JP4310448B2 - 作業車両の変速制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は作業車両の変速制御装置に関するものであり、特に、変速装置の変速位置を現位置からアップ若しくはダウン指令する一対のスイッチ式操作部を備えた作業車両の変速制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、農業用トラクタをはじめとする此種作業車両には、特開平4−259248号公報に示されるように、変速装置の変速位置を現位置からアップ若しくはダウン指令する一対のスイッチ式変速操作部を備え、この変速操作部のスイッチ信号に応じてアクチュエータを駆動させて前記変速装置を切換えるものが知られている。
【0003】
しかし、前記変速装置のギヤ組合せを多くして変速位置を多段化する場合、最低速位置から最高速位置まで変速するには前記変速操作部を複数度に亙って押す必要があり、所望の変速位置に変速されるのに時間がかかり、且つ、スイッチ操作が煩雑で操作性が悪いという不具合があった。また、1回のスイッチ操作を規定時間以上継続したときに、変速位置を連続的にアップ若しくはダウンさせるように構成することも可能であるが、車体の前進時と比較して後進時には、急激な車速変化があると危険である。一方、非作業時に於ける路上走行では、速やかに所望の変速位置に変速できると便利である。
【0004】
そこで、変速装置の変速位置を現位置からアップ若しくはダウン指令する一対のスイッチ式変速操作部を備えた作業車両に於いて、多段化した変速位置に対して変速操作を簡易化するとともに、車体の作業状態に応じて変速操作による車速の変化度合いを変更し、変速操作性の向上及び安全性の確保を図るために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1記載の発明は、変速装置41,43の変速位置を現位置からアップ若しくはダウン指令する一対のスイッチ式変速操作部36を備え、この変速操作部36のスイッチ信号に応じてアクチュエータ60,61を駆動させて前記変速装置41,43を切換える作業車両の変速制御装置であって、
この変速制御装置には、前記変速操作部36による変速パターンを前記スイッチの押し操作毎に現位置から1段ずつアップ若しくはダウンさせる第1変速制御状態及び前記スイッチの押し操作中の規定時間毎に1段ずつアップ若しくはダウンさせる第2変速制御状態に設定する制御手段30が備えられており、
更に、車体の状態が作業状態か或いは非作業状態かを検出する検出手段73を設け、前記検出手段73の検出結果に応じて前記第1若しくは第2変速制御状態の何れか一方を牽制するように構成した作業車両の変速制御装置に於いて、
上記作業車両は、前進若しくは後進を切換えるための前後進切換え装置42を備えており、前記前後進切換え装置42が後進位置にあるときは前記第2変速制御手段を牽制するように構成して成る作業車両の変速制御装置、
及び、請求項2記載の発明は、変速装置41,43の変速位置を現位置からアップ若しくはダウン指令する一対のスイッチ式変速操作部36を備え、この変速操作部36のスイッチ信号に応じてアクチュエータ60,61を駆動させて前記変速装置41,43を切換える作業車両の変速制御装置であり、
この変速制御装置には、前記変速操作部36による変速パターンを前記スイッチの押し操作毎に現位置から1段ずつアップ若しくはダウンさせる第1変速制御状態及び前記スイッチの押し操作中の規定時間毎に1段ずつアップ若しくはダウンさせる第2変速制御状態に設定する制御手段30が備えられており、
更に、車体の状態が作業状態か或いは非作業状態かを検出する検出手段73を設け、前記検出手段73の検出結果に応じて前記第1若しくは第2変速制御状態の何れか一方を牽制するように構成した作業車両の変速制御装置であって、
上記作業車両は、前進若しくは後進を切換えるための前後進切換え装置42を備えており、前記前後進切換え装置42が後進位置にあるときは前記第2変速制御手段を牽制するように構成して成る作業車両の変速制御装置に於いて、
