JP5025412B2 - 熱収縮性フィルム - Google Patents

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本発明は、熱収縮によって被包装物に密着して緊張させる、熱収縮性フィルムに関する。特に、弁当容器や惣菜の容器等の包装後に電子レンジで再加熱される被包装物の包装に適した熱収縮性フィルムに関する。
包装用収縮フィルムは、被包装物の形状や大きさに依らず、同時に複数個の製品を迅速かつタイトに包装することができ、得られた包装物は外観が美しく、ディスプレイ効果を発揮し、商品価値を高め、また内容物を衛生的に保ち、視覚による品質確認が容易なことから、食品、雑貨等の包装に多用されている。
かかる包装用収縮フィルムを用いた包装方法としては、フィルムに少し余裕を持たせて内容物を一次包装した後、熱風等によりフィルムを熱収縮させる方法が一般的であり、ピローシュリンク包装がその代表例である。この方法は、一般的には、容器やトレーに収納された食品等の被包装物をフィルムで筒状に覆い、次に回転ローラー式等のセンターシール装置にて被包装物の裏面にシール線がくるように合掌ヒートシールし、続いて該筒状フィルムの両開放端をヒートシールして袋状とし、シュリンクトンネルと呼ばれるボックス内で熱風によって加熱処理をして、あらかじめ付設した孔より内部の空気を脱気しながらこれを加熱収縮させる。このピローシュリンク包装には上記以外にも三方シール、および四方シールした袋状フィルムを加熱する方法等がある。
このようなピローシュリンク包装を施す被包装体の主な例として、弁当や惣菜を入れた蓋付きのポリスチレン製やフィラー入りポリプロピレン(PP)製等の耐熱容器、肉や魚を入れた蓋の無い発泡ポリスチレン製、PP製、紙製等のトレー等が挙げられ、いずれの場合も容器やトレーを、余裕を持たせてゆったり包装し、その後に熱風を吹き付けて収縮させることで、角残りの少ない美麗な包装体が得られている。
ところで、近年は、炭酸ガスの排出の削減や包装ラインの速度アップによる経費削減等のために、シュリンク包装時加熱温度の低温化が望まれており、シュリンクフィルムの収縮特性としては、なるべく低い温度でも高収縮する方がよい。しかし、前述の弁当や惣菜といった被包装体の包装においては、包装後に電子レンジでの再加熱が行われることが多く、温度によっては、容器が熱により軟らかくなる。そのため、熱収縮性フィルムを用いて包装された包装物を電子レンジで再加熱すると、フィルムの収縮によって容器が変形することがある。最近は省資源の観点から容器やトレーの薄肉化が進んでいるため、このような容器変形が起こりやすくなっている。そのため容器変形を防止する観点から、包装用フィルムの収縮特性としては、再加熱時の温度を考慮して100℃以下において低収縮である方がよい。
また、ピロー包装時のシールにおいては、特に包装体の前後の部分をシールする際、シールバーの温度が高いと、シール部分がフィルムの巾方向に収縮してしまい、収縮後、ここに小皺が残ることがある。このため、低温でシールできる方が、収縮後にシール部分の小皺が残り難い。しかし、フィルム同士のシール温度が低すぎると、例えば電子レンジ加熱温度以下でシールしてしまい、包装体を2段重ねでレンジ加熱した場合に、上下のフィルム同士が融着してしまう問題がある。
したがって、シュリンクフィルムにおいては、低温シールが可能であることとともに、使用中にフィルム同士が融着しないということも重要である。
一方でゴミ減量化のため、フィルムを薄肉化することについても期待されているが、フィルムの薄肉化を行うと、更に剛性やフィルムの破れに対する強度が低下して、包装機適性やハンドリング性が急激に低下する。
弁当・惣菜等の包装をピロー包装で行う場合、一般に用いられるピロー包装機は被包装体を1次包装する際にフィルムに針で孔を開け、更にフィルムの両端を10〜20%程度巾方向に引っ張りながら、非包装体の底部にフィルム端部を誘導し、一対の熱ローラーで挟んで連続的に熱シールする。孔を開けるのは後工程の収縮時に包装体内の余分な空気を抜くためであるが、この1次包装の時、巾方向に引っ張る工程で破れることが多く、中でも空気抜きのための針孔からの破れがフィルムの流れ方向へと伝播することが多い。
したがって、包装後に電子レンジで再加熱を行うような用途における熱収縮性の薄肉フィルムは、フィルム包装を行う際の加熱温度である110℃付近〜160℃での高収縮性と、再加熱時の100℃付近以下での低収縮性の両立、更にはフィルムの剛性低下を防ぎ、強度を維持するという難しい課題解決が求められる。
一方、フィルムの剛性を最も効率よく上げる手段としては多層化を行って最外層に硬い樹脂を使用することでフィルムの剛性アップを図ることが挙げられる。
