JP5021326B2 - エジェクタ式冷凍サイクル - Google Patents

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Description

本発明は、エジェクタを有するエジェクタ式冷凍サイクルに関する。
従来、特許文献1に、圧縮機吐出冷媒を放熱させる放熱器の下流側かつエジェクタのノズル部上流側に配置された分岐部で冷媒の流れを分岐し、分岐された一方の冷媒をノズル部側へ流入させ、他方の冷媒をエジェクタの冷媒吸引口側へ流入させるエジェクタ式冷凍サイクルが開示されている。
この特許文献1のエジェクタ式冷凍サイクルでは、エジェクタのディフューザ部下流側に下流側蒸発器を配置し、さらに分岐部とエジェクタの冷媒吸引口の間に、冷媒を減圧膨張させる絞り機構および吸引側蒸発器を配置して、双方の蒸発器において冷媒が吸熱作用を発揮できるようにしている。
さらに、下流側蒸発器の出口側を圧縮機の吸入側に接続し、ディフューザ部の昇圧作用によって昇圧された冷媒を圧縮機に吸入させることで、圧縮機の駆動動力を低減させてサイクル効率(COP)の向上を図っている。
特開2005−308380号公報
ところで、この種のエジェクタでは、ノズル部に飽和液相冷媒あるいは気液二相状態の冷媒を流入させることで、ノズル部における冷媒の沸騰を促進して、ノズル効率を向上させることができる。なお、ノズル効率とは、冷媒の圧力エネルギーを運動エネルギーに変換させる際のエネルギー変換効率である。
そして、このノズル効率を向上させることで、ノズル部から噴射する冷媒流の流速を増加させてエジェクタの回収エネルギー量を増加できるので、より一層、サイクル効率を向上できる。
そこで、本発明者らは、先に特願2006−219770号(以下、先願例という。)にて、特許文献1のサイクルにおいて、放熱器として過冷却器一体型凝縮器を採用したエジェクタ式冷凍サイクルを提案している。
なお、過冷却器一体型凝縮器とは、圧縮機吐出冷媒を放熱させて凝縮させる凝縮部、凝縮部下流側の冷媒の気液を分離して液相冷媒を蓄えるレシーバ部、および、レシーバ部で分離された液相冷媒をさらに放熱させる過冷却部を有して構成される、いわゆるサブクールタイプの凝縮器である。
さらに、先願例のサイクルでは、レシーバ部の液相冷媒出口部に分岐部を構成し、分岐された一方の飽和液相冷媒をエジェクタのノズル部へ流入させ、他方の飽和液相冷媒を過冷却部に流入させている。
これにより、ノズル効率を向上させるとともに、過冷却部にてエンタルピが減少した過冷却状態の冷媒を減圧手段を介して吸引側蒸発器へ流入させて、吸引側蒸発器の冷凍能力の拡大を図っている。すなわち、先願例のサイクルでは、ノズル効率向上効果および吸引側蒸発器の冷凍能力拡大効果によって、特許文献1のサイクルに対して、サイクル効率を向上させている。
しかしながら、実際に先願例のエジェクタ式冷凍サイクルを作動させると、サイクルの運転条件によって、上記のサイクル効率向上効果が充分に得られないことがある。
そこで、本発明者らがその原因について調査したところ、サイクルの運転条件によって過冷却部出口冷媒の過冷却度が変化してしまうことが原因であると判った。その理由は、過冷却部出口冷媒の過冷却度が変化すると、減圧手段を通過する冷媒流量が変化してしまうからである。
このことをより詳細に説明すると、例えば、先願例のエジェクタ式冷凍サイクルを空調装置に適用した場合に、過冷却器一体型凝縮器において冷媒と熱交換する室外空気温度が高くなると、過冷却器一体型凝縮器における冷媒の放熱量が減少して、過冷却部出口冷媒の過冷却度が低下する。
そして、過冷却部出口冷媒の過冷却度が低下すると、減圧手段へ流入する冷媒の密度が低下するので、減圧手段を通過する冷媒流量が低下する。さらに、本発明者らは、減圧手段入口冷媒の過冷却度と減圧手段を通過する冷媒流量との関係の詳細について調査し、図5に示す調査結果を得ている。
図5の横軸は、減圧手段入口冷媒の過冷却度を示している。なお、過冷却度とは、冷媒の凝縮圧力に相当する飽和温度からの温度低下量の絶対値を示すものであるから、過冷却度の増加に伴って、冷媒の絶対温度は低下する。また、過冷却度0(K)は飽和液相状態を意味する。図5の縦軸は、減圧手段入口圧力および出口圧力を所定の値として、減圧手段入口、出口間の差圧を一定とした際の減圧手段を通過する冷媒流量を示している。
さらに、図5では、過冷却度10(K)における質量流量を100として、過冷却度の変化に対する冷媒流量の変化を無次元化して●でプロットしている。なお、参考として、気液二相状態の冷媒流量を○でプロットしている。また、この調査では、減圧手段として固定絞りであるキャピラリチューブを採用している。
図5に示すように、過冷却度の低下に伴って、減圧手段を通過する冷媒流量が低下し、特に、飽和液相状態に近づくと大幅に流量低下することが判る。つまり、先願例のサイクルにおいて、冷媒の過冷却度が低下して飽和液相状態に近づくと、減圧手段を通過する冷媒流量が大幅に低下して、吸引側蒸発器へ流入する冷媒流量も低下してしまう。
そのため、サイクルの運転条件によって過冷却部出口冷媒の過冷却度が減少すると、吸引側蒸発器の冷凍能力も低下してしまい、上述の吸引側蒸発器の冷凍能力拡大によるサイクル効率向上効果が得られなくなる。
