JPH08301968A - ポリウレタンの製造方法 - Google Patents

ポリウレタンの製造方法

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JPH08301968A
JPH08301968A JP7129391A JP12939195A JPH08301968A JP H08301968 A JPH08301968 A JP H08301968A JP 7129391 A JP7129391 A JP 7129391A JP 12939195 A JP12939195 A JP 12939195A JP H08301968 A JPH08301968 A JP H08301968A
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JP
Japan
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polyurethane
polyester polyol
polyester
dicarboxylic acid
polyol
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JP7129391A
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English (en)
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Hidekazu Saito
秀和 齋藤
Yasuo Tokito
康雄 時任
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G18/00Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates
    • C08G18/06Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen
    • C08G18/28Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen characterised by the compounds used containing active hydrogen
    • C08G18/40High-molecular-weight compounds
    • C08G18/42Polycondensates having carboxylic or carbonic ester groups in the main chain
    • C08G18/4236Polycondensates having carboxylic or carbonic ester groups in the main chain containing only aliphatic groups
    • C08G18/4238Polycondensates having carboxylic or carbonic ester groups in the main chain containing only aliphatic groups derived from dicarboxylic acids and dialcohols

Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリオール成分とポリイソシアネート成分を
反応させてポリウレタンを製造するに際し、ポリオール
成分として下記式(1) 【化1】 で表されるジカルボン酸単位を主体とする数平均分子量
500〜10000のポリエステルポリオールを使用す
ることを特徴とするポリウレタンの製造方法。 【効果】 工業的に入手可能な原料を用いて、耐加水分
解性に優れるだけでなく、結晶化傾向を有しないことか
ら強度や伸度等の力学的性能にも優れたポリエステル系
ポリウレタンを製造することができる。使用されるポリ
オール成分は低粘度の液体であるうえに、加工性および
作業性に優れるという特長を有しており、得られるポリ
エステル系ポリウレタンは各種の広範囲な用途に対して
極めて有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐加水分解性に優れ、
かつ結晶化傾向を有しないポリウレタンの製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】ポリウレタンの製造には、一般にポリエ
ーテルポリオールやポリエステルポリオール等のポリオ
ール成分とポリイソシアネート成分、さらに必要に応じ
て活性水素原子を有する低分子化合物からなる鎖伸長剤
等が使用されている。このうち、ポリオール成分として
は、得られるポリウレタンの耐磨耗性、強伸度、耐油
