WO2023248428A1 - 多孔穿設シュリンクフィルム、多孔穿設シュリンクフィルムを用いた包装体、包装装置、多孔穿設シュリンクフィルムの製造方法および多孔穿設シュリンクフィルムを用いた包装方法 - Google Patents

Abstract

本発明は、シュリンクフィルム素材に多数の孔（１１０）が設けられ、孔（１１０）間に橋梁（１２０）が設けられた多孔穿設シュリンクフィルム（１００）であり、この多孔穿設シュリンクフィルムを用いることによって、被包装物を包装する際に、少ない梱包資材を用いて安定した梱包にすることができる。孔（１１０）としては、例えば、規則的または不規則に穿設されている短線分または短太線分状の孔、規則的または不規則で網目状の多角形の孔、規則的または不規則に穿設された円、楕円または円弧の孔があり、多孔穿設シュリンクフィルムの供給形態は多孔穿設シュリンクフィルムが連続してロール状に巻かれたロール体となったもの、単葉の平面シートまたは複葉のつづら折りになっており一葉ごとに供給するものがある。

Description

多孔穿設シュリンクフィルム、多孔穿設シュリンクフィルムを用いた包装体、包装装置、多孔穿設シュリンクフィルムの製造方法および多孔穿設シュリンクフィルムを用いた包装方法

　本発明は、シュリンクフィルムを用いたシュリンクラップ包装の技術、包装装置の技術に関する。　従来技術における一般のシュリンクフィルムは熱を印加すると収縮する性質を有するものである。外形はいわゆる薄手のフィルムラップのようなもので一様な平面的なフィルムである。
　本発明にかかるシュリンクフィルムは、外形そのものが特徴を有するものとなっている。

　商品などのパッケージングにおいて、一般には段ボール箱などの厚手の紙箱が用いられることが多い。しかし、段ボール箱は、その形状やサイズが定型化されていることが多く、内部に投入する被包装物のサイズと必ずしも合致しておらず、被包装物が段ボール箱の内部で遊んでしまうことが問題であった。そのため、緩衝材として、段ボール箱の内部に空気泡を多数備えた気泡緩衝材を充填して被包装物を梱包したり発泡スチロールにより被包装物を囲繞したりすることにより梱包せざるを得なかった。

　また、大量に製造、販売される製品の梱包は、ブリスターと呼ばれる商品パッケージングが多用されていた。ブリスターはパッケージングする商品の外形に略合致した窪みをもったプラスチック製の立体容器であり、商品をその窪み内に充填した後、台紙などで開口を封止することでパッケージングを行っていた。
　しかし近年、環境問題がクローズアップされ、このようなプラスチック製のパッケージングを用いることは問題視され、廃棄物が少ないパッケージングが強く求められている。

　上記のように、段ボール箱の梱包や、ブリスター商品パッケージは問題が多く、将来にわたる持続的な利用は難しい状況の中、シュリンクフィルムパッケージング技術の重要性が高まっている。

　従来技術におけるシュリンクフィルムパッケージングとしては、特開２０１１－１５７１１６号公報（特許文献１）に開示された技術が知られている。
　図１５は、特開２０１１－１５７１１６号公報に開示された従来技術のシュリンクフィルムパッケージングを示す図である。
　図１５（ａ）に示すように、シュリンクフィルム１２１が開口部１１１と同じ幅にわたって差し渡すように設けられた構造となっている。シュリンクフィルム１２１の端部１２２ａ及び１２２ｂは蓋部１１２ａおよび蓋部１１２ｂにしっかりと固着されている。差し渡したシュリンクフィルム１２１上に被包装物を載置した後に、そのまま蓋部１１２ａ、１１２ｂ、１１３ａ、１１３ｂを折り畳んで開口部１１１を閉じる。この状態で被包装物が段ボールの梱包箱１１０の中でシュリンクフィルム１２１によって宙ぶらりんの状態で大きな遊びはあるものの、段ボールの梱包箱１１０の中でシュリンクフィルム１２１と開口部１１１を覆う４つの蓋部との間の空間により保持される。ここで、段ボールの梱包箱１１０全体に熱を印加することによって、シュリンクフィルム１２１を収縮させれば、シュリンクフィルム１２１と開口部１１１を覆う４つの蓋部との間の空間の容積が低減され、被包装物とシュリンクフィルム１２１と４つの蓋部との間の空間の遊びが小さくなってゆき、安定した状態で梱包できるものとなっている。
　なお、宙ぶらりんにするのではなく、図１５（ｂ）のように、天地を逆にしてシュリンクフィルム１２１を底内面に固着して、被包装物を包み込み、段ボールの梱包箱１１０全体に熱を印加することによって、シュリンクフィルム１２１を収縮させて梱包させる方式もある。

　次に、従来技術におけるシュリンクフィルムパッケージングとしては、特開２００４－２３１２３０号公報（特許文献２）に開示された技術が知られている。
　図１６は、特開２００４－２３１２３０号公報に開示された従来技術におけるシュリンクフィルムパッケージングを示す図である。
　図１６に示すように、作業者の手作業あるいは自動でシュリンクフィルムシート２を台紙６の所定の位置にセットする。次に作業者の手作業あるいは自動により、被包装物４（この例では書籍）をシュリンクフィルムシート２上に載置する。この例では台紙６と重なるようにかつ台紙からはみ出さない位置に被包装物４をセットする。次いで作業者の手作業あるいは自動により、台紙６の両側に突き出した一対の折り返し部を両側から折り返して、被包装物４上で重ねる。さらに作業者の手作業あるいは自動により識別ラベルを貼付し、その後、シュリンク包装機で熱を印加してシュリンクフィルムを収縮させて梱包する。シュリンクフィルム２と被包装物４の間の空間の容積が低減されて遊びが小さくなってゆき、安定した状態で梱包できるものとなっている。

特開２０１１－１５７１１６号公報 特開２００４－２３１２３０号公報

　上記従来技術には問題点がある。図１５のシュリンクフィルムパッケージング技術、図１６のシュリンクフィルムパッケージング技術とも、平面的な被包装物や、立体的でも直方体などの平面で構成されている被包装物であれば、シュリンクフィルムと被包装物の間の間隙が平面同士の対向面、つまり、シュリンクフィルムは平面であり被包装物の対向面も平面であれば、両者間の間隙として平面同士が対向している状態となる。この状態で熱を印加してシュリンクフィルムを収縮させれば、被包装物の面に対して沿うようにシュリンクフィルムの面が接近して容積を低減して行く。つまり、上記従来技術のシュリンクフィルムパッケージング技術は、平面的な被包装物や立体的でも直方体などの平面で構成されている被包装物であれば、問題なく適用できる。

　しかし、被包装物の外形は上記のような平面的なものには限られていない。
　例えば、被包装物の表面に鋭い突起物があるものや鋭角の凸形状があるもの等であれば、平面的なシュリンクフィルムで包もうとすると、それらの鋭い突起物や鋭角の凸形状がシュリンクフィルムに突き刺さって傷つけてしまい、裂け目が入ったり一部が破れたりする可能性があった。シュリンクフィルムに裂け目が入ったり破れたりすると、その後の熱印加の過程においてシュリンクフィルムを収縮させると、それらの裂け目や破れ目を切っ掛けにして次々と裂け目が拡がって破れてゆき、梱包が不完全になってしまうおそれがあった。

　近年は、被包装物には多様なデザインが多く、被包装物の表面に鋭い突起物があるものや鋭角の凸形状があるものも増えている。また、大量生産ではなく、多種の少量ロット生産が増えており、最適な梱包を可能とするシュリンクフィルムパッケージング技術が求められている。さらに、近年はＳＤＧｓを重視した梱包が求められる中、流通や配送の状態を気にする顧客も多くので、如何に少ない梱包資材を用いて安定した梱包をすることが大きな課題となっている。

　上記課題に鑑み、本発明は、どのような外形の被包装物であっても、少ない梱包資材を用いて安定した梱包をすることができる特別に加工されたシュリンクフィルムおよびそのシュリンクフィルムを用いた包装装置を提供することを目的とする。

　上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を備える。なお、以下に記載の構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載され、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。

