、押出機中でのウレタン化反応温度は、150〜250℃が好ましい。
【0035】
このようにして得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂は、押出し成形、射出成形、吹込み成形、スプレー成形、注入成形、カレンダー加工、ロール加工、プレス加工、遠心成形、回転成形等の成形方法によって成形され、各種成形品に加工される。
【0036】
本発明によって得られる熱可塑性ポリウレタン樹脂は、必要に応じて他の樹脂とブレンドして使用してもよい。他の樹脂として例えば、ABSポリマー、SANポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリアセタール、ナイロン、ポリエステル、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、アミノ樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
【0037】
本発明によって得られる熱可塑性ポリウレタン樹脂は、必要に応じて添加剤、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐熱性向上剤、着色剤、無機及び有機充填剤、ブロッキング防止剤、可塑剤、界面活性剤、滑剤、帯電防止剤、導電剤、補強材、ブロックイソシアネート等の架橋剤等を添加してもよい。
【0038】
本発明によって得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂の重量平均分子量は、5,000〜1,000,000であり、好ましくは10,000〜500,000である。数平均分子量が下限未満の場合は、強度が不十分となりやすい。上限を越える場合は、成形性が低下しやすい。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)のポリスチレン換算による。
【0039】
本発明によって得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂の用途としては、例えば、ゴルフボールのインナーやカバー部、繊維、フィルム、シート、ホース、チューブ、ロール、合成皮革、靴底、各種工業部品(ベルト等)、自動車部品(ダストカバー、パッキング)、磁気記録媒体用結着剤、カテーテル等の医療器具、ゴム製品等に使用できる。
【0040】
【実施例】
本発明について、実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。各合成例、実施例及び比較例において、「%」は全て「質量%」を意味する。
【0041】
<チタン系触媒含有ポリカーボネートジオールの合成>
合成例1
攪拌機、窒素導入管、冷却管を備えた容量:3,000mlの反応器に、ジエチルカーボネートを1445.5g、3−メチル−1,5−ペンタンジオールを1681.5g仕込み、180〜190℃にて常圧下で脱エタノール反応させた。エタノールの留出速度が遅くなったところで、テトラブトキシチタンを0.18g仕込んだ後、減圧を開始して更に反応を進めた。なお、減圧は徐々に行い、最終的には0.5kPaまで行った。NMRで末端エチル基が確認できなくなったところで反応を終了し、チタン系触媒含有ポリカーボネートジオールPCD−1を得た。PCD−1の数平均分子量は1,000、水酸基価は112.2mgKOH/g、チタン系触媒含有量は60ppm、水分含有量は150ppmであった。
【0042】
合成例2
合成例1と同様な反応器に、ジエチルカーボネートを1445.5g、1,6−ヘキサンジオールを1681.5g仕込み、180〜190℃にて常圧下で脱エタノール反応させた。エタノールの留出速度が遅くなったところで、テトラブトキシチタンを0.18g仕込んだ後、減圧を開始して更に反応を進めた。なお、減圧は徐々に行い、最終的には0.5kPaまで行った。NMRで末端エチル基が確認できなくなったところで反応を終了し、チタン系触媒含有ポリカーボネートジオールPCD−2を得た。PCD−2の数平均分子量は1,000、水酸基価は112.2mgKOH/g、チタン系触媒含有量は60ppm、水分含有量は100ppmであった。
【0043】
合成例3
合成例1と同様な反応器に、ジエチルカーボネートを1445.5g、1,6−ヘキサンジオールを1681.5g仕込み、180〜190℃にて常圧下で脱エタノール反応させた。エタノールの留出速度が遅くなったところで、テトラブトキシチタンを0.18g仕込んだ後、減圧を開始して更に反応を進めた。なお、減圧は徐々に行い、最終的には0.5kPaまで行った。NMRで末端エチル基が確認できなくなったところで、ジブチルアシッドホスフェートを1.2g仕込んで反応を終了し、チタン系触媒含有ポリカーボネートジオールPCD−3を得た。PCD−3の数平均分子量は1,000、水酸基価は112.2mgKOH/g、チタン系触媒含有量は60ppm、リン系化合物含有量は400ppm、水分含有量は100ppmであった。
【0044】
実施例1
押出機のホッパー付近温度170℃、中間部180℃、先端部200℃に温度調節した2軸押出機(東芝機械製:TEM−50)を使用し、あらかじめ、PCD−1/1,4−BD=874.1/125.9(質量比)の割合で混合した混合ポリオール液とHDIを、それぞれ流量が混合ポリオール液:72.47g/min、HDI:27.53g/minとなる量を、2軸押出機のホッパー口から定量的に供給し、スクリュー回転数200rpmにて、押出機のシリンダー系内でウレタン化反応を行い、押出機先端部に取り付けたストランドダイにて吐出させ熱可塑性ポリウレタン樹脂TPU−1を得た。結果を表1に示す。
【0045】
実施例2〜3
実施例1と同様な手順で、表1に示す配合で熱可塑性ポリウレタン樹脂TPU−2〜3を得た。結果を表1に示す。
【0046】
比較例1
押出機のホッパー付近温度170℃、中間部180℃、先端部200℃に温度調節した2軸押出機(東芝機械製:TEM−50)を使用し、あらかじめ、PCD−1、1,4−BD、DOTDLを、PCD−1/1,4−BD=874.1/125.9(質量比)、混合ポリオール液/DOTDL=100/0.03(質量比)の割合で混合した混合ポリオール液とHDIを、それぞれ流量が混合ポリオール液:72.47g/min、HDI:27.53g/minとなる量を、2軸押出機のホッパー口から定量的に供給し、スクリュー回転数200rpmにて、押出機のシリンダー系内でウレタン化反応を行い、押出機先端部に取り付けたストランドダイにて吐出させ熱可塑性ポリウレタン樹脂TPU−4を得た。結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
Figure 2004352800
【0048】
実施例1〜3、比較例1、表1において
PCD−1〜3:合成例1〜3で得られたポリカーボネートジオール
1,4−BD :1,4−ブタンジオール
HDI :ヘキサメチレンジイソシアネート
DOTDL :ジオクチルチンジラウレート
耐久性評価
射出成形機でシートを作成し、25℃で3日熟成させ、JIS K7311に準じて破断時伸びを測定した。また、この熟成させたTPUを、120℃の雰囲気下に1ヶ月置いたサンプルについて、JIS K7311に準じて破断時伸びを測定した。熱処理していないサンプルの伸びと熱処理を行ったサンプルの伸びの比により評価した。
◎:0.7≦湿熱品の伸び/非湿熱品の伸び
○:0.5≦湿熱品の伸び/非湿熱品の伸び<0.7
△:0.3≦湿熱品の伸び/非湿熱品の伸び<0.5
×: 湿熱品の伸び/非湿熱品の伸び<0.3
【0049】
表1から示されるように、いわゆるウレタン化触媒をあらためて添加しないで得られたTPUは、優れた耐久性を示した。

Claims (2)

  1. (A)チタン系触媒含有ポリカーボネートジオール、(B)鎖延長剤、(C)有機ジイソシアネートを反応させる熱可塑性ポリウレタン樹脂の製造方法において、(A)が触媒毒を含有しないものであり、ウレタン化反応の際、反応系内中のチタン系触媒の含有量が10〜500ppmであって、あらためてウレタン化触媒を追加しないこと、を特徴とする熱可塑性ポリウレタン樹脂の製造方法。
  2. (C)がヘキサメチレンジイソシアネートであることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
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