JP5026239B2 - ベローズの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、表面処理が施されたベローズの製造方法に関し、特に耐腐食性または耐プラズマ性に優れたベローズの製造方法に関する。
半導体製造装置などにおいて使用されるベローズは、腐食性ガスや、プラズマ、オゾン、酸素ラジカルのような活性ガスにさらされる。一般的なベローズの母材として使用されているSUS316LやSUS304Lなどのステンレス鋼は腐食性ガスや活性ガスに対して耐性はない。そこで、一般的には、前記ステンレス鋼に表面処理を施し、腐食性ガスや活性ガスに対して耐性を持たせることが行われる。前記表面処理としては、HClなどの腐食性ガスに対して優れた耐性を持つCr23不働態処理、耐腐食性や耐プラズマ性に優れた特性をもつフッ化不働態処理などがある。
しかしながら、Cr23不働態処理やフッ化不働態処理がなされたベローズも、腐食性ガスおよび活性ガス双方に対して充分な耐性をもつとはいえず、該ベローズが半導体製造装置に使用される場合、半導体ウエハなどの半導体製品の金属汚染が問題となっている。
たとえば、Cr23不働態処理がなされたベローズは、耐腐食性には優れるものの、プラズマに対して充分な耐性をもたない。また、Cr23不働態処理がなされたベローズがオゾンや酸素ラジカルにさらされると、Cr23不働態膜に含まれる3価クロム(Cr2
3)が揮発性のある6価クロム(CrO3)に変換されてクロム汚染の原因となる。
また、フッ化不働態処理がなされたベローズは、耐腐食性や耐プラズマ性には優れるものの、フッ素が半導体製造で使用されるSiH4やPH3などの特殊材料ガスに対して触媒性を持つため、比較的低温で該特殊材料ガスの分解が進行するという問題がある。
特許文献1には、様々な化学組成を有するステンレス鋼を用いて形成された未処理ベローズを、水分量1〜10ppmを含む水素または不活性ガス雰囲気下で900〜1200℃で酸化処理することにより得られた、Al23皮膜を具備するベローズが、反応性の高い雰囲気下で使用しても耐久性が高く、低コストであることが開示されている。
特開2001−200346号公報
しかしながら、特許文献1に記載のベローズには、ベローズの母材として用いるステンレス鋼の化学組成が広範であり充分に特定されていないこと、および酸化処理の温度が900〜1200℃という高温であるためベローズの生産上コスト高である、という問題があった。
本発明は上述の問題点を解決するためになされたものである。
すなわち、本発明は極めて反応性の高い雰囲気下で使用しても耐久性が高く、しかも生産上低コストで製造することのできるベローズの製造方法を提供することを目的とする。また、半導体製造で使用されるSiH4やPH3などの特殊材料ガスを分解させる触媒性が小さいベローズの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため、種々の方策を鋭意検討した結果、本発明を完
成するに至った。
すなわち、本発明のベローズの製造方法は、Cr:15〜30重量%、Ni:5〜40重量%、Al:0.9〜6重量%、Mo:1重量%未満、Mn:0.1重量%未満、C:0.1重量%未満、S:0.1重量%未満、P:0.1重量%未満、残部:Feおよび不可避的不純物を含む平板状母材(ただし、平板状母材100重量%とする。)から未処理ベローズを形成する第I工程と、該未処理ベローズを、水素水分比(H2/H2O、体積比)が2×103〜1×1012の範囲にある水および水素を含む雰囲気下、温度が750〜
895℃の範囲で加熱することにより、該未処理ベローズ表面にAl23不働態膜を形成する第II工程とを含むことを特徴とする。
前記雰囲気が、水および水素を0.001〜100体積%、不活性ガスを0〜99.999体積%の範囲で含むことが好ましい。
前記第I工程が、Cr:15〜30重量%、Ni:5〜40重量%、Al:0.9〜6重量%、Mo:1重量%未満、Mn:0.1重量%未満、C:0.1重量%未満、S:0.1重量%未満、P:0.1重量%未満、残部:Feおよび不可避的不純物を含む平板状母材(ただし、平板状母材100重量%とする。)から、少なくとも4枚の外周縁と内周縁とを有する円環板状部材を打抜く第1工程と、該円環板状部材を2枚1組で重ね合わせて内周縁を溶接し溶接部材を形成する第2工程と、該溶接部材を複数重ね合わせて外周縁を溶接して蛇腹状の未処理ベローズを形成する第3工程とを有することが好ましい。
前記平板状母材が、電解研磨された平板状母材であることが好ましい。
