JP2016117517A - ポリオレフィン系樹脂ラップフィルム、巻回体、及びラップフィルム収容体 - Google Patents

ポリオレフィン系樹脂ラップフィルム、巻回体、及びラップフィルム収容体 Download PDF

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有孝 上田
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Abstract

【課題】密封性と視認性に優れるポリオレフィン系樹脂ラップフィルム、該ラップフィルムの巻回体、及び該巻回体を収容したラップフィルム収容体を提供する。【解決手段】ポリオレフィン系樹脂を含み、90〜110℃の範囲内の任意の温度T(℃)における流れ方向の熱収縮率と巾方向の熱収縮率の平均値である平均熱収縮率S(%)が、下記式(1)を満たす、ポリオレフィン系樹脂ラップフィルム。0.5T−40≦平均熱収縮率S≦95・・・・・(1)【選択図】なし

Description

本発明は、ポリオレフィン系樹脂ラップフィルム、巻回体、及びラップフィルム収容体に関する。
食品用ラップフィルムは、食品の簡易的包装材として主に一般家庭で使用されており、その多くは食品を保護する目的で使用されている。このようなラップフィルムには、食品や容器を包装する際に、容器とフィルム又はフィルム同士がぴったり密着して、ひとりでに剥がれないような密着性が必要とされる。また、電子レンジの使用に耐えうる耐熱性、腰のある手触り感、張り、好適な包装品の外観、衛生的であることが要求される。さらに、良質で且つ安価なラップフィルムを提供するために効率良く生産することも重ねて重要なことである。
高密着力という性質を有するため、特に塩化ビニリデン系樹脂を含むラップフィルムが、主に家庭用食品包装材として広く使用されている(例えば、特許文献1参照。)。他に、非塩素系樹脂であるポリオレフィン系樹脂を含むラップフィルムも使用されている。
特開2011−168750号公報
従来のラップフィルムでは、ラップフィルムを用いて、食品内容物が入ったお椀等の上部を蓋い、電子レンジ加熱した後、これを持ち運ぶ際に、特に食品内容物が液体の場合、お椀等とラップフィルム間の隙間から、食品内容物がこぼれてしまう恐れがある。食品内容物と電子レンジ加熱の時間によっては、加熱時に食品内容物が突沸して、お椀とフィルムの隙間から一部がこぼれてしまう場合もある。さらに、電子レンジ加熱後、ラップ表面にシワが残っていたり、曇りが発生することで、食品内容物の視認性が悪い。これにより、食品内容物が異なるこのような包装品が複数ある場合に、食品内容物を誤認し、取り違えてしまう問題や、美味しそうに見えないという問題が生じる。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、密封性と視認性に優れるポリオレフィン系樹脂ラップフィルム、該ラップフィルムの巻回体、及び該巻回体を収容したラップフィルム収容体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、所定のポリオレフィン樹脂を含むラップフィルムであれば上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は以下のとおりである。
〔1〕
ポリオレフィン系樹脂を含み、
90〜110℃の範囲内の任意の温度T(℃)における流れ方向の熱収縮率と巾方向の熱収縮率の平均値である平均熱収縮率S(%)が、下記式(1)を満たす、
ポリオレフィン系樹脂ラップフィルム。
0.5T−40≦平均熱収縮率S≦95 (1)
〔2〕
前記ポリオレフィン系樹脂が、ポリエチレン系樹脂を含む、前項〔1〕に記載のポリオレフィン系樹脂ラップフィルム。
〔3〕
防曇剤を含有する、前項〔1〕又は〔2〕に記載のポリオレフィン系樹脂ラップフィルム。
〔4〕
前項〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載のポリオレフィン系樹脂ラップフィルムが巻回された、巻回体。
〔5〕
前項〔4〕に記載のポリオレフィン系樹脂ラップフィルムの巻回体と、該巻回体を収容する収容容器と、を有するラップフィルム収容体。
本発明によれば、密封性と視認性に優れるポリオレフィン系樹脂ラップフィルム、該ラップフィルムの巻回体、及び該巻回体を収容したラップフィルム収容体を提供することができる。
本実施形態に係るポリオレフィン系樹脂ラップフィルムを収容したラップフィルム収容体の一例を示す斜視図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
〔ポリオレフィン系樹脂ラップフィルム〕
本実施形態に係るポリオレフィン系樹脂ラップフィルム(以下、「ラップフィルム」ともいう。)は、ポリオレフィン系樹脂を含み、90〜110℃の範囲内の任意の温度T(℃)における流れ方向の熱収縮率と巾方向の熱収縮率の平均値である平均熱収縮率S(%)が下記式(1)を満たす。
0.5T−40≦平均熱収縮率S≦95 (1)
