JP6948785B2 - 穿孔フィルム - Google Patents

穿孔フィルム Download PDF

Info

Publication number
JP6948785B2
JP6948785B2 JP2016232493A JP2016232493A JP6948785B2 JP 6948785 B2 JP6948785 B2 JP 6948785B2 JP 2016232493 A JP2016232493 A JP 2016232493A JP 2016232493 A JP2016232493 A JP 2016232493A JP 6948785 B2 JP6948785 B2 JP 6948785B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
perforated
perforated film
notch
tear
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016232493A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017105541A (ja
Inventor
正行 吉野
正行 吉野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Corp filed Critical Asahi Kasei Corp
Publication of JP2017105541A publication Critical patent/JP2017105541A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6948785B2 publication Critical patent/JP6948785B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Packging For Living Organisms, Food Or Medicinal Products That Are Sensitive To Environmental Conditiond (AREA)
  • Packages (AREA)
  • Wrappers (AREA)

Description

本発明は、穿孔フィルムに関する。具体的には、熱収縮によって被包装物に密着して収縮させる、穿孔フィルムに関する。特に、弁当容器や惣菜の容器等の包装後に電子レンジで再加熱される被包装物の包装に適した熱収縮性の穿孔フィルムに関する。
包装用収縮フィルムは、被包装物の形状や大きさに依らず、同時に複数個の製品を迅速かつタイトに包装することができ、得られた包装物は外観が美しく、ディスプレイ効果を発揮し、商品価値を高め、また内容物を衛生的に保ち、視覚による品質確認が容易なことから、食品、雑貨等の包装に多用されている。
かかる包装用収縮フィルムを用いた包装方法としては、フィルムに少し余裕を持たせて内容物を一次包装した後、熱風等によりフィルムを熱収縮させる方法が一般的であり、ピローシュリンク包装がその代表例である。この方法は、一般的には、容器やトレーに収納された食品等の被包装物をフィルムで筒状に覆い、次に回転ローラー式等のセンターシール装置にて被包装物の裏面にシール線がくるように合掌ヒートシールし、続いて該筒状フィルムの両開放端をヒートシールして袋状とし、シュリンクトンネルと呼ばれるボックス内で熱風によって加熱処理をして、あらかじめ付設した針孔より内部の空気を脱気しながらこれを加熱収縮させる。このピローシュリンク包装には上記以外にも三方シール、および四方シールした袋状フィルムを加熱する方法等がある。
このような針孔を設けたフィルムを用いた、ピローシュリンク包装を施す被包装体の主な例として、弁当や惣菜を入れた蓋付きのポリスチレン製やフィラー入りポリプロピレン(PP)製等の耐熱容器、肉や魚を入れた蓋の無い発泡ポリスチレン製、PP製、紙製等のトレー等が挙げられ、いずれの場合も容器やトレーを、余裕を持たせてゆったり包装し、その後に熱風を吹き付けて収縮させる方法が挙げられる。
ところで、弁当や惣菜といった被包装体の包装においては、包装後に電子レンジでの再加熱が行われることが多く、容器の密閉性が高いと、内部の空気が膨張し、嵌合部の外れや、容器が熱と圧力によって、変形しやすくなるため、容器内の具材の汁やソース類が容器外に流れ出やすくなり、容器外部が汚れやすくなる。そのため、レンジ加熱時の圧力を適度に解放させるために、容器蓋の天面1〜2か所が蒸気口としてU字型に打ち抜かれている。
一方で上記収縮包装の際に付設する針穴が大きすぎると、弁当や総菜の流通時に針孔よりノミバエ等の小型昆虫が侵入して、更には蒸気口より、内部に侵入する等の異物混入のおそれがある。
この例としては、大根や白菜などの野菜を1/2や1/4にカットしたものを直接フィルムで包装するカット野菜包装が挙げられ、異物混入の問題は同様であり、包装時の空気抜き孔から、虫の侵入を防止することが必要となる。
特許文献1には、貫通孔を有するフィルムが開示されている。
特許第3983365号公報
しかしながら、特許文献1に記載のフィルムはフィルムの引裂伝播方向とは無関係に、ランダムに貫通孔が開けられているため、熱収縮包装時に過剰に貫通孔の孔径が拡大する場合があり、小型昆虫が侵入しやすくなる。
弁当・惣菜、カット野菜等の包装をピロー包装で行う場合、一般に用いられるピロー包装機は被包装体を1次包装する際にフィルムに針で孔を設け、更にフィルムの両端を10〜20%程度幅方向に引っ張りながら、被包装体の底部にフィルム端部を誘導し、一対の熱ローラーで挟んで連続的に熱シールする。孔を開けるのは後工程の収縮時に包装体内の余分な空気を抜くためであるが、フィルムに孔を設ける際、1〜3mm程度長さの針が突き出たロール上を走行させる。この時、フィルムが弛むと、針孔で十分に開孔せず、包装体内部の空気が十分抜けなくなるため、収縮不足でタイトな包装体が得られない場合がある。
反対に針が長すぎると、熱収縮包装時に、包装体内の空気が抜けやすくなり、包装仕上りは良好となるが針孔が大きくなり過ぎて、虫が侵入しやすくなる。
