JP5017799B2 - トラクタ - Google Patents
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Description
この発明が解決しようとする課題は、前記湿式多板形態の油圧クラッチで構成された変速装置を、走行状態に応じた昇圧とし、車両の操作性及び変速フィーリングを損なわない車両の変速制御装置を提供することにある。
また、故障により複数の変速装置に油圧が作動しなくなる状態や、故障により複数の変速装置に油圧が作用し続ける状態においても、複数の変速装置は所定速で動力を伝達できるようにして油圧が故障しても走行可能にする。
即ち、エンジン(5)の回転を、主クラッチ装置と、湿式多板形態の高低切替クラッチを有する複数の変速装置(9a,9b,9c)とを介して走行装置(2,3)へ伝達するトラクタであって、
前記主クラッチ装置は、湿式多板形態の前進クラッチ(A)及び後進クラッチ(B)からなる前後進切替装置(8)で構成し、
前記主クラッチ装置に、比例制御弁(121)への通電操作でクラッチディスクの圧着状態を調整するアクチュエータ(46)を備え、
前記各変速装置(9a,9b,9c)に、比例制御弁(123,124,125)への通電操作でクラッチディスクの圧着状態を調整するアクチュエータ(63,263,264)を備え、
第一主変速装置(9a)の第一高低切替クラッチ(C,D)と前後進クラッチ(A,B)は、固定ドラム(50)に対して中央の仕切壁(55)を挟んで前側に前後進クラッチ(A,B)を設け、仕切壁(55)の後側に第一高低切替クラッチ(C,D)を設ける構成とし、
前進クラッチ(A)は後進クラッチ(B)よりも半径方向内側に配置して前進クラッチ(A)と後進クラッチ(B)は前後方向で重なる構成とし、第一主変速装置(9a)の低速クラッチ(C)は高速クラッチ(D)よりも半径方向内側に配置して低速クラッチ(C)と高速クラッチ(D)は前後方向で重なる構成とし、
第一主変速装置(9a)の後方に第二主変速装置(9b)と第三主変速装置(9c)を備え、
第二主変速装置(9b)の高低クラッチ(E,F)と第三主変速装置(9c)の高低クラッチ(G,H)は、固定ドラム(250)に対して中央の仕切壁(255)を挟んで前側に第二主変速装置(9b)の高低クラッチ(E,F)を設け、仕切壁(255)の後側に第三主変速装置(9c)の高低クラッチ(G,H)を設ける構成とし、
第二主変速装置(9b)の低速クラッチ(F)は高速クラッチ(E)に対して半径方向外側に配置して低速クラッチ(F)と高速クラッチ(E)は前後方向で重なる構成とし、第三主変速装置(9c)の低速クラッチ(H)は高速クラッチ(G)に対して半径方向外側に配置して低速クラッチ(H)と高速クラッチ(G)は前後方向で重なる構成とし、
前記第一主変速装置(9a)、第二主変速装置(9b)及び第三主変速装置(9c)に油圧が作用しない状態でも第一主変速装置(9a)、第二主変速装置(9b)及び第三主変速装置(9c)は所定速で動力伝達するように構成したことを特徴とするトラクタとした。
以上のように構成した請求項1の発明では、油圧が故障して油圧が作用しない状態でも第一主変速装置(9a)、第二主変速装置(9b)及び第三主変速装置(9c)は所定速で動力伝達する。
前記主クラッチ装置は、湿式多板形態の前進クラッチ(A)及び後進クラッチ(B)からなる前後進切替装置(8)で構成し、
前記主クラッチ装置に、比例制御弁(121)への通電操作でクラッチディスクの圧着状態を調整するアクチュエータ(46)を備え、
前記各変速装置(9a,9b,9c)に、比例制御弁(123,124,125)への通電操作でクラッチディスクの圧着状態を調整するアクチュエータ(63,263,264)を備え、
第一主変速装置(9a)の第一高低切替クラッチ(C,D)と前後進クラッチ(A,B)は、固定ドラム(50)に対して中央の仕切壁(55)を挟んで前側に前後進クラッチ(A,B)を設け、仕切壁(55)の後側に第一高低切替クラッチ(C,D)を設ける構成とし、