「ラップフィルム」とは、主として、食品の簡易的包装材として主に一般家庭や飲食店で手によりカットして使用するものをいう。上記構成を有することにより、本実施形態のラップフィルムは、電子レンジ等により加熱した際に適切に熱収縮することができる。ラップフィルムが熱収縮することにより、被包装物の密封性がより向上する。例えば、容器の口をラップフィルムで蓋い、加熱することにより、ラップフィルムで容器の口を密封することができたり、被包装物をラップフィルムで直接的に蓋い加熱することにより被包装物を密封することができたりする。これにより、容器の内容物が液体である場合であっても、容器とラップフィルム間の隙間から、内容物がこぼれることを抑止することができる他、密封されていない場合と比較して内容物の保存性がより向上する。また、ラップフィルムが熱収縮することにより、ラップフィルム表面のしわや曇りをなくすことができ、容器内の内容物の視認性がより向上する。視認性の向上により、内容物が異なるこのような包装品が複数ある場合に生じ得る内容物の誤認や取り違えを防止できたり、内容物がより美味しそうに見える等の内容物の審美性をより向上できたりする。以下、本実施形態のラップフィルムについて、より詳細に説明する。
ラップフィルムは、ポリオレフィン系樹脂を含む単層体又はポリオレフィン系樹脂を含む層の積層体からなるものであっても、ポリオレフィン系樹脂を含む層とその他の樹脂を含む層とを含む積層体からなるものであってもよい。また、積層体としては、表面層/内部層/表面層からなる3層積層体、表面層/中間層/内部層/中間層/表面層からなる5層積層体が挙げられる。なお、「表面層」とは、ラップフィルムの最表面となる層であり、「中間層」とは、ラップフィルムの表面層に接する層であって、内部層がある場合には、内部層を挟むように接する層であり、「内部層」とは、ラップフィルムの中間層に挟まれるように接する層である。
〔ポリオレフィン系樹脂〕
ポリオレフィン系樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ−4−メチルペンテンなどの1種のオレフィン類の単独重合体;2種以上のオレフィン類の共重合体;又は1種以上のオレフィン類とオレフィン類以外の重合性不飽和結合を有する重合成分との共重合体が挙げられる。ポリオレフィン系樹脂は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
(ポリエチレン系樹脂)
このなかでも、ポリオレフィン系樹脂は、ポリエチレン系樹脂を含むことが好ましい。「ポリエチレン系樹脂」とは、エチレン単位を含むポリオレフィン樹脂をいう。このようなポリエチレン系樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン;エチレン−酢酸ビニル共重合体;エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等のエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体;エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルメタクリレート共重合体、エチレン−ブチルアクリレート共重合体、エチレン−ブチルメタクリレート共重合体等のエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体等が挙げられる。ポリオレフィン系樹脂がポリエチレン系樹脂を含むことにより、ラップフィルム製膜時の延伸性、電子線架橋性、低温下における強度等により優れる傾向にある。ポリエチレン系樹脂は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
ポリエチレン系樹脂の含有量は、ポリオレフィン系樹脂100質量%に対して、好ましくは60〜100質量%であり、より好ましくは80〜100質量%であり、さらに好ましくは90〜100質量%である。ポリエチレン系樹脂の含有量が上記範囲内であることにより、ラップフィルム製膜時の延伸性、電子線架橋性、低温下におけるフィルム強度等により優れる傾向にある。
ポリエチレン系樹脂のなかでも、超低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、及びエチレン−酢酸ビニル共重合体等が好ましい。
超低密度ポリエチレン(以下、「VLDPE」ともいう。)とは、密度が0.910g/cm3未満であるポリエチレン系樹脂をいう。VLDPEの含有量は、ポリオレフィン系樹脂100質量%に対して、好ましくは0〜80質量%であり、より好ましくは0〜60質量%であり、さらに好ましくは0〜40質量%である。VLDPEの含有量が上記範囲内であることにより、密着性と剛性のバランスがより向上する傾向にある。
低密度ポリエチレン(以下、「LDPE」ともいう。)とは、密度が0.910g/cm3以上0.930g/cm3未満であるポリエチレン系樹脂をいう。LDPEは、エチレンが単純な鎖状に結合せず、多くの長鎖分岐(LCB)や短鎖分岐(SCB)を有し得る。LDPEの含有量は、ポリオレフィン系樹脂100質量%に対して、好ましくは0〜50質量%であり、より好ましくは0〜40質量%であり、さらに好ましくは0〜30質量%である。LDPEの含有量が上記範囲内であることにより、ラップフィルムの弾性(張りと腰)、及び密着性がより向上する傾向にある。