運転席近傍に変速パターン切換えスイッチ99を設け、該変速パターン切換えスイッチ99の切換え操作により、如何なる段数毎に変速させるかを設定する構成として成る作業車両の変速制御装置を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面に従って詳述する。図1は作業車両の一例として農業用トラクタ10を示し、車体の前部にエンジン11を搭載し、該エンジン11の回転動力を後述するようにミッションケース12内の各種変速装置により適宜変速した後に、後輪13または前後輪14,13へ伝達するように構成してある。車体の後部にはリンク装置15を介してロータリ等の作業機16を昇降可能に連結する。
【0007】
一方、運転席17の近傍には変速操作を行うための変速レバー18や、作業機16の高さを変更するポジションレバー19等の各種レバーと、負荷オート制御スイッチ20や車速/耕深切換えスイッチ21等の各種スイッチ類が設けられている。該運転席17の前方にはハンドルポスト24が設けられ、このハンドルポスト24にステアリングハンドル25が装着されている。該ステアリングハンドル25を回転操作することにより、操向輪である前輪14が回向して車体が旋回する。
【0008】
また、ハンドルポスト24の側面に前後進切換えレバー26を突設し、ステアリングハンドル25の前方にメータパネル27を設けるとともに、該ステアリングハンドル25の下方に左右のブレーキペダル28やクラッチペダル(図示せず)等のペダル類を設ける。尚、符号30は後述の制御手段であるコントローラ、31は作業機の高さを検出するリフトアーム角センサである。
【0009】
ここで、運転席17の後方には車体転倒時に作業者を保護するための安全フレーム90が設けられている。該安全フレーム90は角パイプや丸パイプ等にて正面視門形に形成され、車体の左右に固設したブラケット91,91に枢着されており、ロック機構(図示せず)を解除することによって後方へ倒回できるように形成されている。該安全フレーム90下部の前面及び後面には夫々コ字形のハンドル92,92を溶着してあり、作業者が該ハンドル92を把持することにより、安全フレーム90の倒回並びに起立作業を容易に行うことができる。
【0010】
従来、安全フレーム90による安全領域は、フロントグリル93やボンネット94を樹脂製にした場合は、車体前部の強度部材であるラジエータ95の上端部と安全フレーム90の上端部とを結んだ鎖線▲1▼より下方の領域であった。車体の前端部に設けられているフロントバンパ96に、強度部材として箱型のフロントフレーム97を立設することにより、該フロントフレーム97の上端部と安全フレーム90の上端部とを結んだ鎖線▲2▼より下方が安全領域となり、フロントグリル93を鉄製等の強度部材にすることなく、安全領域を拡大することができる。
【0011】
また、前記ミッションケース12の両側部にリヤマウント98,98を固設しておき、当該トラクタ10を輸送する際には、前記安全フレーム90を取外して後方へ倒回し、安全フレーム90の左右下端部をこのリヤマウント98,98に仮止めすれば、安全フレーム90が車体の後部を略水平に囲繞するように固定され、輸送時の梱包サイズをコンパクトにできる。尚、図示は省略するが、ボンネット94の両側下部にフロントマウントを固設し、トラクタ10の輸送時に安全フレーム90が車体の前部を略水平に囲繞するように固定させてもよい。
【0012】
図2は前記変速レバー18を示し、該変速レバー18はh字型のレバーガイド34から上方に突出され、「高速」「中速」「低速」の3段の変速パターンを有し、該変速レバー18をレバーガイド34に沿って回動操作することにより、後述の副変速装置44がリンク機構を介して「高速」「中速」「低速」の何れかに手動で切換わるように構成されている。また、該変速レバー18の把持部には、後述の第1主変速装置41の変速位置を設定する第1変速操作部35と、該第1主変速装置41と後述の第2主変速装置43とを連携して組合わせた主変速パターンの変速位置を設定する第2変速操作部36とを備えてある。
【0013】
前記第1変速操作部35には水平方向に1対のモーメンタリスイッチ35a,35bを設けてあり、これらのスイッチ35a,35bを操作することにより第1主変速装置41の変速位置を「高速」「低速」の何れかにアップ若しくはダウン指令する。また、水平方向に1対のモーメンタリスイッチではなく、シーソー式のモーメンタリスイッチでアップ若しくはダウン指令するもの、或いは、1個のモーメンタリスイッチにて操作する都度交互にアップ若しくはダウン指令をするものであってもよい。
【0014】
