JP4508364B2 - 車両の変速制御装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は車両の変速制御装置に関するものであり、特に、変速装置の変速位置を現位置からアップ若しくはダウン指令する一対のスイッチ式操作部を備えた車両の変速制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、農業用トラクタをはじめとする此の種車両には、変速装置の変速位置を現位置からアップ若しくはダウン指令する一対のスイッチ式変速操作部を備え、この変速操作部のスイッチ信号に応じてアクチュエータを駆動させて前記変速装置を切換えるものが知られている。
【0003】
しかし、油圧多板クラッチによる変速装置(仮に「第1変速装置」という)と、シンクロメッシュ機構による変速装置(仮に「第2変速装置」という)とを組合せて変速位置を多段化する場合、前記第2変速装置はシフタの移動時間の中にシンクロメッシュの同期時間が入るので前記第1変速装置よりも変速に時間がかかる。従って、前記変速操作部のスイッチ操作で変速位置を1段ずつアップ若しくはダウンする際に、第1変速装置が動作するときと第2変速装置が動作するときとでは変速時間が異なって、スイッチ操作に違和感が生じる。また、変速に要する時間的な遅れのため、前記変速操作部のスイッチ操作による変速指示位置に対して実際の変速位置が異なるので、変速位置を多段化した場合に作業者が変速位置を誤認する虞がある。
【0004】
そこで、変速装置の変速位置を現位置からアップ若しくはダウン指令する一対のスイッチ式変速操作部を備えた車両に於いて、油圧多板クラッチによる変速装置とシンクロメッシュ機構による変速装置とを組合せて変速位置を多段化する場合、多段化した変速操作を違和感なく操作するとともに、変速位置を正確に把握できるようにするために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1記載の発明は、変速レバー(18)の把持部に第1主変速装置(41)を高速、低速の何れかにアップ若しくはダウン指令するスイッチ式第1変速操作部(35)、並びに、
該第1主変速装置(41)と第2主変速装置(43)とを組み合わせた主変速装置の主変速パターンを現位置からアップ若しくはダウン指令する一対のスイッチ式第2変速操作部(36)を備え、このスイッチ式第2変速操作部(36)のスイッチ信号に応じてアクチュエータ(60,61)を駆動させて前記主変速パターンを切換える車両の変速制御装置であって、
前記主変速装置は高低2段の変速位置を有する油圧多板クラッチ(47)による上記第1主変速装置(41)と、少なくとも3段以上の変速位置を有するシンクロメッシュ機構による上記第2主変速装置(43)とからなり、該第1主変速装置(41)と第2主変速装置(43)を連携して切換えることにより少なくとも6段以上の主変速パターンを設け、該主変速パターンを前記スイッチ式第2変速操作部(36)のスイッチ信号によって切換える際に、前記アクチュエータ(60,61)を駆動させて一旦前記第2主変速装置(43)を中立位置にシフトした後に所定の変速位置にシフトさせるような制御手段(30)を備えた車両の変速制御装置に於いて、
ハンドルポスト(24)に突設した前後進切換えレバー(26)にて前後進側に操作される前後進クラッチ(51)を有する前後進切換え装置(42)を備え、且つ、前記スイッチ式第1変速操作部(35)のスイッチ操作があったときは、上記油圧多板クラッチ(47)のみを作動し、
上記スイッチ式第2変速操作部(36)のスイッチ操作中に上記スイッチ式第1変速操作部(35)のスイッチ操作が行われたときは、一方の操作をコントローラ(30)内に記憶しておき、先に行われた変速操作を実行してから該記憶した変速操作を行うように構成して成ることを特徴とする車両の変速制御装置を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面に従って詳述する。図1は車両の一例として農業用トラクタ10を示し、車体の前部にエンジン11を搭載し、該エンジン11の回転動力を後述するようにミッションケース12内の各種変速装置により適宜変速した後に、後輪13または前後輪14,13へ伝達するように構成してある。車体の後部にはリンク装置15を介してロータリ等の作業機16を牽引する。
【0007】