低密度ポリエチレンの製造方法としては、特に限定されないが、例えば、一般に公知の方法、例えば高圧法が使用できる。高圧法において、具体的には、100〜300℃、100〜350MPaの高温高圧下でパーオキサイドなどの遊離基発生剤の存在下でエチレンをオートクレープ又はチューブリアクターなどで重合することにより、低密度ポリエチレンを製造できる。
線状低密度ポリエチレン(以下、「LLDPE」ともいう。)とは、超低密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレンの一種であり、一般にエチレン−α−オレフィン共重合体とも称され、一般的に、エチレンと、1種以上のα−オレフィンと、の共重合体である。
α−オレフィンとしては、特に限定されないが、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−へキセン、4−メチル−1−ペンテン、及び1−オタテン等の炭素数が3〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。このなかでも、1−ブテン、1−へキセン、及び1−オクテンが好ましい。また、線状低密度ポリエチレン中に占めるαオレフィンの含有量は、仕込みモノマー基準において、6〜30質量%が好ましい。
LLDPEの含有量は、ポリオレフィン系樹脂100質量%に対して、好ましくは0〜95質量%であり、より好ましくは0〜90質量%であり、さらに好ましくは0〜85質量%である。LLDPEの含有量が上記範囲内であることにより、柔軟性と剛性のバランスがより向上する傾向にある。
LLDPEの密度は、好ましくは0.900〜0.940g/cm3であり、より好ましくは0.910〜0.935g/cm3であり、さらに好ましくは0.920〜0.930g/cm3である。LLDPEの密度が0.900g/cm3以上であることにより、過剰密着が抑制され引出力がより向上したり、フィルムの弾性(張りと腰)がより向上したりする傾向にある。また、LLDPEの密度が0.940g/cm3以下であることにより、ラップフィルムの密着性がより向上する傾向にある。
線状低密度ポリエチレンの製造方法としては、特に限定されないが、例えば、気相流動床法、気相攪拌床法、液相スラリー法、液相溶液法、高圧反応釜法などの一般に公知の方法が挙げられる。具体的には、例えば遷移金属触媒の存在下、低温、低圧でエチレンとα−オレフィンとを気相又は液相内で共重合する方法が挙げられる。上記触媒としては、特に限定されないが、例えばチーグラー系触媒、フィリップス系触媒及びメタ口セン系触媒などが挙げられる。このなかでも、チーグラー系触媒が好ましい。チーグラー系触媒を用いることにより、得られるポリエチレン中の低分子量成分が多くなり、密着性が適度に高くなる傾向にある。
中密度ポリエチレン(以下、「MDPE」ともいう。)とは、密度が0.930g/cm3以上0.942g/cm3未満であるポリエチレン系樹脂をいう。MDPEの含有量は、ポリオレフィン系樹脂100質量%に対して、好ましくは0〜80質量%であり、より好ましくは0〜60質量%であり、さらに好ましくは0〜40質量%である。MDPEの含有量が上記範囲内であることにより、柔軟性と剛性のバランスがより向上する傾向にある。
高密度ポリエチレン(以下、「HDPE」ともいう。)とは、密度が0.942g/cm3以上であるポリエチレン系樹脂をいう。HDPEは、一般的にエチレンが分岐をほとんど持たず直鎖状に結合したものである。HDPEの含有量は、ポリオレフィン系樹脂100質量%に対して、好ましくは0〜30質量%であり、より好ましくは0〜20質量%であり、より好ましくは0〜10質量%である。HDPEの含有量が上記範囲内であることにより、ラップフィルムの弾性(張りと腰)がより向上し、かかる製造時に延伸し易くなる傾向にある。特に、HDPEの含有量が0質量%以上であることにより、ラップフィルムの脆性が向上し、突起物等に対して容易に破れ易くなる傾向にある。これにより、手でより容易に切断することができる。
高密度ポリエチレンは、一般的に、エチレン単独重合体又はエチレンとα−オレフィンの共重合体であり、フィリップス法、スタンダード法、チーグラー法などの一般に公知の方法で製造することができる。
ポリエチレンの密度の測定方法は、実施例に記載の方法により行なうことができる。また、超低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、及び高密度ポリエチレンは、1種単独で用いても、触媒又は構成成分の異なる2種以上を併用してもよい。
エチレン−酢酸ビニル共重合体は、エチレンと酢酸ビニルの共重合体である。酢酸ビニル成分の含有量は、エチレン−酢酸ビニル共重合体100質量%に対して、好ましくは5〜60質量%であり、より好ましくは5〜50質量%であり、さらに好ましくは5〜40質量%である。酢酸ビニル成分の含有量が5質量%以上であることにより、ラップフィルムの密着性がより向上する傾向にある。また、酢酸ビニル成分の含有量が60質量%以下であることにより、ラップフィルムの臭いがより無臭に近くなる傾向にある。