また、例えば、高負荷運転条件において室外空気温度が高くなると、レシーバ部に蓄えられる余剰冷媒量が減少して、過冷却部に飽和液相状態の冷媒を充分に供給できなくなる。このため、過冷却部へ流入する冷媒の状態も変化してしまう。そして、このような過冷却部流入冷媒の状態の変化も、過冷却部出口冷媒の過冷却度を変化させる原因となる。
本発明は、上記点に鑑み、運転条件が変化しても、ノズル効率の向上効果および吸引側蒸発器の冷凍能力拡大効果を同時に得ることができるエジェクタ式冷凍サイクルを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明では、冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(11)と、圧縮機(11)にて圧縮された高圧冷媒をサイクルの外部の流体と熱交換させて放熱させる第1、第2放熱器(12、16)と、第1放熱器(12)下流側冷媒を減圧膨張させるノズル部(14a)から噴射する高速度の冷媒流によって冷媒を冷媒吸引口(14b)から吸引するエジェクタ(14)と、第2放熱器(16)下流側冷媒を減圧膨張させる減圧手段(18)と、減圧手段(18)下流側冷媒を蒸発させて冷媒吸引口(14b)上流側に流出する吸引側蒸発器(19)と、高圧冷媒の流れを分岐する分岐部(A)とを備え、
分岐部(A)は、第1放熱器(12)から流出した高圧冷媒の流れを分岐して、分岐された一方の冷媒をノズル部(14a)へ流入させ、他方の冷媒を第2放熱器(16)へ流入させるようになっており、第2放熱器(16)の放熱能力は、第1放熱器(12)の放熱能力に対して、独立して調整可能になっており、第1放熱器(12)の放熱能力は、ノズル部(14a)へ流入する冷媒の状態が飽和液相状態あるいは気液二相状態となるように調整され、第2放熱器(16)の放熱能力は、減圧手段(18)へ流入する冷媒の状態が過冷却状態となるように調整されているエジェクタ式冷凍サイクルを特徴とする。
これによれば、第2放熱器(16)の放熱能力が、第1放熱器(12)の放熱能力に対して、独立して調整可能になっており、ノズル部(14a)へ流入する冷媒の状態が飽和液相状態あるいは気液二相状態となるように調整されているので、運転条件が変化しても、上述のノズル効率の向上効果を得ることができる。
さらに、減圧手段(18)へ流入する冷媒の状態が過冷却状態となるように、第2放熱器(16)の放熱能力が調整されるので、減圧手段(18)を通過する冷媒流量が低下してしまうことを抑制できる。その結果、運転条件が変化しても吸引側蒸発器(19)の冷凍能力拡大効果を得ることができる。
従って、運転条件が変化しても、ノズル部(14a)のノズル効率の向上効果および吸引側蒸発器(19)の冷凍能力拡大効果を同時に得ることができる。
さらに、高圧冷媒の流れを分岐する分岐部(A)を備え、分岐部(A)は、第1放熱器(12)から流出した高圧冷媒の流れを分岐して、分岐された一方の冷媒をノズル部(14a)へ流入させ、他方の冷媒を第2放熱器(16)へ流入させるようになっている。
これにより、圧縮機(11)→第1放熱器(12)→分岐部(A)→ノズル部(14a)→圧縮機(11)の順で冷媒が流れる冷媒流路および圧縮機(11)→第1放熱器(12)→分岐部(A)→第2放熱器(16)→減圧手段(18)→吸引側蒸発器(19)→冷媒吸引口(14b)の順で冷媒が流れる冷媒流路を構成できる。
従って、第2放熱器(16)では、第1放熱器(12)下流側の飽和液相状態あるいは気液二相状態の冷媒を放熱させるので、圧縮機(11)吐出冷媒を直接流入させて放熱させる場合に対して、第2放熱器(16)の熱交換能力を小さくできる。これにより、第2放熱器(16)の小型化効果を得ることもできる。
また、上述の特徴のエジェクタ式冷凍サイクルにおいて、エジェクタ(14)下流側冷媒を蒸発させる流出側蒸発器(15a)を備えていてもよい。これによれば、流出側蒸発器(15a)および吸引側蒸発器(19)の双方で冷凍能力を発揮できる。
また、上述の特徴のエジェクタ式冷凍サイクルにおいて、第1放熱器(12)の放熱能力を調整する第1放熱能力調整手段(12a)と、第1放熱器(12)出口冷媒の第1過冷却度を検出する第1過冷却度検出手段(21、22)と、第1放熱能力調整手段(12a)の作動を制御する第1制御手段(20a)とを備え、第1制御手段(20a)は、第1過冷却度が予め定めた第1設定値以下になるように、第1放熱能力調整手段(12a)の作動を制御するようになっていてもよい。
これによれば、第1放熱器(12)出口側からエジェクタ(14)のノズル部(14a)へ至る冷媒通路の圧力損失によってノズル部(14a)へ流入する冷媒が飽和液相状態となるように、第1設定値を設定できるので、ノズル部(14a)へ流入する冷媒の状態を確実に飽和液相状態あるいは気液二相状態とすることができる。
また、上述の特徴のエジェクタ式冷凍サイクルにおいて、第2放熱器(16)の放熱能力を調整する第2放熱能力調整手段(16a)と、第2放熱器(16)出口冷媒の第2過冷却度を検出する第2過冷却度検出手段(23、24)と、第2放熱能力調整手段(16a)の作動を制御する第2制御手段(20b)とを備え、第2制御手段(20b)は、第2過冷却度が予め定めた第2設定値以上になるように、第2放熱能力調整手段(16a)の作動を制御するようになっていてもよい。
これによれば、過冷却度によって減圧手段(18)を通過する冷媒流量の変化する度合が少なくなるように第2設定値を設定することができるので、減圧手段(18)を通過する冷媒流量の変化を効果的に抑制できる。
