JP5021563B2 - 操作位置検出装置及びシフト装置 - Google Patents

操作位置検出装置及びシフト装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5021563B2
JP5021563B2 JP2008144953A JP2008144953A JP5021563B2 JP 5021563 B2 JP5021563 B2 JP 5021563B2 JP 2008144953 A JP2008144953 A JP 2008144953A JP 2008144953 A JP2008144953 A JP 2008144953A JP 5021563 B2 JP5021563 B2 JP 5021563B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
combination
binarized
signal
signals
binarized signals
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008144953A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009293954A (ja
Inventor
康生 高田
嘉広 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokai Rika Co Ltd
Original Assignee
Tokai Rika Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokai Rika Co Ltd filed Critical Tokai Rika Co Ltd
Priority to JP2008144953A priority Critical patent/JP5021563B2/ja
Publication of JP2009293954A publication Critical patent/JP2009293954A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5021563B2 publication Critical patent/JP5021563B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)
  • Arrangement Or Mounting Of Control Devices For Change-Speed Gearing (AREA)
  • Hall/Mr Elements (AREA)

Description

本発明は、例えばシフトレバー等の操作部材の操作位置を検出する操作位置検出装置及びシフト装置に関する。
従来、シフト装置には、変速機の接続状態を切り替えるための複数のシフトモードを有するものがある。例えば、特許文献1に記載のシフト装置は、自動変速機の各ポジション(D:ドライブや、R:リバース等)の切替が可能な通常モードと、各段の変速ギヤをシーケンシャル(段階的)に切替可能なマニュアルモードとの2つのシフトモードを備えている。
具体的には、このシフト装置において、シフトレバーの配置されたシフトゲートは、上記二つのシフトモードに対応するとともに略平行に延びる第1及び第2ゲートと、これらと直交する第3ゲートとにより全体としてH型に形成されており、シフトレバーは、これら各ゲートに沿って移動可能に設けられている。また、このシフト装置は、シフトレバーの操作位置を検出するための操作位置検出装置を備えている。この操作位置検出装置は、シフトレバーと連結されそのシフト操作により第1及び第2ゲートの延伸方向に揺動する第1揺動部材と、そのセレクト操作により第3ゲートの延伸方向に揺動する第2揺動部材と、これら第1及び第2揺動部材の揺動をそれぞれ検出する二つの非接触式の回転検出センサとを備えている。そして、第1の回転検出センサで第1揺動部材の揺動角度を検出することにより各シフトモードにおけるシフト操作位置を検知し、第2の回転検出センサで第2揺動部材の揺動角度を検出することによりセレクト操作位置を検知するように構成されている。
また、シフトレバーの操作位置の検出の信頼性が確保されるよう、各回転検出センサには各方向におけるシフトレバーの操作をそれぞれ個別に検知するセンサエレメントが2つずつ設けられている。このため、例えば一方のセンサエレメントが故障した場合は、2つのセンサエレメントから異なる値の検出信号が出力されることから、このことに基づいてセンサエレメントの故障を検知することが可能となっている。
特開2003−154869号公報
ところで、車両への搭載性の観点から車両に搭載される各種装置への小型化の要求は依然として高く、シフト装置についても例外ではない。しかしながら、従来の回転検出センサを用いた操作位置検出装置は、シフトレバーの移動方向につき一つの回転検出センサが必要となるため、上述したように互いに直交する2方向に操作されるシフトレバーの操作位置を検出するためには、少なくとも二つの回転検出センサを別々に設ける必要がある。このため、回転検出センサの設置スペースやその配線スペースをシフト装置における複数箇所で確保する必要があり、このことはシフト装置の小型化の妨げとなってしまう。
また、従来の回転検出センサを用いた操作位置検出装置は、1つのセンサエレメントが故障した場合、何れのセンサエレメントが故障しているかを特定することができない。このため、例えばシフトレバーの操作位置を検出する操作位置検出装置のように入力操作位置に対する高い検出信頼性が要求されるものでは、一方のセンサエレメントの故障を検知しただけで、言い換えれば、他方のセンサエレメントによる検出が可能である状態であるにもかかわらず、操作位置の検出を不能としてしまう場合がある。この場合、例えばシフト装置は、自動変速機の接続状態をニュートラルに強制的に切り替えて車両を安全側に動作させるため、車両の走行が不能となってしまう。なお、このような操作位置検出装置は、シフト装置に限らず、複数方向に操作される例えばジョイスティック等の入力装置について適用可能であり、この場合にも前述と同様の課題がある。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、1つのセンサエレメントの故障に対する冗長性及び入力操作位置の検出信頼性を確保しつつ小型化が可能な操作位置検出装置及びそれを用いたシフト装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、操作部材の操作に伴い複数の所定位置間を移動可能に設けられるとともにその移動方向に交差する方向に着磁された被検出体と、前記着磁方向に対して交差する平面に沿って複数設けられるとともに前記被検出体の位置に応じてそれぞれに付与される磁束の方向に応じた二値化信号を出力する磁気検出手段と、複数の前記磁気検出手段から出力された二値化信号の組み合わせに基づいて前記被検出体の位置を求める演算手段とを備え、前記複数の磁気検出手段は、前記二値化信号の組み合わせが、前記被検出体の位置情報である位置符号と、前記被検出体の各所定位置に固有の前記二値化信号の組み合わせの1つの二値化信号の誤りを訂正するための誤り訂正符号とを含むハミング符号に準拠したものとなるように設けられ、前記演算手段は、複数の前記磁気検出手段から出力された二値化信号の組み合わせが、前記被検出体の各所定位置に対応する正常な二値化信号の組み合わせに対して1つの二値化信号の誤りを有する二値化信号の組み合わせであるか否かを判断し、該出力された二値化信号の組み合わせが前記被検出体の位置に対応する正常な二値化信号の組み合わせに対して1つの誤りを有する二値化信号の組み合わせである場合に、前記出力された二値化信号の組み合わせに基づいて生成した前記被検出体の各所定位置に対応する前記二値化信号の組み合わせの1つの誤り信号に一対一で対応する誤り信号位置情報に基づいて、前記二値化信号の組み合わせの誤り信号位置を特定し、この特定された信号位置の二値化信号を訂正し、さらに、前記二値化信号を対応する磁気検出手段に応じて重み付けしたものを加算することにより、前記被検出体の位置に対応する正常な二値化信号の組み合わせに対して1つの二値化信号の誤りを有する二値化信号の組み合わせのみに関連付けられた第1の重み付け値と、同じく前記二値化信号を対応する磁気検出手段に応じて重み付けしたものを加算することにより、前記被検出体の位置に対応する正常な二値化信号の組み合わせに対して1つの二値化信号の誤りを有する二値化信号の組み合わせであるとともに、前記被検出体の位置に対応する正常な二値化信号の組み合わせに対して2つの二値化信号の誤りを有する二値化信号の組み合わせでもある二値化信号の組み合わせに関連付けられた第2の重み付け値とを記憶する記憶手段を備え、前記演算手段は、複数の前記磁気検出手段から出力された二値化信号を対応する磁気検出手段に応じて重み付けしたものを加算して重み付け値を算出し、該算出した重み付け値が、前記第1の重み付け値である場合に、前記出力された二値化信号の組み合わせが前記被検出体の位置に対応する二値化信号の組み合わせに対して1つの誤りを有する二値化信号の組み合わせであると判断することをその要旨とする。
本発明によれば、複数の磁気検出手段から出力される二値化信号の組み合わせに基づいて被検出体が複数の所定位置のうち何れにあるかが検出されるため、二方向に移動する操作部材の位置を1つの被検出体で検知することができる。また、複数の磁気検出手段は、被検出体の着磁方向に対して交差する平面に沿って設けられるため、入力装置における操作位置検出装置の集中化が図られる。即ち、従来のように、各方向に対応する被検出体を別々に設ける必要がない。よって、当該入力装置の小型化が可能となる。また、複数の磁気検出手段は、それらから出力される二値化信号の組み合わせがハミング符号に準拠したものとなるように設けられていることから、このことを利用して被検出体の各所定位置に対する二値化信号の組み合わせの1つの誤りが訂正される。その際、演算手段は、複数の磁気検出手段から出力された二値化信号の組み合わせが、被検出体の各所定位置に対応する正常な二値化信号の組み合わせに対して1つの二値化信号の誤りを有する二値化信号の組み合わせであるか否かを判断する。そして、演算手段は、該出力された二値化信号の組み合わせが被検出体の位置に対応する正常な二値化信号の組み合わせに対して1つの誤りを有する二値化信号の組み合わせである場合に、出力された二値化信号の組み合わせに基づいて生成した誤り信号位置情報に基づいて、被検出体の位置に対する二値化信号の組み合わせの誤りを訂正する。従って、被検出体の各所定位置に対する二値化信号の組み合わせの1つの誤り信号に一対一で対応する誤り信号位置情報に基づいて、被検出体の位置に対する二値化信号の組み合わせの誤りが訂正される。このため、例えば磁気検出手段の故障やノイズ等によって1つの磁気検出手段から出力された二値化信号が変化(反転)してしまった場合であれば、被検出体の位置を正確に検出することができる。即ち、1つの磁気検出手段から出力される二値化信号の誤りに対する冗長性を確保することができる。よって、操作部材の位置が誤判断されてしまうことを防止することができる。従って、この操作位置検出装置を用いることにより、1つのセンサエレメントの故障に対する冗長性及び入力操作位置の検出信頼性を確保しつつ、小型化が可能となる。
ところで、複数の磁気検出手段は、ハミング符号に準拠したものとなるように設けられているため、被検出体の各所定位置に対応する正常な二値化信号の組み合わせに対して2つの誤りがある場合の二値化信号の組み合わせと、被検出体の各所定位置に対応する正常な二値化信号の組み合わせに対して1つの誤りがある場合の二値化信号の組み合わせとが一致する場合がある。この点、本発明では、演算手段は、複数の磁気検出手段から出力された二値化信号の組み合わせが、被検出体の位置に対応する正常な二値化信号の組み合わせに対して1つの二値化信号の誤りを有する二値化信号の組み合わせである場合に、出力された二値化信号の組み合わせが前記被検出体の位置に対応する二値化信号の組み合わせに対して1つの誤りを有する二値化信号の組み合わせであると判断する。このため、出力された二値化信号の組み合わせが、被検出体の位置に対応する正常な二値化信号の組み合わせに対して2つの二値化信号の誤りを有する二値化信号の組み合わせでもある二値化信号の組み合わせでもある場合、二値化信号の組み合わせを訂正しない。従って、被検出体の各所定位置に対する二値化信号の組み合わせの1つの誤り信号に一対一で対応する誤り信号位置情報に基づいて、被検出体の位置に対する二値化信号の組み合わせの誤りが訂正される。