特許文献1には、線状低密度エチレン−α−オレフィン共重合体から形成される基層の両面に、該基層を形成する線状低密度エチレン−α−オレフィン共重合体より密度が少なくとも0.01g/cm3以上大きい線状低密度エチレン−α−オレフィン共重合体から形成される表面層を有する架橋積層フィルムが開示されている。
しかしながら、表面層樹脂組成と内部層樹脂組成の密度差が大きすぎるため、収縮包装を行うと特に収縮率の大きい包装体の角の部分が白化する問題が生じる。この現象は、内部層の収縮に追随出来ない表面層が波打ったよう形状になり、表面荒れを起こすためと考えられる。従って、収縮後の白化を起こさないためには内部層樹脂の縮みやすさよりも表面層樹脂組成の縮みやすさが同等か、それ以上にすることが求められる。
特許第3097874号
本発明者は、上記課題を達成する為に鋭意検討した結果、包装時の破れが、フィルムの伸び易さと相関があることを見出した。
本発明は、押出安定性と高倍率延伸性に優れ、フィルムの厚み均一性が良好であり、薄肉でも十分実用的剛性を有し、包装時に破れが発生しないフィルムの提供を目的とする。また、熱収縮包装時には、収縮後の白化が無く、優れた透明性および光沢を有し、収縮不足による緩みやヒートシール線端部の角残りもなく、被包装物にタイトに密着した、優れた包装仕上がり性により、高い商品保護性を発現するフィルムを提供することを目的とする。本発明によればフィルムが薄肉化できるため、廃棄物を削減することができ、環境適性に優れ、地球温暖化対策にも資することができる。
すなわち、本発明は下記の通りである。
1.両表面層と、内部層の少なくとも3層からなる多層フィルムにおいて、内部層が、密度が0.900〜0.925g/cm3のエチレン−α−オレフィン共重合体を50〜95重量%と、270℃における溶融張力が60〜200mNである高圧法低密度ポリエチレン5〜50重量%からなり、両表面層が、前記内部層におけるエチレン−α−オレフィン共重合体の密度より0.001g/cm3以上0.015g/cm3未満大きい密度を有するエチレン−α−オレフィン共重合体を主体とする樹脂組成物からなることを特徴とする熱収縮性フィルム。
2.フィルム厚みが5〜15μmである前記1.に記載の熱収縮性フィルム。
3.ゲル分率が10〜50重量%であることを特徴とする前記1.又は2.に記載の熱収縮性フィルム。
本発明の熱収縮性フィルムは、押出安定性と高倍率延伸性に優れ、フィルムの厚み均一性が良好であり、薄肉でも十分実用的剛性を有し、包装時に破れが発生しない。また、熱収縮包装時には、収縮後の白化が無く、優れた透明性および光沢を有し、収縮不足による緩みやヒートシール線端部の角残りもなく、被包装物にタイトに密着した、優れた包装仕上がりが得られる高い商品保護性を発現するフィルムである。本発明によればフィルムが薄肉化できるため、廃棄物を削減することができ、環境適性に優れ、地球温暖化対策にも有効である。
本発明について、好ましい実施態様を中心に、以下詳細に説明する。
1.内部層の材料
本発明の熱収縮性フィルムは、その内部層が、密度が0.900〜0.925g/cm3のエチレン−α−オレフィン共重合体を50〜95重量%と、270℃における溶融張力が60〜200mNの高圧法低密度ポリエチレン5〜50重量%からなる。
エチレン−α−オレフィン共重合体の密度が0.900g/cm3以上であれば、フィルムの腰が上がり、包装機での走行性が向上し、0.925g/cm3以下であれば、110℃付近以上における収縮率が向上する。好ましくは0.907〜0.923g/cm3、より好ましくは0.910〜0.921g/cm3である。
ここで、エチレン−α−オレフィン共重合体とは、エチレンと、炭素数が3〜18のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種の単量体との共重合体をいう。
エチレン−α−オレフィン共重合体の単量体として用いられるα−オレフィンとしては、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチル−ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1、ドデセン−1等が挙げられる。
該共重合体を製造するのに用いられる重合触媒は特に限定されないが、例えば、マルチサイト触媒やシングルサイト触媒等が挙げられる。
内部層に用いるエチレン−α−オレフィン共重合体は1種又は2種以上の密度やコモノマー種の異なるものを混ぜて用いても、前記規定の密度範囲内であればよい。
