JP5691881B2 - 接着剤組成物 - Google Patents
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Description
液状エポキシ樹脂を基板上に塗布する方法としては印刷法、ディスペンス法などが挙げられる。
また溶剤含有量を調節することで、溶剤を揮発させたBステージ化時の接着剤組成物の膜厚を容易に調節できる。しかし、溶剤を大量に添加することにより固形熱可塑樹脂が溶剤により膨潤又は溶解し、粘度上昇を招くという問題もある。
[1]
成分(A)エポキシ樹脂
成分(B)エポキシ樹脂硬化促進剤
成分(C)25℃において固体状の熱可塑性樹脂の粒子
成分(D)ブチルカルビトールアセテート
成分(E)エポキシ樹脂硬化剤、及び
成分(F)無機充填剤
を含み、前記成分(C)が前記成分(D)に室温で溶解も膨潤もせずに残存している状態であることを特徴とする接着剤組成物。
[2]
前記成分(D)が、前記成分(A)と成分(E)の合計100質量部に対して、5〜400質量部含まれることを特徴とする[1]記載の接着剤組成物。
[3]
前記成分(B)が、前記成分(A)と成分(E)の合計100質量部に対して、0.1〜10質量部含まれることを特徴とする[1]または[2]記載の接着剤組成物。
[4]
前記成分(C)が、前記成分(A)と成分(E)の合計100質量部に対して、5〜50質量部含まれることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか1項記載の接着剤組成物。
[5]
前記成分(C)が、メタクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ブタジエン樹脂、ポリスチレン樹脂及びこれらの共重合体からなる群より選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂の粒子であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれか1項記載の接着剤組成物。
[6]
前記成分(C)のポリスチレン換算の数平均分子量が10,000〜100,000、重量平均分子量が100,000〜1,000,000であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれか1項記載の接着剤組成物。
[7]
前記成分(A)及び成分(E)の少なくともいずれかの成分が、シリコーンで変性した樹脂を含む、[1]〜[6]のいずれか1項記載の接着剤組成物。
[8]
前記成分(F)が、成分(A)と成分(E)の合計100質量部に対して10〜200質量部含まれることを特徴とする[1]〜[7]のいずれか1項記載の接着剤組成物。
[9]
E型粘度計により25℃において測定される接着剤組成物の粘度が、0.1〜500Pa・sである、[1]〜[8]のいずれか1項記載の接着剤組成物。
[10]
[1]〜[9]のいずれか1項記載の接着剤組成物を用いた半導体装置。
本発明において、(A)エポキシ樹脂としては、例えばノボラック型、ビスフェノール型、ビフェニル型、フェノールアラルキル型、ビフェニルアラルキル型、トリフェノールアルカン型、ジシクロペンタジエン型、ナフタレン型、アミノ基含有型、後述するシリコーン変性エポキシ樹脂及びこれらの混合物等が挙げられる。なかでも、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ノボラック型エポキシ樹脂及びシリコーン変性エポキシ樹脂が好ましい。
1価炭化水素基としては、炭素数1〜10の1価炭化水素基が好ましく、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基や、これらの炭化水素基の水素原子の一部または全部をハロゲン原子で置換したハロゲン置換1価炭化水素基が挙げられる。
式(5)において、a、bは0.001≦a≦1、1≦b≦3、1≦a+b<4を満足する数であり、好ましくは0.01≦a≦0.1、1.8≦b≦2、1.85≦a+b≦2.1である。該オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1分子中にケイ素原子を1〜1000個、好ましくは2〜400個、さらに好ましくは5〜200個有するものが望ましい。該オルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、例えば、分子鎖両末端ジオルガノハイドロジェンシロキシ基封鎖ジオルガノポリシロキサン、分子鎖両末端ジオルガノハイドロジェンシロキシ基封鎖ジオルガノシロキサン・オルガノハイドロジェンシロキサン共重合体等が挙げられ、特には、式(6)で示される化合物が挙げられる。
