JP3890809B2 - 農業用トラクタの変速制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、農業用トラクタの変速制御装置の構成に関する。
【0002】
【従来の技術、及び発明が解決しようとする課題】
従来、農業用トラクタでは、特開平5−52254号公報に示されるように、エンジンの回転動力を主クラッチと複数の変速装置を介して後輪、または前輪へ伝達し、前記変速装置の1つを切替えるときには、当該変速装置の動力上手側に設けたリバースチェンジ、またはメインチェンジにて動力伝達経路を「切」とし、油圧シリンダの作動により目的の変速位置へ切替える変速制御装置を備えたものが知られている。
【0003】
しかしながら、これら従来の変速制御装置は、ギヤの噛合いを円滑にするため油圧シリンダの作動前、即ちギヤの切替前に動力上手側の伝達経路を「切」とするものであるが、この「切」の出力から油圧シリンダを作動する設定時間(クラッチの応答遅れや慣性力の影響が無くなると想定されるまでの遅延時間)は、車両がいかなる状態でも一定であった。
【0004】
この為、例えば農業用トラクタを停止した状態でこれから発進する際、オペレータが変速位置を設定し、クラッチペダルを任意に操作して動力伝達を「入」としても車両が発進せず、その後所定時間が経過した後で車両が発進することとなり、タイムラグを生じ操作性を損なうという課題があった。一方、前記クラッチ(従来公報ではリバースチェンジに相当)を常時短時間で「入」とする構成とすると、走行中にギヤの切り替えが円滑に行われずショックを生じたり、車速が急激に変わるという課題が生じる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記課題を鑑みて、エンジン(1)の回転動力を主クラッチ(2)とギヤ式変速装置(3A)を介して後輪(4,4)、または前輪(5,5)へ伝達し、前記変速装置(3A)を切替えるときには、当該変速装置(3A)の動力上手側に設けた湿式多板形態のクラッチ(6a,6b)にて動力伝達経路を「切」として設定時間(t2)経過後、アクチュエータ(7A,7B)の作動により目的の変速位置へ切替える農業用トラクタの変速制御装置において、前記農業用トラクタの前記湿式多板形態のクラッチ(6a,6b)の動力上手側に設ける主クラッチ(2)をペダル(8)操作により入切可能に構成すると共に、この踏込み操作を検出するセンサ(9)を設け、前記変速装置(3A)を切替える変速アップスイッチ(21)と変速ダウンスイッチ(22)を設け、これらいずれかのスイッチが操作されると前記クラッチ(6a,6b)を「切」に連動し、該スイッチが変速アップスイッチ(21)か変速ダウンスイッチ(22)かを判定するとともに、変速アップスイッチ(21)操作を検出している場合、又は変速ダウンスイッチ(22)操作を検出するが前記ペダル(8)の踏込み操作を検出しない場合には、前記設定時間(t2)でアクチュエータ(7A , 7B)を作動し、変速ダウンスイッチ(22)操作でかつ前記ペダル(8)の踏込み操作を検出している場合には、前記設定時間(t2)よりも短い設定時間(t1)でアクチュエータ(7A,7B)を作動することを特徴とする農業用トラクタの変速制御装置とした。
【0006】
【発明の効果】
以上のように構成した農業用トラクタの変速制御装置は、前記ギヤ変速装置3Aを切替えるときにクラッチペダル8の踏込み操作を検出している場合、即ちオペレータが人為的に動力を切する場合であって、変速ダウンスイッチ(22)操作のときは、前記アクチュエータ7A,7Bを前記所定時間(t2)より早い時間に作動する構成としたので、ギヤの切替えが早期に完了され、前述のように発進時にタイムラグを生じず、任意に車両を発進でき操作性を損なうことが無い。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を農業用トラクタ(以下、トラクタ10)の変速制御装置について説明する。トラクタ10は、図2に示すように、ボンネット11の内部に搭載されたディーゼルエンジン1からクラッチハウジング、ミッションケース12等を一体的に連結して車体の剛体主枠とし、前記主枠の前部左右に一対の前輪4,4をミッションケース12後側部に左右一対の後輪5,5を設けている。また前記ミッションケース12には、前後進切替装置6と変速装置(主変速装置3A、副変速装置3B)を内装し、エンジン1の回転動力を適宜減速して、前記前輪5,5、または後輪4,4へ伝達し駆動する構成となっている。