一般的にエチレン−α−オレフィン共重合体は溶融張力が低いため、未延伸チューブまたはシートの押出安定性の観点から、層構成材料として単独での使用は困難であると考えられており、溶融張力の高い高圧法低密度ポリエチレンやエチレン−酢酸ビニル共重合体と混ぜ合わせて、層構成材料の溶融張力を調整することでは行われている。しかしながら、高圧法低密度ポリエチレンやエチレン−酢酸ビニル共重合体は、エチレン−α−オレフィン共重合体に比べ、引裂強度が低いので、高圧法低密度ポリエチレンのブレンド比が高くなるほど、層構成材料の引裂強度は低下する傾向にある。
内部層に含まれるエチレン−α−オレフィン共重合体の融解主ピーク温度は、低温収縮性の観点から、好ましくは118℃以下であり、より好ましくは116℃以下である。
ここで、融解主ピーク温度とは、共重合体を温度0℃から10℃/分で200℃まで昇温し(1st.融解挙動)、200℃で1分間保持した後、10℃/分で0℃まで降温し、次いで再び10℃/分で200℃まで昇温(2nd.融解挙動)したときに示す吸熱ピークのうち、最も大きいピーク値を示すものを指す。
内部層に含まれる高圧法低密度ポリエチレンの270℃における溶融張力は、60mN以上200mN以下である必要がある。200mN以下であると、高倍率延伸性が向上する。より好ましくは80mN〜160mNである。上記溶融張力を有する高圧法低密度ポリエチレンを選択する際の目安としては、190℃において測定されるメルトインデックス(荷重=2.16kgf)の上限が0.40g/10分未満、好ましくは0.35g/10分未満、より好ましくは0.30g/10分未満を用いると良い。また、押出し性の観点から0.05g/10分以上であることが好ましい。
上記のような溶融張力を有する高圧法低密度ポリエチレンを5〜50重量%使用することで、押出安定性が向上し、未延伸チューブの変動幅として0〜5%のものを得ることができる。該高圧法低密度ポリエチレンの使用量は、好ましくは8〜40重量%、より好ましくは10〜30重量%である。このように内部層に配合する高圧法低密度ポリエチレンを少なくすることで、包装時の破断伸びが向上し、裂けトラブルを減少させることが可能となる。
ここで、溶融張力の測定について述べる。株式会社東洋精機製作所製キャピログラフ1C(商品名)のバレル先端に8.0mmの長さと2.095mmのノズル径を有するキャピラリーを取り付け、バレル温度を270℃に設定し、試料のペレットを数回に分けて充分に空気を抜きながらバレル内に充填し、溶融させる。ピストン速度を10mm/minに設定してキャピラリーより溶融した樹脂をストランド状に押出し、このストランドをキャピラリー下面の60cm真下に設置した直径45mmの張力検出用プーリーに掛けて一定の巻取速度で巻き取った。巻取速度を1、3、5、7、10、15、20、25、30m/分と段階的に上げ、それぞれの巻取速度で張力が定常状態になった段階で20秒間データを取り込む。それぞれの巻取速度において、同様の測定を3回実施して、そのn=3の平均値をその巻取速度での張力とし、得られた張力のうちで最大の張力を溶融張力とした。巻取速度が30m/分に達する前にストランドが切断した場合は、そこで測定を終了し、得られた最大の張力を溶融張力として採用する。
本発明において、270℃における溶融張力とは、270℃にした樹脂又は樹脂組成物を2.095mmのノズル径を有するキャピラリーからストランド状に押し出し、このストランドを巻取速度1、3、5、7、10、15、20、25、30m/分で巻き取ったときに樹脂又は樹脂組成物が示す張力のうち最大のものをいう。
本発明において内部層は、前記エチレン−α−オレフィン共重合体を50〜95重量%含む。前記エチレン−α−オレフィン共重合体の含有量の下限値は好ましくは60重量%、さらに好ましくは70重量%である。かかる含有量で用いることにより、押出性と押出成形性、さらに延伸安定性が得られる他、引裂強度が向上して包装時の裂け伝播等のトラブルが減少する。
前述したように内部層に用いるエチレン−α−オレフィン共重合体とともにエチレン−酢酸ビニル共重合体を含有させると、フィルムに柔軟性と延伸安定性を付与することができる。通常、酢酸ビニルの含有量が増加するほど、融点が下がり柔軟になる。好ましい酢酸ビニル含有量としては1重量%以上30重量%以下であり、より好ましくは1重量%以上20重量%以下、さらに好ましくは1重量%以上15重量%以下である。
内部層には、0〜30重量%の範囲であれば、フィルムの透明性を損なわない限り、ポリプロピレン系樹脂、スチレン系樹脂、ポリブテン系樹脂、エチレン系樹脂等の任意の他の樹脂を含んでもよい。