(B)硬化促進剤としては、例えば有機リン、イミダゾール、3級アミン等の塩基性有機化合物が挙げられる。有機リンの例としては、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(p−トルイル)ホスフィン、トリ(p−メトキシフェニル)ホスフィン、トリ(p−エトキシフェニル)ホスフィン、トリフェニルホスフィン・トリフェニルボレート誘導体、テトラフェニルホスフィン・テトラフェニルボレート誘導体等が挙げられる。イミダゾールの例としては、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル-4-メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等が挙げられる。3級アミンの例としてはトリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジルジメチルアミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等が挙げられる。
本発明の組成物は、25℃で固体状の(C)熱可塑性樹脂粒子を含む。後述するように、該熱可塑性樹脂は、保存中、さらには基板に塗布される温度において、(D)ブチルカルビトールアセテートに溶解も膨潤もせず、ブチルカルビトールアセテートに溶解されたエポキシ樹脂(A)とは別の相に存在する。
ブチルカルビトールアセテートは、本発明を特徴付ける重要な成分である。
まず、本発明の組成物において、成分(C)の熱可塑性樹脂粒子が成分(D)のブチルカルビトールアセテートに室温で溶解も膨潤もせずに残存している状態であることが肝要である。ここで、本発明において「溶解しない」とは、室温(25℃)、圧力1気圧での条件下で、溶解度が20質量%未満であることを意味する。すなわち100質量%溶解されていない状態でなくともよく、実質的に、20質量%程度までは溶解されていてよく、即ち80質量%程度以上溶解されていない状態であればよい。また、「膨潤」とは、成分(C)の熱可塑性樹脂粒子のマトリックス内へ有機溶剤が浸入して、該樹脂粒子の体積が増大することを意味するものである。ただし本願発明において「膨潤しない」とは、該樹脂粒子の体積が全く変化しないことを意味するものではなく、マトリックス内へ有機溶剤が浸入して樹脂粒子の体積が増大すると共に、組成物中において見かけ上有機溶剤の割合が減少することに起因する組成物の粘度の増大の程度が、ある特定レベル以下であることを意味するものである。具体的には、後述するように、1mm厚で25℃/24時間後の組成物の粘度上昇率が1.5倍未満であること、より好ましくは1.2倍以下であることを意味する。
(C)熱可塑性樹脂粒子が(D)ブチルカルビトールアセテートに溶解又は膨潤する場合、組成物全体の粘度が高くなり印刷に適した粘度とはならない。また、徐々に溶解又は膨潤する場合であっても、粘度が徐々に上昇するため印刷の安定性が損なわれる。
(B)エポキシ樹脂硬化促進剤が(D)ブチルカルビトールアセテートに溶解する場合、(B)エポキシ樹脂硬化促進剤が分子レベルで(A)エポキシ樹脂及び(E)エポキシ樹脂硬化剤へ分散するため、室温でも反応性が高まり、室温での保存安定性が悪くなる恐れがある。
また、(F)無機充填剤は、一般的に、成分(D)を含めて有機溶剤には溶解・膨潤しないものである。
また、膨潤状態は、上記のように、組成物の粘度上昇の程度によって確認することができる。
エポキシ樹脂硬化剤としては公知のものを使用することができ、例えばフェノール樹脂(後述するシリコーン変性フェノール樹脂を含む)、酸無水物、及びアミン類が挙げられる。この中でも硬化性とBステージ状態の安定性のバランスを考慮すると、フェノール樹脂及びシリコーン変性フェノール樹脂が好ましい。フェノール樹脂としては、アラルキル型、ノボラック型、ビスフェノール型、トリスヒドロキシフェニルメタン型、ナフタレン型、シクロペンタジエン型、フェノールアラルキル型等が挙げられ、これらを単独、あるいは2種類以上を混合して用いても良い。なかでもアラルキル型、ノボラック型、ビスフェノール型が好ましい。
無機充填剤としては、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、酸化チタン、シリカチタニア、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、マグネシア、マグネシウムシリケート、タルク、マイカ等を挙げることができ、これらは1種単独あるいは2種類以上組み合せて使用することができる。特に、シリカ、アルミナ、タルクを1種単独あるいは2種類以上組み合せて使用することが好ましい。
本発明の組成物は、公知の混合方法、例えば、ミキサー、ロール等を用い、調製することができる。
上記粘度上昇率は次のように算出される。まず接着剤組成物の粘度をJIS Z−8803に準じE型粘度計を用いて25℃において測定し、これを初期粘度とする。そして接着剤組成物を1mm厚に伸ばして25℃/24時間保持した後の粘度を測定する。そして下記式により粘度上昇率を求める。
粘度上昇率=(25℃/24時間後の粘度)/(初期粘度)
また、本発明の接着剤組成物はE型粘度計により25℃において測定される粘度が0.1〜500Pa・sであることが好ましい。25℃における粘度が上記範囲内であれば安定した印刷が可能である。
(A)エポキシ樹脂
エポキシ樹脂a(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、当量180、日本化薬社製RE310S)