【0008】
前記ボンネット11の後部にはハンドルポスト13を設け、この上端部にステアリングハンドル14を突出し、側部にアクセルレバーや前後進切替レバー15を設けている。そしてこの前後進切替レバー15の回動基部には、後進操作を検出するセンサとしてレバーを後進位置へスライド操作するとONする後進スイッチ24を設けている。
【0009】
ハンドルポスト13の下方には、クラッチペダル8を設け、この踏込み操作によって後述する主クラッチ2の動力伝達を「入」「切」する構成となっている。またこのクラッチペダル8の回動基部には、踏込み状態を検出するセンサとして、クラッチペダルセンサ9を設けている。トラクタ10の操縦席16周囲について説明する。
【0010】
操縦席16の側方には、車体後部の作業機18の高さを変更する作業機昇降用レバー17や変速レバー18を設け、前記昇降用レバー17の回動基部にはレバー操作位置を検出するポテンショメータ19を設けている変速レバー18は、「H」型シフト式レバーで、この回動操作でリンク機構を介して後述する副変速装置3Bを切替える構成となっている。また、レバーノブ部20に上下一対の変速スイッチ(主変速アップスイッチ21、主変速ダウンスイッチ22)を設け、同スイッチ21,22のON操作毎に後述するコントローラ23の通電指令を介して、変速用アクチュエータである2つの油圧シリンダ7A,7Bのピストンを伸縮し、主変速装置3Aの変速位置を1段ずつ切替える構成となっている。
【0011】
そして、これらのポテンショメータ19や変速スイッチ21,22の各種検出器や設定器は、操縦席15下方の制御部であるコントローラ23へ接続する構成となっている。トラクタ10の車体後部には、作業機昇降用油圧シリンダ25を内装するシリンダケース26を備え、前記シリンダ25のピストン伸縮によりケース左右に支持するリフトアーム27を上下回動する構成となっている。また、車体後部には、トップリンクと左右のロワーリンクからなる3点リンク機構を設け、同リンク機構に作業機28を連結する構成となっている。そして前記リフトアーム27の片側には、この回動基部にリフトアーム角センサ29を設けている。
【0012】
これにより、前記コントローラ23は、作業機昇降用レバー17の検出角度とリフトアーム27の設定角度とを一致させるように、作業機上昇用比例圧力制御弁のソレノイド30A、或いは作業機下降用比例圧力制御弁のソレノイド30Bへ通電し作業機28を昇降する構成となっている。トラクタ10の動力伝達構成について図1に基づいて説明する。
【0013】
前記エンジン1から出力した回転動力は、動力上手側から順に前記主クラッチ2、前後進切替装置6、主変速装置3Aと伝達され、最終的に副変速装置3Bにて減速された回転動力を後輪デフ機構35を介して後輪4,4へ、または前輪伝達軸36、及び前輪デフ機
構37を介して前輪5,5へ伝達する構成となっている。
【0014】
前後進切替装置6は、湿式多板形態の前進用クラッチ6a、若しくは後進用クラッチ6bを有するパワーシフト式切替装置であり、主クラッチ2から伝達された回転駆動力を、主変速装置3Aへ正転、若しくは逆回転で伝達する切替装置である。前後進切替装置6には、夫れ夫れ常時噛合いギヤを設けた前後進入力軸44と、リバース軸45と、前記前進用クラッチ43Aと後進用クラッチ43Bとを設けた前後進出力軸46とが夫れ夫れ平行して設けられている。そして、エンジン1の回転動力は、前後進切り替えレバー15が前方にスライドされ後進スイッチがOFFであると、コントローラ23を介して後述する切替制御弁47が切替えられ、前進用クラッチ6aのピストン部に圧油が入り同クラッチのディスクが圧着する。また、前後進切替レバー15が後方へスライド操作され、後進スイッチ24がONすると、コントローラ23を介して前記切替制御弁47が切替えられ、後進用クラッチ6bのピストン部に圧油が入り同クラッチ6bのディスクが圧着する。
【0015】
