JP4161499B2 - 車両の変速制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ギヤ式変速装置の変速位置を現位置からアップ若しくはダウンする上下一対のスイッチ操作部を有する車両の変速制御装置の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、農業用トラクタ等には、特開平4−259248号公報に示されるように、ギヤ式変速装置の変速位置を現位置からアップ若しくはダウン指令する上下一対のスイッチ式変速操作部を備え、この操作部のスイッチ信号に応じてアクチュエータを駆動させて前記変速位置を切り替えるものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら前記トラクタ等の車両の変速位置を、より多く構成する場合、最低速位置から最高速位置まで変速するにはスイッチを何度も押す必要が生じ、目的とする変速位置に変速されるのに時間がかかったり、スイッチ操作が煩わしく操作性を損なうという課題が有った。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記課題を鑑みて車両の変速制御装置を以下のように構成した。
即ち、ギヤ式変速装置1,2の変速位置を現位置からアップ若しくはダウン指令する上下一対のスイッチ式変速操作部3a,3bを備え、この操作部3a,3bのスイッチ信号に応じてアクチュエータ4,5,6を駆動させて前記変速位置を切り替える車両の変速制御装置であって、この制御装置には前記変速操作部3a,3bによる変速パターンを現変速位置から上下1段ずつアップ若しくはダウンさせる第一変速制御状態と、現変速位置から少なくとも上下どちらか一方を複数段アップ若しくはダウンさせる第二変速制御状態とに切り替える制御手段7bを備えた車両の変速制御装置において、車両のエンジン回転数nを検出する手段8aを備え、検出したエンジン回転数nと予め設定する低回転側及び高回転側の所定値α,βとを比較し、エンジン回転数nが低回転側の所定値αよりも小さい時、前記変速位置をアップ指令する場合は前記第一変速制御状態としダウン指令する場合は前記第二変速制御状態とし、エンジン回転数nが前記低回転側の所定値αと高回転側の 所定値βとの間にある時には前記変速位置をアップ及びダウン指令のいずれの場合も前記第一変速制御状態とし、エンジン回転数nが高回転側の所定値βよりも大きい時、前記変速位置をアップ指令する場合は前記第二変速制御状態としダウン指令する場合は前記第一変速制御状態とする制御手段7bを設けた車両の変速制御装置とした。
【0005】
従って、エンジン回転数nが低回転側の所定値αよりも小さい時、即ちアクセルが低速に保持されている場合には、作業を終了してこれから車速を落としていく状態と想定して、前記変速アップする度に、現変速位置から1段だけアップし、変速ダウンする度に、現変速位置から複数段だけダウンする。
【0006】
またエンジン回転数nが、作業域、所謂フルスロットル位置よりや低回転位置にある状態では、第一変速制御状態とし、前記変速アップ及び変速ダウンする度に、現変速位置から1段だけアップ及びダウンする。
【0007】
またエンジン回転数nが、高回転側の所定値βよりも大きい時、即ちフルスロットル状態である場合は、これから路上走行を行う場合と想定して、前記変速アップする度に、現変速位置から複数段アップし、変速ダウンする度に、現変速位置から1段だけダウンする。
【0008】
【発明の効果】
以上のように構成した車両の変速制御装置は、車速を細かくアップ若しくはダウンさせる時には第一変速制御状態で変速を行うことができ、車速を大きくアップ若しくはダウンさせる時には第二変速制御状態で変速することにより、変速位置をより多く構成した車両において、従来の1段ずつアップ若しくはダウンする構成と比較して、目的とする変速位置へ迅速に変速することができる。
【0009】