熱収縮する工程で容器が詰まって、シュリンクトンネル内で包装体が過度に加熱された場合も同様に、熱によって針孔が大きくなり過ぎる場合がある。
従って、包装前のフィルムだけでなく、熱収縮包装工程で孔径が広がりすぎない、穿孔を有するフィルムが求められているのが現状である。
本発明は、被包装物を覆った後に熱収縮包装をしても、穿孔が広がりすぎず、小型昆虫の侵入を確実に阻止することができる穿孔フィルムを提供することを目的とする。
すなわち、本発明は下記の通りである。
[1]多数の穿孔を有する穿孔フィルムであって、
前記穿孔フィルムは、未延伸の熱収縮性フィルムに架橋処理を行い、各層を構成する樹脂の融解ピーク温度より10℃以上高い温度で、流れ方向及び/又は幅方向に6倍以上の逐次二軸延伸または同時二軸延伸を行って得られるものであり、
前記穿孔フィルムでは、
フィルムの一方の表面に、フィルムの引裂試験において引裂が伝播する方向である引裂伝播方向に対して、時計回りを正として30〜60°の方向に延びる、フィルムを貫通しない切り込みAが設けられ、
フィルムの他方の表面に、前記引裂伝播方向に対して、反時計回りを負として−60〜−30°の方向に延びる、フィルムを貫通しない切り込みBが設けられ、
前記切り込みAと前記切り込みBとの交点で穿孔が設けられており、
前記穿孔フィルムを140℃、4秒間で加熱した後の前記穿孔の拡大率が100〜400%であり、
前記穿孔フィルムを140℃、4秒間で加熱した後の前記穿孔の孔径が10〜300μmである
ことを特徴とする、穿孔フィルム。
[2]
加熱前の前記穿孔の孔径が10〜200μmである、[1]に記載の穿孔フィルム。
[3]
10cmあたり40〜4000個の上記穿孔を有する、[1]又は[2]に記載の穿孔フィルム。
[4]
[1]〜[3]のいずれかに記載の穿孔フィルムで包装されたことを特徴とする、弁当・惣菜包装体。
[5]
[1]〜[3]のいずれかに記載の穿孔フィルムで包装されたことを特徴とする、カット野菜包装体。
本発明の穿孔フィルムは、被包装物を覆った後に熱収縮包装をしても、穿孔が広がりすぎず、小型昆虫の侵入を確実に阻止することができる穿孔フィルムを提供することができる。
本実施形態の穿孔フィルムの一例を示す概略平面図である。
本発明について、好ましい実施態様を中心に、以下詳細に説明する。
[穿孔フィルム]
本実施形態の穿孔フィルムは、フィルムの引裂試験において引裂が伝播する方向である引裂伝播方向に対して、時計回りを正として30〜60°の方向に延びる、フィルムを貫通しない切り込みAが設けられ、
フィルムの他方の表面に、上記引裂伝播方向に対して、反時計回りを負として−60〜−30°の方向に延びる、フィルムを貫通しない切り込みBが設けられ、
上記切り込みAと上記切り込みBとの交点で穿孔が設けられている。
なお、引裂伝播方向に対して、時計回りを正として30〜60°の方向とは、穿孔フィルム表面において、引裂伝播方向に対して、フィルムの一方の表面を平面視して時計回りに30〜60°の方向に回転させた方向をいう。例えば、図1において、フィルム1の表面において、引裂張伝播方向TTDに対して時計回りにφ1の角度回転させた方向(図1中の2で示す切り込みAの方向)をいう。
また、引裂伝播方向に対して、反時計回りを負として−60〜−30°の方向とは、穿孔フィルム表面において、引裂伝播方向に対して、上記と同じ表面を平面視して反時計回りに30〜60°の方向に回転させた方向をいう。例えば、図1において、フィルム1の表面において、引裂伝播方向TTDに対して反時計回りにφ2の角度回転させた方向(図1中の3で示す切り込みBの方向)をいう。
なお、引裂伝播方向に対して時計回りを正とする角度は0〜90°の範囲であり、引裂伝播方向に対して反時計回りを負とする角度は、−90〜0°の範囲である。
本実施形態の穿孔フィルムは、ポリエチレン系フィルム、ポリプロピレン系フィルム等のポリオレフィンフィルム;ポリオレフィンとナイロンやエチレン−ビニルアルコール共重合体等の積層フィルム;等が挙げられ、中でも熱収縮力が比較的低いポリエチレン系フィルム、ポリプロピレン系フィルムが好ましく、ポリエチレン系フィルムがより好ましい。
上記ポリエチレン系フィルムを構成するポリエチレン系樹脂としては、例えば、エチレン−α−オレフィン共重合体、高圧法低密度ポリエチレン等が挙げられる。上記ポリエチレン系フィルムは、多層フィルムであってもよいし、単層フィルムであってもよい。
上記エチレン−α−オレフィン共重合体とは、エチレンと、炭素数が3〜18のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種の単量体との共重合体をいう。
上記炭素数が3〜18のα−オレフィンとしては、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチル−ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1、ドデセン−1等が挙げられる。
上記エチレン−α−オレフィン共重合体を製造する際に用いられる重合触媒は、特に限定されないが、例えば、マルチサイト触媒やシングルサイト触媒等が挙げられる。
上記エチレン−α−オレフィン共重合体は、1種を単独で又は2種以上の密度やコモノマー種の異なるものを混ぜて用いてもよい。
上記高圧法低密度ポリエチレンは、高圧法で製造された低密度のポリエチレンであり、繰り返し単位のエチレンがランダムに分岐を持って結合し、長鎖分岐を有するポリエチレン系樹脂である。
高圧法低密度ポリエチレンの密度は、好ましくは0.910〜0.929g/cmであり、より好ましくは0.915〜0.929g/cmである。なお、「密度」は、JIS K 6922に準じて測定される値を意味する。
高圧法低密度ポリエチレンの製造方法は、一般に公知の方法が使用できる。一般に100〜300℃、100〜350MPaの高温高圧下でパーオキサイドなどの遊離基発生剤の存在下でエチレン及びα−オレフィンをオートクレーブ又はチューブリアクターなどで重合することにより、高圧法低密度ポリエチレンを製造することができる。