また、上述の特徴のエジェクタ式冷凍サイクルにおいて、具体的に、第1放熱能力調整手段は、第1放熱器(12)にて冷媒と熱交換する空気を送風する第1送風機(12a)であってもよい。さらに、第2放熱能力調整手段は、第2放熱器(16)にて冷媒と熱交換する空気を送風する第2送風機(16a)であってもよい。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態のうち、第1、第3実施形態が特許請求の範囲に記載した発明の実施形態であり、第2実施形態は、参考例として示す形態である。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態によるエジェクタ式冷凍サイクル10を車両用空調装置に適用した例を示す。本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10において、冷媒を吸入し、圧縮して吐出する圧縮機11は、プーリ、ベルトを介して図示しない車両走行用エンジンにより回転駆動される。
この圧縮機11としては、吐出容量の変化により冷媒吐出能力を調整できる可変容量型圧縮機、あるいは電磁クラッチの断続により圧縮機作動の稼働率を変化させて冷媒吐出能力を調整する固定容量型圧縮機のいずれを使用してもよい。また、圧縮機11として電動圧縮機を使用すれば、電動モータの回転数調整により冷媒吐出能力を調整できる。
圧縮機11の吐出側には第1放熱器12が接続されている。この第1放熱器12は圧縮機11から吐出された高温高圧冷媒と第1冷却ファン12aにより送風される外気(車室外空気)とを熱交換させて、高温高圧冷媒を放熱させる放熱用熱交換器である。
第1冷却ファン12aは、後述する空調制御装置20から出力される制御電圧によって回転数(送風空気量)が制御される電動式送風機である。そして、この第1冷却ファン12aの送風空気量によって第1放熱器12の放熱能力が調整される。従って、第1冷却ファン12aは本実施形態の第1放熱能力調整手段を構成する。
なお、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルでは、冷媒としてフロン系冷媒を採用しており、高圧冷媒が超臨界圧力以上に上昇しない亜臨界サイクルを構成している。そして、第1放熱器12が冷媒を凝縮させる凝縮器として機能するように、第1冷却ファン12aの送風空気量が制御される。
より具体的には、第1放熱器12出口冷媒の過冷却度が予め定めた第1設定値(具体的には3K)以下になるように第1放熱器12の放熱能力が調整される。なお、この第1設定値の詳細については後述する。
第1放熱器12の出口側には、冷媒の流れを分岐する分岐部Aが接続される。この分岐部Aは三方継手等によって容易に構成できる。さらに、分岐部Aで分岐された一方の冷媒は分岐部Aとエジェクタ14のノズル部14aとを接続するノズル部側配管13aへ流入し、他方の冷媒は分岐部Aとエジェクタ14の冷媒吸引口14bとを接続する吸引口側配管13bへ流入する。
エジェクタ14は、冷媒を減圧する減圧手段であるとともに、高速で噴射する冷媒流の吸引作用によって冷媒の循環を行う冷媒循環手段である。
このエジェクタ14は、ノズル部側配管13aを介して流入する冷媒の通路面積を小さく絞って、冷媒を等エントロピ的に減圧膨張させるノズル部14aと、ノズル部14aの冷媒噴射口と連通するように配置されて後述する吸引側蒸発器19から流出した気相冷媒を吸引する冷媒吸引口14bを有している。
さらに、ノズル部14aおよび冷媒吸引口14bの下流側に配置されてノズル部14aからの高速度の冷媒流と冷媒吸引口14bからの吸引冷媒とを混合する混合部14c、および、混合部14cの下流側に配置されて冷媒流れを減速して冷媒圧力を上昇させる昇圧部をなすディフューザ部14dを有している。
ディフューザ部14dは、冷媒の通路面積を徐々に大きくする形状に形成されており、冷媒流れを減速して冷媒圧力を上昇させる作用、つまり、冷媒の速度エネルギーを圧力エネルギーに変換する機能を有する。
エジェクタ14のディフューザ部14dの出口側には、流出側蒸発器15が接続されている。流出側蒸発器15は、エジェクタ14のノズル部14aで減圧された低圧冷媒と送風ファン15aから送風された送風空気とを熱交換させて、低圧冷媒に吸熱させることで送風空気を冷却する吸熱用熱交換器である。
送風ファン15aは、空調制御装置20から出力される制御電圧によって回転数制御される電動式送風機である。さらに、流出側蒸発器15の出口側には、流出側蒸発器15から流出した冷媒の気液を分離して余剰冷媒を蓄えるアキュムレータ15bが接続されている。さらに、アキュムレータ15bの気相冷媒出口には、後述する内部熱交換器17の低圧側冷媒流路17bを介して、圧縮機11の吸入側が接続されている。
一方、分岐部Aで分岐された他方の冷媒が流入する吸引口側配管13bには、第2放熱器16、内部熱交換器17の高圧側冷媒流路17a、固定絞り18、吸引側蒸発器19が設けられている。まず、第2放熱器16は、分岐部Aから吸引口側配管13bへ流入した冷媒と、第2冷却ファン16aにより送風される外気(車室外空気)とを熱交換させて、冷媒を放熱させる放熱用熱交換器である。
