JP2009222255A - 蒸気圧縮式冷凍サイクル - Google Patents

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    • F25B40/00Subcoolers, desuperheaters or superheaters

Abstract

【課題】エジェクタのノズル部入口での冷媒を所望の状態にすることにより、高い冷凍サイクルの効率(COP)が得られる蒸気圧縮式冷凍サイクルを提供する。
【解決手段】蒸気圧縮式冷凍サイクルは、膨張弁と、膨張弁で減圧された冷媒を分岐させ、一方の冷媒を取り入れノズル部で減圧膨張させ、高速度の冷媒流によって他方の冷媒を吸引口から吸引するエジェクタと、エジェクタから流出した冷媒を蒸発させる第1蒸発器と、他方の冷媒を減圧するキャピラリチューブと、キャピラリチューブで減圧された冷媒を取り入れて蒸発させ、吸引口に向けて放出する第2蒸発器と、を備えている。さらに、膨張弁入口の冷媒圧力P0とノズル部入口の冷媒圧力Pとの圧力差である減圧量を、膨張弁入口の冷媒圧力P0とノズル部出口の冷媒圧力P2との圧力差に0.1以上0.6以下を乗じた値に設定している。
【選択図】図3

Description

本発明は、流体を減圧する減圧手段であるとともに、高速で噴出する作動流体の巻き込み作用によって流体輸送を行う運動量輸送式ポンプであるエジェクタを、冷凍サイクルにおける冷媒減圧手段および冷媒循環手段として使用する蒸気圧縮式冷凍サイクルに関する。
従来の蒸気圧縮式冷凍サイクルとして、例えば特許文献1に記載されているように、凝縮後の冷媒を減圧する手段としてのエジェクタ、および2個の蒸発器を備えた蒸気圧縮式冷凍サイクルが知られている。このエジェクタは、放熱器よりも下流の冷媒の一部を取り入れて等エンタルピー的に減圧膨張させるノズル部と、当該放熱器下流の冷媒の残余を一方の蒸発器に通してから吸引する吸引部と、を備えている。ノズル部で減圧膨張された高速度の冷媒流は、エジェクタ内で吸引部から吸引した冷媒と混合部で混合され、さらに昇圧部で昇圧されて他方の蒸発器に向けて流出され、この他方の蒸発器で蒸発された後、圧縮機に吸入される。
特開2007−23966号公報
しかしながら、上記従来技術のような蒸気圧縮式冷凍サイクルにおいては、エジェクタのノズル部入口に導かれる冷媒が気液二相流となる場合には、ノズル部を流れる流量を適切にしてエジェクタ効率を向上させることが難しく、システム全体として安定して高い冷凍サイクルの成績係数(COP)を得ることが困難であるという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、エジェクタのノズル部入口での冷媒を所望の状態にすることにより、高い冷凍サイクルのCOPが得られる蒸気圧縮式冷凍サイクルを提供することを目的とする。
本発明では、上記目的を達成するための技術的手段を以下に示す実験、研究による知見に基づいて案出している。そこで、本発明者による実験、研究による知見について、まず説明する。
図1に示す蒸気圧縮式冷凍サイクル(10)では、圧縮機(1)から吐出された流量(G)の冷媒がエジェクタ(5)の冷媒上流側の分配部(6)で分岐して、第2蒸発器(8)を流れる流量(Ge)の冷媒と、エジェクタ(5)のノズル部(5a)を流れる流量(Gn)の冷媒とに分かれる。そして、第2蒸発器(8)で蒸発した流量(Ge)の冷媒はエジェクタ(5)にて吸引され、エジェクタ(5)の混合部(5c)でノズル部(5a)の流量(Gn)の冷媒と混合する。この混合した冷媒は、エジェクタ(5)のディフューザ部(5d)で昇圧されて第1蒸発器(7)に流入するので、第1蒸発器(7)に流量(Gn)の冷媒が流れる。
図2は、この蒸気圧縮式冷凍サイクル(10)における圧力・エンタルピー図である。この図2において、第1蒸発器(7)に流入する冷媒圧力(P1)と第2蒸発器(8)の冷媒蒸発圧力(P2)との圧力差(P1−P2)がエジェクタ(5)による昇圧量(ΔP)である。
図2に示されるように、第2蒸発器(8)の冷媒蒸発圧力(P2)は、第1蒸発器(7)冷媒蒸発圧力(P1)よりも低いので、第2蒸発器(8)の冷媒蒸発温度は、第1蒸発器(7)の冷媒蒸発温度よりも低くなる。このため、より冷媒蒸発温度の低い第2蒸発器(8)を流れる冷媒流量(Ge)を増加すれば、冷凍サイクル全体の冷凍能力(Qer)が増加する。しかし、第2蒸発器(8)を流れる冷媒流量(Ge)を増加させると、エジェクタ(5)のノズル部(5a)を流れる冷媒流量(Gn)は減少してエジェクタ(5)による昇圧量(ΔP)が低下するため、圧縮機(1)の駆動動力(L)が増加することになる。これにより、第2蒸発器(8)を流れる冷媒流量(Ge)を増加しすぎると、駆動動力(L)が過大になるので、冷凍サイクル全体の冷凍能力(Qer)と圧縮機(1)の駆動動力(L)との比で表されるCOP(Qer/L)が低下してしまう。