前進クラッチ(A)は後進クラッチ(B)よりも半径方向内側に配置して前進クラッチ(A)と後進クラッチ(B)は前後方向で重なる構成とし、第一主変速装置(9a)の低速クラッチ(C)は高速クラッチ(D)よりも半径方向内側に配置して低速クラッチ(C)と高速クラッチ(D)は前後方向で重なる構成とし、
第一主変速装置(9a)の後方に第二主変速装置(9b)と第三主変速装置(9c)を備え、
第二主変速装置(9b)の高低クラッチ(E,F)と第三主変速装置(9c)の高低クラッチ(G,H)は、固定ドラム(250)に対して中央の仕切壁(255)を挟んで前側に第二主変速装置(9b)の高低クラッチ(E,F)を設け、仕切壁(255)の後側に第三主変速装置(9c)の高低クラッチ(G,H)を設ける構成とし、
第二主変速装置(9b)の低速クラッチ(F)は高速クラッチ(E)に対して半径方向外側に配置して低速クラッチ(F)と高速クラッチ(E)は前後方向で重なる構成とし、第三主変速装置(9c)の低速クラッチ(H)は高速クラッチ(G)に対して半径方向外側に配置して低速クラッチ(H)と高速クラッチ(G)は前後方向で重なる構成とし、
前記第一主変速装置(9a)、第二主変速装置(9b)及び第三主変速装置(9c)に油圧が作動し続ける状態でも第一主変速装置(9a)、第二主変速装置(9b)及び第三主変速装置(9c)は所定速で動力伝達する構成としたことを特徴とするトラクタとした。
(請求項2の作用)
以上のように構成した請求項2の発明では、油圧が故障して油圧が作用し続ける状態でも第一主変速装置(9a)、第二主変速装置(9b)及び第三主変速装置(9c)は所定速で動力伝達する。
図1はトラクタ1の側面図である。このトラクタ1は、走行装置として左右前輪2,2と左右後輪3,3を備え、ボンネット4内に搭載したエンジン5の回転動力をミッションケース6内の変速装置によって適宜減速し、その回転動力を前記前輪2,2と後輪3,3に伝達するように構成している。
前記エンジン5の後部には、前面にフライホイール25を収納し且つ後面にベアリング取付穴を備えたフライホイールケース26を連結し、更にこのケース26後部に、前記フライホイール15と一体の出力軸27端部のサンギヤ27a、及び同ギヤ27aにより駆動される遊星ギヤ機構28等を内装するミッションケース6を連結する構成となっている。
詳しくは、前記前後進切替装置8及び第一主変速装置9aを収容する前側の変速ユニット83に対して4段変速が可能な後側の変速ユニット84が設けられ、この変速ユニット84は、前記前側の変速ユニット83のうち、第一主変速装置9aの部分だけを取り出してこれを前後対称に設けて、第二主変速装置9bと第三主変速装置9cを構成している。そして、前側の変速ユニット83における第一高低切替クラッチ(C,D)に相当する第二高低切替クラッチ(E,F)で2段の変速が行ない、後側の変速ユニット84の第三高低切替クラッチ(F,H)で更に4段の変速が行なって、走行変速段数は全部で8段の変速が可能となっている。
副変速装置86は、前記主変速装置9にて適宜変速された回転を第三出力軸350から、各減速ギヤまたはクラッチを介して同軸上の副変速軸87へ伝える変速装置である。
次に同図に基づいてPTO系の動力伝達機構を説明する。
油圧ポンプ115から送り出された作動油は、比例減圧弁120に入って一定の圧力に保持され、回路上手から順に、前記前進クラッチAと後進クラッチBのピストン46,53と、第一主変速装置9aの高速クラッチDを作動させるピストン63と、第二主変速装置9bの低速クラッチFを作動させるピストン263と、第三主変速装置9cの低速クラッチHを作動させるピストン264を夫々制御する比例制御弁121,122,123,124,125に送られる。これらの比例制御弁は、前記コントローラ7からの通電指令によって弁の開口量が制御される。例えば、前記前進クラッチAと後進クラッチBは、クラッチペダル129の回動基部に設けられたポテンショメータ128からの信号を受けて比例制御がなされる。