第2冷却ファン16aは、空調制御装置20から出力される制御電圧によって回転数(送風空気量)が制御される電動式送風機である。そして、この第2冷却ファン16aの送風空気量によって第2放熱器16の放熱能力が調整される。従って、第2冷却ファン16aは本実施形態の第2放熱能力調整手段を構成する。これにより、第2放熱器16の放熱能力は、第1放熱器12の放熱能力に対して、独立して調整可能に構成される。
上述の如く、本実施形態では、第1放熱器12出口冷媒の過冷却度が、第1設定値以下になるように調整されているので、第2放熱器16は冷媒を過冷却する過冷却器として機能する。より具体的には、第2放熱器16出口冷媒の過冷却度が予め定めた第2設定値(具体的には、10K)以上になるように第2放熱器16の放熱能力を調整する。なお、この第2設定値の詳細については後述する。
第2放熱器16の下流側には、内部熱交換器17の高圧側冷媒流路17aが配置されている。内部熱交換器17は、高圧側冷媒流路17aを通過する高温高圧冷媒と低圧側冷媒流路17bを通過する低温低圧冷媒との熱交換を行うものである。この冷媒相互間の熱交換により、吸引側蒸発器19へ流入する冷媒が冷却されるので、吸引側蒸発器19における冷媒入口・出口間の冷媒のエンタルピ差(冷凍能力)を増大させることができる。
なお、内部熱交換器17の具体的構成としては種々の構成を採用できる。具体的には、高圧側冷媒流路17aと低圧側冷媒流路17bとを形成する冷媒配管同士をろう付け接合して熱交換させる構成や、高圧側冷媒流路17aを形成する外側管の内側に低圧側冷媒流路17bを配置する2重管方式の熱交換器構成を採用できる。
内部熱交換器17の高圧側冷媒流路17aの下流側には、固定絞り18が配置されている。固定絞り18は、冷媒を減圧膨張させる減圧手段であるとともに、吸引側蒸発器19へ流入する冷媒流量を調整する流量調整手段でもある。さらに、本実施形態では、固定絞り18としてキャピラリチューブを採用している。もちろん、他の形式の固定絞り(例えば、オリフィス)を採用してもよい。
固定絞り18の下流側には、吸引側蒸発器19が配置されている。吸引側蒸発器19は固定絞り18で減圧された低圧冷媒と送風ファン15aから送風された送風空気とを熱交換させて、低圧冷媒に吸熱させることで送風空気を冷却する吸熱用熱交換器である。さらに、吸引側蒸発器19の出口側は冷媒吸引口14bに接続される。
なお、本実施形態の流出側蒸発器15および吸引側蒸発器19は一体構造に組み付けられている。従って、送風ファン15aにより送風された送風空気は矢印Z方向に流れ、まず、流出側蒸発器15で冷却され、次に、吸引側蒸発器19で冷却されて冷却対象空間(車室内)に流れ込む。従って、本実施形態では、流出側蒸発器15および吸引側蒸発器19にて同一の冷却対象空間を冷却できるようになっている。
次に、本実施形態の電気制御部の概要を説明する。空調制御装置20は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成される。空調制御装置20は、そのROM内に記憶された制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行って、上記した各種の電気式のアクチュエータ12a、15a、16a等の作動を制御する。
なお、本実施形態の空調制御装置20は、第1冷却ファン12aおよび第2冷却ファン16aの双方を制御する制御手段を構成しているが、空調制御装置20のうち、第1冷却ファン12aを制御するハードウェアおよびソフトウェアを第1制御手段20aとし、第2冷却ファン16aを制御するハードウェアおよびソフトウェアを第2制御手段20bとする。もちろん、第1制御手段20aおよび第2制御手段20bを別々の制御装置によって構成してもよい。
また、空調制御装置20には、第1放熱器12出口冷媒温度Tr1を検出する第1温度センサ21、第1放熱器12出口冷媒圧力Pr1を検出する第1圧力センサ22、第2放熱器16出口冷媒温度Tr2を検出する第2温度センサ23、第1放熱器12出口媒圧力Pr2を検出する第2圧力センサ24等の検出信号が入力される。
さらに、空調制御装置20には、各センサの検出信号他に、図示しない操作パネルからの各種操作信号が入力される。操作パネルには、車両用冷凍装置を作動させる作動スイッチ、冷却対象空間の冷却温度を設定する温度設定スイッチ等が設けられる。
次に、図2により、上述の構成における本実施形態の作動について説明する。図2は、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10の冷媒の状態を概略的に示したモリエル線図である。まず、操作パネルの作動スイッチが投入されて、圧縮機11に車両走行用エンジンの回転駆動力が伝達されると、圧縮機11が作動する。
圧縮機11から吐出された高温高圧冷媒(図2のa点)は、第1放熱器12に流入して、第1冷却ファン12aによって送風された外気により冷却されて凝縮する(図2のa点→b点)。この際、第1制御手段20aは、第1放熱器12出口冷媒温度Tr1および圧力Pr1に基づいて、第1放熱器12出口冷媒の過冷却度を算出し、算出値が第1設定値(3K)以下となるように、第1冷却ファン12aの回転数(送風空気量)を制御する。
従って、本実施形態では、第1温度センサ21および第1圧力センサ22によって、第1放熱器12出口冷媒の第1過冷却度を検出する第1過冷却度検出手段が構成される。