　本発明にかかる梱包資材用に特別に加工された多孔穿設シュリンクフィルムは、シュリンクフィルムに多数の孔が穿設されているシュリンクフィルムである。
　一般的にはシュリンクフィルムは一様に平面的なものであり、エッジの一部に切り欠きや切れ込みがあってもそれはエッジの輪郭の一部を形作るものに過ぎないものであったり、周辺に１つ２つの孔があってもエッジに設けた係止用の孔に過ぎないものである。
　本発明にかかる多孔穿設シュリンクフィルムは、シュリンクフィルムに多数の孔が設けられた多孔のシュリンクフィルムである。
　ここで多数の孔としては、多数の短線分状または短太線分状の切れ込みの孔や、多数の多角形の開口の孔や、多数の円形または楕円形の開口の孔や、多数の円弧上の切れ込みの孔などがあり得る。本発明において、多孔穿設シュリンクフィルムは、シュリンクフィルムの被包装体を包む主要範囲においてそのような多数の開口の孔や切れ込みの孔が穿設されているものを言う。
　つまり、本発明の多孔穿設シュリンクフィルムの多数の開口の孔や切れ込みの孔が設けられている範囲は、シュリンクフィルム素材の中心領域部分、つまり、被包装体を包む主要範囲にも及ぶものとすることができる。このようにエッジの切れ込みや周辺に設けた１つや２つの孔ではなく、シュリンクフィルム面の中心範囲にも多数設けられた開口や切れ込みの孔であるので、被包装体を包む範囲において孔と孔の間には多数の橋梁が生じる。多数の開口や切れ込みの孔が規則的または不規則的に設けられているので、多数の橋梁が規則的または不規則的に生じることとなり多数の橋梁が複雑に連続していることとなる。つまり、多孔穿設シュリンクフィルムは多数の橋梁が複雑に絡み合ったネスト状または網目状のものとすることができる。

　上記構成によれば、被包装物の表面に鋭い突起物があったり鋭角の凸形状があったりしても、それら突起物が孔から貫通して上方に突出することにより、シュリンクフィルムを傷つけたり破ったりする悪影響が緩和され得る。また、突起物が一部の孔を傷つけて破いたりして一部の橋梁を破断したとしても、連続する他の橋梁は独立して維持されるので、破れが次々と伝搬することがなく、破断の影響を小さな範囲で留めることができる。従来の一様で平面のシュリンクフィルムでは一か所での破れが次々と周囲に伝搬してしまう。本発明にかかる多孔穿設シュリンクフィルムではそのような事態は回避できる。
　また、多孔穿設シュリンクフィルムは熱を印加することでシュリンクフィルム素材が収縮してゆくが、本発明の多孔穿設シュリンクフィルムは多数の橋梁の１つ１つが収縮するので、全体としては複雑に絡み合ったネスト状または網目状の橋梁が収縮して径が小さくなってゆくため、どのような形状の被包装物でもその表面形状に沿って包み込みながらシュリンクラップすることができる。

　本発明の多孔穿設シュリンクフィルムの供給形態としては、少なくとも以下の２通りがある。
　例えば、多孔穿設シュリンクフィルムが連続してロール状に巻かれたロール体で供給され、所望の長さ分、ロール体から多孔穿設シュリンクフィルムが繰り出し可能になっているものがある。
　また、例えば、多孔穿設シュリンクフィルムが、単葉の平面シート、または、複葉のつづら折りになっており、一葉ごとに供給可能なものがある。

　ここで、本発明の多孔穿設シュリンクフィルムの孔としても複数のパターンがある。
　例えば、孔が短線分状または短太線分状の切れ込みの孔であり、多数の短線分状または短太線分状の切れ込みが規則的または不規則に穿設されているものがある。
　小さな点を穿ったものであれば孔間の橋梁が生じにくく橋梁と見立てる長さが短いが、短線分状または短太線分状の切れ込みが多数設けられたものであれば、短線分状または短太線分状の切れ込み同士の間で橋梁が生じやすくなり、上記したように橋梁同士は連続しても独立しており、破断の影響を小さな範囲で留めることができる。
　なお、短線分状または短太線分状の切れ込みの孔のサイズとしては、長辺が数ミリから数センチなどが考えられ、孔の個数は限定されないが、被包装体を包む範囲に十数個から数百個などがあり得る。それらは一例でありその数値範囲を超えるものがあっても良い。

　また、例えば、孔が多角形の開口の孔であり、多数の多角形の開口の孔が規則的または不規則に穿設されて網目状となっているものがある。
　網目状となっておれば、さらに明確に橋梁が生じており破断の影響を小さな範囲で留めることができ、また、橋梁自体が長くなり、いわゆる目の長い網として機能するので熱印加による橋梁の収縮マージンも大きくなって多様な形状の被包装物をより適切に包み込んで包装することができる。
　孔のサイズとしては、数ミリから数センチが考えられ、孔の個数は限定されないが、被包装体を包む範囲に十数個から数百個などがあり得る。それらは一例でありその数値範囲を超えるものがあっても良い。

　また、例えば、孔を形成する切れ込みが、円形または楕円形の開口の孔、または円弧状の切れ込みであり、多数の円形または楕円形の開口の孔、または円弧状の切れ込みが規則的または不規則に穿設されているものがある。
　この場合も、橋梁自体が太くなる傾向があるが、網目状に近い効果も得られ、破断の影響を小さな範囲で留めることができる。
　孔のサイズとしては、数ミリから数センチが考えられ、孔の個数は限定されないが、被包装体を包む範囲に十数個から数百個などがあり得る。それらは一例でありその数値範囲を超えるものがあっても良い。

　次に、本発明は、包装した結果物である包装体自体も従来技術にはない新しいものであり、上記した本発明の多孔穿設シュリンクフィルムを用いて被包装物を包装したものについても特許の対象とする。
　例えば、シート状の台紙に上記本発明の多孔穿設シュリンクフィルムが貼付されており、台紙と多孔穿設シュリンクフィルムとの間に被包装物を装填した状態でシュリンクラップ包装が行われた包装体とすることができる。
　また、例えば、運搬用の箱体の底内面、天面裏または内周壁面のいずれかに多孔穿設シュリンクフィルムが貼付されており、底内面、天面裏または内周壁面のいずれかと多孔穿設シュリンクフィルムとの間に被包装物を装填した状態でシュリンクラップ包装が行われた包装体とすることができる。

　次に、本発明は、本発明の多孔穿設シュリンクフィルムを用いて被包装物を自動包装する包装装置も対象とする。
　本発明の包装装置としては、少なくとも以下の２つの装置構成がある。
　第１の装置構成は、使用する両面テープを先に台紙に貼っておき、その両面テープに対して本発明の多孔穿設シュリンクフィルムを載置して貼りつける装置である。
　第１の装置構成にかかる本発明の包装装置は、台紙を供給する台紙供給部と、前記台紙供給部から供給された台紙の所定位置に両面テープを貼付する両面テープ貼付部と、前記台紙の上に被包装物を載置する被包装物転載部と、上記した本発明の多孔穿設シュリンクフィルムを供給する多孔穿設シュリンクフィルム供給部と、前記多孔穿設シュリンクフィルムを用いて、台紙の上に載置された被包装物を覆うように被覆ししつつ前記両面テープの上に載置することによって前記多孔穿設シュリンクフィルムの周囲を固定する被覆固定装置と、熱印加により前記多孔穿設シュリンクフィルムを収縮させて前記被包装物をシュリンクラップするシュリンク装置である。
　第１の装置構成にかかる本発明の包装装置によれば、両面テープの貼り付け位置を両面テープ貼付部により貼付できれば、多孔穿設シュリンクフィルムと台紙と被包装物の配置関係を適切に制御して貼付することができる。

　第２の装置構成は、使用する接着剤を先に台紙に塗布しておき、その接着剤塗布箇所に対して本発明の多孔穿設シュリンクフィルムを載置して貼りつける装置である。
　第２の装置構成にかかる本発明の包装装置は、台紙を供給する台紙供給部と、前記台紙供給部から供給された台紙の所定位置に接着材を塗布する接着剤塗布部と、前記台紙の上に被包装物を載置する被包装物転載部と、本発明の多孔穿設シュリンクフィルムを供給する多孔穿設シュリンクフィルム供給部と、前記多孔穿設シュリンクフィルムを用いて、台紙の上に載置された被包装物を覆うように被覆ししつつ前記接着剤の上に載置することによって前記多孔穿設シュリンクフィルムの周囲を固定する被覆固定装置と、熱印加により前記多孔穿設シュリンクフィルムを収縮させて前記被包装物をシュリンクラップするシュリンク装置である。
　第２の装置構成にかかる本発明の包装装置によれば、先に接着剤塗布部により接着剤を塗布し、その接着剤上に多孔穿設シュリンクフィルムを貼付して熱を印加して被包装物を包装することができる。