請求項に記載の発明は、操作部材の操作に伴い複数の所定位置間を移動可能に設けられるとともにその移動方向に交差する方向に着磁された被検出体と、前記着磁方向に対して交差する平面に沿って複数設けられるとともに前記被検出体の位置に応じてそれぞれに付与される磁束の方向に応じた二値化信号を出力する磁気検出手段と、複数の前記磁気検出手段から出力された二値化信号の組み合わせに基づいて前記被検出体の位置を求める演算手段とを備え、前記複数の磁気検出手段は、前記二値化信号の組み合わせが、前記被検出体の位置情報である位置符号と、前記被検出体の各所定位置に固有の前記二値化信号の組み合わせの1つの二値化信号の誤りを訂正するための誤り訂正符号とを含むハミング符号に準拠したものとなるように設けられ、前記演算手段は、複数の前記磁気検出手段から出力された二値化信号の組み合わせが、前記被検出体の各所定位置に対応する正常な二値化信号の組み合わせに対して1つの二値化信号の誤りを有する二値化信号の組み合わせであるか否かを判断し、該出力された二値化信号の組み合わせが前記被検出体の位置に対応する正常な二値化信号の組み合わせに対して1つの誤りを有する二値化信号の組み合わせである場合に、前記出力された二値化信号の組み合わせに基づいて生成した前記被検出体の各所定位置に対応する前記二値化信号の組み合わせの1つの誤り信号に一対一で対応する誤り信号位置情報に基づいて、前記二値化信号の組み合わせの誤り信号位置を特定し、この特定された信号位置の二値化信号を訂正し、さらに、前記被検出体の位置に対応する正常な二値化信号の組み合わせに対して1つの二値化信号の誤りを有する二値化信号の組み合わせと、前記被検出体の位置に対応する正常な二値化信号の組み合わせに対して1つの二値化信号の誤りを有する二値化信号の組み合わせであるとともに、前記被検出体の位置に対応する正常な二値化信号の組み合わせに対して2つの二値化信号の誤りを有する二値化信号の組み合わせでもある二値化信号の組み合わせとを記憶する記憶手段を備え、前記演算手段は、前記出力された二値化信号の組み合わせが、前記被検出体の位置に対応する正常な二値化信号の組み合わせに対して1つの二値化信号の誤りを有する二値化信号の組み合わせである場合に、該出力された二値化信号の組み合わせが、前記被検出体の各所定位置に対応する正常な二値化信号の組み合わせに対して1つの二値化信号の誤りを有する二値化信号の組み合わせであると判断することをその要旨とする。
本発明によれば、請求項と同様の作用が得られることにより、被検出体の各所定位置に対する二値化信号の組み合わせの1つの誤り信号に一対一で対応する誤り信号位置情報に基づいて、被検出体の位置に対する二値化信号の組み合わせの誤りが訂正される。
請求項3に記載の発明は、操作部材の操作に伴い複数の所定位置間を移動可能に設けられるとともにその移動方向に交差する方向に着磁された被検出体と、前記着磁方向に対して交差する平面に沿って複数設けられるとともに前記被検出体の位置に応じてそれぞれに付与される磁束の方向に応じた二値化信号を出力する磁気検出手段と、複数の前記磁気検出手段から出力された二値化信号の組み合わせに基づいて前記被検出体の位置を求める演算手段とを備え、前記複数の磁気検出手段は、前記二値化信号の組み合わせが、前記被検出体の位置情報である位置符号と、前記被検出体の各所定位置に固有の前記二値化信号の組み合わせの1つの二値化信号の誤りを訂正するための誤り訂正符号とを含むハミング符号に準拠したものとなるように設けられ、前記演算手段は、複数の前記磁気検出手段から出力された二値化信号の組み合わせが、前記被検出体の各所定位置に対応する正常な二値化信号の組み合わせに対して1つの二値化信号の誤りを有する二値化信号の組み合わせであるか否かを判断し、該出力された二値化信号の組み合わせが前記被検出体の位置に対応する正常な二値化信号の組み合わせに対して1つの誤りを有する二値化信号の組み合わせである場合に、前記出力された二値化信号の組み合わせに基づいて生成した前記被検出体の各所定位置に対応する前記二値化信号の組み合わせの1つの誤り信号に一対一で対応する誤り信号位置情報に基づいて、前記二値化信号の組み合わせの誤り信号位置を特定し、この特定された信号位置の二値化信号を訂正し、複数の前記磁気検出手段は、前記被検出体の着磁方向から見て、重なるように配置された2つの磁気検出手段を含むことをその要旨とする。
本発明によれば、複数の磁気検出手段から出力される二値化信号の組み合わせに基づいて被検出体が複数の所定位置のうち何れにあるかが検出されるため、二方向に移動する操作部材の位置を1つの被検出体で検知することができる。また、複数の磁気検出手段は、被検出体の着磁方向に対して交差する平面に沿って設けられるため、入力装置における操作位置検出装置の集中化が図られる。即ち、従来のように、各方向に対応する被検出体を別々に設ける必要がない。よって、当該入力装置の小型化が可能となる。また、複数の磁気検出手段は、それらから出力される二値化信号の組み合わせがハミング符号に準拠したものとなるように設けられていることから、このことを利用して被検出体の各所定位置に対する二値化信号の組み合わせの1つの誤りが訂正される。その際、演算手段は、複数の磁気検出手段から出力された二値化信号の組み合わせが、被検出体の各所定位置に対応する正常な二値化信号の組み合わせに対して1つの二値化信号の誤りを有する二値化信号の組み合わせであるか否かを判断する。そして、演算手段は、該出力された二値化信号の組み合わせが被検出体の位置に対応する正常な二値化信号の組み合わせに対して1つの誤りを有する二値化信号の組み合わせである場合に、出力された二値化信号の組み合わせに基づいて生成した誤り信号位置情報に基づいて、被検出体の位置に対する二値化信号の組み合わせの誤りを訂正する。従って、被検出体の各所定位置に対する二値化信号の組み合わせの1つの誤り信号に一対一で対応する誤り信号位置情報に基づいて、被検出体の位置に対する二値化信号の組み合わせの誤りが訂正される。このため、例えば磁気検出手段の故障やノイズ等によって1つの磁気検出手段から出力された二値化信号が変化(反転)してしまった場合であれば、被検出体の位置を正確に検出することができる。即ち、1つの磁気検出手段から出力される二値化信号の誤りに対する冗長性を確保することができる。よって、操作部材の位置が誤判断されてしまうことを防止することができる。従って、この操作位置検出装置を用いることにより、1つのセンサエレメントの故障に対する冗長性及び入力操作位置の検出信頼性を確保しつつ、小型化が可能となる。
また、被検出体の移動方向に沿った方向における操作位置検出装置の小型化を図ることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載の操作位置検出装置において、前記被検出体は、第1の方向と、該第1の方向に直交する第2の方向とに移動可能に設けられ、前記磁気検出手段は、前記第1の方向及び前記第2の方向に沿って、それぞれ複数設けられることをその要旨とする。
本発明によれば、第1の方向に沿った複数箇所に前記所定位置を設定することができるとともに、該第1の方向に直交する第2の方向に沿った複数箇所に前記所定位置を設定することができる。このため、該所定位置を操作部材の操作パターンに応じて選択することにより、複数種類の操作パターンに対応することができる。よって、汎用性が向上する。
請求項に記載の発明は、シフトゲートに沿って設定された複数の操作位置に操作される操作部材と、該操作部材の操作位置を検出する操作位置検出装置とを備え、該操作位置検出装置の検出結果に基づいて車両の変速機の接続状態を切り替えるシフト装置であって、請求項1〜の何れか1項に記載の前記操作位置検出装置を備えることをその要旨とする。
本発明によれば、請求項1〜3と同様の作用が得られることにより、当該シフト装置の小型化を図ることができる。また、複数の磁気検出手段は、それらから出力される二値化信号の組み合わせがハミング符号に準拠したものとなるように設けられていることから、このことを利用して被検出体の各所定位置に対する二値化信号の組み合わせの1つの誤りを検知することができる。このため、被検出体の位置を正確に検出することが可能な状態で、1つの磁気検出手段が故障したことを検知し、その旨を報知することができる。よって、安全性が向上する。
本発明によれば、1つのセンサエレメントの故障に対する冗長性及び入力操作位置の検出信頼性を確保しつつ小型化が可能な操作位置検出装置及びそれを用いたシフト装置を提供することができる。
以下、本発明を、電気制御によって車両の自動変速機の接続状態を切り換えるバイワイヤ方式のシフト装置に具体化した一実施の形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、シフト装置1は、ステアリングホイールWが設置されるステアリングコラム2に設置されている。このシフト装置1は、ステアリングコラム2の左側面の開口部2aから突出する操作部材としてのシフトレバー3と、ステアリングコラム2の内部において開口部2aに対応するように配設されるシフト装置本体4とを備えている。シフトレバー3の基端部はシフト装置本体4に支持され、その先端部には運転者が把持する操作ノブ3aが形成されている。操作ノブ3aには、パーキングスイッチ3bが設けられている。
シフトレバー3は、前記開口部2aを覆うようにして前記ステアリングコラム2に固定されたシフトパネル5を備えている。シフトレバー3は、シフトパネル5に穿設されたシフトゲート6に沿って、同シフトゲート6内の複数箇所に設定された各シフト位置の間を移動可能に設けられている。具体的には、図2に示すように、シフトゲート6は、T型のものであり、前記ステアリングコラム2の周方向に沿って上下方向(以下、シフト方向という。)に延びる第1ゲート6aと、該第1ゲート6aの略中央部分から車両前側へ同第1ゲート6aと直交する方向(以下、セレクト方向という。)に延びる第2ゲート6bとからなる。第2ゲート6bの長さは、第1ゲート6aの略半分程度の長さとなっている。なお、シフト方向が第1の方向に相当し、セレクト方向が第2の方向に相当する。
本実施形態では、第2ゲート6bの車両前側の端部に相当する位置が中立位置「T」、第2ゲート6bと第1ゲート6aとが交差する位置がニュートラル位置「N」、第1ゲート6aの上側の端部に相当する位置がリバース位置「R」、第1ゲート6aの下端部に相当する位置がドライブ位置「D」に設定されている。シフトレバー3は、シフト装置本体4によって中立位置Tに弾性保持されており、該中立位置Tから各シフト位置N,R,Dへ操作された後その操作力が解除されると、再び中立位置Tに復帰する。運転者は、該操作ノブ3aを把持してシフトレバー3を運転者側へ引き寄せ、中立位置Tからニュートラル位置Nに操作してから、同シフトレバー3を上側のリバース位置R若しくは下側のドライブ位置Dに操作する。
図3に示すように、シフト装置本体4は、ステアリングコラム2の内部に固定されるケース7を備えている。このケース7は、車両前側に開口する略箱体状に形成され当該ケース7の車両後側(ステアリングホイールW側)の部位を構成するロアケース7aと、該ロアケース7aの車両前側に該ロアケース7aの開口部を覆うようにして固着される車両後側に開口する略箱体状に形成されたアッパケース7bとから構成されている。ロアケース7a及びアッパケース7bは、マグネシウムダイキャストにより形成されている。図4に示すように、運転席側から見てケース7内の右下側(図4において左下側)の部位には、コネクタ部8が設けられている。このコネクタ部8は、ケース7の外部に開口する有底角筒状をなすとともに、アッパケース7bの下側の部位に設けられた開口部7cを介して車両前側に突出している。コネクタ部8には、その底面から導出される態様にてコネクタ端子8aが設けられている。
次に、ケース7内に設けられたシフトレバー3の支持構造について説明する。
図5に示すように、シフトレバー3の基端部には、当該シフトレバー3の軸方向に沿って伸びる略直方体状のブロック11が当該シフトレバー3と一体的に設けられている。ブロック11は、左右方向に開口した略四角筒状のブラケット12を介してケース7に支持されている。
具体的には、このブロック11は、ブラケット12に左右方向に挿入配置されている。ブロック11には、断面円形状の挿通孔11aがシフト方向に貫通形成されている。挿通孔11aは、ブロック11の中央よりも左側(図5において右側)の部位に設けられている。ブラケット12の上側と下側の壁部12a,12bには、断面円形状の貫通孔12cが設けられている。各貫通孔12cは、ブラケット12にブロック11が収容された状態において前記挿通孔11aに対応する部位にそれぞれ設けられている。そして、ブロック11がブラケット12内に挿通孔11aと貫通孔12cとが一致するように配置された状態で、これらに第1回転軸13が図中下側から挿通されている。第1回転軸13は、ブロック11の挿通孔11aに固定され、ブラケット12の貫通孔12cに回動自在に支持されている。このため、ブロック11(シフトレバー3)は、ブラケット12に対して第1回転軸13の中心軸である第1軸線L1を中心にセレクト方向に回動自在とされている(図6参照)。
ここで、図6に示すように、ブロック11の後側面において第1回転軸13よりも右側(図6において左側)の部位には、車両後側に突出するストッパー部11bが設けられている。このため、該ストッパー部11bがブラケット12の後側の壁部12dの内側面に当接することにより、ブロック11の、第1回転軸13を中心とした車両後側(図6において反時計回り方向)への回動が規制される。また、ブラケット12の前側(図6において上側)の壁部の右側の部位には、切り欠き部12eが形成されている。このため、ブロック11の、前記第1軸線L1を中心とした車両前側(図6において時計回り方向)への回動が許容される。
同図6に示すように、ブラケット12の後外側面の左側(図6において右側)の部位には、車両後側に延びる略円柱状の第2回転軸部12fが立設されている。第2回転軸部12fは、その中心軸が前記第1回転軸13の中心軸である第1軸線L1と直角に交わるように形成されている。また、同ブラケット12の後外側面において第2回転軸部12fよりも右側(図6において左側)の部位には、前記第2軸線L2を中心とする円弧状の弧状凸部12gが形成されている。一方、ケース7(ロアケース7a)の後側の底部7dには、第2回転軸部12fに対応する断面円形状の軸受凹部7eが形成されている。また、ケース7(アッパケース7b)の前側の底部において、弧状凸部12gに対応する部位には、該弧状凸部12gよりも広い範囲の弧状凹部7fが形成されている。そして、アッパケース7b及びロアケース7aが互いに固定された状態で、第2回転軸部12f及び弧状凸部12gがそれぞれ軸受凹部7e及び弧状凹部7fに支持されることで、ブラケット12は第2回転軸部12fの中心軸である第2軸線L2を中心にシフト方向に回動自在に支持されている(図5参照)。
