JP5019363B2 - エポキシ樹脂接着剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体素子を接着するのに好適な接着剤組成物に関し、詳細には、エポキシ樹脂溶液相に相溶性でない硬化促進剤及び熱可塑性樹脂粒子を含み、ウエハー上或いは基板上で安定したBステージ状態を形成する接着剤組成物に関する。
エポキシ樹脂は接着性・耐熱性・耐湿性に優れていることから、種々の用途に使用されている。特に液状エポキシ樹脂は、微細化・高速化が推し進められている半導体分野において、複雑・微細な設計のデバイスにも対応できるため、広く使用されている。その反面、液状エポキシ樹脂は反応性が高く、保存に際して細心の注意を要する。
チップを基板上の正確な位置に実装するために、液状エポキシ樹脂を基板上に塗布した後に、比較的低温で加熱して流動性を失わせて、いわゆるBステージ状態とし、この上にチップを搭載してから完全に硬化させることが行われている。このBステージ化の方法には、(1)硬化反応を途中で強制的に停止させる方法、(2)硬化温度領域が低い反応系を共存させて、該反応系を硬化させる方法(例えば特許文献1)がある。このうち(1)の方法は適応可能である反応系の種類が多く、且つ容易な方法であるが、Bステージ状態の安定性が不十分である。一方、(2)の方法は反応系の種類が制限され、且つBステージ状態の安定性が、必ずしも十分ではないという問題がある。ここで、安定性とはBステージ状態で所定期間放置された後であっても、初期とほぼ同じ挙動を示すことを意味する。この安定性が悪いと、製品をBステージ状態で保存しておくことができず、製品歩留まりが低下する。
接着剤組成物を擬似硬化するために、エポキシ樹脂中に所定の粒径のコア/シェル型共重合体樹脂粒子を配合することが知られている(特許文献2)。同様に樹脂粒子を含む組成物として、メタアクリル酸エステル樹脂微粒子を含む接着剤組成物(特許文献3)、エポキシ当量が1000〜40000の粒子状ゴム状重合体を含むエポキシ接着剤組成物(特許文献4)、アクリル樹脂系微粒子を含む接着剤組成物が知られている(特許文献5)。しかし、これらの接着剤組成物は、自動車用、半導体封止材用又はプリプレグ形成用であって、Bステージで保存されることはない。
特表2005−513192号公報 特開平7−224144号公報 特開昭61−99356号公報 特開平10−287792号公報 特開平10−237196号公報
本発明は、保存安定性及びBステージ保存安定性に優れ、且つ、ボイドの無い硬化物を与える接着剤組成物を提供することを目的とする。
即ち本発明は、(A)エポキシ樹脂
(B)エポキシ樹脂硬化促進剤 成分(A)と成分(E)の合計100重量部に対して、0.1〜10重量部、
(C)25℃において固体状の熱可塑性樹脂の粒子 成分(A)と成分(E)の合計100質量部に対して5〜50質量部、
(D)溶剤 E型粘度計により25℃において測定される接着剤組成物の粘度が0.1〜500Pa・sとなる量、
(E)エポキシ樹脂硬化剤 エポキシ当量と硬化剤中の反応性基の当量比で(エポキシ樹脂)/(硬化剤)=0.8〜1.25となる量、及び
(F)無機充填剤 成分(A)と成分(E)の合計100質量部に対して50〜200質量部
を含み、
成分(A)及び成分(E)が成分(D)に溶解された状態であり、且つ、成分(B)、成分(C)及び成分(F)が成分(D)に溶解されていない状態である、接着剤組成物である。
また、本発明は、接着剤組成物、好ましくは上記本発明の組成物、を用いてシリコンチップを基板もしくは他のチップに接着する方法も提供する。該方法は、
(1)接着剤組成物を、シリコンウエハーの基板に接着する側の面(下面)に塗布する工程、
(2)60℃から200℃で、3時間から1分間加熱することにより、前記接着剤組成物をBステージ化する工程、
(3)前記シリコンウエハーを複数のチップに切断する工程、
(4)チップを、該チップの下面に施与された接着剤組成物を介して、基板もしくは他のチップ上に搭載する工程、
(5)接着剤組成物を硬化させる工程、
を含む方法である。
上記本発明の接着剤組成物は、硬化促進剤がエポキシ樹脂溶液相に溶解されていない状態で含まれているので、組成物の状態(以下「Aステージ」という)及びBステージでの保存安定性に優れる。
(A)エポキシ樹脂
本発明において、(A)エポキシ樹脂としては、例えばノボラック型、ビスフェノール型、ビフェニル型、フェノールアラルキル型、ジシクロペンタジエン型、ナフタレン型、アミノ基含有型、後述するシリコーン変性エポキシ樹脂及びこれらの混合物等が挙げられる。なかでも(A)エポキシ樹脂はビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ノボラック型エポキシ樹脂及びシリコーン変性エポキシ樹脂が好ましい。シリコーン変性エポキシ樹脂については、シリコーン変性フェノール樹脂と共に後述する。
(B)硬化促進剤