前記第1工程と第2工程との間に、前記円環板状部材の表面を電解研磨する工程をさらに含むことが好ましい。
前記Al23不働態膜が、膜厚が20〜150nmであることが好ましい。
前記Al23不働態膜が、Al23を98〜100重量%の範囲で含有することが好ましい。
また、本発明のベローズは、Cr:15〜30重量%、Ni:5〜40重量%、Al:0.9〜6重量%、Mo:1重量%未満、Mn:0.1重量%未満、C:0.1重量%未満、S:0.1重量%未満、P:0.1重量%未満、残部:Feおよび不可避的不純物、を含む平板状母材(ただし、平板状母材100重量%とする。)から未処理ベローズを形成し、該未処理ベローズを、水素水分比(H2/H2O、体積比)が2×103〜1×1012の範囲にある水および水素を含む雰囲気下、温度が750〜895℃の範囲で加熱する
ことにより、該未処理ベローズ表面にAl23不働態膜を形成して得られるベローズであることを特徴とする。
前記雰囲気が、水および水素を0.001〜100体積%、不活性ガスを0〜99.999体積%の範囲で含むことが好ましい。
前記Al23不働態膜が、膜厚が20〜150nmであることが好ましい。
前記Al23不働態膜が、Al23を98〜100重量%の範囲で含有することが好ましい。
本発明によれば、極めて反応性の高い雰囲気下で使用しても耐久性が高く、しかも生産上低コストで製造することができ、さらに半導体製造で使用されるSiH4やPH3などの特殊材料ガスを分解させる触媒性が非常に小さいベローズの製造方法を提供できる。
また、本発明によれば、特定の化学組成を有する母材の機械的特性により、従来のベロ
ーズと比べて繰り返し伸縮寿命などの機械的寿命の向上が可能なため、前記の耐久性も伴って、ベローズの飛躍的な高寿命化を実現することが可能となる。
次に本発明のベローズの製造方法について具体的に説明する。
本発明のベローズの製造方法は、Cr:15〜30重量%、Ni:5〜40重量%、Al:0.9〜6重量%、Mo:1重量%未満、Mn:0.1重量%未満、C:0.1重量%未満、S:0.1重量%未満、P:0.1重量%未満、残部:Feおよび不可避的不純物を含む平板状母材(ただし、平板状母材100重量%とする。)から未処理ベローズを形成する第I工程と、該未処理ベローズを、水素水分比(H2/H2O、体積比)が2×103〜1×1012の範囲にある水および水素を含む雰囲気下、温度が750〜895℃の
範囲で加熱することにより、該未処理ベローズ表面にAl23不働態膜を形成する第II工程とを含むことを特徴とする。
<平板状母材>
本発明において、ベローズの母材として用いられる平板状母材は下記の元素を含む(ただし、平板状母材100重量%とする。)。このような化学組成を有する平板状母材としては、Al含有ステンレス鋼HR31(住友金属工業(株)製、オーステナイト系ステンレス)、SUS631などが挙げられる。前記のAl含有ステンレス鋼HR31は、一般的に使用されているSUS316Lなどに比べ、引張強度やヤング率などの機械的特性に優れており、製造されるベローズの機械的寿命の向上が可能となるため好ましい。
また、本発明に用いる平板状母材は、予め研磨された平板状母材を用いてもよい。研磨の方法としては、後述する電解研磨が好ましい。
本発明に用いる平板状母材に含まれる元素について、以下に示す。
(Cr)
本発明に用いる平板状母材のCrの含有量は15〜30重量%、好ましくは15〜20重量%の範囲にある。
Crは製造されるベローズの対腐食性を確保する上で必要である。
Crの含有量が前記範囲を上回ると、平板状母材の熱間加工性が低下し、平板状母材を溶接した際に、溶接部にCrを含む金属間化合物が析出しやすくなり、製造されるベローズの靭性が低下する。一方、Crの含有量が前記範囲を下回ると、純水などの中性の水溶液中や半導体製造工場におけるクリーンルームの雰囲気下などにおいて、製造されたベローズ表面の錆の発生を防止することが困難になり、耐腐食性が低下する。
(Ni)
本発明に用いる平板状母材のNiの含有量は5〜40重量%、好ましくは20〜30重量%の範囲にある。
Niは平板状母材の耐腐食性を向上させる作用があり、また、平板状母材において安定なオーステナイト相を得るためにも有効な元素である。
Niの含有量が前記範囲を上回ると、平板状母材を溶接した際に、溶接部にNiとAlとからなる金属間化合物が析出するため、平板状母材の熱間加工性および靭性が低下する。一方、Niの含有量が前記範囲を下回ると、平板状母材をオーステナイト相に保つことが困難になる。
(Al)