上記ポリオレフィン系樹脂は、シングルサイト系触媒、もしくはマルチサイト系触媒等の公知の触媒を用いて重合することができる。上記ポリオレフィン系樹脂は、従来石油、天然ガス由来原料から得られたものに限らず、サトウキビ、トウモロコシ等の植物由来原料から得られたものであってもよい。
ポリオレフィン系樹脂の総密度は、好ましくは0.860〜0.960g/cm2であり、より好ましくは0.900〜0.955g/cm2であり、さらに好ましくは0.915〜0.950g/cm2である。ポリオレフィン系樹脂の総密度が上記範囲内であることにより、フィルムの弾性(張りと腰)、強度、密着性、製膜安定性により優れる傾向にある。なお、密度は実施例に記載の方法により測定することができる。
ポリオレフィン系樹脂の190℃、2.16kgにおけるメルトフローレート(以下、「MFR」ともいう。)は、好ましくは0.1〜25g/10分であり、より好ましくは0.2〜10g/10分であり、さらに好ましくは0.3〜5g/10分である。MFRが0.1g/10分以上であることにより、分子鎖の絡まりが程よく弱くなり、切断するのに要する力がより小さくなり、樹脂の押出工程における分解物などの異物の発生頻度もより少なくなる傾向にある。また、MFRが25g/10分以下であることにより、分子鎖の絡まりが程よく大きくなり、ポリオレフィン樹脂が配向しやすくなるため、ラップフィルムが不用意に破れることをより抑制できる傾向にある。なお、MFRは実施例に記載の方法により測定することができる。
ポリオレフィン系樹脂の中でも、LLDPE、LDPEが加工性、ラップフィルムの柔軟性、熱収縮性の面で好ましい。積層体の場合、表面層にエチレン−酢酸ビニル共重合体やVLDPEを用いると、ラップフィルムの密着性がより向上する傾向にある。
ラップフィルムの各層には50wt%未満の範囲で別の樹脂や各種添加剤が配合されてもよい。
〔その他添加剤〕
ラップフィルムは、必要に応じて、食品包装材料に用いられる可塑剤、安定剤、耐候性向上剤、染料又は顔料などの着色剤、防曇剤、抗菌剤、滑剤、核剤など公知の添加剤を含んでいてもよい。これらは1種単独で用いても又は2種以上を併用してもよい。
可塑剤としては、特に限定されないが、具体的には、アセチルクエン酸トリブチルのようなクエン酸エステル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジオクチル、グリセリン、グリセリンエステル、ワックス、流動パラフィン、リン酸エステル及びエポキシ化大豆油が挙げられる。
安定剤としては、特に限定されないが、具体的には、2,5−t−ブチルハイドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、4,4’−チオビス−(6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)ブロピオネート、及び4,4’−チオビス−(6−t−ブチルフェノール)等の酸化防止剤;エポキシ化植物油、ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、イソステアリン酸塩、オレイン酸塩、リシノール酸塩、2−エチル−ヘキシル酸塩、イソデカン酸塩、ネオデカン酸塩、及び安息香酸カルシウム等の熱安定剤が挙げられる。
耐候性向上剤としては、特に限定されないが、具体的には、エチレン−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾリトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、及び2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤が挙げられる。
染料又は顔料などの着色剤としては、特に限定されないが、具体的には、カーボンブラック、フタロシアニン、キナクリドン、インドリン、アゾ系顔料、及びベンガラが挙げられる。
防曇剤としては、特に限定されないが、具体的には、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アルコールエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが挙げられる。このなかでもグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルが防曇性、加工性の面で好ましい。これら脂肪酸エステル類の中でも、飽和脂肪酸から成るラウリン酸エステル類、ステアリン酸エステル類等が好ましく、保管後のラップフィルムの外観が優れる傾向にある。これらの防曇剤は、単独でも、複数の混合物を添加してもよい。
防曇剤の含有量は、ラップフィルム100質量%に対して、好ましくは0.1〜10.0質量%であり、より好ましくは0.2〜7.0質量%であり、さらに好ましくは1.0〜5.0質量%である。防曇剤の含有量が上記範囲内であることにより、防曇性、フィルム表面のべたつき感、加工性のバランスがより向上する傾向にある。
抗菌剤としては、特に限定されないが、具体的には、銀系無機抗菌剤が挙げられる。
