JPH09124762A - ポリウレタンの製造方法 - Google Patents

ポリウレタンの製造方法

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JPH09124762A
JPH09124762A JP7302188A JP30218895A JPH09124762A JP H09124762 A JPH09124762 A JP H09124762A JP 7302188 A JP7302188 A JP 7302188A JP 30218895 A JP30218895 A JP 30218895A JP H09124762 A JPH09124762 A JP H09124762A
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polyurethane
polyol
polyester
polyester polyol
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JP7302188A
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English (en)
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Hidekazu Saito
秀和 齋藤
Hideji Iwasaki
秀治 岩崎
Takashi Onishi
孝志 大西
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 ポリオール成分とポリイソシアネート成
分を反応させてポリウレタンを製造するに際し、ポリオ
ール成分として下記式(1) -O-CH2 -CH(CH3 )-(CH 2 ) 4 -CH(CH3 )-CH2 -O- (1) および/または下記式(2) -O-CH2 -CH(CH3 )-(CH 2 ) 5 -CH(CH3 )-CH2 -O- (2) で表されるジオール単位を含有する数平均分子量500
〜10000のポリエステルポリオールを使用する。 【効果】 工業的に入手可能な原料を用いて、機械的強
度、柔軟性、耐加水分解性および低温特性等が優れ、か
つ結晶化傾向を有しないポリエステル系ポリウレタンを
製造することができる。しかも、本発明において使用さ
れるポリエステルポリオールは低粘度の液体であるうえ
に、加工性および作業性に優れるという特長を有してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機械的強度、柔軟
性、耐加水分解性、低温特性等に優れ、かつ結晶化傾向
を有しないポリウレタンの製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ポリウレタンの製造には、一般にポリエ
ーテルポリオールやポリエステルポリオール等のポリオ
ール成分とポリイソシアネート成分、さらに必要に応じ
て活性水素原子を有する低分子化合物からなる鎖伸長剤
等が使用されている。このうち、ポリオール成分として
は、得られるポリウレタンの耐熱性、耐磨耗性、強伸
度、耐油性、耐溶剤性、接着性能等の面から、ポリエス
テルポリオールの方がポリエーテルポリオールよりも優
れている。しかしながら、同じ分子量同志のポリエステ
ルポリオールとポリエーテルポリオールとを比較する
と、分子間凝集力の大きなポリエステルポリオールの方
が高粘度の液体あるいは固体となる。一方、ポリウレタ
ンを各種の広範囲な用途に無溶剤タイプあるいはハイソ
リッドとして使用する場合には、原料であるポリオール
成分が室温において液状であり、かつその粘度の低い方
が作業性に優れており、しかもフイラーや顔料等を添加
する際に利便性が高いことから、ポリエーテルポリオー
ル、特にポリプロピレンポリオールが好んで使用されて
いる。しかし、ポリプロピレンポリオールを使用した場
合に得られるポリウレタンは耐光性が非常に悪く、機械
的強度や耐磨耗性、接着性にも難点がある。
【0003】これらの問題を解決するために、ポリエス
テルポリオールの共重合体あるいはポリエステル変性ポ
リエーテルポリオール等を使用することが知られている
が、得られるポリウレタンは上記のような要求性能を十
分に満足しているとは言えず、エステル基の導入により
耐加水分解性、耐かび性等の低下を引き起こしているの
が実情である。
【0004】一方、ポリエステルポリオールの強い結晶
化傾向は、ポリエステルポリオールの直鎖状分子部分に
不規則性を導入することにより緩和されることが一般に
知られている。この不規則性は、ポリエステルポリオー
ルの構成単位である酸成分および/またはグリコール成
分の鎖長を不規則にしたり、ポリエステルポリオールの
直鎖状分子部分に側鎖を導入したりして生じさせること
ができる。しかしながら、このような不規則性を持たせ
る程度は、得られるポリウレタンの物性、特に機械的強
度と柔軟性を両立させるためにはある範囲内に調整する
ことが重要である。また側鎖を導入することによって達
成される不規則性はポリエステルポリオールの結晶化傾
向を効果的に除くことができるが、得られるポリウレタ
