JP5019250B2 - サーボプレス設備とその制御方法 - Google Patents
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Description
しかし、搬送装置の動作を従来のように主駆動軸に同期させると、主駆動軸の回転速度を変化させるとそれにしたがって搬送装置の動作も変化するため、搬送装置の動作が滑らかにならず、把持しているワークを落としたり、搬送装置のモータトルクが瞬間的に過大となり保護装置が作動してしまうおそれがある。
(2)また、主駆動軸が工程の中途で一時的に逆転する場合には、主駆動軸の角度と搬送装置の位置が1対1に対応しないため、同期が取れなくなる。
(3)また、プレス加工する金型がワークに接触する瞬間や、切り落とし加工でワークが切り落とされる瞬間など、負荷が急変するタイミングで主駆動軸の回転にふらつきが生じるが、上述した従来の制御方法では、ふらついたクランク軸の回転に同期して搬送装置が動作しようとするため、搬送装置の動作もふらついて、把持しているワークを落としてしまったり、搬送装置のモータトルクが瞬間的に異常に大きくなり保護装置が作動してしまうという問題がある。
(4)プレス機械の生産性を向上させるためには、金型と搬送装置を衝突しないぎりぎりの範囲まで近づけて動作させることにより、プレス機械の成形動作と搬送装置の搬送動作ができるだけ間断なく行われることが望ましい。そのためには、金型と搬送装置の干渉をチェックしつつプレス機械のモーションカーブと搬送装置のモーションカーブを最適化する必要があるが、従来技術では搬送装置のモーションがプレス機械のモーションに依存するため、プレス機械のモーションと搬送装置のモーションを独立に変更することができず、モーションカーブの最適化が難しい。
(5)スクリュープレスのように、主駆動軸を有しない構成のサーボプレスも可能であるが、主駆動軸を有しないため、主駆動軸の回転をマスターとしてそれに同期させて搬送装置を動作させることができない、もしくは、プレスの動作と搬送装置の動作の連動を間欠的にしか行えない。
該制御装置は、前記サーボプレス装置と搬送装置の希望運転状態に応じて、時間の経過に従って値が変化するマスター信号を発生させるマスター信号発生器と、
前記マスター信号値の変化に同期してサーボプレス装置のスライド位置の指令値を一義的に出力するサーボプレス制御装置と、
前記マスター信号値の変化に同期して搬送装置の作動位置の指令値を一義的に出力する搬送制御装置とを有し、
少なくとも一部の経過時間範囲において、時間に対するマスター信号値の変化率が変化する、ことを特徴とするサーボプレス設備が提供される。
前記搬送制御装置は、マスター信号値に対応する搬送装置の作動位置を与えるモーションカーブを備えており、マスター信号値の変化に同期してそれに対応する作動位置に搬送装置を動かすように制御する。
また、前記搬送制御装置のモーションカーブは、搬送装置のフィード位置を与えるフィードモーションカーブと、搬送装置のリフト位置を与えるリフトモーションカーブとからなり、それぞれマスター信号値の変化に同期して変化する。
前記サーボプレス装置と搬送装置の希望運転状態に応じて、時間の経過に従って値が変化するマスター信号を発生させるマスター信号発生ステップと、
前記マスター信号値の変化に同期してサーボプレス装置のスライド位置の指令値を一義的に出力するサーボプレス制御ステップと、
前記マスター信号値の変化に同期して搬送装置の作動位置の指令値を一義的に出力する搬送制御ステップとを有し、
少なくとも一部の経過時間範囲において、時間に対するマスター信号値の変化率が変化する、ことを特徴とするサーボプレス設備の制御方法が提供される。
前記搬送制御ステップは、マスター信号値に対応する搬送装置の作動位置を与えるモーションカーブを記憶しており、マスター信号値の変化に同期してそれに対応する作動位置に搬送装置を動かすように制御する。
また、前記搬送制御ステップのモーションカーブは、搬送装置のフィード位置を与えるフィードモーションカーブと、搬送装置のリフト位置を与えるリフトモーションカーブとからなり、それぞれマスター信号値の変化に同期して変化する。
同様に、搬送装置のモーションを変えるときは搬送装置の作動位置を対応づけるモーションカーブを変えればよく、これによりサーボプレス装置のモーションカーブは影響されない。
従って、サーボプレス装置と搬送装置の両方をそれぞれ独立に調整・最適化できる。また、逆転を含むようなモーションカーブの設定も可能である。
スクリュープレスのように、主駆動軸を有しない構成のサーボプレスの場合でも、プレスの動作と搬送装置の動作を、時々刻々連動させることが可能である。
搬入側搬送装置・搬出側搬送装置の構成は以上の説明に限られるものではなく、搬入側搬送装置20と搬出側搬送装置30のどちらか一方のみしかない構成(搬出もしくは搬入動作は手動による)、搬入側搬送装置20と搬出側搬送装置30の両方の機能を一台で有する搬入搬出装置であってもよい。また、搬入側搬送装置20、搬出側搬送装置30の形式は任意であり、送り(フィード)と昇降(リフト)を別々の機構で行う装置であっても、ロボットアーム等で両方を同機構で行う装置であってもよい。クランプなど、フィードとリフト以外の動きの自由度を有する搬入搬出装置であってもよい。
ここで「希望運転状態に応じて」という意味は、「このように運転したい(正転したい・逆転したい・速くうごかしたい・ゆっくり動かしたい)という意図に応じて」という意味である。
希望運転状態に応じて変化させるのは、マスター信号の時間パターンであり、モーションカーブは希望運転状態にはよらない。
すなわち本願発明ではマスター信号とサーボプレス、あるいはマスター信号と搬送装置との同期関係をそのモーションカーブにて定義しており、「希望運転状態」と呼ぶ状態に応じてマスター信号の時間変化パターンを切り替える。
本発明の制御方法は、上述したサーボプレス装置10と搬送装置20,30とを備えたサーボプレス設備の制御方法である。
マスター信号1は、周期T毎にリセットされ、連続的に繰り返される。
従って、仮に周期T内の経過時間tとマスター信号1との関係を変更すれば(例えば、直線から任意の曲線への変更)、同じ時間tに対するマスター信号値1の値Mが変化するため、これに対応してスライド位置も変化する。
同様に、図3における(E)(F)は搬出側搬送装置30のフィード位置のモーションカーブとリフト位置のモーションカーブであり、マスター信号値Mの変化に同期してそれに対応する作動位置に搬送装置を動かすように制御するようになっている。
搬送装置20,30も、仮に周期T内の経過時間tとマスター信号1との関係を変更すれば(例えば、直線から曲線への変更)、同じ時間tに対するマスター信号値1の値Mが変化するため、これに対応して作動位置も変化する。
サーボプレス装置と搬送装置の希望運転状態を変えたいときは、図4に示すように、時間に対してマスター信号を変化させることにより実現できる。たとえば、サイクルタイムを変化させたい場合は、(A)に示すように、マスター信号の一周期の時間を周期ごとに変化させたり、(B)に示すように、時間に対するマスター信号の変化率を連続的に変化させる。
また、任意の場所で停止させたい場合には(C)に示すようにマスター信号の値を一定とすればよく、サーボプレス装置と搬送装置を正転から一度停止してさらに逆転させたい場合には、(D)に示すように時間に対するマスター信号の変化方向を逆転させればよい。
図5において、上述したサーボプレス装置10は、プレス機械100に相当する。プレス機械100は以下のように構成される。
メインモータ101の回転がスライド駆動機構102で直線動に変換され、スライド103を上下動させる。スライド103には上金型104が取り付けられており、スライド103と共に上下動する。
メインモータ制御器122は、エンコーダ121が検出したメインモータ101の回転角をスライド駆動機構102の寸法に基づいて得られるスライド103の現在位置と、スライド位置指令生成器141から与えられるスライド位置指令値とに基づいて、メインモータ101に対するトルク指令値を生成する。
メインモータアンプ123は、メインモータ101がトルク指令値に従ってトルクを発生するように、メインモータ101へ供給される電流・電圧・電力を変化させる。
リフト方向(図中の上下方向)に対しても、同様の構成と作用を有する搬入側搬送装置リフトエンコーダ224、搬入側搬送装置リフトモータ制御器225、搬入側搬送装置リフトモータアンプ226が設けられている。
フィード機構やリフト機構としては、モータの回転をボールスクリューで直線動に変える方法や、モータの回転をギアで減速し、ピニオンラック方式により直線動に変える方法などがある。
図5及び図6ではマスター信号が一定レートで変化する例、すなわちサーボプレスと搬送装置がサイクルタイム一定で正転する例を示したが、図4に示すように、マスター信号のレートを途中で変化させたり、レートをゼロにすることにより、サーボプレスと搬送装置のサイクルタイムを変えたり、途中で停止させたり、逆転させたりすることができる。
同様に、搬送装置20,30のモーションを変えるときは搬送装置の作動位置を対応づけるモーションカーブを変えればよく、これによりサーボプレス装置10のモーションカーブは影響されない。
従って、サーボプレス装置と搬送装置の両方をそれぞれ独立に調整・最適化できる。また、逆転を含むようなモーションカーブの設定も可能である。
スクリュープレスのように、主駆動軸を有しない構成のサーボプレスの場合でも、プレスの動作と搬送装置の動作を、時々刻々連動させることが可能となる。
11 サーボモータ、13 動力伝達機構、14 スライド
20 搬入側搬送装置、30 搬出側搬送装置、
40 制御装置、42 マスター信号発生器、
44 サーボプレス制御装置、46 搬送制御装置、
46A 搬入側搬送制御装置、46B 搬出側搬送制御装置、
Claims (8)
- サーボモータでスライドを駆動するサーボプレス装置と、該サーボプレス装置にワークを搬入又は搬出する搬送装置と、前記サーボプレス装置と搬送装置を制御する制御装置とを備え、
該制御装置は、前記サーボプレス装置と搬送装置の希望運転状態に応じて、時間の経過に従って値が変化するマスター信号を発生させるマスター信号発生器と、
前記マスター信号値の変化に同期してサーボプレス装置のスライド位置の指令値を一義的に出力するサーボプレス制御装置と、
前記マスター信号値の変化に同期して搬送装置の作動位置の指令値を一義的に出力する搬送制御装置とを有し、
少なくとも一部の経過時間範囲において、時間に対するマスター信号値の変化率が変化する、ことを特徴とするサーボプレス設備。 - 前記サーボプレス制御装置は、マスター信号値に対応するスライド位置を与えるモーションカーブを備えており、マスター信号値の変化に同期してそれに対応する位置指令値にスライドを動かすように制御し、
前記搬送制御装置は、マスター信号値に対応する搬送装置の作動位置を与えるモーションカーブを備えており、マスター信号値の変化に同期してそれに対応する作動位置に搬送装置を動かすように制御する、ことを特徴とする請求項1に記載のサーボプレス設備。 - 前記搬送制御装置のモーションカーブは、搬送装置の独立した動作軸ごとに、その軸の位置を与える独立したモーションカーブからなり、それぞれマスター信号値の変化に同期して変化する、ことを特徴とする請求項2に記載のサーボプレス設備。
- 前記搬送制御装置のモーションカーブは、搬送装置のフィード位置を与えるフィードモーションカーブと、搬送装置のリフト位置を与えるリフトモーションカーブとからなり、それぞれマスター信号値の変化に同期して変化する、ことを特徴とする請求項2に記載のサーボプレス設備。
- サーボモータでスライドを駆動するサーボプレス装置と、該サーボプレス装置にワークを搬入又は搬出する搬送装置とを備えたサーボプレス設備の制御方法であって、
前記サーボプレス装置と搬送装置の希望運転状態に応じて、時間の経過に従って値が変化するマスター信号を発生させるマスター信号発生ステップと、
前記マスター信号値の変化に同期してサーボプレス装置のスライド位置の指令値を一義的に出力するサーボプレス制御ステップと、
前記マスター信号値の変化に同期して搬送装置の作動位置の指令値を一義的に出力する搬送制御ステップとを有し、
少なくとも一部の経過時間範囲において、時間に対するマスター信号値の変化率が変化する、ことを特徴とするサーボプレス設備の制御方法。 - 前記サーボプレス制御ステップは、マスター信号値に対応するスライド位置を与えるモーションカーブを記憶しており、マスター信号値の変化に同期してそれに対応する位置指令値にスライドを動かすように制御し、
前記搬送制御ステップは、マスター信号値に対応する搬送装置の作動位置を与えるモーションカーブを記憶しており、マスター信号値の変化に同期してそれに対応する作動位置に搬送装置を動かすように制御する、ことを特徴とする請求項5に記載のサーボプレス設備の制御方法。 - 前記搬送制御ステップのモーションカーブは、搬送装置の独立した動作軸ごとに、その軸の位置を与える独立したモーションカーブからなり、それぞれマスター信号値の変化に同期して変化する、ことを特徴とする請求項6に記載のサーボプレス設備の制御方法。
- 前記搬送制御ステップのモーションカーブは、搬送装置のフィード位置を与えるフィードモーションカーブと、搬送装置のリフト位置を与えるリフトモーションカーブとからなり、それぞれマスター信号値の変化に同期して変化する、ことを特徴とする請求項6に記載のサーボプレス設備の制御方法。
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