ここで、第1設定値の詳細について説明する。第1設定値は、第1放熱器12出口側からエジェクタ14のノズル部14aへ至る冷媒通路の圧力損失によって、ノズル部14aへ流入する冷媒が飽和液相状態となるように設定された値である。従って、第1放熱器12出口冷媒の過冷却度が第1設定値以下になっていれば、ノズル部14aへ流入する冷媒は確実に飽和液相状態あるいは気液二相状態になる。
なお、ノズル部14aへ流入する冷媒を、より確実に飽和液相状態あるいは気液二相状態とするために、第1制御手段20aが温度Tr1および圧力Pr1に基づいて検出可能な最小過冷却度を第1設定値としてもよい。そして、この最小過冷却度において、ノズル部14aへ流入する冷媒が飽和液相冷媒となるように、第1放熱器12出口側からエジェクタ14のノズル部14aへ至る冷媒通路に絞り機構を追加すればよい。
次に、第1放熱器12から流出した過冷却状態の冷媒の流れは、分岐部Aにてノズル部側配管13a側へ流入する冷媒流れと、吸引口側配管13b側へ流入する冷媒流れとに分岐される。
分岐部Aからノズル部側配管13aへ流入した冷媒は、エジェクタ14のノズル部14aへ流入する。この際、前述の如く、ノズル部14aに流入する冷媒は飽和液相状態あるいは気液二相状態になっている(図2のb点→c点)。
ノズル部14aへ流入した冷媒は等エントロピ的に減圧膨張する(図2のc点→d点)。そして、この減圧膨張時に冷媒の圧力エネルギーが速度エネルギーに変換されて、冷媒噴射口から冷媒が高速度となって噴射される。この際の冷媒圧力低下により、冷媒吸引口14bから吸引側蒸発器19通過後の冷媒(気相冷媒)が吸引される。
ノズル部14aから噴射された冷媒と冷媒吸引口14bに吸引された冷媒は、ノズル部14a下流側の混合部14cで混合され(図2のd点→e点)、ディフューザ部14dに流入する。ディフューザ部14dでは、通路面積の拡大により、冷媒の速度(膨張)エネルギーが圧力エネルギーに変換されるため、冷媒の圧力が上昇する(図2のe点→f点)。
エジェクタ14のディフューザ部14dから流出した冷媒は、流出側蒸発器15に流入する。流出側蒸発器15では、低圧冷媒が送風ファン15aの送風空気(矢印Z)から吸熱して蒸発する。流出側蒸発器15から流出した冷媒は、アキュムレータ15bにて気液分離される(図2のf点→g点)。
アキュムレータ15bの気相冷媒出口から流出した気相冷媒は、内部熱交換器17の低圧側冷媒流路17bへ流入し、内部熱交換器17の高圧側冷媒流路17aへ流入した高温高圧冷媒と熱交換を行う(図2のg点→h点)。そして、低圧側冷媒流路17bから流出した気相冷媒は、圧縮機11に吸入されて再び圧縮される(図2のh点→a点)。
一方、分岐部Aから吸引口側配管13bへ流入した冷媒流れは、第2放熱器16に流入して、第2冷却ファン16aによって送風された外気により冷却される(図2のb点→i点)。この際、空調制御装置20の第2制御手段20bは、第2放熱器16出口冷媒の温度Tr2および圧力Pr2に基づいて、第2放熱器16出口冷媒の過冷却度が第2設定値(10K)以上となるように、第2冷却ファン16aの回転数(送風空気量)を制御する。
従って、本実施形態では、第2温度センサ23および第2圧力センサ24によって、第2放熱器16出口冷媒の第2過冷却度を検出する第2過冷却度検出手段が構成される。
ここで、第2設定値の詳細について説明する。前述した図5に示すように、固定絞り18に流入する冷媒の過冷却度の増加に伴って、固定絞り18を通過する流量の過冷却度に対する変化度合が小さくなる。
そこで、第2設定値は、第2放熱器16出口冷媒の過冷却度が変化しても、第2放熱器16の下流側に接続される固定絞り18を通過する冷媒流量が大きく変化しないように設定された値である。従って、第2放熱器16出口冷媒の過冷却度が第2設定値以上になっていれば、サイクル効率の大幅な低下を招くことはない。
そして、第2放熱器16から流出した過冷却状態の冷媒の流れは、内部熱交換器17の高圧側冷媒流路17aにて、さらに冷却されてエンタルピを減少させる(図2のi点→j点)。高圧側冷媒流路17aから流出した過冷却状態の冷媒は、固定絞り18にて減圧膨張されて低圧冷媒となり(図2のj点→k点)、この低圧冷媒が吸引側蒸発器19に流入する。
吸引側蒸発器19では、低圧冷媒が流出側蒸発器15通過後の送風ファン15aの送風空気(矢印Z)から吸熱して蒸発する(図2のk点→l点)。吸引側蒸発器19で蒸発した気相冷媒は冷媒吸引口14bからエジェクタ14内部へ吸引される(図2のl点→e点)。
本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10は、以上の如く作動するので、エジェクタ14のディフューザ部14d下流側冷媒を流出側蒸発器15に供給するとともに、固定絞り18下流側冷媒を吸引側蒸発器19に供給できるので、流出側蒸発器15および吸引側蒸発器19で同時に冷却作用を発揮できる。
その際、流出側蒸発器15の冷媒蒸発圧力はディフューザ部14dで昇圧した後の圧力となり、一方、吸引側蒸発器19の冷媒蒸発圧力はノズル部14aでの減圧直後の最も低い圧力を作用させることができる。これにより、流出側蒸発器15の冷媒蒸発圧力(冷媒蒸発温度)よりも吸引側蒸発器19の冷媒蒸発圧力(冷媒蒸発温度)を低くすることができる。
従って、送風ファン15aの送風空気の流れ方向Zに対して、冷媒蒸発温度が高い流出側蒸発器15を上流側に配置し、冷媒蒸発温度が低い吸引側蒸発器19を下流側に配置することで、流出側蒸発器15における冷媒蒸発温度と送風空気との温度差および吸引側蒸発器19における冷媒蒸発温度と送風空気との温度差を確保できる。