ンの機械的強度、柔軟性、低温特性等の低下を招きやす
い。
【0005】従って、ポリエステルポリオールの製造に
おいて使用される汎用性のある原料として、ネオペンチ
ルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオー
ル、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコー
ル、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、β−メチ
ル−δ−バレロラクトン、2,2−ジエチル−1,3−
プロパンジオール、2−n−ブチル−2−エチル−1,
3−プロパンジオール等の側鎖を有する化合物が知られ
ているが、これらの原料を使用しても機械的強度、柔軟
性および低温特性等に優れたポリエステル系ポリウレタ
ンを得ることは難しいと言える。
【0006】そこで、機械的強度、柔軟性、耐加水分解
性、低温特性等に優れたポリエステル系ポリウレタンを
提供することができれば、耐熱性、耐磨耗性、接着性能
等を備えたポリエステル系ポリウレタンの物性を改良す
ることができ、その技術的意味は大きい。
【0007】耐加水分解性が比較的良好な、汎用性のポ
リエステル系ポリウレタンとしては、従来、ポリカプロ
ラクトンポリオールや1,6−ヘキサンジオールとネオ
ペンチルグリコールおよびアジピン酸より得られるポリ
エステルポリオール等を使用したポリエステル系ポリウ
レタンが知られているが、これらのポリエステル系ポリ
ウレタンもその耐加水分解性は十分満足のゆくものでは
ない。
【0008】また、機械的強度、柔軟性、耐加水分解性
に優れたポリエステル系ポリウレタンとして、特開昭6
1−185520号公報において、1,9−ノナンジオ
ールと分岐アルキレンジオールとの低分子ジオール混合
物をアジピン酸やアゼライン酸等のジカルボン酸と反応
させて得られるポリエステルポリオールが提案されてい
る。
【0009】しかしながら、特開昭61−185520
号公報に記載された上記のポリエステルポリオールは、
ワックス状または固体状であり、ポリウレタンの製造に
際し、加工性および作業性の点で難点がある。
【0010】一方、ポリオ−ル成分として、例えば1,
6−ヘキサンジオールポリカーボネートや2−メチル−
1,8−オクタンジオールポリカーボネートのような耐
加水分解性に優れたポリカーボネートポリオールを使用
したポリカーボネート系ポリウレタンも提案されてお
り、ポリオ−ル成分としてポリエーテルポリオールを使
用した場合に生じる前記の欠点は改善されるとされてい
るが、ポリカーボネートポリオールは極めて高価であ
り、しかも低温特性に劣るという問題点がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、工業的
に入手可能な原料を用いて機械的強度、柔軟性、耐加水
分解性等に優れたポリエステル系ポリウレタンを提供す
べく研究を重ねた結果、2−メチル−1,8−オクタン
ジオールを含有するポリエステルポリオールを使用した
ポリエステル系ポリウレタンを見出し、すでに特許出願
をしている(特開昭62−22817号公報参照)。
【0012】このポリエステル系ポリウレタンは機械的
強度、耐加水分解性や低温特性に優れる上、上記で指摘
した問題点をも解決し得るものである。しかしながら、
このポリウレタンにあっても、柔軟性は十分に満足し得
るものではなく、改善の余地が認められた。
【0013】しかして本発明は、工業的に入手可能な原
料を用いて機械的強度、柔軟性、耐加水分解性、低温特
性等に優れ、かつ結晶化傾向を有しないポリエステル系
ポリウレタンを提供することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決することを目的として鋭意検討した結果、本発明
を完成させるに至った。
【0015】すなわち、本発明は、ポリオール成分とポ
リイソシアネート成分を反応させてポリウレタンを製造
するに際し、ポリオール成分として下記式(1) -O-CH2 -CH(CH3 )-(CH 2 ) 4 -CH(CH3 )-CH2 -O- (1) および/または下記式(2) -O-CH2 -CH(CH3 )-(CH 2 ) 5 -CH(CH3 )-CH2 -O- (2) で表されるジオール単位を含有する数平均分子量500
〜10000のポリエステルポリオールを使用すること
を特徴とするポリウレタンの製造方法である。
【0016】本発明によれば、機械的強度、柔軟性、耐
加水分解性、低温特性等に優れ、かつ結晶化傾向を有し
ないポリエステル系ポリウレタンを製造することができ
る。本発明によって得られるポリエステル系ポリウレタ
ンは広範囲な各種の用途に対して有用である。しかも、
本発明において使用されるポリエステルポリオールは低
粘度の液体であって、加工性および作業性に優れるとい
う特長を有している。
【0017】本発明において、式(1)および/または
式(2)で表されるジオール単位、すなわち2,7−ジ
メチル−1,8−オクタンジオール単位[式(1)に対
応する]および/または2,8−ジメチル−1,9−ノ
ナンジオール単位[式(2)に対応する]は、ポリエス
テルポリオールを構成するポリオール単位中、任意の割