また特に低速走行しながら作業を行う車両において、検出したエンジン回転数nと予め設定する低回転側及び高回転側の所定値とを比較し、エンジン回転数nがフルスロットル位置よりやや低回転位置にある作業時には、第一変速制御状態とし、前記変速アップ及び変速ダウンする度に、現変速位置から1段だけアップ及びダウンすることで細かな変速を行い、非作業時、例えば路上走行時には変速アップする度に、現変速位置から複数段アップすることで大きく車速を変更することができ、車両の状態に応じた変速が行えて操作性を向上することができる。エンジン回転数nが低回転側の所定値αよりも小さい時、即ちアクセルが低速に保持されている場合には、作業を終了してこれから車速を落としていく状態と想定して、変速ダウンする度に、現変速位置から複数段だけダウンすることで操作性を向上できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を農業用トラクタ(以下、トラクタ10)の変速装置について説明する。最初にトラクタ10の全体構成に付いて説明する。
【0011】
トラクタ10は、図1に示すように、ボンネット内部にディーゼルエンジン12を備え、このエンジン12の回転動力を後述する各種変速装置へ入力し適宜減速した後、後輪13、または前後輪14,13へ伝達して走行する構成となっている。
【0012】
操縦席15の前方には、表示手段となる各種ランプ16…や液晶モニタ17を備えたメータパネル18(図2)やステアリングハンドル19を突出するハンドルポスト20を設け、このポスト側面より前後進切替レバー21やアクセルレバーを突出して設けている。また前記前後進切替レバー21の回動基部には、同レバー21の操作位置を検出するリミットスイッチ式の前進スイッチ22と後進スイッチ23とを設け、アクセルレバー基部にはブレーキ機構を設け同レバーの操作位置を保持する構成となっている。
【0013】
ステアリングハンドル19下方には、左右ブレーキペダルやクラッチペダル24等を設け、このクラッチペダル24の回動基部には同ペダル24の踏み込み操作を検出するリミットスイッチ25を設けている。また更に、操縦席15側方には、H型シフト式の変速レバー30を突出して設け、同レバー30を回動操作することで後述する副変速装置31をリンク機構を介して手動で切り替える構成となっている。また変速レバー30の把持部には、図3に示すように、第一主変速装置1及び第二主変速装置2の変速位置を現位置からアップ若しくはダウン指令する上下一対の自己復帰型スイッチからなる変速操作部(以下、変速アップスイッチ3a、変速ダウンスイッチ3b)を設け、同スイッチ3a(3b)の押し操作により、複数の変速用油圧シリンダ4,5,6を作動させて前記第一、第二主変速装置1,2を連携して切り替える構成となっている。
【0014】
同じく操縦席15側方には車体後部の作業機9の高さを変更する作業機昇降用レバー32を設け、このレバー32の回動基部に操作位置を検出するポテンショメータ33を設けている。また更にこれらレバー30,32のガイド近傍には、旋回制御装置の作動を入り切りする旋回制御入切スイッチ34等の各種設定器を設けている。
【0015】
そして、これらの検出器33や設定器34は、操縦席15下方の制御手段である各種コントローラ7a,7b,7cに接続する構成となっている。トラクタ10の車体後部には、作業機昇降用油圧シリンダ35を内装するシリンダケース36を備え、前記シリンダ30のピストン伸縮によりケース36左右に支持するリフトアーム37を上下回動する構成となっている。また、車体後部には、トップリンクと左右のロワーリンクからなる3点リンク機構を設け、同リンク機構に作業部となるロータリ作業機9を連結する構成となっている。そして前記リフトアーム37の片側には、この回動基部にリフトアーム角センサ38を設けている。
【0016】
これにより、前記作業機用コントローラ7aは、作業機昇降用レバー32の操作角度とリフトアーム37の設定角度とを一致させるように、作業機上昇用の比例圧力制御弁40のソレノイド40s、或いは作業機下降用制御弁41のソレノイド41sへ通電し作業機9を昇降するポジション制御を行う構成となっている。
【0017】
次に、トラクタ10の動力伝達構成について図4に基づいて説明する。前記エンジン12の回転動力は、クラッチハウジング内の主クラッチ45にて断続操作され、順にミッションケース内の第一主変速装置1、前後進切替装置46、第二主変速装置2、副変速装置31と伝達する構成となっている。