一方、運転席17の近傍には変速操作を行うための変速レバー18や、作業機16の高さを変更するポジションレバー19等の各種レバーと、耕深制御スイッチ20や旋回制御スイッチ21等の各種スイッチ類が設けられている。該運転席17の前方にはハンドルポスト24が設けられ、このハンドルポスト24にステアリングハンドル25が装着されている。該ステアリングハンドル25を回転操作することにより、操向輪である前輪14が回向して車体が旋回する。
【0008】
また、ハンドルポスト24の側面に前後進切換えレバー26を突設し、ステアリングハンドル25の前方にメータパネル27を設けるとともに、該ステアリングハンドル25の下方にクラッチペダル28や左右ブレーキペダル(図示せず)等のペダル類を設ける。尚、符号30は後述の制御手段であるコントローラ、31は作業機の高さを検出するリフトアーム角センサである。
【0009】
図2は前記変速レバー18を示し、該変速レバー18はh字型のレバーガイド34から上方に突出され、「高速」「中速」「低速」の3段の変速パターンを有し、該変速レバー18をレバーガイド34に沿って回動操作することにより、後述の副変速装置44がリンク機構を介して「高速」「中速」「低速」の何れかに手動で切換わるように構成されている。また、該変速レバー18の把持部には、後述の第1主変速装置41を「高速」「低速」の何れかにアップ若しくはダウン指令するスイッチ式第1変速操作部35(以下、第1変速操作部35」という。)と、該第1主変速装置41と後述の第2主変速装置43とを連携して組合わせた主変速パターンを、現位置からアツプ若しくはダウンする1対のモーメンタリスイッチからなるスイッチ式第2変速操作部36(以下、「第2変速操作部36」という。)とを備えてある。
【0010】
前記第1変速操作部35は、水平方向に1対のモーメンタリスイッチ35a,35bを設けてアップ若しくはダウン指令するものであるが、シーソー式のモーメンタリスイッチでアップ若しくはダウン指令するもの、或いは、1個のモーメンタリスイッチにて操作する都度交互にアップ若しくはダウン指令をするものであってもよい。また、前記第2変速操作部36は、上下方向に1対のモーメンタリスイッチ36a,36bを設けてアップ若しくはダウン指令するものである。そして、変速レバー18の近くに変速位置のインジケータ37を設け、第1主変速装置41と第2主変速装置43とを連携して組合わせた主変速パターンの現位置がどこであるかを表示する。
【0011】
或いは、図3に示すように、前記メータパネル27内にインジケータ38を設け、第1主変速装置41と第2主変速装置43とを連携して組合わせた主変速パターンの現位置と、副変速装置44の副変速パターンの現位置とを同時に表示するようにしてもよい。後述するように、第1主変速装置41は高低2段の変速パターンを有し、第2主変速装置43は少なくとも3段以上、本実施の形態では4段の変速パターンを有する。従って、第2主変速装置43の4段が夫々高低に切換え可能となって、第1主変速装置41と第2主変速装置43とを連携して組合わせた主変速パターンは、少なくとも6段以上、本実施の形態では8段の変速パターン(第1速〜第8速)を有することになり、更に、副変速装置44は3段の副変速パターン3段を有する。
【0012】
図4は動力伝動系の線図であり、図5は油圧回路図、図6は変速制御系のブロック図である。前記エンジン11の回転動力は、クラッチハウジング内の主クラッチ40にて断続操作され、順次ミッションケース12内の第1主変速装置41、前後進切換え装置42、第2主変速装置43、副変速装置44へと伝達するように構成されている。
【0013】
第1主変速装置41は、「高速」「低速」二つのギヤ組45,46を切換えるための湿式多板形のHi−Loクラッチ47を有する変速装置であり、制御手段であるコントローラ30によりHi−Loクラッチバルブ48を「高速」位置に切換えれば、前記Hi−Loクラッチ47がHi側に「入」となり、一方のギヤ組45を介して動力が「高速」で伝達される。また、Hi−Loクラッチバルブ48を「低速」位置に切換えれば、前記Hi−Loクラッチ47がLo側に「入」となり、前記一方のギヤ組45よりも減速比の高い他方のギヤ組46を介して動力が「低速」で伝達される。このように、第1主変速装置41は高低2段の変速位置を有し、該第1主変速装置41で変速された回転動力は前後進切換え装置42に伝達される。
【0014】