内部層には、リサイクル原料を使用することができる。リサイクル原料とは、所定の巾にスリットする際などに余ったフィルム等を、粉砕処理したものを溶融押出して、ペレット化したものである。これらのリサイクル原料は、非リサイクル原料と比べて架橋処理などにより分子量が増大し溶融粘度が高くなっていることがあり、これを表面層に用いると、非リサイクル原料との粘度差によりフィルム表面が荒れて透明性が低下することもある。しかし、内部層に用いると、表面荒れは起こりにくく、フィルムの透明性が保持できるので、省資源等の観点から好ましい。
2.表面層の材料
本発明の熱収縮性フィルムは、その両表面層が、前述した内部層におけるエチレン−α−オレフィン共重合体よりも密度が0.001g/cm3以上、0.015g/cm3未満大きい密度を有するエチレン−α−オレフィン共重合体を主体とする樹脂組成物からなるものである。包装収縮後の透明性や包装仕上がり等の観点、特に密度差が大きすぎると、高収縮部においては白化が起こる為、前記内部層におけるエチレン−α−オレフィン共重合体よりも密度が好ましくは0.001g/cm3以上0.012g/cm3未満大きいものが良く、より好ましくは0.001g/cm3以上0.01g/cm3未満大きいものが良い。
表面層における前記エチレン−α−オレフィン共重合体の密度は、具体的には、0.901g/cm3以上0.940g/cm3以下である。エチレン−α−オレフィン共重合体の密度が0.901g/cm3以上であれば、フィルムの腰が上がり、包装機での走行性が向上し、0.940g/cm3以下であれば、110℃付近以上における収縮率がさらに向上する。好ましくは0.908〜0.935g/cm3、より好ましくは0.909〜0.930g/cm3、更に好ましくは0.910〜0.924g/cm3である。
表面層を形成するエチレン−α−オレフィン共重合体は密度やメルトインデックスが異なる2種類以上をブレンドすることで密度を調整しても良い。
表面層を形成するエチレン−α−オレフィン共重合体を主体とする樹脂組成物は、エチレン−α−オレフィン共重合体単独で構成されていても、他の重合体との混合物であってもよい。他の重合体との混合物である場合には、他の重合体の含有量は、エチレン−α−オレフィン共重合体100重量部に対して50重量部以下であることが好ましく、より好ましくは30重量部以下、さらに好ましくは20重量部以下である。
他の重合体として、密度が0.930g/cm3以下の高圧法低密度ポリエチレンをエチレン−α−オレフィン共重合体100重量部に対し、好ましくは1〜25重量部、より好ましくは5〜20重量部添加すると、ホットタックシール性や透明性が向上するので好ましい。また、他の重合体として、密度が0.850〜0.900g/cm3のエチレン−α−オレフィンを、エチレン−α−オレフィン共重合体100重量部に対し、好ましくは1〜25重量部、より好ましくは5〜20重量部添加すると、低温シール化できるため好ましい。
表面層は、特にシール部周辺の小皺の抑制、消費電力の節約等の観点から、低温でシールできる、すなわち低温で融解しやすいことが必要であるが、電子レンジ使用における耐熱性も必要である。したがって、表面層を構成するエチレン−α−オレフィン共重合体を主体とする樹脂組成物の示差走査熱量計の2nd.融解挙動における全融解熱量に対する100℃以下の融解熱量の比率は40〜75%であることが好ましい。低温シール性の観点からは、全融解熱量に対する100℃以下の融解熱量の比率は40%以上であることが好ましく、より好ましくは45%以上、さらに好ましくは50%以上である。また、弁当や惣菜等の入った蓋付き容器を該フィルムで包装した包装体を電子レンジで加熱した時にフィルム同士が融着しにくくなるという観点からは、75%以下が好ましく、より好ましくは65%以下、さらに好ましくは60%以下である。
ここで、示差走査熱量計の2nd.融解挙動における全融解熱量に対する100℃以下の融解熱量の比率とは、樹脂組成物を温度0℃から10℃/分で200℃まで昇温し(1st.融解挙動)、200℃で1分間保持した後、10℃/分で0℃まで降温し、次いで再び10℃/分で200℃まで昇温(2nd.融解挙動)したときの、20℃〜100℃の総融解熱量を、20℃〜融解終了するまでの範囲の総融解熱量で割った値(%)をいう。
本発明の熱収縮性フィルム全体の厚さに対する表面層の厚み比率は、押出成形性、シール性、透明性等の観点から、フィルム全体に対して、好ましくは5〜50%であり、より好ましくは8〜30%、さらに好ましくは10〜20%である。
3.熱収縮性フィルム
本発明の熱収縮性フィルムの製造方法に特に限定はなく、各層を別々に形成し、その後貼り合わせることにより製造してもよいが、溶融押出法で共押出して製造するのが好ましい。例えば、各層を構成する樹脂又樹脂組成物をそれぞれの押出機で溶融して、多層サーキュラダイ等で共押出しすることができる。