一方、前記第2変速操作部36は、上下方向に1対のモーメンタリスイッチ36a,36bを設けて、第1主変速装置41と第2主変速装置43とを連携して組合わせた主変速パターンをアップ若しくはダウン指令するものである。そして、変速レバー18の近くには、前記第1主変速装置41と第2主変速装置43の変速位置を表示する表示部であるインジケータ37を設け、第1主変速装置41と第2主変速装置43とを連携して組合わせた主変速パターンの現在の変速位置がどこであるかを表示する。
【0015】
或いは、図3に示すように、前記メータパネル27内にインジケータ38を設け、第1主変速装置41と第2主変速装置43とを連携して組合わせた主変速パターンの現位置と、副変速装置44の副変速パターンの現位置とを同時に表示するようにしてもよい。後述するように、第1主変速装置41は高低2段の変速パターンを有し、第2主変速装置43は少なくとも3段以上、本実施の形態では4段の変速パターンを有する。従って、第2主変速装置43の4段が夫々高低に切換え可能となって、第1主変速装置41と第2主変速装置43とを連携して組合わせた主変速パターンは、少なくとも6段以上、本実施の形態では8段の変速パターン(第1速〜第8速)を有することになり、更に、副変速装置44は3段の副変速パターン3段を有する。
【0016】
図4は動力伝動系の線図であり、図5は油圧回路図、図6は変速制御系のブロック図である。前記エンジン11の回転動力は、クラッチハウジング内の主クラッチ40にて断続操作され、順次ミッションケース12内の第1主変速装置41、前後進切換え装置42、第2主変速装置43、副変速装置44へと伝達するように構成されている。
【0017】
第1主変速装置41は、「高速」「低速」二つのギヤ組45,46を切換えるための湿式多板形のHi−Loクラッチ47を有する変速装置であり、制御手段であるコントローラ30によりHi−Loクラッチバルブ48を「高速」位置に切換えれば、前記Hi−Loクラッチ47がHi側に「入」となり、一方のギヤ組45を介して動力が「高速」で伝達される。また、Hi−Loクラッチバルブ48を「低速」位置に切換えれば、前記Hi−Loクラッチ47がLo側に「入」となり、前記一方のギヤ組45よりも減速比の高い他方のギヤ組46を介して動力が「低速」で伝達される。このように、第1主変速装置41は高低2段の変速位置を有し、該第1主変速装置41で変速された回転動力は前後進切換え装置42に伝達される。
【0018】
前後進切換え装置42は、「前進」「後進」二つのギヤ組49,50を切換える湿式多板形の前後進クラッチ51を有する変速装置であり、前述の前後進切換えレバー26が前進側に操作されているときは前進操作位置スイッチ52がオンとなり、コントローラ30から前後進バルブ54の前進ソレノイドに信号が送られて、前後進クラッチ51の前進用クラッチが「入」となり、一方のギヤ組49を介して前進方向回転にて動力が第2主変速装置43に伝達される。
【0019】
これに対して、前後進切換えレバー26が後進側に操作されているときは後進操作位置スイッチ53がオンとなり、コントローラ30から前後進バルブ53の後進ソレノイドに信号が送られて、前後進クラッチ51の後進用クラッチが「入」となり、カウンタギヤを含む他方のギヤ組50を介して後進方向回転にて動力が第2主変速装置43に伝達される。そして、前後進切換えレバー26が中立位置にあるときは前進操作位置スイッチ52及び後進操作位置スイッチ53の双方がオフで前後進クラッチ51が「切」となり、回転動力が遮断されて第2主変速装置43に伝達されない。
【0020】
第2主変速装置43は、四つのギヤ組からなるシンクロメッシュギヤ式変速装置であり、前後進切換え装置42から出力された回転動力を、動力上手側から4速ギヤ組56、3速ギヤ組57、2速ギヤ組58、1速ギヤ組59の何れか一つを通じて副変速装置44へ伝達する。4速ギヤ組56と3速ギヤ組57との駆動側ギヤ間にはシンクロメッシュ機構を有するシフタリングを設け、このシフタリングを変速用アクチュエータである第1変速用油圧シリンダ60の伸縮により前後スライドさせるように構成し、これと同様に、2速ギヤ組58と1速ギヤ組59との駆動側ギヤ間にもシンクロメッシュ機構を有するシフタリングを設け、このシフタリングを変速用アクチュエータである第2変速用油圧シリンダ61の伸縮により前後スライドさせるように構成してある。