逆に、第2蒸発器(8)を流れる冷媒流量(Ge)を低減しすぎると、冷凍サイクル全体の冷凍能力(Qer)が減少するので、COP(Qer/L)が低下してしまう。したがって、冷凍サイクルの効率の観点から、COPを良好な状態にし得る最適な分配流量比(例えばGe/(Gn+Ge))が存在することが予測される。
また、圧縮機(1)から吐出された冷媒を減圧する、第1減圧手段(3)、第2減圧手段(4)およびエジェクタ(5)といった流量調整手段が予め定められた固定形状であった場合、各部の流量(Gn,Ge)は、エネルギー保存則により、各流量調節手段の出入り口の圧力差(圧力エネルギー)を調整することにより、変化させることができる。
各流量調節手段の出入り口の圧力差と各部の流量との関係は、図3に示すようになる。すなわち、第1減圧手段(3)の入口圧力をP0、ノズル部(5a)の出口圧力をP2とすると、ノズル部(5a)の入口圧力Pが低いほど、つまりP0からの減圧量が大きいほど、第1減圧手段(3)の流量(G)は増加することになる。このとき、ノズル部(5a)および第2減圧手段(4)は、それぞれの出入り口の圧力差が減少するため、それぞれの流量(Gn,Ge)は低下する。そして、第1減圧手段(3)の流量(G)がノズル部(5a)の流量(Gn)と第2減圧手段(4)の流量(Ge)の和(Gn+Ge)に等しくなる圧力でバランスして、ノズル部(5a)の入口圧力Pが決定されることになる。さらに、ノズル部(5a)の出入り口圧力差による流量特性と第2減圧手段(4)の出入り口圧力差による流量特性によって分配流量比が決定される。また、ノズル部(5a)の入口圧力Pが低下するほど、ノズル部(5a)で回収できる膨張エネルギーは低下するので、エジェクタ(5)による昇圧量ΔPが低下してしまう。
以上より、蒸発器の性能確保およびノズル効率の確保の観点から、前述のように最適な分配流量比にすることが望ましく、最適なノズル部(5a)の入口圧力状態が存在することがわかる(図3参照)。
そこで、本発明者は、図4に示すように、圧力比((P0−P)/(P0−P2))とCOP向上効果との相関関係を明らかにした。ここで、圧力比((P0−P)/(P0−P2))とは、第1減圧手段(3)入口の冷媒圧力(P0)とエジェクタ(5)のノズル部(5a)入口の冷媒圧力(P)との差(P0−P)と、第1減圧手段(3)入口の冷媒圧力(P0)とノズル部(5a)出口の冷媒圧力(P2)との差(P0−P2)と、の比を表している。
また、COP向上効果とは、膨張弁サイクルのCOPに対する本願冷凍サイクル(10)のCOPである。つまり、COP向上効果の値が高いほど、本願冷凍サイクル(10)のCOPが膨張弁サイクルのCOPと比較して向上していることを意味する。ここで、膨張弁サイクルは、前述した圧縮機、放熱器、膨張弁および蒸発器を順次接続した閉回路からなる冷凍サイクルである。
この図4によると、圧力比((P0−P)/(P0−P2))が小さい領域および当該圧力比が大きい領域ではCOP向上効果が低く、その中間の領域ではCOP向上効果が上昇する。特に0.1〜0.6の範囲ではCOP向上効果が最大領域となる最適な圧力比((P0−P)/(P0−P2))の条件が存在することがわかる。
また、本発明者は、図5に示すように、ノズル部(5a)入口の乾き度(x)とCOP向上効果との相関関係を明らかにした。ここで、ノズル部(5a)入口の乾き度(x)とは、エジェクタ(5)のノズル部(5a)入口における冷媒の湿り蒸気1kg中の蒸気分の割合である。つまり、このときの冷媒は、湿り蒸気1kgのうち、xkgが乾き飽和蒸気で、残りの(1−x)kgが飽和液の状態である。図5におけるCOP向上効果も、図4におけるCOP向上効果と同様の指標である。
この図5によると、ノズル部(5a)入口の乾き度(x)が小さい領域および大きい領域ではCOP向上効果が低く、その中間の領域ではCOP向上効果が上昇する。特に0.003〜0.14の範囲ではCOP向上効果が最大領域となる最適なノズル部(5a)入口の乾き度(x)条件が存在することがわかる。
上記点に鑑み、請求項1に記載の蒸気圧縮式冷凍サイクルに係る発明は、冷媒を吸入して圧縮する圧縮機(1)と、圧縮機(1)から吐出された冷媒の熱を放熱する放熱器(2)と、放熱器(2)の下流側の冷媒を減圧する第1減圧手段(3)と、第1減圧手段(3)で減圧された冷媒を複数の冷媒流れに分ける分配部(6)と、ノズル部(5a)および吸引部(5b)を有し、分配部(6)で分かれた複数の冷媒流れのうち一方の冷媒を取り入れノズル部(5a)で減圧膨張させて高速度の冷媒流を形成するとともに、高速度の冷媒流によって他方の冷媒を吸引部(5b)から吸引するエジェクタ(5)と、エジェクタ(5)から流出した冷媒を蒸発させる第1蒸発器(7)と、分配部(6)で分かれた他方の冷媒を減圧する第2減圧手段(4)と、第2減圧手段(4)で減圧された冷媒を取り入れて蒸発させ、吸引部(5b)に向けて放出する第2蒸発器(8)と、を備えている。