性、耐溶剤性、接着性能等の面から、ポリエステルポリ
オールの方がポリエーテルポリオールよりも優れてい
る。しかしながら、同じ分子量どうしのポリエステルポ
リオールとポリエーテルポリオールとを比較すると、分
子間凝集力の大きなポリエステルポリオールの方が高粘
度の液体あるいは固体となる。一方、ポリウレタンを各
種の広範囲な用途に無溶剤タイプあるいはハイソリッド
として使用する場合には、原料であるポリオール成分が
室温において液状であり、かつその粘度の低い方が作業
性に優れており、しかもフイラーや顔料等を添加する際
に利便性が高いことから、ポリエーテルポリオール、特
にポリプロピレンポリオールが好んで使用されている。
しかし、ポリプロピレンポリオールを使用した場合に得
られるポリウレタンは耐光性が非常に悪く、機械的強度
や耐磨耗性、接着性にも難点がある。
【0003】これらの問題を解決するために、ポリエス
テルポリオールの共重合体あるいはポリエステル変性ポ
リエーテルポリオール等を使用することが知られている
が、得られるポリウレタンは上記のような要求性能を十
分に満足しているとは言えず、エステル基の導入により
耐加水分解性、耐かび性等の低下を引き起こしているの
が実情である。そこで、耐加水分解性に優れたポリエス
テル系ポリウレタンを提供することができれば、耐磨耗
性、強伸度、耐油性、耐溶剤性、接着性能等を備えたポ
リエステル系ポリウレタンの物性を改良することがで
き、その技術的意味は大きい。
【0004】耐加水分解性が比較的良好な、汎用性のポ
リエステル系ポリウレタンとしては、従来、ポリカプロ
ラクトンポリオールや1,6−ヘキサンジオールとネオ
ペンチルグリコールおよびアジピン酸より得られるポリ
エステルポリオール等を使用したポリエステル系ポリウ
レタンが知られているが、これらのポリエステル系ポリ
ウレタンもその耐加水分解性は十分満足のゆくものでは
ない。
【0005】耐加水分解性に優れたポリエステル系ポリ
ウレタンとしては、特開昭61−185520号公報に
おいて1,9−ノナンジオールと分岐アルキレンジオー
ルとの低分子ポリオール混合物をアジピン酸やアゼライ
ン酸等のジカルボン酸と反応させて得られるポリエステ
ルポリオールを使用したポリエステル系ポリウレタンが
提案され、また、特開昭63−156820号公報にお
いてエチルコハク酸をジカルボン酸成分とするポリエス
テルポリオールを使用したポリエステル系ポリウレタン
が提案されている。さらに、ポリオール成分として、例
えば1,6−ヘキサンジオールポリカーボネートのよう
な耐加水分解性に優れたポリカーボネートポリオールを
使用したポリエステル系ポリウレタンも提案されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
61−185520号公報に記載された1,9−ノナン
ジオールと分岐アルキレンジオールとの低分子ポリオー
ル混合物をアジピン酸やアゼライン酸等のジカルボン酸
と反応させて得られるポリエステルポリオールは、ワッ
クス状もしくは固体状であり、ポリウレタンの製造に際
し、加工性および作業性に劣るという問題点がある。ま
た、特開昭63−156820号公報に記載されたエチ
ルコハク酸をジカルボン酸成分とするポリエステルポリ
オールを使用したポリエステル系ポリウレタンは、耐加
水分解性は優れるものの、機械的な強度が不十分であ
り、しかも耐熱性、耐薬品性、耐油性の点で使用できる
水準にはない。さらに、エチルコハク酸は工業的に安価
に製造されておらず、ポリエステルポリオールの原料と
して使用するには難点がある。また、ポリオール成分と
してポリカーボネートポリオールを使用すると、ポリエ
ーテルポリオールを使用した場合に生じる前記の欠点は
改善されるとされているが、ポリカーボネートポリオー
ルは極めて高価であり、しかも耐寒性に劣るという問題
がある。
【0007】本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて
なされたものであって、工業的に入手可能な原料を用い
て耐加水分解性に優れ、かつ結晶化傾向を有しないポリ
エステル系ポリウレタンを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決することを目的として鋭意検討した結果、本発明
を完成させるに至った。すなわち、本発明は、ポリオー
ル成分とポリイソシアネート成分を反応させてポリウレ
タンを製造するに際し、ポリオール成分として下記式
(1)
【0009】
【化2】
【0010】で表されるジカルボン酸単位を主体とする
数平均分子量500〜10000のポリエステルポリオ
ールを使用することを特徴とするポリウレタンの製造方
法である。
【0011】本発明によれば、耐加水分解性に優れ、し
かも結晶化傾向を有しないことから強度や伸度等の力学
的性能にも優れたポリエステル系ポリウレタンを製造す