【0021】
コントローラ30から主変速「3−4速」バルブ62の4速ソレノイドに信号が送られると、第1変速用油圧シリンダ60の伸長により、前記4速ギヤ組56を介して動力が伝達されて「4速」となり、主変速「3−4速」バルブ62の3速ソレノイドに信号が送られると、該第1変速用油圧シリンダ60の収縮により、前記3速ギヤ組57を介して動力が伝達されて「3速」となる。また、コントローラ30から主変速「1−2速」バルブ63の2速ソレノイドに信号が送られると、第2変速用油圧シリンダ61の伸長により、前記2速ギヤ組58を介して動力が伝達されて「2速」となり、主変速「1−2速」バルブ63の1速ソレノイドに信号が送られると、該第2変速用油圧シリンダ61の収縮により、前記1速ギヤ組59を介して動力が伝達されて「1速」となる。このように、前記第2主変速装置43は「1速」から「4速」までの4段の変速位置を有し、該第2主変速装置43で変速された回転動力は副変速装置44へ伝達される。
【0022】
副変速装置44は、前記変速レバー18の手動操作によりリンク機構を介して切換えるスライディングメッシュギヤ式変速装置となっており、「低速」「中速」のギヤ組65,66と、「高速」(直結)のギヤ組67との3段の変速位置を有している。前記第2主変速装置43で変速された回転動力は、この副変速装置44にて更に変速される。
【0023】
ここで、前記第2主変速装置43には、ギヤ組合わせを検出する手段として主変速「1−N−2速」位置センサ68と、主変速「3−N−4速」位置センサ69とが設けられ、副変速装置44にはギヤ組合わせを検出する手段として副変速「低速」位置センサ70と、副変速「中速」位置センサ71と、副変速「高速」位置センサ72とが設けられている。これらのセンサ68乃至72の検出信号はコントローラ30に送られる。
【0024】
尚、符号22は車体が走行状態か作業状態かを指定する手段としての走行/作業切換えスイッチ、73は左右のブレーキペダル28が連結されているか否かを検出するブレーキペダル連結センサ、74は車体の走行速度を検出する車速センサ、75は作業負荷を検出する手段としてのエンジン回転数センサである。また、77はステアリングハンドル25の回転操作により作動するパワーステアリング装置、78は前輪14へ伝達する動力を「等速」若しくは「増速」に切換える四駆切換えクラッチ、79L,79Rは左右の後輪を独立して制動する左右のブレーキシリンダである。更に、コントローラ30の信号によって作業機昇降バルブ80が制御され、リフトシリンダ76の伸縮によって作業機16が昇降する。
【0025】
そして、前記副変速装置44で変速された回転動力は、リヤデファレンシャル装置81を経てリヤアクスルの減速ギヤ82にて減速され、後輪13が駆動される。また、前記副変速装置44で変速された回転動力は四駆切換えクラッチ78にも伝達され、該四駆切換えクラッチ78にて「等速」或いは「増速」に切換えられた後、フロントデファレンシャル装置84を経てフロントアクスルの減速ギヤ85にて減速され、前輪14が駆動される。更に、エンジン11の回転動力は主クラッチ40の前段にてPTO系に分岐され、PTOクラッチ86にて断接されて順次PTO逆転装置87、PTO変速装置88を経て、車体後部に突設されたPTO取出し軸89に伝達される。
【0026】
斯くして、図3及び図7に示すように、第1主変速装置41と第2主変速装置43とを連携して8段の主変速パターンが得られ、更に、副変速装置44の副変速パターン3段を組合わせて、24段の変速パターンを得ることができる。そして、前述の変速レバー18の把持部に設けた第1変速操作部35の操作により、第1主変速装置41が「高速」若しくは「低速」のどちらかに切換わり、第2主変速装置43の変速パターンが「1速」乃至「4速」の何れに位置している場合であっても、第2主変速装置43の現位置は切換えずに第1主変速装置41の変速パターンのみを現位置からアップ若しくはダウンすることによって、変速段が1段アップ若しくはダウンする。例えば、連携された主変速パターンが「1段目」のときに第1変速操作部35のHiスイッチ35aを押圧操作すれば主変速パターンが「2段目」にアップし、また、例えば主変速パターンが「6段目」のときに第1変速操作部35のLoスイッチ35bを押圧操作すれば主変速パターンが「5段目」にダウンする。
【0027】