この蒸気圧縮式冷凍サイクルは、第1減圧手段(3)入口の冷媒圧力とノズル部(5a)入口の冷媒圧力との圧力差を、第1減圧手段(3)入口の冷媒圧力とノズル部(5a)出口の冷媒圧力との圧力差に0.1以上0.6以下の値を乗じた値に設定することを特徴とする。
この発明によれば、各減圧手段およびノズル部により、ノズル部入口の冷媒圧力の減圧量を最適な状態するので、第2蒸発器とノズル部の分配量比を最適にして蒸発器の性能確保とともにノズル効率面の向上を図ることができ、システム全体として高いCOPが得られる冷凍サイクルを提供できる。
請求項2に記載の蒸気圧縮式冷凍サイクルに係る発明は、上記請求項1の前段部の構成において、ノズル部(5a)入口の冷媒の乾き度を0.003から0.14の範囲に設定することを特徴とする。この発明によれば、各減圧手段およびノズル部により、ノズル部入口の冷媒の乾き度を最適な状態するので、第2蒸発器とノズル部の分配量比を最適にして蒸発器の性能確保とともにノズル効率面の向上を図ることができ、システム全体として高いCOPが得られる冷凍サイクルを提供できる。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、さらに、ノズル部(5a)入口の冷媒の乾き度を0.003から0.14の範囲に設定することを特徴とする。この発明によれば、ノズル部入口の冷媒の減圧量と乾き度との両方を最適な状態に設定することにより、最適な状態の圧力とエンタルピーが得られ、蒸発器の性能面とノズル効率面の両方の向上を一層図ることができ、システム全体として高いCOPが得られる。
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、分配部は複数の冷媒流れの各流量を調節する分配量調節手段を有しており、ノズル部(5a)入口の冷媒の乾き度は分配量調節手段によって調節されることを特徴とする。この発明によれば、ノズル部へ流れる冷媒の状態について分配量調節手段によって、液冷媒とガス冷媒の混合比を調節することにより、きめ細かい乾き度の設定を実施でき、エジェクタのノズル効率の向上とともに、冷凍サイクルの効率向上が図れる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
(第1実施形態)
本発明の一実施形態である第1実施形態の蒸気圧縮式冷凍サイクル10について説明する。図1は蒸気圧縮式冷凍サイクル10の一例を示している。蒸気圧縮式冷凍サイクル10は、冷媒の減圧手段であり、冷媒輸送を行うポンプであるエジェクタ5と、複数の蒸発器とを備えたエジェクタ式冷凍サイクルであり、車両用冷凍装置、車両用空調装置等に適用される。
蒸気圧縮式冷凍サイクル10は、配管によって環状に接続された圧縮機1、放熱器2、膨張弁3、エジェクタ5、および第1蒸発器7を備え、さらに膨張弁3で減圧された冷媒を複数の冷媒流れに分ける分配部としての分配器6を備えている。分配器6によって分配された一方の冷媒の流路はエジェクタ5のノズル部5aに接続されている。他方の冷媒が流れる分岐通路9はエジェクタ5の吸引部である吸引口5bに接続されており、分岐通路9の途中には第2蒸発器8が設けられている。
圧縮機1は、冷媒を吸入、圧縮および吐出するものであり、電磁クラッチ、プーリーおよびベルトを介して車両走行用エンジンにより回転駆動される。圧縮機1としては、例えば、吐出容量の変化により吐出能力を調整する可変容量型圧縮機、電磁クラッチの断続によって圧縮機の稼働率を変化させて吐出能力を調整する固定容量型圧縮機、電動モータの回転数を調整することにより吐出能力を調整する電動圧縮機等を採用することができる。
放熱器2は、圧縮機1から吐出された高圧冷媒と送風機(図示せず)により強制的に送風される車室外空気との間で熱交換を行うことにより、高圧冷媒を放熱させて凝縮する熱交換器である。
使用する冷媒は特に限定するものではないが、本実施形態ではR404Aを使用している。このR404Aのようなフロン系冷媒を用いる場合は、高圧圧力が臨界圧力を超えない亜臨界サイクルとなるため、放熱器2は冷媒を凝縮する凝縮器として作用する。一方、二酸化炭素のように高圧側圧力が臨界圧力を超える冷媒を用いる場合は冷凍サイクルが超臨界サイクルとなるため、冷媒は超臨界状態のまま放熱するだけで凝縮しない。