前記操縦席12の側方には、変速レバー13を設け、このレバーグリップに変速スイッチ(増速スイッチ13A,減速スイッチ13B)を備え、この増速スイッチ13Aを押し込む毎に、前記主変速位置9を1段ずつアップし、減速スイッチ13B押し込む毎に主変速位置を1段ずつダウンする構成となっている。また同変速レバー13を、略「h」型のレバーガイド13Gに沿って前後左右にシフト操作することで、前記の通り、副変速の変速位置を「低速L」,「中速M」,「高速H」の三段階に切り替える構成となっている。
また同変速レバー13は、前記副変速「高速H」の位置、詳しくは最前方位置で左右外側に傾倒可能して「路上走行HH」位置に操作可能に構成され、同レバー13を傾倒したときには、副変速位置を「高速H」に維持したまま、車両を路上走行状態であることを指定する構成となっている。
前記コントローラ7は、内部に各種情報を処理するCPUと、制御プログラムを格納するEEPROMと、これら情報を一時的に記憶するRAMと、他のコントローラ7と通信を行う通信器を備える構成となっている。
そして、以上のように構成したトラクタ1のコントローラ7では、前記変速レバー13に備えた変速制御入切スイッチ13Cの入切設定により、図10と図11に示す変速制御が行われる。
この前記アクセル操作とエンジン負荷条件による変速制御は、前記主変速装置を4段に制限された状態で行なわれる切替制御であって、図11に示すように、前記エンジン5のスロットル位置センサ5aに応じた設定エンジン回転数と、エンジン回転センサ5bによる実エンジン回転数の差により、トラクタ1の走行負荷状態を検出し、この差が所定値を超えた状態が一定時間継続すると、主変速位置9を現位置から1段アップする一方、前記エンジン回転センサ9bによる実エンジン回転数が下がるに従い現位置からダウンする構成となっている。
変速モード設定処理では、まず前記変速モード手動設定器19のON/OFF状態が判定され、同スイッチ19がOFFであれば無条件に「第二変速モード」が設定される。また同スイッチ19がONであっても前記変速レバー13が路上走行位置HHであれば「第二変速モード」が設定される。その他の判定では前記「第一変速モード」が設定される。
具体的には、前記トラクタ1のリフトアーム15若しくは油圧昇降レバー20の基部に位置センサを備え、この位置が作業機18を非作業位置へ上昇していると想定される上昇位置を検出しているときには、「第一変速モード」に設定し、作業状態と想定される角度を検出しているときには「第二変速モード」を設定する。若しくは、前記前後輪2,3のスリップ状態を検出するセンサを備え、一定時間ごとに前記四駆クラッチ95及び増速クラッチ96を共に切操作し、このスリップ率が小さいときには、走行状態とし「第一変速モード」を設定し、スリップ率が大きいときには、作業状態とし「第二変速モード」を設定する。
B 後進クラッチ
C 第一主変速装置の低速クラッチ
D 第一主変速装置の高速クラッチ
E 第二主変速装置の高速クラッチ
F 第二主変速装置の低速クラッチ
G 第三主変速装置の高速クラッチ
H 第三主変速装置の低速クラッチ
1 トラクタ
2 前輪
3 後輪
7 コントローラ
8 前後進切替装置
9 主変速装置
9a 第一主変速装置
9b 第二主変速装置
9c 第三主変速装置
10 前後進レバー
13 変速レバー
19 変速モード設定器(手動スイッチ)
28 遊星ギヤ機構
50 固定ドラム
55 中央の仕切壁
63 クラッチピストン(アクチュエータ)
86 副変速装置
250 固定ドラム
255 仕切壁
263 クラッチピストン(アクチュエータ)
264 クラッチピストン(アクチュエータ)
Claims (2)
- エンジン(5)の回転を、主クラッチ装置と、湿式多板形態の高低切替クラッチを有する複数の変速装置(9a,9b,9c)とを介して走行装置(2,3)へ伝達するトラクタであって、
前記主クラッチ装置は、湿式多板形態の前進クラッチ(A)及び後進クラッチ(B)からなる前後進切替装置(8)で構成し、
前記主クラッチ装置に、比例制御弁(121)への通電操作でクラッチディスクの圧着状態を調整するアクチュエータ(46)を備え、
前記各変速装置(9a,9b,9c)に、比例制御弁(123,124,125)への通電操作でクラッチディスクの圧着状態を調整するアクチュエータ(63,263,264)を備え、