従って、シフトレバー3は、ケース7に対してシフトゲート6に沿って第1軸線L1を中心にセレクト方向に回動すると共に、該第1軸線L1と直交する第2軸線L2を中心にシフト方向(ステアリングコラムの周方向)に回動する。また、上述したように第1回転軸13を中心としたケース7に対するブロック11の車両後側への回動が規制されるため、シフトレバー3の第1軸線L1を中心としたセレクト方向における車両前側への回動が規制されている。
また、図5に示すように、ブロック11の右側(図5において左側)の端部には、シフトレバー3とは反対側に開口するディテントピン保持部14が凹設されている。ディテントピン保持部14は、断面円形状に形成されており、その内周面には、その軸方向に沿って延びる直線状の線状溝部14aが凹設されている。ディテントピン保持部14には、スプリング15とディテントピン16とが、当該ディテントピン保持部14の底側から順に配置されている。
スプリング15の一端部は、ディテントピン保持部14の底部に設けられたスプリング保持部14bに保持され、その他端部は、ディテントピン16の端面に設けられた保持凹部16aに保持されている。ディテントピン16は、スプリング15の弾性力により、ディテントピン保持部14から突出する方向へ常時付勢されている。
ディテントピン16においてスプリング保持部14bが設けられた部位は、ディテントピン保持部14の内径と略等しい外径を有する断面円形状に形成されている。ディテントピン16は、前記ブロック11のストッパー部11bがブラケット12の後側の壁部12dの内側面に当接した状態で、当該ディテントピン16の中心軸線が前記第1軸線L1及び第2軸線L2の交点でそれらに対して直交するように、ディテントピン保持部14に保持されている。ディテントピン16においてスプリング保持部14bが設けられた部位の外周面には、当該ディテントピン16の軸方向に沿って延びる直線状の線状凸部16bが設けられている。ディテントピン16は、該線状凸部16bが前記線状溝部14aに配置された状態でディテントピン保持部14に保持される。これにより、ディテントピン16は、ブロック11に対する回転を規制される。ディテントピン16は、同ブロック11に対してその軸方向で摺動可能に保持されている。
同図5に示すように、ディテントピン16の先端側(図5において左側)の部分には、前記スプリング保持部14bが設けられた部位よりも小さな外径を有する断面円形状の嵌合部16cが設けられている。嵌合部16cの先端面16dは、先端側に突出する半球状に形成されており、該先端面16dの頂部に対応する部位には、当該ディテントピン16の軸方向に沿って延びる四角柱状の連結部16eが設けられている。
嵌合部16cは、前記ケース7の底部7dに固定されたディテント17のガイド凹部17a内に挿入されており、該ガイド凹部17aの底面17bに対して摺動可能に当接している。連結部16eは、該ガイド凹部17aの底面17bに設けられたガイド孔17cに挿通されており、その先端側の部位は該ガイド孔17cを介してディテント17のブラケット12とは反対側に突出している。
図7に示すように、ガイド凹部17aは、ディテントピン16側から見て略T型に形成されており、シフトレバー3の前記第2軸線L2を中心とした回動方向に沿ってシフト方向に延びるシフト方向案内部18aと、該シフト方向案内部18aの略中央部分からシフトレバー3の前記第1回転軸13を中心とした回動方向に沿って後側へ延びるセレクト方向案内部18bとを備えている。ガイド孔17cは、該ガイド凹部17aと同様略T型に形成されている。
ガイド凹部17aの底面17bは、図8に示すようにシフト方向案内部18aの中央に向かうほど、また、図9に示すようにセレクト方向案内部18bの先端側(後側)に向かうほど前記ブロック11から離間するように傾斜している。
ここで、例えば、図10に示すように、シフトレバー3が前記中立位置Tからセレクト方向にあるニュートラル位置Nに操作され、ブロック11のシフトレバー3とは反対側の端部が前記第1回転軸13を中心として前側に回転すると、ディテントピン16の嵌合部16cがセレクト方向案内部18bに沿って前記ブロック11の内端部の変位方向へ変位する。このとき、嵌合部16cがセレクト方向案内部18bに沿ってブロック11の内端部の変位方向へ変位するにつれて、該ガイド凹部17aの底面17bにおいて嵌合部16cの先端面16dが当接する部位と、ブロック11との間の距離がしだいに小さくなる。このため、ディテントピン16は、スプリング15の付勢力に抗してブロック11のディテントピン保持部14に進入する側へ変位する。この状態において操作力が解除されると、ディテントピン16の嵌合部16cは、スプリング15の弾性力により、ガイド凹部17aの底面17bにおいて嵌合部16cの先端面16dが当接する部位と、ブロック11との間の距離が大きくなるよう、セレクト方向案内部18bに沿って、セレクト方向案内部18bの先端部へ移動する。これにより、シフトレバー3が中立位置Tに復帰する。
一方、図11に示すように、シフトレバー3がニュートラル位置Nからシフト方向にあるリバース位置R若しくはドライブ位置Dにさらに操作され、ブロック11が前記第2軸線L2を中心として下側若しくは上側に回転すると、ディテントピン16の嵌合部16cがシフト方向案内部18aに沿って前記ブロック11の内端部の変位方向へ変位する。このとき、嵌合部16cがシフト方向案内部18aに沿って、ブロック11の内端部の変位方向へ変位するにつれて、該ガイド凹部17aの底面17bにおいて嵌合部16cの先端面16dが当接する部位と、ブロック11との間の距離がしだいに小さくなる。このため、ディテントピン16は、スプリング15の付勢力に抗してブロック11のディテントピン保持部14に進入する側へ変位する。この状態において操作力が解除されると、ディテントピン16の嵌合部16cは、スプリング15の弾性力により、ガイド凹部17aの底面17bにおいて嵌合部16cの先端面16dが当接する部位と、ブロック11との間の距離が大きくなるよう、シフト方向案内部18aに沿って、シフト方向案内部18aとセレクト方向案内部18bとが交わる位置へ移動し、さらにセレクト方向案内部18bの先端部へ移動する。これにより、シフトレバー3が中立位置Tに復帰する。つまり、スプリング15で弾性支持されたディテントピン16と、ディテント17のガイド凹部17aとによって、シフトレバー3を中立位置Tに保持するとともにシフトレバー3への操作力が解除された際に、同シフトレバー3を中立位置Tに復帰させる復帰機構が構成されている。
また、シフトレバー3が中立位置Tからリバース位置R及びドライブ位置Dへ操作される際、シフトレバー3は、シフトゲート6のニュートラル位置Nを通過し、ディテントピン16はシフト方向案内部18aとセレクト方向案内部18bとの間の角部を乗り越える。このため、運転者は、シフトレバー3の操作時に節度感を得ることができる。つまり、スプリング15で弾性支持されたディテントピン16と、ディテント17のガイド凹部17aとによって、シフトレバー3の各シフト位置に操作する際の操作感を与える節度機構とが構成されている。
次に、上記のように構成したシフトレバー3の操作位置としてのシフト位置を検出する操作位置検出装置20について説明する。
図5及び図6に示すように、前記ディテントピン16の先端部には、マグネットホルダ21が連結されている。マグネットホルダ21は、略四角形板状に形成されており、ケース7の底部7dにおいて前記ディテント17よりも右側に固定されたスライダー22により、ディテントピン16の軸方向に交差する平面方向に沿って移動可能に支持されている。
マグネットホルダ21には、ホルダ貫通孔21aが形成されている。マグネットホルダ21のディテントピン16側の面においてホルダ貫通孔21aの周囲には、略円筒状のディテントピン連結部21bが設けられている。ディテントピン連結部21bの先端側の部位には、その開口部を覆うようにして係合部材21cが固定されている。係合部材21cには、前記ホルダ貫通孔21aに対応する部位に係合孔21dが設けられている。係合孔21dは、ディテントピン16の連結部16eに対応する断面四角形状に形成されており、該連結部16eは、係合部材21cに対する回転が規制された状態で係合孔21dに沿って軸方向に変位可能に挿通される。ディテントピン16の連結部16eは係合孔21dに挿通されている。このため、ディテントピン16は、その移動平面Qに沿った方向においてマグネットホルダ21と係合する。従って、シフトレバー3が操作され、ディテントピン16の連結部16eが変位すると、前記移動平面Qに沿った方向においてマグネットホルダ21がその変位方向へ変位する。
マグネットホルダ21のディテントピン16とは反対側の面には、略円筒状のマグネット保持部21eが設けられている。マグネット保持部21eの内側には、操作位置検出装置20を構成する被検出体としてのマグネット23が固定されている。マグネット23は、略円柱状に形成されており、前記移動平面Qに直交する方向に着磁されている。
ケース7の底部7dにおいてスライダー22のシフトレバー3とは反対側の部位には、操作位置検出装置20を構成する2つの第1及び第2磁気センサモジュール24,25が設けられている。第1及び第2磁気センサモジュール24,25は、それぞれ略平板状に形成され、マグネット23の移動平面Qと平行に設けられている。なお、マグネット23は、第1及び第2磁気センサモジュール24,25側がS極、それとは反対側がN極となっている。
図12(b)に示すように、第1及び第2磁気センサモジュール24,25は、基板30の一側の面と他側の面に実装されており、スライダー22を介してロアケース7aに固定されている。
第1磁気センサモジュール24は、磁気検出手段としての3つの磁気抵抗素子31〜33を、その周辺回路とともにパッケージ化したものであり、全体として略四角形板状に形成されている。第2磁気センサモジュール25は、磁気検出手段としての4つの磁気抵抗素子34〜37を、その周辺回路とともにパッケージ化したものであり、第1磁気センサモジュール24と同様、全体として略四角形板状に形成されている。第1及び第2磁気センサモジュール24,25は、図12(a)における左右方向がセレクト方向になるように、また、同図12(a)における上下方向がシフト方向となるように設けられている。本実施の形態では、7つの磁気抵抗素子31〜37は、マグネット23の位置に対応して出力される二値化信号S1〜S7の組み合わせが、ハミング符号に準拠したものとなるように配置されている。
第1及び第2磁気センサモジュール24,25は、ケース7内において、当該第1及び第2磁気センサモジュール24,25の中心位置とシフトレバー3がニュートラル位置Nに配置された場合のマグネット23の中心Mとが一致するように配置されている。第1磁気センサモジュール24の第1磁気抵抗素子31は同図12(a)における右下側の角部に、第2磁気抵抗素子32は同図12(a)における左下側の角部に、第3磁気抵抗素子33は同図12(a)における右上側の角部にそれぞれ設けられている。また、第2磁気センサモジュール25の第4磁気抵抗素子34は同図12(a)における右下側の角部に、第5磁気抵抗素子35は同図12(a)における左上側の角部に、第6磁気抵抗素子36は同図12(a)における左下側の角部に、第7磁気抵抗素子37は同図12(a)における右上側の角部にそれぞれ設けられている。第2磁気センサモジュール25の磁気抵抗素子34〜37は、マグネット23が移動する際のその移動中心(中心Mの移動軌跡)を挟んで対をなすように配置されている。第1,第2,第3磁気抵抗素子31,32,33は、移動平面Qに直交する方向からみて、それぞれ第4,第6,第7磁気抵抗素子34,36,37と重なるように配置されている(図12(b)参照)。
本実施の形態では、上述したように、マグネット23は、移動平面Qに直交する方向に着磁されているため、磁気抵抗素子31〜33,34〜37の検知面に沿った平面Q1には、該マグネット23の中心軸を中心とする放射状の磁束が形成される。従って、図12(a)に示すように、マグネット23の中心軸(中心M)に対して左下側の領域にある第2及び第6磁気抵抗素子32,36と右上側の領域にある第3及び第7磁気抵抗素子33,37には、矢印A1方向に沿った方向の磁界が付与される。また、マグネット23の中心軸に対して左上側の領域にある第5磁気抵抗素子35と右下側の領域にある第1及び第4磁気抵抗素子31,34には、矢印A2方向に沿った方向の磁界が付与される。即ち、磁気抵抗素子31〜33,34〜37の検知面を含む平面Q1においてマグネット23の移動中心を挟んで対をなす2つの領域において、マグネット23によって付与される磁束の方向が、その中心Mよりもその移動方向一側の領域と他側の領域とでそれぞれ異なる。