また、本発明の熱収縮性フィルムは両表面層と内部層の少なくとも3層からなる多層フィルムであり、内部層と表面層との間に中間層を設けても良いし、内部層を分割して、その間に芯層を設けても良い。
また本発明の熱収縮性フィルムは、耐熱性付与や特に5〜15μm程度のフィルムにしてより安定して延伸を行うために、架橋処理を行ったものが好ましい。
架橋処理の方法としては、例えば、電子線、紫外線、X線、α線、γ線等のエネルギー線の照射が挙げられる。
架橋処理の好ましい照射線量の範囲は40〜200kGyであり、ヒートシール性と延伸安定性の観点から50〜120kGyがより好ましい。
架橋度の尺度としてはゲル分率が用いられる。ここで、ゲル分率とは、沸騰パラキシレンに試料を12時間浸漬した後、溶解しないで残存している部分の割合であり、次式により表される。
ゲル分率(重量%)=(抽出後の試料重量/抽出前の試料重量)×100
ヒートシール性の観点から、少なくとも一方の表面層のゲル分率は1〜20重量%とすることが好ましく、より好ましくは3〜15重量%である。
表面層のゲル分率が1重量%以上であると、フィルムの透明性が向上し、20重量%以下であるとヒートシール性が向上し、低圧力でシールしても十分な強度のシール性が得られる。
また、本発明の熱収縮性フィルム(フィルム全体)のゲル分率は、フィルムの延伸性や耐熱性の観点からで10〜50重量%の範囲であることが好ましく、20〜40重量%の範囲であることがより好ましい。また、ヒートシール性と延伸性を両立させる観点から、ヒートシール層として使用される表面層と内部層のゲル分率の比率は2:1〜1:20であることが好ましい。
表面層と内部層のゲル分率を制御する為には、例えば分子量の異なる樹脂を使用する方法が用いられる。分子量が大きければ架橋がされやすくなる。また、樹脂に添加する酸化防止剤の量を増量することで架橋抑制を行う方法も用いられる。
本発明の熱収縮性フィルムは、延伸処理を施したものが好ましい。具体的には、未延伸の熱収縮性フィルムに架橋処理を行い、各層を構成する樹脂の融解ピーク温度より10℃以上高い温度で流れ方向及び巾方向に、少なくとも1方向に6倍以上の逐次二軸延伸または同時二軸延伸を行うことが好ましい。延伸処理を行うには、特にダブルバブルインフレーション法によるのが好ましく、該方法は10μ程度の薄いフィルムを延伸するのに好適である。
なお、本発明において、流れ方向とは、フィルム形成時の押出方向をいい、巾方向とは押出方向に直交する方向をいう。
ダブルバブルインフレーション法による製膜においては、具体的には、押出機を用いて各層を構成する樹脂組成物を溶融押出して、1層ずつ環状ダイス内で順次合流させるか、環状ダイス内で1度に合流させて、多層のチューブ状未延伸原反を得る。このとき、1層につき1台の押出機を使用してもよいし、1台の押出機から環状ダイスに樹脂組成物が流入するまでに2つ以上に分割して、複数の層としてもよい。これを急冷固化したものを延伸機内に誘導し、延伸開始点を樹脂組成物の融点以上、かつ融点+40℃以下までの範囲に加熱しながら、速度差を設けたニップロール間でエアー注入を行い、流れ方向、巾方向に、それぞれ5.0倍以上の延伸を行うのが良い。より高収縮率のフィルムを得る為には、好ましくは流れ方向、巾方向にそれぞれ5.5倍以上の延伸を行うのが好ましく、より好ましくは6.0倍以上の延伸が好ましい。延伸倍率の上限として、延伸安定性の観点から12倍以下が好ましい。各層を構成する樹脂組成物の融点以上で延伸することで、高倍率延伸ができ、最高収縮率の高いフィルムが得られる。また、融点+40℃以下で延伸することで、フィルム表面の荒れが起こりにくくなり、透明性や光沢が向上する。
本発明の熱収縮性フィルムの収縮率は、一般に、100℃においては、0%以上、30%未満であり、110℃においては、30%以上95%以下である。また、120℃においては、68%以上95%以下である。
ここで、収縮率とは、次式で示される値をいい、フィルムの収縮率とは、フィルムの流れ方向の収縮率と巾方向の収縮率の平均値をいう。
収縮率(%)={(収縮前の長さ−収縮後の長さ)/収縮前の長さ}×100
本発明の熱収縮性フィルムの収縮率が上記範囲であるので、電子レンジ加熱等による再加熱時の容器変形の抑制と、低温包装の両立が可能となる。ここでいう低温包装には、収縮トンネルの設定温度の低温化や、トンネル内の通過時間の短縮、収縮小皺の抑制、包装体前後のシール線の位置を下げる等、を含む。
また、ピロー包装をする場合、熱収縮性フィルムが縦方向(流れ方向)に裂けやすいと、角が鋭利な被包装体等を熱収縮性フィルムで一時包装する際、被包装体との接触部分からフィルムが裂け、その裂けが熱収縮性フィルムの繰出部付近まで伝播してしまうことがある。このような場合、フィルム通しを最初から行う必要が生じ、大きなロスとなる。