合で使用し得るが、通常ポリエステルポリオールを構成
するポリオール単位中20モル%以上の割合で使用され
る。得られるポリエステル系ポリウレタンの機械的強度
や柔軟性などの力学的特性および耐加水分解性等の物性
の観点から、式(1)および/または式(2)で表され
るジオール単位は、ポリエステルポリオールを構成する
ポリオール単位中50モル%以上の割合で使用すること
が好ましい。なかでもポリオール単位の全量が2,7−
ジメチル−1,8−オクタンジオール単位または2,8
−ジメチル−1,9−ノナンジオール単位あるいは2,
7−ジメチル−1,8−オクタンジオール単位と2,8
−ジメチル−1,9−ノナンジオール単位の混合単位で
ある場合には、得られたポリウレタンの機械的強度、柔
軟性、耐加水分解性、低温特性等が最も優れたものとな
る。
【0018】式(1)で表されるジオール単位を構成す
る2,7−ジメチル−1,8−オクタンジオールは、例
えば、大量生産され入手容易な2,7−オクタジエン−
1−オールから誘導される2−メチル−1,8−オクタ
ンジアールをホルマリンと反応させて得られる生成物を
水素添加することにより工業的に製造することができ
る。
【0019】また、式(2)で表されるジオール単位を
構成する2,8−ジメチル−1,9−ノナンジオール
も、例えば、同様に大量生産され入手容易な2,7−オ
クタジエン−1−オールから誘導される1,9−ノナン
ジアールをホルマリンと反応させて得られる生成物を水
素添加することにより工業的に製造することができる。
【0020】本発明において用いられるポリエステルポ
リオールは、式(1)および/または式(2)で表され
るジオール単位のほかに他のポリオール単位を含有する
ことができる。かかるポリオール単位としては低分子ポ
リオール単位が好適に用いられ、例えば、エチレングリ
コール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオー
ル、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−
ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、2−メ
チル−1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオ
ール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジ
オール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジ
オール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオー
ル、1,4−シクロヘキサンジオール、シクロヘキサン
ジメタノール等の低分子ジオール単位が挙げられる。こ
れらの低分子ポリオール単位は単独で使用してもよい
し、2種以上を混合して使用してもよい。また、トリメ
チロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセリ
ン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブ
タントリオールなどの3官能性以上の低分子ポリオール
からなる単位を含有させてもよい。
【0021】本発明において用いられるポリエステルポ
リオールを構成するポリカルボン酸単位としては特に制
限はないが、例えばコハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、ブラシル酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸単位、シク
ロヘキサンジカルボン酸等の飽和脂環式ジカルボン酸単
位、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレ
ンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸単位などが挙げ
られる。これらのポリカルボン酸単位は、対応するポリ
カルボン酸またはそのエステル誘導体より導かれる。
【0022】これらのうちでも、アジピン酸、アゼライ
ン酸、セバシン酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸単位は、
得られるポリウレタンの柔軟性、耐加水分解性等の性能
を低下させないので、特に好ましい。これらのポリカル
ボン酸単位は単独で使用してもよいし、2種以上を混合
して使用してもよい。また、3官能性以上のポリカルボ
ン酸単位を含有させてもよい。
【0023】また、本発明において使用するポリエステ
ルポリオールは本発明の趣旨を損なわない限り、分子内
に適宜ポリエーテルポリオール単位やポリカーボネート
ポリオール単位等の部分構造を有するものであってもよ
い。
【0024】本発明において使用するポリエステルポリ
オールは500〜10000の数平均分子量を有するこ
とが必要である。数平均分子量が500よりも小さい
と、得られるポリウレタンの低温特性が不良となり、一
方、数平均分子量が10000よりも大きいと得られる