膨張弁3は、放熱器2で熱交換された高圧冷媒を減圧する機能を有する第1減圧手段であり、例えば、温度作動式膨張弁で構成する。温度作動式の膨張弁3は、第1蒸発器7の出口の冷媒温度に基づいて過熱度を所定の適度な状態にするように弁開度を調整する。また、膨張弁3は冷媒流量を可変制御できる電気制御式の流量調節弁や固定式の流量調節弁で構成してもよい。このような膨張弁3によって減圧量を調整することにより、高圧冷媒を気液二相流の状態にして分配器6に流入させることができる。このときの気液二相流は、冷媒の乾き度や流速によって、成層流、せん状流、スラグ流などの形態を呈し、また、ガス冷媒が上方に位置し液冷媒が下方に位置する上下分離流の形態を呈する。
分配器6は、内部に複数の流通路が形成された立方体または矩形体であり、膨張弁3で減圧されて流入してくる冷媒を所定量に分配する分配量調節手段を有している。分配器6は、膨張弁3により減圧された冷媒が流入する第1通路と、第1通路から分岐して分岐通路9に接続されて第2蒸発器8側へ冷媒を流出する第2通路と、第1通路から分岐してエジェクタ5のノズル部5a側へ冷媒を流出する第3通路と、を備えており、これらの通路が分配量調節手段を構成している。第1通路、第2通路および第3通路は、固有の形状、通路径、固有の高さ位置を備えており、例えば各通路断面積間は所定の関係を備えている。これにより、各通路を流れる流量、液冷媒量等が冷媒の圧力条件に応じて決定される。また、第1通路、第2通路および第3通路は、例えば弁機構等より、それぞれ可変する機構を備えていてもよい。
エジェクタ5は冷媒を減圧する減圧手段であるとともに、高速で噴出する冷媒流の吸引作用(巻き込み作用)によって冷媒の循環を行う流体輸送を冷媒循環手段でもある。エジェクタ5は、分配器6で分配された一方の冷媒を取り入れ、その通路面積を小さく絞って冷媒を等エントロピー的に減圧膨張させるノズル部5aと、ノズル部5aの冷媒噴出口と連通するように配置され、第2蒸発器8からの気相冷媒を吸引する吸引口5bと、を備えている。
ノズル部5aおよび吸引口5bの下流側には、ノズル部5aからの高速度の冷媒流と吸引口5bからの吸引冷媒とを混合する混合部5cが設けられている。そして、混合部5cの下流側に昇圧部をなすディフューザ部5dが配置されている。このディフューザ部5dは冷媒の通路面積を徐々に大きくする形状に形成されており、冷媒流れを減速して冷媒圧力を上昇させる作用、つまり、冷媒の速度エネルギーを圧力エネルギーに変換する機能を有する。このように冷媒は、エジェクタ5内において、ノズル部5aの入口の圧力がノズル部5a内で急激に減圧膨張され、ノズル部5aの出口の圧力が最低となる。混合部5cで吸引口5bから吸引される冷媒と混合されることにより、圧力はなだらかに上昇し、さらにディフューザ部5dで減速によって上昇する。
ディフューザ部5dの冷媒流れ方向下流側には第1蒸発器7が接続されている。第1蒸発器7は、強制的に送風された空気と冷媒とを熱交換し、冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮させる吸熱器である。この第1蒸発部7の冷媒流れ下流側は圧縮機1の吸入側に接続されている。
次に、分配器6の第2通路と接続される冷媒配管には、第2減圧手段であるキャピラリチューブ4と、キャピラリチューブ4よりも下流部位に第2蒸発器8が配置されている。キャピラリチューブ4は、第2蒸発器8への流入する冷媒の流量調整と減圧を行うものであり、細管によって形成されている。また、第2減圧手段は、電気制御式膨張弁等の可変式減圧装置で構成してもよい。
第2蒸発器8は、冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮させる第1蒸発器7と同様の吸熱器である。第1蒸発器7と第2蒸発器8は第1蒸発器7を送風空気の風上側にして設けられている。送風機により両蒸発器に強制的に送風される空気は、冷媒と熱交換して冷却され、空調対象空間に送られるようになっている。また、第1蒸発器7と第2蒸発器8は個別に送風機等により送風された空気を冷却し、別々の空調対象空間に冷却風を供給する構成でもよい。第1蒸発器7と第2蒸発器8は、別体構造でもよいし、一体構造にして組み付けてもよい。一体構造の場合には、第1蒸発器7と第2蒸発器8の各構成部品をアルミニウムで構成し、ろう付けにより一体に接合する。また、分配器6、キャピラリチューブ4、エジェクタ5は、一体構造にして蒸発器7,8に組み付けるように構成してもよい。
また、蒸気圧縮式冷凍サイクル10は、放熱器2と膨張弁3との間を流れる高圧冷媒と、圧縮機1に吸入される低圧冷媒とが熱交換するように内部熱交換器を備えていてもよい。この場合には、内部熱交換器における冷媒相互間の熱交換によって、放熱器2と膨張弁3との間を流れる高圧冷媒が冷却されるので、第1蒸発器7および第2蒸発器8における冷媒入口・出口間の冷媒のエンタルピー差を増大させて冷却能力を向上させることができる。