本発明に用いる平板状母材のAlの含有量は0.9〜6重量%、好ましくは2〜4重量
%の範囲にある。
本発明のベローズの製造方法においては、平板状母材に含まれるAlは未処理ベローズを特定条件で加熱して該未処理ベローズ表面にAl23不働態膜を形成するために必要な元素である。
Alの含有量が前記範囲を上回ると、平板状母材を溶接した際に、溶接部にNiとAlとからなる金属間化合物が析出するため、平板状母材の熱間加工性および靭性が低下する。一方、Alの含有量が前記範囲を下回ると、未処理ベローズ表面にAl23不働態膜を形成することが困難になる。
(Mo)
本発明に用いる平板状母材のMoの含有量は1重量%未満、好ましくは0.1重量%未満である。
Moは平板状母材に必要に応じて含まれる元素である。Moは平板状母材の耐腐食性を高める効果を持っているので、本発明の製造方法で得られるベローズに該効果を付与したい場合には平板状母材に含有されていてもよいが、Moが前記範囲以上含有されると、Moを含む金属間化合物が析出しやすくなるので、平板状母材の靭性が低下する。
(Mn)
本発明に用いる平板状母材のMnの含有量は0.1重量%未満、好ましくは0.01重量%未満である。
Mnは平板状母材の熱間加工性を向上させる効果を持っているので、該効果を得る場合には少量含有されていてもよいが、Mnが前記範囲以上含有されると、Al23不働態膜の形成を阻害し、ベローズの耐腐食性を低下させる。また、Mnは、平板状母材が溶接された際に、溶接部の表面に優先的に濃化し、製造されるベローズの耐錆性および耐腐食性を著しく低下させる。したがって、Mnの含有量は小さい方がよい。
(C)
本発明に用いる平板状母材のCの含有量は0.1重量%未満、好ましくは0.01重量%未満である。
Cが前記範囲以上含有されると、平板状母材を溶接した際に、溶接部にCrの炭化物が生成しやすくなり、結晶粒界近傍のCrの含有量が低下し、耐錆性および耐粒界腐食性が著しく低下する。また、未処理ベローズ表面にAl23不働態膜を形成する第II工程において、炭化物が生成し、製造されるベローズの耐錆性および耐粒界腐食性が著しく低下することがある。
(S)
本発明に用いる平板状母材のSの含有量は0.1重量%未満、好ましくは0.01重量%未満である。
Sは硫化物系の非金属化合物を形成することがあり、硫化物系の非金属化合物がAl2
3不働態膜内に存在すると該不働態膜の欠陥となり、耐腐食性を低下させる。また、前
記非金属化合物は、平板状母材表面の平滑性を低下させる一因になるとともに、腐食の原因にもなる。さらに、半導体製造装置に使用される活性ガスなどにより、前記非金属化合物は微粒子(塵)として発生し、半導体ウエハなどの基板を汚染させる原因にもなる。したがって、Sの含有量は小さい方がよい。
(P)
本発明に用いる平板状母材のPの含有量は0.1重量%未満、好ましくは0.01重量%未満である。
Pが前記範囲以上含有されると、平板状母材の溶接性が低下する。
(Fe)
本発明に用いる平板状母材のFeの含有量は通常30〜70重量%、好ましくは40〜60重量%の範囲にある。
(不可避的不純物)
本発明に用いる平板状母材には、通常不可避的不純物が含有されているが、少ないほど好ましく、不可避的不純物の含有量は通常0.1重量%未満、好ましくは0.01重量%未満である。
不可避的不純物が前記範囲以上含有されると、未処理ベローズを特定条件で加熱して該未処理ベローズ表面にAl23不働態膜を形成することが困難になる、平板状母材を溶接した際に、溶接部に不可避的不純物に起因する金属間化合物が析出するため、平板状母材の熱間加工性および靭性が低下する、などの問題が起こることがある。
前記不可避的不純物としては、Cu、Siなどが挙げられる。
[第I工程]
第I工程は、上記化学組成を有する平板状母材を用いて未処理ベローズを形成する工程である。
本発明において、第I工程で形成される未処理ベローズの形成方法は特に限定されず、一般的に用いられる方法によって形成することができる。たとえば、溶接法により未処理ベローズを形成してもよく、また成形法により未処理ベローズを形成してもよいが、溶接法によって形成された未処理ベローズが、耐圧力や伸縮性の観点から好ましい。
<溶接法>
溶接法により未処理ベローズを形成する態様の一例を以下に記すが、本発明の目的を阻害しない範囲で、他の工程を設けてもよい。
溶接法により未処理ベローズを形成する態様では、上記第I工程が、上記平板状母材から、少なくとも4枚の外周縁と内周縁とを有する円環板状部材を打抜く第1工程と、該円環板状部材を2枚1組で重ね合わせて内周縁を溶接し溶接部材を形成する第2工程と、該溶接部材を複数重ね合わせて外周縁を溶接して蛇腹状の未処理ベローズを形成する第3工程とを有することが好ましい。