　なお、上記本発明の包装装置の両面テープ貼付部で用いる両面テープとしては、片面の接着剤がシュリンクフィルム素材と接着可能なものであり、反対面の接着剤が台紙の表面と接着可能なものとして選択すれば、良好な接着ができる。
　シュリンクフィルム素材と紙素材とを同時に良好に接着する接着剤は知られていないが、両面テープならそれぞれに適した接着剤を表裏に持つものを選択することができる。
　なお、本発明の第２の装置構成にかかる本発明の包装装置では接着剤の使用を前提としているが、シュリンクフィルム素材と紙素材とを同時に良好に接着する接着剤が近いうちに開発されれば、それを使用することができる。

　次に、本発明は、本発明の多孔穿設シュリンクフィルムを用いて被包装物を自動包装する包装方法も対象とする。
　本発明の包装方法としては、少なくとも以下の２つの方法がある。
　第１の包装方法は、使用する両面テープを先に台紙に貼っておき、その両面テープに対して本発明の多孔穿設シュリンクフィルムを載置して貼りつける包装方法である。
　第１の本発明の多孔穿設シュリンクフィルムを用いた包装方法は、台紙を供給する台紙供給工程と、前記台紙供給工程により供給された台紙の所定位置に両面テープを貼付する両面テープ貼付工程と、前記台紙の上に被包装物を載置する被包装物転載工程と、本発明の多孔穿設シュリンクフィルムを供給する多孔穿設シュリンクフィルム供給工程と、前記多孔穿設シュリンクフィルムを用いて、台紙の上に載置された被包装物を覆うように被覆ししつつ前記両面テープの上に載置することによって前記多孔穿設シュリンクフィルムの周囲を固定する被覆固定工程と、熱印加により前記多孔穿設シュリンクフィルムを収縮させて前記被包装物をシュリンクラップするシュリンク工程を備えたことを特徴とする。

　第２の包装方法は、使用する接着剤を先に台紙に塗布しておき、その接着面に対して本発明の多孔穿設シュリンクフィルムを載置して貼りつける包装方法である。
　第２の本発明の多孔穿設シュリンクフィルムを用いた包装方法は、台紙を供給する台紙供給工程と、前記台紙の上に被包装物を載置する被包装物転載工程と、前記台紙の表面と前記多孔穿設シュリンクフィルムとの間の所定位置に接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、本発明の多孔穿設シュリンクフィルムを供給する多孔穿設シュリンクフィルム供給工程と、前記多孔穿設シュリンクフィルムを用いて、台紙の上に載置された被包装物を覆うように被覆して接着剤で固定する被覆工程と、熱印加により前記多孔穿設シュリンクフィルムを収縮させて前記被包装物をシュリンクラップするシュリンク工程を備えたことを特徴とする。

　次に、本発明は、本発明の多孔穿設シュリンクフィルム自体の製造方法も対象とする。
　本発明の多孔穿設シュリンクフィルムの製造方法は、シュリンクフィルムを供給するシュリンクフィルム供給工程と、供給された前記シュリンクフィルムの背面に剥離剤が塗布された剥離シートをあてがって二層化する剥離シート形成工程と、前記孔を形成する前記切れ込みに対応する刃型が設けられているトムソン刃により、少なくとも前記シュリンクフィルムの一層、または、前記シュリンクフィルムの層と前記剥離シートの層の二層を前記トムソン刃により前記孔を形成する切れ込み形成工程と、前記剥離シートの層を前記シュリンクフィルムの層から剥離する剥離工程を備えたことを特徴とする製造方法である。

　上記の製造方法には、シュリンクフィルム素材の供給方法別に少なくとも２つの方法がある。
　第１の方法は、上記の製造方法のシュリンクフィルム供給工程において供給される前記シュリンクフィルム素材がロール状の連続体であって、前記剥離シート形成工程により供給される前記剥離シートがロール状の連続体であって、前記切れ込み形成工程で用いられる前記トムソン刃が回転体の表面に設けられ、前記回転体の連続回転によって前記切れ込み形成工程において、連続して前記孔が形成されるものである。
　シュリンクフィルム素材をロール状の連続体であれば、連続して次々と多孔穿設シュリンクフィルムを製造することができる。

　第２の製造方法は、上記のシュリンクフィルム供給工程において供給される前記シュリンクフィルム素材が単葉の平面シートまたは複葉のつづら折りであって、前記剥離シート形成工程により供給される前記剥離シートが単葉の平面シートまたは複葉のつづら折りであって、前記切れ込み形成工程で用いられる前記トムソン刃が平板の表面に設けられ、前記平板のトムソン刃によって前記切れ込み形成工程において、単葉のシート単位または複葉のつづら折りにおいて前記孔が形成されるものである。
　シュリンクフィルム素材を単葉の平面シートまたは複葉のつづら折りであれば、シート単位で次々と多孔穿設シュリンクフィルムを製造することができる。

　本発明の多孔穿設シュリンクフィルムによれば、被包装物の表面に鋭い突起物があったり鋭角の凸形状があったりしても、それら突起物が孔から貫通して上方に突出することにより、シュリンクフィルムを傷つけたり破ったりする悪影響が緩和され得る。また、突起物が一部の孔を傷つけて破いたりして一部の橋梁を破断したとしても、連続する他の橋梁は独立して維持されるので、平面のシュリンクフィルムでは次々と破れが伝搬してしまうが、本発明の多孔穿設シュリンクフィルムによれば、破れが次々と伝搬することがなく、破断の影響を小さな範囲で留めることができる。
　本発明の多孔穿設シュリンクフィルムを用いれば、良好な包装体を得ることができる。
　本発明の多孔穿設シュリンクフィルムを用いて被包装物を良好に自動包装できる包装装置を提供することができる。
　本発明の多孔穿設シュリンクフィルムを製造する方法が確立しているので、多数の多孔穿設シュリンクフィルムを安定して市場に供給することができる。

本発明の第１のパターンにかかる多孔穿設シュリンクフィルム１００ａの構成を簡単に示した図である。 本発明の第２のパターンにかかる多孔穿設シュリンクフィルム１００ｂの構成を簡単に示した図である。 本発明の第２のパターンにかかる他の多孔穿設シュリンクフィルム１００ｃの構成を簡単に示した図である。 多孔穿設シュリンクフィルム１００が連続してロール状に巻かれたロール体１３０から繰り出される形で提供される例を示した図である。 多孔穿設シュリンクフィルム１００が単葉の平面シートで供給される例を示した図である。 本発明の第１の包装装置４００ａの構成例を示す図である。 両面テープ貼付装置４２０ａの構成を簡単に示す図である。 両面テープ貼付装置４２０ａの貼付動作のパターン１を簡単に示す図である。 両面テープ貼付装置４２０ａを用いてハーフカット済両面テープ５１０を貼付対象箇所に対して貼付した後に分離する様子を簡単に示す図である。 両面テープ貼付装置４２０の動きに合わせて短冊状のハーフカット済み両面テープ５１０の貼付方向を制御した貼付跡の例を示す図である。 両面テープ貼付装置４２０ａの貼付動作のパターン２を簡単に示す図である。 本発明の第１の包装装置４００ａによる各工程の流れを示す図である。 本発明にかかる第２の包装装置４００ｂの構成を簡単に示した図である。 本発明の第１の包装装置４００により運搬用の箱体の底内面に被包装体を本発明の多孔穿設シュリンクフィルム１００により直接包装した包装体の例を示す図である。 特開２０１１－１５７１１６号公報に開示された従来技術のシュリンクフィルムパッケージングを示す図である。 特開２００４－２３１２３０号公報に開示された従来技術におけるシュリンクフィルムパッケージングを示す図である。

　以下、図面を参照しつつ、本発明にかかる多孔穿設シュリンクフィルムを説明する。ただし、本発明の範囲は以下の実施例に示したものに限定されるものではないことは言うまでもない。
　以下、実施例１として、本発明の多孔穿設シュリンクフィルム１００および本発明の多孔穿設シュリンクフィルム１００でシュリンクラップ包装した包装体について説明する。
　実施例２として、本発明の多孔穿設シュリンクフィルム１００を用いて被包装物を包装する包装装置を説明する。
　実施例３として、多孔穿設シュリンクフィルム１００を製造する多孔穿設シュリンクフィルムの製造装置を説明する。