本実施形態の穿孔フィルムは、延伸加工性を向上させ、押出安定性を向上させる観点から、穿孔フィルム中に、高圧法低密度ポリエチレンを5〜50質量%使用していてもよい。高圧法低密度ポリエチレンの使用量は、8〜40質量%であることが好ましく、10〜30質量%であることがより好ましい。高圧法低密度ポリエチレンを50質量%以下とすることで、熱収縮包装時の破断伸びが向上し、裂けトラブルを減少しやすくなる。
本実施形態の穿孔フィルムを多層化する場合は、フィルムに柔軟性と延伸安定性を付与することができる観点から、内部層にエチレン−α−オレフィン共重合体とともにエチレン−酢酸ビニル共重合体を含有させることが好ましい。内部層に使用するエチレン−酢酸ビニル共重合体において、酢酸ビニルの含有量が増加するほど、融点が下がり柔軟になる。酢酸ビニル含有量としては、エチレン酢酸ビニル共重合体中に1〜30質量%が好ましく、より好ましくは1〜20質量%、さらに好ましくは1〜15質量%である。
本実施形態の穿孔フィルムには、フィルムの透明性を損なわない限り、0〜30質量%の範囲の、ポリプロピレン系樹脂、スチレン系樹脂、ポリブテン系樹脂、エチレン系樹脂等の樹脂を含んでもよい。また、多層化して、これらの樹脂を内部層として用いても良い。
[穿孔フィルムの製造方法]
本実施形態の穿孔フィルムの製造方法は、特に限定されず、例えば、単層フィルム、多層フィルム等の熱収縮性フィルムを製造し、上記熱収縮性フィルムに穿孔処理を施す方法等が挙げられる。
上記熱収縮性フィルムの製造方法は、特に限定されず、単層押出で単層フィルムとして製造してもよいし、共押出で多層フィルムとして製造してもよいし、各層を別々に形成し、その後貼り合わせて多層フィルムとして製造してもよい。中でも、多層フィルムを製造する場合は、溶融押出法で共押出して製造することが好ましい。例えば、各層を構成する樹脂又は樹脂組成物をそれぞれの押出機で溶融して、多層サーキュラダイ等で共押出する方法が挙げられる。
本実施形態の穿孔フィルムは、耐熱性が付与されるという観点や、5〜15μm程度の厚さでも安定して延伸を行うことができるという観点から、架橋処理を行ったフィルムが好ましい。
架橋度の尺度としてはゲル分率が用いられる。ここで、ゲル分率とは、沸騰パラキシレンに穿孔フィルムを12時間浸漬した後、溶解しないで残存している部分の割合であり、次式により表される。
ゲル分率(質量%)=(浸漬後の穿孔フィルムの質量/浸漬前の穿孔フィルムの質量)×100
本実施形態の穿孔フィルムのゲル分率は、フィルムの延伸性や耐熱性の観点から、5〜40質量%であることが好ましく、10〜35質量%であることがより好ましい。
架橋処理の方法としては、例えば、電子線、紫外線、X線、α線、γ線等のエネルギー線の照射が挙げられる。架橋処理の好ましい照射線量の範囲は10〜150kGyであり、ヒートシール性と延伸安定性の観点から20〜120kGyがより好ましい。
本実施形態の穿孔フィルムとしては、延伸処理を施したフィルムが好ましい。具体的には、未延伸の熱収縮性フィルムに架橋処理を行い、各層を構成する樹脂の融解ピーク温度より10℃以上高い温度で、流れ方向及び/又は幅方向に6倍以上の逐次二軸延伸または同時二軸延伸を行うことが好ましい。延伸の方法としては、特にダブルバブルインフレーション法によるのが好ましく、該方法は10μm程度の薄いフィルムを延伸するのに好適である。
なお、本明細書において、流れ方向(MD方向)とは、フィルム形成時の押出方向をいい、幅方向(TD方向)とは、フィルム表面において押出方向に直交する方向をいう。
ダブルバブルインフレーション法によって製膜する製造方法としては、具体的には、以下の方法等が挙げられる。
押出機を用いて各層を構成する樹脂組成物を溶融押出して、1層ずつ環状ダイス内で順次合流させるか、環状ダイス内で1度に合流させて、多層のチューブ状未延伸原反を得る。このとき、1層につき1台の押出機を使用してもよいし、1台の押出機から環状ダイスに樹脂組成物が流入するまでに2つ以上に分割して、複数の層としてもよい。これを急冷固化したものを延伸機内に誘導し、延伸開始点の加熱温度を該樹脂組成物の融点−10℃〜融点+40℃までの範囲に設定しながら、速度差を設けたニップロール間でエアー注入を行い、流れ方向、幅方向に、それぞれ4.0倍以上の延伸を行う。
延伸倍率の上限として、延伸安定性の観点から12.0倍以下が好ましい。各層を構成する樹脂組成物の融点以上で延伸することで、高倍率延伸ができ、収縮率の高いフィルムが得られる。
本実施形態の穿孔フィルムは、100℃の収縮率が、1%以上30%未満であり、110℃の収縮率が、30%以上95%以下であることが好ましい。また、包装仕上りが良好となる観点から、140℃の収縮率が、68%以上95%以下であることが好ましい。
ここで、収縮率とは、フィルムの流れ方向の収縮率と幅方向の収縮率の平均値である。
収縮率は、加熱前(収縮前)及び各温度で熱風乾燥器中30分間加熱した後(収縮後)のフィルムの流れ方向及び幅方向の長さを測定し、測定した長さを用いて、各方向の収縮率を下記式より算出し、流れ方向の収縮率及び幅方向の収縮率の平均を算出することで求めることができる。
収縮率(%)={(収縮前の長さ−収縮後の長さ)/収縮前の長さ}×100
本実施形態の穿孔フィルムは、収縮率が上記範囲であると、穿孔フィルムで熱収縮包装した包装容器を、電子レンジ加熱等で再加熱する時に被包装容器が変形しにくくなり、また、低温包装しやすくなる。ここでいう低温包装には、熱収縮包装時のシュリンクトンネルの設定温度の低温化、シュリンクトンネル内の通過時間の短縮、包装体からシール線を遠ざける、等を含み、収縮小皺を抑制することができる。
また、ピロー包装をする場合、熱収縮性フィルムが流れ方向に裂けやすいと、角が鋭利な被包装体等を穿孔フィルムで一時包装する際、被包装体との接触部分から穿孔フィルムが裂け、その裂けが穿孔フィルムの繰出部付近まで伝播してしまうことがある。このような場合、包装作業を最初からやり直す必要が生じ、大きなロスとなる。
得られた穿孔フィルムは所定のサイズにスリット加工し、包装に用いることができる。
本実施形態の穿孔フィルムの厚みは、省資源とフィルムの実用性の観点から、5〜15μmであることが好ましいく、6〜12μmであることがより好ましく、7〜10μmであることがさらに好ましい。蓋付き容器の弁当や惣菜の包装用フィルムとしては、10μm以下の厚みでも十分である。