また、前記第1工程と第2工程との間に、前記円環板状部材の表面を研磨する工程を含むことが好ましい。
(第1工程)
第1工程では、上述した化学組成を有する平板状母材をプレスなどにより打抜き、少なくとも4枚の外周縁と内周縁とを有する円環板状部材を得る。前記外周縁と内周縁とを有する円環板状部材を打抜くためにプレスする際に、同時に円環板状部材の同心円状に起伏が形成された波板状に、円環板状部材を形成することが好ましい。
第1工程で打抜く円環板状部材の枚数としては、製造するベローズの大きさによっても異なるが、少なくとも4枚、通常は20〜200枚である。
(第2工程)
第2工程では、第1工程で得られた円環板状部材を2枚1組で重ね合わせて該円環板状部材の内周縁を接触させて、内周縁のみを溶接し、溶接部材を形成する。
(第3工程)
第3工程では、第2工程で得られた溶接部材を複数重ね合わせて外周縁を溶接して蛇腹状の未処理ベローズを形成する。このような形成方法としては、たとえば、第2工程で得られた溶接部材の外周縁側にスペーサーを挟持し、該溶接部材を複数重ね合わせ外周縁を接触させて固定し、外周縁を溶接することにより蛇腹状の未処理ベローズを形成する方法が挙げられる。このように溶接法により形成された未処理ベローズは、後述する第II工程に供される。
<成形法>
成形法により未処理ベローズを形成する態様の一例を以下に記す。
成形法により未処理ベローズを形成する態様では、上記平板状母材を、継ぎ目を溶接して円筒状部材に形成する。次いで前記円筒状部材を、内周面が蛇腹状に成形されたプレス用の型に収容し、該円筒状部材内部に不活性ガスなどを高圧で導入する。このようにして前記円筒状部材の内部を加圧することにより、該円筒状部材の側面をプレス用の型の内壁面に押圧してプレスする。結果、前記円筒状部材は断面形状が蛇腹型になるように成形され、未処理ベローズが形成される。
このように成形法により形成された未処理ベローズは、後述する第II工程に供される。
<研磨工程>
本発明のベローズの製造方法において、上記未処理ベローズや得られたベローズに対して研磨を行うことは構造上困難であるため、未処理ベローズを形成する前の段階で研磨を行うこと、たとえば上記平板状母材を研磨した後に用いることや、上記第1工程と第2工程との間に円環板状部材を研磨することが好ましい。
研磨前の上記平板状母材や円環板状部材の表面には異物の付着や結晶粒の大きな凹凸があり、この状態でAl23不働態膜を形成しても一様な膜厚を有する不働態膜は得られず、耐腐食性に劣る不働態膜となることがある。また、母材表面の結晶粒の間に水分などが吸蔵、吸着されるため、脱ガス特性の良好な不働態膜が得られないことがある。さらに、未処理ベローズ表面に形成されるAl23不働態膜の膜厚は、後述するように150nm以下であることが好ましいため、Al23不働態膜を形成するまえに、母材の表面を平滑にしておくことが望まれる。
母材表面の研磨には、ホーニング、ラッピングなどの機械研磨、バフ研磨、電気化学的な電解研磨法などを用いることができるが、本発明のベローズの製造方法においては、平滑性の観点から電解研磨法を最も好適に用いることができる。
(電解研磨)
電解研磨で用いられる電解溶液は、たとえば硫酸200〜300g/L、リン酸650〜700g/Lまたはクロム酸50〜100g/Lを含む水溶液などが用いられる。
電解研磨の条件は通常、温度が70〜80℃、電流密度が15〜20A/dm2、電解
研磨時間が1〜10minの範囲にある。
Al23不働態膜が形成されたベローズの表面最大粗さRmaxは1μm以下が好ましい
ため、電解研磨された母材の表面最大粗さRmaxは1μm以下が好ましく、0.5μm以
下がより好ましく、0.1μm以下が特に好ましい。前記表面最大粗さは接触式表面粗さ
計によって測定される。
なお、電解研磨後は、精密洗浄、乾燥を行うことが好ましい。
[第II工程]
第II工程は、第I工程で得られた上記未処理ベローズを、水素水分比(H2/H2O、体積比)が2×103〜1×1012の範囲にある水および水素を含む雰囲気下、温度が7
50〜895℃の範囲で加熱することにより、該未処理ベローズ表面にAl23不働態膜を形成する工程である。
本発明のベローズの製造方法において、上記未処理ベローズの母材中のAlが、他の酸化されやすい金属元素より優先的に酸化されることによって、上記未処理ベローズ表面にAl23不働態膜が形成される。