滑剤としては、特に限定されないが、具体的には、エチレンビスステロアミド、ブチルステアレート、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、カルナバワックス、ミリスチン酸ミリスチル、ステアリン酸ステアリル等の脂肪酸炭化水素系滑剤、高級脂肪酸滑剤、脂肪酸アミド系滑剤、及び脂肪酸エステル滑剤が挙げられる。
核剤としては、特に限定されないが、具体的には、リン酸エステル金属塩が挙げられる。
〔熱収縮率〕
平均熱収縮率Sは、90〜110℃の範囲内の任意の温度T(℃)における流れ方向の熱収縮率と巾方向の熱収縮率の平均値である。平均熱収縮率Sは、下記式により算出することができる。
平均熱収縮率S(%)=((収縮前の長さ−収縮後の長さ)/収縮前の長さ)×100
平均熱収縮率S(%)は、0.5T−40以上であり、好ましくは0.5T−35以上であり、より好ましくは0.5T−30以上である。また、平均熱収縮率S(%)は、95以下であり、好ましくは90以下であり、より好ましくは85以下である。平均熱収縮率Sが、0.5T−40以上であることにより、密封性と視認性がより向上する。
(密着仕事量)
ラップフィルムの密着仕事量は、好ましくは0.50〜3.50mJであり、より好ましくは0.80〜3.00mJであり、さらに好ましくは1.00〜2.00mJである。密着仕事量が0.50mJ以上であることにより、密着性が高くフィルムが独りでに剥がれることを抑制できる傾向にある。また、密着仕事量が3.50mJ以下であることにより、過剰密着を防ぎ、取り扱い性がより向上する傾向にある。密着仕事量は、容器や食品にラップフィルムを被せたときのフィルム同士や容器との密着性を評価する指標であり、引出力と併せて重要な特性である。なお、密着仕事量は実施例に記載の方法により測定することができる。また、密着仕事量は、用いる樹脂の密度や組み合わせなどによって調整することが可能である。
(厚み)
ラップフィルムの全層厚みは、好ましくは5.0〜20.0μmであり、より好ましくは5.0〜16.0μmであり、さらに好ましくは5.0〜12.0μmである。全層厚みが5.0μm以上であることにより、破れやすくなることをより抑制できる傾向にある。また、全層厚みが20.0μm以下であることにより、容器に張り付ける際に、より扱いやすい傾向にある。なお、全層厚みは実施例に記載の方法により測定することができる。また、上記全層厚みの調整は、製造時の各層押出機の吐出量又はその比率、ライン速度、延伸倍率などによって行なうことができる。
〔ラップフィルム巻回体の製造方法〕
本実施形態に係るラップフィルム巻回体の製造方法は、一般に公知の方法であれば特に限定されないが、例えば、押出工程、延伸(成膜)工程及び巻き取り工程などからなる方法が挙げられ、必要に応じて、積層工程、エネルギー線照射工程、及びヒートセット工程などの処理を行うこともできる。
押出工程は、押出機よりポリオレフィン樹脂を溶融押出する工程である。複数の層からなるラップフィルムを作製する場合は、特に限定されないが、例えば、各層の押出機で樹脂を溶融して、多層サーキユラ一ダイ(例えば環状3層ダイ、環状5層ダイ)で共押出しする。
積層工程は、多層からなるラップフィルムを製造する際に、押出された樹脂を積層し、積層体を作製する工程である。積層方法としては、特に限定されないが、例えば、ドライラミネート法、エクストルージョンラミネート法、共押出法等が挙げられる。このなかでも、設備が簡易な点で上述の共押出法が好ましい。
延伸工程は、押出されたポリオレフィン樹脂を2軸延伸し、ポリオレフィン樹脂をMD方向及びTD方向に配向させる工程である。延伸方法としては、特に限定されないが、例えば、溶融したポリオレフィン樹脂を冷却ローラーを用いて引き取るキャスト法、溶融樹脂チューブを冷却固化後に加熱延伸するダブルバブルインフレーション法、溶融樹脂チューブに直接エアーを吹き込み延伸させるダイレクトインフレーション法、ロール縦延伸後にテンター横延伸する逐次テンター2軸延伸法などが挙げられる。ラップフィルムは、適した厚さになるまで延伸される。ラップフィルムのカット性を良好にするためには、延伸時の特にMD方向及びTD方向の延伸倍率の制御、及びそれにより得られるTD引裂強度が重要な因子となる。
延伸工程においては、2軸延伸が好ましく、逐次テンター2軸延伸法及びダブルバブルインフレーション法がより好ましく、ダブルバブルインフレーション法がさらに好ましい。2軸延伸をすることで、MD及びTD方向の収縮性がより向上する傾向にある。好ましい延伸温度は、40〜190℃が好ましく、45〜180℃がより好ましく、50〜170℃がさらに好ましい。
MD及びTD方向の延伸倍率は、1.7〜12倍が好ましく、2.0〜11倍がより好ましく、2.2〜10倍がさらに好ましい。ここで、TD方向の延伸倍率は、(延伸後のフィルム巾)/(延伸前のパリソン巾)の比であり、MD方向の延伸倍率は、(延伸後のライン速度)/(延伸前のライン速度)の比である。
延伸倍率を高くすることで、熱収縮率を高くすることができ、延伸温度を低くすることで、熱収縮する温度を低くすることができる。延伸倍率を高くする場合は、延伸温度を高くすることで、製膜時の延伸性が向上する。延伸温度が樹脂の融点以上となる場合には、延伸前のパリソンに電子線などのエネルギー線照射を施して樹脂を架橋させることで、延伸性が向上させることができる。