各磁気抵抗素子31〜33,34〜37は、例えば4つの磁気抵抗がブリッジ状に接続されてなるいわゆるMRセンサが採用可能である。磁気抵抗の抵抗値は、与えられる磁界(正確には、磁束の向き)に応じて変化する。第1〜第7磁気抵抗素子31〜37は、上述したブリッジ状の回路の中点電位(検出信号)を図示しないコンパレータに入力することにより、それらの検知面に付与される磁束の方向に応じた「0」又は「1」の値を有する二値化信号を生成し、該二値化信号を出力する。本実施の形態では、第1磁気センサモジュール24の第1〜第3磁気抵抗素子31〜33は、自身に付与される磁束の方向がシフト方向に対して−45度(+135度)の角度をなす時に最大値(ピーク)を、シフト方向に対して+45度(+225度)の角度をなす時に最小値(ボトム)をとる、周期が180度のアナログ信号を出力する。従って、第1〜第3磁気抵抗素子31〜33の信号波形は、図12(a)において矢印A1方向に沿った磁束が付与された場合に最大値(ピーク)を、逆に同図12(a)において矢印A2方向に沿った磁束が付与された場合に最小値(ボトム)をとる。一方、第2磁気センサモジュール25の第4〜第7磁気抵抗素子34〜37は、自身に付与される磁束の方向がシフト方向に対して−45度(+135度)の角度をなす時に最小値(ボトム)を、シフト方向に対して+45度(+225度)の角度をなす時に最大値(ピーク)をとる、周期が180度のアナログ信号を出力する。従って、第4〜第7磁気抵抗素子34〜37の信号波形は、図12(a)において矢印A1方向に沿った磁束が付与された場合に最小値(ボトム)を、逆に同図12(a)において矢印A2方向に沿った磁束が付与された場合に最大値(ピーク)をとる。即ち、第2磁気センサモジュール25の第4〜第7磁気抵抗素子34〜37は、第1磁気センサモジュール24の第1〜第3磁気抵抗素子31〜33の検出信号の正負をそれぞれ反転した値の検出信号を出力する。図示しないコンパレータは、各磁気抵抗素子31〜37から出力された中点電位(検出信号)と予め設定された閾値とを比較し、二値化信号を生成する。この閾値は、マグネット23の中心がその移動方向において各磁気抵抗素子31〜37の一側にあるか他側にあるかを判別するためのものである。本実施の形態では、各磁気抵抗素子31〜37に対してシフト方向若しくはセレクト方向に沿った方向の磁束が付与された場合に各磁気抵抗素子31〜37から出力される検出信号の値が、閾値として予め設定されている。前記コンパレータは、各磁気抵抗素子31〜37から出力された検出信号と、予め設定された閾値とを比較し、検出信号が閾値よりも大きい場合は「1」、検出信号が閾値よりも小さい場合は「0」の値を有する二値化信号S1〜S7を生成し、出力する。
図13に示すように、各磁気抵抗素子31〜37は、車両側の図示しないコネクタに対する前記コネクタ部8の連結に基づきそのコネクタ端子8aが車両側の図示しないコネクタ端子に接続されることで、ケース7の外部に設けられた演算手段としてのコントローラ39に個別に電気的に接続される。また、前記パーキングスイッチ3bは、磁気抵抗素子31〜37と同様、車両側のコネクタに対する前記コネクタ部8の連結に基づき、コントローラ39に電気的に接続される。
コントローラ39は、具体的には図示しないCPU、ROM、RAM等からなるコンピュータユニットであり、第1〜第7磁気抵抗素子31〜37から出力された二値化信号S1〜S7の組み合わせに基づいて、前記移動平面Qにおけるマグネット23の位置を検出し、シフトレバー3の位置を検出する。また、コントローラ39は、パーキングスイッチ3bから出力される操作信号S9に基づいて該パーキングスイッチ3bの押圧操作を検出する。そして、コントローラ39は、その検出結果に基づいて、図示しない車両の自動変速機の接続状態を切り替える。
ここで、シフトレバー3(マグネット23)の位置に応じて磁気抵抗素子31〜37から出力される二値化信号S1〜S7の組み合わせについて説明する。
上述したように、マグネット23は、移動平面Qに直交する方向に着磁されているため、磁気抵抗素子31〜37の検知面を含む平面Q1には、該マグネット23の中心軸を中心とする放射状の磁束が形成される。第1〜第7磁気抵抗素子31〜37は、マグネット23の中心Mの位置に応じた値の二値化信号S1〜S7を出力する。
例えばシフトレバー3が中立位置Tにある場合、図14に示すように、マグネット23の中心Mは、第1及び第2磁気センサモジュール24,25の中心よりもセレクト方向において後側の位置P2に配置される。この場合、第1磁気センサモジュール24の第1磁気抵抗素子31の二値化信号S1の値は「0」、第2磁気抵抗素子32の二値化信号S2の値は「0」、第3磁気抵抗素子33の二値化信号S3の値は「1」となる。また、第2磁気センサモジュール25の第4磁気抵抗素子34の二値化信号S4の値は「1」、第5磁気抵抗素子35の二値化信号S5の値は「0」、第6磁気抵抗素子36の二値化信号S6の値は「1」、第7磁気抵抗素子37の二値化信号S7の値は「0」となる。
また、シフトレバー3がニュートラル位置Nに操作されると、マグネット23の中心Mは、第1及び第2磁気センサモジュール24,25の中心と一致する位置P5に配置される。この場合、第1磁気センサモジュール24の第1磁気抵抗素子31の二値化信号S1の値は「0」、第2磁気抵抗素子32の二値化信号S2の値は「1」、第3磁気抵抗素子33の二値化信号S3の値は「1」となる。また、第2磁気センサモジュール25の第4磁気抵抗素子34の二値化信号S4の値は「1」、第5磁気抵抗素子35の二値化信号S5の値は「1」、第6磁気抵抗素子36の二値化信号S6の値は「0」、第7磁気抵抗素子37の二値化信号S7の値は「0」となる。
また、シフトレバー3がリバース位置Rに操作されると、マグネット23の中心Mは、第1及び第2磁気センサモジュール24,25の中心よりもシフト方向において下側の位置P6に配置される。この場合、第1磁気センサモジュール24の第1磁気抵抗素子31の二値化信号S1の値は「1」、第2磁気抵抗素子32の二値化信号S2の値は「0」、第3磁気抵抗素子33の二値化信号S3の値は「1」となる。また、第2磁気センサモジュール25の第4磁気抵抗素子34の二値化信号S4の値は「0」、第5磁気抵抗素子35の二値化信号S5の値は「1」、第6磁気抵抗素子36の二値化信号S6の値は「1」、第7磁気抵抗素子37の二値化信号S7の値は「0」となる。
また、シフトレバー3がドライブ位置Dに操作されると、マグネット23の中心Mは、第1及び第2磁気センサモジュール24,25の中心よりもシフト方向において上側の位置P4に配置される。この場合、第1磁気センサモジュール24の第1磁気抵抗素子31の二値化信号S1の値は「0」、第2磁気抵抗素子32の二値化信号S2の値は「1」、第3磁気抵抗素子33の二値化信号S3の値は「0」となる。また、第2磁気センサモジュール25の第4磁気抵抗素子34の二値化信号S4の値は「1」、第5磁気抵抗素子35の二値化信号S5の値は「0」、第6磁気抵抗素子36の二値化信号S6の値は「0」、第7磁気抵抗素子37の二値化信号S7の値は「1」となる。
従って、図15に示すように、シフトレバー3の位置のそれぞれにおいて、第1〜第7磁気抵抗素子31〜37から出力される二値化信号S1〜S7の組み合わせが全て異なる。コントローラ39のメモリ39aには、シフトレバー3の位置に対応するマグネット23の位置P2,P4,P5,P6と、第1〜第7磁気抵抗素子31〜37からの二値化信号の組み合わせとが関連付けて記憶されている。なお、メモリ39aが記憶手段に相当する。コントローラ39は、第1〜第7磁気抵抗素子31〜37からの二値化信号S1〜S7の組み合わせと該二値化信号S1〜S7の組み合わせに基づいて生成した誤り信号位置情報とに基づいて、シフトレバー3の操作位置を検出する。なお、図15では、第1〜第7磁気抵抗素子31〜37をそれぞれ「MR1」〜「MR7」という文字で表記している。
また、セレクト方向及びシフト方向においてそれぞれ複数箇所におけるマグネット23の位置P1〜P7毎に各磁気抵抗素子31〜37から出力される二値化信号S1〜S7の組み合わせが全て異なる。従って、コントローラ39のメモリ39aに、マグネット23の位置P1〜P7と、第1〜第7磁気抵抗素子31〜37からの二値化信号の組み合わせとを関連付けて記憶することにより、セレクト方向及びシフト方向においてそれぞれ複数箇所におけるマグネット23の位置を検出することができる。なお、本実施の形態では、マグネット23を7つの位置に配置した場合において第1〜第7磁気抵抗素子31〜37から出力される二値化信号S1〜S7の組み合わせがそれぞれ異なるため、本実施の形態では、シフトレバー3の操作位置を最大で7箇所設定することができる。
ところで、第1〜第7磁気抵抗素子31〜37から出力される二値化信号S1〜S7が正常な場合、第1〜第7磁気抵抗素子31〜37から出力される二値化信号S1〜S7の組み合わせは、予め想定されるマグネット23の位置に対応する二値化信号の組み合わせの何れかにあてはまる。従って、第1〜第7磁気抵抗素子31〜37から出力された二値化信号S1〜S7の組み合わせが予め想定される二値化信号の組み合わせに当てはまらない場合、マグネット23の位置に対して第1〜第7磁気抵抗素子31〜37から出力される二値化信号S1〜S7が正常ではない。
このように構成される本実施形態の操作位置検出装置20において、第1〜第7磁気抵抗素子31〜37は、それらから出力される二値化信号の組み合わせがハミング符号に準拠したものとなるように設けられている。ハミング符号とは、データ通信の際に通信路で生ずる符号誤りを訂正し通信の信頼性を高めるための手法として用いられるものであり、送信側と受信側との間でデータに1ビットの符号誤りが発生した場合にそれを検知し、訂正することが可能なもの(誤り訂正能力1)である。本実施の形態では、このハミング符号を用いることにより、マグネット23の位置に対応する「正常な二値化信号の組み合わせ」に対する第1〜第7磁気抵抗素子31〜37から出力された二値化信号S1〜S7の組み合わせの1つの誤りを訂正することが可能となっている。コントローラ39は、訂正した二値化信号の組み合わせに基づいてマグネット23の位置を判断し、図示しない車両の自動変速機の接続状態を、マグネット23の位置に応じた接続状態に切り替える。また、マグネット23の位置に対応する「正常な二値化信号の組み合わせ」に対する第1〜第7磁気抵抗素子31〜37から出力された二値化信号S1〜S7の組み合わせの1つ若しくは2つの誤りを検知することが可能となっている。第1〜第7磁気抵抗素子31〜37から出力された二値化信号S1〜S7の組み合わせの1つ若しくは2つの誤りを検知した場合、コントローラ39は、図示しない報知装置(例えばインジケータランプ)を通じて、その旨を報知する。また、コントローラ39は、第1〜第7磁気抵抗素子31〜37から出力された二値化信号S1〜S7の組み合わせの誤りを訂正不能と判断した場合、前記自動変速機の接続状態をニュートラルに切り替える。
ここで、このハミング符号についてその概要を説明する。
ハミング符号は、送信したい情報ビット(データビット)に冗長ビット(チェックビット)を付加したものであり、ある整数mに対し、
符号長:n=2−1
情報数:k=n−m
で構成される。ここで、情報数kは、情報ビットのビット数であり、符号長nは、1つの符号を構成するビット数である。
送信したい情報ビットをハミング符号に符号化したり、受信した符号を復号化したりする際には、検査行列H及び生成行列Gを用いて処理が行われる。検査行列Hは、m行n列の行列で、全ての列要素が0ではなく、且つ、相違であるという条件を満たすものである。一方、生成行列Gは、検査行列Hとの間で以下の式(1)を満たし、且つ0ではない行列である。
Figure 0005021563
なお、Gは、生成行列Gの転置行列であり、Hは、検査行列Hの転置行列である。検査行列H及び生成行列Gの一例を、図16に示す。
情報をハミング符号に符号化する際には、生成行列Gと送信したいデータのビット列xとの乗算を行う。なお、各行列計算において用いられる加算は全て排他的論理和となる。一方、受信した符号を復号化する際には、検査行列Hと受信した符号との積を求め復号化する。なお、この場合も、各行列計算において用いられる加算は全て排他的論理和となる。ここで、受信側で受信した符号をYとすると、Yに誤りが存在しない場合、Yは以下の式(2)のようになる。
Figure 0005021563
この受信した符号Yと、検査行列Hの転置行列との積は、式(1)より、以下の式(3)のようになる。
Figure 0005021563
即ち、受信した符号と検査行列の積が0(ゼロベクトル)であるなら誤りを含まないことになり、0でないなら誤りを含むことになる。
ここで、例えば、受信した符号Yが1ビットの誤りを含むとする。この場合、この受信した符号Yは以下の式(4)のように表される。
Figure 0005021563
なお、eは誤りベクトルであり、i番目のビットが1、それ以外のビットが0のビット列である。
このとき、受信した符号Yと検査行列の転置行列Hとの積は、以下の式(5)のようになる。なお、各行列計算において用いられる加算は全て排他的論理和となる。
Figure 0005021563
ここで、eはi番目のビットのみが1であるので、検査行列Hのi番目の列が出力されることになる。従って、この出力(以下、シンドロームという。)が検査行列Hの何列目と一致するかを比べることにより、送信された符号に対する受信した符号の誤りの位置が検出され、その部分のビットを反転することで誤りを訂正することができる。
本実施形態にかかる操作位置検出装置20では、このようなハミング符号を用いるにあたり、各磁気抵抗素子31〜37から出力された二値化信号S1〜S7を、図15の表のように並べる(割り当てる)ことにより、上述したハミング符号に準拠する二値化信号の組み合わせを生成している。