(B)硬化促進剤としては、例えば有機リン、イミダゾール、3級アミン等の塩基性有機化合物が挙げられる。有機リンの例としては、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(p−トルイル)ホスフィン、トリ(p−メトキシフェニル)ホスフィン、トリ(p−エトキシフェニル)ホスフィン、トリフェニルホスフィン・トリフェニルボレート誘導体、テトラフェニルホスフィン・テトラフェニルボレート誘導体等が挙げられる。イミダゾールの例としては、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル-4-メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等が挙げられ、3級アミンの例としてはトリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジルジメチルアミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等が挙げられる。
これらのなかでも、下記式(10)に表されるテトラフェニルホスフィン・テトラフェニルボレート誘導体、又は下記式(11)で表されるメチロールイミダゾール誘導体が好ましく、より好ましくは、後述する(E)硬化剤のフェノール樹脂またはシリコーン変性フェノール樹脂と、これらを組合せて使用する。
Figure 0005019363
但し、R乃至R8は夫々独立に水素原子又は或いは炭素数1乃至10の炭化水素基、或いはハロゲン原子である。
Figure 0005019363
但し、R9はメチル基或いはメチロール基であり、R10は炭素数1乃至10の炭化水素基である。
(B)硬化促進剤の添加量は、(A)エポキシ樹脂と(E)エポキシ樹脂硬化剤との合計の100重量部に対して、0.1〜10重量部であることが望ましく、特に0.2〜5重量部であることが望ましい。硬化促進剤が前記下限値未満である場合は、接着剤組成物が硬化不十分になる恐れがあり、また前記上限値より多い場合は接着剤組成物の保存性、或いはBステージ状態の安定性に支障をきたす恐れがある。
(C)熱可塑性樹脂粒子
本発明の組成物は、25℃で固体状の(C)熱可塑性樹脂粒子を含む。該熱可塑性樹脂は、保存中、さらにはウエハーに塗布される温度において、(D)溶剤に溶解せず、該溶剤に溶解されたエポキシ樹脂(A)とは別の相に存在する。該熱可塑性樹脂としては公知の樹脂であってよく、例えばAAS樹脂、AES樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、MBS樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、メタクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリブタジエン樹脂、各種のフッ素樹脂、各種のシリコーン樹脂、ポリアセタール、各種のポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレン、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポニフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等が挙げられる。これらの中でもメタクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ブタジエン樹脂、ポリスチレン樹脂もしくはこれらの共重合体が望ましい。或いは粒子の内核(コア)部と外皮(シェル)部で樹脂が異なるコア・シェル構造ものであっても良い。その場合コアはシリコーン樹脂、フッ素樹脂、又はブタジエン樹脂等からなるゴム粒子であり、シェルは線形分子鎖からなる上記各種の熱可塑性樹脂であることが望ましい。
(C)熱可塑性樹脂粒子は略球状、円柱もしくは角柱状、不定形状、破砕状、及び燐片状等であってよく、ダイボンド剤用途には略球状、及び鋭角部を有しない不定形状が好ましい。
(C)熱可塑性樹脂粒子の平均粒径は、用途に応じて適宜選択されるが、通常は最大粒径が10ミクロン以下、特に5ミクロン以下であることが望ましく、平均粒径は0.1乃至5ミクロン、特に0.1乃至2ミクロンであることが望ましい。最大粒径が前記上限値より大きい、或いは平均粒径が5ミクロンより大きい場合は、Bステージ化段階或いは硬化段階において、粒子熱可塑性樹脂の一部が十分に膨潤或いは溶解せずに残り、硬化後の組成物の特性を損なう恐れがある。一方、平均粒径が前記下限値よりも小さい場合、組成物の粘度が大きくなり、作業性が著しく悪くなる恐れがある。なお粒径の測定は、電子顕微鏡観察により行うことができる。