本発明のベローズの製造方法において、第II工程により、未処理ベローズの溶接部においてもAl23不働態膜を形成することが可能であるため、溶接部、非溶接部を問わず、未処理ベローズの表面全体に渡って良好にAl23不働態膜を形成することが可能である。そのため、溶接前、たとえば上記の平板状母材などにAl23不働態膜を形成する加熱処理を施す工程を設ける必要がない。
(加熱温度)
第II工程において、加熱温度は750〜895℃、好ましくは800〜895℃、より好ましくは800〜850℃の範囲にある。
加熱温度が前記範囲を上回るとAl23不働態膜が厚くなり、表面荒れ(平滑性)や膜割れの問題が生じる。また、FeなどのAl以外の元素も酸化され、Al23不働態膜中のFe酸化物の割合が増加し、また、ベローズに良好な耐腐食性を持たせることが困難になる。
加熱温度が前記範囲を下回ると母材中のAlが充分に酸化されず、ベローズに良好な耐腐食性を持たせることが困難になる。また、Cr酸化皮膜やAl酸化皮膜などの複合酸化皮膜が形成されやすくなる。さらに、加熱時間が長くなり、ベローズの生産性が低下する傾向にある。
(加熱時間)
第II工程において、加熱時間は、通常1〜3時間、好ましくは1〜2時間の範囲にある。
加熱時間が前記範囲を上回ると、未処理ベローズ表面に形成されるAl23不働態膜が厚くなり、表面荒れ(平滑性)や膜割れの問題が生じる傾向がある。また、FeなどのAl以外の元素も酸化され、Al23不働態膜内のFe酸化物の割合が増加し、また、ベローズに良好な耐腐食性を持たせることが困難になる傾向がある。また、加熱時間が長いために、ベローズの生産性の低下を招く傾向がある。
加熱時間が前記範囲を下回ると、Alが充分に酸化されず、ベローズに良好な耐腐食性を持たせることが困難になる場合がある
(雰囲気)
本発明において、未処理ベローズの加熱処理は水素水分比(H2/H2O、体積比)が2×103〜1×1012、好ましくは1×105〜1×109、より好ましくは1×105〜1×106の範囲にある水および水素を含む雰囲気下で行われる。また、通常はさらに不活
性ガスを含む雰囲気下すなわち、水、水素および不活性ガスを含む雰囲気下で行われる。
水、水素および不活性ガスを含む雰囲気下で未処理ベローズの加熱処理を行う場合には、前記水および水素を通常0.001〜100体積%、好ましくは1〜20体積%、より好ましくは1〜10体積%の範囲で含み、不活性ガスを通常0〜99.999体積%、好ましくは80〜99体積%、より好ましく90〜99体積%の範囲で含む。
水素水分比が前記範囲を上回ると、未処理ベローズ表面の酸化ポテンシャルが小さくなりすぎてAlも還元されてしまい、Al23不働態膜が充分に形成されなくなる。
水素水分比が前記範囲を下回ると、Al以外にCrやFeも酸化されてしまい、CrやFeを含む多孔質なAl23不働態膜になる。
前記不活性ガスとしては、窒素ガス、Arガス、Heガスなどが挙げられるが、ベローズ表面の窒化防止および製造コストの観点からArガスが好ましい
また、本発明において未処理ベローズの加熱処理の圧力は、通常1〜760Torr、好ましくは50〜300Torrの範囲にある。
圧力が前記範囲を上回ると、ガスの使用量が増えて製造コストがかかるため、好ましくない。
圧力が前記範囲を下回ると、熱伝達率の低下により未処理ベローズへ充分に熱が伝わらず、所定の膜厚が得られず加熱時間が増加し、ベローズの生産性が低下するため、好ましくない。
(膜厚)
第II工程において、未処理ベローズ表面上に形成されるAl23不働態膜の膜厚は、通常20〜150nm、好ましくは50〜100nmの範囲にある。
Al23不働態膜の膜厚が前記範囲を上回ると、金属間化合物の析出やAl23不働態膜の膜割れなどの問題が生じることがある。また、Al23不働態膜の残留応力が大きくなり、割れや剥離が生じやすくなり、充分な耐腐食性が得られないことがある。
Al23不働態膜の膜厚が前記範囲を下回ると、充分な耐腐食性が得られない傾向がある。
なお、膜圧の調整は、水素水分比(H2/H2O、体積比)および加熱温度を一定にして、加熱時間で調整することが好ましい。
(Al23不働態膜の組成)
第II工程において、未処理ベローズ表面上に形成されるAl23不働態膜には、主成分であるAl23が通常98〜100重量%、好ましくは99〜100重量%含有されるが、本発明の目的を阻害しない範囲において、その他の成分が含有されていてもよい。
その他の成分としては、Fe酸化物、Cr酸化物、Ni酸化物などが挙げられる。
なお、Al23不働態膜の組成の調整は、加熱温度と加熱時間とを一定にして、水素水分比(H2/H2O、体積比)で調整することが好ましい。