その結果、流出側蒸発器15および吸引側蒸発器19の冷却性能を両方とも有効に発揮できるので、冷却対象空間(車室内)に対する冷却性能を流出側蒸発器15および吸引側蒸発器19の組み合わせにて効果的に向上できる。また、ディフューザ部14dでの昇圧作用によって圧縮機11の吸入圧を上昇できるので、昇圧作用相当分だけ、圧縮機11の圧縮仕事量を低減でき、省動力効果を発揮できる。
さらに、本実施形態では、エジェクタ14のノズル部14aへ流入する冷媒の状態が飽和液相状態あるいは気液二相状態となるように、第1放熱器12の放熱能力が調整されるので、外気温の上昇等の運転条件の変化が生じても、ノズル部14aのノズル効率の低下を招くことがない。
また、固定絞り18へ流入する冷媒の状態が過冷却状態となるように、第2放熱器16の放熱能力が調整されるので、固定絞り18を通過する冷媒流量の低下を回避できる。その結果、運転条件が変化しても吸引側蒸発器19の冷凍能力が低減してしまうことがない。すなわち、本実施形態によれば、運転条件が変化しても、ノズル部14aのノズル効率の向上効果および吸引側蒸発器19の冷凍能力拡大効果を同時に得ることができる。
さらに、本実施形態では、第1放熱器12の下流側に分岐部Aを配置しているので、圧縮機11→第1放熱器12→分岐部A→ノズル部14a→圧縮機11の順で循環する冷媒流路と、圧縮機11→第1放熱器12→分岐部A→第2放熱器16→減圧手段18→吸引側蒸発器19→冷媒吸引口14b→圧縮機11の順で循環する冷媒流路とを構成できる。
従って、吸引側蒸発器19へ流入する冷媒を第1、第2放熱器12、16の双方で冷却できる。つまり、第2放熱器16では、第1放熱器12下流側の飽和液相状態の冷媒を放熱させるので、圧縮機11吐出冷媒を直接流入させて放熱させる場合に対して、第2放熱器16の熱交換能力および放熱能力を小さくできる。その結果、第2放熱器16および第2冷却ファン12aの小型化を図ることもできる。
(第2実施形態)
第1実施形態では、第1放熱器12下流側冷媒の流れを分岐する分岐部Aを設けたが、本実施形態では、図3の全体構成図に示すように圧縮機11吐出冷媒の流れを分岐する分岐部Bを設けている。つまり、第1放熱器12および第2放熱器16は、圧縮機11吐出冷媒の流れに対して、並列に接続される。その他の構成は第1実施形態と同様である。
そのため、本実施形態では、圧縮機11→分岐部B→第1放熱器12→ノズル部14a→圧縮機11の順で冷媒が流れる冷媒流路および圧縮機11→分岐部B→第2放熱器16→減圧手段18→吸引側蒸発器19→冷媒吸引口14bの順で冷媒が流れる冷媒流路が構成される。
そして、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10を作動させると、第1実施形態と同様に冷媒の状態が変化する。つまり、分岐部Bからエジェクタ14のノズル14a側へ流入する冷媒は、図2のモリエル線図のa点→b点→c点→d点→e点→f点→g点→h点→a点の順に循環する。一方、分岐部Bから第2放熱器16側へ流入した冷媒は、図2のa点→i点→j点→k点→l点→e点の順に流れる。
従って、第1実施形態と同様に、流出側蒸発器15および吸引側蒸発器19で同時に冷却作用を発揮でき、ディフューザ部14dの昇圧作用によって圧縮機11の省動化を図ることができ、さらに、運転条件が変化しても、ノズル部14aのノズル効率の向上効果および吸引側蒸発器19の冷凍能力拡大効果を同時に得ることができる。
さらに、本実施形態では、分岐部Bにおいて圧縮機11吐出冷媒の流れを分岐しているので、第1放熱器12下流側冷媒の過冷却度を第1冷却ファン12aの回転数(送風空気量)制御のみによって調整でき、第2放熱器16下流側冷媒の過冷却度を第2冷却ファン16aの回転数(送風空気量)制御のみによって調整できる。
従って、第1、第2冷却ファン12a、16aは、互いに独立して、第1、第2放熱器12、16の放熱能力を調整でき、第1、第2冷却ファン12a、16aの制御が容易となる。
(第3実施形態)
本実施形態では、本発明のエジェクタ式冷凍サイクル10を業務用冷蔵冷凍装置に適用した例を説明する。本実施形態は、図4の全体構成図に示すように、第1実施形態に対して第1冷却ファン12a、第1制御手段20a、第1温度センサ21および第1圧力センサ22を廃止している。
この業務用冷蔵冷凍装置は据置状態で使用されるため、装置が設置される環境の温度変化に伴う第1放熱器12の放熱能力の変化が、車両用空調装置等に対して少ない。そこで、本実施形態では、業務要冷蔵冷凍装置が設置される環境に想定される温度範囲において、第1放熱器12出口冷媒が過冷却状態となるように、第1放熱器12の放熱面積が設定されている。
従って、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10を作動させても、第1放熱器12出口冷媒は過冷却状態となるが、サイクルの運転状態の変化によって、分岐部Aから第2放熱器16へ流入する冷媒の過冷却度は変化しうる。
これに対して、本実施形態では、第2冷却ファン16aの作用によって、第2放熱器16の放熱能力を、第1放熱器の放熱能力に対して、独立して調整できるので、第2放熱器出口冷媒の過冷却度を第2過冷却度(10K)以上に調整できる。その結果、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、以下のように種々変形可能である。