ることができる。本発明によって得られるポリエステル
系ポリウレタンは各種の広範囲な用途に対して極めて有
用である。しかも、本発明において使用されるポリエス
テルポリオールは低粘度の液体であって、加工性および
作業性に優れるという特長を有している。
【0012】本発明において、「式(1)で表されるジ
カルボン酸単位を主体とする」とは、ポリエステルポリ
オールを構成するポリカルボン酸単位のうち少なくとも
20モル%以上が式(1)で表されるジカルボン酸単
位、すなわちメチルコハク酸単位からなることを意味す
る。ポリエステルポリオールを構成するポリカルボン酸
単位における、式(1)で表されるジカルボン酸単位の
含有量が20モル%より少ないと、得られるポリエステ
ル系ポリウレタンの耐加水分解性および力学的特性が低
下する。ポリエステルポリオールを構成するポリカルボ
ン酸単位における、式(1)で表されるジカルボン酸単
位の含有量は50モル%以上であることが好ましく、な
かでも式(1)で表されるジカルボン酸単位の含有量が
100%、すなわちジカルボン酸単位の全量がメチルコ
ハク酸単位である場合には、得られるポリウレタンの耐
加水分解性が最も優れたものとなる。
【0013】式(1)で表されるジカルボン酸単位はメ
チルコハク酸のアルキルエステルまたはメチルコハク酸
から誘導される。メチルコハク酸のアルキルエステル
は、大量生産されており入手の容易なメタクリル酸アル
キルエステルをヒドロホルミル化して得られる生成物を
酸素酸化することにより得ることができる。また、メチ
ルコハク酸は、メチルコハク酸のアルキルエステルを加
水分解することにより得ることができる。このように、
いずれの化合物も工業的に安価に製造することが可能で
ある。
【0014】本発明において用いられるポリエステルポ
リオールは、式(1)で表されるジカルボン酸単位以外
のポリカルボン酸単位を含有することができる。かかる
ポリカルボン酸単位としては、下記式(2)
【0015】
【化3】
【0016】〔上記式中、Rは炭素数2〜20の2価の
飽和脂肪族炭化水素基(ただし、1−メチルエチレン基
を除く)、飽和脂環式炭化水素基または芳香族炭化水素
基を示す〕で表されるジカルボン酸単位が好ましく、例
えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン
酸、アゼライン酸、セバシン酸等の飽和脂肪族ジカルボ
ン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の飽和脂環式ジカ
ルボン酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸等の
芳香族ジカルボン酸などが使用される。これらのうちで
も、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の飽和脂
肪族ジカルボン酸は得られるポリウレタンの耐加水分解
性および可撓性をあまり低下させないので特に好まし
い。式(2)で表されるジカルボン酸単位の含有量は、
ポリエステルポリオールを構成するポリカルボン酸単位
の全量に対して50モル%未満とすることが望ましい。
なお、式(1)のジカルボン酸単位と共存させるポリカ
ルボン酸単位は1種類であっても2種以上であってもよ
い。また、3官能性以上のポリカルボン酸単位を含有さ
せることもできる。
【0017】本発明において用いられるポリエステルポ
リオールを構成するポリオール単位としては特に制限は
ないが、例えば、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタン
ジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−
ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ネオペン
チルグリコール、2,2−ジエチル−1,3−プロパン
ジオール等の低分子ジオールを使用することが好まし
い。これらの低分子ジオールは単独で使用してもよい
し、二種以上を混合して使用してもよい。また、トリメ
チロールプロパンなどの3官能性以上のポリオール単位
を含有させることもできる。
【0018】また、本発明において用いられるポリエス
テルポリオールは、本発明の趣旨を損なわない限り、分
子内に適宜ポリエーテルポリオール単位やポリカーボネ
ートポリオール単位等の部分構造を有するものであって
もよい。
【0019】本発明において使用するポリエステルポリ
オールは500〜10000の数平均分子量を有するこ
とが必要である。数平均分子量が500よりも小さい
と、得られるポリウレタンの低温特性が不良となり、一
方、10000よりも大きいと得られるポリウレタンの
力学的特性が不良となる。ポリエステルポリオールの数
平均分子量が700〜6000の範囲にあればより好ま
しい。