本実施形態の穿孔フィルムは、構成するいずれかの層に界面活性剤や防曇剤が含まれていてもよい。例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、エチレンオキサイド付加物等の防曇剤、流動パラフィン等の可塑剤等の添加剤を、各層を構成する樹脂組成物に対して、0.1〜10.0質量%含有すると、加工性や包装時のフィルムの走行性等が向上し好ましい。特に、透明性の観点から、各層を構成する樹脂組成物に対して、ポリグリセリン脂肪酸エステル等を0.5〜10質量%配合するとより好ましく、帯電防止性と滑り性の観点も考慮すれば、0.8〜6質量%配合するのがさらに好ましい。
上記添加剤は、一種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の穿孔フィルムは、構成するいずれかの層に、本来の特性と透明性を損なわない範囲で、天然シリカ、合成シリカ、飽和脂肪酸アマイド、不飽和脂肪酸アマイド、タルク等の滑剤が含まれていてもよい。
本実施形態の穿孔フィルムには、印刷用途にも適したフィルムとなる観点から、コロナ処理、オゾン処理、火炎処理等の表面処理を行ってもよい。上記表面処置は、穿孔処理前、穿孔処理後のどちらに行っても良い。
印刷処理を行う場合には、被印刷面となる表面層を構成する樹脂組成物にグリセリン脂肪酸エステル等を0.5〜5.0質量%添加し、フィルム形成後、被印刷面にコロナ処理を行ってから、印刷処理を行うのが好ましい。帯電防止性やインク剥がれ防止の観点から、グリセリン脂肪酸エステル等の添加量としては、表面層を構成する樹脂組成物に対して、0.8〜3.0質量%であることがより好ましい。
さらに、本実施形態の穿孔フィルムは、構成するいずれかの層に、可塑剤として、アルコン(商標)、クリアロン(登録商標)、アイマーブ(登録商標)等の粘着付与樹脂や石油系樹脂を含んでもよい。上記可塑剤の含有量としては、各層を構成する樹脂組成物に対して0.1〜10質量%とすると収縮性や透明性が向上する場合がある。
[穿孔処理]
針状の突起で突いて孔を形成したフィルムは、孔を形成する際にフィルムが伸びやすく、安定して孔を形成することが困難であるため、好ましくない。
本実施形態の穿孔フィルムは、一方の表面に、一方の表面側からみて上記引裂伝播方向に対して30〜60°の方向に、フィルムを貫通しない切り込みAが設けられている。また、他方の表面に、上記一方の表面側からみて上記引裂伝播方向に対して−60〜−30°の方向に、フィルムを貫通しない切り込みBが設けられている。
図1は、本実施形態の穿孔フィルムの一例を示す概略平面図である。穿孔フィルム1の一方の表面には、複数の切り込みA2が設けられ、穿孔フィルム1の他方の表面には複数の切り込みB3が設けられている。切り込みA2及び切り込みB3は、フィルムの全幅にかけて連続して(例えば、フィルムを横断して)設けられていてもよいし、図1のように、複数の切り込みが断続的に設けられていてもよい。
切り込みA2と切り込みB3との交点には、穿孔4が設けられている。穿孔4は、切り込みA2と切り込みB3との交点の全てに設けられていてもよいし、一部に設けられていてもよい。
切り込みA2は、引裂伝播方向TTDに対してφ1の角度傾いた方向に延びている。また、切り込みB3は、引裂伝播方向TTDに対してφ2の角度傾いた方向に延びている。ここで、φ1及びφ2は、30〜60°である。φ1とφ2は、同じ角度であってもよいし異なる角度であってもよい。また、φ1とφ2の合計は90°であってもよい。
上記切り込みAの本数、上記切り込みBの本数は、特に限定されないが、2本以上であることが好ましい。また、各切り込みAは、平行であってもよいし、平行でなくてもよい。各切り込みBは、平行であってもよいし、平行でなくてもよい。中でも、製造の容易さ、コストの観点から、各切り込みA、各切り込みBは、平行であることが好ましい。
上記切り込みAの間隔(ピッチ、隣り合う切り込みA2の間隔Q2)、上記切り込みBの間隔(ピッチ、隣り合う切り込みB3の間隔Q1)は、熱収縮包装時に穿孔が拡大しすぎることを一層防止できる観点から、0.2mm以上であることが好ましく、0.5mm以上であることがより好ましい。なお、切り込みの間隔とは、隣り合う切り込みにおいて、一方の切り込みから他方の切り込みにおろした垂線のうち、最も短い垂線の長さをいう。例えば、切り込みAが平行に設けられている図1では、各切り込みA2に対して垂線方向DD1の最短距離Q2をいう。切り込みBが平行に設けられている図1では、各切り込みB3に対して垂線方向DD2の最短距離Q1をいう。
上記切り込みA、上記切り込みBの長さは、例えば、切り込みの幅方向の成分の長さが、フィルムの全幅に対して、それぞれ2〜100%であることが好ましく、それぞれ5〜80%であることがより好ましい。切り込みが複数ある場合、各切り込みの長さはそれぞれ異なっていてもよいし、全て同じ長さであってもよい。
上記切り込みA、上記切り込みBの深さは、フィルムを貫通しない切り込みであれば特に限定されない。
上記切り込みA、上記切り込みBの形成方法としては、例えば、第1の刃を穿孔フィルムの一方の表面側から、第2の刃を穿孔フィルムの他方の表面側(裏面側)から、それぞれフィルムの表面に対して垂直に当てて切り込みを形成する方法が好ましい。
この時、引裂伝播方向を0°とした場合、フィルム表面上で時計回りに30〜60°回転させた方向に第1の刃、反時計回りに30〜60°回転させた方向に第2の刃を、フィルムを挟むようにあてて切り込み及び穿孔を形成することが好ましい。具体的には、引裂伝播方向TTDに対して30〜60°の角度φ1をなす方向に第1の刃、引裂伝播方向TTDに対して30〜60°の角度φ2をなす方向に第2の刃を、フィルムを挟むように当てて、第1の刃のみが当たる部分に切り込みAを、第2の刃のみが当たる部分に切り込みBを、第1の刃及び第2の刃が当たる部分に穿孔を、それぞれ形成することが好ましい(図1)。
また、フィルムを2枚以上重ねて、穿孔処理をしても良い。