一方、変速レバー18の把持部に設けた第2変速操作部36の操作により、第1主変速装置41と第2主変速装置43とを連携して組合わせた主変速パターンを現位置からアップ若しくはダウンさせる。この第2変速操作部36の増速スイッチ36a若しくは減速スイッチ36bを押圧操作したときは、後述する車体の走行状態や作業状態に応じて、コントローラ30が前記主変速パターンを増速スイッチ36a若しくは減速スイッチ36bの押し操作毎に現位置から1段ずつアップ若しくはダウンさせる第1変速制御状態に、或いは、前記増速スイッチ36a若しくは減速スイッチ36bの押し操作中の規定時間毎に現位置から1段ずつアップ若しくはダウンさせる第2変速制御状態に設定する。
【0028】
いま、第1変速制御状態である場合、例えば主変速パターンが「1段目」のときに第2変速操作部36の増速スイッチ36aを押圧操作すれば主変速パターンが「2段目」にアップし、主変速パターンが「2段目」のときに該増速スイッチ36aを押圧操作すれば主変速パターンが「3段目」にアップする。また、例えば主変速パターンが「6段目」のときに第2変速操作部36の減速スイッチ36bを押圧操作すれば主変速パターンが「5段目」にダウンし、主変速パターンが「5段目」のときに該減速スイッチ36bを押圧操作すれば主変速パターンが「4段目」にダウンする。
【0029】
これに対して、第2変速制御状態である場合は、例えば主変速パターンが「1段目」のときに第2変速操作部36の増速スイッチ36aを連続的に押圧操作すれば、規定時間毎に主変速パターンが「2段目」「3段目」……と自動的に順次1段ずつアップする。また、例えば主変速パターンが「7段目」のときに第2変速操作部36の減速スイッチ36bを連続的に押圧操作すれば、規定時間毎に主変速パターンが「6段目」「5段目」……と自動的に順次1段ずつダウンする。
【0030】
一方、図2及び図3にて前述したように、第1主変速装置41と第2主変速装置43とを連携して組合わせた主変速パターンの全変速位置を表示する表示部であるインジケータ37または38には、第1主変速装置41が低速ギヤ組46側に変速されているときは、主変速パターンの左側部分(1速,3速,5速,7速の何れか)が表示され、第1主変速装置41が高速ギヤ組45側に変速されているときは、主変速パターンの右側部分(2速,4速,6速,8速の何れか)が表示される。
【0031】
従って、前記インジケータ37または38の表示位置によって、第1変速操作部35を「高速」側に操作可能か「低速」側に操作可能かを作業者が確実に認識できる。また、第2変速操作部36を「増速」側に操作したときは表示が上方へ移動し、第2変速操作部36を「減速」側に操作したときは表示が下方へ移動して、変速位置の増減が明確となって操作性が著しく向上する。
【0032】
本実施の形態では、前記第1変速制御状態では前記増速スイッチ36a若しくは減速スイッチ36bの押し操作毎に主変速パターンを現位置から1段ずつアップ若しくはダウンさせるが、前記スイッチの押し操作毎に現位置から2段以上の複数段ずつアップ若しくはダウンさせるようにしてもよい。また、第2変速制御状態では前記増速スイッチ36a若しくは減速スイッチ36bの押し時間毎に現位置から1段ずつアップ若しくはダウンさせるが、前記スイッチの押し時間毎に現位置から2段以上の複数段ずつアップ若しくはダウンするようにしてもよい。
【0033】
例えば、図8に示すように、運転席17の近傍位置に走行/作業切換えスイッチ22を設けておき、該走行/作業切換えスイッチ22が作業位置にセットされている場合は、前記増速スイッチ36a若しくは減速スイッチ36bの押し操作毎または押し時間毎に、主変速パターンを現位置から1段ずつアップ若しくはダウンさせ、該走行/作業切換えスイッチ22が走行位置にセットされている場合は、前記増速スイッチ36a若しくは減速スイッチ36bの押し操作毎または押し時間毎に、主変速パターンを現位置から2段ずつアップ若しくはダウンさせるように制御する。
【0034】
或いは、変速パターン切換えスイッチ99を設けておき、該変速パターン切換えスイッチ99の切換え操作により、どの段数毎に変速させるかを設定する。例えば、該変速パターン切換えスイッチ99を2段の位置にセットしたときは、前記増速スイッチ36a若しくは減速スイッチ36bの押し操作毎または押し時間毎に、主変速パターンを現位置から2段ずつアップ若しくはダウンさせるように制御する。