延伸温度、延伸倍率が上記範囲であることにより、ラップフィルムの90〜110℃における熱収縮性能に優れ、加熱後の密着密閉性、シワ解消性に優れ、かつ裂けトラブルがより抑制されたラップフィルムが得られる傾向にある。
また、延伸面積倍率は、3〜70倍が好ましく、4〜60倍がより好ましい。延伸面積倍率が、3倍以上であることにより熱収縮性により優れる傾向にある。また、延伸面積倍率が、70倍以下であることにより製品の寸法変化がより小さくなる傾向にある。
巻き取り工程は、延伸されたフィルムを巻き取り機で巻き取って、フィルム原反を作製する工程である。その後のスリット工程では、スリッターで、このフィルム原反の両端をカットして2枚に剥離し、更に所望の幅にカットし、巻き取って巻回体とする。最後に、リワインド工程では、この巻回体からフィルムを所望の巻長分だけ、巻き取り、巻回フィルムを作製する。巻き取り方法は、特に限定されないが、例えば、芯体に巻き取る方法が挙げられる。芯体としては、特に限定されないが、例えば、紙製、プラスチック製、金属製、木製、またはこれらの組み合わせが挙げられる。他の巻き取り方法としては、芯体を使用せずに、エアシャフト等を巻き芯にして巻き取ることで、芯体のない巻回体を得ることができる。これは使用後に廃棄する際、芯体のゴミが発生しない利点を有する。
エネルギー線照射工程はパリソン又は延伸後のフィルムに対して行なってもよい。電子線架橋処理方法で用いられる電子線としては、特に限定されないが、例えば、紫外線、電子線、X線、α線、線、線、中性子線等の電離性放射線が挙げられる。このなかでも、電子線が好ましい。電子線照射による照射方法では、例えば100kV〜1MVのエネルギー電圧で電子線をパリソン又はフィルム全体に照射する方法が挙げられる。
押出混練時における樹脂や防曇剤等の添加剤の劣化防止、電子線架橋時の架橋度の調整等を目的に、酸化防止剤を添加してもよい。添加方法は特に限定されないが、押出機に直接、原料樹脂と共に添加する方法、事前に原料樹脂に練り込んだマスターバッチにより添加する方法、事前に防曇剤等の液状添加剤の中に添加し、これを押出機に直接添加する方法等が挙げられる。酸化防止剤は、電子線架橋時に架橋反応を阻害する効果があるため、酸化防止剤添加量により架橋度を調整することができる。本ラップフィルムでは、酸化防止剤添加量が少ない程、架橋度が高くなり、カット性が向上する傾向にあり、より好ましい。また、必要に応じ、後処理、例えば寸法安定性のためのヒートセット、他種フィルムとのラミネーションが行われてもよい。
ラップフィルムの製造方法の一例として、ダブルバブルインフレーション法についてより詳細に説明する。
まず、溶融したポリオレフィン系樹脂又はポリオレフィン系樹脂を含む樹脂組成物を押出機により、円形のダイのダイ口から管状に押し出し、管状の樹脂組成物であるパリソンが形成される。
パリソン内部に剥離性を付与するためにソック液を注入してもよい。ソック液としては、特に限定されないが、例えば、水、ミネラルオイル、アルコール類;プロピレングリコールやグリセリン等の多価アルコール類;セルロース系やポリビニルアルコール系の水溶液が挙げられる。ソック液は1種単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。また、ソック液には、必要に応じて、従来の食品包装材料に用いられる耐候性向上剤、防曇剤、抗菌剤等を添加してもよい。
次に、押出物であるパリソン外側を冷水槽や水冷リング等にて冷水に接触させ、パリソンの内部にはソック液を常法により注入して貯留することにより、パリソンを内外から冷却して固化させる。この際、パリソンはその内側にソック液が塗布された状態となる。固化されたパリソンは、第1ピンチロールにて折り畳まれ、ダブルプライシートであるパリソンが成形される。ソック液の塗布量は第1ピンチロールのピンチ圧により制御される。エネルギー線照射工程を行う場合には、パリソンに電子線などのエネルギー線照射を施して樹脂を架橋させる。
続いて、パリソンの内側に空気を注入することにより、再度パリソンは開口されて管状となる。パリソンは、延伸に適した温度まで再加熱される。延伸に適した温度は、容易に延伸ができるようにする観点から、40〜190℃であることが好ましい。次いで、インフレーション工程において、適温まで加熱された管状のパリソンに空気を注入してインフレーション延伸によりバブルを成形し、延伸フィルムが得られる。
その後、延伸フィルムは、第3ピンチロールで折り畳まれ、ダブルプライフィルムとなる。その後、必要に応じてヒートセット工程が行なわれる。ダブルプライフィルムは、巻取りロールにて巻き取られる。さらに、このダブルプライフィルムはスリットされて、1枚のフィルムになるように剥がされる(シングル剥ぎ)。最終的にこのフィルムは例えば芯体に巻き取られ、ラップフィルム巻回体が得られる。
上記の説明は、ラップフィルムの製造方法の一例であり、上記以外の各種装置構成や条件等によってラップフィルムを製造してもよく、例えば、公知の他の方法を採用してもよい。