フィルムに形成する切り込みは、熱収縮包装後の穿孔が10〜300μmの孔径となりやすいという観点から、形成される穿孔の孔径が1〜200μmとなるように形成することが好ましい。
ここで、穿孔フィルムの穿孔の孔径、及び熱収縮包装後の穿孔の孔径は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
なお、各穿孔の孔径とは、各穿孔を形成する部分に外接する円の径のうち、最も大きい径をいう。
引裂伝播方向は、幅50mm、長さ64.5mm、厚さ7〜20μmのフィルム(穿孔処理前のフィルム)、引裂試験機(株式会社東洋精機製、商品名「軽荷重引裂試験機」)を用いて、測定レンジ50gの条件で、フィルムMD方向及びフィルムTD方向の引裂試験を行い、フィルムMD方向の引裂試験でフィルムの引き裂きが伝播した方向、フィルムTD方向の引裂試験でフィルムの引き裂きが伝播した方向、又は上記フィルムMD方向の引裂試験でフィルムの引き裂きが伝播した方向と上記フィルムTD方向の引裂試験でフィルムの引き裂きが伝播した方向との中間方向のいずれかをいう。
具体的には、引裂伝播方向は、例えば、以下の基準で定めることができる。
1.MD方向の引裂試験において、フィルムの引き裂きが伝播した方向が、MD方向に対し、直進した場合、引裂伝播方向は、MD方向である。
2.MD方向の引裂試験で直進せず異なる方向にフィルムの引き裂きが伝播し、TD方向の引裂試験で直進してフィルムの引き裂きが伝播した場合、引裂伝播方向は、TD方向である。
3.MD、TDのいずれの方向にも直進しない場合は、その中間方向である。
本実施形態の穿孔フィルムは、幅10cm、長さ20cmの木枠に、厚さ9μm、幅550mmに切り出したロール状フィルムから巻き出した穿孔フィルムを貼り付け、140℃、4秒間で加熱した後の上記穿孔の拡大率が、100〜2000%であることが好ましく、140℃、4秒間で加熱した後の上記穿孔の孔径が10〜300μmであることがより好ましい。中でも、140℃の収縮率が68%以上95%以下の熱収縮率のフィルムを用いると、140℃、4秒間の熱処理によって、穿孔の孔径が100〜2000%拡大し、10〜300μmの範囲まで拡大しやすくなる。
包装時のエアー抜きと虫の侵入を一層防止する点で、140℃、4秒間で加熱した後の上記穿孔の孔径は50〜250μmとなることがより好ましい。
上記引裂伝播方向に対して、0°以上30°未満回転させて、切り込みAを形成した場合は、切り込みAの方向が、引裂伝播方向に近いため、穿孔がMD方向に広がりやすく、熱収縮包装後の穿孔の孔径が大きくなりやすい。
上記引裂伝播方向に対して、60°超90°以下回転させて、切り込みAを形成した場合は、切り込みAの方向が、TD方向に近くなり、TD方向に広がりやすくなるため、熱収縮包装後の穿孔の孔径が大きくなりやすい。また、切り込みAと切り込みBとを直角に設けた場合に、切り込みBの方向がMD方向に近くなり、熱収縮包装後の穿孔の孔径がMD方向に広がりやすくなるため、好ましくない。
本実施形態の穿孔フィルムの穿孔の密度は、10cmあたり、40〜4000個であることが好ましい。
穿孔が10cmあたり40個以上であれば、包装後の収縮工程で空気の抜けが良好で、収縮仕上りの外観が良好となる。10cmあたり4000個以下の場合は、エアー抜けが適度にできて、シワが発生しにくくなる。
穿孔の最小間隔は、好ましくは1〜10mmであり、より好ましくは1〜5mmである。なお、穿孔の最小間隔とは、穿孔フィルム上の任意の2つの穿孔間の距離のうちの最小値をいう。
穿孔はフィルムのMD方向に連続的に形成されるが、穿孔のMD方向幅の目安は、被包装物の周長の2〜50%となるように調整するとよい。なお、被包装物の周長とは、本実施形態の穿孔フィルムで包装する被包装体の、穿孔フィルムMD方向の周長をいう。
本実施形態の穿孔フィルムとしては、例えば、幅200〜800mm、長さ100〜2000m、厚さ7〜20μmの直方体状のフィルム等が挙げられる。
本実施形態の穿孔フィルムは弁当・惣菜の収縮包装用途に好適に利用できる。特に、本実施形態の穿孔フィルムで包装した弁当・惣菜を開封する前に、電子レンジ等で加熱するような場合においては、加熱によって拡大した穿孔から蒸気が抜けて、容器の変形を抑制することができ、小型昆虫が侵入しにくくなる。
本実施形態の穿孔フィルムはカット野菜の収縮包装用途にも好適に利用できる。特に、大根や白菜を1/2や1/4にカットした、いびつな形状のアイテムにはフィルムの広範囲に穿孔傷を付設することで収縮時の空気が抜けやすくなるため、角残りの無い良好な包装仕上りとなる。また、包装時に穿孔が拡大しすぎないため、小型昆虫が侵入しにくい。
また、本実施形態の弁当・惣菜包装体は、本実施形態の穿孔フィルムで包装されている。また、本実施形態のカット野菜包装体は、本実施形態の穿孔フィルムで包装されている。
本発明を実施例に基づいて説明する。
以下に実施例、参考例、比較例において用いた測定方法を記す。
(1)ゲル分率の測定
沸騰パラキシレン中で、穿孔フィルムを12時間浸漬し、不溶解分の割合を次式の計算により求め、ゲル分率とし、フィルムの架橋度の尺度として用いた。
ゲル分率(質量%)=(浸漬後の穿孔フィルムの質量/浸漬前の穿孔フィルムの質量)×100
(2)引裂伝播方向
引裂試験機(東洋精機製、商品名「軽荷重引裂試験機」)を用いて、測定レンジを50gに設定し、幅50mm、長さ64.5mmのフィルムのMD方向、TD方向の引裂試験を行い、引裂伝播方向を判定した。
○:MD方向の引裂試験及びTD方向の引裂試験おいて、MD方向、TD方向に真っ直ぐ裂けた。実施例1〜7、参考例、比較例1〜3では、引裂伝播方向は、MD方向とした。
△:MD方向の引裂試験及びTD方向の引裂試験おいて、いずれか一方または両方が斜め方向に引裂伝播した。なお、実施例8では、MD方向の引裂試験でTD方向に、TD方向の引裂試験で直進して引裂が伝播したため、引裂伝播方向はTD方向とした。
(3)熱処理前の穿孔の孔径
穿孔加工により、形成した穿孔フィルムの穿孔を10個について、マイクロメーター(株式会社キーエンス製、製品名:本体「VHX−5000」、レンズ「VH−ZST」)により、最も長い孔径を測定し、その平均値を熱処理前の穿孔の孔径(μm)とした。