制御装置(図示せず)は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成されている。この制御装置は、そのROM内に記憶された制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行って各種機器の作動を制御する。また、制御装置には、各種センサ群からの検出信号、および操作パネル(図示せず)からの各種操作信号が入力される。また、操作パネルには冷却対象空間の冷却温度を設定する温度設定スイッチや圧縮機1の作動指令信号を出す空調作動スイッチ等が設けられている。
次に、上記構成における作動について図2にしたがって説明する。図2中の点a1〜i1は、図1中の点a1〜i1に対応している。制御装置が、圧縮機1の電磁クラッチに通電すると、電磁クラッチが接続状態となり、車両走行用エンジンから回転駆動力が圧縮機1に伝達される。圧縮機1が起動すると、第1蒸発器7から気相冷媒が圧縮機1に吸入され、圧縮された流量G(=Gn+Ge)の冷媒が放熱器2に吐出される(g1→a1)。放熱器2では高温の冷媒が外気により冷却されて凝縮する(a1→b1)。
放熱器2から流出した流量Gの高圧液相冷媒(膨張弁3入口の冷媒圧力はP0である)は、膨張弁3によって所定の圧力に減圧膨張され、気液二相流が形成される。この気液二相冷媒は、分配器6へ流入し、一方がエジェクタ5のノズル部5aへ向かう流量Gnの冷媒流れ(b1→c1)と、他方がキャピラリチューブ4へ向かう流量Geの冷媒流れ(b1→h1)とにそれぞれ適切な流量で分配される。このときノズル部5a入口の冷媒圧力はPに設定される。
エジェクタ5に流入した流量Gnの冷媒流れはノズル部5aで等エントロピー的に減圧されて膨張する(c1→d1、ノズル部5a出口の冷媒圧力はP2になる)。したがって、ノズル部5aで冷媒の圧力エネルギーが速度エネルギーに変換され、このノズル部5aの噴出口から冷媒は高速度となって噴出する。このとき、高速度で噴出する冷媒流の冷媒吸引作用により、第2蒸発器8から流量Geの気相冷媒を吸引口5bに吸引する。
ノズル部5aから噴出した冷媒と吸引口5bに吸引された冷媒は、ノズル部5a下流側の混合部5cで混合し(d1→e1、i1→e1)、ディフューザ部5dに流入する。このディフューザ部5dでは通路面積の拡大により、冷媒の速度(膨張)エネルギーが圧力エネルギーに変換されるため、冷媒の圧力が上昇する(e1→f1)。
そして、エジェクタ5のディフューザ部5dから流出した流量Gnの冷媒は第1蒸発器7に流入する。第1蒸発器7では、低温の低圧冷媒(圧力はP1)が熱交換コア部にて送風空気から吸熱して蒸発する(f1→g1)。この蒸発後の気相冷媒は、圧縮機1に吸入され、再び圧縮される。
一方、分岐通路9に流入した流量Geの冷媒流れはキャピラリチューブ4で減圧されて低圧冷媒となり(b1→h1)、この低圧冷媒が第2蒸発器8に流入する。第2蒸発器8では、送風空気から冷媒が吸熱して蒸発する(h1→i1)。この蒸発後の流量Geの気相冷媒は吸引口5bからエジェクタ5内に吸引される。
このように、第1蒸発器7に流量Gnの冷媒を供給するととともに、分岐通路9側の冷媒をキャピラリチューブ4を通して第2蒸発器8に流量Geの冷媒を供給できるので、両蒸発器7,8で同時に冷却作用を発揮できる。
本冷凍サイクルでは、膨張弁3入口の冷媒圧力P0、ノズル部5a入口の冷媒圧力P、および膨張弁3入口の冷媒圧力P0とノズル部5a出口の冷媒圧力P2との圧力差(P0−P2)の間に、次の関係式(1)の関係が成り立つように、膨張弁3、キャピラリチューブ4およびノズル部5aの絞り開度が設定されている。
(関係式1)
0.1×(P0−P2)≦P≦0.6×(P0−P2)
つまり、蒸気圧縮式冷凍サイクル10は、膨張弁3入口の冷媒圧力P0とノズル部5a入口の冷媒圧力Pとの圧力差である減圧量を、膨張弁3入口の冷媒圧力P0とノズル部5a出口の冷媒圧力P2との圧力差に0.1以上0.6以下を乗じた値に設定する。
図2に示すΔPは、エジェクタ5による昇圧量、つまり、第1蒸発器7に流入する冷媒圧力P1と第2蒸発器8の冷媒蒸発圧力P2との圧力差(P1−P2)である。ΔPで表されるディフューザ部5dでの昇圧作用によって、圧縮機1の吸入圧を上昇して、圧縮機1の駆動動力を低減することができ、COPの向上が図れる。
このように、第2蒸発器8の冷媒蒸発圧力P2は第1蒸発器7の冷媒蒸発圧力P1よりも低くなる。したがって、第2蒸発器8の冷媒蒸発温度が第1蒸発器7の冷媒蒸発温度よりも低くなる。