前後進切換え装置42は、「前進」「後進」二つのギヤ組49,50を切換える湿式多板形の前後進クラッチ51を有する変速装置であり、前述の前後進切換えレバー26が前進側に操作されているときは前進操作位置スイッチ52がオンとなり、コントローラ30から前後進バルブ54の前進ソレノイドに信号が送られて、前後進クラッチ51の前進用クラッチが「入」となり、一方のギヤ組49を介して前進方向回転にて動力が第2主変速装置43に伝達される。
【0015】
これに対して、前後進切換えレバー26が後進側に操作されているときは後進操作位置スイッチ53がオンとなり、コントローラ30から前後進バルブ53の後進ソレノイドに信号が送られて、前後進クラッチ51の後進用クラッチが「入」となり、カウンタギヤを含む他方のギヤ組50を介して後進方向回転にて動力が第2主変速装置43に伝達される。そして、前後進切換えレバー26が中立位置にあるときは前進操作位置スイッチ52及び後進操作位置スイッチ53の双方がオフで前後進クラッチ51が「切」となり、回転動力が遮断されて第2主変速装置43に伝達されない。
【0016】
第2主変速装置43は、四つのギヤ組からなるシンクロメッシュギヤ式変速装置であり、前後進切換え装置42から出力された回転動力を、動力上手側から4速ギヤ組56、3速ギヤ組57、2速ギヤ組58、1速ギヤ組59の何れか一つを通じて副変速装置44へ伝達する。4速ギヤ組56と3速ギヤ組57との駆動側ギヤ間にはシンクロメッシュ機構を有するシフタリングを設け、このシフタリングを変速用アクチュエータである第1変速用油圧シリンダ60の伸縮により前後スライドさせるように構成し、これと同様に、2速ギヤ組58と1速ギヤ組59との駆動側ギヤ間にもシンクロメッシュ機構を有するシフタリングを設け、このシフタリングを変速用アクチュエータである第2変速用油圧シリンダ61の伸縮により前後スライドさせるように構成してある。
【0017】
コントローラ30から主変速「3−4速」バルブ62の4速ソレノイドに信号が送られると、第1変速用油圧シリンダ60の伸長により、前記4速ギヤ組56を介して動力が伝達されて「4速」となり、主変速「3−4速」バルブ62の3速ソレノイドに信号が送られると、該第1変速用油圧シリンダ60の収縮により、前記3速ギヤ組57を介して動力が伝達されて「3速」となる。また、コントローラ30から主変速「1−2速」バルブ63の2速ソレノイドに信号が送られると、第2変速用油圧シリンダ61の伸長により、前記2速ギヤ組58を介して動力が伝達されて「2速」となり、主変速「1−2速」バルブ63の1速ソレノイドに信号が送られると、該第2変速用油圧シリンダ61の収縮により、前記1速ギヤ組59を介して動力が伝達されて「1速」となる。このように、前記第2主変速装置43は「1速」から「4速」までの4段の変速位置を有し、該第2主変速装置43で変速された回転動力は副変速装置44へ伝達される。
【0018】
副変速装置44は、前記変速レバー18の手動操作によりリンク機構を介して切換えるスライディングメッシュギヤ式変速装置となっており、「低速」「中速」のギヤ組65,66と、「高速」(直結)のギヤ組67との3段の変速位置を有している。前記第2主変速装置43で変速された回転動力は、この副変速装置44にて更に変速される。
【0019】
ここで、前記第2主変速装置43には、ギヤ組合わせを検出する手段として主変速「1−N−2速」位置センサ68と、主変速「3−N−4速」位置センサ69とが設けられ、副変速装置44にはギヤ組合わせを検出する手段として副変速「低速」位置センサ70と、副変速「中速」位置センサ71と、副変速「高速」位置センサ72とが設けられている。これらのセンサ68乃至72の検出信号はコントローラ30に送られる。尚、符号73は前記クラッチペダル28の踏み込み操作を検出するクラッチペダルセンサ、74は車体の走行速度を検出する車速センサ、75は車体が走行状態か作業状態かを指定する手段としての走行/作業切換えスイッチである。また、76は作業機16を昇降させるリフトシリンダ、77はステアリングハンドル25の回転操作により作動するパワーステアリング装置、78は前輪14へ伝達する動力を「等速」若しくは「増速」に切換える四駆切換えクラッチ、79L,79Rは左右の後輪を独立して制動する左右のブレーキシリンダである。
【0020】