(4)熱処理後の穿孔の孔径
穿孔加工したフィルムを幅550mm、長さ1000mのサイズにスリットし、10cm×20cmのサイズの木枠に弛ませないように貼り付け、シュリンクトンネル(ケーユーシステム社製:FB800)内の温度を140℃、滞留時間を4秒に設定し、上記木枠に貼り付けたフィルムを通して、熱処理を行った。熱処理後の穿孔フィルムの中央部の穿孔10個の孔径を測定し、その平均値を熱処理後の穿孔の孔径(μm)とした。
(5)収縮率の測定
100mm角の穿孔フィルムを140℃に設定したエアーオーブン式高温槽に入れ、30分間熱処理を行い、140℃におけるフィルムの流れ方向及び幅方向の収縮量を測定し、収縮前の寸法、すなわち100mm、で割った値の百分率比を、それぞれ、流れ方向、幅方向の収縮率とし、これらの平均値をフィルムの収縮率(%)とした。
(6)包装評価
穿孔フィルムを500mm幅にスリットし、株式会社フジキカイ製の「FW−3451A−αV(商品名)」を用いて、株式会社エフピコ製の「ES−新丼(中)(商品名)」に20℃の米飯を約200g入れた30パックをピロー包装し、それぞれの穿孔フィルムが、最も良好に仕上がるようにトンネル温度と通過時間を設定して、熱処理を行い、以下の基準に従って、包装時のフィルム破れ、包装仕上りの評価を行った。
(包装時のフィルム破れ)
○:収縮前の一次包装時にフィルム破れが発生しないもの。
×:収縮前の一次包装時にフィルム破れが発生したもの。
(包装仕上り)
○:包装体前後のシール周辺の小皺や角残りは無く、空気溜りが残っていないもの。
△:フィルムが収縮しきらずに、空気溜りが残っているもの。
×:正常な包装体が得られず、評価できなかったもの。
(7)虫侵入テスト
市販の蒸気口付き容器に入れられたパスタを各穿孔フィルムで熱収縮包装した弁当包装体を、25℃に調整した部屋で、ナイロンゴースケージ(30cm×30cm×高さ30cm)内の床面に設置し、オオキモンノミバエ100頭をケージ内に放して試験を開始した。放虫24時間後に各包装体内の侵入虫数を調査した。
実施例、参考例および比較例で用いた樹脂は以下のとおりである。
・LL1:エチレン−α−オレフィン共重合体(シングルサイト系触媒で重合されたもの)、密度:0.913g/cm、MI:2.0g/10分、融解主ピーク温度:113℃
・LL2:エチレン−α−オレフィン共重合体(マルチサイト系触媒で重合されたもの)、密度:0.916g/cm、MI:2.0g/10分、融解主ピーク温度:120℃
・LD1:高圧法低密度ポリエチレン、密度=0.921g/cm、MI=0.4g/10分
[実施例1〜8、参考例、比較例1〜3]
表1に示す組成の樹脂組成物に、ジグリセリンオレート1.0質量%添加したものを環状ダイより単層または3層原反として押出した後、冷水にて冷却固化して、折り幅120mm、厚さ500μmのチューブ状多層原反を作製した。これを電子線照射装置に誘導し、500kVに加速した電子線を照射し、吸収線量として70kGyになるように架橋処理を行った。これを延伸機内に誘導して再加熱を行い、2対の差動ニップロール間に通して、エアー注入によりバブルを形成し、延伸開始点の加熱温度を140℃に設定し、流れ方向に8倍、幅方向に7倍の倍率でそれぞれ延伸を行い、平均厚みが9μm、表面層/内部層/表面層の各厚み比率(%)がそれぞれ、15/70/15の熱収縮性フィルムを得た。
なお、実施例7では、照射線量を60kGyとした。
また、参考例では、表1に示す組成の樹脂組成物に、ジグリセリンオレート1.0質量%添加したものを環状ダイより3層原反として、押出し、直後にエアーを吹き込むことにより、幅方向に3倍延伸して平均厚みが9μmのフィルムを得た。
実施例1〜8、参考例、比較例1〜3の熱収縮性フィルムへの穿孔加工は、第1の刃をフィルムの表面に対して直交するように当て、第2の刃をフィルムの裏面に対して直交するように当てて、表1に示す通りのサイズ、間隔を調整して、切り込み及び穿孔を形成した。
この時、引裂伝播方向を0°とした場合、フィルム上で時計回りに0〜80°回転させた方向に第1の刃、反時計回りに−90〜−30°回転させた方向に第2の刃をあて、熱収縮性フィルムを挟むように切り込みを入れた。
このようにして得られた穿孔フィルムについて、穿孔の寸法、ゲル分率の測定、熱収縮率の測定、熱処理前後の穿孔孔径の測定、包装評価、虫侵入テストを行った。
なお、実施例1〜7、参考例、比較例1〜3の熱収縮性フィルムの引裂伝播方向は、MD方向とした。
実施例1〜8で得られた穿孔フィルムは、いずれも熱処理後の穿孔の孔径が300μm以下であり、熱収縮包装後の弁当包装体に虫が侵入することも困難なサイズに制御できていることが確認され、実際の虫侵入テストでも侵入は認められなかった。
比較例1、2は引裂伝播方向と切り込みA及び/又は切り込みBの方向が近いため、熱処理後の穿孔の孔径が400μmを超え、実際の虫侵入テストでも侵入が認められた。
参考例として、表1に示す構成で上向きの環状ダイスより、樹脂を押し出し、内部にエアーを充填して、延伸を行い、厚さ10μmの穿孔フィルムを作製した。得られた穿孔フィルムは140℃で収縮が得られなかったため、熱処理後の穿孔の孔径が小さく、包装収縮時のエアー抜けが不十分で皺が残り、必ずしも良好な包装仕上がりが得られなかった。
比較例3として、切り込みの形成を行わず、直径1.0mmの針状突起を5mmの長さまでフィルムに刺し、表1に示す通りの数に調整して、穿孔を敷設した。熱処理後の穿孔の孔径が大きく、包装後の虫侵入テストにおいて、多くの虫が熱収縮包装後の弁当包装体内に侵入した。
Figure 0006948785
本実施形態の穿孔フィルムは、ピロー包装用の穿孔フィルムとして好適に用いることができ、特に弁当や惣菜、カット野菜等の包装に好適に利用でき、虫の侵入を防止できる。
1 穿孔フィルム
2 切り込みA
3 切り込みB
4 穿孔
TTD 引裂伝播方向
MD 流れ方向
TD 幅方向
DD1 切り込みAに対して垂線方向
DD2 切り込みBに対して垂線方向
Q1 隣り合う切り込みBの間隔
Q2 隣り合う切り込みAの間隔
φ1 引裂伝播方向と切り込みAとのなす角度
φ2 引裂伝播方向と切り込みBとのなす角度