【0020】本発明において使用されるポリエステルポ
リオールの製造方法には特に制限がなく、公知のポリエ
ステル縮重合方法が適用できる。例えば、メチルコハク
酸またはメチルコハク酸を含有するジカルボン酸混合物
と低分子ジオールを所望の割合で仕込み、エステル化ま
たはエステル交換反応を行い、得られる反応生成物を重
縮合触媒の存在下に高温、真空下でさらに重縮合反応さ
せることによりポリエステルポリオールを製造すること
ができる。
【0021】本発明では、ポリイソシアネート成分と反
応させるポリオール成分として、式(1)のジカルボン
酸単位を含むポリエステルポリオールに加え、ポリエー
テルポリオールやポリカーボネートポリオール等の他の
ポリオールを添加して使用することもできる。これらの
ポリエーテルポリオールやポリカーボネートポリオール
は、通常全ポリオール成分に対し、40重量%以下の範
囲で使用される。
【0022】本発明で使用するポリイソシアネート成分
としては特に制限はなく、ポリウレタンの製造に従来か
ら使用されているいずれのポリイソシアネートをも使用
することができる。かかるポリイソシアネートとして
は、例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート、トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシ
アネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、3,
3′−ジクロロ−4,4′−ジフェニルメタンジイソシ
アネート、キシリレンジイソシアネート、トルイレンジ
イソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネー
ト、水素化キシリレンジイソシアネート等の脂肪族また
は脂環式ジイソシアネートなどを挙げることができる。
これらのポリイソシアネートは単独で用いても2種以上
を併用してもよい。また、必要に応じて、トリイソシア
ネート等の3官能性以上のポリイソシアネートを使用す
ることもできる。この場合には熱硬化性ポリウレタンが
形成される。
【0023】さらに本発明においては必要に応じて鎖伸
長剤を使用することができる。鎖伸長剤としては2個以
上の活性水素原子を有する低分子化合物を使用するのが
よく、かかる低分子化合物としては、例えば、エチレン
グリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)
ベンゼン、1,4−シクロヘキサンジオール、ビス(β
−ヒドロキシエチル)テレフタレート等のジオール類、
ヒドラジン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、
ブタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、キシリレン
ジアミン、イソホロンジアミン、ピペラジン、フェニレ
ンジアミン、トリレンジアミン、アジピン酸ジヒドラジ
ド、イソフタル酸ジヒドラジドなどが挙げられる。これ
らの低分子化合物は単独で使用してもよいし、2種以上
を併用してもよい。鎖伸長剤の使用量は特に制限はな
く、目的とするポリウレタンに付与すべき硬度等に応じ
て適宜選択されるが、ポリエステルポリオール1モル当
たり、通常10モル以下の範囲であり、0.2〜6モル
の範囲とするのが望ましい。
【0024】また、本発明では、ポリウレタンの製造に
おいて通常使用されている触媒、反応促進剤、発泡剤、
内部離型剤、充填剤、補強剤、染顔剤、安定剤等の任意
の成分を必要に応じて使用することができる。
【0025】本発明において、ポリオール成分とポリイ
ソシアネート成分を反応させてポリウレタンを製造する
に際し、ポリイソシアネート成分は、ポリエステルポリ
オール、鎖伸長剤およびその他の成分が有している活性
水素原子の全量に対し、該活性水素原子1モル当たりの
イソシアネート基のモル数が0.9〜1.5モルとなる
ような割合で使用するのが好ましく、1モル程度となる
ような割合で使用することがより好ましい。
【0026】本発明におけるポリウレタンの製造法とし
ては、公知のウレタン化反応技術のいずれもが使用で
き、プレポリマー法およびワンショット法のいずれであ
ってもよい。本発明のポリウレタンの製造法の具体例を
示すと、ポリエステルポリオールと活性水素原子を有
する低分子化合物(鎖伸長剤など)とを混合して40〜
100℃に加熱し、得られた混合物に、該混合物におけ
る活性水素原子とイソシアネート基のモル比が1:1〜
1:1.5となる量のポリイソシアネートを添加して短
時間撹拌した後に、例えば50〜160℃に加熱してポ
リウレタンを製造する方法、ポリエステルポリオー
ル、活性水素原子を有する低分子化合物とポリイソシア
ネートの混合物を例えば180〜260℃の高温で混練
してポリウレタンを製造する方法、多軸スクリュー型