特に本発明の組成物をダイボンド剤に用いる場合、最大粒径はウエハー上に塗布されたダイボンド剤の厚みの20%以下、特に10%以下であることが望ましく、平均粒径は該厚みの10%以下、特に5%以下であることが望ましい。最大粒径が上記上限値より大きい、或いは平均粒径が上記上限値より大きい場合は、Bステージ化段階、或いは硬化段階に粒子状熱可塑性樹脂の一部が十分に膨潤或いは溶解せずに残り、硬化後のダイボンド剤の外観上の不良や、チップ表面の破損或いはリーク等の不良を引き起こす恐れがある。
(C)熱可塑性樹脂粒子は架橋構造を有していてもよい。しかし熱可塑性樹脂(C)がエポキシ樹脂網目構造中に均一に分散された構造を形成することが好ましいと考えられることから、架橋度は低い方が好ましく、より好ましくは架橋の無い線状分子鎖である。
(C)熱可塑性樹脂粒子の分子量は、樹脂の種類に依存して適宜選択される。典型的には、ポリスチレン換算の数平均分子量が1,000〜10,000,000、好ましくは10,000〜100,000、重量平均分子量が10,000〜100,000,000、好ましくは100,000〜1,000,000である。数平均分子量が上記下限値より小さい、或いは重量平均分子量が上記下限値より小さい場合は、膨潤する温度が低温になりすぎ、Bステージが早期に出現するためにAステージ状態が不安定になる恐れがある。また十分なBステージ状態の硬度が得られず、特にダイボンド材用途ではボイドや流出、或いはダイシフト等の不良が発生する恐れがある。一方、数平均分子量が上記上限値より大きい、或いは重量平均分子量が上記上限値より大きい場合は膨潤する温度が高くなって、Cステージの出現温度との差が小さくなり、Bステージ状態が不安定になる恐れがある。またBステージ化後、或いはCステージ化後に粒子熱可塑性樹脂の一部がエポキシ樹脂網目構造の形成を阻害する恐れがある。
(C)熱可塑性樹脂粒子の含有量は、安定なBステージ状態を得るために、成分(A)と成分(E)との合計の100質量部に対して、好ましくは5質量部〜50質量部、より好ましくは10〜30質量部である。含有量が前記下限値より少ない場合は、十分なBステージ状態の硬度が得られず、半導体チップの外側に樹脂が流れ出して、フェレットが発生する恐れがある。一方含有量が前記上限値よりも多い場合は、Bステージ状態が硬くなりすぎ、接着不足等の不良が発生する恐れがある。
(D)溶剤
該溶剤は、第1に、上記(A)エポキシ樹脂及び(E)硬化剤を溶解し、(B)硬化促進剤、(C)熱可塑性粒子及び(F)無機充填剤を溶解しない事、及び、第2に60〜200℃で3時間〜1分間の加熱により蒸発する事を満たす有機溶剤である。第1の要件は、通常の分析方法により組成物から固形分を分離して確認することができる。例えば、溶剤をGC/MS等で同定した後、必要であれば組成物を該溶剤でさらに希釈して、遠心分離もしくはろ過することによって、固形分を分離する。成分(F)は、該固形分を燃焼させた後の、残渣として同定できる。成分(B)と(C)は、該固形分を適切な強溶媒、例えばクロロホルム等、を用いて溶解性の差を利用して分離した後、夫々を構造解析、例えばIR分析、することによって確認することができる。第2の要件は、ホットプレート等を用いて容易に確認できる。なお、本発明において「溶解されていない状態」は、100%溶解されていない状態でなくともよく、実質的に、即ち80%程度以上溶解されていない状態であればよい。斯かる要件を満たすものとしては、成分の組合せによって異なるので、一概には言えないが、比較的極性が高い溶剤が好ましく使用される。斯かる溶剤として、例えば、グリコールエステル類が挙げられる。好ましくは、イソホロン、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、カルビトールアセテートから選ばれる少なくとも1種である。
成分(D)の含有量は、接着剤組成物の25℃における粘度により、適宜調節される。該粘度は、接着剤組成物の施与方法に依存して、好適な範囲が選択される。例えば、スピンコート法による場合は、0.1〜10Pa・sが好ましく、より好ましくは1〜5Pa・sである。スクリーン印刷法による場合は、10〜500Pa・sが好ましく、より好ましくは50〜400Pa・sである。ここで粘度が前記上限値を超えると、即ち、溶剤が少なすぎると、基板等へ施与する作業性が悪くなる。一方、溶剤の含有量が多過ぎで、粘度が前記下限値未満では、施与された接着剤組成物の膜厚が薄くなり過ぎ、また後述する(F)無機充填剤が長期保存中に沈降する恐れがある。
(E)エポキシ樹脂硬化剤
(E)エポキシ樹脂硬化剤としては公知のものを使用することができ、例えばフェノール樹脂(後述するシリコーン変性フェノール樹脂を含む)、酸無水物、及びアミン類が挙げられる。この中でも硬化性とBステージ状態の安定性のバランスを考慮すると、フェノール樹脂及びシリコーン変性フェノール樹脂が好ましい。該フェノール樹脂としては、ノボラック型、ビスフェノール型、トリスヒドロキシフェニルメタン型、ナフタレン型、シクロペンタジエン型、フェノールアラルキル型等が挙げられ、これらを単独、あるいは2種類以上を混合して用いても良い。なかでもノボラック型、ビスフェノール型が好ましい。