Claims (5)

  1. 多数の穿孔を有する、穿孔フィルムであって、
    前記穿孔フィルムは、未延伸の熱収縮性フィルムに架橋処理を行い、各層を構成する樹脂の融解ピーク温度より10℃以上高い温度で、流れ方向及び/又は幅方向に6倍以上の逐次二軸延伸または同時二軸延伸を行って得られるものであり、
    前記穿孔フィルムでは、
    フィルムの一方の表面に、フィルムの引裂試験において引裂が伝播する方向である引裂伝播方向に対して、時計回りを正として30〜60°の方向に延びる、フィルムを貫通しない切り込みAが設けられ、
    フィルムの他方の表面に、前記引裂伝播方向に対して、反時計回りを負として−60〜−30°の方向に延びる、フィルムを貫通しない切り込みBが設けられ、
    前記切り込みAと前記切り込みBとの交点で穿孔が設けられており、
    前記穿孔フィルムを140℃、4秒間で加熱した後の前記穿孔の拡大率が100〜400%であり、
    前記穿孔フィルムを140℃、4秒間で加熱した後の前記穿孔の孔径が10〜300μmである
    ことを特徴とする、穿孔フィルム。
  2. 加熱前の前記穿孔の孔径が10〜200μmである、請求項1に記載の穿孔フィルム。
  3. 10cmあたり40〜4000個の前記穿孔を有する、請求項1又は2に記載の穿孔フィルム。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の穿孔フィルムで包装されたことを特徴とする、弁当・惣菜包装体。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の穿孔フィルムで包装されたことを特徴とする、カット野菜包装体。
JP2016232493A 2015-11-30 2016-11-30 穿孔フィルム Active JP6948785B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015233796 2015-11-30
JP2015233796 2015-11-30