【0018】
第一主変速装置1は、「高」「低」二つのギヤ組48,49を有するシンクロメッシュギヤ式変速装置であり、同変速装置1で変速した回転動力を前後進切替装置46へ伝達する構成となっている。また前記両ギヤ組48,49間にはシンクロギヤ機構を有するシフターリングを設け、このリングを変速用アクチュエータである第一変速用油圧シリンダ4により前後操作する構成となっている。即ち、第一変速用油圧シリンダ4のピストンを伸長すると回転動力は低速ギヤ組49を介して「低」速で伝達され、ピストンを短縮すると高速ギヤ組48を介して「低」速で伝達される。
【0019】
また前後進切替装置46は、湿式多板形態の前進用クラッチ50と後進用クラッチ51、及びカンターギヤを有するカウンター軸等から成る変速装置であり、前記前後進切替レバー基部の前進用スイッチ22がONのときには、コントローラ8bにより前進用クラッチ50を「入」とし、後進用スイッチ23がONのときには後進用クラッチ51を「入」とし、何れのスイッチ22,23もONしていない場合は両クラッチ50,51の動力伝達が「切」となる構成となっている。
【0020】
第二主変速装置2は、前記第一主変速装置1と同様のシンクロメッシュギヤ式変速装置であり、前記前後進切替装置46より出力された回転動力を4つのギヤ組(図中、動力上手側から4速ギヤ組、3速ギヤ組、2速ギヤ組、1速ギヤ組)の何れか1つを通じて副変速装置31へ伝達する構成となっている。また、前記4速ギヤ組と3速ギヤ組との駆動側ギヤ間には、シンクロ機構を有するシフターリングを設け、このリングを変速用アクチュエータである前記第二変速用油圧シリンダ5のピストン伸縮により前後スライドする構成となっている。即ち、第二変速用油圧シリンダ5のピストン伸長により前記4速ギヤ組を介して動力が伝達され「4速」となり、同油圧シリンダ5のピストン短縮により前記3速ギヤ組を介して動力が伝達され「3速」となる。
【0021】
同じく、前記2速ギヤ組と1速ギヤ組との駆動側ギヤ間にも、シンクロ機構を有するシフターリングを設け、該リングを第三変速用油圧シリンダ6のピストン伸縮により前後スライドする構成となっている。即ち、第三変速用油圧シリンダ6のピストン伸長により前記2速ギヤ組を介して動力が伝達され「2速」となり、同油圧シリンダ6のピストン短縮により前記1速ギヤ組61を介して動力が伝達され「1速」となる。
【0022】
これにより、第二主変速装置2は四段の変速位置を有する構成となっている。副変速装置31は、前記変速レバー30の手動操作によりリンク機構を介して切替えるスライディングメッシュギヤ式の変速装置となっている。副変速装置31には、図中上側から第一カウンター軸53、「H速」から「M速」「L速」「LL速」の4つの変速ギヤ組を遊転自在に設ける副変速出力軸54、そして第二カウンター軸55を平行して設けている。また、前記第二カウンター軸55の前部には、前記「H速」と「M速」のギヤ組と常時噛合っている前後2つのギヤを有する第三カウンター軸56を遊転して設けている。
【0023】
そして、変速レバー30をH型ガイドに沿って、内前方へ回動操作するとシフタ57が前方へスライドされ、第二主変速装置2より伝動される軸58が「H速」ギヤを介して副変速出力軸63と直結して「H速」となり、内後方へ回動操作するとシフタ57が後方へスライドされ、前記第三カウンター軸56、「M速」ギヤ、副変速出力軸54と回転動力が伝達されて「M速」となる。
【0024】
また、変速レバー30をガイドに沿って、外前方へ回動操作するとシフタ59が前方へスライドされ、回転動力は第一カウンター軸53、中継軸60、第二カウンター軸55、「LL速」ギヤと伝達され「LL速」となり、変速レバー30を外後方へ回動操作するとシフタ59が後方へスライドされ、回転動力は前記第一カウンター軸53、中継軸60、「L速」ギヤと伝達されて「L速」となる。
【0025】
これにより、副変速装置31は四段の変速位置を有する構成となっている。以上のようにトラクタ10は、前記第一主変速装置1、第二主変速装置2及び副変速装置31の夫れ夫れのギヤ組を組み合わせて、図5に示すように、前進32段、後進16段(前進偶数段に相当)の変速段を得る構成となっており、前進32段については、1段ら8段、9段から16段、17段から24段、25段から32段の範囲をスイッチ操作によって変速する構成となっている。