【0035】
次に、図9に従って、本発明の変速制御装置の制御手順について説明する。先ず各種スイッチやセンサ類の読込みを行い(ステップ101)、リフトアーム角センサ31の検出値が所定角以下で作業機が下降位置にあるときは作業状態であると判断し(ステップ102)、前記第2変速操作部36の増速スイッチ36a若しくは減速スイッチ36bの押し操作毎に、第1主変速装置41と第2主変速装置43とを連携して組合わせた主変速パターンを現位置から1段ずつアップ若しくはダウンさせる第1変速制御状態のみ選択可能とする(ステップ103)。尚、ステップ102に於いて、走行/作業切換えスイッチ22が作業位置にセットされている場合や、作業機昇降スイッチが下降位置にセットされている場合等も、コントローラ30はトラクタ10が作業状態であると判断してステップ103に進む。
【0036】
これに対して、ステップ102に於いてリフトアーム角センサ31の検出値が所定角以上で非作業状態であると判別されたときはステップ104に進み、前進操作位置センサ52及び後進操作位置センサ53の検出値から、前後進切換え装置42が後進位置にあるか否かを判別する。前後進切換え装置42が後進位置にあるときは、ステップ103に戻って主変速パターンを第1変速制御状態のみ選択可能とし、前後進切換え装置42が中立若しくは前進位置にあるときは、左右ブレーキペダル28が非連結状態であるか否かを判別する(ステップ105)。ブレーキペダル連結センサ73の検出値から、左右ブレーキペダル28が非連結状態で片ブレーキ操作が可能であるときは、路上走行ではなく圃場内での作業状態であると判断してステップ103に戻り、左右ブレーキペダル28が連結状態で両ブレーキ同時操作が可能であるときは、路上走行と見做してステップ106に進み、第1変速制御状態と第2変速制御状態の双方が選択可能とする(ステップ106)。
【0037】
従って、ステップ106に於いては、前記第2変速操作部36の増速スイッチ36a若しくは減速スイッチ36bを押し操作すれば、該スイッチの押し操作毎に主変速パターンが1段ずつアップ若しくはダウンし、前記増速スイッチ36a若しくは減速スイッチ36bを押し続ければ、該スイッチの押し操作中の規定時間毎に、前記主変速パターンを現位置から自動的に順次1段ずつアップ若しくはダウンする。
【0038】
斯くして、トラクタ10が作業状態であるとき、或いは、前後進切換え装置42が後進位置にあるとき、若しくは、左右のブレーキペダル28が非連結状態であるときは、第2変速制御状態を牽制して第1変速制御状態のみに設定し、スイッチ押し操作毎に主変速パターンを1段のみアップ若しくはダウンさせることにより、車速の急変や変速ショックによる耕耘の乱れを防止するとともに、作業の安全性を確保する。一方、トラクタ10が非作業状態の路上走行中であって、前後進切換え装置42が前進位置にあるときは、第1変速制御状態と第2変速制御状態の双方を実行することができ、走行状態に応じて主変速パターンを連続的にアップ若しくはダウンさせることにより、変速ボタンの押し回数を減少させて迅速な変速操作を行うことができる。
【0039】
尚、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
【0040】
【発明の効果】
本発明は上記一実施の形態に詳述したように、請求項1記載の発明は、スイッチ式の変速操作部36による変速パターンをスイッチの押し操作毎に現位置から1段ずつアップ若しくはダウンさせる第1変速制御状態及びスイッチの押し操作中の規定時間毎に現位置から1段ずつアップ若しくはダウンさせる第2変速制御状態に設定する制御手段30を設け、車体の状態が作業状態か非作業状態かを検出し、この検出状態に応じて前記第1若しくは第2変速制御状態の何れか一方を牽制するように構成したので、多段化した変速位置に対して変速操作を簡易化しつつ、作業状態に応じた変速制御を行うことができる。
【0041】
また、この発明は、スイッチ式の変速操作部36による変速パターンをスイッチの押し操作毎に現位置から1段ずつアップ若しくはダウンさせる第1変速制御状態及びスイッチの押し操作中の規定時間ごとに毎に現位置から1段ずつアップ若しくはダウンさせる第2変速制御状態に設定する制御手段30を設け、車体の後進時には前記第2変速制御状態を牽制するように構成したので、多段化した変速位置に対して変速操作を簡易化しつつ、後進時は連続的な変速操作を牽制するので、車速の急変による危険を防止できる。