(1)上述の実施形態では、第1温度センサ21および第1圧力センサ22によって第1過冷却度検出手段が構成し、第2温度センサ23および第2圧力センサ24によって第2過冷却度検出手段が構成しているが、過熱度検出手段は以下のように構成することができる。
例えば、第1過冷却度検出手段を、圧縮機11吐出冷媒温度を検出する温度センサと第1温度センサ21とによって構成してもよい。これにより、第1過冷却度検出手段を温度センサのみによって構成できるので、圧力センサを使用する場合に対して、エジェクタ式冷凍サイクル10の製造コストを低減できる。
同様に、第2過冷却度検出手段を、第2放熱器16入口冷媒温度を検出する温度センサおよび第2放熱器16出口冷媒温度を検出する温度センサによって構成してもよい。もちろん、第1温度センサ21を第2放熱器16入口冷媒温度を検出する温度センサとして用いてもよい。また、第1温度センサ21を、室外空気温度(第1冷却ファン12a送風空気温度)を検出する温度センサとしてもよい。
さらに、第1放熱器12出口冷媒圧力Pr1と第2放熱器16出口冷媒圧力Pr2との差は、分岐部A、B、および第1、第2放熱器12、16における圧力損失等によるものなので、Pr1およびPr2がほぼ同等となるサイクルでは、いずれか一方の圧力センサを廃止してもよい。
また、Pr1およびPr2がほぼ同等となるサイクルでは、圧縮機11吐出冷媒圧力をPr1およびPR2としてもよい。この場合、圧縮機11吐出冷媒圧力を検出する圧力センサを用いて、第1、2過冷却度検出手段を構成できる。さらに、圧縮機11吸引冷媒温度を検出する温度センサの検出値と圧縮機11の回転数を検出する回転数センサの検出値から圧縮機11吐出冷媒圧力を算出してもよい。
(2)上述の実施形態では、第1、第2放熱能力調整手段を第1、第2冷却ファン12a、16aによって構成しているが、放熱能力調整手段はこれに限定されない。
例えば、第1、第2放熱能力調整手段として、第1、第2放熱器12、16通過途中の冷媒を第1、第2放熱器下流側へバイパスさせるバイパス通路を設けて放熱能力を調整してもよい。さらに、第1、第2冷却ファン12a、16aの送風空気の流れを遮断する遮断機構を設けて放熱能力を調整してもよい。
(3)上述の実施形態では、冷媒通路面積が固定されたエジェクタ14および固定絞り18を採用しているが、エジェクタ14として、ノズル部14aの冷媒通路面積を調整可能な可変エジェクタを採用してもよい。この可変ノズル部の具体例としては、可変ノズル部の通路内にニードルを挿入し、このニードルの位置を電気的アクチュエータにより制御して冷媒通路面積調整する機構とすればよい。さらに、減圧手段として、固定絞り18に代えて、冷媒通路面積を調整可能な可変絞り機構を採用してもよい。
(4)上述の実施形態では、内部熱交換器17および固定絞り18とを別体に構成した例を説明したが、内部熱交換器17および固定絞り18を一体に構成してもよい。具体的には、内部熱交換器17の高圧側冷媒流路17aを固定絞り18(キャピラリチューブ)で構成すればよい。
(5)上述の第1、第2実施形態では、流出側蒸発器15の下流側にアキュムレータ15bを配置しているが、アキュムレータ15bを廃止して、第1放熱器12の下流側に過冷却状態の液相冷媒を貯めるレシーバを設けてもよい。さらに、レシーバの液相冷媒貯留部に分岐部Aを形成してもよい。
この場合、例えば、ノズル部側通路13aに周知の温度式膨張弁を配置して、この温度式膨張弁によって圧縮機11吸入冷媒の過熱度が予め定めた値となるようにしてもよい。さらに、ノズル部側通路13aに電気式膨張弁を配置して、圧縮機11吸入側に配置した圧力センサおよび温度センサの検出値によって過熱度を算出し、電気式膨張弁によって圧縮機11吸入冷媒の過熱度が予め定めた値となるようにしてもよい。
(6)上述の実施形態では、流出側蒸発器15および吸引側蒸発器19を一体構造に組み付けているが、その具体的手段として、例えば、流出側蒸発器15および吸引側蒸発器19の構成部品をアルミニウムで構成して、ろう付けにより一体構造に接合してもよい。
さらに、ボルト締め等の機械的係合手段によって10mm以下の間隔を開けて一体的に結合する構成でもよい。また、流出側蒸発器15および吸引側蒸発器19として、フィンアンドチューブタイプの熱交換器を採用し、流出側蒸発器15と吸引側蒸発器19のフィンを共通化し、フィンと接触するチューブ構成で分割する構成として一体化してもよい。
(7)上述の実施形態では、流出側蒸発器15および吸引側蒸発器19によって同一の冷却対象空間を冷却しているが、双方の蒸発器15、19によって異なる冷却対象空間を冷却してもよい。また、流出側蒸発器15を廃止して吸引側蒸発器19のみで冷却するようにしてもよい。
さらに、第1放熱器12または第2放熱器16の下流側から圧縮機11吸入側を接続する分岐配管を設け、この分岐配管に絞り機構および分岐通路蒸発器を配置してもよい。これによれば、流出側蒸発器15および吸引側蒸発器19に加えて、分岐通路蒸発器によっても冷凍能力を発揮できる。
(8)上述の実施形態では、本発明のエジェクタ式冷凍サイクル10を車両用空調装置および業務用冷蔵冷凍装置に適用した例を説明しているが、本発明の適用はこれに限定されない。例えば、家庭用冷蔵庫、自動販売機用冷却装置、冷蔵機能付きショーケース等に適用してもよい。また、冷媒としてHC系冷媒を採用してもよい。