　本発明の実施例１にかかる多孔穿設シュリンクフィルムについて説明する。
　本発明にかかる多孔穿設シュリンクフィルム１００としては、孔の形状や、多数の孔の配置が規則的か不規則かは限定されず、多様なパターンのものがあり得る。ここでは代表的な例を示す。
　図１は、第１のパターンにかかる多孔穿設シュリンクフィルム１００ａの構成を簡単に示した図となっている。孔は短太線分であり、多数の短太線分が規則的に穿設されている例である。なお、多孔穿設シュリンクフィルム１００の素材は透明のものが多いが、ここではシュリンクフィルム素材が分かりやすいように橋梁１２０ａにはハッチングを施している。なお、シュリンクフィルム素材は必ずしも透明でなくともにカラー着色したものでも良い。
　図１（ａ）に示すように、多数の短太線分１１０ａが穿設されており、短太線分１１０ａ同士の間に生じているシュリンクフィルム素材の領域が橋梁１２０ａと位置づけられる。多数の短太線分１１０ａは多孔穿設シュリンクフィルム１００の中央範囲にも設けられており、単にエッジの一部に設けられたものではなく、被包装体を包装する中央部分に多数の孔が穿設されている。
　図１（ｂ）に示すように、図１（ａ）に示した多孔穿設シュリンクフィルム１００ａは熱を印加すると橋梁１２０ａが収縮する方向に変化するものとなっている。つまり、図１（ｂ）は橋梁１２０ａが規則的に一方向に配置されているので、多孔穿設シュリンクフィルム１００ａ全体としては一方向に収縮するものとなっている。
　図１（ｃ）は、図１（ａ）に示した多孔穿設シュリンクフィルム１００ａを用いた包装体の例である。包装体としては、シート状の台紙に多孔穿設シュリンクフィルム１００ａが貼付され、台紙２００と多孔穿設シュリンクフィルム１００ａとの間に被包装物３００を装填した状態でシュリンクラップ包装が行われた例となっている。
　図１（ｃ）に示すように、台紙２００上に被包装物３００を載置し、被包装物３００の周囲の所定箇所に両面テープ５１０を貼付し、さらに多孔穿設シュリンクフィルム１００ａのエッジを貼付して台紙２００に固定したものを用意し、その包装前の包装体に熱を印加してシュリンクフィルム素材を収縮させて包装を完成させた状態を示している。
　なお、この例では、１つ１つの橋梁部１２０ａが比較的短く太いため、多数の短太線分１１０ａが規則的に穿設されている多孔穿設シュリンクフィルム１００ａに適した被包装物３００としては、背高が小さく凹凸が大きくなく平面的な形状のものが適している場合が多い。

　なお、図１は、多数の短太線分が規則的に穿設されている例であるが、本発明の多孔穿設シュリンクフィルム１００ａは孔１１０が多数の短太線分１１０ａである場合に、多数の短太線分１１０ａを不規則に穿設したものでも良い。多数の短太線分１１０ａが不規則に穿設されておれば、短太線分１１０ａ同士の間に生じているシュリンクフィルム素材の領域である橋梁１２０ａも方向性がなく不規則に配置されているものとみることができる。
　橋梁１２０ａに方向性がなく不規則に配置されていれば、多孔穿設シュリンクフィルム１００ａは熱を印加すると橋梁１２０ａが収縮する方向はそれぞれが縮むように変化するものとなるので、多数の短太線分１１０ａが不規則に穿設されている場合は、収縮する方向は全体として平均化され、多孔穿設シュリンクフィルム１００ａ全体としては全方向から中心に向けて収縮するものとなる。

　図２は、第２のパターンにかかる多孔穿設シュリンクフィルム１００ｂの構成を簡単に示した図となっている。孔は多角形の孔１１０ｂであり、多数の多角形の孔１１０ｂが規則的に穿設されている例である。この例では多角形の孔１１０ｂが四角形の孔となっている。ここではシュリンクフィルム素材が分かりやすいように橋梁１２０ｂにはハッチングを施している。なお、シュリンクフィルム素材は必ずしも透明でなくともにカラー着色したものでも良い。
　図２（ａ）に示すように、多数の四角形の孔１１０ｂが穿設されており、四角形の孔１１０ｂ同士の間に生じているシュリンクフィルム素材の領域が橋梁１２０ｂと位置づけられる。全体としては橋梁部１２０ｂが網目状に形成されている例となっている。多数の多角形の孔１１０ｂは多孔穿設シュリンクフィルム１００の中央範囲にも設けられており、単にエッジの一部に設けられたものではなく、被包装体を包装する中央部分に多数の孔が穿設されている。
　図２（ｂ）に示すように、図２（ａ）に示した多孔穿設シュリンクフィルム１００ｂは熱を印加すると橋梁１２０ｂが収縮する方向に変化するものとなっている。つまり、図２（ｂ）は橋梁１２０ｂが規則的であるが、網目状であるのでマクロにみると全方向に均等であり、多孔穿設シュリンクフィルム１００ｂ全体としては中心に向かって収縮するものとなっている。

　図２（ｃ）は、台紙２００上に被包装物３００を載置し、被包装物３００の周囲の所定箇所に両面テープ５１０を貼付し、さらに多孔穿設シュリンクフィルム１００ｂのエッジを貼付して台紙２００に固定したものを用意し、その包装前の包装体に熱を印加してシュリンクフィルム素材を収縮させて包装を完成させた状態を示す図である。この例では多孔穿設シュリンクフィルム１００ｂ全体としては熱印加前には被包装物３００の存在で膨らんでいても熱印加により全体が中心方向に収縮するものとなっている。その過程で被包装物が網目状の橋梁１２０ｂが被包装物３００の外形に沿って締まってしっかりと包装された包装体が形成される。つまり複数の方向から適度なテンションで網状の紐により保持された状態となっている。

　なお、多角形の孔１１０は他の多角形であっても良い。
　例えば、図３（ａ）は、多角形の孔１１０ｃが六角形の孔１１０ｃとなっている例である。図３（ａ）に示すように、多孔穿設シュリンクフィルム１００ｃには、多数の六角形の孔１１０ｃが穿設されており、六角形の孔１１０ｃ同士の間に生じているシュリンクフィルム素材の領域が橋梁１２０ｃと位置づけられるところ、橋梁部１２０ｃがハニカム状に形成されているハニカム構造体となっている。六角形の孔１１０ｃが均等に規則的に配置されていれば、マクロにみると全方向に均等なハニカム構造であり、多孔穿設シュリンクフィルム１００ｃ全体としては中心に向かって収縮するものとなる。図３（ａ）の例では多数の六角形の孔１１０ｃは多孔穿設シュリンクフィルム１００の中央範囲にも設けられており、単にエッジの一部に設けられたものではなく、被包装体を包装する中央部分に多数の孔が穿設されている。
　また、多数の多角形の孔１１０が不規則に穿設されている例もあり得る。例えば、孔１１０として多様な形状の四角形、五角形、六角形などが組み合わさっていても良い。この場合、全体としては橋梁部１２０が不規則なネスト状に形成されている例となっている。橋梁１２０が不規則な配置でネスト状であってもマクロにみると全方向に適度に分散されておれば、多孔穿設シュリンクフィルム１００全体としては中心に向かって収縮するものとなる。

　図示は省略するが、図３（ａ）に示す孔１１０ｃ六角形の多孔穿設シュリンクフィルム１００ｃも、図２（ｃ）に示した孔１１０ｂが四角形の場合と同様、台紙２００上に被包装物３００を載置し、被包装物３００の周囲の所定箇所に両面テープ５１０を貼付し、さらに多数の六角形の孔１１０が設けられた多孔穿設シュリンクフィルム１００のエッジを貼付して台紙２００に固定したものを用意し、その包装前の包装体に熱を印加してシュリンクフィルム素材を収縮させて包装体を作成することができる。孔１１０ｃが六角形で橋梁１２０がハニカム構造体の例でも図２（ｃ）同様に、多孔穿設シュリンクフィルム１００ｃ全体としては熱印加前には被包装物３００の存在で膨らんでいても熱印加により全体が中心方向に収縮するものとなっている。その過程で被包装物がハニカム構造の橋梁１２０が被包装物３００の外形に沿って締まってしっかりと包装された包装体が形成される。つまり複数の方向から適度なテンションで網状の紐により保持された状態となる。