そして、前記副変速装置44で変速された回転動力は、リヤデファレンシャル装置81を経てリヤアクスルの減速ギヤ82にて減速され、後輪13が駆動される。また、前記副変速装置44で変速された回転動力は四駆切換えクラッチ78にも伝達され、該四駆切換えクラッチ78にて「等速」或いは「増速」に切換えられた後、フロントデファレンシャル装置84を経てフロントアクスルの減速ギヤ85にて減速され、前輪14が駆動される。更に、エンジン11の回転動力は主クラッチ40の前段にてPTO系に分岐され、PTOクラッチ86にて断接されて順次PTO逆転装置87、PTO変速装置88を経て、車体後部に突設されたPTO取出し軸89に伝達される。
【0021】
斯くして、図3及び図7に示すように、第1主変速装置41と第2主変速装置43とを連携して8段の主変速パターンが得られ、更に、副変速装置44の副変速パターン3段を組合わせて、24段の変速パターンを得ることができる。そして、前述の変速レバー18の把持部に設けた第1変速操作部35の操作により、第1主変速装置41が「高速」若しくは「低速」のどちらかに切換わり、第2主変速装置43の変速パターンが「1速」乃至「4速」の何れに位置している場合であっても、第2主変速装置43の現位置は切換えずに第1主変速装置41の変速パターンのみを現位置からアップ若しくはダウンすることによって、変速段が1段アップ若しくはダウンする。例えば、連携された主変速パターンが「1段目」のときに第1変速操作部35のHiスイッチ35aを押圧操作すれば主変速パターンが「2段目」にアップし、また、例えば主変速パターンが「6段目」のときに第1変速操作部35のLoスイッチ35bを押圧操作すれば主変速パターンが「5段目」にダウンする。
【0022】
一方、変速レバー18の把持部に設けた第2変速操作部36の操作により、第1主変速装置41と第2主変速装置43とを連携して組合わせた主変速パターンを現位置からアップ若しくはダウンさせる。この第2変速操作部36の増速スイッチ36a若しくは減速スイッチ36bを押圧操作したときは、後述する車体の走行状態や作業状態に応じて、コントローラ30が前記増速スイッチ36a若しくは減速スイッチ36bの押し操作毎に現位置から1段ずつアップ若しくはダウンさせる第1変速制御状態に、或いは、前記増速スイッチ36a若しくは減速スイッチ36bの押し操作中の規定時間毎に現位置から1段ずつアップ若しくはダウンさせる第2変速制御状態に設定する。
【0023】
本実施の形態では、前記第1変速制御状態では前記増速スイッチ36a若しくは減速スイッチ36bの押し操作毎に現位置から1段ずつアップ若しくはダウンさせるが、前記スイッチの押し操作毎に現位置から2段以上の複数段ずつアップ若しくはダウンさせるようにしてもよい(第3変速制御状態)。また、第2変速制御状態では前記増速スイッチ36a若しくは減速スイッチ36bの押し時間毎に現位置から1段ずつアップ若しくはダウンさせるが、前記スイッチの押し時間毎に現位置から2段以上の複数段ずつアップ若しくはダウンするようにしてもよい(第4変速制御状態)。
【0024】
いま、第1変速制御状態である場合、例えば主変速パターンが「1段目」のときに第2変速操作部36の増速スイッチ36aを押圧操作すれば主変速パターンが「2段目」にアップし、主変速パターンが「2段目」のときに該増速スイッチ36aを押圧操作すれば主変速パターンが「3段目」にアップする。また、例えば主変速パターンが「6段目」のときに第2変速操作部36の減速スイッチ36bを押圧操作すれば主変速パターンが「5段目」にダウンし、主変速パターンが「5段目」のときに該減速スイッチ36bを押圧操作すれば主変速パターンが「4段目」にダウンする。
【0025】
これに対して、第2変速制御状態である場合は、例えば主変速パターンが「1段目」のときに第2変速操作部36の増速スイッチ36aを連続的に押圧操作すれば、規定時間毎に主変速パターンが「2段目」「3段目」……と順次1段ずつアップする。また、例えば主変速パターンが「7段目」のときに第2変速操作部36の減速スイッチ36bを連続的に押圧操作すれば、規定時間毎に主変速パターンが「6段目」「5段目」……と順次1段ずつダウンする。
【0026】
ここで、油圧クラッチ(Hi−Loクラッチ47)を有した第1主変速装置41と、シンクロメッシュ機構を有した第2主変速装置43とを組合わせた動力伝達系では、前記第2主変速装置43はシフタの移動時間の中にシンクロメッシュの同期時間が入るので前記第1主変速装置41よりも変速に時間がかかる。従って、前記第2変速操作部36のスイッチ操作で変速位置を1段ずつアップ若しくはダウンする際に、第1主変速装置41が動作するときと第2主変速装置43が動作するときとでは変速時間が異なって、スイッチ操作に違和感が生じる。