ポリウレタンの機械的強度や柔軟性などの力学的特性が
不良となる。ポリエステルポリオールの数平均分子量が
700〜6000の範囲にあればより好ましい。
【0025】本発明において使用されるポリエステルポ
リオールの製造方法には特に制限はなく、公知のポリエ
ステル縮重合方法が適用できる。例えば、2,7−ジメ
チル−1,8−オクタンジオールまたは2,8−ジメチ
ル−1,9−ノナンジオール、あるいは2,7−ジメチ
ル−1,8−オクタンジオールと2,8−ジメチル−
1,9−ノナンジオールの混合物、または2,7−ジメ
チル−1,8−オクタンジオールおよび/または2,8
−ジメチル−1,9−ノナンジオールを含有する低分子
ジオール混合物とジカルボン酸またはそのエステルとを
所望の割合で仕込み、エステル化またはエステル交換反
応を行い、得られる反応生成物を縮重合触媒の存在下に
高温、真空下でさらに縮重合反応させることによりポリ
エステルポリオールを製造することができる。
【0026】本発明では、ポリイソシアネート成分と反
応させるポリオール成分として、式(1)および/また
は式(2)で表されるジオール単位を含むポリエステル
ポリオールに加え、ポリエーテルポリオールやポリカー
ボネートポリオール等の他のポリオールを添加して使用
することもできる。これらの他のポリオールは、通常全
ポリオール成分に対し、40重量%以下の範囲で使用さ
れる。
【0027】本発明で使用されるポリイソシアネート成
分としては特に制限はなく、ポリウレタンの製造に従来
から使用されているいずれのポリイソシアネートをも使
用することができる。かかるポリイソシアネートとして
は、例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート、トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシ
アネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、3,
3′−ジクロロ−4,4′−ジフェニルメタンジイソシ
アネート、キシリレンジイソシアネート、トルイレンジ
イソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネー
ト、水素化キシリレンジイソシアネート等の脂肪族また
は脂環式ジイソシアネートなどを挙げることができる。
これらのポリイソシアネートは単独で使用してもよい
し、2種以上を併用してもよい。また、必要に応じて、
トリイソシアネート等の3官能性以上のポリイソシアネ
ートを使用することもできる。この場合には熱硬化性ポ
リウレタンが形成される。
【0028】さらに本発明においては、必要に応じて鎖
伸長剤を使用することができる。鎖伸長剤としては2個
以上の活性水素原子を有する低分子化合物を使用するの
がよく、かかる低分子化合物としては、例えば、エチレ
ングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキ
サンジオール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキ
シ)ベンゼン、1,4−シクロヘキサンジオール、ビス
(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート等のジオール
類、ヒドラジン、エチレンジアミン、プロピレンジアミ
ン、ブタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、キシリ
レンジアミン、イソホロンジアミン、ピペラジン、フェ
ニレンジアミン、トリレンジアミン、アジピン酸ジヒド
ラジド、イソフタル酸ジヒドラジドなどが挙げられる。
これらの低分子化合物は単独で使用してもよいし、2種
以上を併用してもよい。
【0029】鎖伸長剤の使用量は特に制限はなく、目的
とするポリウレタンに付与すべき硬度等に応じて適宜選
択されるが、ポリエステルポリオール1モル当たり、通
常10モル以下の範囲であり、0.2〜6モルの範囲と
するのが望ましい。
【0030】また、本発明では、ポリウレタンの製造に
おいて通常使用されている触媒、反応促進剤、発泡剤、
内部離型剤、充填剤、補強剤、染顔剤、安定剤等の任意
の成分を必要に応じて使用することができる。
【0031】本発明において、ポリオール成分とポリイ
ソシアネート成分を反応させてポリウレタンを製造する
に際し、ポリイソシアネート成分は、ポリエステルポリ
オール、鎖伸長剤およびその他の成分が有している活性
水素原子の全量に対し、該活性水素原子1モル当たりの
イソシアネート基のモル数が0.9〜1.5モルとなる
ような割合で使用するのが好ましく、1モル程度となる
ような割合で使用することがより好ましい。
【0032】本発明におけるポリウレタンの製造法とし
ては、公知のウレタン化反応技術のいずれもが使用で
き、プレポリマー法およびワンショット法のいずれであ
ってもよい。本発明のポリウレタンの製造法の具体例を
示すと、 ポリエステルポリオールと活性水素原子を有する低分
子化合物(鎖伸長剤など)とを混合して40〜100℃
に加熱し、得られた混合物に、該混合物における活性水
素原子とイソシアネート基のモル比が1:1〜1:1.