　他のパターンにかかる代表的な例も示しておく。
　図３（ｂ）は、孔１１０ｄが円形の多孔穿設シュリンクフィルム１００ｄの例である。
　多数の円形の孔１１０ｄが規則的に穿設されている例である。ここではシュリンクフィルム素材が分かりやすいように、橋梁１２０ｄにはハッチングを施している。なお、シュリンクフィルム素材は必ずしも透明でなくともにカラー着色したものでも良い。
　図３（ｂ）に示すように、多数の円形の孔１１０ｄが穿設されており、円形の孔１１０ｄ同士の間に生じているシュリンクフィルム素材の領域が橋梁１２０ｄと位置づけられる。橋梁１２０ｄは円周の一部の円弧形状がつながった曲線となっている。円弧状であるので滑らかに連続したエッジであり被包装物を包装するには有利なものとなっている。図３（ｂ）の例では多数の円形の孔１１０ｄは多孔穿設シュリンクフィルム１００の中央範囲にも設けられており、単にエッジの一部に設けられたものではなく、被包装体を包装する中央部分に多数の孔が穿設されている。
　多孔穿設シュリンクフィルム１００ｄは熱を印加すると橋梁１２０ｄが収縮する方向に変化するものとなっている。つまり、図３（ｂ）は橋梁１２０ｄが規則的でありマクロにみると全方向に均等であり、多孔穿設シュリンクフィルム１００ｄ全体としては中心に向かって収縮するものとなっている。
　包装体の図示は省略するが、台紙２００上に被包装物３００を載置し、被包装物３００の周囲の所定箇所に両面テープ５１０を貼付し、さらに多孔穿設シュリンクフィルム１００ｄのエッジを貼付して台紙２００に固定したものを用意し、その包装前の包装体に熱を印加してシュリンクフィルム素材を収縮させれば包装体を完成させることができる。
　なお、図３（ｂ）の例は、円形の孔１１０ｃが規則的に設けられている例であったが、不規則に穿設されていても良い。

　次に、図３（ｃ）の例は、楕円の孔１１０ｅが多数穿設されている例である。ここではシュリンクフィルム素材が分かりやすいように、橋梁１２０ｅにはハッチングを施している。なお、シュリンクフィルム素材は必ずしも透明でなくともにカラー着色したものでも良い。
　図３（ｃ）に示すように、多数の楕円の孔１１０ｅが穿設されており、円形の孔１１０ｅ同士の間に生じているシュリンクフィルム素材の領域が橋梁１２０ｅと位置づけられる。橋梁１２０ｅは楕円周の一部の円弧形状がつながった曲線となっている。円弧状であるので滑らかに連続したエッジであり被包装物を包装するには有利なものとなっている。図３（ｃ）の例では多数の楕円形の孔１１０ｄは多孔穿設シュリンクフィルム１００の中央範囲にも設けられており、単にエッジの一部に設けられたものではなく、被包装体を包装する中央部分に多数の孔が穿設されている。
　多孔穿設シュリンクフィルム１００ｅは熱を印加すると橋梁１２０ｅが収縮する方向に変化するものとなっている。つまり、図３（ｃ）は橋梁１２０ｅが規則的でありマクロにみると全方向に均等であり、多孔穿設シュリンクフィルム１００ｅ全体としては中心に向かって収縮するものとなっている。
　包装体の図示は省略するが、台紙２００上に被包装物３００を載置し、被包装物３００の周囲の所定箇所に両面テープ５１０を貼付し、さらに多孔穿設シュリンクフィルム１００ｅのエッジを貼付して台紙２００に固定したものを用意し、その包装前の包装体に熱を印加してシュリンクフィルム素材を収縮させれば包装体を完成させることができる。
　なお、図３（ｃ）の例は、楕円形の孔１１０ｅが規則的に設けられている例であったが、不規則に穿設されていても良い。
　その他、図３に挙げた孔１１０の形状以外の形状の孔１１０も可能である。

　次に、多孔穿設シュリンクフィルム１００の供給形態について述べる。
　多孔穿設シュリンクフィルム１００の供給形態としては様々なものがあり得るが、ここでは、２通りの供給形態を示す。
　図４は、多孔穿設シュリンクフィルム１００が連続してロール状に巻かれたロール体１３０から繰り出される形で提供される例を示した図である。ロール体１３０に連続した多孔穿設シュリンクフィルム１００をロール状に巻きつけて供給すれば、ロール体１３０から多孔穿設シュリンクフィルム１００を繰り出して供給することができ、所望の長さ分が繰り出されるように、ロール体１３０の軸１３１を回転させることにより測り取ることができる。繰り出した後に測り取った長さでカッター（図示せず）により切断して単葉化する必要がある。単葉化した後、包装資材として用いる。

　図５は、多孔穿設シュリンクフィルム１００が単葉の平面シートで供給される例を示した図である。フィーダー１４０から一葉ごとに供給される例である。フィーダー１４０の中には多数の単葉の平面シートの多孔穿設シュリンクフィルム１００がスタックされており、搬送系（図示せず）により一葉ごとに供給される例となっている。すでに単葉化されているので、包装資材として用いることができる。
　図４や図５の供給形態にて供給された単葉のシート状の多孔穿設シュリンクフィルム１００は包装資材として用いることができる。

　実施例２として、本発明の多孔穿設シュリンクフィルム１００を用いて被包装物を包装する包装装置４００を説明する。
　包装装置４００としては様々な構成があり得るが、ここでは、２つの第１の包装装置４００ａと第２の包装装置４００ｂの構成例を説明する。
　［第１の包装装置４００ａ］
　図６は、本発明の第１の包装装置４００ａの構成例を示す図である。
　図６（ａ）に示すように、第１の包装装置４００ａは、台紙供給部４１０、両面テープ貼付装置４２０ａ、被包装物転載装置４３０、多孔穿設シュリンクフィルム供給部４４０、被覆固定装置４５０、加熱シュリンク装置４６０、搬送路４７０を備えた構成例となっている。
　以下、各構成要素を説明する。

　搬送路４７０は、多孔穿設シュリンクフィルム１００と台紙２００を所定の姿勢にて搬送してゆく経路を提供するものである。図６の構成例では、搬送路４７０が１つである。他の構成例としては、「主搬送路」と、主搬送路のサイドから台紙や多孔シュリンクフィルムや被包装物などを主搬送路に供給する「副搬送路」の２系統の搬送路を備えた構成もあり得る。例えば、それぞれの走行方向が直交しており、交点で副搬送路から主搬送路に搬送物を受け渡すという構造もあり得る。なお、以下の説明では、１つの搬送路で搬送してゆき、その道程で様々な部材が供給されて行くという図６の構成例にて説明する。
　搬送路４７０の構造としては図示しないが、例えば、搬送機構として、搬送路に沿って移動する無限軌道の走行ベルトが上下対向して設けられ、台紙２００がこの走行ベルトに載置された状態で搬送路４７０を搬送されて行く。
　搬送路４７０の構造には多様なものがあるが、例えば、搬送機構として、搬送路４７０と同様、搬送路に沿って移動する無限軌道の走行ベルトが両端にあるプーリーを介して折り返されて配設され、両端のプーリーにより駆動力が与えられて駆動されている。
　このような搬送機構は、被搬送物を搬送する機構として一般に広く知られているので、ここではこれ以上の詳しい説明は省略する。
　搬送路４７０の途中には、後述するように、台紙供給部４１０、両面テープ貼付装置４２０ａ、被包装物転載装置４３０、多孔シュリンクフィルム供給部４４０、被覆固定装置４５０、加熱シュリンク装置４６０があり、順々と包装体の完成まで作業がなされてゆく。

　台紙供給部４１０は、第１の包装装置４００ａの包装動作に合わせて台紙２００を供給するフィーダーである。例えば、台紙２００を多数保持する台紙スタックと、包装動作に合わせて台紙２００を１枚ずつ台紙スタックから取り出す台紙繰り出し部と、取り出した台紙２００を所定の姿勢にて搬送路４７０に送り出す台紙搬送装置を備えた構成となっている。このように、台紙供給部４１０は第１の包装装置４００ａの包装動作に合わせて台紙２００を搬送路４７０に送り出す構成となっている。