[ベローズ]
本発明の製造方法で製造されるベローズは、溶接部も含めたベローズ全表面に耐腐食性および耐プラズマ性に優れたAl23不働態膜が形成されている。Al23不働態膜が優れた耐腐食性や耐プラズマ性を有することは一般に知られている。
したがって、本発明の製造方法で製造されるベローズは、腐食性ガス、プラズマ、オゾ
ンや酸素ラジカルなどの活性ガスに対して優れた耐性を有し、半導体製造装置などで使用されても腐食や金属汚染などの問題を起こさない。また、本発明の製造方法で製造されるベローズの不働態膜は、半導体で使用されるSiH4、PH3などの特殊材料ガスを分解させるような触媒作用を持つフッ素などの元素を有さないため、主に、半導体製造装置のプロセスチャンバー内でウエハ基板ステージの昇降用ベローズとして用いることができる。
また、上記の化学組成を有する母材、たとえばAl含有ステンレス鋼HR31(住友金属工業(株)製、オーステナイト系ステンレス)などの機械的特性により、従来のベローズと比べて繰り返し伸縮寿命などの機械的寿命の向上が可能なため、耐腐食性や耐プラズマ性に加え、機械的特性を有するベローズを得ることができる。
[実施例]
以下、本発明について実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
(母材のX線光電子分光)
XPS(X線光電子分光、日本電子(株)製)により、母材表面から深さ方向にアルゴンイオンを用いてエッチングをし、各段階における母材の化学組成の分析をした。
(ベローズのオゾン耐性試験1)
製造されたベローズを、流量50cc/minに設定された10重量ppmO3を含む
超純水に5日間浸漬させることにより、ベローズのオゾン耐性1を調べた。ベローズのオゾン耐性1は、XPSによりAl23不働態膜の化学組成を分析し、SEM(走査型電子顕微鏡、日本電子(株)製)によりベローズ表面の状態を観察することにより評価した。
(ベローズのオゾン耐性試験2)
製造されたベローズを、流量1L/min、100℃に設定された10体積%O3を含
むO2雰囲気下に24時間設置し、ベローズのオゾン耐性2を調べた。ベローズのオゾン
耐性2は、SEM(走査型電子顕微鏡、日本電子(株)製)によりベローズ表面の状態を観察し、「良」、「やや良」、「不良」の3段階で評価した。
(ベローズの超純水耐性試験)
製造されたベローズを、25℃に保たれた超純水に5日間浸漬させることにより、ベローズの超純水耐性を調べた。ベローズの超純水耐性は、XPSによりAl23不働態膜の化学組成を分析し、SEM(走査型電子顕微鏡、日本電子(株)製)によりベローズ表面の状態を観察することにより評価した。
(ベローズの耐久試験)
製造されたベローズの耐久試験として、ベローズの伸縮駆動試験およびパーティクル試験を行った。
伸縮駆動試験:ベローズを2倍から3倍に伸縮させること(以下、「伸縮駆動」ともいう。)を1000万回繰り返し、ベローズの破損状況について目視で観察した。
パーティクル試験:ベローズ内部を大気圧に設定し、気中パーティクルカウンター(リオン(株)製)により、前記伸縮駆動10万回毎に、伸縮駆動100回当たりの発生パーティクル量(ただし、粒径0.1μm以上)を測定した。なお、前記伸縮駆動は100万回まで行った。
<第I工程>
(平板状母材)
平板状母材として、Cr:17.7重量%、Ni:25.5重量%、Al:3.0重量%、Mo:0.01重量%、Mn:0.01重量%未満、C:0.01重量%未満、S:0.01重量%未満、P:0.01重量%未満、残部:Feおよび不可避的不純物(ただし、平板状母材100重量%とする。)を含むAl含有ステンレス鋼HR31(住友金属工業(株)製、オーステナイト系ステンレス、0.12mm厚)を用いた。
図1に前記平板状母材のXPSの測定結果を示す。図1に示されているように、前記平板状母材の表面から深さ方向0〜100nm程度の領域においては、AlやFeなどの酸化層が形成されていた。
(電解研磨)
前記酸化層を除去するために、前記平板状母材の表面の電解研磨を行った。電解研磨が施された平板状母材のXPSの測定結果を図2に示す。図2に示されているように、電解研磨により、平板状母材表面のAlやFeなどの酸化層が除去された。
(未処理ベローズの製作)
電解研磨が施された平板状母材120枚を用いて、溶接法により、内径71.42mm、外形84.12mm、山数60の未処理ベローズを製作した(図3に実施例1で製作した未処理ベローズの概略を示す。)。
<第II工程>