5となる量のポリイソシアネートを添加して短時間攪拌
した後に、例えば50〜160℃に加熱してポリウレタ
ンを製造する方法、 ポリエステルポリオール、活性水素原子を有する低分
子化合物とポリイソシアネートの混合物を例えば180
〜260℃の高温で混練してポリウレタンを製造する方
法、 多軸スクリュー型押出機等の押出機にポリエステルポ
リオール、活性水素原子を有する低分子化合物およびポ
リイソシアネート等を連続的に供給し、例えば180〜
260℃の高温で連続溶融重合してポリウレタンを製造
する方法、 ポリエステルポリオール、活性水素原子を有する低分
子化合物とポリイソシアネートによるポリウレタン形成
反応を有機溶媒中で行う方法などである。
【0033】これらのなかでも上記の方法によりポリ
ウレタンの製造を行う際に、ポリエステルポリオール、
活性水素原子を有する低分子化合物およびポリイソシア
ネートの濃度を制御すると、高分子量のポリウレタンを
容易に製造することができる。この際、ポリエステルポ
リオール、活性水素原子を有する低分子化合物およびポ
リイソシアネートの濃度は、10〜40重量%の範囲と
することが好ましい。有機溶媒としてはジメチルホルム
アミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシ
ド、テトラヒドロフラン、トルエン、メチルエチルケト
ン、酢酸エチル、イソプロパノール、エチルセルソルブ
等を使用することができる。これらの溶剤は単独で使用
してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0034】本発明により得られるポリウレタンは、機
械的強度や柔軟性等の力学的性能、耐加水分解性および
低温特性が優れており、各種バインダー、塗料、コーテ
ィング剤、接着剤、繊維処理剤、シート、フィルム、ロ
ール、ギア、ソリッドタイヤ、ベルト、ホース、チュー
ブ、パッキング材、防振剤、靴底、スポーツ靴、機械部
品、自動車部品、スポーツ用品、弾性繊維、人工皮革な
ど広範囲な各種の用途に使用することができる。
【0035】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はかかる実施例に限定されるものではな
い。
【0036】なお、以下の実施例、比較例および参考例
において、ポリエステルポリオールの数平均分子量、な
らびにポリウレタンの力学的性能[400%モジュラス
(以下、M400 と略記する)、破断強度および破断伸
度]、耐加水分解性および低温特性の評価は下記の方法
により行った。 ◎数平均分子量の測定 ポリエステルポリオールの水酸基価に基づいて計算によ
り求めた。 ◎力学的性能の評価 JIS K7311に規定された方法に従って評価し
た。すなわち、厚さ100μmのポリウレタンフィルム
を形成し、このフィルムからダンベル状試験片を作製し
た。得られた試験片を用い、インストロン万能試験機
(インストロン社製)を使用して室温下、引張速度50
cm/分でM400 、破断強度および破断伸度を測定し
た。 ◎耐加水分解性の評価 厚さ100μmのポリウレタンフィルムを形成し、この
フィルムを100℃の熱水中に7日間放置してその前後
でのフィルムの破断強度を室温下、引張速度50cm/
分にて測定し、下記の式に従って破断強度の保持率
(%)を求め、耐加水分解性の指標とした。
【0037】
【数1】
【0038】◎低温特性の評価 約10mgのポリウレタンフィルムを形成し、このフィ
ルムを示差走査熱量測定(DSC)装置を用い、−15
0℃から10℃/分の割合で昇温し、ガラス転移温度
(℃)を求めて低温特性の指標とした。
【0039】参考例1(ポリエステルポリオールの製
造) 2,7−ジメチル−1,8−オクタンジオール480g
およびアジピン酸292gを反応器に仕込み、常圧、窒
素雰囲気下で180℃に加熱し、生成する水を系外に留
去しながらエステル化反応を行った。水の生成が少なく
なった時点で真空ポンプで200〜100mmHgに減
圧しながら反応を続けた。酸価が1.0KOHmg/g
になった時点で真空ポンプにより徐々に真空度を上げて
反応を完結した。その結果、水酸基価56.1KOHm
g/g、酸価0.2KOHmg/gおよび数平均分子量
2000のポリエステルポリオール(以下これをポリエ
ステルポリオールAと略称する)を得た。
【0040】参考例2〜9 表1に示す低分子ジオールを用いたこと以外は参考例1
と同様にしてエステル化反応および縮重合反応を行っ
て、ポリエステルポリオール(以下、参考例2〜9で得