【0042】
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の作業車両の変速制御装置において、
運転席近傍に変速パターン切換えスイッチ99を設け、該変速パターン切換えスイッチ99の切換え操作により、如何なる段数毎に変速させるかを設定する構成を採用しているので、請求項1記載の発明の効果に加え、例えば、上記変速パターン切換えスイッチ99を2段の位置にセットしたときは、前記増速スイッチ36a若しくは減速スイッチ36bの押し操作毎または押し時間毎に、主変速パターンを現位置から2段ずつアップ若しくはダウンさせるように制御するから、時宜に応じて制御を実践することができる。
【図面の簡単な説明】
図は本発明の一実施の形態を示すものである。
【図1】トラクタの側面図。
【図2】変速レバーを示す斜視図。
【図3】変速装置のインジケータを示す正面図。
【図4】動力伝動系の線図。
【図5】油圧回路図。
【図6】変速制御系のブロック図。
【図7】変速装置の変速パターンを示す一覧図。
【図8】走行/作業切換えスイッチと変速パターン切換えスイッチを示す正面図。
【図9】変速制御手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
28 ブレーキペダル
30 コントローラ
35 第1変速操作部
36 第2変速操作部
41 第1主変速装置
42 前後進切換え装置
43 第2主変速装置
52 前進操作位置スイッチ
53 後進操作位置スイッチ
60 第1変速用油圧シリンダ
61 第2変速用油圧シリンダ
73 ブレーキペダル連結センサ
Claims (2)
- 変速装置41,43の変速位置を現位置からアップ若しくはダウン指令する一対のスイッチ式変速操作部36を備え、この変速操作部36のスイッチ信号に応じてアクチュエータ60,61を駆動させて前記変速装置41,43を切換える作業車両の変速制御装置であって、
この変速制御装置には、前記変速操作部36による変速パターンを前記スイッチの押し操作毎に現位置から1段ずつアップ若しくはダウンさせる第1変速制御状態及び前記スイッチの押し操作中の規定時間毎に1段ずつアップ若しくはダウンさせる第2変速制御状態に設定する制御手段30が備えられており、
更に、車体の状態が作業状態か或いは非作業状態かを検出する検出手段73を設け、前記検出手段73の検出結果に応じて前記第1若しくは第2変速制御状態の何れか一方を牽制するように構成した作業車両の変速制御装置に於いて、
上記作業車両は、前進若しくは後進を切換えるための前後進切換え装置42を備えており、前記前後進切換え装置42が後進位置にあるときは前記第2変速制御手段を牽制するように構成して成ることを特徴とする作業車両の変速制御装置。 - 変速装置41,43の変速位置を現位置からアップ若しくはダウン指令する一対のスイッチ式変速操作部36を備え、この変速操作部36のスイッチ信号に応じてアクチュエータ60,61を駆動させて前記変速装置41,43を切換える作業車両の変速制御装置であり、
この変速制御装置には、前記変速操作部36による変速パターンを前記スイッチの押し操作毎に現位置から1段ずつアップ若しくはダウンさせる第1変速制御状態及び前記スイッチの押し操作中の規定時間毎に1段ずつアップ若しくはダウンさせる第2変速制御状態に設定する制御手段30が備えられており、
更に、車体の状態が作業状態か或いは非作業状態かを検出する検出手段73を設け、前記検出手段73の検出結果に応じて前記第1若しくは第2変速制御状態の何れか一方を牽制するように構成した作業車両の変速制御装置であって、
上記作業車両は、前進若しくは後進を切換えるための前後進切換え装置42を備えており、前記前後進切換え装置42が後進位置にあるときは前記第2変速制御手段を牽制するように構成して成る作業車両の変速制御装置に於いて、
運転席近傍に変速パターン切換えスイッチ99を設け、該変速パターン切換えスイッチ99の切換え操作により、如何なる段数毎に変速させるかを設定する構成として成ることを特徴とする作業車両の変速制御装置。
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