シリコーン変性エポキシ樹脂としては、芳香族重合体とオルガノポリシロキサンとを反応させて得られる共重合体が挙げられる。該芳香族重合体としては、下式(3)或いは(4)の化合物が例示される。
Figure 0005019363
Figure 0005019363
但し、R11は、フェノール樹脂の場合には水素原子であり、エポキシ樹脂である場合には下記式で表されるオキシラン基含有基であり、
Figure 0005019363
12は水素原子又はメチル基であり、Xは水素原子又は臭素原子であり、nは0以上の整数、好ましくは0乃至50、特に好ましくは1乃至20の整数である。
他の芳香族重合体としては、下式(5)乃至(8)のアルケニル基含有化合物が挙げられる。
Figure 0005019363
Figure 0005019363
Figure 0005019363
Figure 0005019363
但し、R11、R12、X及びnについては上で述べた通りであり、mは0以上の整数、好ましくは0乃至5の整数、特に好ましくは0或いは1である。
上記芳香族重合体と反応させるオルガノポリシロキサンは式(9)で示される。
(R13a(R14bSiO (4-a-b)/2 (9)
但し、R13は水素原子、或いは、アミノ基、エポキシ基、ヒドロキシ基もしくはカルボキシ基を含有する有機基、或いはアルコキシ基。であり、R14は置換、或いは非置換の1価炭化水素基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、或いはアルケニルオキシ基であり、a、bは0.001≦a≦1、1≦b≦3、1≦a+b≦4を満足する数である。1分子中のケイ素原子数は1乃至1000であり、1分子中のケイ素原子に直結したR13は1以上である。
ここでR13のアミノ基含有有機基としては、下記のものが例示され、ここで、cは1、2、又は3である。
Figure 0005019363
エポキシ基含有有機基としては、下記のものが例示され、ここでcは1、2、又は3である。
Figure 0005019363
ヒドロキシ基含有有機基としては、下記のものが例示され、ここで、dは0、1、2、又は3であり、eは1、2又は3である。
Figure 0005019363
カルボキシ基含有有機基としては、下記が例示され、ここで、fは1〜10の整数である。
Figure 0005019363
またアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基等の炭素数1〜4のものが挙げられる。
またR14の置換または非置換の1価炭化水素基としては、炭素数1乃至10のものが好ましく、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基や、これらの炭化水素基の水素原子の一部または全部をハロゲン原子等で置換したハロゲン置換1価炭化水素基が挙げられる。
更にa、bは上述した値であるが、好ましくは0.01≦a≦0.1、1.8≦b≦2、1.85≦a+b≦2.1、ケイ素原子数は2乃至400であることが望ましく、特に5乃至200であることが望ましい。該オルガノポリシロキサンとしては、式(10)或いは(11)の化合物が挙げられる。
Figure 0005019363
Figure 0005019363
但し、R16はアミノ基、エポキシ基、ヒドロキシ基、又はカルボキシ基含有の1価炭化水素基であり、R15は置換、或いは非置換の1価炭化水素基、好ましくはメチル基或いはフェニル基であり、pは0乃至1000の整数、好ましくは3乃至400の整数であり、qは0乃至20の整数、好ましくは0乃至5の整数である。
斯かるオルガノポリシロキサンの例としては下記を挙げることができる。
Figure 0005019363
Figure 0005019363
式(10)のオルガノポリシロキサンの分子量は、100乃至100000が望ましい。オルガノポリシロキサンの分子量が前記範囲内である場合、該オルガノポリシロキサンと反応させる芳香族重合体の構造或いは分子量により、オルガノポリシロキサンがマトリクスに均一に分散した均一構造、或いはオルガノポリシロキサンがマトリクスに微細な層分離を形成する海島構造が出現する。
オルガノポリシロキサンの分子量が比較的小さい場合、特に100乃至10000である場合は均一構造、一方オルガノポリシロキサンの分子量が比較的大きい場合、特に1000乃至100000である場合は海島構造が形成される。均一構造と海島構造の何れが選択されるかは用途に応じて選択される。ここでオルガノポリシロキサンの分子量が100未満であれば硬化物は剛直で脆くなり、一方分子量が70000より大きければ、海島が大きくなり、局所的な応力が発生し、何れの場合でもシリコーン骨格をエポキシ樹脂或いは硬化剤分子中に導入する主旨に沿うものではない。