られたポリエステルポリオールをそれぞれポリエステル
ポリオールB〜Iと略称する)を得た。ポリエステルポ
リオールA〜Iの内で、ポリエステルポリオールA〜F
およびIは常温(25℃)で液状であり、ポリエステル
ポリオールGおよびHは常温(25℃)でワックス状も
しくは固体状であった。
【0041】
【表1】
【0042】なお、表1において低分子ジオールはそれ
ぞれ次の略号により示す。 DMOD:2,7−ジメチル−1,8−オクタンジオー
ル DMND:2,8−ジメチル−1,9−ノナンジオール MOD :2−メチル−1,8−オクタンジオール ND :1,9−ノナンジオール MPD :3−メチル−1,5−ペンタンジオール
【0043】実施例1〜5および比較例1〜4 参考例1〜9で得られたポリエステルポリオールA〜I
の各々を用いて下記の方法でそれぞれのポリウレタンを
製造した。すなわち、ポリエステルポリオールA〜Iの
各々0.05モル(100g)、1,4−ブタンジオー
ル0.10モル(9g)、4,4´−ジフェニルメタン
ジイソシアネート0.15モル(37.5g)および
N,N´−ジメチルホルムアミド(DMF)を340g
加え、80℃で6〜8時間反応させ、ポリウレタンのD
MF溶液(不揮発分30%)を得た。得られたポリウレ
タンのDMF溶液をガラス板上に流延し、乾燥して厚さ
100μmの乾式フィルムを得た。このフィルムを用い
て上記した方法により力学的性能、耐加水分解性および
低温特性の評価を行った。その結果を下記の表2に示
す。
【0044】
【表2】
【0045】表2の結果から、式(1)および/または
式(2)で表されるジオール単位(すなわち2,7−ジ
メチル−1,8−オクタンジオール単位および/または
2,8−ジメチル−1,9−ノナンジオール単位)を含
有するポリエステルポリオールA〜Eを使用した場合
(実施例1〜5)と、式(1)、式(2)で表されるジ
オール単位を含まないポリエステルポリオールF〜Iを
使用した場合(比較例1〜4)とを対比すると、得られ
るポリウレタンの物性が次のとおり相違することが明ら
かである。
【0046】すなわち、実施例1〜5で得られるポリウ
レタンの破断強度は、比較例1〜3で得られるポリウレ
タンと比べて遜色のない高い値であり、比較例4で得ら
れるポリウレタンと比べて優れている。また実施例1〜
5で得られるポリウレタンは、400%の歪みに対する
応力(400%モジュラス)の値が比較例1〜3で得ら
れるポリウレタンより小さく、破断伸度の値は比較例1
〜3で得られるポリウレタンより大きくなっており柔軟
性が優れている。また、耐加水分解性について、非晶性
のポリエステルポリオールA〜Eから得られるポリウレ
タン(実施例1〜5)は、同じく非晶性のポリエステル
ポリオールFまたはIから得られるポリウレタン(比較
例1および4)に比べて優れている。
【0047】さらに、非晶性のポリエステルポリオール
A〜Eから得られたポリウレタン(実施例1〜5)の低
温特性も、同じく非晶性のポリエステルポリオールFま
たはIから得られるポリウレタンと比べてほぼ同程度で
あり、遜色がなかった。このように、実施例1〜5で得
られるポリウレタンは優れた機械的強度、柔軟性、耐加
水分解性および低温特性を有しており、これらの性能を
バランスよく備えたものであることがわかる。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、工業的に入手可能な原
料を用いて、機械的強度、柔軟性、耐加水分解性および
低温特性等が優れ、かつ結晶化傾向を有しないポリエス
テル系ポリウレタンを製造することができる。しかも、
本発明において使用されるポリエステルポリオールは低
粘度の液体であるうえに、加工性および作業性に優れる
という特長を有している。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオール成分とポリイソシアネート成
    分を反応させてポリウレタンを製造するに際し、ポリオ
    ール成分として下記式(1) -O-CH2 -CH(CH3 )-(CH 2 ) 4 -CH(CH3 )-CH2 -O- (1) および/または下記式(2) -O-CH2 -CH(CH3 )-(CH 2 ) 5 -CH(CH3 )-CH2 -O- (2) で表されるジオール単位を含有する数平均分子量500
    〜10000のポリエステルポリオールを使用すること
    を特徴とするポリウレタンの製造方法。
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