第I工程で得られた未処理ベローズを、下記の条件で加熱し、該未処理ベローズ表面にAl23不働態膜を形成した。
加熱温度:850℃
加熱処理時間:2時間
圧力:150Torr
雰囲気:水素水分比(H2/H2O、体積比)=1.0×105、かつH2OとH2とを合
計10体積%含むAr雰囲気、
流量:20L/min
加熱処理が施されたベローズの同心円状に起伏が形成された波板状の部分(以下、「波板部」ともいう。)におけるXPSの測定結果を図4に、溶接部におけるXPSの測定結果を図5に示す。図4に示されているように、ベローズの波板部表面から深さ方向0〜80nmにAl23不働態膜が形成されていることがわかる。また、図5に示されているように、溶接ベローズの溶接部においても、溶接部表面から深さ方向0〜50nmにAl2
3不働態膜が形成されていることがわかる。また、Al23不働態膜には、Al23
99.9重量%含有されていることがわかった。
<ベローズのオゾン耐性1および超純水耐性>
Al23不働態膜が形成されたベローズのオゾン耐性1および超純水耐性を調べた。
Al23不働態膜は、オゾン耐性試験1および超純水耐性試験前後でほとんど変化せず、本発明の製造方法で製造されたベローズは、酸化力の大きいオゾンや、超純水に対して優れた耐性を有することがわかった。
<ベローズの耐久試験>
ベローズの伸縮駆動試験の結果、ベローズに破損は見られなかった。
ベローズのパーティクル試験の結果、100万回までの伸縮駆動での発生パーティクル量は2個/100回伸縮駆動以下であった。
<ベローズのオゾン耐性2>
Al23不働態膜が形成されたベローズのオゾン耐性試験2の結果を表1に示す。
第II工程における加熱処理時間を1時間にしたこと以外は実施例1と同様にしてベローズを製造した。
加熱処理が施されたベローズの波板部におけるXPSの測定結果を図6に示す。図6に示されているようにベローズの波板部表面から深さ方向0〜50nmにAl23不働態膜が形成されていることがわかる。加熱時間が2時間の条件で形成されたAl23不働態膜の膜厚(図4)と比べ、加熱時間が1時間の条件で形成されたAl23不働態膜の膜厚(図5)は小さくなり、Al23不働態膜の膜厚は加熱時間により制御できることが示されている。また、Al23不働態膜には、Al23が99.9重量%含有されていることがわかった。
<ベローズのオゾン耐性1および超純水耐性>
Al23不働態膜が形成されたベローズのオゾン耐性1および超純水耐性を調べた。
Al23不働態膜は、オゾン耐性試験1および超純水耐性試験前後でほとんど変化せず、本発明の製造方法で製造されたベローズは、酸化力の大きいオゾンや、超純水に対して優れた耐性を有することがわかった。
<ベローズの耐久試験>
ベローズの伸縮駆動試験の結果、ベローズに破損は見られなかった。
ベローズのパーティクル試験の結果、100万回までの伸縮駆動での発生パーティクル量は2個/100回伸縮駆動以下であった。
第II工程における雰囲気を水素水分比(H2/H2O、体積比)=2×103、かつH2OとH2とを合計を10体積%含むAr雰囲気とした以外は実施例1と同様にしてベロー
ズを製造した。
XPSにより製造されたベローズのAl23不働態膜の化学組成を分析した結果、Al23不働態膜にはAl23が98重量%、Cr23が2重量%含有されていることがわかった。
<ベローズのオゾン耐性2>
Al23不働態膜が形成されたベローズのオゾン耐性試験2の結果を表1に示す。
[比較例1]
第II工程における雰囲気を水素水分比(H2/H2O、体積比)=1×103、かつH2OとH2とを合計を10体積%含むAr雰囲気とした以外は実施例1と同様にしてベロー
ズを製造した。
XPSにより製造されたベローズのAl23不働態膜の化学組成を分析した結果、Al23不働態膜にはAl23が95重量%、Cr23が5重量%含有されていることがわかった。
<ベローズのオゾン耐性2>
Al23不働態膜が形成されたベローズのオゾン耐性試験2の結果を表1に示す。
[比較例2]
第II工程における雰囲気を水素水分比(H2/H2O、体積比)=5×102、かつH2OとH2とを合計を10体積%含むAr雰囲気とした以外は実施例1と同様にしてベロー
ズを製造した。
XPSにより製造されたベローズのAl23不働態膜の化学組成を分析した結果、Al23不働態膜にはAl23が90重量%、Cr23が10重量%含有されていることがわかった。
<ベローズのオゾン耐性2>
Al23不働態膜が形成されたベローズのオゾン耐性試験2の結果を表1に示す。