〔ラップフィルム収容体〕
本実施形態に係るラップフィルム収容体は、上記ポリオレフィン系樹脂ラップフィルムの巻回体と、該巻回体を収容する収容容器と、を有する。
図1は、本実施形態に係るポリオレフィン系樹脂ラップフィルムを収容したラップフィルム収容体の一例を示す斜視図である。ラップフィルムFを収容する収容容器は、前板1、底板2、後板3、及び脇板6の各壁面で形成される上部が開口した直方体の収容室8と、前記後板3の上端縁から収容室8を覆う方向に接続して設けられた蓋板4、前記蓋板4の前端縁から前記前板1を覆う方向に延出した掩蓋片5、掩蓋片5の両脇に設けられた脇掩蓋片7の各壁面で形成される蓋体4とからなる収容箱などが挙げられる。
〔巻回体〕
巻回体Rは、上記ポリオレフィン系樹脂ラップフィルムFが巻回されたものである。
〔収容容器〕
収容容器は、巻回体Rを収容するものである。収容容器は、ポリオレフィン系樹脂ラップフィルムを切断するための切断具を有していても、有していなくてもよい。
収容容器の材質は、特に限定されず、例えば、プラスチック、金属、木材、ダンボール及び板紙、あるいはこれらの組み合わせが挙げられる。このなかでも、使い勝手が良い点で、板紙が好ましい。この板紙は、厚さ0.35〜1.50mmの厚紙で、一般に肉厚のものほど剛性、強度が高く丈夫な収容容器が得られる。しかし、折り曲げ加工が困難になるため、厚さは0.35〜0.80mmがより好ましい。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
〔測定方法〕
(密度)
ポリオレフィン系樹脂の密度は、JISK7112に準じて測定した。
(メルトフローレート)
ポリオレフィン系樹脂の190℃、2.16kgにおけるメルトフローレート(以下、「MFR」ともいう。)は、JISK7210に準じて測定した。
(流れ方向及び巾方向の熱収縮率)
100mm角のフィルムを所定の温度に設定したエアーオーブン式高温槽に入れ、1分間熱処理を行い、各温度におけるフィルムの流れ方向、巾方向の収縮量を測定し、収縮前の寸法、すなわち100mm、で割った値の百分率比を、それぞれ、流れ方向、巾方向の熱収縮率とした。流れ方向の熱収縮率と巾方向の収縮率の平均値を平均熱収縮率Sとした。
(密着仕事量(密着性))
ラップフィルムの密着仕事量は、この方法は、食器などの容器や食品にラップフィルムを被せたときのフィルム同士の密着性を評価するための値である。密着仕事量は、以下の通り、測定し、評価した。
底面積が25cm2で質量が400gの円柱を2本用意した。そして、これらの底面に、底面と面積が同一の濾紙を予め貼り付けた。この濾紙を貼り付けた2つの円柱の底面に、ラップフィルムを皺が入らないように緊張させて固定した。そして、これらのフィルム面の相互がぴったり重なり合うように2本の円柱を合わせた後、すぐに500gの重りを載せて荷重し、1分間圧着した。所定時間経過後に重りを取り外し、すぐに、重なり合わせたフィルム相互を引張試験機にて5mm/分の速度で面に垂直な方向に引き離し、この時に生じたエネルギー(mJ)を密着仕事量とした。測定は、23℃雰囲気中で行った。試験回数は、10回行い、平均値を採用した。この評価は、以下の通り、4段階で行った。
評価基準
×:3.50mJ超過 過剰密着である。
△:3.00mJ超過3.50mJ以下 過剰密着が殆どない。実用上、密着性は問題ない。
〇:2.00mJ超過3.00mJ以下 独りでに剥がれない。過剰密着がない。密着性が優れている。
◎:1.00mJ以上2.00mJ以下 最適な密着仕事量である。密着性が非常に優れている。
〇:0.80mJ以上1.00mJ未満 独りでに剥がれない。過剰密着がない。密着性が優れている
△:0.50mJ以上0.80mJ未満 独りでに剥がれることが殆どない。過剰密着が殆どない。実用上、密着性は問題ない。
×:0.50mJ未満 独りでに剥がれる。実用上、密着性に問題がある。
(厚み)
ラップフィルムの厚みは、ASTME−252に準じて測定した。具体的には、TECLOCKCORPORATION製 TECLOCK US−26を使用して測定を行った。
(加熱後密封性)
水を入れたお椀をラップ包装し、電子レンジ加熱した後の、お椀とラップの密封性を評価する加熱後密封性は以下のように測定した。陶器製のお椀に、水の高さが底面から10mmとなるよう水を入れ、上部をラップフィルムで密閉し、電子レンジで750W×1分加熱する。加熱後、お椀をゆっくり傾け、中のお湯が、わずかにこぼれる程度に傾ける。この時、実際にお湯がこぼれるかどうかを下記評価基準により評価した。
評価基準
〇:中のお湯がこぼれない。
×:中のお湯がこぼれる。又はお椀に沿って、しみだす。
(加熱後視認性)
水を入れたお椀をラップ包装し、電子レンジ加熱した後の、お椀上部から見たお椀内部の視認性を評価する加熱後視認性は以下のように測定した。陶器製のお椀に、水の高さが底面から10mmとなるよう水を入れ、上部をラップフィルムで密閉する。ここで、ラップ表面は、ダブつかせた状態で緩く張りつけて、電子レンジで750W×1分加熱する。加熱後、お椀上部からお椀内部を目視し、ラップ表面のシワの残存状況、ラップ表面の曇り具合の観点から、お椀内部の視認性を下記評価基準により評価した。