【0027】
本発明では、この不具合を解消するために、前記第2変速操作部36のスイッチ操作があったときは、コントローラ30の指令により前記第1変速用油圧シリンダ60または第2変速用油圧シリンダ61を駆動させて、一旦前記第2主変速装置43を中立位置にシフトした後に所定の変速位置にシフトするように制御する。即ち、第2主変速装置43のギヤ組合わせが変速操作前と変速操作後とで同一であり、該第2主変速装置43の変速動作が必要でない場合であっても、前記第2変速操作部36のスイッチ操作で変速を行うときには、第2主変速装置43を擬似動作的に一旦中立位置に経由させることにより、すべての変速時間が同一となってスイッチ操作の違和感が解消される。また、前記第1主変速装置41のHi−Loクラッチ47による接続動作と、第2主変速装置43のシフタのスライド動作を同時に行うことにより、二つの系統の変速装置を略同時に変速開始させて、トータルの変速時間を短縮することができる。
【0028】
一般に、車体の発進時や変速時には動力伝達時の軸トルクを可変にすれば変速ショックを低減でき、油圧クラッチの場合はクラッチの圧力を可変にするとよい。しかし、前記Hi−Loクラッチ47を制御するためのHi−Loクラッチバルブ48を比例圧力制御弁に交換するとコスト高になるため、前後進切換え装置42の前後進クラッチ51を制御するための前後進バルブ54を、発進時や変速時に比例圧力制御にて昇圧すれば、コストを低減できるとともに制御のアルゴリズムが簡素化される。
【0029】
ここで、前記第2変速操作部36のスイッチ操作があったときは、前述したように、前後進バルブ54を昇圧制御して前後進クラッチ51を一旦中立位置にするが、前記第1変速操作部35のスイッチ操作があったときは、シンクロメッシュ機構の同期が必要でないため、前記Hi−Loクラッチ47のみを動作させて前後進切換え装置42の切換わり時間のロスをなくす。尚、第2変速操作部36のスイッチ操作中に前記第1変速操作部35のスイッチ操作が行われたときや、双方のスイッチ操作が略同時に行われたときは、作業者の誤操作による変速の可能性が高いので、一方の操作(例えば第1変速操作部35のスイッチ操作)をコントローラ30内に記憶しておき、先に行われた変速操作を実行してから記憶した変速操作を行うようにする。また、前記第1変速操作部35のスイッチ操作による変速時の昇圧を、第2変速操作部36のスイッチ操作による変速時の昇圧よりも初期圧力を高く設定しておくことにより、初期伝達トルクが高くなって変速時間が短縮され、変速時の車速差が少なくなる。
【0030】
また、図5に示したように、油圧ポンプ29から吐出された作動油は減圧バルブ32を通過した後に、前記Hi−Loクラッチバルブ48、前後進バルブ54、主変速3−4速バルブ62及び主変速1−2速バルブ63等、パラレル接続された複数のバルブを介して夫々Hi−Loクラッチ47、前後進クラッチ51、第1主変速用油圧シリンダ60及び第2主変速用油圧シリンダ61等に供給されるが、前記Hi−Loクラッチバルブ48とパラレルに切換えバルブ33を設けてあり、該切換えバルブ33の切換え操作によってHi−Loクラッチ47及び前後進クラッチ51への潤滑流量を一つのバルブのみで調整できるようにしてある。
【0031】
そして、Hi−Loクラッチバルブ48の切換え時や前後進バルブ54の昇圧時には、前記潤滑流量を減量してアクチュエータに必要な油量を確保することにより、油圧ポンプ29の容量アップや油路の変更等をせずして、油圧クラッチの機能維持が可能となる。
【0032】
一方、図2及び図3にて前述したように、第1主変速装置41と第2主変速装置43とを連携して組合わせた主変速パターンの全変速位置を表示する表示部であるインジケータ37または38には、第1主変速装置41が低速ギヤ組46側に変速されているときは、主変速パターンの左側部分(1速,3速,5速,7速の何れか)が表示され、第1主変速装置41が高速ギヤ組45側に変速されているときは、主変速パターンの右側部分(2速,4速,6速,8速の何れか)が表示される。
【0033】