上記の芳香族重合体とオルガノポリシロキサンとを反応させる方法としては公知の方法を用いることができ、例えば、白金系触媒の存在下で、芳香族重合体とオルガノポリシロキサンとを付加反応に付する。
本発明の組成物において、成分(A)と成分(E)の配合比は、エポキシ当量と硬化剤中の反応性基の当量比、(エポキシ樹脂)/(硬化剤)が、0.8〜1.25であることが望ましく、特に0.9〜1.1であることが望ましい。当量比がこの範囲にない場合、一部未反応になり、硬化物の性能、更にはこれを用いる半導体装置の性能に支障をきたす恐れがある。
なお、成分(E)がシリコーン変性フェノール樹脂を含まない場合であっても、成分(A)が、シリコーン変性エポキシ樹脂、例えば、上記例示したオルガノポリシロキサンのうちのエポキシ基を有する樹脂、であることが好ましい。即ち、成分(A)と成分(E)の少なくとも一方が、シリコーン変性樹脂を含むことが好ましい。
(F)無機充填剤
無機充填剤としては、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、酸化チタン、シリカチタニア、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、マグネシア、マグネシウムシリケート、タルク、マイカ等を挙げることができ、これらは1種単独あるいは2種類以上組み合せて使用することができる。特に、シリカ、アルミナ、タルクを1種単独あるいは2種類以上組み合せて使用することが好ましい。
無機充填剤は、(A)成分と(E)成分の合計100質量部に対して、50〜200質量部好ましくは50〜150質量部、より好ましくは100〜140質量部配合する。
本発明の組成物をダイボンド剤に用いる場合、上記無機質充填剤の最大粒径はウエハー上に塗布されたダイボンド剤の厚みの20%以下、特に10%以下であることが望ましく、平均粒径は該厚みの10%以下、特に5%以下であることが望ましい。最大粒径が上記上限値より大きい、或いは、平均粒径が上記上限値より大きい場合は、チップ、基板、金配線等にダメージを与えたり、或いは無機質充填材とそれ以外の部分との境界において局所的なストレスが発生し、半導体装置の機能を損なう恐れがある。
上記無機質充填剤は、予めシラン系カップリング剤で表面処理したものを使用することが好ましい。より好ましくは、(A)成分のエポキシ樹脂とカップリング剤で表面処理した充填剤とを予め減圧・混練処理を行うことが望ましい。これにより充填剤表面とエポキシ樹脂の界面がよく濡れた状態とすることができ、耐湿信頼性が格段に向上する。
上記シランカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシプロピル)テトラスルフィド、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。これらは1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。これらの中でもγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを使用することが好ましい。
上記成分の他、本発明の組成物には用途に応じて、シランカップリング剤、難燃剤、イオントラップ剤、ワックス、着色剤、接着助剤等を、本発明の目的を阻害しない量で、添加することができる。
上記シランカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシプロピル)テトラスルフィド、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。これらは1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。これらの中でもγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを使用することが好ましい。上記カップリング剤を用いる場合、その使用量は、上記(A)〜(E)成分100質量部に対して、通常0.1〜5.0質量部であり、好ましくは0.3〜3.0質量部である。
エポキシ組成物の調製
本発明の組成物は、公知の混合方法、例えば、ミキサー、ロール等を用い、調製することができる。
本発明は、シリコンチップを基板もしくは他のチップに接着する方法にも関し、該方法は、下記(1)〜(5)の工程を含む。
(1)接着剤組成物を、シリコンウエハーの基板に接着する側の面(下面)に塗布する工程、
(2)60℃から200℃で、3時間から1分間加熱することにより、前記接着剤組成物をBステージ化する工程、
(3)前記シリコンウエハーを複数のチップに切断する工程、
(4)チップを、該チップの下面に施与された接着剤組成物を介して、基板もしくは他のチップ上に搭載する工程、
(5)接着剤組成物を硬化させる工程。