具体的には、本例では、7つの磁気抵抗素子31〜37から出力された二値化信号S1〜S7を、ハミング符号における4つのデータビット、及び同じくハミング符号における3つのチェックビットの値として割り当てている。なお、第1〜第3チェックビットC1〜C3と、第1〜第4データビットD1〜D4との間に、以下の式(6)〜(8)に示すような関係が成立するように割り当てている。
Figure 0005021563
本実施の形態では、第1〜第4磁気抵抗素子31〜34から出力される二値化信号S1〜S4を、それぞれ第1〜第4データビットD1〜D4に割り当てている。また、第5〜第7磁気抵抗素子35〜37から出力される二値化信号S5〜S7を、それぞれ第1〜第3チェックビットC1〜C3に割り当てている。なお、第1〜第4データビットD1〜D4が、マグネット23の位置情報である位置符号に相当し、第1〜第3チェックビットC1〜C3が、マグネット23の位置に対する二値化信号の組み合わせの1つの誤りを訂正するための誤り訂正符号に相当する。
ところで、上述したハミング符号の誤り訂正能力は1であり、該受信した符号Yに2ビットの誤りがある場合、その誤りを訂正することができない。このため、入力された二値化信号S1〜S7の組み合わせに2つの誤りがある場合、入力された二値化信号S1〜S7の組み合わせの誤りを正確に訂正することができない。
本実施の形態では、コントローラ39は、入力された二値化信号S1〜S7の組み合わせが、マグネット23の各位置P2,P4,P5,P6に対応する正常な二値化信号の組み合わせに対して1つの二値化信号の誤りを有する二値化信号の組み合わせであるか否かを判断する。そして、該入力された二値化信号S1〜S7の組み合わせがマグネット23の位置に対応する正常な二値化信号の組み合わせに対して1つの誤りを有する二値化信号の組み合わせである場合、コントローラ39は、入力された二値化信号S1〜S7の組み合わせに基づいて生成した誤り信号位置情報に基づいて、該二値化信号S1〜S7の誤りを訂正(反転)する。そして、コントローラ39は、該訂正した二値化信号S1〜S7の組み合わせに基づいてシフトレバー3の位置を検出し、該検出結果に基づいて前記自動変速機の接続状態を切り替える。また、該入力された二値化信号S1〜S7の組み合わせが、マグネット23の位置に対応する正常な二値化信号の組み合わせに対して1つの誤りを有する二値化信号の組み合わせでない場合、コントローラ39は、該誤り信号位置を判定不能と判断する。そして、コントローラ39は、前記自動変速機の接続状態をニュートラルに切り替え、車両を安全側に動作させる。また、該入力された二値化信号S1〜S7の組み合わせが、マグネット23の位置に対応する正常な二値化信号の組み合わせに対して1つの誤りを有する二値化信号の組み合わせであるのか2つの誤りを有する二値化信号の組み合わせであるのかを判断することができない場合も、コントローラ39は、該誤り信号位置を判定不能と判断する。そして、コントローラ39は、前記自動変速機の接続状態をニュートラルに切り替え、車両を安全側に動作させる。即ち、入力された二値化信号S1〜S7の組み合わせがマグネット23の位置に対応する正常な二値化信号の組み合わせに対して2つの誤りを有する二値化信号の組み合わせである場合に、該入力された二値化信号S1〜S7の組み合わせが誤って訂正されてしまうことはない。
次に、このように構成された操作位置検出装置20によるシフトレバー3(マグネット23)の位置を検出(判定)する手順を図19に示すフローチャートに従って説明する。
先ず、コントローラ39は、第1〜第7磁気抵抗素子31〜37からの二値化信号S1〜S7を受信すると、ステップ101において、各磁気抵抗素子31〜37から出力された二値化信号の組み合わせと予めメモリ39aに格納された検査行列H(検査行列の転置行列H)とをXOR(exclusive OR)演算し、シンドロームを求める(図20参照)。ステップ101においてシンドロームがゼロベクトル(0,0,0)であった場合、コントローラ39は、二値化信号S1〜S7の組み合わせに誤りはないと判断し、ステップ102に移行する。ステップ102において、コントローラ39は、各磁気抵抗素子31〜37から出力された二値化信号S1〜S7の組み合わせに基づいてマグネット23の位置を判断する。そして、コントローラ39は、その判断結果(検出結果)に基づいて、図示しない車両の自動変速機の接続状態を切り替える。
一方、ステップ101においてシンドロームがゼロベクトルでなかった場合、コントローラ39は、ステップ103に移行し、入力された二値化信号S1〜S7の組み合わせが、マグネット23の各位置に対応する正常な二値化信号の組み合わせに対して単一の(1つの)二値化信号の誤りを有する二値化信号の組み合わせであるか否かを判断する。
具体的には、図17に示すように、コントローラ39のメモリ39aには、マグネット23の各位置P2,P4,P5,P6に対応する正常な二値化信号の組み合わせに対して1つの二値化信号の誤りを有する(単一誤りの)二値化信号の組み合わせに関連付けられた値と、マグネット23の各位置P2,P4,P5,P6に対応する二値化信号の組み合わせの単一の誤り信号位置、即ち誤った信号を出力している磁気抵抗素子31〜37とが関連付けられた判定テーブル41が記憶されている。なお、この判定テーブル41の値は、各磁気抵抗素子31〜37からの二値化信号S1〜S7の値を以下の式(9)に代入して算出したものであり、以下の説明ではこの式(9)から算出される値を重み付け値という。なお、この重み付け値が、誤り信号位置情報に相当する。
Figure 0005021563
なお、図18に、全ての磁気抵抗素子31〜37が正常に動作している場合の二値化信号S1〜S7の組み合わせから算出される重み付け値と、各磁気抵抗素子から出力される二値化信号S1〜S7のうち何れか1つの値が反転した場合の重み付け値とを、シフトレバー3の位置毎に場合分けしたものを示す。なお、図18では、第1〜第7磁気抵抗素子31〜37をそれぞれ「MR1」〜「MR7」という文字で表記している。
コントローラ39は、入力された二値化信号S1〜S7の値を上述した式(9)に代入し、該入力された二値化信号S1〜S7から算出した重み付け値が、メモリ39aに記憶されている判定テーブル41の重み付け値に含まれているか否かを判断する。
そして、算出した重み付け値が、メモリ39aに記憶されている重み付け値に含まれていない場合、コントローラ39は、入力された二値化信号S1〜S7の組み合わせが、2つの誤りを有する二値化信号S1〜S7の組み合わせである、即ち、マグネット23の位置に対応する二値化信号S1〜S7の組み合わせに対して単一誤りの二値化信号S1〜S7の組み合わせではないと判断し、ステップ104に移行する。そして、ステップ104において、コントローラ39は、該二値化信号S1〜S7の組み合わせの誤りを訂正不能と判断する。また、コントローラ39は、図示しない報知装置を通じて、その旨を報知するとともに、前記自動変速機の接続状態をニュートラルに切り替えて本処理を終了する。
一方、ステップ103において算出した重み付け値が、メモリ39aに記憶されている重み付け値に含まれている場合、コントローラ39は、入力された二値化信号S1〜S7の組み合わせが、マグネット23の各位置に対応する二値化信号の組み合わせに対して2つの二値化信号の誤りを有する二値化信号の組み合わせではない、即ち1つ誤りと判断し、ステップ105に移行する。
次に、ステップ105において、コントローラ39は、入力された二値化信号S1〜S7の組み合わせが、マグネット23の各位置に対応する正常な二値化信号の組み合わせに対して2つの二値化信号の誤りを有する二値化信号の組み合わせにも対応するものであるか否かを判断する。
具体的には、例えば、シフトレバー3がニュートラル位置Nに操作されている状態において、磁気抵抗素子31〜37の故障やノイズ等により一つの磁気抵抗素子(例えば第3磁気抵抗素子33)から出力される二値化信号の値が反転した場合、第1〜第7磁気抵抗素子31〜37から出力される二値化信号S1〜S7は、本来、「0」「1」「1」「1」「1」「0」「0」であるところ、「0」「1」「0」「1」「1」「0」「0」となる。この場合、重み付け値は「26」となる。一方、シフトレバー3がドライブ位置Dに操作されている状態において、磁気抵抗素子31〜37の故障やノイズ等により2つの磁気抵抗素子(例えば第5磁気抵抗素子35及び第7磁気抵抗素子37)から出力される二値化信号の値が反転した場合、第1〜第7磁気抵抗素子31〜37から出力される二値化信号S1〜S7は、本来、「0」「1」「0」「1」「0」「0」「1」であるところ、「0」「1」「0」「1」「1」「0」「0」となる。この場合も、重み付け値は「26」となる。即ち、前記メモリ39aに記憶されている単一誤りの二値化信号の組み合わせに対応する重み付け値には、図17において括弧内に示すように、2つの誤りを有する二値化信号の組み合わせにも対応する重み付け値が含まれている。ステップ105において、入力された二値化信号S1〜S7の重み付け値が2つの誤りを有する二値化信号の組み合わせにも対応する重み付け値と一致しなかった場合、コントローラ39は、入力された二値化信号S1〜S7の組み合わせが、マグネット23の各位置に対応する正常な二値化信号の組み合わせに対して2つの二値化信号の誤りを有する二値化信号の組み合わせにも対応するものではないと判断し、ステップ106に移行する。
ステップ106において、コントローラ39は、算出した重み付け値と前記判定テーブル41とに基づいて入力された二値化信号S1〜S7の組み合わせの誤り信号位置を特定し、この特定された信号位置の二値化信号S1〜S7を訂正する。このため、マグネット23の各位置に対応する二値化信号の組み合わせに対して1つの二値化信号の誤りを有する二値化信号の組み合わせに一対一で対応する重み付け値(誤り信号位置情報)に基づいて、二値化信号S1〜S7の組み合わせの誤り信号位置が特定され、この特定された信号位置の二値化信号S1〜S7を訂正される。そして、コントローラ39は、訂正した二値化信号の組み合わせに基づいてマグネット23の位置を判断する。そして、コントローラ39は、図示しない車両の自動変速機の接続状態を、マグネット23の位置に応じた接続状態に切り替えて本処理を終了する。
一方、ステップ105において、入力された二値化信号S1〜S7の重み付け値が2つの誤りを有する二値化信号の組み合わせにも対応する重み付け値と一致した場合、コントローラ39は、入力された二値化信号S1〜S7の組み合わせが、マグネット23の各位置に対応する正常な二値化信号の組み合わせに対して2つの二値化信号の誤りを有する二値化信号の組み合わせにも対応するものであると判断し、ステップ104に移行する。ステップ104において、コントローラ39は、該二値化信号S1〜S7の組み合わせの誤りを訂正不能と判断する。また、コントローラ39は、図示しない報知装置を通じて、その旨を報知するとともに、前記自動変速機の接続状態をニュートラルに切り替えて本処理を終了する。
なお、上述したように、本実施の形態では、7箇所(P1〜P7)のマグネット23の位置を検出することが可能となる。このため、この7箇所(P1〜P7)の内からシフトレバー3の操作パターンに応じて該操作位置に対応するマグネット23の位置を選択することにより、本実施の形態のようなT型のみに限らず、h型、H型、十字型等の複数種類の操作パターンに対応することができる。
次に、このように構成されるシフト装置1の作用について説明する。
まず、シフトレバー3が中立位置Tに保持されている状態において、磁気抵抗素子31〜37が正常に動作している場合を想定する。この場合、図20に示すように、第1〜第7磁気抵抗素子31〜37から出力される二値化信号S1〜S7は、「0」「0」「1」「1」「0」「1」「0」となり、その二値化信号S1〜S7の組み合わせに基づいて生成されるシンドロームは、ゼロベクトル(0,0,0)となる。この場合、コントローラ39は、二値化信号S1〜S7の組み合わせに基づいてマグネット23の位置を判断し、図示しない車両の自動変速機の接続状態を切り替える。
次に、シフトレバー3が中立位置Tに保持されている状態において、1つの磁気抵抗素子(例えば第3磁気抵抗素子33)が故障してしまった場合を想定する。この場合、図21に示すように、第1〜第7磁気抵抗素子31〜37から出力される二値化信号S1〜S7は、「0」「0」「0」「1」「0」「1」「0」となり、その二値化信号S1〜S7の組み合わせに基づいて生成されるシンドロームは(1,0,1)となりゼロベクトルではないため、上述した式(9)に基づく重み付け値(「40」)が算出される。この重み付け値(「40」)は、メモリ39aに記憶されている二値化信号の重み付け値(図17参照)に含まれるとともに、1つの二値化信号の誤りを有する二値化信号の組み合わせにのみに対応する重み付け値(図17参照)であるため、コントローラ39は、該重み付け値と判定テーブル41とに基づき二値化信号S1〜S7の組み合わせの誤り信号位置を特定し(ここでは第3磁気抵抗素子33から出力される二値化信号S3)、その位置の値(ビット)を反転する(ここでは、「0」→「1」)。これにより、第3磁気抵抗素子33の二値化信号S3が訂正される。そして、コントローラ39は、訂正された二値化信号の組み合わせに基づいてマグネット23の位置を判断し、前記自動変速機の接続状態を切り替えるとともに、図示しない報知装置を通じて、一つの磁気抵抗素子が故障している旨を報知する。このため、一つの磁気抵抗素子が故障してしまった場合、即ち単一誤りであれば、マグネット23の位置を正しく判断することができる。よって、1つの磁気抵抗素子が故障した場合でも、シフトレバー3の位置の検出を継続することができる。