そして、送風空気の流れ方向に対して冷媒蒸発温度が高い第1蒸発器7を上流側に配置し、冷媒蒸発温度が低い第2蒸発器8を下流側に配置した場合には、第1蒸発器7における冷媒蒸発温度と送風空気との温度差および第2蒸発器8における冷媒蒸発温度と送風空気との温度差を両方とも確保できる。したがって、両蒸発器7,8の冷却性能を有効に発揮できる。
図3は、蒸気圧縮式冷凍サイクル10の作動について説明した図である。膨張弁3、キャピラリチューブ4およびノズル部5aといった各流量調節手段の出入り口の圧力差と各部の流量との関係は、図3に示すようになる。
すなわち、図3に示すように、膨張弁3の入口圧力をP0、ノズル部5aの出口圧力をP2とすると、ノズル部5aの入口圧力Pが低いほど、つまりP0からの減圧量が大きいほど、膨張弁3の流量Gは増加することになる。このとき、ノズル部5aおよびキャピラリチューブ4は、それぞれの出入り口の圧力差が減少するため、それぞれの流量Gn,Geは低下する。そして、膨張弁3の流量Gがノズル部5aの流量Gnとキャピラリチューブ4の流量Geの和Gn+Geに等しくなる圧力でバランスして、ノズル部5aの入口圧力Pが決定されることになる。
さらに、ノズル部5aの出入り口圧力差による流量特性とキャピラリチューブ4の出入り口圧力差による流量特性によって分配流量比が決定される。また、ノズル部5aの入口圧力Pが低下するほど、ノズル部5aで回収できる膨張エネルギーは低下するので、エジェクタ5による昇圧量ΔPが低下してしまう。
以上より、蒸発器の性能確保およびノズル効率の確保の観点から、前述のように最適な分配流量比にすることが望ましく、最適なノズル部5aの入口圧力状態が存在することがわかる。そして、本発明者らは、この最適なノズル部5aの入口圧力状態である上記関係式1を満たす範囲では、良好なノズル効率が得られることを確認している。さらに、本発明者らは、上記関係式1を満たすときに得られる冷媒流量の範囲(この冷媒流量の範囲は無次元化した流量比(Ge/(Ge+Gn))にも対応する)においても良好な冷凍能力(COP)が得られることを確認している。
図4は、蒸気圧縮式冷凍サイクル10において、圧力比(P0−P)/(P0−P2)とCOP向上効果との相関関係を表したグラフである。圧力比(P0−P)/(P0−P2)は、膨張弁3入口の冷媒圧力P0に対するノズル部5a入口の冷媒圧力Pの減圧量と、膨張弁3入口の冷媒圧力P0に対するノズル部5a出口の冷媒圧力P2の減圧量との比である。ここで、COP向上効果とは、膨張弁サイクルのCOPに対する蒸気圧縮式冷凍サイクル10のCOPである。つまり、COP向上効果の値が高いほど、蒸気圧縮式冷凍サイクル10のCOPが膨張弁サイクルのCOPと比較して向上していることを意味する。ここで、膨張弁サイクルは、前述した圧縮機、放熱器、膨張弁および蒸発器を順次接続した閉回路からなる冷凍サイクルである。
この図4によると、圧力比(P0−P)/(P0−P2)が小さい領域および当該圧力比が大きい領域ではCOP向上効果が低く、その中間の領域ではCOP向上効果が上昇する。特に0.1〜0.6の範囲ではCOP向上効果が最大値で安定する最適な圧力比(P0−P)/(P0−P2)の条件が存在することがわかる。
これは、以下の理由による。つまり、第2蒸発器8の冷媒蒸発温度が第1蒸発器7の冷媒蒸発温度よりも低いため、より冷媒蒸発温度の低い第2蒸発器8を流れる冷媒流量Geを増加すれば、冷凍サイクル全体の冷凍能力Qerが増加してCOPが向上する。しかしながら、第2蒸発器8を流れる冷媒流量Geの増加に伴い、エジェクタ5のノズル部5aを流れる冷媒流量Gnは減少し、エジェクタ5による昇圧量ΔPが低下することになる。このため、第2蒸発器8を流れる冷媒流量Geを増加しすぎると圧縮機1の駆動動力Lが増加してCOPが悪化してしまう。
そこで、本実施形態では、キャピラリチューブ4およびエジェクタ5の絞り開度を、膨張弁3入口の冷媒圧力P0とノズル部5a入口の冷媒圧力Pとの圧力差が膨張弁3入口の冷媒圧力P0とノズル部5a出口の冷媒圧力P2との圧力差に0.1以上0.6以下の値を乗じた値となるように設定すれば、膨張弁サイクルのCOPと比較してCOPを著しく向上でき、高いCOPが得られることがわかった。
このように設定された所定の絞り開度を有するキャピラリチューブ4およびエジェクタ5を備えることにより、ノズル部5a入口での冷媒を所望の圧力状態にすることができ、高いCOPの蒸気圧縮式冷凍サイクル10が得られる。
図5は、蒸気圧縮式冷凍サイクル10において、ノズル部5a入口における冷媒の乾き度xとCOP向上効果との相関関係を表したグラフである。ここで、ノズル部5a入口の乾き度xとは、エジェクタ5のノズル部5a入口における冷媒の湿り蒸気1kg中の蒸気分の割合である。つまり、このときの冷媒は、湿り蒸気1kgのうち、xkgが乾き飽和蒸気で、残りの(1−x)kgが飽和液の状態である。ここで、COP向上効果とは、前述の図4と同様に、膨張弁サイクルのCOPに対する蒸気圧縮式冷凍サイクル10のCOPである。つまり、COP向上効果の値が高いほど、蒸気圧縮式冷凍サイクル10のCOPが膨張弁サイクルのCOPと比較して向上していることを意味する。