ここで工程(1)では接着剤組成物がスピンコーター、プリンター、ディスペンサー等によってウエハーに提供され、工程(2)では開閉式や連続式のオーブンで加熱により希釈剤を除去して固形状にし、工程(3)ではダイサーを用いてチップが個片化され、工程(4)ではダイボンダーで接着剤組成物を介してチップが搭載され、工程(5)では開閉式や連続式のオーブンで接着剤組成物を硬化させる。以下、各工程について詳細に説明する。好ましくは、接着剤組成物として、本発明の組成物が使用される。
Bステージ条件は、溶剤が十分に揮発される条件であり、本発明の組成物では、60〜200℃で、3時間〜1分の加熱であり、ここで、高い温度は、短い時間に対応する。前記下限温度よりも低温且つ下限時間よりも短時間である場合は、Bステージ化が十分に進行せず、特にダイボンド材用途ではボイドや流出、或いはダイシフト等の不良が発生する恐れがある。また前記上限温度より高温又は上限時間より長時間である場合は、一部Cステージ化が進行し、特にダイボンド材用途では接着不足等の不良が発生する恐れがある。好ましくは、Bステージ状態の組成物が、120℃〜200℃で、10〜1000Pa・sの粘度を有する。
チップの個片化方法
チップの個片化は通常ダイヤモンドブレードを高速回転させることでウエハーを切削し個片化するダイシング技術とレーザーによるレーザーダイシング技術に大別されるが、チップ個片化条件は特に限定されるものではなく、用途に応じて任意に選択される。
チップ搭載条件
チップ搭載条件は特に限定されるものではなく、組成や用途に応じて任意に選択される。チップ搭載条件の重要因子はチップ搭載直前のプレヒートの温度、時間、チップ搭載時のチップ及び基板の温度、時間、圧力である。プレヒートの目的はチップに塗布されたダイボンド材とチップが搭載される側の密着性向上である。プレヒートの温度は50℃乃至150℃、時間は2秒ないし10分であることが望ましい。またチップ搭載の温度はチップが25℃乃至250℃、基板が25℃乃至200℃、時間が0.1秒ないし10秒、圧力が0.01MPa乃至10MPaであることが望ましい。
硬化条件
硬化条件として典型的な条件は、100℃〜200℃の温度で、8〜1時間である。半導体装置の封止工程において、硬化を同時に行ってもよい。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下の各成分を、表1に示す各質量部で、25℃のプラネタリーミキサーで混合し、25℃の3本ロールを通過させた後、25℃においてプラネタリーミキサーで混合して、実施例1乃至7、参考例1乃至4の組成物を調製した。各組成物について、後述の(a)乃至(i)の諸試験を行い、表1の結果を得た。
使用樹脂等
(A)エポキシ樹脂
エポキシ樹脂a(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、当量180、日本化薬社製RE310S)
シリコーン変性エポキシ樹脂b(合成例1)
(B)硬化促進剤
硬化促進剤c(テトラフェニルホスフィン・テトラフェニルボレート、北興化学製TPP-K)
(C)粒子状熱可塑性樹脂
粒子状熱可塑性樹脂d(ポリメタクリル酸メチル製、数平均分子量50,000、重量平均分子量150,000、平均粒径1ミクロン、最大粒径3ミクロン)
粒子状熱可塑性樹脂e(ポリメタクリル酸メチル製、数平均分子量3,000、重量平均分子量9,000、平均粒径1ミクロン、最大粒径3ミクロン)
(D)溶剤
溶剤fカルビトールアセテート
溶剤gトルエン
(E)硬化剤
硬化剤h(フェノールノボラック、当量110、明和化成製DL92)
シリコーン変性硬化剤i(合成例2)
(F)無機充填剤
シリカ(球状溶融シリカ、平均粒径0.8ミクロン、最大粒径3ミクロン、アドマッテクス製SE2030)
その他添加剤
KBM−403(信越化学工業製、シランカップリング剤)
シリコーン変性樹脂の合成
(合成例1)
攪拌羽、滴下漏斗、温度計、エステルアダプターと環流管を取り付けたフラスコに、式(12)のエポキシ樹脂42.0g(0.10mol)とトルエン168.0gを入れ、130℃/2時間で共沸脱水を行う。これを100℃に冷却し、触媒(信越化学製CAT−PL−50T)0.5gを滴下し、直ちに式(15)のオルガノポリシロキサン36.3g(0.05mol)とトルエン145.2gの混合物を30分程度で滴下し、更に100℃/6時間で熟成した。これからトルエンを除去し、黄色透明液体(η=5Pa・s/25℃、エポキシ当量400、オルガノポリシロキサン含有量46.4重量部)を得た。これをシリコーン変性エポキシ樹脂とした。
(合成例2)
攪拌羽、滴下漏斗、温度計、エステルアダプターと環流管を取り付けたフラスコに、式(13)のフェノール樹脂30.8g(0.10mol)とトルエン123.2gを入れ、130℃/2時間で共沸脱水を行う。これを100℃に冷却し、触媒(信越化学製CAT−PL−50T)0.5gを滴下し、直ちに式(15)のオルガノポリシロキサン36.3g(0.05mol)とトルエン145.2gの混合物を30分程度で滴下し、更に100℃/6時間で熟成した。これからトルエンを除去し、褐色透明液体(η=20Pa・s/25℃、フェノール当量340、オルガノポリシロキサン含有量54.1重量部)を得た。これをシリコーン変性硬化剤とした。