得られた熱収縮性フィルムは所定のサイズにスリット加工し、包装に用いることができる。
本発明の熱収縮性フィルムの厚みは、省資源とフィルムの実用性の観点から、5〜15μmであることが好ましい。より好ましくは6〜12μm、更に好ましくは7〜10μmである。蓋付き容器に入れられた弁当や惣菜の包装用フィルムとしては、12μm以下の厚みでも十分である。
本発明の熱収縮性フィルムは、構成するいずれかの層に界面活性剤や防曇剤が含まれていてもよい。例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、エチレンオキサイド付加物等から選ばれる防曇剤や、可塑剤としての流動パラフィン等の少なくとも1種の添加剤を、各層を構成する樹脂組成物に対して0.1〜10.0重量%含有すると、加工性や包装時のフィルムの走行性等が向上し好ましい。特に、透明性の観点からポリグリセリン脂肪酸エステル等を0.5〜10重量%配合するとより好ましく、帯電防止性と滑り性の観点も考慮すれば0.8〜6重量%を添加するのが好ましい。
本発明の熱収縮性フィルムは、構成するいずれかの層に、本来の特性と透明性を損なわない範囲で滑剤として天然シリカや合成シリカ、飽和脂肪酸アマイドや不飽和脂肪酸アマイド、タルク等を配合してもよい。
本発明の熱収縮性フィルムに、コロナ処理、オゾン処理、火炎処理等の表面処理を行うと、印刷用途にも適したフィルムとすることが可能である。
印刷処理を行う場合には、被印刷面となる表面層の材料にグリセリン脂肪酸エステル等を0.5〜5.0重量%添加し、フィルム形成後、被印刷面にコロナ処理を行ってから、印刷処理を行うのが好ましい。帯電防止性やインク剥がれ防止の観点から、グリセリン脂肪酸エステル等の添加量としては表面層を構成する樹脂組成物に対して0.8〜3.0重量%であることがより好ましい。
さらに、本発明の熱収縮性フィルムは、構成するいずれかの層に、可塑剤として、粘着付与樹脂や石油系樹脂、例えば、アルコン(商標)、クリアロン(登録商標)、アイマーブ(登録商標)等を含んでもよく、含有量としては各層を構成する樹脂組成物に対して0.1〜10重量%とすると収縮性や透明性が向上する場合がある。
本発明を実施例に基づいて説明する。
以下に実施例・比較例において用いた測定方法を記す。
(1)フィルム厚みの均一性の評価
フィルムの全巾にわたり、30mm間隔でフィルムの厚みを測定した。フィルム厚みは最小単位が1μmのダイヤルゲージを用いて0.5μmまで値を読み取った。このようにして測定したフィルム厚みの最大値と最小値との差をフィルム厚みの均一性とした。
(2)押出安定性の測定
環状ダイより押出した500μmの厚さの未延伸チューブを水冷固化し、駆動しているニップロールで挟んで、平坦化した後、その巾を10cm間隔で2mにわたって測定し、最大値と最小値との差を最大値で割り返し、変動率として押出し安定性の評価とした。
(3)高倍率延伸性の評価
未延伸チューブを延伸機内に誘導し、延伸開始点の温度を樹脂の融点より30℃高い温度まで上げ、巾方向に7倍の延伸倍率で延伸した時の、流れ方向の延伸倍率を測定した。
○:流れ方向に7倍以上の倍率で安定した延伸が可能であるもの。
△:流れ方向に5倍以上、7倍未満の倍率で安定した延伸が可能であるもの。
×:流れ方向に5倍未満の倍率でしか、安定した延伸が出来ないもの。
(4)ゲル分率の測定
沸騰パラキシレン中で試料を12時間抽出し、不溶解分の割合を次式により表示したものをゲル分率とし、フィルムの架橋度の尺度として用いた。
ゲル分率(重量%)=(抽出後の試料重量/抽出前の試料重量)×100
(5)フィルムの針孔破断伸び
540mm巾にスリットし紙管に巻いたフィルムを、株式会社フジキカイ製「FW−3451A−αV(商品名)」にセットする。次いで、フィルムを流れ方向に引き出しながら針孔装置(ロール面からの針突出長2mm)に通して、巾方向に15mm間隔に5個、且つ流れ方向に20mm間隔の針孔を開ける。その後、流れ方向に2個、巾方向に5個、計10個の開いた針孔がサンプルの中央になるようにフィルムの流れ方向に30mm間隔で切り取り、短冊状サンプルとする。これを23℃の室温で、チャック間距離100mm、引張速度1000mm/分の条件で引張り、破断した時の最大伸びを測定し、針孔破断伸度(%)とする。
[評価基準]
○:針孔伸度が25%以上であり、針孔からの裂けに対し、優れた抵抗レベルにある。
△:針孔伸度が20%以上、25%未満であり、実用的な抵抗レベルである。
×:針孔伸度が20%未満であり、針孔からの裂けに対し、実用上問題のあるレベル。
(6)フィルムの流れ方向について、東洋精機(株)製「ループステフネステスター」(商品名)を用い、温度23℃、相対湿度60%の条件で、フィルム巾25mm、ループ周長50mm、押し込み深さ9mmでのループステフネスを測定した。