　両面テープ貼付装置４２０ａは、台紙供給部４１０から供給された台紙２００の所定位置に両面テープ５１０を貼付する装置である。両面テープ貼付装置４２０ａには多様な構造があり得るが、ここでは、供給される両面テープ資材が剥離ライナー付きハーフカット済み両面テープ５００とする。
　剥離ライナー付きハーフカット済み両面テープ５００は、二層構造となっており、表面層は、適度な長さにハーフカット加工されているハーフカット済み両面テープ５１０であり、裏面層は、表面層のハーフカット済み両面テープ５１０が剥離可能なように保持する剥離ライナー５２０となっている。裏面層の剥離ライナー５２０は連続したテープ状のものであるが、表面層のハーフカット済み両面テープ５１０は連続体のように剥離ライナー５２０の上に設けられているが、実際にはハーフカット済み両面テープ５１０はハーフカットされ所定の長さで切断されており、短冊状の切片が剥離ライナー５２０の上に並んでいる状態となっている。
　両面テープ貼付装置４２０ａは、このハーフカット済み両面テープ５１０が台紙２００の所定箇所に自動貼付できる装置となっている。

　図７は、両面テープ貼付装置４２０ａの構成を簡単に示す図である。
　図７に示すように、両面テープ貼付装置４２０ａの構成は、ロール体取付け部４２１と回転貼付転圧部４２２と剥離ライナー回収部４２３を備えたモジュールとなっている。

　ロール体取付け部４２１は、ロール状の剥離ライナー付きハーフカット済み両面テープ５００を回転可能に支持するものである。いわゆるリール繰り出し装置のように回転することで剥離ライナー付きハーフカット済み両面テープ５００を繰り出すものとなっている。
　つまり、剥離ライナー付きハーフカット済み両面テープ５００は、ロール状となって両面テープ貼付装置４２０ａのロール体取付け部４２１に繰り出し可能に搭載されている。

　回転貼付転圧部４２２は、ロール体取付け部４２１から繰り出された剥離ライナー付きハーフカット済み両面テープ５００が外面を通過してゆく部材であり、回転貼付転圧部４２２が貼付対象となる台紙２００の所定箇所と接触しつつ回転して押圧することにより、多数の小片にハーフカットされた状態となっているハーフカット済両面テープ５１０を台紙２００の所定箇所に転着させて貼付する仕組みとなっている。

　剥離ライナー回収部４２３は、回転貼付転圧部４２２を通過して残った剥離ライナー５２０を回収するものである。いわゆるリール巻き取り装置のように回転することで剥離ライナー５２０を巻き取って回収する。

　両面テープ貼付装置４２０ａの貼付動作は、両面テープ貼付装置４２０ａと台紙２００が当接し合って相対的に移動するものであれば良く、少なくとも２つのパターンがある。
　貼付動作のパターン１は、両面テープ貼付装置４２０ａは上下方向に稼働するもので、台紙２００の方が搬送路４７０を走行するパターンである。貼付動作のパターン２としては、搬送路４７０を走行してきた台紙２００が両面テープ貼付装置４２０ａの直下で一時停止し、両面テープ貼付装置４２０ａが静止している台紙２００に対して当接しつつ移動して貼付するパターンである。

　まず、貼付動作のパターン１の例を説明する。
　図８は、両面テープ貼付装置４２０ａの貼付動作のパターン１を簡単に示す図である。
　図８（ａ）に示すように、台紙２００が搬送路（この場合は搬送路４７０）上を移動している。この状態で両面テープ貼付装置４２０ａの直下を通過してゆく。
　ここで、図９（ａ）に示すように、両面テープ貼付装置４２０ａが台紙２００の表面の所定箇所に当接するように下降し、回転貼付転圧部４２２が台紙２００の表面に当接する高さになる。
　この状態で台紙２００が移動してゆく期間、回転貼付転圧部４２２が台紙２００の表面に当接し続ける。台紙２００の表面がハーフカット済両面テープ５１０の粘着面と強力に粘着する物性のものであれば、ハーフカット済両面テープ５１０が貼付されてゆくのと同時に剥離ライナー５２０から剥離してゆく。剥離ライナー５２０は、剥離ライナー回収部４２３に回収されてゆく。
　ここで、図８（ｂ）に示すように、台紙２００の所定箇所に対するハーフカット済両面テープ５１０の貼付が終了すると、図９（ｂ）に示すように、両面テープ貼付装置４２０ａが台紙２００の表面から当接しなくなるように上昇し、回転貼付転圧部４２２が台紙２００の表面から離隔する高さになる。
　ここで、ハーフカット済両面テープ５１０は、所定の長さでハーフカットされて短冊状の切片が連続するものとなっており、任意の位置（切片のエッジ）で切れやすくなっている。両面テープ貼付装置４２０ａが上昇して台紙２００の表面から離隔すれば、台紙２００に貼付されたハーフカット済両面テープ５１０の切片は台紙２００の表面に残るが、未貼付のハーフカット済両面テープ５１０の切片は剥離ライナー５２０上で保持されたまま両面テープ貼付装置４２０ａに従って上昇する。

　また、本発明の両面テープ貼付装置４２０では、貼付に用いる両面テープが、連続した両面テープでも良く、あらかじめ短冊状にハーフカットされたハーフカット済み両面テープ５１０でもよいが、あらかじめ短冊状にハーフカットされたハーフカット済み両面テープ５１０であれば、短冊状に独立しているため、前後隣接する短冊状のハーフカット済み両面テープ５１０は、両面テープ貼付装置４２０の動きに合わせて容易に貼付方向を制御することができる。つまり、直線状に貼付する以外に、図１０（ａ）に示したようにカーブさせた貼付、図１０（ｂ）に示したように、滑らかに上下の高さの変化がある立体的曲面上に貼付するなどが容易に行うことができる。
　以上が両面テープ貼付装置４２０ａの貼付動作のパターン１の動作の概要である。

　次に、貼付動作のパターン２の例を説明する。
　図１１は、両面テープ貼付装置４２０ａの貼付動作のパターン２を簡単に示す図である。
　図１１（ａ）に示すように、台紙２００が搬送路（この場合は搬送路４７０）上を移動し、両面テープ貼付装置４２０ａの直下まで来て一時停止する。
　台紙２００が静止している状態において、図９（ａ）と同様、両面テープ貼付装置４２０ａが台紙２００の表面の所定箇所に当接するように下降し、回転貼付転圧部４２２が台紙２００の表面に当接する高さになる。この状態で両面テープ貼付装置４２０ａが所定の軌跡で移動し、回転貼付転圧部４２２が台紙２００の表面に当接し続ける。台紙２００の表面がハーフカット済両面テープ５１０の粘着面と強力に粘着する物性のものであるので、ハーフカット済両面テープ５１０が剥離ライナー５２０から剥離し、台紙２００の表面上に貼付されてゆく。剥離ライナー５２０は、剥離ライナー回収部４２３に回収されてゆく。
　ここで、図８（ｂ）に示すように、両面テープ貼付装置４２０ａが所定の軌跡で移動して台紙２００の所定箇所に対するハーフカット済両面テープ５１０の貼付が終了すると、図９（ｂ）と同様、両面テープ貼付装置４２０ａが台紙２００の表面から当接しなくなるように上昇し、回転貼付転圧部４２２が台紙２００の表面から離隔する高さになる。
　ここで、ハーフカット済両面テープ５１０は、所定の長さでハーフカットされて短冊状の切片が連続するものとなっており、任意の位置（切片のエッジ）で切れやすくなっている。図８（ｂ）に示すように、両面テープ貼付装置４２０ａが上昇して台紙２００の表面から離隔すれば、台紙２００に貼付されたハーフカット済両面テープ５１０の切片は台紙２００の表面に残るが、未貼付のハーフカット済両面テープ５１０の切片は剥離ライナー５２０上で保持されたまま両面テープ貼付装置４２０ａに従って上昇する。

　なお、貼付動作のパターン２の方法で貼付する場合も、貼付動作のパターン１と同様、両面テープ貼付装置４２０の動きに合わせて容易に貼付方向を制御することができる。つまり、直線状に貼付する以外に、図１０（ａ）に示したようにカーブさせた貼付、図１０（ｂ）に示したように、滑らかに上下の高さの変化がある立体的曲面上に貼付するなどが容易に行うことができる。
　以上が両面テープ貼付装置４２０ａの貼付動作のパターン２の動作の概要である。