従って、前記インジケータ37または38の表示位置によって、第1変速操作部35を「高速」側に操作可能か「低速」側に操作可能かを作業者が確実に認識できる。また、第2変速操作部36を「増速」側に操作したときは表示が上方へ移動し、第2変速操作部36を「減速」側に操作したときは表示が下方へ移動して、変速位置の増減が明確となって操作性が著しく向上する。
【0034】
しかし、変速に要する時間的な遅れのため、前記変速操作部のスイッチ操作による変速指示位置に対して実際の変速位置が異なるので、変速位置を多段化した場合に作業者が変速位置を誤認する虞がある。このため、前記主変速パターンを第2変速操作部36のスイッチ操作により変速した場合は、該スイッチ操作による変速指示位置を前記インジケータ37または38の該当箇所の点灯によって表示するとともに、該第2変速操作部36のスイッチ操作から所定時間経過後に、前記第1主変速装置41若しくは第2主変速装置43が所定位置にシフトされないときは、実際の変速検出位置を前記インジケータ37または38に表示する。
【0035】
このとき、実際の変速検出位置の表示方法は前記スイッチ操作による変速指示位置の表示方法とは異にして、実際の変速検出位置の表示方法を例えば前記インジケータ37または38の該当箇所の点滅によって表示する。このように、故障等で指示された変速位置に変速できないときは、表示方法を変えることによって作業者に変速できなかったことを確実に告知することができる。
【0036】
尚、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
【0037】
【発明の効果】
本発明は上記一実施の形態に詳述したように、請求項1記載の発明はスイッチ式変速操作部36を備え、油圧多板クラッチ47による第1主変速装置41と、シンクロメッシュ機構による第2主変速装置43とを組合せて主変速パターンを構成するに際して、第2主変速装置43に対する変速動作の要否に拘わらず、該第2主変速装置43を擬似動作的に一旦中立位置にシフトした後に所定の変速位置にシフトさせるように制御するので、すべての変速操作でシンクロ同期が行われるようになり、前記双方の主変速装置41,43の変速時間に差があったとしても、すべての変速時間が同一となって前記変速操作部36のスイッチ操作の違和感が解消される。
【0038】
請求項2記載の発明は、油圧ポンプ(29)から吐出された作動油は減圧バルブ(32)を通過した後に、上記油圧多板クラッチ(47)を動かすHi−Loクラッチバルブ(48)、上記前後進クラッチ(51)を動かす前後進バルブ(54)、主変速3−4速バルブ(62)及び主変速1−2速バルブ(63)等、パラレル接続された複数のバルブを介して夫々油圧多板クラッチ(47)、前後進クラッチ(51)、第1主変速用油圧シリンダ(60)及び第2主変速用油圧シリンダ(61)等に供給され、前記Hi−Loクラッチバルブ(48)とパラレルに切換えバルブ(33)を設けて成り、更に、該切換えバルブ(33)の切換え操作によって前記油圧多板クラッチ(47)及び前後進クラッチ(51)への潤滑流量を一つのバルブのみで調整できるように構成したので、上記請求項1記載の発明の効果に加え、上記切換えバルブ(33)の切換え操作によって上記油圧多板クラッチ(47)及び前後進クラッチ(51)への潤滑流量を単一のバルブのみで調整することが可能となる。
そして、上記Hi−Loクラッチバルブ(48)の切換え時や前後進バルブ(54)の昇圧時には、前記潤滑流量を減量してアクチュエータに必要な油量を確保することにより、前記油圧ポンプ(29)の容量アップや油路の変更等をすることなく、油圧クラッチの機能維持を達成することが可能となるものである。
【図面の簡単な説明】
図は本発明の一実施の形態を示すものである。
【図1】トラクタの側面図。
【図2】変速レバーを示す斜視図。
【図3】変速装置のインジケータを示す正面図。
【図4】動力伝動系の線図。
【図5】油圧回路図。
【図6】変速制御系のブロック図。
【図7】変速装置の変速パターンを示す一覧図。
【符号の説明】
30 コントローラ
36 第2変速操作部
37,38 インジケータ
41 第1主変速装置
43 第2主変速装置
60 第1変速用油圧シリンダ
61 第2変速用油圧シリンダ

Claims (2)

  1. 変速レバー(18)の把持部に第1主変速装置(41)を高速、低速の何れかにアップ若しくはダウン指令するスイッチ式第1変速操作部(35)、並びに、