この図5によると、当該乾き度xが小さい領域および乾き度xが大きい領域ではCOP向上効果が低く、その中間の領域ではCOP向上効果が上昇する。特に0.003〜0.14の範囲ではCOP向上効果が最大値で安定する最適な乾き度xの条件が存在することがわかる。そして、本発明者らは、このノズル部5a入口の冷媒の乾き度が0.003〜0.14の範囲であるときには、前述の図3と同様の良好なノズル効率が得られることを確認している。ただし、このときのノズル効率のピーク値は0.003寄りに位置することになる。
そこで、本実施形態では、キャピラリチューブ4およびエジェクタ5の絞り開度を、膨張弁3入口の冷媒の乾き度xを0.003〜0.14の範囲となるように設定すれば、ノズル部5aの流量特性、キャピラリチューブ4の流量特性から、ノズル部5a入口の冷媒圧力を前述の図3と等価である最適な状態に設定することができ、蒸発器の冷凍性能確保とエジェクタ5による昇圧量ΔPの確保とをバランスさせた冷凍サイクルが実現される。したがって、膨張弁サイクルのCOPと比較してCOPを著しく向上でき、高いCOPが得られることがわかった。
このように設定された所定の絞り開度を有するキャピラリチューブ4およびエジェクタ5を備えることにより、ノズル部5a入口での冷媒を所望の状態(図3と等価の状態)にすることができ、高いCOPの蒸気圧縮式冷凍サイクル10が得られる。
このように本実施形態の蒸気圧縮式冷凍サイクル10は、膨張弁3入口の冷媒圧力P0とノズル部5a入口の冷媒圧力Pとの圧力差である冷媒圧力Pの減圧量を、膨張弁3入口の冷媒圧力P0とノズル部5a出口の冷媒圧力P2との圧力差に0.1以上0.6以下を乗じた値に設定している。このような圧力関係の設定は膨張弁3での絞り量、キャピラリチューブ4での絞り量およびノズル部5aの絞り開度によって行われている。
この構成によれば、ノズル部5a入口の冷媒圧力の減圧量を最適な状態する冷凍サイクルが得られるため、第2蒸発器8とノズル部5aの分配量比を最適にして両蒸発器の性能面とノズル効率面(ノズル効率、エジェクタ効率)の両方を確保することができる。したがって、従来の膨張弁サイクルに比べてシステム全体として高いCOPを実現できる。
また、蒸気圧縮式冷凍サイクル10は、ノズル部5a入口の冷媒の乾き度を0.003から0.14の範囲に設定している。このような乾き度の設定は膨張弁3での絞り量、キャピラリチューブ4での絞り量およびノズル部5aの絞り開度によって行われている。
この構成によれば、ノズル部5a入口の冷媒圧力の乾き度を最適な状態する冷凍サイクルが得られるため、第2蒸発器8とノズル部5aの分配量比を最適にして両蒸発器の性能面とノズル効率面(ノズル効率、エジェクタ効率)の両方を確保することができる。したがって、従来の膨張弁サイクルに比べてシステム全体として高いCOPを実現できる。
また、蒸気圧縮式冷凍サイクル10は、膨張弁3入口の冷媒圧力P0とノズル部5a入口の冷媒圧力Pとの圧力差である冷媒圧力Pの減圧量を、膨張弁3入口の冷媒圧力P0とノズル部5a出口の冷媒圧力P2との圧力差に0.1以上0.6以下を乗じた値に設定するとともに、ノズル部5a入口の冷媒の乾き度を0.003から0.14の範囲に設定する。
この構成によれば、冷媒の減圧量と乾き度との両方を最適な状態に設定することにより、最適な状態の圧力とエンタルピーの関係でサイクルが作動するので、両蒸発器の性能面とノズル効率面の両方の向上を一層図ることができる。
また、ノズル部5a入口の冷媒の乾き度は分配量調節手段によって調節される。この構成によれば、ノズル部へ流れる冷媒の状態について分配量調節手段によって液冷媒とガス冷媒の混合比が調節されることにより、よりきめ細かい乾き度の設定が可能となる。
(他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。
上記実施形態における蒸気圧縮式冷凍サイクル10は、給湯機用または室内空調用のヒートポンプサイクルとして使用することができる。また、その設置場所は車両のような移動体や定位置に置かれた固定体である。
また、上記実施形態においては冷媒としてR404Aを用いているが、これに限定するものではない。例えば、フロン系冷媒、HC系冷媒、二酸化炭素冷媒などの蒸気圧縮式の超臨界サイクルおよび亜臨界サイクルのいずれに適用できるものであってもよい。このようなR404A以外の冷媒を使用した場合でも、前述のようにノズル部5a入口の冷媒圧力の減圧量、ノズル部5a入口の冷媒の乾き度の両方について、R404Aと同様なCOPの向上効果が得られることが分かっている。