　次に、図６に戻って、被包装物転載装置４３０を説明する。
　被包装物転載装置４３０は、被包装物３００を台紙２００の上の所定位置に転載する装置である。被包装物転載装置４３０の構成には様々なものがある。例えば、ロボットアームのようなもので被包装物３００をピッキングし、搬送路４７０を搬送されている台紙２００の所定箇所にロボットアームが被包装物３００を転載する装置でも良い。
　なお、この被包装物転載装置４３０は、本発明の包装装置４００のオプション構成であり、簡易手段として、被包装物転載装置４３０を省略した構成とし、搬送路４７０の所定位置にいる作業員が手で被包装物３００を台紙２００上の所定箇所に載置するものでも良い。

　次に、多孔穿設シュリンクフィルム供給部４４０を説明する。
　多孔穿設シュリンクフィルム供給部４４０は、第１の包装装置４００ａの包装動作に合わせて多孔穿設シュリンクフィルム１００を供給するフィーダーである。例えば、実施例１に示した多孔穿設シュリンクフィルム１００を多数保持する多孔穿設シュリンクフィルムスタックと、包装動作に合わせて多孔穿設シュリンクフィルム１００を１枚ずつ多孔穿設シュリンクフィルムスタックから取り出す多孔穿設シュリンクフィルム繰り出し部と、取り出した多孔穿設シュリンクフィルム１００を所定の姿勢にて被覆固定装置４５０に送り出す多孔穿設シュリンクフィルム搬送部を備えた構成となっている。
　多孔穿設シュリンクフィルム供給部４４０は第１の包装装置４００ａの包装動作に合わせて、多孔穿設シュリンクフィルム搬送部が多孔穿設シュリンクフィルム１００を被覆固定装置４５０に受け渡す。

　被覆固定装置４５０は、台紙２００の上に載置された被包装物３００を覆うように多孔穿設シュリンクフィルム１００を両面テープ５１０の上に転載して押圧することによって多孔穿設シュリンクフィルム１００の周囲（エッジ）を固定する装置である。
　上記したように、台紙２００の所定箇所に両面テープ５１０（ここではハーフカット済み両面テープ５１０）が貼付されており、さらに、非包装物３００も台紙２００の所定箇所に転載されている状態において、被覆固定装置４５０は、多孔穿設シュリンクフィルム供給部４４０から多孔穿設シュリンクフィルム１００を受け取り、被包装物３００を覆うように被覆ししつつ両面テープ５１０の上に多孔穿設シュリンクフィルム１００を載せ置いて貼り付ける。多孔穿設シュリンクフィルム１００を両面テープ５１０へ貼り付ける箇所は、どの部分でも良いが、通常は多孔穿設シュリンクフィルム１００のエッジと考えられる。

　なお、両面テープ５１０は、その裏面層は台紙２００に接着する接着剤が塗布されており、台紙２００にしっかりと接着し、その表面層は多孔穿設シュリンクフィルム１００の素材（シュリンクフィルム素材）に接着する接着剤が塗布されており、多孔穿設シュリンクフィルム１００にしっかりと接着するので、台紙２００の所定箇所に多孔穿設シュリンクフィルム１００がしっかりと固定される。

　加熱シュリンク装置４６０は、熱印加により多孔穿設シュリンクフィルム１００を収縮させて被包装物３００をシュリンクラップする装置である。この加熱シュリンク装置４６０はシュリンクラップ工程で広く使用されるものであるので、ここでの詳しい説明は省略する。

　以下に、実施例２にかかる本発明の第１の包装装置４００ａの動作の概略を述べておく。
　図１２は、本発明の第１の包装装置４００ａによる各工程の流れを示すものである。
　図１２に見るように、台紙供給工程と、両面テープ貼付工程と、被包装物転載工程と、多孔穿設シュリンクフィルム供給工程と、被覆固定工程と、シュリンク工程の流れとなっている。
　上記したように、台紙供給工程は台紙供給部４１０により台紙を供給する工程である。
　両面テープ貼付工程は、台紙供給工程により供給された台紙２００の所定位置に両面テープ５１０を貼付する工程である。ここでは、ハーフカット済み両面テープ５１０Ａが貼付される。
　被包装物転載工程は、被包装物転載装置４３０により台紙２００の上に被包装物３００を載置する工程である。なお、被包装物転載装置４３０を省略し、簡易的に作業員が介在して手作業で被包装物３００を載置するものでも良い。
　多孔穿設シュリンクフィルム供給工程は、多孔穿設シュリンクフィルム供給部４４０により多孔穿設シュリンクフィルムを供給する工程である。
　被覆固定工程は、被覆固定装置４５０は、多孔穿設シュリンクフィルム１００を用いて、台紙２００の上に載置された被包装物３００を覆うように被覆ししつつ両面テープ５１０の上に載置することによって多孔穿設シュリンクフィルム１００の周囲を固定する工程である。
　シュリンク工程は、加熱シュリンク装置４６０による熱印加により多孔穿設シュリンクフィルム１００を収縮させて被包装物３００をシュリンクラップする工程である。
　図１２に示したように、各工程により包装体が完成してゆく。

　［第２の包装装置４００ｂ］
　次に、第２の包装装置４００ｂを説明する。
　図１３は、本発明にかかる第２の包装装置４００ｂの構成を簡単に示した図である。
　図１３（ａ）に示すように、第２の包装装置４００ｂは、台紙供給部４１０、粘着剤塗布装置４２０ｂ、被包装物転載装置４３０、多孔穿設シュリンクフィルム供給部４４０、被覆固定装置４５０、加熱シュリンク装置４６０、搬送路４７０を備えた構成例となっている。
　ここで、台紙供給部４１０、被包装物転載装置４３０、多孔穿設シュリンクフィルム供給部４４０、被覆固定装置４５０、加熱シュリンク装置４６０、搬送路４７０は、第１の包装装置４００ａで示した各構成要素と同様で良いので、ここでの説明は省略する。

　粘着剤塗布装置４２０ｂは、台紙２００の表面の所定位置に接着剤を塗布する装置である。例えば、接着剤を蓄えたタンクと、タンクから一定量の接着剤を供給する供給路と、供給路から供給された接着剤を塗布対象物に塗布する塗布ヘッドを備えた構成などで良い。塗布ヘッドがロールヘッドとなっており、塗布ヘッドが当接した対象物の表面を転がりながら接着剤を塗布するものでも良い。このような粘着剤塗布装置は広く一般に知られているのでここではそれ以上の詳しい説明は省略する。

　なお、第２の包装装置４００ｂの前提として、粘着剤塗布装置４２０ｂで使用する接着剤が、紙などの台紙２００の素材と多孔穿設シュリンクフィルム１００のシュリンクフィルム素材の両者の間に介在して両者に対して共に十分な接着力が得られる性質を備えていることである。本出願時の市場では未だそのような性質を備えた接着剤は一般には普及していないが、そのような性質を備えた優れた接着剤が開発されて利用可能となれば、第２の包装装置４００ｂが可能となる。
　本発明の第２の包装装置４００ｂの動作の概略についても、図１１で示した各工程の流れにおいて、両面テープ貼付工程が、接着剤塗布工程に置き換わるだけであるので、ここでの説明は省略する。

　次に、包装体のバリエーションとして、運搬用の箱体の底内面、天面裏または内周壁面のいずれかに本発明の多孔穿設シュリンクフィルムを用いて被包装物を包装する例を説明する。
　図１４は、本発明の第１の包装装置４００により運搬用の箱体の底内面に被包装体３００を本発明の多孔穿設シュリンクフィルム１００により直接包装した包装体の例を示す図である。
　図１４の例は、図１４（ａ）に示すように、箱体の底内面に被包装体３００を載置し、その周囲に両面テープを貼付または接着剤を塗布したのち、本発明の多孔穿設シュリンクフィルム１００を取り付けて、図１４（ｂ）に示すように、箱体の底内面と多孔穿設シュリンクフィルム１００との間に被包装物３００を装填した状態でシュリンクラップして包装したものである。
図１４の例は、被包装物の装填場所が運搬用の箱体の底内面であるが、底内面に限られず、天面裏、内周壁面のなどでも良い。