【0026】
尚、図4中の符号61は、四輪駆動用クラッチと旋回時に前輪14を増速駆動する前輪駆動クラッチを有する前輪駆動装置を示し、符号62は、左右夫れ夫れのブレーキディスクをブレーキ用油圧シリンダにより圧着するブレーキ装置を示す。
【0027】
次に、トラクタ10の制御系統について図6に基づいて説明する。前記トラクタ10のコントローラは、前記作業機昇降機構に関する情報を処理する作業機昇降用コントローラ7aと、変速制御に関する情報を処理する変速制御用コントローラ7bと、メータパネル18の表示情報を処理するメータパネル用コンロトーラ7cとから構成され、夫れ夫れのコントローラは各種信号を処理するCPUと、これら信号情報を一時記憶するRAM、各種制御プログラムを格納するEEPROM、そしてタイマー等を有する構成となっている。またこれらのコントローラは互いのセンサ情報や出力情報を通信回線により送受信する構成となっている。
【0028】
作業機昇降用コントローラ7aは、この入力部に作業機昇降用レバー32のポテンショメータ33、リフトアーム角センサ38、旋回制御入切スイッチ34等を接続して設け、出力部には前記作業機昇降用油圧シリンダ35へ油路(図7)を接続する作業機上昇用の圧力比例制御弁40のソレノイド40s、及び作業機下降用の圧力比例制御弁41のソレノイド41s等を接続して設けている。
【0029】
一方、前記走行用コントローラ7bは、この入力部に前後進切替レバー21基部の前進スイッチ22、後進スイッチ23、クラッチペダル基部のリミットスイッチ25、変速アップスイッチ3a、変速ダウンスイッチ3b、エンジン回転センサ8aを接続して設け、更に前記第一、第二、第三変速用油圧シリンダ4,5,6の作動位置を検出するポテンショメータ63…、変速レバー30基部に設けた操作位置検出用のリミットスイッチ64…等を接続して設け、出力部には前進用クラッチ50及び後進用クラッチ51を圧着させるべく圧油を切り替える切替制御弁のソレノイド66a,66b、前記第一、第二主変速装置1,2の複数の変速用油圧シリンダ4,5,6のピストンを夫れ夫れ伸縮操作する切替制御弁67,68,69の各ソレノイド67a,67b,68a,68b,69a,69b等を接続して設けている。
【0030】
またメータパネル用コントローラ7cの出力部には、前記液晶モニタ17や各種ランプ16…を接続して設けている。以上のように構成したトラクタ10では、図8から図10に示す変速制御のプログラムの概要を示すフローチャートのように変速制御が実行される。
【0031】
図8に示すフローチャートは、変速制御に関する制御フローチャートで、前記走行用コントローラ7bが実行する処理である。トラクタ10のエンジンキースイッチがONされると、前記コントローラ7bはSTEP1で、各種センサや設定器等の接続状態や設定状態を前記RAMに読み込む。尚、これと同時に前記メータパネル用コントローラ7cは、前記液晶モニタ17に燃料表示や車両の発進条件を表示する。続けてエンジン12が始動されると、STEP2で、エンジン12の回転数nが判定され、この回転数nが低回転側の所定値αよりも小さい時、即ちアクセルが低速に保持されている場合には、作業を終了してこれから車速を落としていく状態と想定して、第二変速制御状態となるSTEP3へ進み、前記変速アップスイッチ3aがONする度に、現変速位置から1段だけアップするよう前記切替制御弁67,68,69のソレノイド67a,67b,68a,68b,69a,69bへ通電を行い、変速ダウンスイッチ3bがONする度に、現変速位置から2段だけダウンするよう前記切替制御弁67,68,69のソレノイド67a,67b,68a,68b,69a,69bへ通電を行う。
【0032】
またエンジン回転数nが、作業域、所謂フルスロットル位置よりや低回転位置にある状態では、第一変速制御状態であるSTEP4へ進み、前記変速アップスイッチ3aがONする度に、現変速位置から1段だけアップするよう前記切替制御弁67,68,69のソレノイド67a,67b,68a,68b,69a,69bへ通電を行い、変速ダウンスイッチ3bがONする度に、現変速位置から1段だけダウンするよう前記切替制御弁67,68,69のソレノイド67a,67b,68a,68b,69a,69bへ通電を行う。