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017105541A JP2017105541A (ja) 2017-06-15
JP6948785B2 true JP6948785B2 (ja) 2021-10-13

Family

ID=59058790

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016232493A Active JP6948785B2 (ja) 2015-11-30 2016-11-30 穿孔フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6948785B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019167456A (ja) * 2018-03-23 2019-10-03 旭化成株式会社 食品包装用ポリオレフィン系多孔フィルム
WO2023248428A1 (ja) * 2022-06-23 2023-12-28 吉秀 西川 多孔穿設シュリンクフィルム、多孔穿設シュリンクフィルムを用いた包装体、包装装置、多孔穿設シュリンクフィルムの製造方法および多孔穿設シュリンクフィルムを用いた包装方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3983365B2 (ja) * 1997-01-10 2007-09-26 株式会社フジシールインターナショナル 食品包装方法及び食品包装体
JP4136091B2 (ja) * 1997-07-17 2008-08-20 東洋アルミニウム株式会社 内圧開放可能な包装材
JP2002362621A (ja) * 2001-06-05 2002-12-18 Asahi Kasei Corp 熱収縮フィルム包装体
JP4275520B2 (ja) * 2003-12-19 2009-06-10 大森機械工業株式会社 シュリンク包装体
JP6212431B2 (ja) * 2013-05-09 2017-10-11 旭化成パックス株式会社 穿孔フィルム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017105541A (ja) 2017-06-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10017616B2 (en) Polyolefin-based resin wrap film and wrap film-encasing body
JP6436719B2 (ja) スキンパック用熱収縮性延伸多層フィルム、それを用いたスキンパック包装体、及びスキンパック用熱収縮性延伸多層フィルムの製造方法
US10233007B2 (en) Package, packaged product, method of releasing at least one agent into chamber portion of package, and process of packaging
JP4817712B2 (ja) 熱収縮性多層フィルム
JP6948785B2 (ja) 穿孔フィルム
JP6368478B2 (ja) ポリエチレン系架橋シュリンクフィルム
JP4954882B2 (ja) 熱収縮性多層フィルム
JP4812411B2 (ja) 熱収縮性多層フィルム
JP5025412B2 (ja) 熱収縮性フィルム
JP5969310B2 (ja) 熱収縮多層フィルム及びそれを用いた包装袋
JP2015147302A (ja) 熱収縮多層フィルム及びそれを用いた包装袋
JP2018070732A (ja) ポリエチレン系架橋シュリンクフィルム
JP4846613B2 (ja) 多層フィルム
JP3647568B2 (ja) 食品包装用ストレッチシュリンクフィルム及びその製造方法
JP4818169B2 (ja) 熱収縮性多層フィルム
JP2008302503A (ja) 熱収縮性多層フィルム
JP7257245B2 (ja) フィルム
JPH0880565A (ja) 多層シュリンクフィルム
JP2017088194A (ja) トップシール用多層フィルム
JP2003112395A (ja) 包装フィルム及びシュリンク包装体
US20140287172A1 (en) Patch Bag Having Separated Tear Initiators
JP6612917B2 (ja) ポリエチレン系架橋シュリンクフィルム
JP2019167456A (ja) 食品包装用ポリオレフィン系多孔フィルム
JP2018203302A (ja) 電子レンジ用易開封包装体
JP2003260764A (ja) ポリオレフィン系樹脂熱収縮性多層フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190731

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200626

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200714

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200825

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210105

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210303

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210615

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210713

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210914

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210921

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6948785

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150