(7)収縮率の測定
100mm角のフィルムを所定の温度(100,110,120℃)に設定したエアーオーブン式高温槽に入れ、1分間熱処理を行い、各温度におけるフィルムの流れ方向、幅方向の収縮量を測定し、収縮前の寸法、すなわち100mm、で割った値の百分率比を、それぞれ、流れ方向、巾方向の収縮率とし、これらの平均値をフィルムの収縮率とした。
(8)包装仕上がりの評価
フィルムを500mm巾にスリットし、株式会社フジキカイ製の「FW−3451A−αV(商品名)」を用いて、株式会社エフピコ製の「ES−新丼(中)(商品名)」に20℃の米飯を約200g入れたもの各30パックをピロー包装し、それぞれのフィルムが、最も良好に仕上がるようにトンネル温度と通過時間を設定して、熱処理を行い、以下の基準に従って、包装仕上りの評価を行った。
○:包装体前後のシール周辺の小皺や角残りは無く、空気溜りが残っていないもの。
△:包装体前後のシール周辺の小皺は残っているが、角残りも無く、空気溜りが残っていないもの。
×:フィルムが収縮しきらずに、空気溜りが残っているもの。
(9)収縮後のヘイズおよびグロス
ヘイズ:(8)で得た包装体の上部を切り出し、ASTM D−1003に従い、収縮後のヘイズとした。
グロス:(8)で得た包装体の上部を切り出し、ASTM D−2457に従い、収縮後のグロスとした。
(10)高収縮部の白化評価
高収縮部である、角および包装体前後のシール線から1cm以内の部分が透明であるものを○、白化して不透明であるものを×として、目視評価にて白化の評価とした。
(11)実施例および比較例において使用した樹脂
以下の樹脂を表層及び内部層の材料として用いた。
・LL1:エチレン−α−オレフィン共重合体(シングルサイト系触媒で重合されたもの)、密度=0.913g/cm3、MI=2.0g/10分、融解主ピーク温度=113℃、宇部丸善ポリエチレン株式会社製ユメリット1520F(商品名)
・LL2:エチレン−α−オレフィン共重合体(シングルサイト系触媒で重合されたもの)、密度=0.926g/cm3、MI=2.5g/10分、融解主ピーク温度=118℃、宇部丸善ポリエチレン株式会社製ユメリット2525F(商品名)
・LL3:エチレン−α−オレフィン共重合体(シングルサイト系触媒で重合されたもの)、密度=0.916g/cm3、MI=2.3g/10分、融解主ピーク温度=114℃、住友化学株式会社製スミカセンE FV201(商品名)
・LL4:エチレン−α−オレフィン共重合体(シングルサイト系触媒で重合されたもの)、密度=0.920g/cm3、MI=1.9g/10分、融解主ピーク温度=118℃、株式会社プライムポリマー製 エボリュー SP2320(商品名)
・LL5:エチレン−α−オレフィン共重合体(シングルサイト系触媒で重合されたもの)、密度=0.937g/cm3、MI=4.0g/10分、融解主ピーク温度=126℃、宇部丸善ポリエチレン株式会社製 ユメリット4040F(商品名)
・LL6:エチレン−α−オレフィン共重合体(シングルサイト系触媒で重合されたもの)、密度=0.944g/cm3、MI=4.0g/10分、融解主ピーク温度=128℃、宇部丸善ポリエチレン株式会社製 ユメリット4540F(商品名)
・VL1:エチレン−α−オレフィン共重合体(シングルサイト系触媒で重合されたもの)、密度=0.898g/cm3、融解主ピーク温度=90℃、日本ポリエチレン株式会社製 カーネルKF261T(商品名)
・VL2:エチレン−α−オレフィン共重合体(シングルサイト系触媒で重合されたもの)、密度=0.909g/cm3、MI=2.0g/10分、株式会社プライムポリマー エボリューSP1020(商品名)
・LD1:高圧法低密度ポリエチレン、密度=0.921g/cm3、MI=0.2g/10分、270℃における溶融張力=105mN、旭化成ケミカルズ株式会社製サンテックLD M2102
・LD2:高圧法低密度ポリエチレン、密度=0.921g/cm3、MI=0.4g/10分、270℃における溶融張力=55mN、旭化成ケミカルズ株式会社製サンテックLD M2004
Figure 0005025412
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[実施例1〜5、比較例1〜6]