【0033】
またエンジン回転数nが、高回転側の所定値βよりも大きい時、即ちフルスロットル状態である場合は、これから路上走行を行う場合と想定して第二変速制御状態であるSTEP5へ進み、前記変速アップスイッチ3aがONする度に、現変速位置から2段だけアップするよう前記切替制御弁67,68,69のソレノイド67a,67b,68a,68b,69a,69bへ通電を行い、変速ダウンスイッチ3bがONする度に、現変速位置から1段だけダウンするよう前記切替制御弁67,68,69のソレノイド67a,67b,68a,68b,69a,69bへ通電を行う。
【0034】
また、前記スイッチ操作に際し前記メータパネル用コントローラ7cは、変速用コントローラ7bの通電指令に先立って液晶モニタ17に、スイッチ信号に応じた目的とする変速位置を表示する構成となっている。これにより、トラクタ10の変速制御装置は、作業時には車速を細かくアップ若しくはダウンさせることができ、非作業時には車速を大きくアップ若しくはダウンさせることができ、常時1段ずつアップ若しくはダウンする構成と比較して、迅速に目的とする変速位置へ変速することができる。
【0035】
また前記フローチャートではトラクタ10の作業状態をエンジン回転数に基づいて判定する構成としたが、車両のPTO軸の回転状態や、図9に示すフローチャートのように、リフトアーム角センサ8bの値に基づいて変速パターンを変更する構成としても良い、即ち、リフトアーム37が上昇回動している時には、路上走行や作業場間の移動を行う場合と想定して第二変速制御状態であるSTEP4へ進み、前記変速アップスイッチ3a及びダウンスイッチ3bがONする度に現変速位置から2段だけアップ若しくはダウンするよう前記切替制御弁67,68,69のソレノイド67a,67b,68a,68b,69a,69bへ通電を行う。
【0036】
また同様に、図10に示すフローチャートのように、オペレータがトラクタ10を走行状態若しくは作業状態に指定する作業/路上走行(非作業)モード切替スイッチ8cを設け、オペレータ自身の設定により前記変速パターンを切り替えても良い。即ち、走行モードに設定されている場合、第二変速制御状態であるSTEP4へ進み、前記変速アップスイッチ3a及びダウンスイッチ3bがONする度に現変速位置から2段だけアップ若しくはダウンするよう前記切替制御弁67,68,69のソレノイド67a,67b,68a,68b,69a,69bへ通電を行う。一方、作業モードに設定されている場合は、前記変速アップスイッチ3a及びダウンスイッチ3bがONする度に現変速位置から1段だけアップ若しくはダウンするよう前記切替制御弁67,68,69のソレノイド67a,67b,68a,68b,69a,69bへ通電を行う。またこれらの変速位置のモニタ表示については、前述と同様であるので説明を省略する。
【0037】
尚、前述した第二変速制御状態の変速アップとダウンの飛び段数は、変速アップ側とダウン側共に2段ずつ設定する構成としても良く、また車両の形態に応じたて2段以上の複数段に設定したり、最高或いは最低速近くになるほど細かく変更する構成としても良い。また現変速位置が所定の飛び段が行えない最低、或いは最高速近くの段数である時には、この最低速、最高速に切り替えるよう変速する。
【0038】
前記トラクタ10の変速スイッチ3a,3bは、ON操作毎に1段或いは2段アップ若しくはダウンする構成としたが、このON信号が所定時間継続された時には図11に示すように、自動的に前記第二変速状態に切り替わる構成となっている。ここでは最初にSTEP3で、スイッチON信号の継続時間が測定され、これが所定時間以上に亘って継続される場合は、このスイッチ操作が検出されている間現在の記憶している変速位置を1段ずつアップ若しくはダウンさせると共に、この記憶値をメータパネル用コントローラ7cとの通信により液晶モニタ17に、例えば1→2→3…と連続して切り替えながら表示する。その後この継続するON信号が無くなった時の変速位置を確定し、この変速位置を目標として前記切替制御弁前記切替制御弁前記切替制御弁67,68,69のソレノイド67a,67b,68a,68b,69a,69bへ通電を行い、第一または第二主変速装置の変速位置を切り替える。