　以上、本発明の多孔穿設シュリンクフィルム、多孔穿設シュリンクフィルムを用いた包装体、包装装置、多孔穿設シュリンクフィルムを用いた包装方法における好ましい実施例を図示して説明してきたが、本発明の技術的範囲を逸脱することなく種々の変更が可能であることは理解されるであろう。

　本発明の多孔穿設シュリンクフィルムは、包装資材として広く適用することができる。本発明の包装装置は多孔穿設シュリンクフィルムを用いて多様な被包装物を簡単かつ安定した形で包装できる。

　１００　多孔穿設シュリンクフィルム
　１１０　孔
　１２０　橋梁
　１３０　ロール体
　１４０　フィーダー
　２００　台紙
　３００　被包装物
　４００　包装装置
　４１０　台紙供給部
　４２０　両面テープ貼付装置
　４２１　ロール体取付け部
　４２２　回転貼付転圧部
　４２３　剥離ライナー回収部
　４３０　被包装物転載装置
　４４０　多孔穿設シュリンクフィルム供給部
　４５０　被覆固定装置
　４６０　加熱シュリンク装置
　４７０　搬送路
 

Claims (15)

1. 　シュリンクフィルムに多数の孔が穿設されている多孔穿設シュリンクフィルム。
2. 　前記孔が短線分または短太線分の切れ込みの孔であり、多数の前記短線分または前記短太線分の切れ込みの孔が規則的または不規則に穿設されていることを特徴とする請求項１に記載の多孔穿設シュリンクフィルム。
3. 　前記孔が多角形の開口の孔であり、多数の前記多角形の開口の孔が規則的または不規則に穿設されて網目状となっていることを特徴とする請求項１に記載の多孔穿設シュリンクフィルム。
4. 　前記孔が、円形または楕円形の開口の孔、または円弧状の切れ込みの孔であり、多数の前記円形または前記楕円形の開口の孔、または前記円弧状の切れ込みの孔が規則的または不規則に穿設されていることを特徴とする請求項１に記載の多孔穿設シュリンクフィルム。
5. 　請求項１から４のいずれかに記載の多孔穿設シュリンクフィルムにより被包装物がシュリンクラップ包装された多孔穿設シュリンクフィルムを用いた包装体。
6. 　シート状の台紙に前記多孔穿設シュリンクフィルムが貼付され、前記台紙と前記多孔穿設シュリンクフィルムとの間に前記被包装物を装填した状態で前記シュリンクラップ包装が行われたものであることを特徴とする請求項５に記載の多孔穿設シュリンクフィルムを用いた包装体。
7. 　運搬用の箱体の底内面、天面裏または内周壁面のいずれかに前記多孔穿設シュリンクフィルムが貼付され、前記箱体の底内面、天面裏または内周壁面のいずれかと前記多孔穿設シュリンクフィルムとの間に前記被包装物を装填した状態で前記シュリンクラップ包装が行われたものであることを特徴とする請求項５に記載の多孔穿設シュリンクフィルムを用いた包装体。
8. 　台紙を供給する台紙供給部と、
   　前記台紙供給部から供給された台紙の所定位置に両面テープを貼付する両面テープ貼付部と、
   　前記台紙の上に被包装物を載置する被包装物転載部と、
   　請求項１から４のいずれかに記載の多孔穿設シュリンクフィルムを供給する多孔穿設シュリンクフィルム供給部と、
   　前記多孔穿設シュリンクフィルムを用いて、台紙の上に載置された被包装物を覆うように被覆ししつつ前記両面テープの上に載置することによって前記多孔穿設シュリンクフィルムの周囲を固定する被覆固定装置と、
   　熱印加により前記多孔穿設シュリンクフィルムを収縮させて前記被包装物をシュリンクラップするシュリンク装置を備えたことを特徴とする被包装物の包装装置。
9. 　前記両面テープにおいて、片面の接着剤が前記シュリンクフィルム素材と接着可能なものであり、反対面の接着剤が前記台紙の表面と接着可能なものである請求項８に記載の包装装置。
10. 　台紙を供給する台紙供給部と、
    　前記台紙の上に被包装物を載置する被包装物転載部と、
    　前記台紙の表面と前記多孔穿設シュリンクフィルムとの間の所定位置に接着剤を供給して塗布する接着剤塗布部と、
    　請求項１から４のいずれかに記載の多孔穿設シュリンクフィルムを供給する多孔穿設シュリンクフィルム供給部と、
    　前記多孔穿設シュリンクフィルムにより前記被包装物を被覆ししつつ前記接着材の上に載置することによって前記多孔穿設シュリンクフィルムの周囲を固定する被覆固定工程と、
    　熱印加により前記多孔穿設シュリンクフィルムを収縮させて前記被包装物をシュリンクラップするシュリンク装置を備えたことを特徴とする被包装物の包装装置。
11. 　台紙を供給する台紙供給工程と、
    　前記台紙供給工程により供給された台紙の所定位置に両面テープを貼付する両面テープ貼付工程と、
    　前記台紙の上に被包装物を載置する被包装物転載工程と、
    　請求項１から４のいずれかに記載の多孔穿設シュリンクフィルムを供給する多孔穿設シュリンクフィルム供給工程と、
    　前記多孔穿設シュリンクフィルムを用いて、台紙の上に載置された被包装物を覆うように被覆ししつつ前記両面テープの上に載置することによって前記多孔穿設シュリンクフィルムの周囲を固定する被覆固定工程と、
    　熱印加により前記多孔穿設シュリンクフィルムを収縮させて前記被包装物をシュリンクラップするシュリンク工程を備えたことを特徴とする多孔穿設シュリンクフィルムを用いた被包装物の包装方法。
12. 　台紙を供給する台紙供給工程と、
    　前記台紙の上に被包装物を載置する被包装物転載工程と、
    　請求項１から４のいずれかに記載の多孔穿設シュリンクフィルムを供給する多孔穿設シュリンクフィルム供給工程と、
    　前記台紙の表面の所定位置に接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、
    　前記多孔穿設シュリンクフィルムを用いて、台紙の上に載置された被包装物を覆うように被覆ししつつ前記接着剤の塗布箇所に載置することによって前記多孔穿設シュリンクフィルムの周囲を固定する被覆固定工程と、
    　熱印加により前記多孔穿設シュリンクフィルムを収縮させて前記被包装物をシュリンクラップするシュリンク工程を備えたことを特徴とする多孔穿設シュリンクフィルムを用いた被包装物の包装方法。
13. 　請求項１から４のいずれかに記載の多孔穿設シュリンクフィルムを製造する多孔穿設シュリンクフィルム製造方法であって、
    　シュリンクフィルムを供給するシュリンクフィルム供給工程と、
    　供給された前記シュリンクフィルムの背面に剥離剤が塗布された剥離シートをあてがって二層化する剥離シート形成工程と、
    　前記孔を形成する前記切れ込みに対応する刃型が設けられているトムソン刃により、少なくとも前記シュリンクフィルムの一層、または、前記シュリンクフィルムの層と前記剥離シートの層の二層を前記トムソン刃により前記孔を形成する切れ込み形成工程と、
    　前記剥離シートの層を前記シュリンクフィルムの層から剥離する剥離工程を備えたことを特徴とする多孔穿設シュリンクフィルム製造方法。
14. 　前記シュリンクフィルム供給工程で供給される前記シュリンクフィルム素材がロール状の連続体であって、
    　前記剥離シート形成工程により供給される前記剥離シートがロール状の連続体であって、
    　前記切れ込み形成工程で用いられる前記トムソン刃が回転体の表面に設けられ、前記回転体の連続回転によって前記切れ込み形成工程において、連続して前記孔が形成されることを特徴とする請求項１３に記載の多孔穿設シュリンクフィルム製造方法。
15. 　前記シュリンクフィルム供給工程で供給される前記シュリンクフィルム素材が単葉の平面シートまたは複葉のつづら折りであって、
    　前記剥離シート形成工程により供給される前記剥離シートが単葉の平面シートまたは複葉のつづら折りであって、
    　前記切れ込み形成工程で用いられる前記トムソン刃が平板の表面に設けられ、前記平板のトムソン刃によって前記切れ込み形成工程において、単葉のシート単位または複葉のつづら折りにおいて前記孔が形成されることを特徴とする請求項１３に記載の多孔穿設シュリンクフィルム製造方法。

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