ここで、図3と図4に基づいて、前記前後進切替装置6の油圧回路構成について説明する。前記エンジン1より駆動されるポンプPは、ミッションケース12を兼ねたオイルタンクTより油を吸い上げ、減圧弁Rを介して前後進切替用油路50へと油を送り込む。同油路50では、最初に前記前進用、及び後進用クラッチ6a,6bのディスク部へ送油する潤滑用油路51を分岐し、更に電磁比例減圧弁52を備えた油圧調整用油路53を分岐して設けている。そして前後進切替用油路50は、切替制御弁54を通じ前進用クラッチ6a、若しくは後進用クラッチ6bへ圧油を連通する構成となっている。
【0016】
前記電磁比例減圧弁52は、通常コントローラ23により一定の通電状態に保たれ、ポンプPからの圧油はパイロットスプール55に作用して、図中右方向へ移動しリリーフ部のポペット56にかかる荷重となる。このため、ポペット56は閉じられたままで、前記油路内の図(B)中ポイントA,B,Cは同圧となり油の流れは生じない。
【0017】
そしてこの状態で、前記前後進切替レバー15が一方、例えば前方へ操作されると、コントローラ23の通電により切替制御弁54の前進側ソレノイド54aへ通電が行われ、切替制御弁54の図中右側の油室54AがPポートと連通し、前進用クラッチ6aへ圧油が流れ込む。一方前記電磁比例減圧弁52は、この時コントローラ23による電圧が所定時間の間一定に保持されており、前記切替制御弁54を通る圧油はオリフィス57で決められた流量の速度で前記クラッチ6aのクラッチピストン43を動かす。尚、この状態では、クラッチピストン43は、ピストンのストロークエンドまで作動しないように前記電磁比例減圧弁52へ通電が保たれている。
【0018】
そして、前記変速スイッチ21,22の信号検出から一定時間(例えば160msec)後、電磁比例減圧弁52への通電量を下げると、前記パイロットスプール55に作用する力が無くなり、このパイロットスプール55はスプリング58の付勢力により図中左側に戻り、調整ネジ59にて初期セットされた油圧力にてピストン43をストロークエンド迄動かし、このピストン43がストロークエンドに達すると前記ポイントBの圧力は初期圧力に戻る。
【0019】
その後、電磁比例制御弁52への通電量を徐々に上昇させていくことで、クラッチピストン43の押圧力も徐々に上がりクラッチディスクを緩やかに圧着していく。尚、前後進切替レバー15を後方へ操作し、後進スイッチ24がONとなって車両を後進する場合も同様であるため説明は省略する。
【0020】
主変速装置3Aは、「1−2速」、及び「3−4速」用の切替制御弁61,62と、この制御弁61,62により圧油を受けて作動するアクチュエータとなる複動式油圧シリンダー(以下、「3−4速」変速用油圧シリンダ7A,「1−2速」変速用油圧シリンダ7B)を有するシンクロメッシュギア式の変速装置である。
【0021】
主変速装置3Aには、前記主変速入力軸63と主変速出力軸64とが平行して設けられ、両軸間63,64間に前方から順に4速ギヤ組65、3速ギヤ組66、2速ギヤ組67、1速ギヤ組68が設けられている。前記4速ギヤ組65と3速ギヤ組66との駆動側ギヤ間には、シンクロ機構を有するシフターリングを設け、該リングを前記「3速−4速」変速用油圧シリンダ7Aのピストン伸縮により前後スライドする構成となっている。
【0022】
これにより、油圧シリンダ7Aのピストン伸長により前記4速ギヤ組65を介して動力が伝達され「4速」となり、油圧シリンダ7Aのピストン短縮により前記3速ギヤ組66を介して動力が伝達され「3速」となる。同じく、前記2速ギヤ組67と1速ギヤ組68との駆動側ギヤ間にも、シンクロ機構を有するシフターリングを設け、該リングを前記「1−2速」変速用油圧シリンダ7Bのピストン伸縮により前後スライドする構成となっている。
【0023】
これにより、油圧シリンダ7Bのピストン伸長により前記2速ギヤ組67を介して動力が伝達され「2速」となり、油圧シリンダ7Bのピストン短縮により前記1速ギヤ組68を介して動力が伝達され「1速」となる。従って、主変速装置3Aは四段の変速位置を有する構成となっている。副変速装置3Bは、前記変速レバー18の手動操作によりリンク機構を介して切替えるスライディングメッシュギヤ式の変速装置である。副変速装置3Bには、図1中上側から第一カウンター軸70、「H速(高速)」から「M速(中速)」「L速(低速)」「LL速(超低速)」の4つの変速ギヤを遊転自在に設ける副変速出力軸71、そして第二カウンター軸72を平行して設けている。また、前記第二カウンター軸72の前部には、前記「H速」と「M速」の変速ギヤと常時噛合っている前後2つのギヤを有する第三カウンター軸73を遊転して設けている。