【0039】
これにより、オペレータが変速スイッチ3a,3bを継続して押す場合は、前記第一変速状態に優先して第二変速状態に切り替えることで変速時間を短縮し変速操作にかかる操作性を向上することができる。次にこのトラクタ10に搭載した旋回制御について説明する。一般的にトラクタ10の圃場作業においては枕地で小回り旋回を必要とする場合が多く、この枕地幅を大きく残す程、後の枕地整地作業に要する時間がかかり作業の効率を損なうという課題が有る。また圃場の長手方向の条に沿った整地作業時において作業機9を下降する作業開始端と作業機9を上昇する作業終了端が一定でない場合、前記枕地が荒れて前記枕地の整地作業時に車体が振れ作業が行い難いという課題を生じる。
【0040】
よってこのトラクタ10では、前記クラッチペダル24の踏込み操作を検出すると同時に自動的に作業機9を上昇し、その後クラッチペダル24を踏み離すと所定時間だけ自動で後進し、更に前進に切り替えて前輪増速駆動、及び旋回内側の後輪14にブレーキをかける構成となっている。これにより、オペレータはトラクタ10の前輪若しく車体前端部が畦等に接触したことを感知して、クラッチペダル24を踏込むことで、一律に作業機9が上昇され更には作業機9が下降されるので、作業開始端と終了端とが一定に揃えることができて、枕地整地作業時の作業効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トラクタの全体側面図。
【図2】メータパネルの正面図。
【図3】変速レバーの斜視図。
【図4】トラクタの伝動機構図。
【図5】各変速位置の組み合わせを示す図。
【図6】コントローラの接続状態を示す図。
【図7】トラクタの一部油圧回路図。
【図8】変速制御の概要を示すフローチャート(1)。
【図9】変速制御の概要を示すフローチャート(2)。
【図10】変速制御の概要を示すフローチャート(3)。
【図11】変速制御の概要を示すフローチャート(4)。
【図12】旋回制御の概要を示すフローチャート。
【符号の説明】
1 主変速装置
2 副変速装置
3a 変速アップスイッチ
3b 変速ダウンスイッチ
4 第一変速用油圧シリンダ
5 第二変速用油圧シリンダ
6 第三変速用油圧シリンダ
7b 走行用コントローラ
8a エンジン回転センサ
8b リフトアーム角センサ
8c 作業/路上走行モード切替スイッチ
9 ロータリ作業機
10 トラクタ
Claims (1)
- ギヤ式変速装置(1,2)の変速位置を現位置からアップ若しくはダウン指令する上下一対のスイッチ式変速操作部(3a,3b)を備え、この操作部(3a,3b)のスイッチ信号に応じてアクチュエータ(4,5,6)を駆動させて前記変速位置を切り替える車両の変速制御装置であって、この制御装置には前記変速操作部(3a,3b)による変速パターンを現変速位置から上下1段ずつアップ若しくはダウンさせる第一変速制御状態と、現変速位置から複数段アップ若しくはダウンさせる第二変速制御状態とに切り替える制御手段(7b)を備えた車両の変速制御装置において、車両のエンジン回転数(n)を検出する手段(8a)を備え、検出したエンジン回転数(n)と予め設定する低回転側及び高回転側の所定値(α , β)とを比較し、エンジン回転数(n)が低回転側の所定値(α)よりも小さい時、前記変速位置をアップ指令する場合は前記第一変速制御状態としダウン指令する場合は前記第二変速制御状態とし、エンジン回転数(n)が前記低回転側の所定値(α)と高回転側の所定値(β)との間にある時には前記変速位置をアップ及びダウン指令のいずれの場合も前記第一変速制御状態とし、エンジン回転数(n)が高回転側の所定値(β)よりも大きい時、前記変速位置をアップ指令する場合は前記第二変速制御状態としダウン指令する場合は前記第一変速制御状態とする制御手段(7b)を設けた車両の変速制御装置。
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