表1および3に示す組成の樹脂組成物に、ジグリセリンオレートとグリセリンモノオレートの1:1の混合物を2.0重量%添加したものを環状ダイより多層(3層)原反として押出した後、冷水にて冷却固化して、折り巾120mm、厚さ500μmのチューブ状多層原反を作成した。これを電子線照射装置に誘導し、500kVに加速した電子線を照射し、吸収線量として80kGyになるように架橋処理を行った。これを延伸機内に誘導して再加熱を行い、2対の差動ニップロール間に通して、エアー注入によりバブルを形成し、延伸開始点の加熱温度を140℃に設定し、流れ方向に8倍、巾方向に7倍の倍率でそれぞれ延伸を行い、平均厚みが9μm、表面層/内部層/表面層の各厚み比率(%)がそれぞれ、15/70/15のシュリンクフィルムを得た。 このようにして得られたフィルムについて、押出安定性、高倍率延伸性、フィルム厚みの均一性、フィルム全体のゲル分率、フィルムの針孔破断伸び、ループステフネス、収縮率を評価し、包装試験を行った。
[実施例6]
表2に示す組成の樹脂組成物を用い、同様に中間層を加えた5層原反として、表面層/中間層/内部層/中間層/表面層の各厚み比率(%)がそれぞれ15/17.5/35/17.5/15になるように押出した以外は、実施例1〜5と同様の操作を行い、平均厚みが9μmのフィルムを得た。このようにして得られたフィルムについて、押出安定性、高倍率延伸性、フィルム厚みの均一性、フィルム全体のゲル分率、フィルムの針孔破断伸び、ループステフネス、収縮率を評価し、包装試験を行った。
得られたチューブ状のフィルムの両端をカットしながら、巾500mmのサイズに切り出して、2枚のフィルムとし、それぞれ1枚のフィルムとしたものを、巾510mm、内径76.2mm、厚さ10mmの紙巻に皺が入らない程度のテンションで200mの長さで巻き付け、評価用フィルムとした。得られた評価用フィルムで、(7)のPS製容器に20℃の米飯を約200g入れたものをそれぞれ包装し、包装仕上がり(容器とフィルムとの間の空気溜り、小皺、角残り等の収縮性)、高収縮部の白化、電子レンジ耐熱性、耐容器変形性の評価を行った。
実施例1〜6で得られたフィルムは、いずれも最大厚みと最小厚みの差(R)が1.0μm以内で、針孔破断伸びも25%以上であるため、包装時に破れも無く、また、ループステフネスとしても、100mN/25mm巾以上であるため、使い勝手が良く、これを用いて得られた包装体は、角残り、小皺も無く、またシール線の位置も下がり、収縮後の透明性および光沢に優れ、美麗な包装体であった。
特に、実施例2と比較例5との比較から、内部層の高圧法低密度ポリエチレンの溶融張力の違いによって、押出し安定性に差があることが、確認できた。
比較例1は表層のエチレン−α−オレフィン共重合体の密度が低過ぎて、剛性の低いフィルムしか得られなかった。
比較例2は内部層に高圧法低密度ポリエチレンを含まないため、未延伸チューブの製膜自体が困難なため、評価用のフィルムが得られなかった。
比較例3では内部層と表層のLLの密度差が大きすぎて、内部層の収縮に表層組成が追随出来ずに包装後の特に高収縮部が白化する結果となった。
比較例4では内部層の高圧法低密度ポリエチレンの量が多すぎることにより、配向がかかり過ぎて、流れ方向に4.5倍までの延伸が限度であったため、目標である9μmのフィルムが得られなかった。また、フィルムが厚いにも関わらず、針孔破断伸びが低くいため、包装時の破れが発生した。
比較例6では内部層のLLの密度が高すぎる為、十分な収縮が出来ず、しわが多く仕上がりの悪い包装体しか得られなかった。また、内部層および表面層のLLの密度が高すぎる為、収縮後のヘイズおよびグロスも良好ではなかった。
本発明の熱収縮性フィルムは、包装用フィルムとして好適に用いることができる。特に、電子レンジで再加熱する容器の包装に適し、弁当や惣菜等の包装に好適に利用できる。

Claims (3)

  1. 両表面層と、内部層の少なくとも3層からなる多層フィルムにおいて、
    内部層が、密度が0.900〜0.925g/cm3のエチレン−α−オレフィン共重合体を50〜95重量%と、190℃におけるメルトインデックス(荷重=2.16kgf)が、0.05g/10分以上、0.40g/10分未満であり、且つ、270℃における溶融張力が60〜200mNである高圧法低密度ポリエチレン5〜50重量%からなり、
    両表面層が、前記内部層におけるエチレン−α−オレフィン共重合体の密度より0.001g/cm3以上0.015g/cm3未満大きい密度を有するエチレン−α−オレフィン共重合体を主体とする樹脂組成物からなる
    ことを特徴とする熱収縮性フィルム。
  2. フィルム厚みが5〜15μmである請求項1に記載の熱収縮性フィルム。
  3. ゲル分率が10〜50重量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱収縮性フィルム。
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