ここで、一つの磁気抵抗素子(例えば第3磁気抵抗素子33)が故障している状態でシフトレバー3がニュートラル位置Nに操作された場合を想定する。この場合、図22に示すように、第1〜第7磁気抵抗素子31〜37から出力される二値化信号S1〜S7は、「0」「1」「0」「1」「1」「0」「0」となり、その二値化信号S1〜S7の組み合わせに基づいて生成されるシンドロームは(1,0,1)となりゼロベクトルではないため、上述した式(9)に基づく重み付け値(「26」)が算出される。この重み付け値(「26」)は、メモリ39aに記憶されている二値化信号の重み付け値(図17参照)に含まれるが、1つの二値化信号の誤りを有する二値化信号の組み合わせにのみに対応する重み付け値(図17参照)ではないため、コントローラ39は、誤り位置を判定不能と判断し、図示しない報知装置を通じて、その旨を報知するとともに、前記自動変速機の接続状態をニュートラルに切り替える旨の制御信号を前記自動変速機に出力し、前記自動変速機の接続状態をニュートラルに切り替える。
次に、シフトレバー3が中立位置Tに保持されている状態において、2つの磁気抵抗素子(例えば第3磁気抵抗素子33と第6磁気抵抗素子36)が故障してしまった場合を想定する。この場合、図23に示すように、第1〜第7磁気抵抗素子31〜37から出力される二値化信号S1〜S7は、「0」「0」「0」「1」「0」「0」「0」となり、その二値化信号S1〜S7の組み合わせに基づいて生成されるシンドロームは(1,1,1)となりゼロベクトルではないため、上述した式(9)に基づく重み付け値(「8」)が算出される。この重み付け値(「8」)は、メモリ39aに記憶されている、二値化信号の重み付け値(図17参照)に含まれないため、コントローラ39は、誤り位置を判定不能と判断し、図示しない報知装置を通じて、その旨を報知するとともに、前記自動変速機の接続状態をニュートラルに切り替える旨の制御信号を前記自動変速機に出力し、前記自動変速機の接続状態をニュートラルに切り替える。このため、故障によって2つの磁気抵抗素子31〜37からの二値化信号が反転してしまった場合は、シフト装置1は、安全側に動作する。
次に、上記実施の形態の作用効果を以下に記載する。
(1)複数の磁気抵抗素子31〜37の検知面に作用する磁界の方向に応じて出力される二値化信号の組み合わせに基づいて、マグネット23が複数の所定位置のうち何れにあるかが検出される。複数の磁気抵抗素子31〜37は、マグネット23の着磁方向に対して交差する平面(移動平面Q)に沿って設けられるため、シフト装置1における操作位置検出装置20の集中化が図られる。即ち、従来のように、各方向に対応する被検出体(例えばマグネット9を別々に設ける必要がない。よって、当該シフト装置1の小型化が可能となる。また、複数の磁気抵抗素子31〜37は、それらから出力される二値化信号の組み合わせが、ハミング符号に準拠したものとなるように配置されており、このことからマグネット23の位置に対する二値化信号の組み合わせの誤りが訂正される。その際、コントローラ39は、第1〜第7磁気抵抗素子31〜37から出力された二値化信号S1〜S7の組み合わせが、マグネット23の各位置に対応する正常な二値化信号の組み合わせに対して1つの二値化信号の誤りを有する二値化信号の組み合わせであるか否かを判断する。そして、コントローラ39は、該出力された二値化信号S1〜S7の組み合わせがマグネット23の位置に対応する正常な二値化信号の組み合わせに対して1つの誤りを有する二値化信号の組み合わせである場合に、出力された二値化信号S1〜S7の組み合わせに基づいて生成した誤り信号位置情報(重み付け値)に基づいて、マグネット23の位置に対する二値化信号S1〜S7の組み合わせの誤りを訂正する。従って、マグネット23の各位置に対する二値化信号の組み合わせの1つの誤り信号に一対一で対応する誤り信号位置情報に基づいて、マグネット23の位置に対する二値化信号S1〜S7の組み合わせの誤りが訂正される。このため、例えば磁気抵抗素子31〜37の故障やノイズ等によって1つの磁気抵抗素子31〜37から出力された二値化信号が変化(反転)してしまった場合であれば、該二値化信号の変化が訂正され、コントローラ39は、マグネット23の位置を正確に検出することができる。即ち、1つの磁気抵抗素子31〜37から出力される二値化信号S1〜S7の誤りに対する冗長性を確保することができる。従って、この操作位置検出装置20を用いることにより、1つのセンサエレメントの故障に対する冗長性及びシフト装置1の検出信頼性を確保しつつ、小型化を図ることが可能となる。
(2)また、1つの磁気抵抗素子31〜37が故障した場合でもマグネット23の位置を正確に検出することができるため、シフトレバー3の位置の検出を継続することができる。よって、1つの磁気抵抗素子31〜37が故障した場合であっても、車両の走行を継続させることができる。なお、例えば単純に各回転検出センサに3つのセンサエレメントを設ければ、多数決論理によって1つの二値化信号の誤りを訂正することが可能であるが、この場合、各センサ体格の肥大化は否めない。
(3)また、マグネット23の位置に対する二値化信号の組み合わせの2つの誤りを検知することができるため、このことから2つの磁気抵抗素子31〜37が故障してしまったことを検知することができる。よって、7つの磁気抵抗素子31〜37の内2つの磁気抵抗素子31〜37が故障してしまった場合、車両を直ちに安全側に動作させることができる。
(4)磁気抵抗素子31〜37は、シフト方向及びセレクト方向に沿って、それぞれ複数設けられているため、シフト方向に沿った複数箇所におけるマグネット23の位置を検出することができるとともに、セレクト方向に沿った複数箇所におけるマグネット23の位置を検出することができる。このため、マグネット23の位置に対応するシフトレバー3の操作位置をシフト方向及びセレクト方向において複数箇所に設定することが可能となり、該操作位置をシフトレバー3の操作パターンに応じて選択することにより、複数種類の操作パターンに対応することができる。よって、汎用性が向上する。
(5)マグネット23の移動平面Qに直交する方向から見て、第1磁気センサモジュール24の第1〜第3磁気抵抗素子31〜33と、第2磁気センサモジュール25の第4〜第7磁気抵抗素子34〜37とが重なるように配置されているため、前記移動平面Qに沿った方向における操作位置検出装置20の小型化を図ることができる。
尚、本実施の形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施の形態では、第2磁気センサモジュール25の第4〜第7磁気抵抗素子34〜37は、第1磁気センサモジュール24の第1〜第3磁気抵抗素子31〜33の検出信号の正負をそれぞれ反転した値の検出信号を出力するように構成したが、二値化信号の組み合わせが少なくともハミング符号に準拠するように設けることが可能であれば、第1〜第7磁気抵抗素子31〜37の磁束の方向に対する検出特性や、配置は適宜変更可能である。
・上記実施の形態では、図15の表に示すように第1〜第7磁気抵抗素子31〜37からの二値化信号S1〜S7を並べたが、二値化信号S1〜S7の順番は、適宜変更可能である。
・上記実施の形態では、略円柱状に形成したマグネット23を用いたが、マグネット23の形状はこのような態様に限定されない。例えば断面十字状や断面ひし形や正方形状に形成したマグネットを用いてもよい。
・上記実施の形態では、3つ若しくは4つの磁気抵抗素子31〜33,34〜37をそれぞれ1つのパッケージとして一体に構成したが、個別にパッケージされた7つの磁気抵抗素子31〜33,34〜37を用いてもよい。
・上記実施の形態では、磁気抵抗素子31〜33,34〜37を基板30の表側と裏側とに設けたが、同一平面上に配置してもよい。
・上記実施の形態では、各磁気抵抗素子31〜33,34〜37の間の間隔が一定となるように配置したが、このような態様に限定されず、シフトパターンに応じて適宜変更してもよい。
・上記実施の形態では、シフトレバー3がニュートラル位置Nにある場合に、マグネット23の中心Mと磁気センサモジュール24,25の中心位置とが一致するように設けたが、このような態様に限定されず、例えば、シフトレバー3が中立位置Tにある場合にマグネット23の中心Mと磁気センサモジュール24,25の中心位置とが一致するように設けてもよい。
・上記実施の形態では、マグネット23を移動平面Qに直交する方向に着磁したが、移動平面Qに交差する方向に着磁すれば、必ずしも移動平面Qに直交していなくてもよい。
・上記実施の形態では、マグネット23の磁気センサモジュール24側をS極、それとは反対側をN極としたが、逆方向に着磁してもよい。
・上記実施の形態では、磁気センサモジュール24をスライダー22に固定したが、このような態様に限定されず、例えばケース7に固定してもよい。
・上記実施の形態では、上述した式(9)に基づいて算出される重み付け値(図17参照)をメモリ39aに記憶したが、このような態様に限定されない。例えば、マグネット23の位置に対応する二値化信号の組み合わせに対して1つの二値化信号の誤りを有する単一誤りの二値化信号の組み合わせそのもの(図18参照)をメモリ39aに記憶してもよい。この場合、入力された二値化信号S1〜S7の組み合わせを、このメモリ39aに記憶されている二値化信号の組み合わせと比較し、該比較した結果に基づいて、入力された二値化信号S1〜S7の組み合わせが、マグネット23の各位置に対応する二値化信号の組み合わせに対して1つの二値化信号の誤りを有する二値化信号の組み合わせであるか否かを判断する。
・上記実施の形態では、ステップ106において、入力された二値化信号S1〜S7から算出した重み付け値に基づいて誤り信号位置を特定したが、このような態様に限定されない。例えば、メモリ39aに、シンドロームとマグネット23の各位置P1〜P7に対応する二値化信号の組み合わせの単一の誤り信号位置とが関連付けられたシンドロームテーブルを記憶し、入力された二値化信号S1〜S7から求めたシンドロームに基づいて誤り信号位置を特定してもよい。
・上記実施の形態では、シフトパターンがT型となるシフト装置1に具体化したが、例えばシフトパターンがh型、H型、十字型となるシフト装置1に具体化してもよい。
・上記実施の形態では、シフト装置1のシフトレバー3にパーキングスイッチ3bを設けたが、例えばインストルメントパネル等にパーキングスイッチを設けるようにしてもよい。
・上記実施の形態では、コラムシフト装置に具体化したが、フロアシフト装置や、センターコンソールやインストルメントパネル等に設けられるシフト装置に具体化してもよい。また、シフト装置1以外の各種車載機器に対応する入力装置や、車載機器以外の装置に対応する入力装置に具体化してもよい。
次に、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
(イ)操作位置検出装置において、前記演算手段は、前記出力された二値化信号の組み合わせに基づいて生成した前記誤り信号位置情報に基づいて、前記被検出体の各所定位置に対する前記二値化信号の組み合わせの2つの二値化信号の誤りを検知すること。本発明によれば、二値化信号の組み合わせの2つの誤りを検知することができるため、このことから2つの磁気検出手段が故障してしまったことを検知することができる。
シフト装置の配設態様を示す斜視図。 シフトゲートとシフトポジションとの関係を概略的に示す模式図。 シフト装置の概略斜視図。 シフト装置本体を車両前側から見た平面図。 シフト装置本体の一部の断面図。 図5のE−E線断面図。 図5のF−F線断面図。 図7のG−G線断面図。 シフト装置本体の一部の拡大図。 シフト装置の動作を説明するための断面図。 シフト装置の動作を説明するための断面図。 (a)は磁気センサモジュールの平面図、(b)はマグネット及び磁気センサモジュールの位置関係を説明するための側面図。 シフト装置の電気的構成を示すブロック図。 操作位置検出装置の作用を説明するための平面図。 マグネットの位置と各磁気抵抗素子から出力される電気信号の組み合わせとの関係を示す説明図。 ハミング符号を説明するための説明図。 二値化信号の組み合わせから算出される重み付け値と、二値化信号の組み合わせの誤り信号位置との関係を示す説明図。 二値化信号の組み合わせと、該二値化信号の組み合わせから算出される重み付け値との関係を示す説明図。 シフトレバーの位置を検出する手順を説明するためのフローチャート。 マグネットの位置に応じた適切な値の検出信号が出力されている場合の作用を説明するための説明図。 マグネットの位置に対応する二値化信号の組み合わせに対して1つの誤りを有する二値化信号の組み合わせが出力された場合の作用を説明するための説明図。 マグネットの位置に対応する二値化信号の組み合わせに対して1つの誤りを有する二値化信号の組み合わせが出力された場合の作用を説明するための説明図。 マグネットの位置に対応する二値化信号の組み合わせに対して2つの誤りを有する二値化信号の組み合わせが出力された場合の作用を説明するための説明図。
符号の説明
1…シフト装置、3…操作部材としてのシフトレバー、6…シフトゲート、20…操作位置検出装置、23…被検出体としてのマグネット、31〜37…磁気検出手段としての第1〜第8磁気抵抗素子、39…演算手段としてのコントローラ、39a…記憶手段としてのメモリ、P1〜P7…位置、Q…移動平面、S1〜S7…二値化信号。