第一主変速装置(9a)の第一高低切替クラッチ(C,D)と前後進クラッチ(A,B)は、固定ドラム(50)に対して中央の仕切壁(55)を挟んで前側に前後進クラッチ(A,B)を設け、仕切壁(55)の後側に第一高低切替クラッチ(C,D)を設ける構成とし、
前進クラッチ(A)は後進クラッチ(B)よりも半径方向内側に配置して前進クラッチ(A)と後進クラッチ(B)は前後方向で重なる構成とし、第一主変速装置(9a)の低速クラッチ(C)は高速クラッチ(D)よりも半径方向内側に配置して低速クラッチ(C)と高速クラッチ(D)は前後方向で重なる構成とし、
第一主変速装置(9a)の後方に第二主変速装置(9b)と第三主変速装置(9c)を備え、
第二主変速装置(9b)の高低クラッチ(E,F)と第三主変速装置(9c)の高低クラッチ(G,H)は、固定ドラム(250)に対して中央の仕切壁(255)を挟んで前側に第二主変速装置(9b)の高低クラッチ(E,F)を設け、仕切壁(255)の後側に第三主変速装置(9c)の高低クラッチ(G,H)を設ける構成とし、
第二主変速装置(9b)の低速クラッチ(F)は高速クラッチ(E)に対して半径方向外側に配置して低速クラッチ(F)と高速クラッチ(E)は前後方向で重なる構成とし、第三主変速装置(9c)の低速クラッチ(H)は高速クラッチ(G)に対して半径方向外側に配置して低速クラッチ(H)と高速クラッチ(G)は前後方向で重なる構成とし、
前記第一主変速装置(9a)、第二主変速装置(9b)及び第三主変速装置(9c)に油圧が作用しない状態でも第一主変速装置(9a)、第二主変速装置(9b)及び第三主変速装置(9c)は所定速で動力伝達するように構成したことを特徴とするトラクタ。 - エンジン(5)の回転を、主クラッチ装置と、湿式多板形態の高低切替クラッチを有する複数の変速装置(9a,9b,9c)とを介して走行装置(2,3)へ伝達するトラクタであって、
前記主クラッチ装置は、湿式多板形態の前進クラッチ(A)及び後進クラッチ(B)からなる前後進切替装置(8)で構成し、
前記主クラッチ装置に、比例制御弁(121)への通電操作でクラッチディスクの圧着状態を調整するアクチュエータ(46)を備え、
前記各変速装置(9a,9b,9c)に、比例制御弁(123,124,125)への通電操作でクラッチディスクの圧着状態を調整するアクチュエータ(63,263,264)を備え、
第一主変速装置(9a)の第一高低切替クラッチ(C,D)と前後進クラッチ(A,B)は、固定ドラム(50)に対して中央の仕切壁(55)を挟んで前側に前後進クラッチ(A,B)を設け、仕切壁(55)の後側に第一高低切替クラッチ(C,D)を設ける構成とし、
前進クラッチ(A)は後進クラッチ(B)よりも半径方向内側に配置して前進クラッチ(A)と後進クラッチ(B)は前後方向で重なる構成とし、第一主変速装置(9a)の低速クラッチ(C)は高速クラッチ(D)よりも半径方向内側に配置して低速クラッチ(C)と高速クラッチ(D)は前後方向で重なる構成とし、
第一主変速装置(9a)の後方に第二主変速装置(9b)と第三主変速装置(9c)を備え、
第二主変速装置(9b)の高低クラッチ(E,F)と第三主変速装置(9c)の高低クラッチ(G,H)は、固定ドラム(250)に対して中央の仕切壁(255)を挟んで前側に第二主変速装置(9b)の高低クラッチ(E,F)を設け、仕切壁(255)の後側に第三主変速装置(9c)の高低クラッチ(G,H)を設ける構成とし、
第二主変速装置(9b)の低速クラッチ(F)は高速クラッチ(E)に対して半径方向外側に配置して低速クラッチ(F)と高速クラッチ(E)は前後方向で重なる構成とし、第三主変速装置(9c)の低速クラッチ(H)は高速クラッチ(G)に対して半径方向外側に配置して低速クラッチ(H)と高速クラッチ(G)は前後方向で重なる構成とし、
前記第一主変速装置(9a)、第二主変速装置(9b)及び第三主変速装置(9c)に油圧が作動し続ける状態でも第一主変速装置(9a)、第二主変速装置(9b)及び第三主変速装置(9c)は所定速で動力伝達する構成としたことを特徴とするトラクタ。
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