(9)上述の実施形態では、第1、第2放熱器12、16を冷媒と外気とを熱交換させる室外側熱交換器とし、流出側蒸発器15、吸引側蒸発器19を室内側熱交換器として車室内の冷却用に適用しているが、流出側蒸発器15、吸引側蒸発器19を外気等の熱源から吸熱する室外側熱交換器として構成し、第1、第2放熱器12、16を空気あるいは水等の被加熱流体を加熱する室内側熱交換器として構成するヒートポンプサイクルに本発明を適用してもよい。
第1実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルの全体構成図である。 第1実施形態の冷媒の状態を示すモリエル線図である。 第2実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルの全体構成図である。 第3実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルの全体構成図である。 減圧手段入口冷媒の過冷却度と減圧手段通過冷媒流量との関係を示すグラフである。
符号の説明
11…圧縮機、12…第1放熱器、12a…第1冷却ファン、
14…エジェクタ、14a…ノズル部、14b…冷媒吸引口、
15…流出側蒸発器、16…第2放熱器、16a…第2冷却ファン、
18…固定絞り、19…吸引側蒸発器、20…空調制御装置、
20a…第1制御手段、20b…第2制御手段、21…第1温度センサ、
22…第1圧力センサ、23…第2温度センサ、24…第2圧力センサ、
A、B…分岐部

Claims (6)

  1. 冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(11)と、
    前記圧縮機(11)にて圧縮された高圧冷媒をサイクルの外部の流体と熱交換させて放熱させる第1、第2放熱器(12、16)と、
    前記第1放熱器(12)下流側冷媒を減圧膨張させるノズル部(14a)から噴射する高速度の冷媒流によって冷媒を冷媒吸引口(14b)から吸引するエジェクタ(14)と、
    前記第2放熱器(16)下流側冷媒を減圧膨張させる減圧手段(18)と、
    前記減圧手段(18)下流側冷媒を蒸発させて前記冷媒吸引口(14b)上流側に流出する吸引側蒸発器(19)と
    前記高圧冷媒の流れを分岐する分岐部(A)とを備え、
    前記分岐部(A)は、前記第1放熱器(12)から流出した高圧冷媒の流れを分岐して、分岐された一方の冷媒を前記ノズル部(14a)へ流入させ、他方の冷媒を前記第2放熱器(16)へ流入させるようになっており、
    前記第2放熱器(16)の放熱能力は、前記第1放熱器(12)の放熱能力に対して、独立して調整可能になっており、
    前記第1放熱器(12)の放熱能力は、前記ノズル部(14a)へ流入する冷媒の状態が飽和液相状態あるいは気液二相状態となるように調整され、
    前記第2放熱器(16)の放熱能力は、前記減圧手段(18)へ流入する冷媒の状態が過冷却状態となるように調整されていることを特徴とするエジェクタ式冷凍サイクル。
  2. 前記エジェクタ(14)下流側冷媒を蒸発させる流出側蒸発器(15a)を備えることを特徴とする請求項に記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  3. 前記第1放熱器(12)の放熱能力を調整する第1放熱能力調整手段(12a)と、
    前記第1放熱器(12)出口冷媒の第1過冷却度を検出する第1過冷却度検出手段(21、22)と、
    前記第1放熱能力調整手段(12a)の作動を制御する第1制御手段(20a)とを備え、
    前記第1制御手段(20a)は、前記第1過冷却度が予め定めた第1設定値以下になるように、前記第1放熱能力調整手段(12a)の作動を制御するようになっていることを特徴とする請求項1または2に記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  4. 前記第2放熱器(16)の放熱能力を調整する第2放熱能力調整手段(16a)と、
    前記第2放熱器(16)出口冷媒の第2過冷却度を検出する第2過冷却度検出手段(23、24)と、
    前記第2放熱能力調整手段(16a)の作動を制御する第2制御手段(20b)とを備え、
    前記第2制御手段(20b)は、前記第2過冷却度が予め定めた第2設定値以上になるように、前記第2放熱能力調整手段(16a)の作動を制御するようになっていることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  5. 前記第1放熱能力調整手段は、前記第1放熱器(12)にて冷媒と熱交換する空気を送風する第1送風機(12a)であることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  6. 前記第2放熱能力調整手段は、前記第2放熱器(16)にて冷媒と熱交換する空気を送風する第2送風機(16a)であることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
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