Claims (5)

  1. 操作部材の操作に伴い複数の所定位置間を移動可能に設けられるとともにその移動方向に交差する方向に着磁された被検出体と、
    前記着磁方向に対して交差する平面に沿って複数設けられるとともに前記被検出体の位置に応じてそれぞれに付与される磁束の方向に応じた二値化信号を出力する磁気検出手段と、
    複数の前記磁気検出手段から出力された二値化信号の組み合わせに基づいて前記被検出体の位置を求める演算手段とを備え、
    前記複数の磁気検出手段は、前記二値化信号の組み合わせが、前記被検出体の位置情報である位置符号と、前記被検出体の各所定位置に固有の前記二値化信号の組み合わせの1つの二値化信号の誤りを訂正するための誤り訂正符号とを含むハミング符号に準拠したものとなるように設けられ、
    前記演算手段は、複数の前記磁気検出手段から出力された二値化信号の組み合わせが、前記被検出体の各所定位置に対応する正常な二値化信号の組み合わせに対して1つの二値化信号の誤りを有する二値化信号の組み合わせであるか否かを判断し、該出力された二値化信号の組み合わせが前記被検出体の位置に対応する正常な二値化信号の組み合わせに対して1つの誤りを有する二値化信号の組み合わせである場合に、前記出力された二値化信号の組み合わせに基づいて生成した前記被検出体の各所定位置に対応する前記二値化信号の組み合わせの1つの誤り信号に一対一で対応する誤り信号位置情報に基づいて、前記二値化信号の組み合わせの誤り信号位置を特定し、この特定された信号位置の二値化信号を訂正し、
    さらに、前記二値化信号を対応する磁気検出手段に応じて重み付けしたものを加算することにより、前記被検出体の位置に対応する正常な二値化信号の組み合わせに対して1つの二値化信号の誤りを有する二値化信号の組み合わせのみに関連付けられた第1の重み付け値と、同じく前記二値化信号を対応する磁気検出手段に応じて重み付けしたものを加算することにより、前記被検出体の位置に対応する正常な二値化信号の組み合わせに対して1つの二値化信号の誤りを有する二値化信号の組み合わせであるとともに、前記被検出体の位置に対応する正常な二値化信号の組み合わせに対して2つの二値化信号の誤りを有する二値化信号の組み合わせでもある二値化信号の組み合わせに関連付けられた第2の重み付け値とを記憶する記憶手段を備え、
    前記演算手段は、複数の前記磁気検出手段から出力された二値化信号を対応する磁気検出手段に応じて重み付けしたものを加算して重み付け値を算出し、該算出した重み付け値が、前記第1の重み付け値である場合に、前記出力された二値化信号の組み合わせが前記被検出体の位置に対応する二値化信号の組み合わせに対して1つの誤りを有する二値化信号の組み合わせであると判断することを特徴とする操作位置検出装置。
  2. 操作部材の操作に伴い複数の所定位置間を移動可能に設けられるとともにその移動方向に交差する方向に着磁された被検出体と、
    前記着磁方向に対して交差する平面に沿って複数設けられるとともに前記被検出体の位置に応じてそれぞれに付与される磁束の方向に応じた二値化信号を出力する磁気検出手段と、
    複数の前記磁気検出手段から出力された二値化信号の組み合わせに基づいて前記被検出体の位置を求める演算手段とを備え、
    前記複数の磁気検出手段は、前記二値化信号の組み合わせが、前記被検出体の位置情報である位置符号と、前記被検出体の各所定位置に固有の前記二値化信号の組み合わせの1つの二値化信号の誤りを訂正するための誤り訂正符号とを含むハミング符号に準拠したものとなるように設けられ、
    前記演算手段は、複数の前記磁気検出手段から出力された二値化信号の組み合わせが、前記被検出体の各所定位置に対応する正常な二値化信号の組み合わせに対して1つの二値化信号の誤りを有する二値化信号の組み合わせであるか否かを判断し、該出力された二値化信号の組み合わせが前記被検出体の位置に対応する正常な二値化信号の組み合わせに対して1つの誤りを有する二値化信号の組み合わせである場合に、前記出力された二値化信号の組み合わせに基づいて生成した前記被検出体の各所定位置に対応する前記二値化信号の組み合わせの1つの誤り信号に一対一で対応する誤り信号位置情報に基づいて、前記二値化信号の組み合わせの誤り信号位置を特定し、この特定された信号位置の二値化信号を訂正し、
    さらに、前記被検出体の位置に対応する正常な二値化信号の組み合わせに対して1つの二値化信号の誤りを有する二値化信号の組み合わせと、前記被検出体の位置に対応する正常な二値化信号の組み合わせに対して1つの二値化信号の誤りを有する二値化信号の組み合わせであるとともに、前記被検出体の位置に対応する正常な二値化信号の組み合わせに対して2つの二値化信号の誤りを有する二値化信号の組み合わせでもある二値化信号の組み合わせとを記憶する記憶手段を備え、
    前記演算手段は、前記出力された二値化信号の組み合わせが、前記被検出体の位置に対応する正常な二値化信号の組み合わせに対して1つの二値化信号の誤りを有する二値化信号の組み合わせである場合に、該出力された二値化信号の組み合わせが、前記被検出体の各所定位置に対応する正常な二値化信号の組み合わせに対して1つの二値化信号の誤りを有する二値化信号の組み合わせであると判断することを特徴とする操作位置検出装置。
  3. 操作部材の操作に伴い複数の所定位置間を移動可能に設けられるとともにその移動方向に交差する方向に着磁された被検出体と、
    前記着磁方向に対して交差する平面に沿って複数設けられるとともに前記被検出体の位置に応じてそれぞれに付与される磁束の方向に応じた二値化信号を出力する磁気検出手段と、
    複数の前記磁気検出手段から出力された二値化信号の組み合わせに基づいて前記被検出体の位置を求める演算手段とを備え、
    前記複数の磁気検出手段は、前記二値化信号の組み合わせが、前記被検出体の位置情報である位置符号と、前記被検出体の各所定位置に固有の前記二値化信号の組み合わせの1つの二値化信号の誤りを訂正するための誤り訂正符号とを含むハミング符号に準拠したものとなるように設けられ、
    前記演算手段は、複数の前記磁気検出手段から出力された二値化信号の組み合わせが、前記被検出体の各所定位置に対応する正常な二値化信号の組み合わせに対して1つの二値化信号の誤りを有する二値化信号の組み合わせであるか否かを判断し、該出力された二値化信号の組み合わせが前記被検出体の位置に対応する正常な二値化信号の組み合わせに対して1つの誤りを有する二値化信号の組み合わせである場合に、前記出力された二値化信号の組み合わせに基づいて生成した前記被検出体の各所定位置に対応する前記二値化信号の組み合わせの1つの誤り信号に一対一で対応する誤り信号位置情報に基づいて、前記二値化信号の組み合わせの誤り信号位置を特定し、この特定された信号位置の二値化信号を訂正し、
    複数の前記磁気検出手段は、前記被検出体の着磁方向から見て、重なるように配置された2つの磁気検出手段を含むことを特徴とする操作位置検出装置。
  4. 前記被検出体は、第1の方向と、該第1の方向に直交する第2の方向とに移動可能に設けられ、
    前記磁気検出手段は、前記第1の方向及び前記第2の方向に沿って、それぞれ複数設けられることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の操作位置検出装置。
  5. シフトゲートに沿って設定された複数の操作位置に操作される操作部材と、該操作部材の操作位置を検出する操作位置検出装置とを備え、該操作位置検出装置の検出結果に基づいて車両の変速機の接続状態を切り替えるシフト装置であって、
    請求項1〜の何れか1項に記載の前記操作位置検出装置を備えることを特徴とするシフト装置。
JP2008144953A 2008-06-02 2008-06-02 操作位置検出装置及びシフト装置 Expired - Fee Related JP5021563B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008144953A JP5021563B2 (ja) 2008-06-02 2008-06-02 操作位置検出装置及びシフト装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008144953A JP5021563B2 (ja) 2008-06-02 2008-06-02 操作位置検出装置及びシフト装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009293954A JP2009293954A (ja) 2009-12-17
JP5021563B2 true JP5021563B2 (ja) 2012-09-12