シワ評価基準
〇:シワが全くない。
△:シワがかすかに残っている。
×:シワが残っている。
防曇性評価基準
〇:曇りが無く、透明な状態。
△:一部曇っている部分がある状態。
×:全面的に曇って、中身がよく見えない状態。
(実施例および比較例において使用した樹脂)
以下の樹脂を表面層、中間層、及び内部層の材料として用いた。
・LL1:エチレン−1−オクテン共重合体、密度=0.926g/cm3、MFR=2.0g/10分
・LL2:エチレン−1−へキセン共重合体、密度=0.913g/cm3、MFR=2.0g/10分
・LL3:エチレン−1−ヘキセン共重合体、密度=0.926g/cm3、MFR=2.5g/10分
・LL4:エチレン−1−ヘキセン共重合体、密度=0.916g/cm3、MFR=2.3g/10分
・VL1:エチレン−1−ヘキセン共重合体、密度=0.900g/cm3、MFR=2.0g/10分
・VL2:エチレン−1−ヘキセン共重合体、密度=0.905g/cm3、MFR=4.0g/10分
・ML1:エチレン−オクテン共重合体、密度=0.939g/cm3、MFR=2.1g/10分
・LD1:高圧法低密度ポリエチレン、密度=0.921g/cm3、MFR=0.4g/10分
・LD2:高圧法低密度ポリエチレン、密度=0.922g/cm3、MFR=0.2g/10分
・HD1:高密度ポリエチレン、密度=0.959g/cm3、MFR=0.8g/10分
・EL1:エチレン−1−オクテン共重合エラストマー、密度=0.877g/cm3、MFR=0.5g/10分
・EL2:エチレン−1−オクテン共重合エラストマー、密度=0.868g/cm3、MFR=0.5g/10分
・EVA1:エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル成分=15%、密度=0.940g/cm3、MFR=2.0g/10分
・EVA2:エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル成分=15%、密度=0.940g/cm3、MFR=1.0g/10分
・PP1:ホモポリプロピレン、密度=0.900g/cm3、MFR=3.3g/10分
・PB1:プロピレン−ブテン共重合体、密度=0.890g/cm3、MFR=2.0g/10分
・PL1:エチレン−プロピレン共重合体、密度=0.876g/cm3、MFR=2.0g/10分
〔実施例1〜15〕
表1に示す組成の樹脂組成物に、防曇剤として、ジグリセリンオレートとグリセリンモノオレートの1:1の混合物を2.0質量%添加したものを環状ダイより単層または3層原反または5層原反として押出した後、冷水にて冷却固化して、折り巾120mm、厚さ160〜460μmのチューブ状原反を作製した。電子線架橋処理を行う場合は、これを電子線照射装置に誘導し、500kVに加速した電子線を照射し、吸収線量として80kGyになるように架橋処理を行った。これを延伸機内に誘導して再加熱を行い、2対の差動ニップロール間に通して、エアー注入によりバブルを形成し、表1に示す延伸条件でそれぞれ延伸を行い、実施例1〜15のラップフィルムを得た。各種物性を表1に示す。
〔比較例1〜2〕
表1に示すとおり、樹脂組成、パリソン厚みと延伸倍率、加熱温度、フィルム厚みが異なる以外は、実施例4と同様にして比較例1〜2のラップフィルムを得た。各種物性を表2に示す。
〔比較例3〕
ポリエチレンを用いた市販のラップフィルムを比較例3のラップフィルムとして用いた。各種物性を表1に示す。
〔比較例4〕
ポリエチレン、ポリプロピレンを用いた市販のラップフィルムを比較例4のラップフィルムとして用いた。各種物性を表1に示す。
〔比較例5〕
ポリメチルペンテンを用いた市販のラップフィルムを比較例5のラップフィルムとして用いた。各種物性を表1に示す。
Figure 2016117517
本発明に係るポリオレフィン系樹脂ラップフィルムは、食品包装用、及び調理用等の用途として広く且つ有効に利用可能である。
1…前板、2…底板、3…後板、4…蓋板、5…掩蓋片、6…脇板、7…脇掩蓋片、8…収納室、R…巻回体、F…ラップフィルム

Claims (5)

  1. ポリオレフィン系樹脂を含み、
    90〜110℃の範囲内の任意の温度T(℃)における流れ方向の熱収縮率と巾方向の熱収縮率の平均値である平均熱収縮率S(%)が、下記式(1)を満たす、
    ポリオレフィン系樹脂ラップフィルム。
    0.5T−40≦平均熱収縮率S≦95 (1)
  2. 前記ポリオレフィン系樹脂が、ポリエチレン系樹脂を含む、請求項1に記載のポリオレフィン系樹脂ラップフィルム。
  3. 防曇剤を含有する、請求項1又は2に記載のポリオレフィン系樹脂ラップフィルム。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリオレフィン系樹脂ラップフィルムが巻回された、巻回体。
  5. 請求項4に記載のポリオレフィン系樹脂ラップフィルムの巻回体と、該巻回体を収容する収容容器と、を有するラップフィルム収容体。
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