    該第1主変速装置(41)と第2主変速装置(43)とを組み合わせた主変速装置の主変速パターンを現位置からアップ若しくはダウン指令する一対のスイッチ式第2変速操作部(36)を備え、このスイッチ式第2変速操作部(36)のスイッチ信号に応じてアクチュエータ(60,61)を駆動させて前記主変速パターンを切換える車両の変速制御装置であって、
    前記主変速装置は高低2段の変速位置を有する油圧多板クラッチ(47)による上記第1主変速装置(41)と、少なくとも3段以上の変速位置を有するシンクロメッシュ機構による上記第2主変速装置(43)とからなり、該第1主変速装置(41)と第2主変速装置(43)を連携して切換えることにより少なくとも6段以上の主変速パターンを設け、該主変速パターンを前記スイッチ式第2変速操作部(36)のスイッチ信号によって切換える際に、前記アクチュエータ(60,61)を駆動させて一旦前記第2主変速装置(43)を中立位置にシフトした後に所定の変速位置にシフトさせるような制御手段(30)を備えた車両の変速制御装置に於いて、
    ハンドルポスト(24)に突設した前後進切換えレバー(26)にて前後進側に操作される前後進クラッチ(51)を有する前後進切換え装置(42)を備え、且つ、前記スイッチ式第1変速操作部(35)のスイッチ操作があったときは、上記油圧多板クラッチ(47)のみを作動し、
    上記スイッチ式第2変速操作部(36)のスイッチ操作中に上記スイッチ式第1変速操作部(35)のスイッチ操作が行われたときは、一方の操作をコントローラ(30)内に記憶しておき、先に行われた変速操作を実行してから該記憶した変速操作を行うように構成して成ることを特徴とする車両の変速制御装置。
  2. 変速レバー(18)の把持部に第1主変速装置(41)を高速、低速の何れかにアップ若しくはダウン指令するスイッチ式第1変速操作部(35)、並びに、
    該第1主変速装置(41)と第2主変速装置(43)とを組み合わせた主変速装置の主変速パターンを現位置からアップ若しくはダウン指令する一対のスイッチ式第2変速操作部(36)を備え、このスイッチ式第2変速操作部(36)のスイッチ信号に応じてアクチュエータ(60,61)を駆動させて前記主変速パターンを切換える車両の変速制御装置であり、
    前記主変速装置は高低2段の変速位置を有する油圧多板クラッチ(47)による上記第1主変速装置(41)と、少なくとも3段以上の変速位置を有するシンクロメッシュ機構による上記第2主変速装置(43)とからなり、該第1主変速装置(41)と第2主変速装置(43)を連携して切換えることにより少なくとも6段以上の主変速パターンを設け、該主変速パターンを前記スイッチ式第2変速操作部(36)のスイッチ信号によって切換える際に、前記アクチュエータ(60,61)を駆動させて一旦前記第2主変速装置(43)を中立位置にシフトした後に所定の変速位置にシフトさせるような制御手段(30)を備えた車両の変速制御装置であって、
    ハンドルポスト(24)に突設した前後進切換えレバー(26)にて前後進側に操作される前後進クラッチ(51)を有する前後進切換え装置(42)を備え、且つ、前記スイッチ式第1変速操作部(35)のスイッチ操作があったときは、上記油圧多板クラッチ(47)のみを作動し、
    上記スイッチ式第2変速操作部(36)のスイッチ操作中に上記スイッチ式第1変速操作部(35)のスイッチ操作が行われたときは、一方の操作をコントローラ(30)内に記憶しておき、先に行われた変速操作を実行してから該記憶した変速操作を行うように構成して成る車両の変速制御装置に於いて、
    油圧ポンプ(29)から吐出された作動油は減圧バルブ(32)を通過した後に、上記油圧多板クラッチ(47)を動かすHi−Loクラッチバルブ(48)、上記前後進クラッチ(51)を動かす前後進バルブ(54)、主変速3−4速バルブ(62)及び主変速1−2速バルブ(63)、パラレル接続された複数のバルブを介して夫々油圧多板クラッチ(47)、前後進クラッチ(51)、第1主変速用油圧シリンダ(60)及び第2主変速用油圧シリンダ(61)に供給され、前記Hi−Loクラッチバルブ(48)とパラレルに切換えバルブ(33)を設けて成り、
    更に、該切換えバルブ(33)の切換え操作によって前記油圧多板クラッチ(47)及び前後進クラッチ(51)への潤滑流量を一つのバルブのみで調整できるように構成して成ることを特徴とする車両の変速制御装置。
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