Family

ID=41542266

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008144953A Expired - Fee Related JP5021563B2 (ja) 2008-06-02 2008-06-02 操作位置検出装置及びシフト装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5021563B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5373654B2 (ja) * 2010-02-04 2013-12-18 株式会社東海理化電機製作所 操作位置検出装置
JP2011163783A (ja) * 2010-02-04 2011-08-25 Tokai Rika Co Ltd 操作位置検出装置
JP2011221793A (ja) * 2010-04-09 2011-11-04 Tokai Rika Co Ltd 位置検出装置及びシフトレバー装置
CN114857252B (zh) * 2022-05-06 2023-09-19 岚图汽车科技有限公司 一种集成整车灯光控制功能的怀挡电子换挡器和控制方法

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2562319Y2 (ja) * 1984-04-16 1998-02-10 日本電気株式会社 位置検出器
JPS625733A (ja) * 1985-07-01 1987-01-12 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 復号方法および復号回路
JPH01165099A (ja) * 1987-04-14 1989-06-29 Mitsubishi Electric Corp 半導体記憶装置
JPH04190102A (ja) * 1990-11-22 1992-07-08 Yokogawa Electric Corp 回転数検出器
JP3175054B2 (ja) * 1991-03-06 2001-06-11 株式会社ニコン 誤り訂正・検出機能付ロ−タリ−・アブソリュ−ト・エンコ−ダ
JP4521125B2 (ja) * 2001-01-30 2010-08-11 株式会社 ソキア・トプコン アブソリュートエンコーダ用ディスク
JP2003154869A (ja) * 2001-11-22 2003-05-27 Tokai Rika Co Ltd シフト装置
JP2004361119A (ja) * 2003-06-02 2004-12-24 Nippon Soken Inc 回転角度検出装置
JP4836543B2 (ja) * 2005-10-26 2011-12-14 津田工業株式会社 シフトレバーユニット
JP4790378B2 (ja) * 2005-11-08 2011-10-12 津田工業株式会社 シフトレバーユニット、及び自動車用の変速システム
JP2007188591A (ja) * 2006-01-13 2007-07-26 Fujitsu Ltd データ読出し用増幅回路及びそれを備えた半導体記憶装置並びに読出しデータのデータ判定方法
JP4899556B2 (ja) * 2006-03-17 2012-03-21 富士通セミコンダクター株式会社 半導体集積回路
JP2007278720A (ja) * 2006-04-03 2007-10-25 Tokai Rika Co Ltd 位置検出装置及びシフト装置
JP4964581B2 (ja) * 2006-12-27 2012-07-04 津田工業株式会社 シフトレバー装置用シフトポジション検出装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009293954A (ja) 2009-12-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4629591B2 (ja) シフト装置
JP5048574B2 (ja) 操作位置検出装置及びシフト装置
JP5021563B2 (ja) 操作位置検出装置及びシフト装置
JP6659416B2 (ja) 車両用シフト装置
JP2011080839A (ja) 位置検出装置及びシフト装置
JP2007278720A (ja) 位置検出装置及びシフト装置
JP2009115645A (ja) 移動体位置検出装置
JP2009541716A (ja) 舵角を求める方法および装置
JP6420687B2 (ja) 位置検出装置
CN109959331B (zh) 多冗余位置传感器装置
JP2000148352A (ja) 選択スイッチにより得られる位置の確実な位置検知のための方法、選択スイッチおよび選択装置
JP2008101932A (ja) 磁気式位置検出装置
JP2011013187A (ja) 位置検出装置及びシフト装置
JP6806542B2 (ja) シフトレバー装置
JP2010107376A (ja) 位置検出装置
US11022463B2 (en) Position sensor and shift lever device
US10436605B2 (en) Apparatus and method for distinguishing data of a plurality of multidimensional magnetic field sensors
JP6595107B2 (ja) 車両用入力装置
JP4921398B2 (ja) 操作位置検出装置及びシフト装置
US20200096307A1 (en) Position detection device
JP4733590B2 (ja) コラムシフト装置
JP2009016262A (ja) 多方向操作装置
JP4836543B2 (ja) シフトレバーユニット
JP2019064312A (ja) シフトレバー位置検出装置
CN107806513B (zh) 一种位置传感器及换档装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101018

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111027

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111101

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111205

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120605

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120614

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5021563

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150622

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees