JP4010874B2 - トランスファプレスのサーボモータ駆動によるワーク搬送装置およびその制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トランスファプレスのサーボモータ駆動によるワーク搬送装置およびその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からトランスファプレスのワーク搬送装置として用いられるトランスファフィーダは、ワーク搬送方向に対して左右1対のフィードバーを備え、この左右1対のフィードバーを図5に示すように、トランスファプレスのスライドの昇降動に同期して、ワーク搬送方向(アドバンスおよびリターン)と、上下方向(アップおよびダウン)と、左右方向(クランプおよびアンクランプ)とにそれぞれ移動させている。そして、近年の少量多品種生産にフレキシブルに対応するために、上記3軸方向(それぞれフィード軸、リフト軸、クランプ軸と呼ぶ)のストローク長さ、およびスライドの動きに対するモーションタイミングをワークに応じて適切に制御できるように、各軸を電動サーボモータで駆動するようにしたサーボトランスファフィーダが多く使用されている。
【0003】
従来のサーボトランスファフィーダの制御装置の構成を、図6により説明する。スライドに同期させるためのスライドのクランク角度(以下、簡単にプレス角度と言う)を例えばロータリエンコーダからなるプレス角度検出器11で検出している。フィード軸、リフト軸、クランプ軸をそれぞれ駆動する各軸サーボモータ14,16,18は、対応する各軸サーボアンプ13,15,17で制御される。そして、制御器10には、予め、ワークに応じて、プレス角度と各軸のストローク位置との関係を表したモーションデータが記憶されており、制御器10は、実加工時に、所定のサーボ演算周期毎にプレス角度検出器11で検出したプレス角度を取り込み、このプレス角度にそれぞれ対応する3軸のストローク位置を前記モーションデータから求め、求めた各軸ストローク位置にそれぞれ所定速度で移動するように、各軸サーボ位置指令および速度指令を演算し、前記各軸サーボアンプ13,15,17に出力する。なお、各軸サーボモータ14,16,18には図示しないパルスエンコーダが装着されており、速度信号および位置信号として各軸サーボアンプ13,15,17にそれぞれフィードバックされている。
【0004】
上記構成により、スライドのプレス角度に同期して、予め設定されたモーションカーブに従ってフィード軸、リフト軸、クランプ軸の3軸が位置制御されるので、トランスファフィーダはスライドと同期して干渉無くワークを次工程に搬送できる。
【0005】
ところが、スライド下死点近傍での成形加工時に、スライド加圧力やその加圧力の抜ける反動によってプレス本体フレームに振動が発生する。そして、プレス角度検出器11がクランク軸の駆動系の中間軸にカップリングを介して連結されているため、本体フレームの振動の影響を受けて、この連結された中間軸の回転方向の振動が発生し、これによりプレス角度検出器11で検出されるプレス角度信号には振動的な信号がノイズとして混入することになる。このため、制御装置はこのプレス角度信号の振動にも忠実に同期して各軸のモーションを制御しようとするので、各軸の挙動が振動的になり、特に図5に示す行程Aでのフィード軸のリターン中の振動、騒音が大きく、サーボモータ14に過負荷がかかるという問題が生じる。
【0006】
このような問題を解決するために、プレス角度信号の振動成分を除去して滑らかな信号を得て、これにより各軸挙動の振動を抑制する振動抑制機能を備えたものが提案されている。これは、プレス角度信号の入力系統に、該信号の高周波領域をカットするローパスフィルタ的な振動抑制部を設け、この振動抑制部でノイズが除去されたプレス角度信号に同期させて、各軸モーションを制御するものである。これにより、本体フレームの振動の影響を無くして、トランスファフィーダの各軸モーションの振動を無くしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の振動抑制機能を用いた制御時には、振動抑制部の抑制効果の度合いを決定するための制御パラメータの設定値を一定のままとしていたため、常時、振動抑制効果が大きく、すなわち振動抑制部の等価的な高周波領域信号カット周波数が低い領域に設定されている。このため、トランスファフィーダの1サイクル動作中の挙動はプレス振動の影響を受けずに滑らかに制御されるが、一方で、搬送行程全般に亘って、予め設定された各軸のモーションカーブからのずれ量が大きくなっている。つまり、プレス角度信号の高周波領域カットに伴い、得られたプレス角度信号の実プレス角度に対するずれが生じることになり、このため各軸の実制御時のモーションが同期ずれを起こしてしまう。
【0008】
従って、ワークの種別によっては、金型の形状、大きさや工程間距離などとの関係から、各軸のモーションと金型との干渉が無いように各軸のストローク長さや動作タイミング等を厳密に設定し、その上で各軸を精度良く位置サーボ制御しなければならない場合があるが、この場合に上記のような各軸の実制御時のモーションの同期ずれが生じると、トランスファフィーダのハンドやワークと金型との干渉が発生する畏れがある。また、これを避けるために、反対に搬送行程全般に亘って振動抑制効果を小さく(等価的な高域カット周波数を高い領域に設定)すると、プレス振動の影響を受け易く各軸の充分な振動抑制ができないという問題が生じる。
【0009】
本発明は、上記の問題点に着目してなされたもので、プレス振動の影響を受けずに、しかもモーションの同期ずれによる干渉を無くすことができるトランスファプレスのサーボモータ駆動によるワーク搬送装置およびその制御方法を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
上記目的を達成するため、第1発明は、
トランスファプレスのサーボモータ駆動によるワーク搬送装置において、
1サイクル中のスライド位置に相当するプレス角度を検出するプレス角度検出器と、
設定自在なパラメータに応じて、前記プレス角度検出器(11)により検出されたプレス角度信号の高域の振動成分を除去するローパスフィルタ機能による振動抑制の効果を可変とし、この振動成分を除去されたプレス角度信号を出力する振動抑制部と、
実制御中に振動抑制部のパラメータをプレス角度範囲に応じて変更するパラメータ設定部と、
前記振動抑制部からの前記振動成分が除去されたプレス角度信号に同期して、前記サーボモータの回転を制御するモーションサーボ演算部とを備えた構成としている。
【0011】
第1発明によれば、実制御中に振動抑制部のパラメータを選択的に変更して、該振動抑制部でのプレス角度信号の高域の振動成分を除去するローパスフィルタ機能による振動抑制の効果を変更することが可能であるため、プレス成形時の振動の影響が大きい行程では前記効果を大きくすることにより、この振動によるワーク搬送装置のサーボモータ制御時の振動の影響を無くすことができ、プレス成形時の振動の影響が小さい行程では前記効果を小さくすることにより、ワーク搬送装置のサーボモータ制御のモーションずれを少なくすることができる。従って、プレス振動による影響を適切なタイミングで抑制して、ワーク搬送装置を制御できる。ここで、通常プレス振動が大きいのは成形開始直前から成形終了直後までのプレス行程の範囲であり、これは制御上では所定のプレス角度範囲(例えば170度〜200度)に相当しており、従ってこのプレス角度範囲に応じて振動抑制の効果を変更するので、簡単な方法で適切に振動抑制の制御とモーションの同期ずれ量の抑制制御とを交互に行うことができる。
【0012】
前記発明において、前記パラメータ設定部 (23) は、ワーク搬送方向がアドバンス方向のときには、前記振動抑制の効果が小さくなるように前記パラメータを設定し、ワーク搬送方向がリターン方向のときには、前記振動抑制の効果が大きくなるように前記パラメータを設定するのが好ましい(第2発明)。
【0013】
第2発明によれば、ワーク搬送装置のアドバンス動の時は、プレス振動が無いから振動抑制の効果を小さく設定して制御することにより、モーションの同期ずれ量を小さくして金型やスライドとの干渉を防止でき、一方リターン動の時には、金型やスライドとの干渉の可能性が無い代わりにプレス振動が大きいから、振動抑制の効果を大きく設定して制御することにより、プレス振動の影響を受けることなくワーク搬送制御時の騒音低減およびサーボモータの過負荷防止ができる。
【0014】
第3発明は、トランスファプレスのサーボモータ駆動によるワーク搬送装置の制御方法において、
プレス角度検出器で検出したプレス角度信号の高域の振動成分を除去するローパスフィルタ機能による振動抑制の効果を可変とし、
実制御中に前記ローパスフィルタ機能におけるフィルタ特性を、プレス角度範囲に応じて変更できるようにし、
前記ローパスフィルタ機能により振動成分が除去されたプレス角度信号に同期して、前記サーボモータの回転を制御する方法としている。
【0015】
第3発明によれば、実制御中にプレス角度信号の振動成分を除去する効果を選択的にすることが可能であるため、プレス成形時の振動の影響が大きい行程では前記効果を大きくすることにより、この振動によるワーク搬送装置のサーボモータ制御時の振動の影響を無くすことができ、プレス成形時の振動の影響が小さい行程では前記効果を小さくすることにより、ワーク搬送装置のサーボモータ制御のモーション同期ずれを少なくすることができる。従って、プレス振動による影響を適切なタイミングで抑制して、ワーク搬送装置を制御できる。
【0016】
第4発明は、第3発明において、ワーク搬送方向がアドバンス方向のときには、前記振動抑制の効果が小さくなるように前記フィルタ特性を設定し、ワーク搬送方向がリターン方向のときには、前記振動抑制の効果が大きくなるように前記フィルタ特性を設定する方法としている。
【0017】
第4発明によれば、ワーク搬送装置のアドバンス動の時は、プレス振動が無いから振動抑制の効果を小さく設定して制御することにより、モーションの同期ずれ量を小さくして金型やスライドとの干渉を防止でき、一方リターン動の時には、金型やスライドとの干渉の可能性が無い代わりにプレス振動が大きいから、振動抑制の効果を大きく設定して制御することにより、プレス振動の影響を受けることなくワーク搬送制御時の騒音低減およびサーボモータの過負荷防止ができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、図1〜図4を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明に係る制御装置のハード構成ブロック図である。なお、図1で、図6の構成要素と同一の構成要素には同一符号を付しており、以下ではその説明を省く。
【0019】
第1のプレス角度検出器11と第2のプレス角度検出器12を備えている。第1のプレス角度検出器11は、スライド動に同期させてワーク搬送装置を制御するためのプレス角度θa(スライドのクランク回転角度に対応する)を検出しており、例えばロータリエンコーダなどのように、ワーク搬送装置のモーション制御の位置精度が充分に得られるような所定パルス分解能でクランク回転角度を検出可能な回転センサにより構成される。第2のプレス角度検出器12は、振動抑制制御の効果を変更するタイミングのプレス角度範囲の判定に用いるプレス角度θbを検出するものであり、本例ではプレス振動の影響を受け難い構成の、例えばロータリカム装置で構成されている。このロータリカム装置は、クランク軸と同期して回転するスライド駆動系中間軸に連結されたロータリ軸に設けた複数のカムと、該複数のカムによってオン/オフ作動するリミットスイッチとを有する一般的なロータリカム機構を備えており、前記リミットスイッチの作動するプレス角度範囲が任意に設定可能に構成されている。それぞれのプレス角度θa,θbの信号は、制御器20に入力される。
【0020】
制御器20は、コンピュータ装置やプログラマブルロジックコントローラ(いわゆるPLC)等の高速演算装置を有している。制御器20には、予め、ワークに応じて、プレス角度と各軸(フィード軸、リフト軸、クランプ軸)のストローク位置との関係を表したモーションデータが記憶されている。そして、実加工時に、所定のサーボ演算周期毎に前記プレス角度θa,θbを入力し、同期用のプレス角度θaにそれぞれ対応する3軸のストローク位置を前記モーションデータから求め、求めた各軸ストローク位置にそれぞれ所定速度で移動するように、各軸サーボ位置指令および速度指令を演算し、各軸サーボアンプ13,15,17に出力すると共に、前記振動抑制制御の変更タイミング用のプレス角度θbに基づき、後述するような所定の演算処理を行って各軸の上記サーボ制御時の振動抑制効果の変更処理を行なっている。
【0021】
図2は、本発明に係る制御機能ブロック図であり、図2により各制御機能を説明する。
第1のプレス角度入力部21は前記第1のプレス角度検出器11の検出したプレス角度θaを入力し、振動抑制部24に出力する。
また第2のプレス角度入力部22は前記第2のプレス角度検出器12の検出したプレス角度θbを入力し、パラメータ設定部23に出力する。
【0022】
パラメータ設定部23は、プレス角度θbに応じて振動抑制部24のパラメータを設定するものである。すなわち、予め、複数のプレス角度範囲と、この範囲に対応するパラメータ設定値とを記憶しており、実制御時には、入力したプレス角度θbが含まれるプレス角度範囲を割り出し、このプレス角度範囲に対応する前記パラメータ設定値を振動抑制部24に出力して、振動抑制部24のパラメータを設定する。本実施形態では、θ1〜θ2(例えばプレス下死点(180度)を含む170度〜200度)の第1の範囲とそれ以外の第2の範囲との2つのプレス角度範囲に分けられ、第1の範囲では振動抑制効果が当該ワーク成形時の振動量に応じた大きさになるように、また第2の範囲では振動抑制効果が小さな値になるように、それぞれの範囲の各パラメータを設定している。
【0023】
振動抑制部24は、第1のプレス角度入力部21から入力したプレス角度θaの信号に対して、所定周波数以上の高域の振動成分をカット(つまり抑制)する所謂ローパスフィルタ機能を有している。このときのカット周波数や高域での信号ゲインの減衰傾きなどのフィルタ特性は、前記パラメータ設定部23により設定されたパラメータにより決定されるようになっている。これにより、所定周波数以上の高域の振動成分が除去されたプレス角度信号θsは、モーションサーボ演算部25に出力される。
【0024】
設定モーション記憶部26は、予めワーク毎に設定された各軸(フィード軸、リフト軸、クランプ軸)のモーションデータを記憶している。このモーションデータとしては、各軸のストローク長さ、そのストロークの動作開始プレス角度と動作終了プレス角度などが設定される。これらのモーションデータに基づき、プレス角度と各軸のモーションとの関係が決定されるものである。
【0025】
モーションサーボ演算部25は、前記設定モーション記憶部26に記憶したモーションデータから求められるモーションカーブを算出し、前記振動抑制部24から入力したプレス角度信号θsに対応する各軸のモーション上の位置を、前記算出したモーションカーブにより求める。そして、この求めた各軸のモーション上の位置に基づいて各軸目標位置をそれぞれ演算して、各軸サーボアンプ13,15,17にそれぞれ出力する。
【0026】
次に、図3に示す制御フローチャートにより、制御手順を説明する。
まず、ステップS1で、プレス角度θa,θbを取り込む。(プレス角度入力部21,22)次にステップS2で、このプレス角度θbが「θ1≦θb≦θ2」を満たすかをチェックし、満たすときにはステップS3で、パラメータを振動抑制効果が大きくなるように設定し、満たさないときにはステップS4で、パラメータを振動抑制効果が小さくなるように設定する。(パラメータ設定部23)次いで、ステップS5で、この設定したパラメータにより決定されるフィルタ特性に基づき、前記入力したプレス角度θaの高周波域の信号を除去したプレス角度θsを得る。(振動抑制部24)そして、ステップS6で、この得られたプレス角度θsに基づき、予め設定されたモーションデータから、各軸サーボの目標位置指令値を演算し、ステップS7で、この指令を各軸サーボアンプ13,15,17にそれぞれ出力する。(モーションサーボ演算部25)この後、ステップS1に戻って以上の処理を繰り返す。
【0027】
次に、本実施形態による効果を、図4を参照して説明する。図4は振動抑制効果の説明図であり、図4(a) はプレス速度、すなわちプレス角度検出器11の回転速度を表し、図4(b) は従来技術による振動抑制効果を全搬送行程で小さくしたときのフィード軸速度、図4(c) は本発明によるフィード軸速度をそれぞれ表している。
【0028】
振動抑制部24の振動抑制効果の大きさ、すなわちフィルタ特性を決めるパラメータを、実制御中に選択的に変更するようにしたため、ワーク搬送装置のそれぞれの行程によって異なる、各軸のモーションに対する位置決め精度の要求度、およびプレス振動の影響度を考慮して、それぞれの搬送行程に応じて適切なタイミングで振動抑制効果を設定できる。
【0029】
このとき、図4(a) に示すように、下死点(プレス角度=180度)をはさんでプレス成形開始直前から成形完了後の所定プレス角度範囲の搬送行程Fr(多くの場合、リターン行程である)では、プレス振動が大きいのでプレス速度の変動が大きく、反対に金型との干渉の可能性が少ないのでプレス角度との同期精度は厳しくない。このため、搬送行程Frでの振動抑制効果が大きくなるようにパラメータを設定することにより、プレス振動によるプレス角度θaの信号の振動成分の影響が除去されて、図4(c) に示すように、各軸ストローク制御時の振動や騒音を低減でき、従って各軸サーボモータ14,16,18の過負荷発生を未然に防止できる。
【0030】
一方、上記以外のプレス角度範囲の搬送行程Faでは、図4(a) に示すように、プレス振動は小さいが、スライド作動空間、すなわち上下金型間の空間で各軸が移動することが多いので各軸モーションのプレス角度との同期精度は厳しい。このため、上記搬送行程Faで、振動抑制効果が小さくなるようにパラメータを設定することにより、図4(c) に示すように、各軸のストローク制御時の設定モーションからの同期ずれ量を小さくモーション制御できる。これにより、金型近傍でのワーク搬送装置と金型やスライドとの干渉を確実に防止できる。
【0031】
このように、それぞれの搬送行程に合わせて振動抑制効果を選択的に変更するので、搬送行程別に適合した同期精度と抑制効果とが共に得られる。すなわち、従来は、例えば図4(b) に示すように同期精度の方を重視して振動抑制効果が小さいような全搬送行程で一定のパラメータに設定すると、搬送行程Frでの各軸(このときにはフィード軸)ストローク制御時の振動が発生する。本発明によると、プレス振動の大きな搬送行程Frでの振動抑制効果とその他の搬送行程Faでの同期精度とを共に得ることができる。従って、各種金型の形状や大きさ等に適合したモーションでワーク搬送装置の各軸ストロークをプレス振動の影響を受けずにスムーズに制御できる。
【0032】
そして、所定のプレス角度範囲に応じて振動抑制効果を変更するようにしたので、搬送行程に合わせてそれぞれのプレス角度範囲とその振動抑制効果を設定することにより、各搬送行程に適合した抑制効果及びモーション同期精度を有する制御が容易にできる。
【0033】
なお、上記実施形態では、振動抑制効果を変更する搬送行程(プレス角度範囲)の数を1サイクル中で2箇所設定した例で説明したが、本発明の主旨は2箇所に限定されず、少なくとも2箇所以上設定すればよい。この場合、上記プレス角度範囲を複数段階に設定することにより、設定モーションからの同期ずれ量の大きさを徐々に変化させて急激な位置変化を回避することができる。
【0034】
また、同期制御用のプレス角度θaと、振動抑制効果を変更するタイミングの制御用のプレス角度θbとを、異なるプレス角度検出器11,12でそれぞれ検出しているが、これに限定されず、例えば同期制御用のプレス角度θa信号を所定のローパスフィルタを介して得た信号を、振動抑制効果変更のタイミング制御用のプレス角度θb信号として用いても構わない。この場合、振動抑制効果変更のタイミングを決めるプレス角度範囲は、所定の余裕を持って設定すればよい。
また、上記実施形態では、カムとリミットスイッチを備えた機械式ロータリカムを用いていたが、電気式ロータリカムを用いてもよい。電気式ロータリカムを用いると、プレス角度範囲の設定変更が容易に行えるので作業性がよい。
【0035】
また、ワーク搬送装置の各軸には、それぞれ1個のサーボモータを設けているが、複数のサーボモータを設けてもよい。
さらに、ワーク搬送装置の例として、2本のフィードバーをフィード軸、リフト軸、クランプ軸方向に同期駆動するトランスファフィーダを用いて説明したが、これに限定されず、フィード軸、リフト軸の2軸を駆動するものであってもよいし、または、上下方向(リフト軸)移動自在とされたリフトビームに、該ビームの長手方向(フィード軸)に沿って移動自在とされた複数のキャリアを設け、対向するキャリア間にクロスバーを架設し、それぞれのクロスバーにバキューム等により吸着自在とされた把持手段を設けたクロスバータイプのものであっても構わない。
【0036】
以上説明したように、本発明によると以下の効果が得られる。
プレス振動に起因するプレス角度信号の振動成分を除去する振動抑制部のその抑制機能において、その効果をプレス1サイクル中で複数の所定範囲でそれぞれ所定値に変更するようにしたので、同期精度の要求される範囲と、振動抑制効果が要求される範囲とを任意に設定することにより、搬送行程に合わせて両者を適切に設定できる。従って、ワーク毎に適切なモーションを設定でき、またプレス振動の影響を受けずに滑らかにワーク搬送装置のモーションを制御できるので、騒音低減およびサーボモータの過負荷防止ができる。
【0037】
そして、プレス角度範囲によって上記の振動抑制効果の変更タイミングを設定するので、簡単な方法で適切に振動抑制の制御とモーションの同期ずれ量の抑制制御とを交互に行なうことができる。
また、ワーク搬送装置のアドバンス動の時に、振動抑制効果を小さく設定して制御することにより、モーションの同期ずれ量を小さくして金型やスライドとの干渉を防止でき、一方リターン動の時には、振動抑制の効果を大きく設定して制御することにより、プレス振動の影響を受けることなくワーク搬送制御時の騒音低減およびサーボモータの過負荷防止ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る制御装置のハード構成ブロック図である。
【図2】本発明に係る制御機能ブロック図である。
【図3】実施形態に係る制御フローチャートである。
【図4】振動抑制効果の説明図である。
【図5】ワーク搬送装置の各軸動作の説明図である。
【図6】従来のサーボトランスファフィーダ制御装置のハード構成ブロック図である。
【符号の説明】
10…制御器、11…プレス角度検出器、12…プレス角度検出器、13…フィード軸サーボアンプ、14…フィード軸サーボモータ、15…リフト軸サーボアンプ、16…リフト軸サーボモータ、17…クランプ軸サーボアンプ、18…クランプ軸サーボモータ、20…制御器、21…プレス角度入力部、22…プレス角度入力部、23…パラメータ設定部、24…振動抑制部、25…モーションサーボ演算部、26…設定モーション記憶部。
Claims (4)
- トランスファプレスのサーボモータ駆動によるワーク搬送装置において、
1サイクル中のスライド位置に相当するプレス角度を検出するプレス角度検出器(11)と、
設定自在なパラメータに応じて、前記プレス角度検出器(11)により検出されたプレス角度信号の高域の振動成分を除去するローパスフィルタ機能による振動抑制の効果を可変とし、この振動成分を除去されたプレス角度信号を出力する振動抑制部(24)と、
実制御中に振動抑制部(24)のパラメータをプレス角度範囲に応じて変更するパラメータ設定部(23)と、
前記振動抑制部(24)からの前記振動成分が除去されたプレス角度信号に同期して、前記サーボモータの回転を制御するモーションサーボ演算部(25)とを備えた
ことを特徴とするトランスファプレスのサーボモータ駆動によるワーク搬送装置。 - 前記パラメータ設定部(23)は、ワーク搬送方向がアドバンス方向のときには、前記振動抑制の効果が小さくなるように前記パラメータを設定し、ワーク搬送方向がリターン方向のときには、前記振動抑制の効果が大きくなるように前記パラメータを設定する請求項1に記載のトランスファプレスのサーボモータ駆動によるワーク搬送装置。
- トランスファプレスのサーボモータ駆動によるワーク搬送装置の制御方法において、
プレス角度検出器(11)で検出したプレス角度信号の高域の振動成分を除去するローパスフィルタ機能による振動抑制の効果を可変とし、
実制御中に前記ローパスフィルタ機能におけるフィルタ特性を、プレス角度範囲に応じて変更できるようにし、
前記ローパスフィルタ機能により振動成分が除去されたプレス角度信号に同期して、前記サーボモータの回転を制御する
ことを特徴とするトランスファプレスのサーボモータ駆動によるワーク搬送装置の制御方法。 - ワーク搬送方向がアドバンス方向のときには、前記振動抑制の効果が小さくなるように前記フィルタ特性を設定し、ワーク搬送方向がリターン方向のときには、前記振動抑制の効果が大きくなるように前記フィルタ特性を設定する請求項3に記載のトランスファプレスのサーボモータ駆動によるワーク搬送装置の制御方法。
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