Figure 0005019363
Figure 0005019363

Figure 0005019363
試験方法
(a)粘度
各組成物について、JIS Z−8803に準じ、E型粘度計(HBDV−III、ブルックフィールド社製)を用いて、測定温度25℃、ずり速度2.00(sec−1)、回転開始後2分における粘度を測定した。
(b)ウエハーへの塗布性
各接着剤組成物の粘度に基づいてウエハーへの塗布方法を以下の3方法で実施した。
塗布方法A(組成物粘度0.1〜10Pa・s)
シリコンウエハー(6インチ径、0.3mm)の片面に接着剤組成物を3g置いて、スピンコーターでウエハー全面に薄い接着剤組成物層を形成した。ここでのスピンコートの条件は、10秒かけて0回転から1000回転まで上げ(以下「(0〜1000/10秒)」と表す」、1000回転で30秒維持し(以下「1000回転/30秒」と表す」、(1000回転から2000回転)/10秒+2000回転/30秒+(2000回転〜0回転)/10秒であり、20ミクロン乃至60ミクロンの接着剤組成物層が形成された。
塗布方法B(組成物粘度0.01〜0.1Pa・s)
スピンコートの条件を(0回転から300回転)/10秒+300回転/30秒+(300回転〜600回転)/10秒+600回転/30秒+(600回転〜0回転)/10秒とした以外は、塗布方法Aと同じである。
塗布方法C(組成物粘度10〜500Pa・s)
シリコンウエハー(6インチ径、0.3mm)の片面にスクリーン印刷を行い、ウエハー全面に薄い接着剤組成物層を形成した。ここでのスクリーン印刷の条件は200メッシュスクリーンを使用し、スクリーンとウエハーのギャップを1mmとし、10psiの印圧で印刷し、20ミクロン乃至60ミクロンの接着剤組成物層が形成された。
形成された接着剤組成物層を120℃/30分間/窒素通気の条件下で、溶剤を除去、乾燥させ、接着剤組成物付きのウエハーを得た。得られた接着剤組成物層の厚さを厚さ計で測定し、下記の基準により平坦性を評価した。
○:(接着剤組成物層の最大厚さ(μm))/(接着剤組成物層の最小厚さ(μm))≦1.2
×:(接着剤組成物層の最大厚さ(μm))/(接着剤組成物層の最小厚さ(μm))>1.2
(c)Aステージ状態の保存安定性I
エポキシ接着剤組成物について製造直後の粘度を初期値とし、25℃で所定時間放置した後の粘度を測定して、前記初期値で除して増粘率(%)を算出した。
(d)Bステージ状態での安定性II:DSC発熱量
エポキシ接着剤組成物10mgを120℃で20分間加熱してBステージ化させた直後と、Bステージ化後25℃で所定時間放置したもの夫々について、10mgをアルミセル中に採取し、空のアルミセルを参照試料として、DSC(示差熱分析計/メトラー製)を用いて、空気中で25℃から300℃迄、昇温速度10℃/分でDSC測定を行った。Bステージ化直後に測定されたCステージ化のピーク面積を初期値として、所定時間放置したもののCステージ化のピーク面積の該初期値に対する割合を算出した。
(e)チップ搭載後のボイド
図1に示すような試験片を作成し、各試験片について超音波観察(SAT)を行い、ボイドを含む試験片数/総試験片数(20個)を数えた。
試験片の作成方法は以下の通りである:
表面にソルダーレジスト(30ミクロン厚)を塗布したBT基板(200ミクロン厚、35mm×35mm)上に、エポキシ接着剤組成物を塗布して、120℃で20分間加熱してBステージ化し、室温まで冷却した後、該塗布された組成物をダイボンドテープ(T−80MW、トーヨーアドテック社製)に貼り、ダイサーで個片化した。得られたシリコンチップ(7mm×7mm)を150℃(チップ)/100℃(基板)/1Mpa/1秒で搭載し、150℃で2時間加熱して、Cステージ化した。
(f)Bステージ状態での保存安定性III:チップ搭載後のボイド
図1の試験片を作成する際、Bステージ化後、25℃でチップを搭載しない状態で、所定時間放置した後に、(e)と同様の方法でチップを搭載してSAT観察を行い、ボイドを含む試験片数/総試験片数(20個)を数えた。
(g)チップ搭載後のフィレット
試験(e)で得られた試験片20個について、フィレット幅の最大値を観測した。フィレットとは、樹脂が流動してチップの横から染み出してきたものである。フィレット幅が大きいと基板上のワイヤー接続端子迄の距離が長くなるため、100ミクロン以下が好ましい。最大フィレット幅が100ミクロンよりも大きい試験片数/総試験片数(20個)を数えた。
(h)Bステージ状態での保存安定性IV:チップ搭載後のフィレット
試験(f)で得られた試験片20個について、(g)と同様にフィレット幅を測定し、最大フィレット幅が100ミクロンよりも大きい試験片数/総試験片数(20個)を数えた。