【0024】
そして、変速レバー18をH式レバーガイドに沿って、内前方へ回動操作するとシフタ74が前方へスライドされ、前記「H速」ギヤが副変速出力軸71と直結して「H速」となり、内後方へ回動操作するとシフタ74が後方へスライドされ、前記第三カウンター軸73、「M速」ギヤ、副変速出力軸71と回転動力が伝達されて「M速」となる。
【0025】
また、変速レバー18をH式レバーガイドに沿って、外前方へ回動操作するとシフタ75が前方へスライドされ、回転動力は第一カウンター軸、中継軸76、第二カウンター軸72、「LL速」ギヤと伝達され「LL速」となり、外後方へ回動操作するとシフタ75が後方へスライドされ、回転動力は前記第一カウンター軸70、中継軸76、「L速」ギヤと伝達されて「L速」となる。
【0026】
従って、副変速装置3Bは四段の変速位置を有する構成となっている。以上のように構成した主変速装置3Aと副変速装置3Bとを有するトラクタ10は、図6に示すように夫れ夫れギヤ組を組み合わせて全16段の変速が可能となっている。コントローラ23は、内部に各種信号を処理するCPUと、この発明の制御プログラムを格納したEEPROMと、各種信号を一時記憶するRAMと、タイマー等を有する構成となっており、入力部には、作業機昇降用レバー17のポテンショメータ19、リフトアーム角センサ29、後進スイッチ24、主変速アップスイッチ21、主変速ダウンスイッチ22、クラッチペダルスイッチ9、「1−2速」、及び「3−4速」切替用の変速用油圧シリンダ7A,7Bのピストン伸縮量を検出するポテンショメータ31A,31B等を接続して設けている。
【0027】
また、出力部には、作業機昇降用油圧シリンダ25への圧油を挿通する作業機上昇用、及び下降用の比例圧力制御弁のソレノイド30A,30Bと、ブザー32、前記2つの変速用油圧シリンダ7A,7Bのピストンを夫れ夫れ伸縮操作する切替制御弁61,62のソレノイド61a,61b,62a,62b等を接続して設けている。
【0028】
以上のように構成したトラクタ10の変速装置は、図7乃至図9に示す制御プログラムの概要を示すフローチャートのように変速位置の切り替えが行われる。最初に図7のように、STEP1でエンジンキースイッチがONされると、コントローラ23により各種センサや設定器の接続状態、設定状態などが読み込まれる。そして、エンジンキースイッチONの時だけは主変速装置3Aが「1速」に切り替えられる。続けて後進制御、変速制御(副変速)、変速制御(主変速)等の各種制御の処理が行われ、リターンとなる。
【0029】
主変速装置3Aに係る変速制御は、図8に示すように、STEP1で、変速スイッチ21,22の操作が検出され、これがYESの場合STEP2で、主変速装置3Aより動力上手側に位置する前後進切替装置6の現在圧着しているクラッチ6a(6b)を「切」とする。続けてスイッチ信号が変速アップスイッチ21かダウンスイッチ22かどうかを判定し(STEP3)、変速ダウンスイッチ22で、且つクラッチペダルスイッチ9がOFFであるとき(STEP4)には所定時間t2(例えば3sec=走行中、コントローラ23により変速が行われてもギヤが円滑に噛合うと想定される時間)経過後に現変速位置を1速だけ減速するよう切替制御弁61,62のソレノイド61a,61b,62a,62bへ通電を開始する。
【0030】
また、前記STEP4の判定がYESの場合は、所定時間t1(例えば300msec)経過後に現変速位置を1速だけ減速するよう前記切り替制御弁への通電を開始する。一方、スイッチ信号が変速アップであったり、変速ダウンであってもクラッチペダル8の踏込み操作が無い場合には、前述同様所定時間t2経過後に現変速位置を1速だけ増速、若しくは減速するよう前記切替制御弁61,62のソレノイド61a,61b,62a,62bへ通電を開始する。
【0031】
そして、STEP6にて、前記ポテンショメータ31A,31Bにより目的の変速位置に対応するピストン伸縮位置となると前記通電を停止し、前後進切替装置6の前進用、若しくは後進用クラッチ6a,6bを元に戻し、ブザーを1回鳴らしてエンドとなる。尚、前記後進制御は、図9のように、前記後進スイッチがONで、且つ副変速が「H速」主変速が「4速」であるときに、自動的に主変速を「3速」に切替えるものである。これにより、作業中、高速で後進することが無くなり車両の安全性を保つことができる。