押出機等の押出機にポリエステルポリオール、活性水素
原子を有する低分子化合物およびポリイソシアネート等
を連続的に供給し、例えば180〜260℃の高温で連
続溶融重合してポリウレタンを製造する方法、ポリエ
ステルポリオール、活性水素原子を有する低分子化合物
とポリイソシアネートによるポリウレタン形成反応を有
機溶媒中で行う方法などである。
【0027】これらのなかでも上記の方法によりポリ
ウレタンの製造を行う際に、ポリエステルポリオール、
活性水素原子を有する低分子化合物およびポリイソシア
ネートの濃度を制御すると、高分子量のポリウレタンを
容易に製造することができる。この際、ポリエステルポ
リオール、活性水素原子を有する低分子化合物およびポ
リイソシアネートの濃度は10〜40重量%の範囲とす
ることが望ましい。有機溶媒としてはジメチルホルムア
ミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、
テトラヒドロフラン、トルエン、メチルエチルケトン、
酢酸エチル、イソプロパノール、エチルセルソルブ等を
使用することができる。これらの有機溶剤は単独で使用
してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0028】本発明により得られるポリウレタンは、耐
加水分解性に極めて優れていると共に、強度や伸度等の
力学的性能にも優れており、シート、フィルム、ロー
ル、ギア、ソリッドタイヤ、ベルト、ホース、チュー
ブ、パッキング材、防振剤、靴底、スポーツ靴、機械部
品、自動車部品、スポーツ用品、弾性繊維、人工皮革、
繊維処理剤、接着剤、コーティング剤、バインダー、塗
料など広範囲な各種の用途に使用することができる。
【0029】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はかかる実施例に限定されるものではな
い。なお、以下の実施例、比較例および参考例におい
て、ポリエステルポリオールの数平均分子量、およびポ
リウレタンの力学的性能(破断強度および破断伸度)、
耐加水分解性、耐熱性および耐溶剤性の評価は下記の方
法により行った。
【0030】数平均分子量の測定 ポリエステルポリオールの水酸基価に基づいて計算によ
り求めた。
【0031】力学的性能の評価 JIS K7311に規定された方法に従って評価し
た。すなわち、厚さ100μmのポリウレタンフィルム
を形成し、このフィルムからダンベル状試験片を作製し
た。得られた試験片を用い、インストロン万能試験機
(インストロン社製)を使用して引張速度50cm/分
で破断強度および破断伸度を測定した。
【0032】耐加水分解性の評価 厚さ100μmのポリウレタンフィルムを形成し、この
フィルムを100℃の熱水中に7日間放置してその前後
でのフィルムの破断強度を引張速度50cm/分にて測
定し、下記の式に従って破断強度の保持率(%)を求
め、耐加水分解性の指標とした。
【0033】
【数1】
【0034】耐熱性の評価 厚さ100μmのポリウレタンフィルムを形成し、この
フィルムを120℃の空気中に28日間放置してその前
後でのフィルムの破断強度を引張速度50cm/分にて
測定し、下記の式に従って破断強度の保持率(%)を求
め、耐熱性の指標とした。
【0035】
【数2】
【0036】耐溶剤性の評価 重量が0.5gのポリウレタンブロックを形成し、この
ブロックを20℃の条件下で10mlの溶媒中に7日間
浸漬してその前後でのブロックの重量を測定し、浸漬前
の重量に対する浸漬後の重量の比率を求め、耐溶剤性の
指標とした。なお、溶媒としては、トルエン、酢酸エチ
ル、メチルエチルケトンの3種類を使用した。
【0037】参考例1(ポリエステルポリオールの製
造) 1,9−ノナンジオール646gおよびメチルコハク酸
355gを反応器に仕込み、常圧下、200℃で生成す
る水を系外に留去しながらエステル化反応を行った。約
90gの水が留出した時点でテトライソプロピルチタネ
ート15mgを加え、200〜100mmHgに減圧し
ながら反応を続けた。酸価が1.0KOHmg/gにな
った時点で真空ポンプにより徐々に真空度を上げて反応
を完結させた。得られたポリエステルポリオール(以下
これをポリエステルポリオールAと略称する)の水酸基
価は56.1KOHmg/g、酸価は0.2KOHmg
/g、数平均分子量は2000であった。
【0038】参考例2〜8 表1に示すジカルボン酸および低分子ジオールを用いた
以外は参考例1と同様にしてエステル化反応および重縮
合反応を行って、ポリエステルポリオール(以下、参考
例2〜8で得られたポリエステルポリオールをそれぞれ
ポリエステルポリオールB〜Hと略称する)を得た。
【0039】
【表1】
【0040】実施例1 参考例1で得られたポリエステルポリオールA100g
(0.05モル)、1,4−ブタンジオール9g(0.