(i)樹脂封止後のボイド
図2に示すような試験片を作成し、各試験片についてSAT観察を行い、ボイドを含む試験片数/総試験片数(20個)を数えた。試験片の作成方法は以下の通りである:
表面にソルダーレジスト(30ミクロン厚)を塗布したBT基板(200ミクロン厚、35mm×35mm)上に、エポキシ接着剤組成物を塗布して、120℃で20分間加熱してBステージ化し、室温まで冷却した後、該塗布された組成物をダイボンドテープ(T−80MW、トーヨーアドテック社製)に貼り、ダイサーで個片化した。得られたシリコンチップ(7mm×7mm)を150℃(チップ)/100℃(基板)/1Mpa/1秒で搭載した(ここ迄で図1の状態)。これをKMC−2520(信越化学工業製エポキシ封止材)で封止すると同時に組成物Cステージ化した。成型条件は、金型温度175℃、注入時間10秒、注入圧70KPa、成型時間90秒、後硬化条件は180℃/2時間であり、成型後の試験片全体は1000ミクロン厚、35mm×35mmであった。
Figure 0005019363
参考例1は、溶剤を含まないため粘度が高すぎて、接着できなかった。一方、参考例2は、粘度が低すぎて、塗布した樹脂層が薄くなり過ぎ、チップを接着できなかった。参考例3は、チップを搭載する温度で、組成物の粘度が低すぎて、フィレットが大きかった。参考例4は、硬化促進剤がトルエンに溶解されており、Bステージでの保存安定性が悪かった。また、参考例5は熱可塑性樹脂が溶剤に溶解され、フィレットが大きかった。これに対し、実施例のものは、保存安定性に優れ、ボイドの無い硬化物を形成した。
本発明の接着剤組成物は、チップを基板上、或いは他のチップ上に固定するダイボンド剤に好適である。
実施例で作製した試験片の断面図である。 実施例で作製した、樹脂封止された試験片の断面図である。

Claims (7)

  1. (A)エポキシ樹脂
    (B)エポキシ樹脂硬化促進剤 成分(A)と成分(E)の合計100重量部に対して、0.1〜10重量部、
    (C)25℃において固体状の熱可塑性樹脂の粒子 成分(A)と成分(E)の合計100質量部に対して5〜50質量部、
    (D)溶剤 E型粘度計により25℃において測定される接着剤組成物の粘度が0.1〜500Pa・sとなる量、
    (E)エポキシ樹脂硬化剤 エポキシ当量と硬化剤中の反応性基の当量比で(エポキシ樹脂)/(硬化剤)=0.8〜1.25となる量、及び
    (F)無機充填剤 成分(A)と成分(E)の合計100質量部に対して50〜200質量部
    を含み、
    成分(A)及び成分(E)が成分(D)に溶解された状態であり、且つ、成分(B)、成分(C)及び成分(F)が成分(D)に溶解されていない状態である、接着剤組成物。
  2. 成分(C)が、メタクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ブタジエン樹脂、又はポリスチレン樹脂から選択される熱可塑性樹脂の粒子であることを特徴とする請求項1記載の接着剤組成物。
  3. 成分(C)が、ポリスチレン換算の数平均分子量10,000〜100,000及び重量平均分子量100,000〜1,000,000を有することを特徴とする請求項1または2記載の接着剤組成物。
  4. (D)溶剤が、イソホロン、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、及びカルビトールアセテートから選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜のいずれか1項記載の接着剤組成物。
  5. 成分(A)及び成分(E)の少なくともいずれかの成分が、シリコーン変性樹脂を含む、請求項1〜のいずれか1項記載の接着剤組成物。
  6. 成分(F)が、成分(A)と成分(E)の合計100質量部に対して50〜150質量部で含有されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項記載の接着剤組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項記載の接着剤組成物を用いて、シリコンチップを基板もしくは他のチップに接着する方法であって、
    (1)前記接着剤組成物を、シリコンウエハーの基板に接着する側の面(下面)に塗布する工程、
    (2)60℃から200℃で、3時間から1分間加熱することにより、前記接着剤組成物をBステージ化する工程、
    (3)前記シリコンウエハーを複数のチップに切断する工程、
    (4)チップを、該チップの下面に施与された前記接着剤組成物を介して、基板もしくは他のチップ上に搭載する工程、
    (5)前記接着剤組成物を硬化させる工程、
    を含む方法。
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