(B)エポキシ樹脂硬化促進剤
硬化促進剤b(テトラフェニルホスフィン・テトラフェニルボレート、北興化学製TPP-K)
(C)熱可塑性樹脂粒子
粒子状熱可塑性樹脂c(ポリメタクリル酸メチル、数平均分子量50,000、重量平均分子量150,000、平均粒径1μm、最大粒径3μm)
(D)溶剤
溶剤d1(ブチルカルビトールアセテート)
溶剤d2(カルビトールアセテート)
溶剤d3(イソホロン)
(E)エポキシ樹脂硬化剤
シリコーン変性硬化剤e(合成例1)
(F)無機充填剤
シリカf(球状溶融シリカ、平均粒径0.6μm、最大粒径3μm、アドマッテクス(株)製SE2030)
その他添加剤
シランカップリング剤g(信越化学工業(株)製KBM−403)
攪拌羽、滴下漏斗、温度計、エステルアダプターと環流管を取り付けたフラスコに、式(14)のフェノール樹脂30.8g(0.10mol)とトルエン123.2gを入れ、130℃/2時間で共沸脱水を行った。これを100℃に冷却し、触媒(信越化学(株)製CAT−PL−50T)0.5gを滴下し、直ちに式(15)のオルガノポリシロキサン36.3g(0.05mol)とトルエン145.2gの混合物を30分程度で滴下し、更に100℃/6時間で熟成した。これからトルエンを除去し、褐色透明液体(η=20Pa・s/25℃、フェノール当量340、オルガノポリシロキサン含有量54.1質量部)を得た。これをシリコーン変性硬化剤gとした。
(a)初期粘度
各組成物について、JIS Z−8803に準じ、E型粘度計(HBDV−III、ブルックフィールド社製)を用いて、測定温度25℃、ずり速度2.00(sec−1)、回転開始後2分における粘度を測定した。
(b)粘度上昇率(1mm厚で25℃/24時間後の粘度上昇率)
各接着剤組成物を1mm厚に伸ばして25℃/24時間後の粘度を(a)と同様に測定し下記式により粘度上昇率を算出した。
粘度上昇率={(25℃/24時間後の粘度)−(初期粘度)}/(初期粘度)
(c)印刷安定性
各樹脂組成物についてAUS308(20μm厚)を塗布したBT基板(200μm厚、35mm×35mm)上にステンシルマスク(SUS製、80μm厚、開口部寸法:10mm×10mm)とスキージ(SUS製、500μm厚、角度60°)を用いて、速度10mm/秒、圧力3kg(比較例4は6kg)の条件で1時間毎に印刷し、印刷を行なった後直ちに120℃/10分でBステージ化した。
その後、初期、6、12、18、24時間後の印刷におけるBステージ化後の樹脂厚さを測定した。
Claims (10)
- 成分(A)エポキシ樹脂
成分(B)エポキシ樹脂硬化促進剤
成分(C)25℃において固体状の熱可塑性樹脂の粒子
成分(D)ブチルカルビトールアセテート
成分(E)エポキシ樹脂硬化剤、及び
成分(F)無機充填剤
を含み、前記成分(C)が前記成分(D)に室温で溶解も膨潤もせずに残存している状態であることを特徴とする接着剤組成物。 - 前記成分(D)が、前記成分(A)と成分(E)の合計100質量部に対して、5〜400質量部含まれることを特徴とする請求項1記載の接着剤組成物。
- 前記成分(B)が、前記成分(A)と成分(E)の合計100質量部に対して、0.1〜10質量部含まれることを特徴とする請求項1または2記載の接着剤組成物。
- 前記成分(C)が、前記成分(A)と成分(E)の合計100質量部に対して、5〜50質量部含まれることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の接着剤組成物。
- 前記成分(C)が、メタクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ブタジエン樹脂、ポリスチレン樹脂及びこれらの共重合体からなる群より選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂の粒子であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の接着剤組成物。
- 前記成分(C)のポリスチレン換算の数平均分子量が10,000〜100,000、重量平均分子量が100,000〜1,000,000であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の接着剤組成物。
- 前記成分(A)及び成分(E)の少なくともいずれかの成分が、シリコーンで変性した樹脂を含む、請求項1〜6のいずれか1項記載の接着剤組成物。
- 前記成分(F)が、成分(A)と成分(E)の合計100質量部に対して10〜200質量部含まれることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の接着剤組成物。
- E型粘度計により25℃において測定される接着剤組成物の粘度が、0.1〜500Pa・sである、請求項1〜8のいずれか1項記載の接着剤組成物。
- 請求項1〜9のいずれか1項記載の接着剤組成物を用いた半導体装置。
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