【0032】
以上のように構成したトラクタ10の変速制御装置は、クラッチペダル8の踏込み操作を検出している時で、特に減速操作のときにだけ、変速を迅速に完了する構成、即ち変速スイッチ21,22の検出後、油圧シリンダ7A,7Bへの通電を通常よりも早めに出力し、続くクラッチ6a(6b)も早期に圧着して変速を完了する構成としたので、トラクタ10はオペレータのペダル操作により発進できる状態となる。
【0033】
これにより、例えば前記切替制御弁61,62への通電開始時間を長く遅らせ、例えば、常時変速用油圧シリンダ7A,7Bへの出力を走行中、コントローラ23だけによるギヤ切り替えを想定した構成(所定時間t2だけの設定)と比較して、発進時にトラクタ10が進まないといった課題を無くし、車両の操作性を向上することができる。
【0034】
またこの発明では、主変速装置3Aを切り替える際に動力上手側の前後進切替装置6のクラッチを利用して動力伝達を「切」とする構成としたが、これに替えて前記主クラッチ2や別途専用のクラッチをコントローラ23の通電指令により入切する構成としても良いし、またクラッチペダルを踏み込んでいるときは、設定時間(t2)を0秒、即ち遅延時間を無しとしても良い。また、クラッチペダル8の踏み込み状態を検出する構成としては、クラッチペダル8から主クラッチ6までの動力伝達部材の変位を検出したり、主クラッチ8自体の圧着状態を検出して間接的に検出する構成としても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】トラクタの動力伝達線図。
【図2】トラクタの全体側面図。
【図3】前後進切替装置に係る油圧回路図。
【図4】前後進切替装置に係る制御弁の構成を示す図。
【図5】コントローラの接続状態を示すブロック図。
【図6】各変速位置とアクチュエータの作動状態を示す図。
【図7】制御フローチャート(1)。
【図8】制御フローチャート(2)。
【図9】制御フローチャート(3)。
【符号の説明】
1 前輪
2 主クラッチ
3A 主変速装置
3B 副変速装置
4 後輪
5 前輪
6 前後輪切替装置
6a 前輪用クラッチ
6b 後進用クラッチ
7A 「3−4速」変速用油圧シリンダ
7B 「1−2速」変速用油圧シリンダ
8 クラッチペダル
9 クラッチペダルスイッチ
Claims (1)
- エンジン(1)の回転動力を主クラッチ(2)とギヤ式変速装置(3A)を介して後輪(4,4)、または前輪(5,5)へ伝達し、前記変速装置(3A)を切替えるときには、当該変速装置(3A)の動力上手側に設けた湿式多板形態のクラッチ(6a,6b)にて動力伝達経路を「切」として設定時間(t2)経過後、アクチュエータ(7A,7B)の作動により目的の変速位置へ切替える農業用トラクタの変速制御装置において、前記農業用トラクタの前記湿式多板形態のクラッチ(6a,6b)の動力上手側に設ける主クラッチ(2)をペダル(8)操作により入切可能に構成すると共に、この踏込み操作を検出するセンサ(9)を設け、前記変速装置(3A)を切替える変速アップスイッチ(21)と変速ダウンスイッチ(22)を設け、これらいずれかのスイッチが操作されると前記クラッチ(6a,6b)を「切」に連動し、該スイッチが変速アップスイッチ(21)か変速ダウンスイッチ(22)かを判定するとともに、変速アップスイッチ(21)操作を検出している場合、又は変速ダウンスイッチ(22)操作を検出するが前記ペダル(8)の踏込み操作を検出しない場合には、前記設定時間(t2)でアクチュエータ(7A , 7B)を作動し、変速ダウンスイッチ(22)操作でかつ前記ペダル(8)の踏込み操作を検出している場合には、前記設定時間(t2)よりも短い設定時間(t1)でアクチュエータ(7A,7B)を作動することを特徴とする農業用トラクタの変速制御装置。
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JPS5913159A (ja) | 油圧制御変速機のクラツチ制御装置 |
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