また、上記実施形態では、前述の関係式1を満たす冷媒圧力の設定を、膨張弁3の絞り量、キャピラリチューブ4の絞り量および固定式のノズル部5aの絞り開度によって行っている。この他、この圧力設定は、ノズル部5aの絞り開度を進退調整自在な弁棒等により可変できる流量可変型ノズルを用いて行うようにしてもよい。また、固定式のキャピラリチューブ4の代わりに、電気制御式膨張弁等の流量調節可変式の減圧装置を用いてもよい。このように可変式減圧装置を用いた場合には、この減圧装置の開度の可変は目標とする圧力設定を満たすように制御装置によって制御される。
また、上記実施形態における分配部は、外形が立方体や矩形体のブロックの内部に流路を備えた形態の分配器6で構成しているが、この形態に限定するものではない。例えば、二股状の分岐部を有する分岐配管によって構成してもよい。
第1実施形態における蒸気圧縮式冷凍サイクルの構成を示した模式図である。 図1の蒸気圧縮式冷凍サイクルにおける圧力・エンタルピー図である。 図1の蒸気圧縮式冷凍サイクルの作動について示した図である。 図1の蒸気圧縮式冷凍サイクルにおけるノズル部入口の冷媒圧力とCOP向上効果との相関関係を表したグラフである。 図1の蒸気圧縮式冷凍サイクルにおけるノズル部入口の乾き度とCOP向上効果との相関関係を表したグラフである。
符号の説明
1…圧縮機
2…放熱器
3…膨張弁(第1減圧手段)
4…キャピラリチューブ(第2絞り手段)
5…エジェクタ
5a…ノズル部
5b…吸引口(吸引部)
6…分配部(冷媒分配器)
7…第1蒸発器
8…第2蒸発器

Claims (4)

  1. 冷媒を吸入して圧縮する圧縮機(1)と、
    前記圧縮機(1)から吐出された冷媒の熱を放熱する放熱器(2)と、
    前記放熱器(2)の下流側の冷媒を減圧する第1減圧手段(3)と、
    前記第1減圧手段(3)で減圧された冷媒を複数の冷媒流れに分ける分配部(6)と、
    ノズル部(5a)および吸引部(5b)を有し、前記分配部(6)で分かれた前記複数の冷媒流れのうち一方の冷媒を取り入れ前記ノズル部(5a)で減圧膨張させて高速度の冷媒流を形成するとともに、前記高速度の冷媒流によって他方の冷媒を前記吸引部(5b)から吸引するエジェクタ(5)と、
    前記エジェクタ(5)から流出した冷媒を蒸発させる第1蒸発器(7)と、
    前記分配部(6)で分かれた前記他方の冷媒を減圧する第2減圧手段(4)と、
    前記第2減圧手段(4)で減圧された冷媒を取り入れて蒸発させ、前記吸引部(5b)に向けて放出する第2蒸発器(8)と、を備え、
    前記第1減圧手段(3)入口の冷媒圧力と前記ノズル部(5a)入口の冷媒圧力との圧力差を、前記第1減圧手段(3)入口の冷媒圧力と前記ノズル部(5a)出口の冷媒圧力との圧力差に0.1以上0.6以下の値を乗じた値に設定することを特徴とする蒸気圧縮式冷凍サイクル。
  2. 冷媒を吸入して圧縮する圧縮機(1)と、
    前記圧縮機(1)から吐出された冷媒の熱を放熱する放熱器(2)と、
    前記放熱器(2)の下流側の冷媒を減圧する第1減圧手段(3)と、
    前記第1減圧手段(3)で減圧された冷媒を複数の冷媒流れに分ける分配部(6)と、
    ノズル部(5a)および吸引部(5b)を有し、前記分配部(6)で分かれた前記複数の冷媒流れのうち一方の冷媒を取り入れ前記ノズル部(5a)で減圧膨張させて高速度の冷媒流を形成するとともに、前記高速度の冷媒流によって他方の冷媒を前記吸引部(5b)から吸引するエジェクタ(5)と、
    前記エジェクタ(5)から流出した冷媒を蒸発させる第1蒸発器(7)と、
    前記分配部(6)で分かれた前記他方の冷媒を減圧する第2減圧手段(4)と、
    前記第2減圧手段(4)で減圧された冷媒を取り入れて蒸発させ、前記吸引部(5b)に向けて放出する第2蒸発器(8)と、を備え、
    前記ノズル部(5a)入口の冷媒の乾き度を0.003から0.14の範囲に設定することを特徴とする蒸気圧縮式冷凍サイクル。
  3. さらに、前記ノズル部(5a)入口の冷媒の乾き度を0.003から0.14の範囲に設定することを特徴とする請求項1に記載の蒸気圧縮式冷凍サイクル。
  4. 前記分配部は前記複数の冷媒流れの各流量を調節する分配量調節手段を有しており、
    前記ノズル部(5a)入口の冷媒の乾き度は前記分配量調節手段によって調節されることを特徴とする請求項2に記載の蒸気圧縮式冷凍サイクル。
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