以上の結果より、ベローズのAl23不働態膜のAl23含有量は、第II工程における加熱処理時の雰囲気(水素水分比)で制御することが可能であることがわかる。
Figure 0005026239
実施例1で用いられた平板状母材のXPSの測定結果である。 実施例1で用いられた、電解研磨が施された平板状母材のXPSの測定結果である。 実施例1で形成された未処理ベローズの概略を示す図である。 実施例1で用いられた、加熱処理が施されたベローズの波板部におけるXPSの測定結果である。 実施例1で用いられた、加熱処理が施されたベローズの溶接部におけるXPSの測定結果である。 実施例2で用いられた、加熱処理が施されたベローズの波板部におけるXPSの測定結果である。

Claims (11)

  1. Cr:15〜30重量%、Ni:5〜40重量%、Al:0.9〜6重量%、Mo:1重量%未満、Mn:0.1重量%未満、C:0.1重量%未満、S:0.1重量%未満、P:0.1重量%未満、残部:Feおよび不可避的不純物を含む平板状母材(ただし、平板状母材100重量%とする。)から未処理ベローズを形成する第I工程と、
    該未処理ベローズを、水素水分比(H2/H2O、体積比)が2×103〜1×1012
    範囲にある水および水素を含む雰囲気下、温度が750〜895℃の範囲で加熱することにより、該未処理ベローズ表面にAl23不働態膜を形成する第II工程とを含むことを特徴とするベローズの製造方法。
  2. 前記雰囲気が、水および水素を0.001〜100体積%、不活性ガスを0〜99.999体積%の範囲で含むことを特徴とする請求項1に記載のベローズの製造方法。
  3. 前記第I工程が、
    Cr:15〜30重量%、Ni:5〜40重量%、Al:0.9〜6重量%、Mo:1重量%未満、Mn:0.1重量%未満、C:0.1重量%未満、S:0.1重量%未満、P:0.1重量%未満、残部:Feおよび不可避的不純物を含む平板状母材(ただし、平板状母材100重量%とする。)から、少なくとも4枚の外周縁と内周縁とを有する円環板状部材を打抜く第1工程と、
    該円環板状部材を2枚1組で重ね合わせて内周縁を溶接し溶接部材を形成する第2工程と、
    該溶接部材を複数重ね合わせて外周縁を溶接して蛇腹状の未処理ベローズを形成する第3工程とを有することを特徴とする請求項1または2に記載のベローズの製造方法。
  4. 前記平板状母材が、電解研磨された平板状母材であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のベローズの製造方法。
  5. 前記第1工程と第2工程との間に、前記円環板状部材の表面を電解研磨する工程をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載のベローズの製造方法。
  6. 前記Al23不働態膜が、膜厚が20〜150nmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のベローズの製造方法。
  7. 前記Al23不働態膜が、Al23を98〜100重量%の範囲で含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のベローズの製造方法。
  8. Cr:15〜30重量%、Ni:5〜40重量%、Al:0.9〜6重量%、Mo:1重量%未満、Mn:0.1重量%未満、C:0.1重量%未満、S:0.1重量%未満、P:0.1重量%未満、残部:Feおよび不可避的不純物、を含む平板状母材(ただし、平板状母材100重量%とする。)から未処理ベローズを形成し、
    該未処理ベローズを、水素水分比(H2/H2O、体積比)が2×103〜1×1012
    範囲にある水および水素を含む雰囲気下、温度が750〜895℃の範囲で加熱することにより、該未処理ベローズ表面にAl23不働態膜を形成して得られるベローズ。
  9. 前記雰囲気が、水および水素を0.001〜100体積%、不活性ガスを0〜99.999体積%の範囲で含むことを特徴とする請求項8に記載のベローズ。
  10. 前記Al23不働態膜が、膜厚が20〜150nmであることを特徴とする請求項8または9に記載のベローズ。
  11. 前記Al23不働態膜が、Al23を98〜100重量%の範囲で含有することを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載のベローズ。
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