10モル)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート37.5g(0.15モル)およびジメチルホルム
アミド340gを混合し、80℃で8時間反応させ、ポ
リウレタンのDMF溶液(不揮発分30%)を得た。得
られたポリウレタンのDMF溶液をガラス板上に流延
し、乾燥して厚さ100μmの乾式皮膜を得た。このフ
ィルムを用いて上記の方法により力学的性能、耐加水分
解性、耐熱性の評価を行った。その結果を表2に示す。
また、このポリウレタンのDMF溶液を5cm四方(高
さ2cm)の容器に流し込み、乾燥したものから重量
0.5gのポリウレタンブロックを作製した。このブロ
ックを用いて上記の方法により耐溶剤性の評価を行っ
た。その結果を表3に示す。
【0041】実施例2〜4および比較例1〜4 実施例1において、ポリエステルポリオールAに代え
て、ポリエステルポリオールB〜Hを使用したこと以外
は実施例1と同様にしてポリウレタンのDMF溶液を得
た。得られたポリウレタンのDMF溶液から厚さ100
μmの乾式皮膜および重量0.5gのポリウレタンブロ
ックを作製し、実施例1の方法により力学的性能、耐加
水分解性、耐熱性、耐溶剤性の評価を行った。結果を表
2および表3に併せて示す。
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】表2の結果から、式(1)で表されるジカ
ルボン酸単位(すなわちメチルコハク酸単位)を主体と
するポリエステルポリオールA〜Dを使用した場合と、
式(1)で表されるジカルボン酸単位を含まないポリエ
ステルポリオールE〜Gを使用した場合に、得られるポ
リウレタンの物性が次のとおり相違することが明らかで
ある。すなわち、同一の低分子ジオールを使用した実施
例と比較例を対比すると(実施例1および4と比較例
1、実施例2と比較例2、実施例3と比較例3)、実施
例1〜4で得られるポリウレタンの耐加水分解性は、比
較例1〜3で得られるポリウレタンの耐加水分解性より
著しく優れている。また、破断強度や破断伸度といった
力学的性能については、実施例1〜4で得られるポリウ
レタンは破断強度が下がり破断伸度が上がる、いわゆる
柔らかい性質を有している。
【0045】また、表2および表3の結果において、実
施例3と比較例4を対比すると、次のことが明らかであ
る。すなわち、エチルコハク酸をジカルボン酸単位とす
るポリエステルポリオールを用いると(比較例4)、式
(1)で表されるジカルボン酸単位(すなわちメチルコ
ハク酸単位)を主体とし、かつ同一の低分子ジオール成
分を使用したポリエステルポリオールを用いた場合(実
施例3)に比べ、得られるポリウレタンの耐加水分解性
は同一水準であるが、破断強度や破断伸度などの力学的
性能が不十分であり、しかも耐熱性、耐薬品性が劣って
いる。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、工業的に入手可能な原
料を用いて、耐加水分解性に優れ、しかも結晶化傾向を
有しないことから強度や伸度等の力学的性能にも優れた
ポリエステル系ポリウレタンを製造することができる。
しかも、本発明において使用されるポリエステルポリオ
ールは低粘度の液体であるうえに、加工性および作業性
に優れるという特長を有している。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオール成分とポリイソシアネート成
    分を反応させてポリウレタンを製造するに際し、ポリオ
    ール成分として下記式(1) 【化1】 で表されるジカルボン酸単位を主体とする数平均分子量
    500〜10000のポリエステルポリオールを使用す
    ることを特徴とするポリウレタンの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112979899A (zh) * 2019-12-16 2021-06-18 高鼎精密材料股份有限公司 高反拨弹性生质水性pu树脂与配方开发技术
CN112979930A (zh) * 2019-12-16 2021-06-18 高鼎精密材料股份有限公司 用氢化衣康酸制备高生质含量的聚酯多元醇

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CN112979899A (zh) * 2019-12-16 2021-06-18 高鼎精密材料股份有限公司 高反拨弹性生质水性pu树脂与配方开发技术
CN112979930A (zh) * 2019-12-16 2021-06-18 高鼎精密材料股份有限公司 用氢化衣康酸制备高生质含量的聚酯多元醇
CN112979930B (zh) * 2019-12-16 2023-10-31 高鼎精密材料股份有限公司 用氢化衣康酸制备高生质含量的聚酯多元醇

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